酸とアルカリの正体を暴け!~ナメクジのように動く電気泳動の実験~(中学3年)

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

酸とアルカリの正体を暴け!~電気泳動の予備実験~

こんにちは!今日は「酸」と「アルカリ」の正体に迫る実験をご紹介します。実験の準備や手順をわかりやすくお伝えしますので、ぜひ実験準備などにご利用ください!「電気泳動」という方法を使った酸とアルカリの実験です。では、早速始めましょう!

実験で使った道具と材料

今回用意したのはこちらです。

 

薬品関係

水酸化ナトリウム水溶液(6%)

塩酸(5%)

硝酸カリウム水溶液(0.2mol)

※ 作り方:硝酸カリウム 2g に水 100mL を加えます。たくさん使うので、200mL 作りました!

その他の道具

•pH試験紙(半分に切って節約!) •スライドガラス •鉛筆、ピンセット、定規、ろ紙、はさみ

•目玉クリップ(挟む部分が30mmの小さなものを2個) •スポイト •竹串(または爪楊枝の後ろ)

実験の手順

ここからは実験の流れをわかりやすくご紹介します。準備さえ整えば、あとは簡単ですよ!

1. ろ紙をセットしよう!

•スライドガラスに合わせてろ紙を切り、目玉クリップで端をしっかり固定します。

•ろ紙の中央に鉛筆で線を引いておきます。

2. pH試験紙のセッティング

•pH試験紙を半分に切り、ろ紙の上に置きます。

•スポイトで硝酸カリウム水溶液を垂らして、ろ紙全体をしっかり湿らせます。

•空気が入ると困るので、ピンセットで空気を抜きながら位置を調整します。

3. 酸とアルカリのマークをつける!

•竹串(または爪楊枝の後ろ)を使って、塩酸と水酸化ナトリウムをpH試験紙の中央にそっと付けます。

上が塩酸・下が水酸化ナトリウムです。

4. 電気を流して観察しよう!

•電源装置に接続し、電圧を20Vに設定します。

※ 20Vなので、電極は触れてはいけないと言うことを指示しましょう。

•電気を流し始めた瞬間から1分ごとに、その変化をカメラで記録します。タブレットについているものを利用すると良いでしょう。

結果はどうなる?

電気を流すことで、酸やアルカリがどう動くのかを見るのがこの実験の面白いところです。塩酸と水酸化ナトリウムの色の動き方の違いにも着目です。

実際に写真でとるとこのようになりました。

0分

1分

2分

3分

4分

5分

0分と5分後の比較

塩酸だけの比較

水酸化ナトリウムだけの比較

水酸化ナトリウムの方が塩酸に比べて動きがゆっくりですね。これはなぜでしょう??考えてみてくださいね。

まとめ

今回の実験は、科学の基本である「酸」と「アルカリ」の正体に迫る第一歩!電気泳動という方法を使えば、目には見えない分子たちの動きが分かります。ちょっとした工夫で、簡単に行える実験ですね。

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