カテゴリ:読書感想
なぜだかどうしてももう一度読みたいと思っていた本。
孫の絵本を買ったついでに、小学生向きだけれど原作に忠実な翻訳の本を購入。 作者ヨハンナ・シュピーリ(福音館文庫)挿絵もはいっていていいなー。 おそらく小学校高学年以来だと思う。 子供たちの頃はちょうどTVアニメ(宮崎駿さんがかかわっている!)になり、それが良かったので原作の本は読ませなかっただろう。 10年前アルプスに行き、ユングフラウへ登る登山電車から「あっ、ハイジの小屋!」と月並みな感激をしたということはあった。 読んだのは今年の夏。 子供の頃の印象は、樅木と星が見える屋根裏の干草の寝床、フランクフルトのお屋敷で夢遊病になったこと、クララが山の空気のお陰で歩けるようになったことなど。 今度読み返して、立派な教育書なのに新鮮な驚きを。 ポイントは2人のおばあさん。ペーターのおばあさんとクララのおばあさま。 感情移入は読んだその年齢によって変わるらしい。 目が不自由なペーターのおばあさんのなんと賢く我慢強いことだろう。 家族が読んでくれなくて、ようやく字が読めるようになったハイジに読んでもらう詩の美しさ。 『み心のままにゆだねよう すべてをしるそのかたに みわざははかりしられず おどろくこともあろう ときには やむをえず 深いおぼしめしから きびしいこころみに あわせたもうこともある』 信心ということがなくても良くわかる。 ペーターのおばあさんがさびしい雪の日ハイジに再び詩を読んでもらうと、 『この目がくらくくもったときは この心を照らしてください 家路をたどる旅人のごとく いそいでみもとへ行けるように』 『はじめ苦しげだったその顔に、いまではなごやかなほほえみがただよい、いかにも大きなしあわせにめぐまれたよう』になる。 クララのおばあさまは滋味にとんだ実際家らしい行動でハイジを助け、ハイジに素晴らしい影響を与える。 こんなところに、ふたたび感動してしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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