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自動車メーカーのセキュリティーエンジニアが、母校でときどき「先生」に――。大手自動車メーカーでセキュリティーエンジニアとして働きながら、自身が卒業した高等専門学校の「先生」もしている倉茂廉太郎さん。仕事で培った知識や経験を高専生に教えることが、自身の仕事につながる学びになっているという。

中学時代から趣味で学んだセキュリティー分野を仕事に

中学卒業後、一関工業高等専門学校(岩手県一関市)の制御情報工学科でロボットを学び、山形大学応用生命システム工学科ではゲノムの研究をしていた倉茂さん。卒業後は4年間、システムベンダーでシステムエンジニアとして勤務。システムを作ってクライアントに納入する仕事をする中で、最後の1年間はサイバーセキュリティーを担当する部署に所属した。ただ、より高いレベルで仕事をしたいと、セキュリティーベンダーに転職。ここでは4年半ほどハッキングへの対策や脆弱性診断に携わった。そして、現在勤める大手自動車メーカーでは、脆弱性を診断し発見するセキュリティー評価を主に担当している。

もともと中学生時代に未来のサイバー犯罪を扱ったアニメを見て、セキュリティーに興味をもったという倉茂さん。本やセキュリティー分野のブログを読んだりしては、自分でサーバーやWebアプリケーションを作り、そこに侵入するといった方法で脆弱性を試していた。

「最初のころは、セキュリティーに関する仕事をすることになるとは思っていなかったので、趣味程度でした」と笑うが、大学卒業後のキャリアの中心はセキュリティー分野だ。ただ、同じセキュリティー分野でも、所属する組織やクライアントが変われば、仕事への取り組み方も変わる。

「セキュリティーには正しいあるべき姿がありますが、それが必ずしも全てのお客様や会社、サービスに適用できるわけではないので、作り変えないといけません。仕事をしながらその都度、色々な考え方や対応の仕方を本で学んでいます」

「副業先生」として母校の高専でサイバーセキュリティーの授業

そんな倉茂さんは「先生」としての顔も持つ。2022年春、プロフェッショナル人材ら向けの転職サイト「ビズリーチ」に掲載されていた、母校・一関高専での「副業先生」の公募情報が目に留まった。

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