越路吹雪の記事・ニュース・画像一覧
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まさに“女王”の名がふさわしい。豪華絢爛なドレスをまとい、優雅に身をこなす。戦後まもない日本のモノクロームな風景の中で、彼女だけが極彩色を放っていたのだ。
そして、外見負けしない歌手としての実力。エディット・ピアフを師と仰ぎ、行間を読むような繊細きわまりない表現力で、日本的なコブシを織り交ぜながらシャンソンを自分のモノとする。特に「愛の讃歌」での名唱は、日本人であるなら一家に一枚ものだ。もちろん宝塚に始まり、ミュージカル/映画女優としても卓越した才能を発揮。それでも一箇所に留まることを潔しとせず、セリフ劇などにも挑戦する芸術家肌であった。
惜しくも80年に亡くなってしまうが、RCサクセションから暴力温泉芸者まで、さまざまなアーティストが参加したトリビュート盤『拝啓、越路吹雪様。』がリリースされるなど、再評価が著しい。