WO2022145463A1 - バルブ、および当該バルブの製造方法 - Google Patents

Abstract

本発明の一形態のバルブ（１０）は、ボデー（１）の凹部（５１ａ）の開口側にテーパ部（５５）を有し、凸部（４ｂ）の先端縁の一部が、ボール（４）の凸部（４ｂ）を凹部（５１ａ）に挿入する際にテーパ部（５５）に当接し、テーパ部（５５）は、凸部（４ｂ）の先端縁の全周がテーパ部（５５）よりも前記底側に位置するように凸部（４ｂ）を案内する。

Description

バルブ、および当該バルブの製造方法

　本発明は、バルブ、および当該バルブの製造方法に関し、弁体をボデー内に適切に軸支可能なバルブ、および当該バルブの製造方法に関する。

　貫通孔が設けられたボール型の弁体を弁本体内で回転させて流路の開閉を行うボールバルブが知られている。

　特許文献１のボールバルブは、ボール弁体に、弁本体に回動軸線周りに回動可能に軸支される軸部と、軸部とは反対側にモータのモータ出力軸が取り付けられる出力軸取付部とが設けられている。軸部と、弁本体の軸支持孔との間には、所定の隙間（クリアランス）が設けられており、モータがモータ出力軸を介してボール弁体を回動駆動させると、ボール弁体が、弁本体の弁本体貫通孔とボール弁体のボール弁体貫通孔とが連通した開放状態と、ボール弁体貫通孔と弁本体貫通孔とが直交して弁本体貫通孔が閉鎖された閉鎖状態との間で可動する。

　特許文献２に開示されている半球状のボールバルブは、弁体の下端に突き出た支軸部分と、当該支軸部分が挿入される支軸孔との間に、合成樹脂製のスライドリングを介在させている。

　このような弁体を弁本体（以下、ボデーと記載する）に設置する場合、トップエントリ型あるいはサイドエントリ型が採用される。トップエントリ型は、ボデーの上部から弁体を挿入する態様である。サイドエントリ型は、ボデーの側方から弁体を挿入する態様である。

日本国特開２０１９－６５９８４号公報 日本国実公昭５９－１９４６６５号

　弁体とボデーとが先述のように軸支される態様では、トップエントリであってもサイドエントリであっても、弁体の挿入方向の先端側に位置する軸部が弁体に隠れて視認できない。そのため、ボデーの軸支持孔に挿入しようと弁体の位置を調整している間に軸部の先端が弁本体の軸支持孔の開口端部やその周辺に接触して負荷をかけ、傷を生じさせるおそれがある。また、特許文献２のように合成樹脂製のスライドリングが在る場合には、軸部がスライドリングに過度に負荷をかけ、破損させるおそれがある。

　そこで、本発明の一態様は、弁体をボデー内に適切に軸支可能なバルブを実現するとともに、当該バルブの製造方法を提供することを目的とする。

　前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るバルブは、凹部および凸部の一方を有するボデーに、前記ボデーへ挿入される方向の先端側に前記凹部および凸部の他方を有する弁体が、前記凸部が前記凹部に嵌合することによって配置されるトップエントリのバルブであって、前記凹部は、開口側に、前記凹部の底に向けて内径が漸次減少するテーパ部を有し、前記凸部の先端縁の一部は、前記凸部を前記凹部に挿入する際に前記テーパ部に当接し、前記テーパ部は、前記凸部の先端縁の全周が前記テーパ部よりも前記底側に位置するように前記凸部を案内する。

　前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るバルブの製造方法は、前記バルブを製造するバルブの製造方法であって、前記弁体を前記ボデーの上端開口部から前記ボデー内に入れて、当該弁体を前記ボデーの下部に向かって下降させる第１工程と、前記第１工程に続いて、前記ボデーの下部において前記凸部と前記凹部とを嵌合させて、前記弁体を前記ボデー内の所定位置に配置する第２工程と、を含み、前記第２工程では、前記凸部の先端縁の一部が、前記凸部を前記凹部に挿入する際に前記テーパ部に当接し、前記テーパ部によって、前記凸部の先端縁の全周が前記テーパ部よりも前記底側に位置するように前記凸部が案内される。

　本発明の一態様によれば、弁体をボデー内に適切に軸支可能なバルブを提供するとともに、当該バルブの製造方法を提供できる。

本発明に係るバルブの一実施形態であるボールバルブの外観図である。 図１に示すボールバルブの断面図である。 ボール弁体の凸部がボデーの凹部に完全に挿入された様子を示した部分断面図である。 図３の部分拡大図である。 図１に示すボールバルブにおいて、トップエントリによってボール弁体をボデーに挿入する様子を模式的に示した斜視図である。 図１に示すボールバルブに具備されるベアリング部の一例を示す斜視図である。 図１に示すボールバルブに具備されるベアリング部の一例を示す上面図である。 図５と同様にボール弁体をボデーに挿入する様子をボデーの上側から見た模式図である。 図５と同様にボール弁体をボデーに挿入する様子で、ボール弁体がボデー内に挿入されている途中の状態を、ボデーの上側から見た模式図である。 図１に示すボールバルブのボール弁体の挿入過程において、ボール弁体の凸部がボデーの凹部に挿入される様子を示した部分断面図である。 図１に示すボールバルブのボール弁体の挿入過程において、ボール弁体の凸部がボデーの凹部に挿入される様子を示した部分断面図であり、図１０よりも挿入が進んだ時点の状態を示す図である。 図１に示すボールバルブのボール弁体の挿入過程において、ボール弁体の凸部がボデーの凹部に挿入される様子を示した部分断面図であり、図１１よりも更に挿入が進んだ時点の状態を示す図である。 図１に示すボールバルブのボール弁体の挿入過程において、ボール弁体の凸部がボデーの凹部に挿入される様子を示した部分断面図であり、図１２よりも更に挿入が進んだ時点の状態を示す図である。 図１に示すボールバルブの製造方法のフローを示す図である。 本発明に係るバルブの他の実施形態であるボールバルブの部分断面図である。 比較構成を説明する図である。

　〔実施形態１〕
　以下、本発明の一実施形態について、図１から図１４を用いて説明する。本発明の一形態に係るバルブは、凡そ水平方向に流路が形成されている途中に配設するトップエントリ型バルブを例に挙げるが、これは本実施形態を限定するものではなく、流路の配設方向などが異なっていてもよい。

　（バルブ１０の構成）
　図１は、本発明の一実施形態におけるバルブ１０の外観斜視図である。図２は、図１に示す切断線Ａ－Ａ´においてバルブを切断した状態を示す矢視断面図である。なお、図１および図２には、説明の便宜上、水平面をＸＹ平面として、天頂方向にＺ方向として規定した三次元座標を併せて図示する。

　本実施形態のバルブ１０は、いわゆるトラニオン構造のボールバルブである。バルブ１０は、ボール弁体であるボール４（弁体）と、ボール４が内部に設置される弁本体であるボデー１とを備える。

　ボデー１は、Ｘ軸方向（第１の方向）に沿った流路Ｐを下端部に設けており、その流路Ｐの途中にボール４（図２）を配した構成となっている。ボデー１は、流体を流通させるための複数の開口部（配管構造部７）を有する。更に、ボデー１は、前記複数の開口部（配管構造部７）が向いている方向（後述するＸ軸方向）に交差する方向（後述するＺ軸方向）に開口し、ボール４が通過可能な上端開口部６ｂ（開口）を有する。

　ボデー１は、ボール４（図２）を収納する弁体収納部５と、ボール４に連結したステム３（図２）を収納するステム収納部６と、弁体収納部５の側面から水平方向に延びた配管構造部７とを有している。

　弁体収納部５は、ボール４を回転可能に配置することができる中空の中央領域５１を有する。中央領域５１は、ボール４の下面と当接する内面を有し、この内面に、ボール４の下面に設けられた凸部４ｂが嵌合する凹部５１ａが設けられている。凹部５１ａについては後述する。中央領域５１の上部には、中央領域５１の中空部分とステム収納部６の内部空間と連通する連通口６ａが開設されている。弁体収納部５は、中央領域５１と配管構造部７との間に、当該中央領域５１の中空部分と配管構造部７の管内とを連通する端領域５２を更に有している。端領域５２は、図２の紙面左右方向に沿って延びる管軸を有した円管状の内周面を有し、この内周面には、ボール４を側方から支持する支持機構８０が配設されている。この支持機構８０は、詳細は図示していないが、弁体であるボール４のシール部として機能するボールシート、ボールシートを配管構造部７側から支持するリテーナグランド及びリテーナグランド内に配置されて、リテーナグランドをボールシート側に付勢するバネ部材によって構成され、ボールシートをボール４側に押し付けることによってシール機能を発揮するものである。ボール４は、両側の配管構造部７側からこの支持機構８０によって支持されることで、弁体収納部５内の特定位置に保持されている。図３において、ボール４の下面は弁体収納部５に接触しているように見えるが、実際には互いにわずかに離間しており、ボール４が弁体収納部５と接触して支持されることはない。ボール４は、後述の通り、操作部９を操作によるステム３の回転に伴って回転動作するが、この際には、ボール４は、支持機構８０のボールシートとの摺動、ボール４の凸部４ｂの凹部５１ａの内周面（特に後述するベアリング部５６の内周面）との摺動のみを生じる。そのため、これらの摺動がボール４の作動トルクに大きく影響するので、凹部５１ａの内周面（ベアリング部５６の内周面）に傷等が無い状態で保たれていることが非常に重要となる。

　ステム収納部６は、鉛直方向（Ｚ方向）に管軸を有する円管状の構造体であり、その下端部に、中央領域５１の中空部分と連通する連通口６ａが設けられている。連通口６ａの水平方向に沿った開口径（口径）は、ボール４の水平方向に沿った径よりも大きい構成となっている。この連通口６ａにおいて、ボール４の上面とステム３との連結部分が位置している。また、ステム収納部６の上端部には、ボール４の水平方向に沿った径よりも大きく開口した上端開口部６ｂ（開口部）が設けられている。また、ステム収納部６の下端部と上端部とに挟まれた中間部分６ｃの内径も、ボール４の水平方向に沿った径よりも大きい。

　図２に示すようにステム収納部６の連通口６ａには、中蓋体６０が取り付けられている。中蓋体６０は、ボール４が弁体収納部５から飛び出さないようにボール４を回転可能に固定しているとともに、ボデー１内におけるボール４側の空間（弁体収納部５）を液密または気密に仕切る。中蓋体６０は、トラニオンプレート６１およびヨークプレート６２を有する。

　ボール４は、流路４ａが貫通形成された球体の弁体である。流路４ａは、口径が、弁体収納部５の側面から水平方向（Ｘ軸方向）に延びた配管構造部７の管径（Ｚ軸方向に沿った長さ）と等しい。このように、ボール４の流路４ａの口径と、配管構造部７の管径とを合致させることにより、配管構造部７から形成される流路内においてボール４が流体の障害物とならないため、高圧で大容量の流体を良好に流すことができる。

　ボール４は、ステム３と連結する上面と、その反対側にある下面とを有し、下面には下方に向かって突出する凸部４ｂが設けられている。凸部４ｂは、弁体収納部５の凹部５１ａと嵌合する。凸部４ｂは、凹部５１ａと併せて後述する。

　ステム３は、図２に示す鉛直方向に延伸している弁軸を構成する。ステム３は、弁体収納部５に収納されたボール４の上面から、ボデー１の上端開口部６ｂよりも外側まで延在する。ステム３は、上端開口部６ｂを密封するためのボンネット２に固定された操作部９に連結しており、操作部９が有するハンドル９９によって回転する。これにより、ハンドル９９の回転量に応じて、ボール４が鉛直方向に延びる中心軸Ｏ（図２）を中心に回転する。ボール４の回転によって流路Ｐの開閉が行われ、９０°回転することによって閉状態から開状態に状態を変えることができる。図２に図示している状態は、ボール４が開状態となっており、ボール４の紙面左側にある配管構造部７と、紙面右側にある配管構造部７とが連通しており、例えば紙面左側から右側に流体が流れることを可能にした状態である。

　（凹部５１ａおよび凸部４ｂ）
　図３は、図２中のＢに示す枠内の拡大図である。なお、図３は、説明の便宜上、凸部４ｂは断面図ではなく、斜視図である。図３に示すように、弁体収納部５の凹部５１ａには、開口側に、凹部５１ａの底に向けて内径が漸次減少するテーパ部５５が設けられている。凸部４ｂの必要な太さ（後述するＤ３）は、ボール４のサイズに応じて異なり、ボール４の回転動作に耐えることが可能な太さに設定するが、ボール４上部にステム３との接続のために設けた凸部と同程度の太さとすることが、加工の容易さやステム３の回転トルクの伝えやすさの観点から好ましい。凸部４ｂの径は、大きいほどボデー１の上端開口部６ｂからボール４を弁体収納部５に固定することが容易となり、例えば、ボール４の直径の１／２程度とすることができる。

　テーパ部５５は、ボール４の下面に設けられた凸部４ｂを凹部５１ａに挿入する際に、凸部４ｂの先端部をガイドする。具体的には、挿入時に、凸部４ｂの先端縁の一部をテーパ部５５に当接させる。例えば、ボール４が傾いた状態で弁体収納部５に導入された場合、凸部４ｂが凹部５１ａ方向に進むにつれ、テーパ部５５によるガイドによってボール４の傾きが垂直方向に修正されつつ、凸部４ｂの中心軸が凹部５１ａの中心軸に近づく方向に移動（調心）する。これにより、凸部４ｂの先端縁の全周がテーパ部５５よりも凹部５１ａの底側に位置するように凸部４ｂが案内される構成となっている。すなわち、凸部４ｂの先端部のうちのテーパ部５５に当接している部分がテーパ部５５を通過したときには、凸部４ｂの先端部の先端縁全周が、テーパ部５５よりも凹部５１ａの底に近い側に案内されている。よって、凹部５１ａの壁面に触れないように凸部４ｂが凹部５１ａに案内される。なお、１０インチのボールバルブの場合、凸部４ｂを凹部５１ａに挿入する初期段階で、ボール４の中心軸が鉛直方向から３度程度傾いている可能性がある。これは３度を超えた傾きであればトップエントリ時の目視によって確認し或る程度の調心が可能である。一方で、２度以下の傾きを目視で確認することは難しい。そこで、ボデー側のテーパ部５５は、ボール４が目視で確認できない程度に傾いている場合は確実に第一テーパ部４１と接触するように設定されている。

　ここで、図３に示すように、凸部４ｂの先端縁には、先端に向けて径が漸次減少する第一テーパ部４１が設けられている。そのため、凸部４ｂを凹部５１ａに挿入する際に、まず、第一テーパ部４１の先端縁の一部がテーパ部５５に接触（当接）する。これにより、第一テーパ部４１の先端縁がテーパ部５５のテーパ面によりガイドされ、凸部４ｂ（ボール４）の傾きが解消されつつ調心される。次いで、第一テーパ部４１の先端縁がテーパ部５５よりも底部側に移動すると、今度はテーパ部５５の底部側の縁が第一テーパ部４１のテーパ面に接触し、これらの接触によるガイド作用により、凸部４ｂ（ボール４）が更に調心される。このように、第一テーパ部４１とテーパ部５５との双方によって凸部４ｂがガイドされるので、凸部４ｂの調心がより有利となるほか、凸部５１ａの凹部５１ａの壁面への接触が一層生じにくくなる。これにより、凸部４ｂは、テーパ部５５によって案内され、凸部４ｂの第一テーパ部４１のうちのテーパ部５５に当接している部分がテーパ部５５を通過したときには、凸部４ｂの先端縁の全周が、テーパ部５５よりも凹部５１ａの底に近い側に案内されている。よって、凹部５１ａの壁面に触れないように凸部４ｂが凹部５１ａに案内される。

　更に詳細には、図３に示すように、凸部４ｂには、第一テーパ部４１よりも基端側に、先端に向けて径が漸次減少する第二テーパ部４２をさらに有する。第一テーパ部４１と第二テーパ部４２との間には、円筒型の中間部４３が設けられている。凸部４ｂには、更に、第二テーパ部４２の基端よりもさらにボール４側に、直胴部４４が設けられている。すなわち、凸部４ｂは、突出方向に沿って、直胴部４４と、第二テーパ部４２、中間部４３、第一テーパ部４１とをこの順で有する。

　凸部４ｂは、直胴部４４、第二テーパ部４２、中間部４３、および第一テーパ部４１が一体的に形成されていてもよいが、凸部４ｂのうち、直胴部４４を除いては、直胴部４４とは異なる部材によって構成され、直胴部４４の端部に固定されていてもよい。異なる部材によって構成される場合、直胴部４４とその他の部位との固定方法は、ねじ込み、はめ込み等特に限定されない。この場合、直胴部４４と、その他の部位（第二テーパ部４２、中間部４３、および第一テーパ部４１）とは、同一の材質であってもよく、異なる材質であってもよい。

　ここで、図１０に示すように、第二テーパ部４２の先端の径をＤ１、第二テーパ部４２の基端の径をＤ２、直胴部４４の径をＤ３としたときに、下記の関係式；
Ｄ１＜Ｄ２＜Ｄ３
を満たす。なお、径Ｄ１、Ｄ２、Ｄ３は、図１０において図示している。これにより、凸部４ｂが先細りの形状となっているため、挿入の際に、凹部５１ａに嵌りやすい。特に、凸部４ｂは、凹部５１ａと篏合した状態で、ボール４の回転軸（下部ステム）となるため、がたつきが生じないように、通常、直胴部４４の径Ｄ３は、凹部５１ａの内径（又は後述するベアリング部５６の内径）とほぼ等しくされる。仮に、凸部４ｂが先細りの形状になっておらず、Ｄ１及びＤ２がＤ３と同じ径であるとしても、テーパ部５５によるガイドによって凸部４ｂを凹部５１ａに篏合させることは可能である。しかし、凸部４ｂを先細りの形状とすることで、まず凹部５１ａの内径より小さい中間部４３をテーパ部５５により調心しつつ凹部５１ａ内に挿入した後、凹部５１ａの内径とほぼ等しい直胴部４４を、第二テーパ部４２にて調心しつつ凹部５１ａ内に挿入することができる。このような２段階の調心が可能となることで、凸部４ｂの凹部５１ａへの篏合が一層容易となる。なお、挿入の過程で、凸部４ｂの調芯が第二テーパ部４２よりも先端側において既に完了している場合には、第二テーパ部４２がテーパ部５５に当接しない場合もある。

　また、本実施形態では、図３に示すように、凹部５１ａの内周壁上に配置され、凹部５１ａに露出するベアリング部５６を、さらに有する。ベアリング部５６は、凹部５１ａの内周壁上に周面に沿って帯状に取り付けられた円筒型を有している。より具体的には、ベアリング部５６は、凹部５１ａの深さ方向の中間位置から開口側までの部分において（凹部５１ａの）内周面が切り欠かれて内径が広くなっている第１の領域５７に取り付けられている。ベアリング部５６は、環状の一体構造のものであってもよく、また湾曲した２つの帯状に構成されたベアリング材を凹部５１ａの内周面に沿って並べて環状にして構成することもできる。なお、凹部５１ａの内周壁の第１の領域５７に隣接する第２の領域５８の内周面と、ベアリング部５６の内周面とは、面一であってもよいが、ベアリング部５６の内径のほうが第２の領域５８の内径よりも僅かに小さくてもよい。また、ベアリング部５６の上部開口は、テーパ部（図４の５６ｂ）となっている。このようにベアリング部の上部開口がテーパ部５６ｂ（図４）となっていることで、凸部４ｂのベアリング部５６内への挿入が有利となる。上述のように、凸部４ｂが先細りの形状となっている場合、凸部４ｂの第一テーパ部４１及び中間部４３はベアリング部５６内に容易に配置されるが、直胴部４４はベアリング部５６に接触する可能性がある。その場合でも、直胴部４４のベアリング部５６のテーパ部５６ｂによる調心が可能であるほか、特に、凸部４ｂの第二テーパ部４２とベアリング部５６のテーパ部の相互による調心によって、直胴部４４がスムーズにベアリング部５６内に挿入される。

　また、図１０に示すように、ベアリング部５６における凹部５１ａの開口側の端縁５６ａは、凹部５１ａのテーパ部５５の傾斜面の延長線上にあるか、あるいは、延長線上よりも凹部５１ａの底側に位置し、延長線上よりも凹部５１ａの底側に位置することがより好ましい。この延長線は、図３、図１０中において点線で示している。なお、ベアリング部５６の上部開口がテーパ部５６ｂ（図４）となっている場合は、このテーパ部が延長線上よりも凹部５１ａの底側に位置することが好ましい。ベアリング部５６の端縁５６ａ又はベアリング部５６のテーパ部がわずかでも延長線上より凹部５１ａの底側に位置していれば、凸部４ｂ（第一テーパ部４１）の先端縁が、ベアリング部５６の端縁５６ａ又はテーパ部に接触することを避けることができる。延長線上よりも凹部５１ａの底側に位置する場合の一例としては、凹部５１ａの軸方向における、ベアリング部５６の端縁５６ａと、前記延長線との距離は、例えば１０インチのボールバルブの場合、４ｍｍ以下とする。バルブ１０における弁体であるボール４を開閉する際には、凸部４ｂが下方の回転軸（ステム）となってベアリング部５６内を回転する。この際、凸部４ｂの外周がベアリング部５６の内周と摺動するため、例えばベアリング部５６の内周に傷等があると、凸部４ｂの回転の抵抗が増し、その結果、バルブ１０の開閉トルクが増大してしまう。そのため、ベアリング部５６は、その内周面に傷等が無いことが望ましい。ベアリング部５６内周の傷は、凸部４ｂを凹部５１ａに勘合させる際に生じやすいが、本実施形態のようにベアリング部５６の端縁５６ａ又はテーパ部の位置を規定することにより、挿入時に、凸部４ｂの先端縁が、ベアリング部５６の内周面に接触しないようにすることができ、ベアリング部５６の内周面に傷等を発生させることを防止することができる。

　ここで、図４は、凸部４ｂおよび凹部５１ａのテーパ部５５の拡大図である。説明の便宜上、図４では、凸部４ｂが凹部５１ａに挿入されていない状態を示す。凸部４ｂの第一テーパ部４１の凸部４ｂの中心軸（図４中に点線で示す）に対する傾斜角度をθｒ、凹部５１ａのテーパ部５５の凹部５１ａの中心軸（図４中に点線で示す）に対する傾斜角度をθｓとすると、これらのテーパ角度は特に限定されないが、ボール４を弁体収納部５に収納する際、目視では認識できない程度の傾きや中心からのずれが生じた場合に、少なくとも第一テーパ部４１とテーパ部５５とを確実に接触させることができる角度とする。そのような角度は、バルブのサイズによっても異なるが、例えば３０°～４０°の範囲とすることができる。特に、傾斜角度θｓが３０°以上の場合、θｒ＜θｓの関係を満たすことが好ましく、傾斜角度θｓが３０°未満の場合、θｒ≦θｓの関係を満たすことが好ましい。θｒとθｓとが異なる場合は、その差は５°～１０°の範囲であると好ましい。このように角度を規定することにより、凸部４ｂが凹部５１ａに挿入し易くなると同時に、第一テーパ部４１がテーパ部５５に当接することで凸部４ｂの中心軸が鉛直方向になるよう調芯する。これにより、凸部４ｂの先端縁が、ベアリング部５６の端縁５６ａに接触しないように、あるいは接触する場合であってもベアリング部５６の端縁５６ａに過度に負荷を与えないようにすることができる。例えば１０インチのボールバルブであれば、θｒを３０°、θｓを３５°とすることができる。

　また、凸部４ｂの第二テーパ部４２の凸部４ｂの中心軸（図４中に点線で示す）に対する傾斜角度をθｔとすると、このθｔは、第一テーパ部の傾斜角度θｒと同程度とすることができるが第二テーパ部４２の傾斜角度θｔと、第一テーパ部４１の傾斜角度θｒとは、同じ傾斜角度（θｔ＝θｒ）であってもよいし、異なる傾斜角度であってもよい。異なる傾斜角度である場合には、第二テーパ部４２の傾斜角度θｔが、第一テーパ部４１の傾斜角度θｒよりも小さくすることができる。例えば、１０インチのボールバルブにおいて、θｒを３０°とした場合、θｔは２０°とすることができる。これにより、上述したように、第一テーパ部４１によって、まず中間部４３の調心を大きく行い、第二テーパ部４２によって、直胴部４４の調心をより精密に行うことができ、ベアリング部５６の内周部を傷つけずに凸部４ｂを凹部５１ａに挿入することが容易となる。

　（ベアリング部の変形例）
　ここで、図６および図７には、上述のベアリング部５６の別例であるベアリング部５６Ａを示す。図６は、ベアリング部５６Ａ単体の斜視図を示し、図７は、ベアリング部５６Ａが凹部５１ａの内周壁上に周面に沿って取り付けられた状態を、凹部５１ａの開口側から見た図である。図７は、説明の便宜上、凸部４ｂが凹部５１ａに嵌合している状態で示している。

　ベアリング部５６Ａにはスリット５４が設けられている。スリット５４は、図７の状態において凹部５１ａの開口側から底側に向かって延設されている隙間である。スリット５４により、バルブ１０の組み立て時に凸部４ｂと凹部５１ａとを嵌合させている最中に、凹部５１ａの底側の空気を凹部５１ａの外に抜くことができる。これにより、凸部４ｂが凹部５１ａにスムーズに嵌合するため、嵌合操作を効率的に行うことができる。

　ベアリング部５６Ａの帯の長手方向の長さは、凹部５１ａの内周壁の周面に沿った長さよりも短くなっている。そのため、ベアリング部５６Ａを凹部５１ａの内周壁上に周面に沿って取り付けた際にベアリング部５６Ａの帯の長手方向の両端部５６０、５６１（図６）が離間することでスリット５４が形成される。

　なお、図７に示す例では、スリット５４は、凹部５１ａの開口側から底側に向かって鉛直方向に延設されているが、凹部５１ａの底側と開口側とに連通していればよく、延設方向は、鉛直方向に限らず、鉛直方向に傾斜した方向であってもよい。

　なお、スリット５４は一箇所のみに設けられているが、配設箇所は１つに限らない。

　なお、スリット５４に限らず、ベアリング部５６Ａにおける凸部４ｂの周面との対向面に凹溝を設け、凹部５１ａの底側の空気が凹溝を流れて凹部５１ａの外に排気される態様であってもよい。

　また、スリット５４と同様に、凹部５１ａの底側の空気を凹部５１ａの外に抜く目的で、凸部４ｂの周面に凹溝が設けられていてもよい。この場合も、凹部５１ａの底側の空気が凹溝を流れて凹部５１ａの外に排気される態様であってもよい。

　以上がバルブ１０の構成である。なお、バルブ１０は、以上で説明する構成以外にも備えていてもよい。

　以下、バルブ１０の組み立て手順（バルブの製造方法）を説明するとともに、ボール４をボデー１の弁体収納部５に収納する過程と、ボール４の凸部４ｂと弁体収納部５の凹部５１ａの挿入メカニズムとを説明する。

　（バルブ１０の組み立て（バルブの製造方法））
　ボール４をボデー１の弁体収納部５に収納する本実施形態のバルブの組み立て手順（バルブの製造方法）のフローを図１４に示す。図１４は、ボデー１内にボール４を設置する手順を示し、第１工程Ｓ１０１と、第２工程Ｓ１０２とを含む。本実施形態では、図５に示すように、ボール４をボデー１の上端開口部６ｂからボデー１内に入れ、ステム収納部６内を下降させて（図１４の第１工程Ｓ１０１）、弁体収納部５内に配置することができる（図１４の第２工程Ｓ１０２）。このような設置方法が、いわゆるトップエントリ型の設置方法である。本実施形態では、ボデー１のステム収納部６が、上端開口部６ｂおよび連通口６ａ（図２）を含め、ボール４よりも内径が大きいため、実現することができる。ボール４を下降させるためには、ボール４の上面に、ボール４をボデー１に挿入する専用の治具を接続させておこなうほか、本実施形態であれば、図２に示すボール４の上面に接続されるステム３を用いて、上端開口部６ｂからボール４を挿入することができる。ステム３を用いることにより、専用の治具を用いる場合と比べ、治具の取り外しが不要であるため、組み立て作業を効率的におこなうことができる。なお、ボデー１へのボール４の挿入は、作業者の手作業で行ってもよいし、半自動でもよいし、完全自動でもよい。

　図８は、図５とは異なる角度から、ボール４をトップエントリする様子を見ている図である。先述のように、弁体収納部５には凹部５１ａが設けられており、ボール４の凸部４ｂ（図３）は、凹部５１ａに嵌合する。ここで、凹部５１ａは、ボール４を挿入する方向の先に位置しているため、ボール４が上端開口部６ｂからボデー１のステム収納部６に挿入された状態となると、図９に示すように、ボール４が死角となって、凸部４ｂも凹部５１ａも視認することができない。しかしながら、本実施形態によれば、凹部５１ａの開口側にテーパ部５５を設けていることにより、先述のように凸部４ｂに過度に負荷をかけることなく、凹部５１ａへ導くことができる。以下、凹部５１ａへの凸部４ｂの挿入過程を、図１０～図１３を用いて、順に追って説明する。

　図１０は、挿入初期の段階である。この図１０に示す直前の段階、例えばボール４が弁体収納部５に到達した段階で、前記治具またはステム３の軸は、ボデー１の中心軸Ｏに対して、０°を超え、且つ３°以下の範囲で傾斜している。本実施形態のように治具またはステム３の軸を用いてボール４をボデー１に挿入する場合、ボデー１の中心軸Ｏに対して傾きが全くない状態で行うことは極めて難しい。すなわち、意図せずともわずかに傾いた状態でボール４が挿入されることがほとんどとなる。一方、３°を超えるような傾きが発生した場合には、その傾きを目視で認識可能であるため、認識した時点で傾きを修正することが可能となる。その結果、ボール４の挿入時には、治具またはステム３の軸が、ボデー１の中心軸Ｏに対して、０°を超え、且つ３°以下の範囲で傾斜していることになる。要するに、本実施形態では、このような傾きを意図して実行する場合と、意図せず実行される場合の両方を含む。そして、凸部４ｂを凹部５１ａに挿入する図１０に示す初期段階（図１４の第２工程Ｓ１０２）で、凸部４ｂの先端縁に構成される第一テーパ部４１の一部がテーパ部５５に接触（当接）して、凸部４ｂは、凹部５１ａのテーパ部５５によって案内される。具体的には、凸部４ｂの第一テーパ部４１のうちのテーパ部５５に当接している部分がテーパ部５５を通過したときには、凸部４ｂの先端縁全周が、テーパ部５５よりも凹部５１ａの底に近い側に案内されている。

　図１１は、挿入初期の次の段階（図１４の第２工程Ｓ１０２）である。図１１では、第一テーパ部４１の一部とテーパ部５５との当接が終わり、凸部４ｂの調芯の第一段階が完了した状態である。当接が終わった状態において、凸部の先端縁の全周が、テーパ部５５よりも底側に位置する。図１１では、図１０においてテーパ部５５によってガイドされた凸部４ｂの中間部４３の周面を、テーパ部５５の底側の端部が摺動するように、凸部４ｂがガイドされ、凸部４ｂが更に調芯される。このように摺動する状態であっても、図１１に示すように凸部４ｂの先端縁には第一テーパ部４１が設けられていることで、先端縁がベアリング部５６の端縁５６ａに過度の負荷をかけない。なお、凸部４ｂが凹部５１ａに挿入完了した状態、つまり嵌合した状態において、ベアリング部５６の内周面と、凸部４ｂのうち最も径が大きい直胴部４４の径Ｄ３との間にはほぼ隙間（クリアランス）が無いか、わずかにクリアランスを設けている。具体的には、円筒型のベアリング部５６の内径Ｄ４と、当該Ｄ３との差は、例えば１０インチのボールバルブとする場合、０．１ｍｍ程度である。図１１に示すように挿入の途中段階においては、当接している側と、凸部４ｂの中心軸を挟んで反対側には、テーパ部５５と、第一テーパ部４１あるいは中間部４３との間には、隙間がある。

　図１２は、図１１の状態から更に挿入が進行した状態を示す。図１２に示す状態では、凸部４ｂの調芯は、最終段階（図１４の第２工程Ｓ１０２）に入る。これまでの過程で、凸部４ｂは概ね調芯されているため、図１２の右側に示すベアリング部５６の端縁５６ａに凸部４ｂの第二テーパ部４２が当接しているが、過度の負荷はかからない。この当接によって調芯が完了する。

　図１３は、第二テーパ部４２の基端側までが、テーパ部５５よりも底側に位置している。この状態になれば、ベアリング部５６および凹部５１ａに凸部４ｂから過度に負荷がかかることはない。

　そして、図３に示したように、凸部４ｂが完全に凹部５１ａに挿入された状態となる（図１４の第２工程Ｓ１０２の終了）。上述のように、本実施形態においては、ボール４の挿入時に意図せずとも発生してしまう０°を超え、且つ３°以下の範囲の傾きをあえて利用することで、ボール４の凸部４ｂをボデー１の凹部５１ａに調芯しながら挿入することが可能となる。そして、凸部４ｂや凹部５１ａは、上述したような特定の条件を満たす第１テーパ部４１やテーパ部５５を有するが、これらの条件は、ボール４が０°を超え、且つ３°以下に傾いた際に、凸部４ｂの凹部５１ａに確実にガイドされるように調整して設定したものである。

　ここで、本実施形態で例示しているバルブ１０は、ボール４の流路４ａの口径、および配管構造部７の管径が比較的大きいバルブを想定している。そのため、ボール４自体が高重量である。この場合、バルブ１０を上述した手順で組み立てる際に、ボデー１内でボール４を勢いよく加工させると、凸部４ｂと凹部５１ａとが衝突して破損したり、凸部４ｂがベアリング部５６と接触して破損させるおそれがある。そこで、それを避けるため、組み立て手順において、ボール４をボデー１内に入れ、ステム収納部６内を下降させている間（図１４の第１工程）は、素早くボール４を下降させる一方で、ボール４が弁体収納部５に入り、凸部４ｂが凹部５１ａに近づいてきた段階で下降速度を落とすようにする。これにより、図１４の第２工程においてテーパ部５５と第一テーパ部４１とが勢いよく当接することがなく、上述の破損も避けることができる。なお、弁体収納部５へのボール４の設置は、作業者の手作業で行ってもよいし、半自動でもよいし、完全自動でもよい。

　このように、本実施形態では、テーパ部５５に凸部４ｂの先端縁の一部が当接することによって、テーパ部５５が凸部４ｂをガイドすることができる。これにより、トップエントリによって凸部４ｂを凹部５１ａに挿入しても、ボール４がボデー１の弁体収納部５に適切に軸支される（図２および図３）。凸部４ｂと凹部５１ａとが嵌合した図３の状態において、直胴部４４は、ベアリング部５６の内周面に当接している。一方、第二テーパ部４２、中間部４３、および第一テーパ部４１は、凹部５１ａの第２の領域５８に対し、先述した所定の隙間を有して対向している。

　以上の過程を経てボール４をボデー１の弁体収納部５に適切に軸支させた後は、先述の中蓋体６０によって、ボール４を押圧する。トラニオンプレート６１およびヨークプレート６２は共に円形のプレート体であり、各々の中央には、ステム３が貫通する貫通孔が設けられている。また、ヨークプレート６２の外周面には、ステム収納部６の内周面の一部に設けられたネジ構造と螺合するネジ構造が設けられており、螺合によりヨークプレート６２をステム収納部６の所望の位置に固定することができる。なお、中蓋体６０が嵌合する部分は、ステム収納部６の内周面のうち中間部分６ｃの下端部であり、内径が縮径している部分に相当する。すなわち、この部分の管壁の厚さは、ステム収納部６の他の部分の管壁に比べて厚く構成されている。これにより、中蓋体６０の嵌合に伴う径方向への負荷に耐えることができる。なお、ヨークプレート６２は、このようなネジによる固定以外に、例えばボデー１へのボルトによる固定など、ボデー１に対する着脱が可能な所定の固定手段にて固定されていればよい。組み立ての容易性などを考慮すると、ボデーとのネジ構造による螺合が好ましい。一方、トラニオンプレート６１は、ステム収納部６の内周面に嵌合しているが、ヨークプレート６２とは異なり、螺合など、ボデー１に対して何らかの固定手段による固定はしていない。トラニオンプレート６１は、ヨークプレート６２によってボール４側に押圧されることによって、図２に示す位置に固定されている。トラニオンプレート６１とヨークプレート６２とは、互いの対向面では接しておらず、シール部材を介して接触している。このように、中蓋体６０がステム収納部６の連通口６ａを封止することにより、ボール４を弁体収納部５に確実に収納することができ、ボール４が不都合に上方に飛び出す事態を回避することができる。

　なお、図２に示す支持機構８０および配管構造部７は、ボール４をトップエントリする前に、弁体収納部５の側方に配置されており、支持機構８０は、弁体収納部５に軸支されたボール４を側方から支持する。

　なお、ボデー１の外殻的な要素を構成する弁体収納部５と、ステム収納部６と、配管構造部７とは、溶接以外による接合部を有しない一体型のボデーとすることができる。一体型であるとは、ボルトやネジといった他の治具を用いて連結するのではなく、そのような連結部を有しない完全な一体構造であるか、連結部を有しても溶接部のみによって複数のパーツ（部品）を接合していることを指す。このように一体型の構造とすることにより、液漏れしない信頼性の高いボデー１を提供することができる。流体として極低温の液体水素を扱うバルブとしても実現可能である。また治具を用いて連結する態様に比べて、ボデー１の外面に治具を配設する必要がなく、当該外面を凹凸の少ない面とすることができる。これは、例えば液体水素を扱う場合にボンネット２以外の部分を完全に覆う真空ジャケットを取り付ける態様に好適である。真空ジャケットは、断熱効果により、流路Ｐを流れる液体水素を適温に維持することに寄与する。また、溶接のみによって一体構造としたボデー１であれば、構造的強度が高い。そのため、流路を大きく構成して流体（液体水素も含む）を大量に流すことが可能である。流量に関しては、配管構造部７の管径、およびボール４の大きさと流路４ａの口径に基づいて適宜設定することができる。例えば、本実施形態のバルブ１０は、配管構造部７の管径および流路４ａの口径を、２５センチメートル以上という比較的大口径で実現できる。例えば、当該管径および口径を約１０～２４インチ（約２５～６５センチメートル）で構成することができる。

　なお、本実施形態では、ボールバルブの態様であったが、その他の弁種（グローブバルブやバタフライバルブ）であってもよい。

　以上のように本実施形態によれば、凸部４ｂの第一テーパ部４１の一部とテーパ部５５とが当接することによって、凸部４ｂの先端縁の全周がテーパ部５５よりも底側に位置するよう、テーパ部５５が凸部４ｂをガイドする。これにより、凹部５１ａや、凹部５１ａに配設されたベアリング部５６に対して、凸部４ｂの先端縁が接触して過度に負荷をかけてしまう事態を回避し、凸部４ｂを凹部５１ａに適切に軸支させることが可能となる。

　ここで、図１６に、比較構成として、ボール弁体であるボール１１０４と、弁本体であるボデー１１０１の弁体収納部１１０５との部分拡大図を示す。図１６の比較構成では、本実施形態に示す弁体収納部５の凹部５１ａのテーパ部５５が無い。また、図１６の比較構成では、本実施形態に示すボール４の凸部４ｂの第一テーパ部４１も第二テーパ部４２もない。図１６では、ボール１１０４の底面に設けられた軸部１１０４ｂと、弁体収納部１１０５に設けられた軸支持孔１１０５ａとを嵌合させる際の様子を示している。嵌合の際には、先述のようにトップエントリであるとボール１１０４が死角となって嵌合させる様子を視認することができない。そのため、図１６に示すように軸部１１０４ｂの先端の縁部が、軸支持孔１１０５ａの周辺部に接触して過度に負荷がかかる。例えば、軸部１１０４ｂの先端の縁部が変形する場合や、軸支持孔１１０５ａの内周面が傷付く場合がある。これらは何れも、ボール１１０４の適切な軸支を妨げる要因となる。また、図１６のように軸支持孔１１０５ａ内にベアリング部１１１１が設けられている場合に、例えば軸部１１０４ｂの姿勢が斜めの状態で軸支持孔１１０５ａに挿入されれば、軸部１１０４ｂの縁部によってベアリング部１１１１を破損させることも考えられる。これに対し、本実施形態のように凹部５１ａにテーパ部５５を設けることによって凸部４ｂをガイドして良好に嵌合させることができる。このため、上述のような課題がなく、ボールを適切に軸支することが可能である。

　〔変形例〕
　上述の実施形態のように凹部５１ａや、凹部５１ａに配設されたベアリング部５６に対して過度に負荷をかけないためには、テーパ部５５があればよい。換言すれば、凸部４ｂの第一テーパ部４１は、凹部５１ａやベアリング部５６に対して過度に負荷をかけないためのより好適な態様であるが、必須の構成ではない。すなわち、上述の実施形態で説明した凸部４ｂに代えて、直胴形状の凸部をボール４に備え、直胴形状の凸部を、テーパ部５５に当接させて、凹部５１ａに挿入して、凸部を凹部５１ａに嵌合させてなる態様も、本発明の一態様に含まれる。

　〔実施形態２〕
　本発明の他の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、上述の実施形態１にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。

　上述の実施形態１では、ボール４の下面に下方に向かって突出する凸部４ｂが設けられ、弁体収納部５に凹部５１ａが設けられ、凸部４ｂと凹部５１ａとが嵌合する態様である。これに対して、本実施形態２では、ボール４の下面に上方に凹んだ凹部と、弁体収納部５に上方に向かって突出する凸部が設けられている点において相違する。以下、本実施形態について、図１５を用いて説明する。

　図１５は、本実施形態のバルブ１０Ａの部分断面図である。図１５は、バルブ１０Ａにおけるボール４の下面および弁体収納部５との嵌合部分を示したものである。図１５では、弁体収納部５には、窪み１５１が設けられている。窪み１５１の形状は、実施形態１の凹部５１ａと同様であり、上方に開口し、下方に底が設けられており、開口側に、凹部１５１の底に向けて内径が漸次減少するテーパ部１５５が設けられている。窪み１５１には、棒状の下部ステム１５４が嵌合している。下部ステム１５４の一部分１５４ａが、窪み１５１から突き出ており、この突き出た部分１５４ａが、ボール４の凹部４０に嵌合する凸部である。

　ここで、窪み１５１に下部ステム１５４が嵌合された状態において、下部ステム１５４の周面と、窪み１５１の内周面との間には、ベアリング部５６６が配設されている。ベアリング部５６６は、実施形態１のベアリング部５６と同等の構成および機能を有している。

　下部ステム１５４における、窪み１５１から突き出た部分１５４ａは、実施形態１の凸部４ｂと同様の構成を有する。すなわち、窪み１５１から突き出た部分１５４ａの先端部（以下、下部ステム１５４の先端部と称する）の先端縁には、先端に向けて径が漸次減少する下部ステムテーパ部１５４ｂ（第一テーパ部）が設けられている。下部ステムテーパ部１５４ｂは、実施形態１の凸部４ｂの第一テーパ部４１（例えば図３および図４）と同等の機能を有する。

　更に、突き出た部分１５４ａにおいて、下部ステムテーパ部１５４ｂの基部側（下部ステム１５４の先端部とは反対側）には、下部ステム１５４の先端部に向けて径が漸次減少する第二の下部ステムテーパ部１５４ｃ（第二テーパ部）をさらに有する。下部ステムテーパ部１５４ｂと第二の下部ステムテーパ部１５４ｃとの間には、円筒型の中間部１５４ｄが設けられている。突き出た部分１５４ａには、更に、第二の下部ステムテーパ部１５４ｃよりもさらに基部側に、直胴部１５４ｅが設けられている。すなわち、突き出た部分１５４ａは、突出方向に沿って、直胴部１５４ｅと、第二の下部ステムテーパ部１５４ｃ、中間部１５４ｄ、下部ステムテーパ部１５４ｂとをこの順で有する。

　なお、実施形態１の凸部４ｂと同様に、突き出た部分１５４ａは、直胴部１５４ｅ、第二の下部ステムテーパ部１５４ｃ、中間部１５４ｄ、および下部ステムテーパ部１５４ｂが一体的に形成されていてもよいが、突き出た部分１５４ａのうち、直胴部１５４ｅを除いては、直胴部１５４ｅとは異なる部材によって構成され、直胴部１５４ｅの端部に固定されていてもよい。異なる部材によって構成される場合、直胴部１５４ｅとその他の部位との固定方法は、ねじ込み、はめ込み等特に限定されない。この場合、直胴部１５４ｅと、その他の部位（第二の下部ステムテーパ部１５４ｃ、中間部１５４ｄ、および下部ステムテーパ部１５４ｂ）とは、同一の材質であってもよく、異なる材質であってもよい。

　ボール４の凹部４０には、開口側に、凹部４０の底に向けて内径が漸次減少するテーパ部４５が設けられている。テーパ部４５は、突き出た部分１５４ａを凹部４０に挿入する際に、突き出た部分１５４ａの先端部をガイドする。具体的には、挿入時に、突き出た部分１５４ａの先端縁の一部をテーパ部４５に当接させる。具体的には、ボール４が傾いた状態で弁体収納部５に導入された場合、凹部４０が突き出た部分１５４ａに向かって進むにつれ、テーパ部１５４ｂによるガイドによってボール４の傾きが垂直方向に修正されつつ、凹部４０の中心軸が突き出た部分１５４ａの中心軸に近づく方向に移動（調心）する。これにより、突き出た部分１５４ａの先端縁の全周がテーパ部４５よりも凹部４０の底側に位置するように突き出た部分１５４ａが案内される構成となっている。すなわち、突き出た部分１５４ａの先端部のうちのテーパ部４５に当接している部分がテーパ部４５を通過したときには、突き出た部分１５４ａの先端部の先端縁全周が、テーパ部４５よりも凹部４０の底に近い側に案内されている。よって、凹部４０の壁面に触れないように突き出た部分１５４ａが凹部４０に案内される。

　ここで、ベアリング部５６６における凹部４０の開口側の端縁５６６ａは、凹部４０のテーパ部４５の傾斜面の延長線上にあるか、あるいは、延長線上よりも凹部４０の底側に位置し、延長線上よりも凹部４０の底側に位置することがより好ましい。これにより、突き出た部分１５４ａの先端縁（下部ステムテーパ部１５４ｂ）が、ベアリング部５６６の端縁５６６ａに接触することを避けることができ、ベアリング部５６６の内周面に傷等を発生させることを防止することができる。

　以上のように本実施形態によれば、実施形態１と同様に、凹部４０と、凸部（突き出た部分１５４ａ）とが、テーパ面同士の当接によってガイドされて、スムーズに嵌合することができる。

　以上の本実施形態のバルブ１０Ａは、実施形態１で説明した製造方法（組み立て手順）と同等の工程によって製造することができる。

　なお、弁体収納部５に直接凸部を形成するのではなく、凹部１５１を設けて、凹部１５１下部ステム１５４を挿し込んで突き出させることで凸部を実現した態様とすることにより、凸部の製造加工が容易であり、好ましい。しかしながら、弁体収納部５に直接凸部を形成する態様であってもよい。

　〔まとめ〕
　本発明の態様１に係るバルブ１０、１０Ａは、凹部および凸部の一方（凹部５１ａ（図３）、凸部１５４ａ（図１５））を有するボデー１に、前記ボデー１へ挿入される方向の先端側に前記凹部および凸部の他方（凸部４ｂ（図３）、凹部４０（図１５））を有する弁体（ボール４）が、前記凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）が前記凹部５１ａ（図３）、４０（図１５）に嵌合することによって配置されるトップまたはサイドエントリのバルブ１０、１０Ａであって、前記凹部５１ａ（図３）、４０（図１５）は、開口側に、前記凹部５１ａ（図３）、４０（図１５）の底に向けて内径が漸次減少するテーパ部５５（図３）、４５（図１５）を有し、前記凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）の先端縁の一部は、前記凸部を前記凹部に挿入する際に前記テーパ部に当接し、前記テーパ部５５（図３）、４５（図１５）は、前記凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）の先端縁の全周が前記テーパ部５５（図３）、４５（図１５）よりも前記底側に位置するように前記凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）を案内する。

　前記態様１の構成によれば、弁体をボデー１内に適切に軸支可能なバルブ１０、１０Ａを提供することができる。具体的には、前記態様１の構成によれば、凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）の先端縁（第一テーパ部４１、下部ステムテーパ部１５４ｂ）の一部とテーパ部５５（図３）、４５（図１５）とが当接することによって、凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）の先端縁の全周がテーパ部５５（図３）、４５（図１５）よりも底側に位置するよう、テーパ部５５（図３）、４５（図１５）が凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）をガイドする。これにより、凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）の先端縁が、凹部５１ａ（図３）、４０（図１５）（凹部５１ａ、４０にベアリング部５６（図３）、５６６（図１５）が配設されている場合には当該ベアリング部５６を含む）に対して、接触して過度に負荷をかける事態を回避し、凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）を凹部５１ａ（図３）、４０（図１５）に適切に嵌合させることができる。これにより、弁体をボデー１内に適切に軸支可能なバルブ１０、１０Ａを提供することができる。

　また本発明の態様２に係るバルブ１０は、前記の態様１において、前記ボデー１は、縦長の寸胴形状を有し、前記弁体（ボール４）が通過可能な開口（上端開口部６ｂ）を上部に有し、前記凹部５１ａを有する弁体収納部５を下部に有し、前記弁体（ボール４）は、前記凸部４ｂを有し、前記開口（上端開口部６ｂ）から前記弁体収納部５まで、前記凸部４ｂを下にして導入することにより、前記弁体収納部５に配置されてもよい。

　また本発明の態様３に係るバルブ１０、１０Ａは、前記の態様１または２において、前記弁体はボール弁体（ボール４）であってよい。

　前記態様３の構成によれば、ボール４をトップまたはサイドエントリする際には、挿入の先端側に設けた凸部（４ｂ）は、ボール４の死角に入って視認できない。このような状況下でも、テーパ部５５によって凸部４ｂがガイドされ、凹部５１ａに適切に嵌合することができる。

　また本発明の態様４に係るバルブ１０、１０Ａは、前記の態様１から３において、前記凸部４ｂは、前記先端縁に、先端に向けて径が漸次減少する第一テーパ部４１を有する。

　前記態様４の構成によれば、バルブ１０においては、図３に示すように、凸部４ｂの第一テーパ部４１の一部とテーパ部５５とが当接することによって、凸部４ｂの第一テーパ部４１の全周がテーパ部５５よりも底側に位置するよう、テーパ部５５が凸部４ｂをガイドする。また、バルブ１０Ａにおいては、図１５に示すように、凸部１５４ａの下部ステムテーパ部１５４ｂの一部とテーパ部４５とが当接することによって、凸部１５４ａの下部ステムテーパ部１５４ｂの全周がテーパ部４５よりも底側に位置するよう、テーパ部４５が凸部１５４ａをガイドする。

　これにより、凸部４ｂ（図３）および凸部１５４ａ（図１５）を、凹部５１ａ（図３）および凹部４０（図１５）に適切に嵌合させることができる。よって、弁体をボデー１内に適切に軸支可能なバルブ１０、１０Ａを提供することができる。

　また本発明の態様５に係るバルブ１０、１０Ａは、前記の態様４において、前記凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）は、前記第一テーパ部４１（図３）、１５４ｂ（図１５）よりも基端側に、先端に向けて径が漸次減少する第二テーパ部４２（図３）、１５４ｃ（図１５）を有する構成としてもよい。

　前記態様５の構成によれば、前記第一テーパ部４１（図３）、１５４ｂ（図１５）に加えて、第二テーパ部４２、１５４ｃでも、凸部４ｂ（図３）および凸部１５４ａ（図１５）の調芯を行うことができ、凹部５１ａ（図３）および凹部４０（図１５）への凸部４ｂ（図３）および凸部１５４ａ（図１５）の挿入をより一層スムーズに行うことができる。

　また本発明の態様６に係るバルブ１０、１０Ａは、前記の態様５において、前記第二テーパ部（図３）、１５４ｃ（図１５）の先端の径をＤ１、前記第二テーパ部の基端の径をＤ２、前記第二テーパ部よりも前記弁体側の直胴部の径をＤ３としたときに、下記の関係式；
　Ｄ１＜Ｄ２＜Ｄ３
を満たすように構成してもよい。

　前記態様６の構成によれば、凸部４ｂ（図３）および凸部１５４ａ（図１５）が先細りの形状となっているため、挿入の際に、凹部５１ａ（図３）および凹部４０（図１５）に嵌りやすい。

　また本発明の態様７に係るバルブ１０、１０Ａは、前記の態様１から６において、前記凹部５１ａ（図３）および凹部４０（図１５）の内周壁上に配置され、前記凹部５１ａ（図３）および凹部４０（図１５）に露出するベアリング部５６、５６６をさらに有する。

　前記態様７の構成によれば、凹部５１ａ（図３）および凹部４０（図１５）のテーパ部５５（図３）、４５（図１５）によって、凸部４ｂ（図３）および凸部１５４ａ（図１５）の先端縁（第一テーパ部４１（図３）、下部ステムテーパ部１５４ｂ（図１５））の全周がテーパ部５５、４５（図１５）よりも底側に位置するように、凸部４ｂ（図３）および凸部１５４ａ（図１５）がガイドされるため、凸部４ｂ（図３）および凸部１５４ａ（図１５）がベアリング部５６、５６６に過度の負荷をかけるおそれがない。

　また本発明の態様８に係るバルブ１０、１０Ａは、前記の態様７において、前記ベアリング部における前記凹部の前記開口側の端縁は、前記凹部の前記テーパ部の傾斜面の延長線よりも前記凹部の底側に位置する構成であってもよい。

　前記態様８の構成のようにベアリング部５６、５６６の端縁５６ａ、５６６ａの位置を規定することにより、凸部４ｂ（図３）および凸部１５４ａ（図１５）の先端縁（第一テーパ部４１（図３）、下部ステムテーパ部１５４ｂ（図１５））が、ベアリング部５６、５６６の端縁５６ａ、５６６ａに接触しないように、あるいは接触する場合であってもベアリング部５６、５６６の端縁５６ａ、５６６ａに過度に負荷を与えないようにすることができる。

　また本発明の態様９に係るバルブ１０、１０Ａの製造方法は、態様１から態様８のバルブを製造するバルブの製造方法であって、前記弁体（ボール４）を前記ボデー１の上端開口部から前記ボデー１内に入れて、当該弁体を前記ボデー１の下部に向かって下降させる第１工程と、前記第１工程Ｓ１０１に続いて、前記ボデーの下部において前記凸部と前記凹部とを嵌合させて、前記弁体を前記ボデー内の所定位置に配置する第２工程と、を含み、前記第２工程Ｓ１０２では、前記凸部の先端縁の一部が、前記凸部を前記凹部に挿入する際に前記テーパ部に当接し、前記テーパ部によって、前記凸部の先端縁の全周が前記テーパ部よりも前記底側に位置するように前記凸部が案内される。

　前記態様９の製造方法によれば、弁体をボデー１内に適切に軸支可能なバルブ１０、１０Ａを提供することができる。具体的には、前記態様１０の構成によれば、凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）の先端縁（第一テーパ部４１、下部ステムテーパ部１５４ｂ）の一部とテーパ部５５（図３）、４５（図１５）とが当接することによって、凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）の先端縁の全周がテーパ部５５（図３）、４５（図１５）よりも底側に位置するよう、テーパ部５５（図３）、４５（図１５）が凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）をガイドする。これにより、凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）の先端縁が、凹部５１ａ（図３）、４０（図１５）（凹部５１ａ、４０にベアリング部５６（図３）、５６６（図１５）が配設されている場合には当該ベアリング部５６を含む）に対して、接触して過度に負荷をかける事態を回避し、凸部４ｂ（図３）、１５４ａ（図１５）を凹部５１ａ（図３）、４０（図１５）に適切に嵌合させることができる。これにより、弁体をボデー１内に適切に軸支可能なバルブ１０、１０Ａを提供することができる。

　また本発明の態様１０に係るバルブ１０、１０Ａの製造方法は、態様９において、前記第１工程では、前記弁体を前記ボデーに挿入するための治具を前記弁体の上面に連結させた状態、または弁軸を前記弁体の上面に連結させた状態で、前記弁体を前記ボデーの下部に向かって下降させ、前記第２工程では、前記凸部の先端縁の一部が前記テーパ部に当接する直前の段階、つまり前記凸部の先端縁の一部が前記テーパ部の近傍まで下降した段階で、前記治具または前記弁軸の軸が、前記ボデーの前記上端開口部から前記下部に向かって伸びる中心軸に対して、０°を超え、且つ３°以下の範囲で傾斜しているように構成してもよい。

　本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

１　ボデー
３　ステム
４　ボール（弁体、ボール弁体）
４ａ　流路
４ｂ　凸部
５　弁体収納部
６　ステム収納部
６ａ　連通口
６ｂ　上端開口部（開口）
６ｃ　中間部分
１０　バルブ
４０　凹部
４１　第一テーパ部
４２　第二テーパ部
４３、１５４ｄ　中間部
４４、１５４ｅ　直胴部
４５　テーパ部
５１　中央領域
５１ａ　凹部
５２　端領域
５５　テーパ部
５６　ベアリング部
５６ａ　端縁
５７　第１の領域
５８　第２の領域
６０　中蓋体
１５４　下部ステム
１５４ａ　突き出た部分（凸部）
１５４ｂ　下部ステムテーパ部（第一テーパ部）
１５４ｃ　第二の下部ステムテーパ部（第二テーパ部）

Claims (10)

1. 　凹部および凸部の一方を有するボデーに、前記ボデーへ挿入される方向の先端側に前記凹部および凸部の他方を有する弁体が、前記凸部が前記凹部に嵌合することによって配置されるトップエントリのバルブであって、
   　前記凹部は、開口側に、前記凹部の底に向けて内径が漸次減少するテーパ部を有し、
   　前記凸部の先端縁の一部は、前記凸部を前記凹部に挿入する際に前記テーパ部に当接し、
   　前記テーパ部は、前記凸部の先端縁の全周が前記テーパ部よりも前記底側に位置するように前記凸部を案内する、バルブ。
2. 　前記ボデーは、縦長の寸胴形状を有し、前記弁体が通過可能な開口を上部に有し、前記凹部を有する弁体収納部を下部に有し、
   　前記弁体は、前記凸部を有し、前記開口から前記弁体収納部まで、前記凸部を下にして導入することにより、前記弁体収納部に配置される、
   請求項１に記載のバルブ。
3. 　前記弁体は、ボール弁体である、
   請求項１または２に記載のバルブ。
4. 　前記凸部は、前記先端縁に、先端に向けて径が漸次減少する第一テーパ部を有する、
   請求項１から３の何れか１項に記載のバルブ。
5. 　前記凸部は、前記第一テーパ部よりも基端側に、先端に向けて径が漸次減少する第二テーパ部を有する、
   請求項４に記載のバルブ。
6. 　前記第二テーパ部の先端の径をＤ１、前記第二テーパ部の基端の径をＤ２、前記第二テーパ部よりも前記弁体側の直胴部の径をＤ３としたときに、下記の関係式；
   　Ｄ１＜Ｄ２＜Ｄ３
   を満たす、
   請求項５に記載のバルブ。
7. 　前記凹部の内周壁上に配置され、前記凹部に露出するベアリング部をさらに有する、
   請求項１から６の何れか１項に記載のバルブ。
8. 　前記ベアリング部における前記凹部の前記開口側の端縁は、前記凹部の前記テーパ部の傾斜面の延長線よりも前記凹部の底側に位置する、
   請求項７に記載のバルブ。
9. 　請求項１から８の何れか１項に記載のバルブを製造するバルブの製造方法であって、
   　前記弁体を前記ボデーの上端開口部から前記ボデー内に入れて、当該弁体を前記ボデーの下部に向かって下降させる第１工程と、
   　前記第１工程に続いて、前記ボデーの下部において前記凸部と前記凹部とを嵌合させて、前記弁体を前記ボデー内の所定位置に配置する第２工程と、
   を含み、
   　前記第２工程では、前記凸部の先端縁の一部が、前記凸部を前記凹部に挿入する際に前記テーパ部に当接し、前記テーパ部によって、前記凸部の先端縁の全周が前記テーパ部よりも前記底側に位置するように前記凸部が案内される、
   バルブの製造方法。
10. 　前記第１工程では、前記弁体を前記ボデーに挿入するための治具を前記弁体の上面に連結させた状態、または弁軸を前記弁体の上面に連結させた状態で、前記弁体を前記ボデーの下部に向かって下降させ、
    　前記第２工程では、前記凸部の先端縁の一部が前記テーパ部に当接する直前の段階で、前記治具または前記弁軸の軸が、前記ボデーの前記上端開口部から前記下部に向かって伸びる中心軸に対して、０°を超え、且つ３°以下の範囲で傾斜している、
    請求項９に記載のバルブの製造方法。

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