現在、テレビは『番組』という流れにのっとって運営されていますが、
このシステムをとる理由、必要性、メリットはなぜでしょうか?
ここ最近はオンデマンドが普及し、有料ではありますがその時間に見なくても
いつでも見られる状況となりつつあります。
視聴者としても、番組によって決まった時間に視聴するより、多様化する
ライフスタイルに合わせていつでも都合の良い、好きなときに見られる方が
便利と感じます。
この事から、いっそ時間の決まった番組というもの自体無くして、定期的に
コンテンツを発表し、視聴者はその中から好きなものを好きな時間に視聴する、
という形の方が良いのではないかと思ってしまいます。
スポンサーの問題、録画、生放送の関係、決まった時間に放映する意義、そのような
私のような素人に分からぬメリット、理由があるのでしょう。
『番組』というシステムの存在意義について、何か情報をお持ちの方が
いらっしゃいましたら、ご教授くださいませ。
実は…凄く単純な理由かも知れません。
広告代理店やメディア関係者との会話から、下記のように考えています。
テレビの「番組」はおそらく新聞などの紙媒体の枠買いと同じ源から出発していて、目立つ「スペース」に広告を貼り付けるという発想なのだと懐います。つまり、番組という「場所」の割り当てのために存在するのではないかと思います。(以下公共放送は無視します)
紙媒体とやや異なるのは「時間帯」と「到達率=視聴率」により番組の単価(スポンサーへの販売価格)を決めることができることです。新聞ではどの場所がどれだけ読まれているかわかりませんからね。
ただし、ネットと比較してみれば視聴率はザルです。本当に視聴者が身を入れて観賞しているかどうかわからないのですから。
他方、テレビ局側からすると制作会社に「番組枠」を貸し出して、そこからコンテンツを供給してもらうという場所貸し管理のしやすさもあります。(ニュース番組だけは自前なのですけどね。)
そうなるとテレビ局はデパートと同じようなテナントビジネスなのでしょう。
つまり、広告代理店と制作会社に「番組」枠を丸投げしているのに近いのかもしれません。それ故、番組の良し悪しはこの二社で決まります。
全体の力関係では広告代理店が強いと言われています。
こうした仕組みは、ご指摘通り時代のニーズには合わない「古い」ものになりつつあります。ただ、ネットコンテンツと違いテレビ放送はリニアなのでスケジュールに従って一方的に流す(ブロードキャスト)だけです。それ故、時間帯で区切りをいれるしかないという制約はどうしてもつきまといます。
回答になるかどうかわかりませんが、以上が自分の経験からの見解です。
コンテンツの集合としてのメディアですが、実現するには費用の問題が大きいでしょう。
現在はメモリーの価格が低下しつつありますが、それでもタダではありません。
何時でもネットからアクセスして好きな番組を見るには、放送局の方で常にどの番組でも必要数だけ(同じコンテンツに集中した場合は一気に数万以上という数字も考えられない事ではありません)発信できるだけの容量が確保されていなければなりません。
同じコンテンツのコピーを必要数を予想して確保するには膨大な記憶領域が必要です。
人気番組の新規リリースではアクセス数が予想以上になるでしょう。
また、もう一つ、通信量(=通信料)の問題もあります。
現在はアクセスポイントごとに今やご町内に最低でも一カ所はあるようになった中継ポイントから一本一本光ケーブルを引っ張って対応していますが、そうしなければならないほど一般的なネット環境でさえ大量の情報が行き来しています。
各家庭ごとに好きなコンテンツを見るには、現在のテレビの情報量を視聴者数だけ掛けた数字の情報を送らなければなりません。
携帯の回線だけでも震災の時にはつながりませんでした。
視聴者の好みに応じて極端な情報量が送信される事態が予想されます。
現在の画質や音質で・・という前提で考えた場合でさえ、ネット回線が破綻するのは目に見えています。
もっとも、テレビは面白くないのでテレビを見る人が減り続けている。
メモリーやネット回線の価格低下も予想されるので、そのうち意外に早い時期にバランスが取れるかもしれません。
miharaseihyouさま
早速のご回答、誠にありがとうございます。
ネット通信環境の問題、おっしゃる通りと思います。ハッとしました。
ネット環境ではアクセス集中から、ダウンしてしまうケースが散見されますが、
人気のあるテレビ番組では視聴者の桁も違うことでしょう。
環境の問題、コストから私の考えているようなことは難しそうですね。
〉テレビは面白くないのでテレビを見る人が減り続けている。
個人的に同感でございます。数年前から全く見なくなりました。いつか…この問題が大きく広がり、システムが変わる、変える必要を迫られる時がくるかもしれませんね。
回答リクエストありがとうございます。
そうですねえ。
わたしは、通常放送と、オンデマンド放送の両方が必要だと思っています。
オンデマンド放送はとても便利ですが、
人は見たい番組があるかこそ「デマンド(要求)」します。
まったくの未知の番組は要求できません。
本屋さんや図書館を利用するように、
タイトルやあらすじから知らない作品を選ぶ人もいるでしょうが、
まあ少ないでしょうね。
オンデマンド放送は自分が何を欲しがってるか知ってる人のためのサービスです。
一方、テレビの通常放送は、
視聴者の都合などあまり関係なくさまざまな番組を垂れ流します。
見たいものはなくてもテレビはつけておくという人は多いでしょう。
面白そうな番組になった時だけ注目して、
つまらなくなったら放置する、あるいはチャンネルを回しちゃう。
視聴者は見たいものを選んでいるつもりになっていますが、
実は上から落ちてくるものに食いついているだけです。
この仕組みの何がいいかっていうと、
まったく要求のない視聴者にものを見せることができることですね。
自分が何を欲してるかわからなくてもテレビが勝手に「これはどう?」「こっちのも面白いですよ!」と流してくれるのでオンデマンドだったら絶対見ないようなものも見ちゃうでしょ。
ですから、作るのにお金がかかる新作番組はこれまでどおり通常放送で流し、
要求のない大勢に見てもらうのがいいと思うんです。
そして「今のなに? おもしろいので最初から見たい!」とか
「ネットで話題になってた昨日のドラマを見たいんだけど」となった時に
オンデマンド放送が本領を発揮します。
chinjuhさま
以前はお世話になりました。ご回答、お待ちしておりました。
ありがとうございます。
大変興味深いご回答をいただきました。
確かに明確な目的を持って利用するオンデマンドでは、「偶然」が起きることは少なさそうです。
良くいうと視聴者の興味、関心を拡げるきっかけを提供できるかもしれません。
番組制とオンデマンドは、お互いのデメリットを補完し合う関係といえそうです。
目的もなくテレビをつける…そこに目的を提供するきっかけを与える…そう考えると
番組制放送にも大きな役割があるように感じられます。
逆に明確な目的を持って利用する方に、どのようにしたら目的外のものへの興味(偶然)を生じさせることができるのか、などいろいろと考えが膨らむきっかけとなった
ご回答でした。
重ねてお礼申し上げます。
>TVの「番組システム」の存在意義?
(1)番組システムをとる理由?
視聴率を算出するため。
(2)必要性、メリット?
・視聴率からCM料金を決める算出根拠として必要。
・企業にCM料金を提示しやすいというメリットがある。
つまり、番組の視聴率が、CM料金に連動している。この番組は、これぐらいの視聴率があります。だから、CM料は、全国放送、曜日、時間帯、15秒、30秒、回数などで、いくらになります。という感じですね。
(3)番組システムを廃止。オンデマンドという視聴スタイルにしたらどうか?
・TV配信料(広告なし)だけだと、番組制作費を回収できない。
・CM料金をどのように得るか。
・代理店、芸能プロダクションへの影響大。
・企業の宣伝広告費の増大。
などなど
先日、朝日で「TV番組「無料配信時代へ」米グーグル副社長語る」という記事がありましたが、日本の放送業界・総務省は、完全に世界の潮流から取り残されてますね。
2006年の記事「テレビCMが時代に取り残されていく」ですが、面白いです。いまもあまり、日本は変わっていない気がします。残念ですが。
koutarouさま
以前もご回答ありがとうございました。この度もご回答いただき、
感謝致します。
視聴率と広告料金の関係が大きく影響しているようですね。
テレビコンテンツがスポンサーの影響を大きく受けていることが
良くわかります。
…切っても切り離せない関係ですが、切り離すことが出来れば
カナリオモシロイコンテンツが作れそうです。
「TV番組「無料配信時代へ」米グーグル副社長語る」、
「テレビCMが時代に取り残されていく」は大変興味深いです。
何度も読ませていただきました。
日本の法的な問題もあるでしょう。ガラパゴス化してますね笑。
そして、CMに関してはいたちごっこになりますが、興味のないものを
いかに引き込むか、引き続き模索していく必要がありそうです。
これは内容は違いますが、chinjuhさまのご回答からの「目的外、興味外」
をどうしたら引き込めるかと同様に検討の余地がありそうです。
利益、法律縛り…つまらないですね。今のテレビ同様。なんとかできないかな。
(必要なバランスももちろんあることとは思いますが。)
B-CASカードの問題とか、なんやかんやで総務省が介在していること、
NHKというみなし公務員のような組織があることや、放送そのものが何より法律や免許によって縛られる事業だからでしょう。
amai_melonさま
この度もご回答ありがとうございます。お待ちしておりました。
…そうなんですよね。
今日、本件についてディスカッションしたのですが、amai_melonさまの
おっしゃる通りと思います。
法律、免許、利権などでがんじがらめですね。
素人目に見てもテレビ離れは進んでいると感じるのに、業界に動きが
感じられませんね。
(欧)米のような法的にも自由競争な社会が必ずしも良いとは思わず、
バランスは必要ですが、急速でないにしろ変化は必要だと思います。
まあ、出る杭は打たれてしまうから気をつけないといけませんが。
なんとかオモシロイ事が出来ないかなあ…。
広告代理店やメディア関係者との会話から、下記のように考えています。
テレビの「番組」はおそらく新聞などの紙媒体の枠買いと同じ源から出発していて、目立つ「スペース」に広告を貼り付けるという発想なのだと懐います。つまり、番組という「場所」の割り当てのために存在するのではないかと思います。(以下公共放送は無視します)
紙媒体とやや異なるのは「時間帯」と「到達率=視聴率」により番組の単価(スポンサーへの販売価格)を決めることができることです。新聞ではどの場所がどれだけ読まれているかわかりませんからね。
ただし、ネットと比較してみれば視聴率はザルです。本当に視聴者が身を入れて観賞しているかどうかわからないのですから。
他方、テレビ局側からすると制作会社に「番組枠」を貸し出して、そこからコンテンツを供給してもらうという場所貸し管理のしやすさもあります。(ニュース番組だけは自前なのですけどね。)
そうなるとテレビ局はデパートと同じようなテナントビジネスなのでしょう。
つまり、広告代理店と制作会社に「番組」枠を丸投げしているのに近いのかもしれません。それ故、番組の良し悪しはこの二社で決まります。
全体の力関係では広告代理店が強いと言われています。
こうした仕組みは、ご指摘通り時代のニーズには合わない「古い」ものになりつつあります。ただ、ネットコンテンツと違いテレビ放送はリニアなのでスケジュールに従って一方的に流す(ブロードキャスト)だけです。それ故、時間帯で区切りをいれるしかないという制約はどうしてもつきまといます。
回答になるかどうかわかりませんが、以上が自分の経験からの見解です。
Hyperion64さま
この度もお世話になります。ご回答ありがとうございます。
本件に関わりの深いであろう、広告代理店さんやメディア関係者さんの
会話からのご回答、素人の私では得難い貴重な情報です。
目立つ「スペース」に広告を貼り付けるという発想、デパートと同じような
テナントビジネスという表現、非常にわかりやすくありがたいです。
広告代理店と制作会社の関わり、関係がコンテンツの質に影響を与えている
事も分かりました。
カナリ参考となるご回答、重ねてお礼申し上げます。
他の回答者の方と重なるところが多いと思いますが、単純に回答すると、
一定の時間帯を決めることによって、その時間帯に期待される視聴者数の想定が簡単であり、それを元にスポンサーを取ることによって、不特定多数の視聴者から視聴料を取るという煩雑な作業から開放される。企業側と視聴者の両方にとって、メリットのある簡単なシステムであるということだと思います。
これからは、社会が複雑化していくと思いますので、オンデマンドが普及していくと思いますが、番組というシステムは単純ですので、まだまだ残っていくと思います。
suppadvさま
ご回答ありがとうございます!
本件について要約いただいたご回答、とてもわかりやすいです。
どちらかというと放映する側のメリットのように感じますね。
方法は推移していくかと思いますが、この方法もしばらく続くように
感じますね。
Hyperion64さま
2012/06/03 22:54:36この度もお世話になります。ご回答ありがとうございます。
本件に関わりの深いであろう、広告代理店さんやメディア関係者さんの
会話からのご回答、素人の私では得難い貴重な情報です。
目立つ「スペース」に広告を貼り付けるという発想、デパートと同じような
テナントビジネスという表現、非常にわかりやすくありがたいです。
広告代理店と制作会社の関わり、関係がコンテンツの質に影響を与えている
事も分かりました。
カナリ参考となるご回答、重ねてお礼申し上げます。