WO2023157967A1

WO2023157967A1 - 乗物用シート

Info

Publication number: WO2023157967A1
Application number: PCT/JP2023/006029
Authority: WO
Inventors: 亘平塚; 司目黒; 一貴飛田; 将樹田中; 太輝竹内; 秀樹宇佐美; 章人小林; 仁一田邉; 亮澁谷; 勇貴吉岡; 喜赫朴; 寛之小堤; 桃子森岡; 安貴木幡; 生佳伊藤; 晃三好
Original assignee: テイ・エステック株式会社
Priority date: 2022-02-18
Filing date: 2023-02-20
Publication date: 2023-08-24
Also published as: JPWO2023157967A1

Abstract

【課題】　乗物用シートにおいて、シートバックフレームを支持するための支持部材の変形を抑制する。【解決手段】　シート（１）は、シートクッションフレーム（１１）と、シートバックフレーム（１２）とを有する。シートクッションフレームは、前後に延びる左右のサイドメンバ（２１）と、左右に延び、サイドメンバのそれぞれの前部に結合された前メンバ（２２）と、左右に延び、サイドメンバのそれぞれの後部に結合された後メンバ（２３）と、サイドメンバのそれぞれの後端に結合され、上方に延びる支持部材（２４）とを有する。支持部材の少なくとも一方は、サイドメンバの左右外面に結合された支持部材下部（２４Ａ）と、支持部材下部から上方かつ左右内方に延び、シートバックフレームを回動可能に支持する支持部材上部（２４Ｂ）とを有する。上下方向から見て、支持部材上部はサイドメンバと重なりを有する。

Description

乗物用シート

　本発明は、車両等に搭載される乗物用シートに関する。

　特許文献１は、シートクッションフレームと、シートクッションフレームに対して回動可能に設けられたシートバックフレームとを有する乗物用シートを開示している。シートクッションフレームは、前後に延びる左右のサイドメンバと、サイドメンバの後端の左右外面に結合された支持部材とを有する。シートバックフレームは支持部材に回転可能に支持されている。支持部材は、板状に形成され、サイドメンバの左右外面から上方に平面状に形成されている。

特開２０２２－１１４１４８号公報

　車両の衝突時には乗員からシートバックに荷重が加わるため、支持部材はこの荷重に対して抗することが必要なる。しかし、支持部材を平板状に形成する場合、剛性を向上させるために板厚が増加し、重量及び材料費が増加するという問題がある。

　本発明は、以上の背景を鑑み、乗物用シートにおいて、シートバックフレームを支持するための支持部材の変形を抑制することを課題とする。

　上記課題を解決するために、本発明の一態様は、乗物用シート（１）であって、シートクッションフレーム（１１）と、前記シートクッションフレームに回動可能に支持されたシートバックフレーム（１２）とを有し、前記シートクッションフレームは、前後に延びる左右のサイドメンバ（２１）と、左右に延び、前記サイドメンバのそれぞれの前部に結合された前メンバ（２２）と、左右に延び、前記サイドメンバのそれぞれの後部に結合された後メンバ（２３）と、前記サイドメンバのそれぞれの後端に結合され、上方に延びる支持部材（２４）とを有し、前記支持部材の少なくとも一方は、前記サイドメンバの左右外面に結合された支持部材下部（２４Ａ）と、前記支持部材下部から上方かつ左右内方に延び、前記シートバックフレームを回動可能に支持する支持部材上部（２４Ｂ）とを有し、上下方向から見て、前記支持部材上部は前記サイドメンバと重なりを有する。

　この態様によれば、シートバックに荷重が加わり、支持部材が下方に変形するときには支持部材上部がサイドメンバと当接し、支持部材の変形が抑制される。これにより、乗物用シートにおいて、シートバックフレームを支持するための支持部材の変形を抑制することができる。また、支持部材の重量及び材料を低減することができる。

　上記の態様において、前記サイドメンバは、前後に延びるサイドメンバ本体部（２１Ａ）と、前記サイドメンバ本体部の後端から上方に突出するサイドメンバ拡張部（２１Ｂ）とを有し、前記支持部材下部は、前記サイドメンバ拡張部に結合され、上下方向から見て、前記支持部材上部は前記サイドメンバ拡張部と重なりを有してもよい。

　この態様によれば、シートバックに荷重が加わり、支持部材が下方に変形するときには支持部材上部がサイドメンバ拡張部と当接し、支持部材の変形が抑制される。

　上記の態様において、前記サイドメンバ拡張部及び前記支持部材下部の一方は、上下に延びた凸部（２１Ｃ）を有し、前記サイドメンバ拡張部及び前記支持部材下部の他方は、前記凸部を受容する受容溝（２４Ｄ）を有してもよい。

　この態様によれば、凸部が受容溝に突入することによってサイドメンバ拡張部に対する支持部材下部の位置が安定する。

　上記の態様において、前記凸部は、前記サイドメンバ拡張部の前縁及び後縁のそれぞれに設けられ、前記受容溝は、前記支持部材下部の前縁及び後縁のそれぞれに設けられてもよい。

　この態様によれば、前後の凸部が受容溝に突入することによってサイドメンバ拡張部に対する支持部材下部の位置が安定する。

　上記の態様において、前記支持部材は、板金部材によって形成され、前記支持部材の前縁及び後縁に、左右外方に向けて突出し、かつ前記支持部材下部から前記支持部材にかけて延びた縁壁（２４Ｅ）が設けられてもよい。

　この態様によれば、支持部材の剛性が向上する。

　上記の態様において、前記支持部材の左右外面に補強板（３５）が設けられ、前記補強板は、前後の前記縁壁に結合されてもよい。

　この態様によれば、支持部材の剛性が向上する。

　上記の態様において、前記支持部材上部は、左右内方に膨出した膨出部（２４Ｆ）を有し、前記膨出部に前記シートバックフレームが回動可能に支持され、前記膨出部は、前記サイドメンバ拡張部の上縁から上方に間隔をおいて配置されてもよい。

　この態様によれば、シートバックに荷重が加わり、支持部材が下方に変形するときには膨出部がサイドメンバ拡張部と当接し、支持部材の変形が抑制される。また、膨出部によって支持部材の剛性が向上する。

　上記の態様において、左右の前記サイドメンバは、スライド装置（６）を介してフロア（７）に結合され、前記スライド装置は、前記フロアに結合されたロアレール（１５）と、前記ロアレールにスライド移動可能に設けられ、かつ前記サイドメンバに結合されたアッパレール（１６）とを有し、前記ロアレールには、先端が下方を向くと共に前後に延びた下側係止部材（６１）が設けられ、前記サイドメンバには、先端が上方を向くと共に前後に延びた上側係止部材（６３）が設けられ、前記上側係止部材は、前記下側係止部材に下方から隙間をおいて対向すると共に、前後に離れた前側結合部（６５）及び後側結合部（６６）において前記サイドメンバに結合され、前記前側結合部より後方かつ前記後側結合部より前方に、前記後メンバと前記サイドメンバとの結合部（２３Ａ）が設けられ、前記前側結合部より後方かつ前記後メンバと前記サイドメンバとの結合部より前方に、シートベルトバックル（６７）と前記サイドメンバとの結合部（６７Ａ）が設けられてもよい。

　この態様によれば、シートベルトバックルをサイドメンバの剛性が高い部分に結合させることができる。これにより、シートベルトバックルとサイドメンバとの結合部は、車両の衝突時に乗員から加わる荷重に抗することができる。

　上記の態様において、前記シートバックフレームは、上下に延びる左右のバックサイドメンバ（４１）と、左右に延び、左右の前記バックサイドメンバの上端部に接続した上メンバ（４２）と、左右に延び、左右の前記バックサイドメンバの下端部に接続した下メンバ（４３）とを有し、前記バックサイドメンバの少なくとも一方は、上下に延びるパイプ部（４１Ａ）と、前記パイプ部の下部に結合されたサイドプレート（４４）とを有し、前記サイドプレートは、上下に延びると共に、左右を向くプレート本体部（４４Ａ）と、前記プレート本体部の前縁及び後縁から左右内方に突出した前フランジ部（４４Ｂ）及び後フランジ部（４４Ｃ）と有し、前記パイプ部は、上下に直線状に延びる直線状部（４１Ｂ）と、前記直線状部の下端に設けられた屈曲部（４１Ｃ）から下方かつ左右内方に傾斜して延びる傾斜部（４１Ｄ）を有し、前記プレート本体部の上部は、前記直線状部に沿って配置され、前記プレート本体部の下部は、前記屈曲部の左右外方に隙間をおいて配置され、前記プレート本体部の下部には、前記屈曲部から下方に延びる補強ビード（４４Ｆ）が設けられ、前記プレート本体部の下部の左右外方には、リクライニング装置（５０）を介して前記支持部材上部が設けられ、前記プレート本体部の下部の左右内方には、前記リクライニング装置の操作軸（５０Ａ）に結合されたレバー（５０Ｂ）が配置されてもよい。

　この態様によれば、サイドパイプから離れて下方に延びるプレート本体部の下部を補強ビードによって補強することができる。

　上記の態様において、前記前フランジ部が前記直線状部に溶接され、前記後フランジ部が前記直線状部及び前記傾斜部に溶接されてもよい。

　この態様によれば、サイドプレートをサイドパイプに安定性良く結合することができる。

　本発明の他の態様は、乗物用シートに関する。文献（特開２０１８－１６２１１号公報）には、シートクッションフレームの溶接部を覆う保護カバーを有する乗物用シートを開示している。保護カバーは第１カバー及び第２カバーを有し、シートクッションフレームの溶接部を覆うように設けられている。溶接部とシートベルトとの接触を避けるために、第１カバーの一部が第２カバーの内側に挿入されている。

　しかし、第１カバーの一部が第２カバーの内側に挿入されると保護カバー全体の厚みが大きくなるという問題がある。また、第１カバーの端部を外部から目視することができないため、第１カバーが適切な位置に取り付けられているか否かを確認することが困難である。そのため、保護カバーの位置合わせが困難であるという問題がある。本発明の他の態様は、以上の背景に鑑み、乗物用シートにおいて、保護カバーの厚みを抑制すると共に、保護カバーの位置合わせを容易にすることを課題とする。

　本発明の他の態様は、乗物用シート（４０１）であって、シートクッション（４０２）と、前記シートクッションの後部に回動可能に支持されたシートバック（４０３）とを有し、前記シートクッションは、前後に延びる左右のサイドメンバ（４１１）、左右に延びて左右の前記サイドメンバの前端に接続した前メンバ（４１２）、及び左右に延びて左右の前記サイドメンバの後端に接続した後メンバ（４１３）を有するシートクッションフレーム（４０５）と、左右の前記サイドメンバの少なくとも一方に設けられた保護カバー（４４０）とを有し、前記保護カバーは、第１カバー（４４１）と、前記第１カバーの前方又は後方に隣接して配置された第２カバー（４４２）とを有し、前記第１カバーの前記第２カバー側の端部には前記第２カバー側に延びる凸部（４４３）が設けられ、前記第２カバーの前記第１カバー側の端部には前記凸部を受容する凹部（４４４）が設けられ、前記凹部は前記第２カバーの厚み方向に貫通している。

　この態様によれば、第２カバーの厚み方向において、凸部が第２カバーと重ならないため、保護カバーの厚みを抑制することができる。また、凸部を外部から目視することができるため、第１カバーと第２カバーとの位置合わせが容易になる。これらにより、乗物用シートにおいて、保護カバーの厚みを抑制すると共に、保護カバーの位置合わせを容易にすることができる。また、凸部が凹部に嵌合することによって、第１カバーと第２カバーとの境界が蛇行しているため、シートベルトが第１カバーと第２カバーとの境界に進入し難くなる。

　上記の態様において、前記シートクッションフレームは、左右の前記サイドメンバの後部から上方に延びるシートバック支持部（４１５）を有し、前記第２カバーは、前記第１カバーの後方に設けられて前後に延びる第２カバー前部（４５３）と、前記第２カバー前部から後方かつ上方に延び、前記シートバック支持部の少なくとも一部を覆う第２カバー後部（４５４）とを有してもよい。

　この態様によれば、保護カバーはシートバック支持部を保護することができる。

　上記の態様において、前記第２カバー前部の厚みは前記第２カバー後部の厚みよりも大きくてもよい。

　この態様によれば、シートベルトから荷重を受ける可能性がある第２カバー前部の剛性を高めることができる。

　上記の態様において、前記サイドメンバの一方に溶接され、前記サイドメンバから上方に延びるアーム（４２１）と、車体に結合され、前記アームの上端を前後に延びる回転軸（Ａ１）回りに回動可能に支持する支持ブラケット（４２２）とを有し、前記第１カバーは、前記アームと前記サイドメンバとの溶接部（４４７）を覆ってもよい。

　この態様によれば、アームとサイドメンバとの溶接部にシートベルトが接触することを抑制することができる。

　上記の態様において、前記第１カバーの上面には、上方に突出し、左右に延びる規制壁（４９）が設けられてもよい。

　この態様によれば、規制壁によってシートベルトの前方への移動を規制することができる。

　上記の態様において、前記アームは、上下に延びると共に前後に延び、上端において前記支持ブラケットに支持されたアーム本体部（４２１Ａ）と、前記アーム本体部の下端から側方に延び、前記サイドメンバに溶接された前後一対のアーム結合部（４２１Ｂ）とを有し、前記第１カバーは、前記アーム本体部に沿って配置された第１カバー上部（４４１Ａ）と、前後一対の前記アーム結合部に沿って配置された前後一対の第１カバー下部（４４１Ｂ）とを有し、前記凸部は前記第１カバー下部に設けられてもよい。

　この態様によれば、第１カバーは、シートを車体に対して回動可能に支持するアームを保護することができる。

　上記の態様において、前記シートクッションは、前記シートクッションフレームに支持されたパッド（４０６）と、前記パッドに被せられた表皮材（４０７）とを有し、前記表皮材は、前記第１カバー下部と、前記第２カバーの前部とに被せられてもよい。

　この態様によれば、表皮材によって第１カバーと第２カバーの境界部を覆うことができる。これにより、シートベルトが第１カバーと第２カバーとの境界に進入し難くなる。

　上記の態様において、前記第２カバー前部の裏面には、左右に延びるリブ（４５６）が設けられてもよい。

　この態様によれば、第２カバー前部の剛性を高めることができる。

　上記の態様において、前記第２カバー前部は、前記サイドメンバの左右外方に配置される側壁部（４５３Ａ）と、前記側壁部の上縁から左右内方に延びる上壁部（４５３Ｂ）とを有し、前記リブは前記上壁部の裏面から前記側壁部の裏面に延びてもよい。

　上記の態様において、前記凹部は、前記上壁部に形成されてもよい。

　この態様によれば、シートベルトが当接する可能性がある部分において、第１カバーと第２カバーとの境界が蛇行させることができる。

　本発明の一態様は、乗物用シート（１）であって、シートクッションフレーム（１１）と、前記シートクッションフレームに回動可能に支持されたシートバックフレーム（１２）とを有し、前記シートクッションフレームは、前後に延びる左右のサイドメンバ（２１）と、左右に延び、前記サイドメンバのそれぞれの前部に結合された前メンバ（２２）と、左右に延び、前記サイドメンバのそれぞれの後部に結合された後メンバ（２３）と、前記サイドメンバのそれぞれの後端に結合され、上方に延びる支持部材（２４）とを有し、前記支持部材の少なくとも一方は、前記サイドメンバの左右外面に結合された支持部材下部（２４Ａ）と、前記支持部材下部から上方かつ左右内方に延び、前記シートバックフレームを回動可能に支持する支持部材上部（２４Ｂ）とを有し、上下方向から見て、前記支持部材上部は前記サイドメンバと重なりを有する。

　この態様によれば、支持部材の剛性が向上する。

　上記の態様において、　上記の態様において、前記シートバックフレームは、上下に延びる左右のバックサイドメンバ（４１）と、左右に延び、左右の前記バックサイドメンバの上端部に接続した上メンバ（４２）と、左右に延び、左右の前記バックサイドメンバの下端部に接続した下メンバ（４３）とを有し、前記バックサイドメンバの少なくとも一方は、上下に延びるパイプ部（４１Ａ）と、前記パイプ部の下部に結合されたサイドプレート（４４）とを有し、前記サイドプレートは、上下に延びると共に、左右を向くプレート本体部（４４Ａ）と、前記プレート本体部の前縁及び後縁から左右内方に突出した前フランジ部（４４Ｂ）及び後フランジ部（４４Ｃ）と有し、前記パイプ部は、上下に直線状に延びる直線状部（４１Ｂ）と、前記直線状部の下端に設けられた屈曲部（４１Ｃ）から下方かつ左右内方に傾斜して延びる傾斜部（４１Ｄ）を有し、前記プレート本体部の上部は、前記直線状部に沿って配置され、前記プレート本体部の下部は、前記屈曲部の左右外方に隙間をおいて配置され、前記プレート本体部の下部には、前記屈曲部から下方に延びる補強ビード（４４Ｆ）が設けられ、前記プレート本体部の下部の左右外方には、リクライニング装置（５０）を介して前記支持部材上部が設けられ、前記プレート本体部の下部の左右内方には、前記リクライニング装置の操作軸（５０Ａ）に結合されたレバー（５０Ｂ）が配置されてもよい。

実施形態に係るシートのフレームの斜視図第１シートバックフレームの支持構造を示す斜視図第１シートバックフレームの支持構造を示す斜視図第１シートバックフレームの支持構造を示す正面図サイドメンバ及び支持部材の結合部の水平断面図サイドメンバ及び支持部材の結合部の垂直断面図第１シートバックフレームの下部構造を示す斜視図シートの右側面図図８のＩＸ－ＩＸ断面図他の実施形態に係るシートのドライブモードの側面図シートクッションの柔モードの説明図シートクッションの硬モードの説明図シートの安らぎモードの側面図他の実施形態に係るシートバックフレームの斜視図受圧部材の水平断面図他の実施形態に係るシートが設けられた車両を示す説明図車室における複数のシートの取り付け位置を示す説明図スライド装置の斜視図アッパレールの断面斜視図車室における複数のシートの取り付け位置を示す説明図車室における複数のシートの取り付け位置を示す説明図車室における複数のシートの取り付け位置を示す説明図他の実施形態に係るシートの使用形態を示す斜視図シートの収納形態を示す斜視図シートフレームを示す斜視図アーム及びシートクッションフレームの結合部を示す斜視図保護カバーが装着されたシートクッションフレームを示す平面図第１カバーと第２カバーとの境界部を左上から見た斜視図第１カバー及び第２カバーの斜視図シートクッションの断面図

　以下、図面を参照して、本発明に係る乗物用シートを自動車の後部座席（２列目及び３列目を含む）に適用した一実施形態を説明する。以下の説明では、左右方向において、シートの中央側を内方、相反する側を外方という。左右一対設けられる同一構成については、共通の番号を付し、説明を省略する。

　図１に示すように、シート１は、使用者の臀部を下方から支持するシートクッション２と、使用者の背部を後方から支持する第１シートバック３と第２シートバック４とを有する。第１シートバック３は、第２シートバック４の左側に配置されている。シートクッション２は、スライド装置６を介してフロア７に支持されている。第１シートバック３は、シートクッション２の後部の左側に回動可能に支持されている。第２シートバック４は、シートクッション２の後部の右側に回動可能に支持されている。

　シートクッション２は、シートクッションフレーム１１を有する。第１シートバック３は、第１シートバックフレーム１２を有する。第２シートバック４は第２シートバックフレーム１３を有する。シートクッションフレーム１１、第１シートバックフレーム１２、及び第２シートバックフレーム１３のそれぞれには、可撓性のパッドが設けられ、パッドには表皮材が被せられる。

　スライド装置６は、フロア７に結合されたロアレール１５と、ロアレール１５にスライド移動可能に設けられたアッパレール１６とを有する。ロアレール１５は、左右一対設けられ、前後に延びている。ロアレール１５は、フット１７を介してフロア７に結合されている。

　シートクッションフレーム１１は、前後に延びる左右のサイドメンバ２１と、左右に延び、サイドメンバ２１のそれぞれの前部に結合された前メンバ２２と、左右に延び、サイドメンバ２１のそれぞれの後部に結合された後メンバ２３と、サイドメンバ２１のそれぞれの後端に結合され、上方に延びる支持部材２４とを有する。

　シートクッションフレーム１１は、左右のサイドメンバ２１の間を前後に延び、前メンバ２２及び後メンバ２３に結合した中間メンバ２６と、中間メンバ２６の後端に結合され、上方に延びる中間支持部材２７とを有する。またシートクッションフレーム１１は、左側のサイドメンバ２１と中間メンバ２６との間を前後に延び、前メンバ２２及び後メンバ２３に結合した左側のパンフレーム３１と、右側のサイドメンバ２１と中間メンバ２６との間を前後に延び、前メンバ２２及び後メンバ２３に結合した右側のパンフレーム３２とを有する。

　図１～図４に示すように、各サイドメンバ２１は、板金部材によって形成されている。各サイドメンバ２１は、左右において対応するアッパレール１６に結合されている。各サイドメンバ２１は、前後に延びるサイドメンバ本体部２１Ａと、サイドメンバ本体部２１Ａの後端から上方に突出するサイドメンバ拡張部２１Ｂとを有する。サイドメンバ本体部２１Ａ及びサイドメンバ拡張部２１Ｂは、一体に形成され、左右を向く主面部を有する。図２及び図５に示すように、サイドメンバ拡張部２１Ｂは、左右外方に突出すると共に、上下に延びた凸部２１Ｃを有する。凸部２１Ｃは、サイドメンバ拡張部２１Ｂの前縁及び後縁のそれぞれに設けられている。サイドメンバ拡張部２１Ｂの前縁及び後縁には、左右内方に突出した縁壁２１Ｄが設けられている。凸部２１Ｃ及び縁壁２１Ｄは、板金部材をプレス成形することによって形成されている。縁壁２１Ｄは、サイドメンバ本体部２１Ａの縁部に延びている。前後の縁壁２１Ｄの間に前後の凸部２１Ｃが配置されている。前側の縁壁２１Ｄは前側の凸部２１Ｃに連続し、後側の縁壁２１Ｄは後側の凸部２１Ｃに連続している。凸部２１Ｃの横断面は、半円形に形成されているとよい。

　図２～図４に示すように、各支持部材２４は、板金部材によって形成されている。支持部材２４の主面は左右を向いている。支持部材２４の少なくとも一方は、サイドメンバ２１の左右外面に結合された支持部材下部２４Ａと、支持部材下部２４Ａから上方かつ左右内方に延び、第１シートバックフレーム１２を回動可能に支持する支持部材上部２４Ｂとを有する。本実施形態では、左側の支持部材２４の支持部材上部２４Ｂが、支持部材下部２４Ａから上方かつ左右内方に延びている。右側の支持部材２４の支持部材上部２４Ｂは、支持部材下部２４Ａから上方に延びている。左右の支持部材下部２４Ａは、左右のサイドメンバ拡張部２１Ｂに結合されている。後メンバ２３は、サイドメンバ拡張部２１Ｂの下部に溶接されている。支持部材下部２４Ａは、少なくとも３つの締結部２４Ｃにおいてサイドメンバ拡張部２１Ｂに締結されているとよい。前側の締結部２４Ｃは後メンバ２３の前方に配置され、後側の締結部２４Ｃは後メンバ２３の後方に配置されているとよい。上側の締結部２４Ｃは、後メンバ２３の上方に配置されているとよい。上側の締結部２４Ｃは、サイドメンバ拡張部２１Ｂの上端に設けられているとよい。

　図２、図３、及び図６に示すように、上下方向から見て、左側の支持部材上部２４Ｂは左側のサイドメンバ２１と重なりを有する。より具体的には、上下方向から見て、左側の支持部材上部２４Ｂは左側のサイドメンバ拡張部２１Ｂと重なりを有する。

　図５に示すように、支持部材下部２４Ａは、凸部２１Ｃを受容する受容溝２４Ｄを有する。受容溝２４Ｄは、支持部材下部２４Ａの前縁及び後縁のそれぞれに設けられている。支持部材下部２４Ａがサイドメンバ拡張部２１Ｂに結合された状態において、前後の受容溝２４Ｄには前後において対応する凸部２１Ｃが嵌合する。これにより、サイドメンバ拡張部２１Ｂに対する支持部材下部２４Ａの位置が安定する。図２～図４に示すように、支持部材２４の前縁及び後縁に、左右外方に向けて突出し、かつ支持部材下部２４Ａから支持部材２４にかけて延びた縁壁２４Ｅが設けられている。縁壁２４Ｅは、支持部材２４の剛性を向上させる。

　支持部材上部２４Ｂは、左右内方に膨出した膨出部２４Ｆを有する。膨出部２４Ｆに第１シートバックフレーム１２が回動可能に支持される。膨出部２４Ｆは、サイドメンバ拡張部２１Ｂの上縁から上方に間隔をおいて配置されている。膨出部２４Ｆは、支持部材下部２４Ａに対して左右内方に配置されている。膨出部２４Ｆは、支持部材２４の剛性を向上させる。

　図４に示すように、支持部材２４の左右外面に補強板３５が設けられている。補強板３５は、前後の縁壁２４Ｅに結合され、支持部材２４と協働して閉断面構造を形成する。補強板３５は、支持部材２４の剛性を向上させる。

　図１に示すように、第１シートバックフレーム１２はシートクッションフレーム１１に回動可能に支持されている。第１シートバックフレーム１２は、上下に延びる左右のバックサイドメンバ４１と、左右に延び、左右の前記バックサイドメンバ４１の上端部に接続した上メンバ４２と、左右に延び、左右の前記バックサイドメンバ４１の下端部に接続した下メンバ４３とを有する。左右のバックサイドメンバ４１の少なくとも一方は、上下に延びるパイプ部４１Ａと、パイプ部４１Ａの下部に結合されたサイドプレート４４とを有する。本実形態では、左側のバックサイドメンバ４１が、パイプ部４１Ａと、サイドプレート４４とを有する。右側のバックサイドメンバ４１は、複数の板金部材によって角筒状に形成されている。上メンバ４２及び下メンバ４３は、パイプ材によって形成されている。パイプ部４１Ａ、上メンバ４２、及び下メンバ４３は、１つの連続したパイプを折曲することによって形成されている。

　図７に示すように、パイプ部４１Ａは、上下に直線状に延びる直線状部４１Ｂと、直線状部４１Ｂの下端に設けられた屈曲部４１Ｃから下方かつ左右内方に傾斜して延びる傾斜部４１Ｄを有する。サイドプレート４４は、上下に延びると共に、左右を向くプレート本体部４４Ａと、プレート本体部４４Ａの前縁及び後縁から左右内方に突出した前フランジ部４４Ｂ及び後フランジ部４４Ｃと有する。前フランジ部４４Ｂは直線状部４１Ｂに溶接されている。後フランジ部４４Ｃは直線状部４１Ｂ及び傾斜部４１Ｄに溶接されている。これにより、サイドプレート４４をパイプ部４１Ａに安定性良く結合することができる。後フランジ部４４Ｃは、前フランジ部４４Ｂよりも左右内方に突出している。後フランジ部４４Ｃの下部は、後フランジ部４４Ｃの上部よりも左右内方に突出している。前フランジ部４４Ｂの下端と後フランジ部４４Ｃの下端とは互いに接続している。

　プレート本体部４４Ａの上部４４Ｄは、直線状部４１Ｂに沿って配置されている。プレート本体部４４Ａの下部４４Ｅは、屈曲部４１Ｃの左右外方に隙間をおいて配置されている。プレート本体部４４Ａの上部４４Ｄと下部４４Ｅとは、上下に延びる同一平面状に配置されている。プレート本体部４４Ａの下部４４Ｅは、上部４４Ｄよりも前方に突出している。プレート本体部４４Ａの下部４４Ｅは、上部４４Ｄよりも前後幅が広くなっている。プレート本体部４４Ａの下部４４Ｅの前縁は、円弧状に形成されている。

　プレート本体部４４Ａの下部４４Ｅには、屈曲部４１Ｃから下方に延びる補強ビード４４Ｆが設けられている。補強ビード４４Ｆは、プレート本体部４４Ａの下部４４Ｅの前縁に沿って延びている。これにより、パイプ部４１Ａから離れて下方に延びるプレート本体部４４Ａの下部４４Ｅを補強ビード４４Ｆによって補強することができる。

　サイドプレート４４はリクライニング装置５０を介して左側の支持部材２４に回転可能に支持されている。また、右側のバックサイドメンバ４１の下端はリクライニング装置５０を介して中間支持部材２７に回転可能に支持されている。各リクライニング装置５０は、操作軸５０Ａを有し、操作軸５０Ａの回転によってロック状態と解除状態とを切り替える。リクライニング装置５０は、ロック状態であるときに支持部材２４又は中間支持部材２７に対するサイドプレート４４の回動を禁止し、解除状態であるときに支持部材２４又は中間支持部材２７に対するサイドプレート４４の回動を許容する。リクライニング装置５０は、例えば、支持部材２４又は中間支持部材２７に結合された第１部材と、第１部材に対して回動可能に支持され、サイドプレート４４又は右側のバックサイドメンバ４１の下端に結合された第２部材と、第１部材と第２部材との間に配置されると共に操作軸５０Ａに結合されたロック部材とを有するとよい。ロック部材は、操作軸５０Ａの回転位置に応じて、第１部材及び第２部材に係合して第１部材に対する第２部材の回転を規制するロック位置と、第１部材及び第２部材に係合して第１部材に対する第２部材の回転を規制する。

　プレート本体部４４Ａの下部４４Ｅの左右外方には、リクライニング装置５０を介して支持部材上部２４Ｂが設けられている。サイドプレート４４のプレート本体部４４Ａの下部４４Ｅの左方にリクライニング装置５０が配置され、リクライニング装置５０の左方に支持部材上部２４Ｂが配置されている。

　各リクライニング装置５０の操作軸５０Ａは、対応するサイドプレート４４を貫通して左右内方に突出している。プレート本体部４４Ａの下部４４Ｅの左右内方には、操作軸５０Ａに結合されたレバー５０Ｂが配置されている。レバー５０Ｂには、コントロールケーブル５０Ｃが接続されている。レバー５０Ｂは、ばね５０Ｄによってロック位置に付勢されている。サイドプレート４４の下部４４Ｅには、コントロールケーブル５０Ｃを支持すると共に、ばね５０Ｄの一端を係止するホルダ５０Ｅが設けられている。コントロールケーブル５０Ｃが引かれることによってレバー５０Ｂ及び操作軸５０Ａが回動し、リクライニング装置５０は解除状態になる。リクライニング装置５０は、ロック状態になるように付勢されているとよい。

　左右方向から見て、操作軸５０Ａはパイプ部４１Ａの傾斜部４１Ｄよりも前方に配置されているとよい。また、左右方向から見て、レバー５０Ｂはパイプ部４１Ａの傾斜部４１Ｄと重なりを有してもよい。

　第２シートバックフレーム１３はシートクッションフレーム１１に回動可能に支持されている。第２シートバックフレーム１３は、上下に延びる左右のバックサイドメンバ５３と、左右に延び、左右の前記バックサイドメンバ５３の上端部に接続した上メンバ５４と、左右に延び、左右の前記バックサイドメンバ５３の下端部に接続した下メンバ５５と、左右の前記バックサイドメンバ５３の下端部にそれぞれ結合された左右のサイドプレート５６とを有する。左右のバックサイドメンバ５３及び下メンバ４３は、連続した１つのパイプを屈曲することによって形成されている。下メンバ４３は、中央部に向けて下方に傾斜している。

　第２シートバック４において、左側のサイドプレート５６は中間支持部材２７にリクライニング装置５０を介して回動可能に支持され、右側のサイドプレート５６は右側の支持部材２４に回動可能に支持されている。

　図８及び図９に示すように、ロアレール１５のそれぞれには、下側係止部材６１が設けられている。下側係止部材６１は、底板部６１Ａと、底板部６１Ａの左右の縁部から上方に延びる左右の下側フック６１Ｂとを有する。底板部６１Ａは、フロア７とロアレール１５との間に設けられ、ロアレール１５及びフロア７に結合されている。底板部６１Ａは、前後に延び、ロアレール１５よりも広い左右幅を有する。左右の下側フック６１Ｂは、ロアレール１５の左右の側方に配置されている。左右の下側フック６１Ｂの先端は、下方に向けて屈曲されている。

　右側のサイドメンバ２１には、第１上側係止部材６３及び第２上側係止部材６４が設けられている。第１上側係止部材６３は、面が左右を向き、前後に延びた側板部６３Ａと、側板部６３Ａの下端に設けられた上側フック６３Ｂとを有する。側板部６３Ａは、右側のサイドメンバ２１の左右外面に前側結合部６５及び後側結合部６６において締結されている。前側結合部６５及び後側結合部６６は、前後に距離をおいて配置されている。前側結合部６５は側板部６３Ａの前端に配置され、後側結合部６６は側板部６３Ａの後端に配置されている。第１上側係止部材６３は、前側結合部６５及び後側結合部６６においてサイドメンバ２１に締結されているとよい。

　第１上側係止部材６３の側板部６３Ａの下部は、ロアレール１５と下側係止部材６１との間に突入している。上側フック６３Ｂの先端は上方に向けて屈曲されている。上側フック６３Ｂは、下側フック６１Ｂの下方に配置されている。上側フック６３Ｂと下側フック６１Ｂとは、上下に隙間をおいて対向している。

　第２上側係止部材６４は、前後に延びた上板部６４Ａと、上板部６４Ａの左端から下方に延びた上側フック６４Ｂとを有する。上板部６４Ａは、右側のサイドメンバ２１の底面とアッパレール１６の上面との間に挟持され、右側のサイドメンバ２１及びアッパレール１６に締結されている。上側フック６４Ｂの下部は、ロアレール１５と下側係止部材６１との間に突入している。上側フック６４Ｂの先端は上方に向けて屈曲されている。上側フック６４Ｂは、下側フック６１Ｂの下方に配置されている。上側フック６４Ｂと下側フック６１Ｂとは、上下に隙間をおいて対向している。

　車両の衝突時に加わる荷重によって、シート１がフロア７から離れる方向に移動するときには、下側係止部材６１と、第１上側係止部材６３及び第２上側係止部材６４とが係合することによって、シート１の移動が抑制される。左側のサイドメンバ２１には、右側のサイドメンバ２１に設けられた下側係止部材６１、第１上側係止部材６３、及び第２上側係止部材６４と同様の構成が設けられるとよい。

　右側のサイドメンバ２１には、シートベルトバックル６７が結合されている。シートベルトバックル６７は、シートベルトに設けられたタングと着脱可能に結合する。シートベルトは、例えば、車両の天井から延びているとよい。シートベルトバックル６７は、結合部６７Ａにおいて右側のサイドメンバ２１に締結されているとよい。

　前側結合部６５より後方かつ後側結合部６６より前方に、後メンバ２３と右側のサイドメンバ２１との結合部２３Ａが設けられている。後メンバ２３と右側のサイドメンバ２１とは、結合部２３Ａにおいて溶接されているとよい。前側結合部６５より後方かつ後メンバ２３とサイドメンバ２１との結合部２３Ａより前方に、シートベルトバックル６７と右側のサイドメンバ２１との結合部６７Ａが設けられているとよい。これにより、シートベルトバックル６７をサイドメンバ２１の剛性が高い部分に結合させることができる。これにより、シートベルトバックル６７とサイドメンバ２１との結合部６７Ａは、車両の衝突時に乗員から加わる荷重に抗することができる。

　上記のシート１では、シート１バックに荷重が加わり、支持部材２４が下方に変形するときには支持部材上部２４Ｂがサイドメンバ２１と当接し、支持部材２４の変形が抑制される。これにより、シート１において、第１シートバックフレーム１２を支持するための支持部材２４の変形を抑制することができる。また、支持部材２４の重量及び材料を低減することができる。

　以下に他の実施形態に係る乗物用シートについて説明する。図１０に示すように、シート１００は、シートクッション１０１と、シートバック１０２とを有する。シートクッション１０１は、フロア１０３に設けられたベース１０４に、左右に延びる軸線を中心として回動可能かつ前後方向にスライド移動可能に支持されている。シートバック１０２は、シートクッション１０１の後部に左右に延びる軸線を中心として回動可能に支持されている。シートクッション１０１の前部には、回動可能にオットマン１０５が支持されていてもよい。

　図１１に示すように、シートクッション１０１は、上方に向けて開口したケース１１０を有する。ケース１１０は、底板部１１１と、底板部１１１の縁部から上方に延びる側壁部１１２とを有する。側壁部１１２は、底板部１１１の周囲に沿って筒形に形成されている。底板部１１１は、ベース１０４に左右に延びる軸線を中心として回動可能かつ前後方向にスライド移動可能に支持されている。

　側壁部１１２の上端には、第１部材１１３が結合されている。第１部材１１３は、シート状に形成され、ケース１１０の開口部を閉じるように設けられている。第１部材１１３は、縁部において側壁部１１２の上部に結合されているとよい。

　ケース１１０の内部には、昇降装置１１５と、第２部材１１６とが設けられている。昇降装置１１５は、底板部１１１の上面に設けられている。昇降装置１１５は、電動モータ又は電動エアシリンダ等の駆動源と、駆動源によって駆動されるリンク機構を有するとよい。リンク機構は例えばパンタアームであるとよい。

　昇降装置１１５の上端には、第２部材１１６を支持する支持部１１７が設けられている。支持部１１７は、上下方向を向く板部材であるとよい。また、支持部１１７は枠形に形成されてもよい。第２部材１１６は、シート状に形成され、支持部１１７の上面に設けられている。支持部１１７が枠形に形成されている場合には、第２部材１１６は支持部１１７の縁部において結合され、開口を閉じるとよい。

　第１部材１１３及び第２部材１１６は、それぞれ可撓性を有する。第１部材１１３は、第２部材１１６よりも高い可撓性を有するとよい。第１部材１１３及び第２部材１１６は、織布、ゴムシート、樹脂シート、ウレタン樹脂等の発泡材であってよい。

　シートクッション１０１は、昇降装置１１５を伸縮させ、第２部材１１６と第１部材１１３との距離を変更することによって、シートクッション１０１の着座部の硬さを変更することができる。図１１に示すように、第２部材１１６と第１部材１１３との距離が十分に離れている柔モードでは、乗員がシートクッション１０１に着座すると、第１部材１１３が乗員から荷重を受け、第１部材１１３の中央部が下方に屈曲する。このとき、第２部材１１６は第１部材１１３から離れているため、乗員の荷重は第１部材１１３のみによって支持され、第１部材１１３の変形量が比較的大きくなる。これにより、シートクッション１０１は、乗員に柔らかい座り心地を提供することができる。

　図１２に示すように、第２部材１１６と第１部材１１３との距離が近い硬モードでは、乗員がシートクッション１０１に着座すると、第１部材１１３が乗員から荷重を受け、第１部材１１３の中央部が下がる。このとき、第２部材１１６は第１部材１１３の下面に接触し、第１部材１１３を下方から支持する。これにより、乗員の荷重は第１部材１１３及び第２部材１１６によって支持され、第１部材１１３の変形量が柔モードよりも小さくなる。これにより、シートクッション１０１は、乗員に柔モードよりも硬い座り心地を提供することができる。昇降装置１１５の伸長によって、第２部材１１６が第１部材１１３に近づくほど、第１部材１１３は変形し難くなり、シートクッション１０１は硬くなる。このように、第１部材１１３と第２部材１１６との距離が変化することによって、シートクッション１０１の硬さが変化する。

　シート１００のリクライニング状態に応じて、シートクッション１０１は硬さを変化させてもよい。すなわち、シート１００のリクライニング状態に応じて、昇降装置１１５は伸縮するとよい。例えば、シートバック１０２の鉛直方向に対する傾斜角が大きくなるにつれて、昇降装置１１５が収縮し、第１部材１１３と第２部材１１６との距離が大きくなるとよい。

　図１０及び図１３に示すように、シート１００は、運転に適したドライブモードと、安らぎモードとの間で形態を変化させてもよい。図１３に示す安らぎモードでは、図１０に示すドライブモードに対して、シートクッション１０１が後傾し、シートバック１０２が後傾している。また、ドライブモードではオットマン１０５はシートクッション１０１側に折り畳まれ、安らぎモードではオットマン１０５はシートクッション１０１から前方に延びている。シートクッション１０１は、シート１００のリクライニング状態に応じて、硬さを変化させてもよい。すなわち、昇降装置１１５は、シート１００のリクライニング状態に応じて、伸縮してもよい。シート１００の形態が安らぎモードである場合には、ドライブモードの場合よりも、昇降装置１１５は伸縮するとよい。

　他の実施形態では、シート１００の骨格を形成するシートフレームが、内部が空洞である筒状部材で形成されている。図１４に示すように、シートフレームは、シートクッションフレーム及びシートバックフレームを含む。以下、シートバックフレーム２００の例について、説明する。

　シートバックフレーム２００は、上下に延びる左右のサイドメンバ２０１と、左右に延び、左右のサイドメンバ２０１の上端に結合された上メンバ２０２と、左右のサイドメンバ２０１の下端から前方に延びる左右の下メンバ２０３とを有する。左右のサイドメンバ２０１の下端は、シートクッションフレームに結合されているとよい。左右のサイドメンバ２０１、上メンバ２０２、及び左右の下メンバ２０３のそれぞれは、筒状部材によって形成されている。左右のサイドメンバ２０１、上メンバ２０２、及び左右の下メンバ２０３のそれぞれは、パイプ材によって形成されてもよく、板金部材を組み合わせて形成されてもよい。左右のサイドメンバ２０１、上メンバ２０２、及び左右の下メンバ２０３のそれぞれの内部には、連続した１つの導風通路２０６が形成されている。

　上メンバ２０２の前面の左右方向における中央部には、導風通路２０６に接続する吸込口２０７が形成されている。吸込口２０７には、送風ファン２０８が設けられている。左右のサイドメンバ２０１、上メンバ２０２、及び左右の下メンバ２０３には、複数の吐出口２０９が設けられている。送風ファン２０８の駆動によって、空気が外部から吸込口２０７を介して導風通路２０６内に吸い込まれ、複数の吐出口２０９から吐出される。

　左右のサイドメンバ２０１には、乗員の背部を後方から支持する受圧部材２１１が取り付けられている。受圧部材２１１は、可撓性を有する板状部材２１２と、板状部材２１２に設けられた複数の第１ワイヤ２１４とを有する。各第１ワイヤ２１４は、可撓性を有する金属ワイヤであるとよい。図１５に示すように、各第１ワイヤ２１４は、左右方向に延び、中央部において板状部材２１２に結合されている。各第１ワイヤ２１４は、上下方向に間隔をおいて配置されている。各第１ワイヤ２１４は複数の屈曲部２１５を有する。各屈曲部２１５は、Ｓ字形に形成されているとよい。屈曲部２１５はワイヤの伸縮性を向上させる。各屈曲部２１５の数や形状を調節することによって、第１ワイヤ２１４の伸縮性が調節される。

　また、受圧部材２１１は、複数の第２ワイヤ２１７を有してもよい。各第２ワイヤ２１７は、板状部材２１２に結合されている。各第２ワイヤ２１７は、上下方向に延び、互いに左右方向に間隔をおいて配置されている。各第２ワイヤ２１７は、各第１ワイヤ２１４の複数の屈曲部２１５の内側を通過しているとよい。

　他の実施形態では、図１６に示すように、バッテリ３０１をフロア３０２の下方に有する車両３００に設けられるシート３０３について説明する。車両３００は、電気自動車であるとよい。図１７に示すように、シート３０３は、車両３００の車室内に設けられた、前列右側のシート３０３と、前列左側のシート３０３と、後列右側のシート３０３と、後列左側のシート３０３とを含む。各シート３０３は、シートクッション３０３Ａと、シートバック３０３Ｂとを有する。前列右側のシート３０３と後列右側のシート３０３とは、フロア３０２に右側のスライド装置３０６を介して設けられている。前列左側のシート３０３と後列左側のシート３０３とは、フロア３０２に左側のスライド装置３０６を介して設けられている。右側のスライド装置３０６と左側のスライド装置３０６とは同様の構成を有する。

　スライド装置３０６は、前後に延びた左右のロアレール３０７と、左右のロアレール３０７にスライド移動可能に支持された左右の前側のアッパレール３０８及び左右の後側のアッパレール３０８とを有する。各ロアレール３０７は、フロア３０２の上面に結合されている。左側のスライド装置３０６の左右の前側のアッパレール３０８には前列左側のシート３０３が結合され、左側のスライド装置３０６の左右の後側のアッパレール３０８には後列左側のシート３０３が結合されている。右側のスライド装置３０６の左右の前側のアッパレール３０８には前列右側のシート３０３が結合され、右側のスライド装置３０６の左右の後側のアッパレール３０８には後列右側のシート３０３が結合されている。前側のアッパレール３０８と後側のアッパレール３０８とは、互いに独立して移動可能である。

　図１８に示すように、各ロアレール３０７の各アッパレール３０８と対向する部分には、複数の係止孔３１１が形成されている。複数の係止孔３１１は、前後方向に並んで配置されている。各アッパレール３０８の下部には、外周部に雄ねじを有するねじ軸３１２が回転可能に支持されている。ねじ軸３１２の回転軸線は前後方向に延びている。ねじ軸３１２は複数の係止孔３１１と係合している。図１９に示すように、アッパレール３０８の下部には、ねじ軸３１２に結合した電動モータ３１３が設けられている。電動モータ３１３とねじ軸３１２との間には減速機が設けられてもよい。電動モータ３１３の回転によってねじ軸３１２が回転すると、ねじ軸３１２を支持するアッパレール３０８がロアレール３０７に対して前方又は後方にスライド移動する。

　図１６に示すように、フロア３０２の下方には、バッテリ収容凹部３２０が設けられている。バッテリ収容凹部３２０は、上壁３２１と、前壁３２２と、後壁３２３と、左右の側壁３２４とを有する。上壁３２１は、前後に延びた長方形に形成されているとよい。前壁３２２は、上壁３２１の前縁に沿って左右に延びると共に、上壁３２１から下方に延びている。後壁３２３は、上壁３２１の後縁に沿って左右に延びると共に、上壁３２１から下方に延びている。左右の側壁３２４は、上壁３２１の左右の側縁に沿って前後に延びると共に、上壁３２１から下方に延びている。また、各側壁３２４は前壁３２２及び後壁３２３に接続している。バッテリ収容凹部３２０は、上壁３２１、前壁３２２、後壁３２３、及び左右の側壁３２４によって画定され、下方に向けて開口している。バッテリ収容凹部３２０は、上下方向における深さが、前後方向長さ及び左右方向長さのいずれよりも小さい。

　前壁３２２の左右方向における中央部の下端には、前側バッテリ取付部３２７が設けられている。前側バッテリ取付部３２７は、前壁３２２の下縁から上方に凹んだ凹部である。前側バッテリ取付部３２７は、前壁３２２を前後に貫通しているとよい。後壁３２３の左右方向における中央部の下端には、後側バッテリ取付部３２８が設けられている。後側バッテリ取付部３２８は、後壁３２３の下縁から上方に凹んだ凹部である。後側バッテリ取付部３２８は、後壁３２３を前後に貫通しているとよい。

　バッテリ収容凹部３２０には、バッテリ３０１が収容される。バッテリ３０１は、上下方向における高さが、前後方向長さ及び左右方向長さのいずれよりも小さい。バッテリ３０１の前端には、前側バッテリ取付部３２７に接続する前側バッテリ接続部３３１が設けられている。バッテリ３０１の後端には、後側バッテリ取付部３２８に接続する後側バッテリ接続部３３２が設けられている。前側バッテリ接続部３３１は前側バッテリ取付部３２７に着脱可能に結合する。後側バッテリ接続部３３２は後側バッテリ取付部３２８に着脱可能に結合する。前側バッテリ接続部３３１が前側バッテリ取付部３２７に結合し、かつ後側バッテリ接続部３３２が後側バッテリ取付部３２８に結合することによって、バッテリ３０１がバッテリ収容凹部３２０に保持される。また、前側バッテリ接続部３３１と前側バッテリ取付部３２７とは電気的に接続し、バッテリ３０１から車両３００への電力供給が可能になる。また、後側バッテリ接続部３３２と後側バッテリ取付部３２８とが電気的に接続し、バッテリ３０１から車両３００への電力供給が可能になってもよい。

　前壁３２２、後壁３２３、左右の側壁３２４には、バッテリ３０１をバッテリ収容凹部３２０に固定するためのロック部３３３が設けられるとよい。前壁３２２において、ロック部３３３は、前側バッテリ取付部３２７の側方に設けられるとよい。後壁３２３において、ロック部３３３は、後側バッテリ取付部３２８の側方に設けられるとよい。

　バッテリ３０１の下端には保護部材３４１が結合されている。保護部材３４１は、板状に形成され、バッテリ３０１よりも側方に突出している。保護部材３４１は、バッテリ３０１の下部及びバッテリ収容凹部３２０の内側を下方から覆う。保護部材３４１は、前壁３２２、後壁３２３、及び左右の側壁３２４の少なくとも１つに設けられた複数のロック部３３３に着脱可能に結合する。

　図１７に示すように、各ロアレール３０７は、複数の結合部３０７Ａを介してフロア３０２に結合されている。各ロアレール３０７は、結合部３０７Ａにおいて、フロア３０２に直接に結合されてよい。また、各ロアレール３０７は、フットを介してフロア３０２に結合されてもよい。この場合、ロアレール３０７の結合部３０７Ａは、フットとフロア３０２との結合部３０７Ａになる。フットは、板金部材によって形成されているとよい。各ロアレール３０７は、結合部３０７Ａにおいて、フロア３０２に締結されているとよい。

　図１７に示すように、上方から見て、各ロアレール３０７の結合部３０７Ａは、前側バッテリ取付部３２７及び後側バッテリ取付部３２８のそれぞれと重ならない位置に設けられるとよい。すなわち、各ロアレール３０７の結合部３０７Ａは、前側バッテリ取付部３２７及び後側バッテリ取付部３２８のそれぞれの直上を避けた位置に設けられるとよい。この態様によれば、各シート３０３の取付剛性を向上させることができる。また、各ロアレール３０７の結合部３０７Ａと、前側バッテリ取付部３２７及び後側バッテリ取付部３２８との干渉を避けることができる。

　他の例では、上方から見て、各ロアレール３０７の結合部３０７Ａの少なくとも１つは、前側バッテリ取付部３２７及び後側バッテリ取付部３２８のそれぞれと重なる位置に設けられてもよい。すなわち、各ロアレール３０７の結合部３０７Ａは、前側バッテリ取付部３２７及び後側バッテリ取付部３２８のそれぞれの直上に設けられてもよい。

　図２０に示すように、上方から見て、各ロアレール３０７の結合部３０７Ａの少なくとも１つは、前壁３２２又は後壁３２３と重なる位置に設けられるとよい。具体的には、上方から見て、ロアレール３０７の前端の結合部３０７Ａが前壁３２２と重なる位置に設けられるとよい。また、上方から見て、ロアレール３０７の後端の結合部３０７Ａが後壁３２３と重なる位置に設けられるとよい。他の例では、上方から見て、各ロアレール３０７の複数の結合部３０７Ａが、前壁３２２又は後壁３２３と重ならない位置に設けられてもよい。

　図２１に示すように、上方から見て、各ロアレール３０７の結合部３０７Ａの少なくとも１つは、左右の側壁３２４と重なる位置に設けられるとよい。具体的には、上方から見て、右側のスライド装置３０６の右側のロアレール３０７の結合部３０７Ａが右側の側壁３２４と重なる位置に設けられるとよい。また、上方から見て、左側のスライド装置３０６の左側のロアレール３０７の結合部３０７Ａが左側の側壁３２４と重なる位置に設けられるとよい。他の例では、上方から見て、各ロアレール３０７の結合部３０７Ａが、左右の側壁３２４と重ならない位置に設けられてもよい。

　上壁３２１に補強構造が設けられてもよい。この場合、上方から見て、各ロアレール３０７の結合部３０７Ａの少なくとも１つは、補強部材と重なる位置に設けられるとよい。補強構造は、ビードや凹凸等の立体形状、上壁３２１の板厚が増加した厚肉部、上壁３２１に結合された補強板であってよい。他の例では、上方から見て、各ロアレール３０７の結合部３０７Ａが、補強構造と重ならない位置に設けられてもよい。

　上方から見て、複数のロック部３３３は、前側バッテリ取付部３２７及び後側バッテリ取付部３２８と重ならない位置に設けられるとよい。すなわち、複数のロック部３３３は、前側バッテリ取付部３２７及び後側バッテリ取付部３２８を避けた位置に設けられるとよい。他の例では、上方から見て、複数のロック部３３３は、前側バッテリ取付部３２７及び後側バッテリ取付部３２８と重なる位置に設けられてもよい。

　図２２に示すように、後壁３２３の後方に第２後壁３５１が設けられてもよい。第２後壁３５１は、フロア３０２から下方に突出し、かつ左右に延びている。また、左右の側壁３２４の左右外方に左右の第２側壁３５２が設けられてもよい。各第２側壁３５２は、フロア３０２から下方に突出し、かつ前後方向に延びている。各第２側壁３５２の後端は、第２後壁３５１の左右の端部に接続している。各第２側壁３５２の前部は、左右において対応する側壁３２４の左右外面に沿って延びている。各第２側壁３５２の前端は、左右において対応する側壁３２４の前端よりも後方に配置されている。また、前壁３２２の前方には、第２前壁３５４と、左右の第３側壁３５５とが設けられてもよい。第２前壁３５４は、フロア３０２から下方に突出し、かつ左右に延びている。各第２側壁３５２は、フロア３０２から下方に突出し、かつ前後方向に延びている。各第２側壁３５２の前端は、第２前壁３５４の左右の端部に接続している。各第２側壁３５２の後端は、前壁３２２に接続している。

　上方から見て、各ロアレール３０７の各結合部３０７Ａは、前壁３２２、後壁３２３、及び第２後壁３５１と重なる位置に設けられるとよい。また、ロアレール３０７の前端の結合部３０７Ａは、上方から見て、第３側壁３５５と重なる位置に設けられるとよい。

　図２２に示すように、左右の側壁３２４のそれぞれにバッテリ取付部３３５が設けられてもよい。この場合、バッテリ接続部３３６はバッテリ３０１の左右の側縁に設けられるとよい。

　図２２において、左右外方に配置されたロアレール３０７は、側壁３２４と重なる位置に設けられてもよい。

　以下、乗物用シートの他の実施形態について説明する。他の実施形態では、乗用車の後部座席を構成するシートの例について説明する。

　図２３及び図２４に示すように、シート４０１は、シートクッション４０２と、シートクッション４０２の後部に回動可能に支持されたシートバック４０３とを有する。シートクッション４０２は、使用者の臀部を下方から支持し、シートバック４０３は使用者の背部を後方から支持する。シートバック４０３の上端にはヘッドレスト４０４が設けられている。

　図２５に示すように、シートクッション４０２は、骨格をなすシートクッションフレーム４０５と、シートクッションフレーム４０５に支持されたパッド４０６と、パッド４０６に被せられた表皮材４０７とを有する。シートクッションフレーム４０５は、前後に延びる左右のサイドメンバ４１１と、左右に延びて左右のサイドメンバ４１１の前端に接続した前メンバ４１２と、左右に延びて左右のサイドメンバ４１１の後端に接続した後メンバ４１３とを有する。前メンバ４１２及び後メンバ４１３には、前後に延びる複数のＳ字ばね４１４が架け渡されている。

　シートクッションフレーム４０５は、左右のサイドメンバ４１１の後部から上方に延びるシートバック支持部４１５を有する。左右のシートバック支持部４１５には、リクライニング装置４１６を介してシートバックフレーム４１８が結合されている。シートバックフレーム４１８は、左右に延びる回転軸を中心として回動可能に左右のシートバック支持部４１５に支持されている。図２３及び図２４に示すように、シートバック４０３は、シートクッション４０２の後部から上方に延びる起立位置と、シートクッション４０２の後部から前方に延びてシートクッション４０２に折り重なる折り畳み位置との間で、シートクッション４０２に対して回動する。

　図２３～図２５に示すように、シートクッションフレーム４０５は、アーム４２１及び支持ブラケット４２２を介して車体パネルに設けられたシートマウント４２４に支持されている。アーム４２１は、サイドメンバ４１１の一方に溶接され、サイドメンバ４１１から上方に延びている。アーム４２１は車外側に配置されたサイドメンバ４１１に溶接されている。支持ブラケット４２２は、シートマウント４２４に結合されている。支持ブラケット４２２は、アーム４２１の上端を前後に延びるアーム回転軸Ａ１回りに回動可能に支持する。支持ブラケット４２２は、アーム４２１の前端を支持する前側ブラケット４２２Ａと、アーム４２１後端を支持する後側ブラケット４２２Ｂとを有する。

　シートクッション４０２は、前後に延びるアーム回転軸Ａ１を中心として車体に対して回転する。シートバック４０３が折り畳み位置にあるときに、シートクッション４０２は、座面が上方を向く使用位置と、座面が車体の側壁側を向く収納位置との間で回動することができる。図２３に示すように、シートクッション４０２が使用位置にあり、かつシートバック４０３が起立位置にあるとき、シート４０１は使用形態となる。図２４に示すように、シートクッション４０２が収納位置にあり、かつシートバック４０３が折り畳み位置にあるとき、シート４０１は収納形態となる。以下、シート４０１の使用形態を基準として、各部材の位置関係を説明する。

　図２６に示すように、アーム４２１は、上下に延びると共に前後に延び、上端において支持ブラケット４２２に支持されたアーム本体部４２１Ａと、アーム本体部４２１Ａの下端から側方に延び、サイドメンバ４１１に溶接された前後一対のアーム結合部４２１Ｂとを有する。アーム４２１は、板金部材によって形成されているとよい。

　図２３～図２５に示すように、前メンバ４１２及び後メンバ４１３には、支持脚４２８が前後に延びる回転軸回りに回動可能に結合されている。支持脚４２８の先端にはロック装置４２９が設けられている。シートクッション４０２が使用位置にあるときに、支持脚４２８はサイドメンバ４１１から下方に延び、車両のフロアに設けられたストライカに結合する。シートクッション４０２が収納位置にあるときに、支持脚４２８は前メンバ４１２及び後メンバ４１３からシートクッション４０２の下面に沿って下方に延びる。

　図２５に示すように、左右のサイドメンバ４１１の少なくとも一方には保護カバー４４０が設けられている。保護カバー４４０は、アーム４２１と結合したサイドメンバ４１１、すなわち車外側のサイドメンバ４１１に設けられている。本実施形態では、右側のサイドメンバ４１１に保護カバー４４０が設けられている。保護カバー４４０は、第１カバー４４１と、第１カバー４４１の前方又は後方に隣接して配置された第２カバー４４２とを有する。図２７及び図２８に示すように、第１カバー４４１の第２カバー４４２側の端部には第２カバー４４２側に延びる凸部４４３が設けられている。第２カバー４４２の第１カバー４４１側の端部には凸部４４３を受容する凹部４４４が設けられている。凹部４４４は第２カバー４４２の厚み方向に貫通している。

　車外側のサイドメンバ４１１、すなわち左側のサイドメンバ４１１には第２保護カバー４４５が設けられている。第２保護カバー４４５は、左側のサイドメンバ４１１及びシートバック支持部４１５の側部を覆う。

　第１カバー４４１は、アーム本体部４２１Ａに沿って配置された第１カバー上部４４１Ａと、前後一対のアーム結合部４２１Ｂに沿って配置された前後一対の第１カバー下部４４１Ｂとを有する。第１カバー上部４４１Ａは、前後に延びる回転軸を中心とした半円筒形に形成されている。第１カバー上部４４１Ａは、車内側に向けて突出している。シートクッション４０２が使用位置にあるときに、第１カバー上部４４１Ａはアーム本体部４２１Ａの上側及び左右内側を覆っている。アーム本体部４２１Ａの左右外方には第１カバー４４１と協働してアーム本体部４２１Ａを覆う補助カバー４４６が設けられている。

　図２５に示すように、前後の第１カバー下部４４１Ｂは、前後に離れて配置され、アーム本体部４２１Ａの下端から左右内方に延びている。図２５及び図２８に示すように、前後の第１カバー下部４４１Ｂは、前後において対応するアーム結合部４２１Ｂの上方を覆うと共に、前後のアーム結合部４２１Ｂが溶接されたサイドメンバ４１１の上方に延びている。前後の第１カバー下部４４１Ｂは、各アーム結合部４２１Ｂとサイドメンバ４１１との溶接部４４７を覆っている。各第１カバー下部４４１Ｂの前後幅は、各アーム結合部４２１Ｂの前後幅よりも大きい。

　図２７及び図２８に示すように、後側の第１カバー下部４４１Ｂの後縁は、概ね左右方向に延びている。凸部４４３は、第１カバー下部４４１Ｂに設けられている。凸部４４３は第１カバー４４１の後縁に設けられ、後方に向けて突出している。凸部４４３は、左右方向に延びている。凸部４４３の後縁は、概ね左右方向に延びている。上方から見て、凸部４４３は左右に延びた長方形に形成されている。

　第１カバー４４１の上面には、上方に突出し、左右に延びる規制壁４４９が設けられている。規制壁４４９は、後方を向く面を有する。規制壁４４９は、後側の第１カバー下部４４１Ｂの上面に設けられている。規制壁４４９は、凸部４４３よりも前方に配置されている。

　図２９に示すように、第１カバー４４１は、裏面側に設けられた複数の係止爪４５１によってアーム４２１に係止されている。係止爪４５１のいくつかは、第１カバー下部４４１Ｂに設けられている。

　図２７～図２９に示すように、第２カバー４４２は第１カバー４４１の後方に配置されている。第２カバー４４２は、第１カバー４４１の後方に設けられて前後に延びる第２カバー前部４５３と、第２カバー前部４５３から後方かつ上方に延び、シートバック支持部４１５の少なくとも一部を覆う第２カバー後部４５４とを有する。第２カバー前部４５３の厚みは第２カバー後部４５４の厚みよりも大きく設定されている。

　第２カバー前部４５３は、サイドメンバ４１１の左右外方に配置される側壁部４５３Ａと、側壁部４５３Ａの上縁から左右内方に延びる上壁部４５３Ｂと、側壁部４５３Ａの下縁から左右内方に延びる下壁部４５３Ｃとを有する。側壁部４５３Ａは左右を向く板状に形成され、上壁部４５３Ｂ及び下壁部４５３Ｃは上下を向く板状に形成されている。

　凹部４４４は、第２カバー前部４５３の上壁部４５３Ｂに形成されている。凹部４４４は、第２カバー前部４５３の上壁部４５３Ｂの前縁に設けられ、後方に向けて凹んでいる。また、凹部４４４は、第２カバー前部４５３の上壁部４５３Ｂを上下方向に貫通している。凹部４４４に凸部４４３が突入している。凹部４４４と凸部４４３との間には、微小な隙間が形成されてもよい。

　第２カバー後部４５４は、サイドメンバ４１１及びシートバック支持部４１５の左右外方に配置される側壁部４５４Ａと、側壁部４５４Ａの縁部から左右内方に延びる縁壁部４５４Ｂとを有する。第２カバー後部４５４の側壁部４５４Ａは、面が左右を向き、第２カバー前部４５３の側壁部４５３Ａに連続している。第２カバー後部４５４の側壁部４５４Ａは、第２カバー前部４５３の側壁部４５３Ａに対して上方に延びている。縁壁部４５４Ｂの前端は、第２カバー前部４５３の上壁部４５３Ｂの後端に接続している。縁壁部４５４Ｂは、シートバック支持部４１５の前方、上方、及び後部に配置されている。

　第２カバー前部４５３の裏面には、左右に延びる少なくとも１つのリブ４５６が設けられている。リブ４５６は第２カバー前部４５３の上壁部４５３Ｂの裏面から第２カバー前部４５３の側壁部４５３Ａの裏面に延びている。リブ４５６の少なくとも１つは、凹部４４４の左右側方に配置されている。リブ４５６は、凹部４４４の後端よりも前方に配置されてもよい。リブ４５６は、第２カバー４４２の剛性を向上させる。特に、リブ４５６は、凹部４４４の周囲の部分の剛性を向上させる。

　第２カバー４４２の裏面にはサイドメンバ４１１又はシートバック支持部４１５に当接する複数のスペーサ４５７が設けられている。スペーサ４５７は、第２カバー前部４５３の側壁部４５３Ａ又は第２カバー後部４５４の側壁部４５４Ａから左右内方に延びている。

　第２カバー４４２は、少なくとも１つの係止爪４５８によってサイドメンバ４１１に係止されているとよい。係止爪４５８は、縁壁部４５４Ｂの縁部や側壁部４５４Ａに設けられているとよい。

　図３０に示すように、表皮材４０７は、第１カバー下部４４１Ｂと、第２カバー前部４５３とに被せられている。表皮材４０７は、シートクッション４０２の上面に被せられる上側表皮材４０７Ａと、シートクッション４０２の下面に被せられる下側表皮材４０７Ｂとを有する。上側表皮材４０７Ａと下側表皮材４０７Ｂとは、アーム４２１側の側縁（右側縁）において互いに着脱可能に結合されている。上側表皮材４０７Ａと下側表皮材４０７Ｂとは、アーム４２１側の側縁を除く他の側縁において互いに縫合されていてもよく、互いに着脱可能に結合されていてもよい。

　図２３に示すように、上側表皮材４０７Ａのアーム４２１側の側部には、左右内方に向けて凹んだ切欠部４０７Ｃが設けられている。上側表皮材４０７Ａのアーム４２１側の側部は、切欠部４０７Ｃによって、前側及び後側の延長部４０７Ｄに区画されている。切欠部４０７Ｃには、第１カバー４４１が被せられたアーム４２１が配置される。前側の延長部４０７Ｄはアーム４２１部の前方を通過して下方に延びている。後側の延長部４０７Ｄはアーム４２１部の後方を通過して下方に延びている。前側の延長部４０７Ｄは、前側の第１カバー下部４４１Ｂと、サイドメンバ４１１の左右外面とを覆っている。後側の延長部４０７Ｄは、第１カバー４４１と第２カバー４４２との境界部、すなわち凸部４４３及び凹部４４４を覆っている。後側の延長部４０７Ｄは、後側の第１カバー下部４４１Ｂと、第２カバー前部４５３とを覆っている。前側及び後側の延長部４０７Ｄの下端には、下側表皮材４０７Ｂの側縁に設けられた下係止部材４６１に着脱可能に係止される上係止部材４６２が設けられている。下係止部材４６１及び上係止部材４６２は、互いに係合するフックであるとよい。他の実施形態では下係止部材４６１及び上係止部材４６２は面ファスナであってもよい。

　リクライニング装置４１６は、操作レバー４６５を有する。操作レバー４６５は、第２カバー後部４５４の側壁部４５４Ａを貫通して外部に延びている。支持ブラケット４２２には、ブラケットカバー４６６が被せられている。

　シートクッション４０２の上面の左後部には、バックル４７０が設けられている。シートベルト４７１に設けられたタングが結合する。バックル４７０は、左側のサイドメンバ４１１に結合され、パッド４０６及び表皮材４０７を貫通してシートクッション４０２の上面に露出しているとよい。

　シートベルト４７１の上端及び下端は、シート４０１の右側に配置された車体から延びている。シートベルト４７１の上端及び下端には、シートベルト４７１を巻き取るリトラクタが設けられている。シートベルト４７１の使用状態において、シートベルト４７１は第２カバー前部４５３の上方かつアーム４２１の後方を通過してバックル４７０に延びる。

　以下に実施形態に係るシート４０１の効果について説明する。第２カバー４４２の厚み方向において、凸部４４３が第２カバー４４２と重ならないため、保護カバー４４０の厚みを抑制することができる。また、保護カバー４４０をサイドメンバ４１１及びアーム４２１に組み付けるときに、凸部４４３を外部から目視することができるため、第１カバー４４１と第２カバー４４２との位置合わせが容易になる。これらにより、シート４０１において、保護カバー４４０の厚みを抑制すると共に、保護カバー４４０の位置合わせを容易にすることができる。また、凸部４４３が凹部４４４に嵌合することによって、第１カバー４４１と第２カバー４４２との境界が蛇行しているため、シートベルト４７１が第１カバー４４１と第２カバー４４２との境界に進入し難くなる。

　第２カバー４４２がシートバック支持部４１５を覆う第２カバー後部４５４を有する。これにより、保護カバー４４０はシートバック支持部４１５を保護することができる。第２カバー前部４５３の厚みが第２カバー後部４５４の厚みよりも大きいため、シートベルト４７１から荷重を受ける可能性がある第２カバー前部４５３の剛性を高めることができる。第１カバー４４１は、シート４０１を車体に対して回動可能に支持するアーム４２１を保護することができる。

　第１カバー４４１はアーム４２１とサイドメンバ４１１との溶接部４４７を覆っている。そのため、アーム４２１とサイドメンバ４１１との溶接部４４７にシートベルト４７１が接触することを抑制することができる。規制壁４４９は、シートベルト４７１の前方への移動を規制することができる。

　表皮材４０７は第１カバー４４１と第２カバー４４２の境界部を覆う。これにより、シートベルト４７１が第１カバー４４１と第２カバー４４２との境界に進入し難くなる。

　以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。他の実施形態では、アーム４２１が省略され、シートクッション４０２はフロアに固定されてもよい。また、シートクッション４０２はスライド装置を介してフロアに固定されてもよい。また、第２カバー４４２が第１カバー４４１よりも前方に配置されてもよい。

１　　　　：シート
２　　　　：シートクッション
３　　　　：第１シートバック
４　　　　：第２シートバック
１１　　　：シートクッションフレーム
１２　　　：第１シートバックフレーム
１３　　　：第２シートバックフレーム
２１　　　：サイドメンバ
２１Ａ　　：サイドメンバ本体部
２１Ｂ　　：サイドメンバ拡張部
２１Ｃ　　：凸部
２１Ｄ　　：縁壁
２２　　　：前メンバ
２３　　　：後メンバ
２４　　　：支持部材
２４Ａ　　：支持部材下部
２４Ｂ　　：支持部材上部
２４Ｃ　　：締結部
２４Ｄ　　：受容溝
２４Ｅ　　：縁壁
２４Ｆ　　：膨出部
３５　　　：補強板
４１　　　：サイドパイプ
４１Ａ　　：直線状部
４１Ｂ　　：屈曲部
４１Ｃ　　：傾斜部
４２　　　：上パイプ
４３　　　：下パイプ
４４　　　：サイドプレート
４４Ａ　　：プレート本体部
４４Ｂ　　：前フランジ部
４４Ｃ　　：後フランジ部
４４Ｄ　　：上部
４４Ｅ　　：下部
４４Ｆ　　：補強ビード
５０　　　：リクライニング装置
５０Ａ　　：操作軸
５０Ｂ　　：レバー
６１　　　：下側係止部材
６３　　　：第１上側係止部材
６４　　　：第２上側係止部材
６５　　　：前側結合部
６６　　　：後側結合部
６７　　　：シートベルトバックル
６７Ａ　　：結合部

Claims

　乗物用シートであって、
　シートクッションフレームと、
　前記シートクッションフレームに回動可能に支持されたシートバックフレームとを有し、
　前記シートクッションフレームは、前後に延びる左右のサイドメンバと、左右に延び、前記サイドメンバのそれぞれの前部に結合された前メンバと、左右に延び、前記サイドメンバのそれぞれの後部に結合された後メンバと、前記サイドメンバのそれぞれの後端に結合され、上方に延びる支持部材とを有し、
　前記支持部材の少なくとも一方は、前記サイドメンバの左右外面に結合された支持部材下部と、前記支持部材下部から上方かつ左右内方に延び、前記シートバックフレームを回動可能に支持する支持部材上部とを有し、
　上下方向から見て、前記支持部材上部は前記サイドメンバと重なりを有する乗物用シート。
　前記サイドメンバは、前後に延びるサイドメンバ本体部と、前記サイドメンバ本体部の後端から上方に突出するサイドメンバ拡張部とを有し、
　前記支持部材下部は、前記サイドメンバ拡張部に結合され、
　上下方向から見て、前記支持部材上部は前記サイドメンバ拡張部と重なりを有する請求項１に記載の乗物用シート。
　前記サイドメンバ拡張部及び前記支持部材下部の一方は、上下に延びた凸部を有し、
　前記サイドメンバ拡張部及び前記支持部材下部の他方は、前記凸部を受容する受容溝を有する請求項２に記載の乗物用シート。
　前記凸部は、前記サイドメンバ拡張部の前縁及び後縁のそれぞれに設けられ、
　前記受容溝は、前記支持部材下部の前縁及び後縁のそれぞれに設けられている請求項３に記載の乗物用シート。
　前記支持部材は、板金部材によって形成され、
　前記支持部材の前縁及び後縁に、左右外方に向けて突出し、かつ前記支持部材下部から前記支持部材にかけて延びた縁壁が設けられている請求項４に記載の乗物用シート。
　前記支持部材の左右外面に補強板が設けられ、
　前記補強板は、前後の前記縁壁に結合されている請求項５に記載の乗物用シート。
　前記支持部材上部は、左右内方に膨出した膨出部を有し、
　前記膨出部に前記シートバックフレームが回動可能に支持され、
　前記膨出部は、前記サイドメンバ拡張部の上縁から上方に間隔をおいて配置されている請求項６に記載の乗物用シート。
　左右の前記サイドメンバは、スライド装置を介してフロアに結合され、
　前記スライド装置は、前記フロアに結合されたロアレールと、前記ロアレールにスライド移動可能に設けられ、かつ前記サイドメンバに結合されたアッパレールとを有し、
　前記ロアレールには、先端が下方を向くと共に前後に延びた下側係止部材が設けられ、
　前記サイドメンバには、先端が上方を向くと共に前後に延びた上側係止部材が設けられ、
　前記上側係止部材は、前記下側係止部材に下方から隙間をおいて対向すると共に、前後に離れた前側結合部及び後側結合部において前記サイドメンバに結合され、
　前記前側結合部より後方かつ前記後側結合部より前方に、前記後メンバと前記サイドメンバとの結合部が設けられ、
　前記前側結合部より後方かつ前記後メンバと前記サイドメンバとの結合部より前方に、シートベルトバックルと前記サイドメンバとの結合部が設けられている請求項１に記載の乗物用シート。
　前記シートバックフレームは、上下に延びる左右のバックサイドメンバと、左右に延び、左右の前記バックサイドメンバの上端部に接続した上メンバと、左右に延び、左右の前記バックサイドメンバの下端部に接続した下メンバとを有し、
　前記バックサイドメンバの少なくとも一方は、上下に延びるパイプ部と、前記パイプ部の下部に結合されたサイドプレートとを有し、
　前記サイドプレートは、上下に延びると共に、左右を向くプレート本体部と、前記プレート本体部の前縁及び後縁から左右内方に突出した前フランジ部及び後フランジ部と有し、
　前記パイプ部は、上下に直線状に延びる直線状部と、前記直線状部の下端に設けられた屈曲部から下方かつ左右内方に傾斜して延びる傾斜部を有し、
　前記プレート本体部の上部は、前記直線状部に沿って配置され、
　前記プレート本体部の下部は、前記屈曲部の左右外方に隙間をおいて配置され、
　前記プレート本体部の下部には、前記屈曲部から下方に延びる補強ビードが設けられ、
　前記プレート本体部の下部の左右外方には、リクライニング装置を介して前記支持部材上部が設けられ、
　前記プレート本体部の下部の左右内方には、前記リクライニング装置の操作軸に結合されたレバーが配置されている請求項１に記載の乗物用シート。
　前記前フランジ部が前記直線状部に溶接され、
　前記後フランジ部が前記直線状部及び前記傾斜部に溶接されている請求項９に記載の乗物用シート。