土鍋に入れたご飯のうえにカレーソースやチーズをのせ、オーブンで焼いたドリア風の「焼きカレー」。福岡県北九州市門司港が発祥といわれるこの料理をヒントに、店の看板メニューを考案したひとりの店主がいます。
カレー愛好家の間では「究極のカレー」と称されるその焼きカレーを求めて、今回は、福岡市東区和白へと向かいました。
国内女子のメジャーゴルフ大会が開催される「福岡カンツリー倶楽部和白コース」の近く、住宅地の一角に店を構える「カレーハウスインディアン」。福岡の都市部でもまだ「カレー専門店」が珍しかった時代にこの地で開業し、2018年で創業から28年になるという老舗です。
店に入ると、昔ながらの懐かしい雰囲気が漂う洋食屋さん。壁には有名人のサインがたくさん貼ってあり、この店の人気の高さがうかがえます。
こちらが、“洋食ひと筋約40年”という店主の緒方秀光さん。タマネギを剥きながら、私の質問ににっこりと笑顔で答えてくださいました。
「水分が豊富で傷みも早いため、時間さえあればタマネギを剥いて、切って、炒めている」ほど手間ひまをかけるタマネギは、長崎県諫早市にある緒方さんの実家で収穫されたもの。
甘分の多さとやわらかさが特徴のこのタマネギを、1日になんと20kg(カレー1杯で約4kg)の量を使って仕込んでいるそうです。
カレーの具材は、タマネギと牛肉のみというシンプルさ。1日をかけてそれらをじっくりと煮込む分、ルーにはタマネギの甘味がしっかりと溶け込み、カレーのコクを深めています。
オープン当初はカレーのみだったそうなのですが、常連客などの要望にあわせて少しずつ増やしていったというメニュー。カレーだけでなく、スパゲティーやフライなどの定食も種類が豊富で、ピザなどのデリバリーもありました。
カレーのトッピングもバラエティー豊かです。「私の好物もあります」と緒方さんがおっしゃるとおり、納豆(150円)やぎょうざ(200円)、春巻(200円)などユニークなものもありました。
目玉焼きなのに目玉が3つもある「焼玉カレー」(830円)も気になりましたが、ここは迷わず、今回の目的である「よくばりジャンボ焼きカレー」(1,380円)を注文です!
九州産業大学や福岡工業大学などが周囲にある場所柄、「腹ペコ学生が喜ぶ店の看板メニューを作ろう!」と考えていた時のこと。「北九州でこんなカレーがあるよ」と、常連客から教えてもらった焼きカレーをヒントに、他の店にはないボリューム満点の一品が誕生しました。
注文から完成まで10分ほどかかるとのことでしたので、その間は、緒方さんの調理や盛り付けの様子をしばし見学。
まずは、ご飯に甘みたっぷりのカレールーをかけ、そのうえからナス、ソーセージ、チーズを盛り付けていきます。
味をまろやかにする温泉卵を投入!卵の半熟具合が、なんともいえぬおいしさを醸し出してますね~。
一通り具材を盛り付けたところで、上から“マヨネーズ”を投入!ふと、「カロリーはどのくらいあるだろう」と考えましたが、気にしない、気にしない♪
いよいよ、人気No.1具材のチーズハンバーグが登場! 大きくふっくらとしたビジュアルでボリューム感がいっそう際立ちますね。私は、「いますぐ食べたい!」という衝動を抑えるのに懸命です(笑)。
チーズを再び振りかけて、250℃のオーブンへイン! 濃厚な味のアンサンブルは、いったいどんなものなのか?焼きあがりまでの約10分が、待ち遠しくて仕方がありません♪
\「よくばりジャンボ焼きカレー」のできあがり!/
焼きたての香ばしい風味を漂わせて、できたてアツアツの焼きカレーが登場!カレーメニューすべてにサラダがサービスで付いてくるという、店主の優しい心遣いもうれしいですね♪
こんがり焼かれたチーズの表面をスプーンやフォークで割ると、中からソーセージやナスなどがひょっこり。ふっくらとしたハンバーグからは、肉汁と一緒にとろ~りとチーズが顔をのぞかせます。
甘みたっぷりのルーは、チーズやマヨネーズの旨味ともあいまって、カレーの濃厚なコクを引き立てます。途中、半熟卵を割ってカレーのルーに絡めて食べると、さらにまろやかな味へと変化しますよ。
一皿食べるとお腹いっぱいに!カレー愛好家から「究極のカレー」と称される焼きカレーは評判どおり、ボリューム満点で大満足の一皿でした。
カレーは辛口・中辛・甘口から辛さを選択することができます。今回、私は「中辛」をいただきました。卓上には辛味スパイスもありますので、好みにあわせて辛さを足すこともできます。
ちなみにこちらは、私と一緒にランチを食べていた常連さんが「撮影していいよー」といってくださった「チーズハンバーグ定食」(840円)です。
チーズハンバーグの上には目玉焼き。ボリュームのあるサラダにご飯、みそ汁、小鉢付きで、「定食もおすすめですよ!」という店員さんの言葉に納得です。
福岡に来た際はみなさんもぜひ一度、地元民の心とお腹を満たすアットホームな街の洋食屋さんへ足を運んでみてはいかがでしょうか?
紹介したお店
電話:092-606-1655
営業時間:11:00~15:00、17:00~22:00
定休日:水曜
書いた人
ニシダタケシ
福岡・九州の編集プロダクション・シーアールに所属。生まれも育ちも福岡という生粋の九州男児。
流行りもの&甘いもの好きで、嫌いな食べ物はほとんどなし。「毎日完食!」をモットーに、小さなカラダで福岡のおいしいものを食べ歩きます。
憧れの人は出身校の大先輩・タモリさん。グルメレポではたま~にデカ盛りにも挑戦しますよ!