多くの世帯が入居するタワマンでは、どんなトラブルが起きやすいのか。首都圏のタワマンで管理組合の理事長を務めた経験がある作家・竹中信勝さんは「高層建築の性質上、隣戸や上下階からの生活音が壁や床を通じて伝わりやすく、管理組合に騒音に関する苦情が寄せられる」という――。(第2回/全2回)
※本稿は、竹中信勝『タワマン理事長 ある電通マンの記録』(ワニブックス)の一部を再編集したものです――。
どこの家が「発信源」が分からない
投書箱に入れられる要望は後を断ちません。「夜、洗濯機の騒音がうるさくて不眠になった」と、投書がありました。
投書のあった居室へ管理人が現地調査をしに行きましたが、原因となる洗濯機がどこの居室に置かれているものかわからないとのこと。音の発信源は隣家とは限りません。問題の居室を挟んでいる上下階の洗濯機が怪しいと睨むも、どうやらそこではないようなのです。
振動は予期しない方向にも伝わるため、上下左右の居室が原因ではないと判明した時点で、上下左右のさらに上下左右、斜めの居室など、いたずらに調査範囲を拡大することはやめました。
1000円以下でお手軽な騒音対策
こうした苦情の解決策はまず、全戸に夜間はなるべく洗濯機を稼働しないよう注意喚起することです。その上で管理組合は、洗濯機騒音の根本原因解決グッズを推奨することになりました。住民の注意だけでは防げないケースもあるので、物理的な解決法も提案します。
洗濯機の足部分に敷くだけで騒音問題が解決できる「洗濯機用防振ゴムマット」なる商品の存在を知って、私も自宅の洗濯機の下に早速敷きました。値段は当時の価格で1000円未満というお手軽さ。
管理組合の推奨どおり全戸でこのゴムマットを導入してもらえたら、洗濯機の騒音問題は解消できるでしょう。同じような問題でお困りの管理組合理事の方は、ぜひ導入をオススメします。