WO2020012658A1

WO2020012658A1 - 基地局装置、無線通信システム及び認証データ取得方法

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Publication number: WO2020012658A1
Application number: PCT/JP2018/026601
Authority: WO
Inventors: 哲哉長谷川; 岳大藤井
Original assignee: 富士通株式会社
Priority date: 2018-07-13
Filing date: 2018-07-13
Publication date: 2020-01-16

Abstract

基地局装置は、端末装置の認証に用いられる認証データを記憶する認証データベースを保持する記憶部（１３０）と、他の基地局装置と通信中の第１の端末装置のハンドオーバを要求するハンドオーバ要求を取得する取得部（１２１）と、前記取得部（１２１）によってハンドオーバ要求が取得された場合に、前記第１の端末装置の認証に用いられる認証データを送信するように前記他の基地局装置へ要求する要求部（１２４）と、前記要求部（１２４）によって要求された認証データを受信し、前記記憶部（１３０）に記憶させる記憶制御部（１２５）とを有する。

Description

基地局装置、無線通信システム及び認証データ取得方法

　本発明は、基地局装置、無線通信システム及び認証データ取得方法に関する。

　従来、例えば携帯電話機やスマートフォンなどの端末装置が無線通信システムで基地局装置と無線通信する場合には、端末装置の認証が行われる。具体的には、例えばＬＴＥ（Long　Term　Evolution）を採用する無線通信システムにおいては、端末装置が無線通信を開始する際、まず基地局装置との間でＲＲＣ（Radio　Resource　Control）メッセージが送受信されてＲＲＣコネクションが確立される。そして、端末装置が無線通信システムへの登録を要求するアタッチ要求を送信すると、このアタッチ要求は、基地局装置を介して上位装置であるＭＭＥ（Mobility　Management　Entity）へ転送され、ＭＭＥから端末装置に対して識別情報の送信が要求される。その後、ＭＭＥは、端末装置から送信された識別情報を受信し、ユーザ情報のデータベースを一元管理するＨＳＳ（Home　Subscriber　Server）に照会して、端末装置の認証を実行する。

　このように、コアネットワークのＭＭＥ及びＨＳＳにおいて端末装置の認証が実行される場合には、ＨＳＳによってすべてのユーザ情報が一元管理される。このため、端末装置から送信された識別情報を照合する時間が長くなる傾向があり、無線通信の開始が遅延することがある。

　そこで、例えば基地局装置にユーザ情報のデータベースを分散配置し、基地局装置が端末装置の認証処理を実行することが検討されている。この場合、各基地局装置に一部のユーザ情報のデータベースが保持されることにより、識別情報の照合に要する時間が短縮され、無線通信を早期に開始することが可能となる。

特開２００４－３１８５４６号公報特開２０１７－０４６３５１号公報

　しかしながら、基地局装置にデータベースを分散配置する場合には、すべてのユーザ情報が基地局装置に保持されているわけではないため、認証可能な正規の識別情報であっても基地局装置での認証処理が失敗することがある。すなわち、各基地局装置には、例えば基地局装置が設置されたエリア付近のユーザ情報のみが保持されているため、例えば遠隔地から来たユーザの端末装置の識別情報は基地局装置に保持されていない。このため、このような端末装置の認証処理が基地局装置で実行されると、端末装置が認証されず認証処理が失敗する。

　このような場合、端末装置の識別情報は、改めてコアネットワークの上位装置へ送信され、すべてのユーザ情報を保持する上位装置によって再度認証処理が実行される。結果として、認証処理に要する時間が増大するという問題がある。

　また、各基地局装置に分散配置されるデータベースのサイズを大きくして、より多くのユーザ情報が各基地局装置に保持されるようにすれば、基地局装置での認証処理が失敗する可能性を低減することができる。しかしながら、データベースのサイズが大きくなれば、上位装置での照合と同様に識別情報を照合する時間が長くなり、結局認証処理に要する時間が増大してしまう。

　開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、認証処理のためのデータベースを分散配置する場合でも、迅速な認証を可能にすることができる基地局装置、無線通信システム及び認証データ取得方法を提供することを目的とする。

　本願が開示する基地局装置は、１つの態様において、端末装置の認証に用いられる認証データを記憶する認証データベースを保持する記憶部と、他の基地局装置と通信中の第１の端末装置のハンドオーバを要求するハンドオーバ要求を取得する取得部と、前記取得部によってハンドオーバ要求が取得された場合に、前記第１の端末装置の認証に用いられる認証データを送信するように前記他の基地局装置へ要求する要求部と、前記要求部によって要求された認証データを受信し、前記記憶部に記憶させる記憶制御部とを有する。

　本願が開示する基地局装置、無線通信システム及び認証データ取得方法の１つの態様によれば、認証処理のためのデータベースを分散配置する場合でも、迅速な認証を可能にすることができるという効果を奏する。

図１は、実施の形態１に係る無線通信システムの構成を示す図である。図２は、無線通信システムの具体例を示す図である。図３は、実施の形態１に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。図４は、実施の形態１に係る基地局装置の動作を示すフロー図である。図５は、実施の形態１に係る端末装置の構成を示すブロック図である。図６は、実施の形態１に係るハンドオーバ処理を示すシーケンス図である。図７は、Ｘ２インタフェースのメッセージのフォーマット例を示す図である。図８は、Ｘ２インタフェースのメッセージの他のフォーマット例を示す図である。図９は、実施の形態２に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。図１０は、実施の形態２に係る基地局装置の動作を示すフロー図である。図１１は、実施の形態２に係るハンドオーバ処理を示すシーケンス図である。図１２は、実施の形態３に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。図１３は、実施の形態３に係る基地局装置の動作を示すフロー図である。図１４は、実施の形態３に係るハンドオーバ処理を示すシーケンス図である。図１５は、実施の形態４に係るソース基地局の構成を示すブロック図である。図１６は、実施の形態４に係るターゲット基地局の構成を示すブロック図である。図１７は、実施の形態４に係るターゲット基地局の動作を示すフロー図である。図１８は、実施の形態４に係るハンドオーバ処理を示すシーケンス図である。図１９は、Ｘ２インタフェースのメッセージの他のフォーマット例を示す図である。

　以下、本願が開示する基地局装置、無線通信システム及び認証データ取得方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
　図１は、実施の形態１に係る無線通信システムの構成を示す図である。図１に示すように、無線通信システムは、複数の基地局装置１００ａ～１００ｆを備えており、各基地局装置１００ａ～１００ｆには、無線通信が許可される端末装置の端末ＩＤを含む認証データのデータベース（以下「認証データベース」という）が分散配置されている。すなわち、基地局装置１００ａ～１００ｃは、認証データベースＤＢ＃１を保持し、基地局装置１００ｄ～１００ｆは、認証データベースＤＢ＃２を保持している。

　認証データベースＤＢ＃１は、例えば基地局装置１００ａ～１００ｃが配置される地域で登録された端末装置の認証データを記憶し、認証データベースＤＢ＃２は、例えば基地局装置１００ｄ～１００ｆが配置される地域で登録された端末装置の認証データを記憶している。したがって、例えば基地局装置１００ａ～１００ｃが配置される地域で登録された端末装置が、基地局装置１００ａと無線通信を開始する際には、基地局装置１００ａは、端末装置の端末ＩＤを取得し、この端末ＩＤを認証データベースＤＢ＃１において検索する。認証データベースＤＢ＃１には、基地局装置１００ａ～１００ｃが配置される地域で登録された端末装置の端末ＩＤのみが記憶されているため、基地局装置１００ａは、比較的短時間で端末装置の認証を成功させることができる。

　一方、上記の端末装置が移動して、例えば基地局装置１００ｄと無線通信を開始する際には、基地局装置１００ｄは、端末装置の端末ＩＤを取得し、この端末ＩＤを認証データベースＤＢ＃２において検索する。認証データベースＤＢ＃２には、基地局装置１００ｄ～１００ｆが配置される地域で登録された端末装置の端末ＩＤのみが記憶されているため、移動してきた端末装置の端末ＩＤが記憶されておらず、端末装置の認証は成功しない。そこで、本実施の形態においては、端末装置がハンドオーバする際に、ハンドオーバ元の基地局装置からハンドオーバ先の基地局装置へ、端末装置の端末ＩＤが転送されるようにする。すなわち、例えば端末装置が基地局装置１００ａから基地局装置１００ｄへハンドオーバする際に、端末装置の端末ＩＤが基地局装置１００ａから基地局装置１００ｄへ転送されるようにする。以下においては、端末装置が、異なる認証データベースを保持する基地局装置間をハンドオーバする場合について具体的に説明する。

　図２は、無線通信システムの具体例を示す図である。図２に示すように、基地局装置１００は、それぞれ無線通信可能な領域であるセルを形成し、端末装置２００は、在圏するセルの基地局装置１００との間で無線通信する。なお、図２に示す２つの基地局装置１００は、例えば上記の基地局装置１００ａ及び基地局装置１００ｄに対応する。

　無線通信を開始する際には、端末装置２００は、端末装置２００を識別する端末ＩＤなどの識別情報を基地局装置１００へ送信し、基地局装置１００は、受信した端末ＩＤを用いた認証処理を実行する。すなわち、基地局装置１００は、無線通信が許可される端末装置の端末ＩＤを記憶する認証データベースを保持しており、セル内の端末装置２００から端末ＩＤを受信すると、受信した端末ＩＤをデータベースにおいて照合する。照合の結果、端末ＩＤがデータベースに記憶されていれば、端末装置２００の認証が成功したことになり、無線通信システムへの端末装置２００の登録が許可される。

　端末装置２００は、無線通信を開始する際に端末ＩＤを基地局装置１００へ送信し、無線通信が開始されると、定期的に基地局装置１００との間の無線品質を測定して基地局装置１００へ報告する。そして、端末装置２００は、通信相手を他の基地局装置１００へ切り替えるハンドオーバの指示を現在通信中の基地局装置１００から受信すると、指示された他の基地局装置１００へハンドオーバする。なお、以下においては、ハンドオーバ元の基地局装置１００を「ソース基地局」といい、ハンドオーバ先の基地局装置１００を「ターゲット基地局」ということがある。

　図３は、実施の形態１に係る基地局装置１００の構成を示すブロック図である。図３においては、ターゲット基地局としての基地局装置１００の構成を示す。図３に示す基地局装置１００は、有線インタフェース部（以下「有線Ｉ／Ｆ部」と略記する）１１０、プロセッサ１２０、メモリ１３０及び無線通信部１４０を有する。

　有線Ｉ／Ｆ部１１０は、他の基地局装置１００と接続するインタフェースを有し、他の基地局装置１００との間でデータを送受信する。基地局装置１００がターゲット基地局である場合には、有線Ｉ／Ｆ部１１０は、端末装置２００のハンドオーバ先となることを要求するハンドオーバ要求（以下「ＨＯ要求」と略記する）をソース基地局から受信する。また、有線Ｉ／Ｆ部１１０は、端末装置２００がハンドオーバする場合に、この端末装置２００の認証に用いられる認証データを要求する認証データ要求をソース基地局へ送信し、認証データをソース基地局から受信する。なお、有線Ｉ／Ｆ部１１０は、コアネットワークの上位装置と接続するインタフェースを有していても良い。

　プロセッサ１２０は、例えばＣＰＵ（Central　Processing　Unit）、ＦＰＧＡ（Field　Programmable　Gate　Array）又はＤＳＰ（Digital　Signal　Processor）などを備え、基地局装置１００の全体を統括制御する。具体的には、プロセッサ１２０は、ＨＯ要求取得部１２１、ハンドオーバ処理部（以下「ＨＯ処理部」と略記する）１２２、認証データ検索部１２３、認証データ要求部１２４及び記憶制御部１２５を有する。なお、図３においては、ターゲット基地局としての機能に関わる処理部を図示し、その他の処理部の図示を省略している。

　ＨＯ要求取得部１２１は、ソース基地局から送信され有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信されたＨＯ要求を取得する。ＨＯ要求は、端末装置２００が無線品質を測定した結果、ソース基地局との間の無線品質が低下し、ターゲット基地局との間の無線品質が良好となった場合に、ソース基地局からターゲット基地局へ送信される。ＨＯ要求には、ハンドオーバする端末装置２００の端末ＩＤが含まれている。ＨＯ要求取得部１２１は、取得したＨＯ要求をＨＯ処理部１２２へ出力するとともに、ＨＯ要求に端末ＩＤが含まれている場合には、端末ＩＤを認証データ検索部１２３へ出力する。

　ＨＯ処理部１２２は、ＨＯ要求取得部１２１からＨＯ要求が出力されると、ハンドオーバの処理を実行する。具体的には、ＨＯ処理部１２２は、端末装置２００のハンドオーバを許可するか否かを判定し、判定結果を含むハンドオーバ応答を生成して有線Ｉ／Ｆ部１１０からソース基地局へ送信する。

　認証データ検索部１２３は、ＨＯ要求取得部１２１から端末ＩＤが出力されると、端末ＩＤに対応する認証データをメモリ１３０から検索する。すなわち、認証データ検索部１２３は、ハンドオーバする端末装置２００の認証データが基地局装置１００に既に記憶されているか否かを判定する。後述するように、メモリ１３０には、あらかじめ基地局装置１００に分散配置された認証データのデータベース（以下「認証データベース」という）が記憶されているとともに、過去に基地局装置１００へハンドオーバした端末装置の認証データが記憶されている。認証データ検索部１２３は、認証データベース及び過去にハンドオーバした端末装置の認証データにおいて、ＨＯ要求取得部１２１から出力される端末ＩＤを検索する。そして、認証データ検索部１２３は、端末装置２００の端末ＩＤがメモリ１３０に記憶されていない場合に、その旨を認証データ要求部１２４へ通知する。

　認証データ要求部１２４は、ハンドオーバする端末装置２００の端末ＩＤがメモリ１３０に記憶されていないことが認証データ検索部１２３から通知されると、この端末装置２００の端末ＩＤを含む認証データを要求する認証データ要求を生成する。そして、認証データ要求部１２４は、認証データ要求を有線Ｉ／Ｆ部１１０からソース基地局へ送信する。

　記憶制御部１２５は、認証データ要求に応じた認証データがソース基地局から送信されて有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信されると、この認証データを取得し、メモリ１３０に記憶させる。具体的には、記憶制御部１２５は、取得した認証データを認証データベースとは別にしてメモリ１３０に記憶させる。

　メモリ１３０は、例えばＲＡＭ（Random　Access　Memory）又はＲＯＭ（Read　Only　Memory）などを備え、プロセッサ１２０が処理を実行するために使用する情報を記憶する。具体的には、メモリ１３０は、認証データベース１３１及び取得済み認証データ１３２を記憶する。

　認証データベース１３１は、あらかじめ基地局装置１００に分散配置された認証データのデータベースであり、無線通信システムに加入しているすべての端末装置のうち一部の端末装置の端末ＩＤを含む認証データを保持する。認証データベース１３１に保持される認証データは、例えば登録されたエリアが共通する端末装置に関する認証データであるため、近隣の基地局装置１００のメモリ１３０が同一の認証データベース１３１を記憶していても良い。

　取得済み認証データ１３２は、端末装置がハンドオーバした際にソース基地局から送信されて記憶制御部１２５によって取得された認証データを保持する。すなわち、取得済み認証データ１３２は、過去にハンドオーバしてきた端末装置に関する認証データであって、認証データベース１３１には保持されていない認証データである。

　無線通信部１４０は、プロセッサ１２０によって生成される送信データに対して、例えばＤ／Ａ（Digital/Analog）変換及びアップコンバートなどの無線送信処理を施し、アンテナを介して無線送信する。また、無線通信部１４０は、アンテナを介して無線受信した受信データに対して、例えばダウンコンバート及びＡ／Ｄ（Analog/Digital）変換などの無線受信処理を施し、プロセッサ１２０へ出力する。

　次いで、上記のように構成された基地局装置１００の動作について、図４に示すフロー図を参照しながら説明する。以下においては、端末装置２００がターゲット基地局である基地局装置１００へハンドオーバする際の動作について説明する。

　端末装置２００が現在通信中のソース基地局を含む周辺の基地局装置１００との間の無線品質を測定した結果、ソース基地局との間の無線品質が低下し、周辺のターゲット基地局との間の無線品質が良好となった場合、ソース基地局からターゲット基地局へＨＯ要求が送信される。このＨＯ要求は、ターゲット基地局の有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信され（ステップＳ１０１）、ＨＯ要求取得部１２１によって取得される。

　そして、ＨＯ要求取得部１２１によって、ＨＯ要求にハンドオーバする端末装置２００の端末ＩＤが含まれるか否かが判定され（ステップＳ１０２）、含まれている場合には（ステップＳ１０２Ｙｅｓ）、端末ＩＤが認証データ検索部１２３へ出力される。そして、認証データ検索部１２３によって、メモリ１３０の認証データベース１３１又は取得済み認証データ１３２において端末ＩＤが検索される（ステップＳ１０３）。そして、認証データ検索部１２３によって、ハンドオーバする端末装置２００の端末ＩＤが、あらかじめ分散配置された認証データベース１３１又は過去にハンドオーバしてきた端末装置の取得済み認証データ１３２に記憶されているか否かが判断される（ステップＳ１０４）。

　この判断の結果、認証データベース１３１及び取得済み認証データ１３２のいずれにも端末ＩＤが記憶されていない場合には（ステップＳ１０４Ｎｏ）、認証データ要求部１２４によって、端末装置２００の認証データを要求する認証データ要求が生成される。そして、認証データ要求は、有線Ｉ／Ｆ部１１０からソース基地局へ送信される（ステップＳ１０５）。

　認証データ要求がソース基地局によって受信されると、ソース基地局は、ハンドオーバする端末装置２００の認証データをターゲット基地局へ送信する。ソース基地局は、端末装置２００との無線通信開始時に端末装置２００を認証したか、端末装置２００が他の基地局装置１００からハンドオーバしてきた際に端末装置２００に関する認証データを取得したため、端末装置２００の認証データを記憶している。したがって、ソース基地局は、端末装置２００に関する認証データを必ず保持しており、この認証データをターゲット基地局からの要求に従って送信する。

　端末装置２００に関する認証データは、ターゲット基地局の有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信され、記憶制御部１２５によって取得される。そして、記憶制御部１２５によって、取得した認証データが取得済み認証データ１３２として記憶される（ステップＳ１０６）。これにより、認証データベース１３１には記憶されていない認証データであって、ハンドオーバしてくる端末装置２００に関する認証データがメモリ１３０に保持されることになる。

　ところで、ＨＯ要求取得部１２１によって取得されたＨＯ要求は、ＨＯ処理部１２２へ出力され、ＨＯ処理部１２２によってハンドオーバ処理が実行される（ステップＳ１０７）。具体的には、ＨＯ処理部１２２によって、端末装置２００のハンドオーバを許可するか否かが判定され、判定結果を示すハンドオーバ応答が有線Ｉ／Ｆ部１１０からソース基地局へ送信される。このハンドオーバ処理は、ＨＯ要求に端末ＩＤが含まれていない場合や（ステップＳ１０２Ｎｏ）、端末装置２００に関する認証データがメモリ１３０に記憶されている場合（ステップＳ１０４Ｙｅｓ）にも実行される。

　次に、実施の形態１に係る端末装置２００の構成について説明する。図５は、実施の形態１に係る端末装置２００の構成を示すブロック図である。図５に示す端末装置２００は、無線通信部２１０、プロセッサ２２０及びメモリ２３０を有する。

　無線通信部２１０は、アンテナを介して無線受信した受信データに対して、例えばダウンコンバート及びＡ／Ｄ変換などの無線受信処理を施し、プロセッサ２２０へ出力する。また、無線通信部２１０は、プロセッサ２２０によって生成される送信データに対して、例えばＤ／Ａ変換及びアップコンバートなどの無線送信処理を施し、アンテナを介して無線送信する。

　プロセッサ２２０は、例えばＣＰＵ、ＦＰＧＡ又はＤＳＰなどを備え、端末装置２００の全体を統括制御する。具体的には、プロセッサ２２０は、呼処理制御部２２１、無線品質測定部２２２及びデータ通信処理部２２３を有する。

　呼処理制御部２２１は、基地局装置１００との接続を含め、種々の制御情報を送受信して呼処理を制御する。例えばソース基地局からハンドオーバが指示されると、呼処理制御部２２１は、ソース基地局との接続を切断し、ターゲット基地局との接続を確立する。

　無線品質測定部２２２は、基地局装置１００との間の無線品質を測定する。具体的には、無線品質測定部２２２は、基地局装置１００からの受信信号に基づいて、例えばＳＩＲ（Signal　to　Interference　Ratio）などを定期的に測定する。無線品質測定部２２２は、ソース基地局との間の無線品質を測定するとともに、ソース基地局の周辺の基地局装置１００との間の無線品質を測定する。ソース基地局との間の無線品質が低下して端末装置２００がハンドオーバする場合には、ソース基地局の周辺の基地局装置１００のうち無線品質が良好な基地局装置１００がターゲット基地局となる。

　データ通信処理部２２３は、呼処理制御部２２１によって基地局装置１００との接続が確立されると、送信情報の符号化及び変調などを実行して送信データを生成する。送信情報としては、例えば無線品質測定部２２２による無線品質の測定結果などがある。また、データ通信処理部２２３は、受信データの復調及び復号などを実行して受信情報を得る。

　メモリ２３０は、例えばＲＡＭ又はＲＯＭなどを備え、プロセッサ２２０が処理を実行するために使用する情報を記憶する。

　次に、実施の形態１に係るハンドオーバ処理について、図６に示すシーケンス図を参照しながら説明する。以下においては、端末装置２００がソース基地局１００ａからターゲット基地局１００ｂへハンドオーバする際の処理について説明する。

　端末装置２００がソース基地局１００ａとの無線通信を開始する際には、ＲＲＣメッセージが送受信され（ステップＳ２０１）、端末装置２００とソース基地局１００ａとの間の接続が確立される。ＲＲＣメッセージには、端末装置２００の端末ＩＤも含まれ、ソース基地局１００ａが保持する認証データベースにおいて端末ＩＤが照合されることにより、端末装置２００が認証される。すなわち、ここでは端末装置２００の端末ＩＤを含む認証データがソース基地局１００ａによって記憶されているものとする。端末装置２００が認証されることにより、端末装置２００とソース基地局１００ａは、無線通信を開始する。

　端末装置２００とソース基地局１００ａの間の無線通信が開始された後、定期的に端末装置２００の無線品質測定部２２２によって、端末装置２００とソース基地局１００ａとの間の無線品質が測定される。また、端末装置２００とソース基地局１００ａの周辺の基地局装置１００との間の無線品質も測定される。測定された各基地局装置１００との間の無線品質は、ソース基地局１００ａへ報告される（ステップＳ２０２）。

　ソース基地局１００ａは、端末装置２００から報告される無線品質に基づいて、端末装置２００のハンドオーバの要否を判断する。すなわち、ソース基地局１００ａは、端末装置２００とソース基地局１００ａとの間の無線品質が低下し、端末装置２００とターゲット基地局１００ｂとの間の無線品質が良好な場合に、端末装置２００をターゲット基地局１００ｂへハンドオーバさせることを決定する。そして、ソース基地局１００ａは、端末装置２００のハンドオーバを要求するＨＯ要求をターゲット基地局１００ｂへ送信する（ステップＳ２０３）。このとき、ソース基地局１００ａは、端末装置２００の端末ＩＤをＨＯ要求に含めて送信する。

　端末ＩＤを含むＨＯ要求がターゲット基地局１００ｂの有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信されると、ＨＯ要求はＨＯ要求取得部１２１によって取得され、端末ＩＤが認証データ検索部１２３へ出力される。そして、認証データ検索部１２３によって、メモリ１３０の認証データベース１３１及び取得済み認証データ１３２から、端末ＩＤを含む認証データが検索される（ステップＳ２０４）。ここでは、ソース基地局１００ａとターゲット基地局１００ｂとで保持する認証データベースが異なり、端末装置２００が初めてターゲット基地局１００ｂへハンドオーバするため、端末装置２００の端末ＩＤがターゲット基地局１００ｂのメモリ１３０に記憶されていないものとする。

　端末ＩＤを含む認証データがメモリ１３０に記憶されていないため、認証データ要求部１２４によって認証データ要求が生成され、ソース基地局１００ａへ送信される（ステップＳ２０５）。認証データ要求は、例えばＸ２ＡＰ（X2　Application　Protocol）層のＣプレーン（C-Plane）のメッセージに含まれて送信されても良い。このようなメッセージのフォーマット例を図７に示す。図７において、情報要素名は、メッセージに含まれ得る情報要素の名称を示し、プレゼンスは、各情報要素がメッセージに必須であるか否かを示す。メッセージに認証データ要求が含まれる場合には、情報要素"eNB1　Measurement　ID"にターゲット基地局１００ｂの識別情報が格納され、情報要素"eNB2　Measurement　ID"にソース基地局１００ａの識別情報が格納される。そして、情報要素"Report　Characteristics"に「認証データ」が格納され、認証データを報告するように要求することが示される。そして、情報要素"Report　Characteristics"が「認証データ」という条件が満たされる場合には、情報要素"UE　ID"に認証データが要求される端末装置２００の端末ＩＤが格納される。なお、認証データ要求の送信方法は、上記のものに限定されず、Ｘ２ＡＰ層以外のＣプレーン信号として送信されても良いし、ＯＡＭ（Operation　Administration　and　Maintenance）信号として送信されても良い。

　認証データ要求を受信したソース基地局１００ａは、端末装置２００の端末ＩＤを含む認証データをターゲット基地局１００ｂへ送信する（ステップＳ２０６）。認証データは、上述した認証データ要求と同様に、例えばＸ２ＡＰ層のＣプレーンのメッセージに含まれて送信されても良い。このようなメッセージのフォーマット例を図８に示す。メッセージに認証データが含まれる場合には、情報要素"eNB1　Measurement　ID"にターゲット基地局１００ｂの識別情報が格納され、情報要素"eNB2　Measurement　ID"にソース基地局１００ａの識別情報が格納される。そして、情報要素"Cell　Measurement　Result"の「認証データ」の項目に、認証データ要求で指定された端末装置２００の認証データが格納される。なお、認証データの送信方法は、上記のものに限定されず、Ｘ２ＡＰ層以外のＣプレーン信号として送信されても良いし、ＯＡＭ信号として送信されても良い。

　ターゲット基地局１００によって受信された認証データは、ターゲット基地局１００ｂの記憶制御部１２５によって、メモリ１３０の取得済み認証データ１３２として記憶される。これにより、端末装置２００が例えば次にターゲット基地局１００ｂとの無線通信を開始する際に、端末装置２００の認証が短時間で成功することになる。すなわち、次回の認証処理において、端末装置２００の端末ＩＤと認証データベース１３１及び取得済み認証データ１３２とを照合すれば、端末ＩＤを含む認証データが取得済み認証データ１３２に保持されており、端末装置２００の認証が成功する。換言すれば、認証処理のためのデータベースを分散配置する場合でも、迅速な認証を可能にすることができる。

　ところで、端末装置２００がハンドオーバする場合には、既にソース基地局１００ａによって端末装置２００が認証されている。このため、ＨＯ要求取得部１２１によってＨＯ要求が取得された場合には、端末ＩＤを含む認証データがメモリ１３０に記憶されているか否かに関わらずハンドオーバ処理が実行される。すなわち、端末装置２００の認証データをソース基地局１００ａから取得してメモリ１３０に保持するのは、端末装置２００が次回以降にターゲット基地局１００ｂとの無線通信を開始する際の認証処理のためである。したがって、認証データがソース基地局１００ａから取得されるか否かに関わらず、端末装置２００のハンドオーバを許可するか否かがＨＯ処理部１２２によって判定される。

　そして、ＨＯ処理部１２２による判定結果を含むハンドオーバ応答がソース基地局１００ａへ送信され（ステップＳ２０７）、ハンドオーバが許可されている場合には、ハンドオーバの指示がソース基地局１００ａから端末装置２００へ送信される（ステップＳ２０８）。端末装置２００は、ソース基地局１００ａからの指示に従って、ターゲット基地局１００ｂへハンドオーバし、ターゲット基地局１００ｂを無線通信の通信相手とする（ステップＳ２０９）。

　以上のように、本実施の形態によれば、端末装置がソース基地局からターゲット基地局へハンドオーバする際に、ターゲット基地局は、端末装置に関する認証データをソース基地局から取得してメモリに記憶しておく。このため、次に端末装置がターゲット基地局と無線通信を開始する際の認証処理においては、この端末装置に関する認証データがターゲット基地局のメモリに記憶されており、端末装置の認証が成功する。換言すれば、認証処理のためのデータベースを基地局装置に分散配置する場合でも、端末装置の迅速な認証を可能にすることができる。

　なお、上記実施の形態１においては、メモリ１３０に記憶されてから所定時間が経過した取得済み認証データ１３２が削除されるようにしても良い。また、最後に端末装置２００の認証に用いられてから所定時間が経過した取得済み認証データ１３２が削除されるようにしても良い。こうすることにより、取得済み認証データ１３２によってメモリ１３０の記憶領域が圧迫されることを防止し、メモリ１３０を効率的に使用することができる。

（実施の形態２）
　実施の形態２の特徴は、ソース基地局から取得した認証データをターゲット基地局の認証データベースに追加登録するとともに、ターゲット基地局と同一の認証データベースを保持する他の基地局装置に認証データベースを同期させる点である。

　実施の形態２に係る無線通信システムの構成は、実施の形態１（図１、２）と同様であるため、その説明を省略する。また、実施の形態２に係る端末装置２００の構成は、実施の形態１（図５）と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態２においては、ターゲット基地局としての基地局装置１００の構成が実施の形態１とは異なる。

　図９は、実施の形態２に係る基地局装置１００の構成を示すブロック図である。図９において、図３と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図９に示す基地局装置１００は、図３に示す基地局装置１００の記憶制御部１２５に代えて、記憶制御部３０１を有する。

　記憶制御部３０１は、認証データ要求に応じた認証データがソース基地局から送信されて有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信されると、この認証データを取得し、メモリ１３０に記憶させる。具体的には、記憶制御部３０１は、取得した認証データを認証データベース１３１に追加登録する。そして、記憶制御部３０１は、認証データベース１３１と同一の認証データベースを保持する基地局装置１００に対して、認証データベースの同期を指示する。すなわち、記憶制御部３０１は、認証データベース１３１に追加登録された認証データを周辺の基地局装置１００へ送信し、認証データベースに追加登録させる。

　本実施の形態においては、ソース基地局から取得された認証データが認証データベース１３１に追加登録されるため、メモリ１３０において、取得済みの認証データが認証データベース１３１と別にして記憶されることがない。さらに、認証データベース１３１に認証データが追加登録されると、同一の認証データベースを保持する基地局装置１００間で認証データベースの同期が実行される。

　次いで、上記のように構成された基地局装置１００の動作について、図１０に示すフロー図を参照しながら説明する。図１０において、図４と同じ部分には同じ符号を付す。以下においては、端末装置２００がターゲット基地局である基地局装置１００へハンドオーバする際の動作について説明する。

　そして、ＨＯ要求取得部１２１によって、ＨＯ要求にハンドオーバする端末装置２００の端末ＩＤが含まれるか否かが判定され（ステップＳ１０２）、含まれている場合には（ステップＳ１０２Ｙｅｓ）、端末ＩＤが認証データ検索部１２３へ出力される。そして、認証データ検索部１２３によって、メモリ１３０の認証データベース１３１において端末ＩＤが検索される（ステップＳ１０３）。そして、認証データ検索部１２３によって、ハンドオーバする端末装置２００の端末ＩＤが認証データベース１３１に記憶されているか否かが判断される（ステップＳ１０４）。

　この判断の結果、認証データベース１３１に端末ＩＤが記憶されていない場合には（ステップＳ１０４Ｎｏ）、認証データ要求部１２４によって、端末装置２００の認証データを要求する認証データ要求が生成される。そして、認証データ要求は、有線Ｉ／Ｆ部１１０からソース基地局へ送信される（ステップＳ１０５）。

　端末装置２００に関する認証データは、ターゲット基地局の有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信され、記憶制御部３０１によって取得される。そして、記憶制御部３０１によって、取得した認証データが認証データベース１３１に追加登録される（ステップＳ３０１）。これにより、あらかじめ分散配置された認証データベース１３１に記憶されていなかった認証データであって、ハンドオーバしてくる端末装置２００に関する認証データがメモリ１３０に保持されることになる。

　認証データが認証データベース１３１に追加登録されると、記憶制御部３０１によって、他の基地局装置１００の認証データベースの同期が実行される（ステップＳ３０２）。具体的には、認証データベース１３１に追加登録された認証データが、認証データベース１３１と同一の認証データベースを保持する他の基地局装置１００へ送信され、認証データベースの同期が指示される。認証データベースの同期が指示された基地局装置１００は、それぞれ認証データベースに指示された認証データを追加登録し、認証データベース１３１を含む各基地局装置１００の認証データベースが同期される。

　次に、実施の形態２に係るハンドオーバ処理について、図１１に示すシーケンス図を参照しながら説明する。図１１において、図６と同じ部分には同じ符号を付す。以下においては、端末装置２００がソース基地局１００ａからターゲット基地局１００ｂへハンドオーバする際の処理について説明する。

　端末ＩＤを含むＨＯ要求がターゲット基地局１００ｂの有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信されると、ＨＯ要求はＨＯ要求取得部１２１によって取得され、端末ＩＤが認証データ検索部１２３へ出力される。そして、認証データ検索部１２３によって、メモリ１３０の認証データベース１３１から、端末ＩＤを含む認証データが検索される（ステップＳ２０４）。ここでは、ソース基地局１００ａとターゲット基地局１００ｂとで保持する認証データベースが異なるため、端末装置２００の端末ＩＤがターゲット基地局１００ｂのメモリ１３０に記憶されていないものとする。

　端末ＩＤを含む認証データがメモリ１３０に記憶されていないため、認証データ要求部１２４によって認証データ要求が生成され、ソース基地局１００ａへ送信される（ステップＳ２０５）。認証データ要求を受けて、ソース基地局１００ａは、端末装置２００の端末ＩＤを含む認証データをターゲット基地局１００ｂへ送信する（ステップＳ２０６）。認証データは、ターゲット基地局１００ｂの記憶制御部３０１によって、メモリ１３０の認証データベース１３１に追加登録される。

　これにより、端末装置２００が例えば次にターゲット基地局１００ｂとの無線通信を開始する際に、端末装置２００の認証が短時間で成功することになる。すなわち、次回の認証処理において、端末装置２００の端末ＩＤと認証データベース１３１とを照合すれば、端末ＩＤを含む認証データが認証データベース１３１に記憶されており、端末装置２００の認証が成功する。換言すれば、認証処理のためのデータベースを分散配置する場合でも、迅速な認証を可能にすることができる。

　認証データが認証データベース１３１に追加登録されると、記憶制御部３０１によって、追加登録された認証データが認証データベース１３１と同一の認証データベースを保持する基地局装置１００へ送信される（ステップＳ４０１）。そして、各基地局装置１００は、ターゲット基地局１００ｂから受信した認証データをそれぞれ認証データベースに追加登録し、基地局装置１００間での認証データベースの同期が実行される。

　このように、基地局装置１００間での認証データベースの同期が実行されるため、各基地局装置１００が保持する認証データベースを常に同一の状態に保つことができ、端末装置２００が例えばこれらの基地局装置１００のいずれかとの無線通信を開始する際に、端末装置２００の認証が短時間で成功することになる。すなわち、同一の認証データベースを保持する基地局装置１００のいずれかによる認証処理において、端末装置２００の端末ＩＤと認証データベースとを照合すれば、端末ＩＤを含む認証データが認証データベースに記憶されており、端末装置２００の認証が成功する。換言すれば、認証処理のためのデータベースを分散配置する場合でも、迅速な認証を可能にすることができる。

　以上のように、本実施の形態によれば、端末装置がソース基地局からターゲット基地局へハンドオーバする際に、ターゲット基地局は、端末装置に関する認証データをソース基地局から取得して認証データベースに追加登録する。このため、次に端末装置がターゲット基地局と無線通信を開始する際の認証処理においては、この端末装置に関する認証データがターゲット基地局の認証データベースに記憶されており、端末装置の認証が成功する。また、追加登録された認証データは、ターゲット基地局と同一の認証データベースを保持する基地局装置へ送信され認証データベースの同期が実行される。このため、端末装置がこれらの基地局装置のいずれかと無線通信を開始する際の認証処理においては、この端末装置に関する認証データが認証データベースに記憶されており、端末装置の認証が成功する。換言すれば、認証処理のためのデータベースを基地局装置に分散配置する場合でも、端末装置の迅速な認証を可能にすることができる。

（実施の形態３）
　実施の形態３の特徴は、端末装置がソース基地局からターゲット基地局へハンドオーバする際に、ソース基地局が保持する認証データベースをターゲット基地局が取得して記憶する点である。

　実施の形態３に係る無線通信システムの構成は、実施の形態１（図１、２）と同様であるため、その説明を省略する。また、実施の形態３に係る端末装置２００の構成は、実施の形態１（図５）と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態３においては、ターゲット基地局としての基地局装置１００の構成が実施の形態１とは異なる。

　図１２は、実施の形態３に係る基地局装置１００の構成を示すブロック図である。図１２において、図３と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図１２に示す基地局装置１００は、図３に示す基地局装置１００の認証データ検索部１２３、認証データ要求部１２４及び記憶制御部１２５に代えて、データベース判定部４０１、データベース要求部４０２及び記憶制御部４０３を有する。

　本実施の形態に係るＨＯ要求には、ハンドオーバする端末装置２００に関する認証データを記憶する認証データベースのデータベースＩＤが含まれている。すなわち、ソース基地局において端末装置２００の認証処理に用いられた認証データベースを識別するデータベースＩＤがＨＯ要求に含まれる。このため、ＨＯ要求取得部１２１は、取得したＨＯ要求をＨＯ処理部１２２へ出力するとともに、ＨＯ要求にデータベースＩＤが含まれている場合には、データベースＩＤをデータベース判定部４０１へ出力する。

　データベース判定部４０１は、ＨＯ要求取得部１２１からデータベースＩＤが出力されると、データベースＩＤに対応する認証データベースがメモリ１３０に保持されているか否かを判定する。すなわち、データベース判定部４０１は、ソース基地局が保持する認証データベースと同一の認証データベースがメモリ１３０に既に記憶されているか否かを判定する。後述するように、メモリ１３０には、あらかじめ基地局装置１００に分散配置された認証データベース１３１が記憶されているとともに、過去に他の基地局装置１００から取得された認証データベースが記憶されている。データベース判定部４０１は、メモリ１３０に記憶されたいずれかの認証データベースが、ＨＯ要求に含まれるデータベースＩＤに対応するものであるか否かを判定する。そして、データベース判定部４０１は、データベースＩＤに対応する認証データベースがメモリ１３０に記憶されていない場合に、その旨をデータベース要求部４０２へ通知する。

　データベース要求部４０２は、データベースＩＤに対応する認証データベースがメモリ１３０に記憶されていないことがデータベース判定部４０１から通知されると、このデータベースＩＤに対応する認証データベースの送信を要求するデータベース要求を生成する。そして、データベース要求部４０２は、データベース要求を有線Ｉ／Ｆ部１１０からソース基地局へ送信する。

　記憶制御部４０３は、データベース要求に応じた認証データベースがソース基地局から送信されて有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信されると、この認証データベースを取得し、メモリ１３０に記憶させる。具体的には、記憶制御部３０１は、取得した認証データベースを認証データベース１３１とは別にしてメモリ１３０に記憶させる。

　メモリ１３０は、あらかじめ基地局装置１００に分散配置された認証データベース１３１とは別に、記憶制御部４０３によってソース基地局から取得された認証データベースを取得データベース４０４として記憶する。取得データベース４０４は、ＨＯ要求に含まれるデータベースＩＤに対応する認証データベースであり、端末装置２００に関する認証データを保持する認証データベースである。

　次いで、上記のように構成された基地局装置１００の動作について、図１３に示すフロー図を参照しながら説明する。図１３において、図４と同じ部分には同じ符号を付す。以下においては、端末装置２００がターゲット基地局である基地局装置１００へハンドオーバする際の動作について説明する。

　そして、ＨＯ要求取得部１２１によって、端末装置２００に関する認証データを含む認証データベースのデータベースＩＤがＨＯ要求に含まれるか否かが判定され（ステップＳ５０１）、含まれている場合には（ステップＳ５０１Ｙｅｓ）、データベースＩＤがデータベース判定部４０１へ出力される。そして、データベース判定部４０１によって、データベースＩＤに対応する認証データベースがメモリ１３０に記憶されているか否かが判定される（ステップＳ５０２）。換言すれば、メモリ１３０に記憶された認証データベース１３１及び取得データベース４０４のいずれかが、データベースＩＤに対応する認証データベースであるか否かが判定される。

　この判定の結果、データベースＩＤに対応する認証データベースがメモリ１３０に記憶されていない場合には（ステップＳ５０２Ｎｏ）、データベース要求部４０２によって、データベースＩＤに対応する認証データベースの送信を要求するデータベース要求が生成される。そして、データベース要求は、有線Ｉ／Ｆ部１１０からソース基地局へ送信される（ステップＳ５０３）。

　データベース要求がソース基地局によって受信されると、ソース基地局は、ハンドオーバする端末装置２００に関する認証データを含む認証データベースをターゲット基地局へ送信する。ソース基地局は、端末装置２００との無線通信開始時に端末装置２００を認証したか、端末装置２００が他の基地局装置１００からハンドオーバしてきた際に端末装置２００に関する認証データを含む認証データベースを取得したため、ターゲット基地局から要求される認証データベースを必ず保持している。このため、ソース基地局は、端末装置２００の認証データを含む認証データベースをターゲット基地局からの要求に従って送信することが可能である。

　送信された認証データベースは、ターゲット基地局の有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信され、記憶制御部４０３によって取得される。そして、記憶制御部４０３によって、取得した認証データベースが取得データベース４０４としてメモリ１３０に記憶される（ステップＳ５０４）。これにより、あらかじめ分散配置された認証データベース１３１に記憶されていなかった認証データであって、ハンドオーバしてくる端末装置２００に関する認証データを含む認証データベースがメモリ１３０に保持されることになる。

　ところで、ＨＯ要求取得部１２１によって取得されたＨＯ要求は、ＨＯ処理部１２２へ出力され、ＨＯ処理部１２２によってハンドオーバ処理が実行される（ステップＳ１０７）。具体的には、ＨＯ処理部１２２によって、端末装置２００のハンドオーバを許可するか否かが判定され、判定結果を示すハンドオーバ応答が有線Ｉ／Ｆ部１１０からソース基地局へ送信される。このハンドオーバ処理は、ＨＯ要求にデータベースＩＤが含まれていない場合や（ステップＳ５０１Ｎｏ）、データベースＩＤに対応する認証データベースがメモリ１３０に記憶されている場合（ステップＳ５０２Ｙｅｓ）にも実行される。

　次に、実施の形態３に係るハンドオーバ処理について、図１４に示すシーケンス図を参照しながら説明する。図１４において、図６と同じ部分には同じ符号を付す。以下においては、端末装置２００がソース基地局１００ａからターゲット基地局１００ｂへハンドオーバする際の処理について説明する。

　端末装置２００がソース基地局１００ａとの無線通信を開始する際には、ＲＲＣメッセージが送受信され（ステップＳ２０１）、端末装置２００とソース基地局１００ａとの間の接続が確立される。ＲＲＣメッセージには、端末装置２００の端末ＩＤも含まれ、ソース基地局１００ａが保持する認証データベースにおいて端末ＩＤが照合されることにより、端末装置２００が認証される。すなわち、ここでは端末装置２００に関する認証データを含む認証データベースがソース基地局１００ａによって保持されているものとする。端末装置２００が認証されることにより、端末装置２００とソース基地局１００ａは、無線通信を開始する。

　ソース基地局１００ａは、端末装置２００から報告される無線品質に基づいて、端末装置２００のハンドオーバの要否を判断する。すなわち、ソース基地局１００ａは、端末装置２００とソース基地局１００ａとの間の無線品質が低下し、端末装置２００とターゲット基地局１００ｂとの間の無線品質が良好な場合に、端末装置２００をターゲット基地局１００ｂへハンドオーバさせることを決定する。そして、ソース基地局１００ａは、端末装置２００のハンドオーバを要求するＨＯ要求をターゲット基地局１００ｂへ送信する（ステップＳ６０１）。このとき、ソース基地局１００ａは、端末装置２００の認証に用いた認証データベースを識別するデータベースＩＤをＨＯ要求に含めて送信する。

　データベースＩＤを含むＨＯ要求がターゲット基地局１００ｂの有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信されると、ＨＯ要求はＨＯ要求取得部１２１によって取得され、データベースＩＤがデータベース判定部４０１へ出力される。そして、データベース判定部４０１によって、データベースＩＤに対応する認証データベースがメモリ１３０に記憶されているか否かが判定される（ステップＳ６０２）。ここでは、ソース基地局１００ａとターゲット基地局１００ｂとで保持する認証データベースが異なり、認証データベース１３１及び取得データベース４０４のいずれもデータベースＩＤに対応する認証データベースではないものとする。

　データベースＩＤに対応する認証データベースがメモリ１３０に記憶されていないため、データベース要求部４０２によってデータベース要求が生成され、ソース基地局１００ａへ送信される（ステップＳ６０３）。データベース要求を受けて、ソース基地局１００ａは、端末装置２００に関する認証データを含む認証データベースをターゲット基地局１００ｂへ送信する（ステップＳ６０４）。送信された認証データベースは、ターゲット基地局１００ｂの記憶制御部４０３によって、取得データベース４０４としてメモリ１３０に記憶される。

　これにより、端末装置２００が例えば次にターゲット基地局１００ｂとの無線通信を開始する際に、端末装置２００の認証が短時間で成功することになる。すなわち、次回の認証処理において、端末装置２００の端末ＩＤと取得データベース４０４とを照合すれば、端末ＩＤを含む認証データが取得データベース４０４に保持されており、端末装置２００の認証が成功する。換言すれば、認証処理のためのデータベースを分散配置する場合でも、迅速な認証を可能にすることができる。

　ところで、端末装置２００がハンドオーバする場合には、既にソース基地局１００ａによって端末装置２００が認証されている。このため、ＨＯ要求取得部１２１によってＨＯ要求が取得された場合には、データベースＩＤに対応する認証データベースがメモリ１３０に記憶されているか否かに関わらずハンドオーバ処理が実行される。すなわち、端末装置２００に関する認証データベースをソース基地局１００ａから取得してメモリ１３０に保持するのは、端末装置２００が次回以降にターゲット基地局１００ｂとの無線通信を開始する際の認証処理のためである。したがって、認証データベースがソース基地局１００ａから取得されるか否かに関わらず、端末装置２００のハンドオーバを許可するか否かがＨＯ処理部１２２によって判定される。

　以上のように、本実施の形態によれば、端末装置がソース基地局からターゲット基地局へハンドオーバする際に、ターゲット基地局は、端末装置に関する認証データを含む認証データベースをソース基地局から取得してメモリに記憶しておく。このため、次に端末装置がターゲット基地局と無線通信を開始する際の認証処理においては、この端末装置に関する認証データがターゲット基地局のメモリに記憶されており、端末装置の認証が成功する。換言すれば、認証処理のためのデータベースを基地局装置に分散配置する場合でも、端末装置の迅速な認証を可能にすることができる。また、１つの端末装置に関する認証データだけでなく認証データベースごとターゲット基地局に記憶されるため、ターゲット基地局において端末装置の認証が成功する可能性を高めることができる。

（実施の形態４）
　実施の形態４の特徴は、ソース基地局からターゲット基地局へ送信されるＨＯ要求に、ハンドオーバする端末装置の認証データを含める点である。

　実施の形態４に係る無線通信システムの構成は、実施の形態１（図１、２）と同様であるため、その説明を省略する。ただし、実施の形態４においては、ソース基地局とターゲット基地局を区別するため、ソース基地局としての基地局装置１００をソース基地局５００という。また、実施の形態４に係る端末装置２００の構成は、実施の形態１（図５）と同様であるため、その説明を省略する。実施の形態４においては、ソース基地局及びターゲット基地局としての基地局装置の構成が実施の形態１とは異なる。

　図１５は、実施の形態４に係るソース基地局５００の構成を示すブロック図である。図１５に示すソース基地局５００は、無線通信部５１０、プロセッサ５２０、メモリ５３０及び有線Ｉ／Ｆ部５４０を有する。

　無線通信部５１０は、プロセッサ５２０によって生成される送信データに対して、例えばＤ／Ａ変換及びアップコンバートなどの無線送信処理を施し、アンテナを介して無線送信する。また、無線通信部５１０は、アンテナを介して無線受信した受信データに対して、例えばダウンコンバート及びＡ／Ｄ変換などの無線受信処理を施し、プロセッサ５２０へ出力する。

　プロセッサ５２０は、例えばＣＰＵ、ＦＰＧＡ又はＤＳＰなどを備え、ソース基地局５００の全体を統括制御する。具体的には、プロセッサ５２０は、無線通信制御部５２１、無線品質判定部５２２及びＨＯ要求生成部５２３を有する。

　無線通信制御部５２１は、無線通信部５１０によって実行される無線通信を制御する。すなわち、無線通信制御部５２１は、例えば情報の符号化及び変調などを実行し、無線通信部５２１から送信される送信データを生成する。また、無線通信制御部５２１は、無線通信部５１０から出力される受信データを復調及び復号する。

　無線品質判定部５２２は、端末装置２００から報告される無線品質を無線通信制御部５２１における復号結果から取得する。そして、無線品質判定部５２２は、端末装置２００が測定した無線品質に基づいて、端末装置２００をハンドオーバさせるか否かを判定する。具体的には、無線品質判定部５２２は、ソース基地局５００と端末装置２００の間の無線品質が所定の閾値未満に低下しており、ターゲット基地局１００と端末装置２００の間の無線品質が所定の基準以上に良好となっている場合に、端末装置２００をターゲット基地局１００へハンドオーバさせると判定する。

　ＨＯ要求生成部５２３は、無線品質判定部５２２によって端末装置２００をハンドオーバさせると判定された場合に、ターゲット基地局１００に対して端末装置２００のハンドオーバを要求するＨＯ要求を生成する。このとき、ＨＯ要求生成部５２３は、メモリ５３０に記憶された認証データベース５３１から端末装置２００の端末ＩＤを含む認証データを取得し、取得した認証データをＨＯ要求に含める。そして、ＨＯ要求生成部５２３は、端末装置２００の認証データを含むＨＯ要求を有線Ｉ／Ｆ部５４０を介してターゲット基地局１００へ送信する。

　メモリ５３０は、例えばＲＡＭ又はＲＯＭなどを備え、プロセッサ５２０が処理を実行するために使用する情報を記憶する。具体的には、メモリ５３０は、認証データベース５３１を記憶する。

　認証データベース５３１は、あらかじめソース基地局５００に分散配置された認証データベースであり、無線通信システムに加入しているすべての端末装置のうち一部の端末装置の端末ＩＤを含む認証データを保持する。認証データベース５３１に保持される認証データは、例えば登録されたエリアが共通する端末装置に関する認証データであるため、近隣の基地局装置１００にも同一の認証データベース５３１が記憶されていても良い。ただし、本実施の形態では、ソース基地局５００が保持する認証データベース５３１とターゲット基地局１００が保持する認証データベースとは異なるものとする。

　有線Ｉ／Ｆ部５４０は、他の基地局装置１００と接続するインタフェースを有し、他の基地局装置１００との間でデータを送受信する。具体的には、有線Ｉ／Ｆ部５４０は、端末装置２００がハンドオーバする場合に、ＨＯ要求生成部５２３によって生成されたＨＯ要求をターゲット基地局１００へ送信する。なお、有線Ｉ／Ｆ部５４０は、コアネットワークの上位装置と接続するインタフェースを有していても良い。

　図１６は、実施の形態５に係るターゲット基地局１００の構成を示すブロック図である。図１６において、図３と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図１６に示すターゲット基地局１００は、図３に示す基地局装置１００の認証データ検索部１２３、認証データ要求部１２４及び記憶制御部１２５に代えて、認証データ検索部５５１及び記憶制御部５５２を有する。

　認証データ検索部５５１は、ＨＯ要求取得部１２１によって取得されたＨＯ要求に含まれる認証データを取得し、取得した認証データをメモリ１３０から検索する。すなわち、認証データ検索部５５１は、ハンドオーバする端末装置２００の認証データがターゲット基地局１００に既に記憶されているか否かを判定する。認証データ検索部５５１は、メモリ１３０が保持する認証データベース１３１及び取得済み認証データ１３２に、ＨＯ要求に含まれる認証データが記憶されているか否かを判定する。そして、認証データ検索部５５１は、端末装置２００の認証データがメモリ１３０に記憶されていない場合に、ＨＯ要求に含まれる認証データを記憶制御部５５２へ出力する。

　記憶制御部５５２は、メモリ１３０に記憶されていない端末装置２００の認証データが認証データ検索部５５１から出力されると、この認証データをメモリ１３０に記憶させる。具体的には、記憶制御部５５２は、取得した認証データを認証データベース１３１とは別の取得済み認証データ１３２としてメモリ１３０に記憶させる。

　次いで、上記のように構成されたターゲット基地局１００の動作について、図１７に示すフロー図を参照しながら説明する。図１７において、図４と同じ部分には同じ符号を付す。以下においては、端末装置２００がソース基地局５００からターゲット基地局１００へハンドオーバする際の動作について説明する。

　端末装置２００が現在通信中のソース基地局５００を含む周辺の基地局装置１００との間の無線品質を測定した結果、ソース基地局５００との間の無線品質が低下し、ターゲット基地局１００との間の無線品質が良好となった場合、ソース基地局５００からターゲット基地局１００へＨＯ要求が送信される。このとき、ソース基地局５００は、端末装置２００の認証データをＨＯ要求に含めて送信する。このＨＯ要求は、ターゲット基地局１００の有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信され（ステップＳ１０１）、ＨＯ要求取得部１２１によって取得される。

　そして、ＨＯ要求取得部１２１によって、ＨＯ要求にハンドオーバする端末装置２００の認証データが含まれるか否かが判定され（ステップＳ７０１）、含まれている場合には（ステップＳ７０１Ｙｅｓ）、認証データが認証データ検索部５５１へ出力される。そして、認証データ検索部５５１によって、メモリ１３０の認証データベース１３１及び取得済み認証データ１３２において認証データが検索される（ステップＳ７０２）。そして、認証データ検索部５５１によって、ハンドオーバする端末装置２００の認証データが既にメモリ１３０に記憶済みであるか否かが判断される（ステップＳ７０３）。

　この判断の結果、メモリ１３０に認証データが記憶されていない場合には（ステップＳ７０３Ｎｏ）、記憶制御部５５２によって、ＨＯ要求に含まれていた認証データが取得済み認証データ１３２として記憶される（ステップＳ７０４）。これにより、認証データベース１３１には記憶されていない認証データであって、ハンドオーバしてくる端末装置２００に関する認証データがメモリ１３０に保持されることになる。

　ところで、ＨＯ要求取得部１２１によって取得されたＨＯ要求は、ＨＯ処理部１２２へ出力され、ＨＯ処理部１２２によってハンドオーバ処理が実行される（ステップＳ１０７）。具体的には、ＨＯ処理部１２２によって、端末装置２００のハンドオーバを許可するか否かが判定され、判定結果を示すハンドオーバ応答が有線Ｉ／Ｆ部１１０からソース基地局５００へ送信される。このハンドオーバ処理は、ＨＯ要求に認証データが含まれていない場合や（ステップＳ７０１Ｎｏ）、端末装置２００に関する認証データがメモリ１３０に記憶されている場合（ステップＳ７０３Ｙｅｓ）にも実行される。

　次に、実施の形態４に係るハンドオーバ処理について、図１８に示すシーケンス図を参照しながら説明する。図１８において、図６と同じ部分には同じ符号を付す。以下においては、端末装置２００がソース基地局５００からターゲット基地局１００へハンドオーバする際の処理について説明する。

　端末装置２００がソース基地局５００との無線通信を開始する際には、ＲＲＣメッセージが送受信され（ステップＳ２０１）、端末装置２００とソース基地局５００との間の接続が確立される。ＲＲＣメッセージには、端末装置２００の端末ＩＤも含まれ、ソース基地局５００が保持する認証データベース５３１において端末ＩＤが照合されることにより、端末装置２００が認証される。すなわち、ここでは端末装置２００の端末ＩＤを含む認証データがソース基地局５００によって記憶されているものとする。端末装置２００が認証されることにより、端末装置２００とソース基地局５００は、無線通信を開始する。

　端末装置２００とソース基地局５００の間の無線通信が開始された後、定期的に端末装置２００の無線品質測定部２２２によって、端末装置２００とソース基地局５００との間の無線品質が測定される。また、端末装置２００とソース基地局５００の周辺の基地局装置１００との間の無線品質も測定される。測定された各基地局装置１００との間の無線品質は、ソース基地局５００へ報告される（ステップＳ２０２）。

　ソース基地局５００は、端末装置２００から報告される無線品質に基づいて、端末装置２００のハンドオーバの要否を判断する。すなわち、ソース基地局５００は、端末装置２００とソース基地局５００との間の無線品質が低下し、端末装置２００とターゲット基地局１００との間の無線品質が良好な場合に、端末装置２００をターゲット基地局１００へハンドオーバさせることを決定する。そして、ソース基地局５００は、端末装置２００のハンドオーバを要求するＨＯ要求をターゲット基地局１００へ送信する（ステップＳ８０１）。このとき、ソース基地局５００は、端末装置２００の認証データをＨＯ要求に含めて送信する。

　ＨＯ要求は、例えばＸ２ＡＰ層のＣプレーンのメッセージであっても良い。このようなメッセージのフォーマット例を図１９に示す。図１９において、情報要素名は、メッセージに含まれ得る情報要素の名称を示し、プレゼンスは、各情報要素がメッセージに必須であるか否かを示す。ハンドオーバする端末装置２００の認証データは、情報要素「認証データ」に格納され、端末装置２００のその他の情報とともに送信される。なお、ＨＯ要求のフォーマットは、上記のものに限定されず、Ｘ２ＡＰ層以外のＣプレーン信号と同様のフォーマットでも良いし、所定のＯＡＭ信号のフォーマットでも良い。

　認証データを含むＨＯ要求がターゲット基地局１００の有線Ｉ／Ｆ部１１０によって受信されると、ＨＯ要求はＨＯ要求取得部１２１によって取得され、認証データが認証データ検索部５５１へ出力される。そして、認証データ検索部５５１によって、認証データが認証データベース１３１及び取得済み認証データ１３２において検索される（ステップＳ８０２）。ここでは、端末装置２００の認証データがターゲット基地局１００のメモリ１３０に記憶されていないものとする。

　認証データがメモリ１３０に記憶されていないため、記憶制御部５５２によって、ＨＯ要求に含まれていた認証データが取得済み認証データ１３２としてメモリ１３０に記憶される（ステップＳ８０３）。これにより、端末装置２００が例えば次にターゲット基地局１００との無線通信を開始する際に、端末装置２００の認証が短時間で成功することになる。すなわち、次回の認証処理において、端末装置２００の端末ＩＤと認証データベース１３１及び取得済み認証データ１３２とを照合すれば、端末ＩＤを含む認証データが取得済み認証データ１３２に保持されており、端末装置２００の認証が成功する。換言すれば、認証処理のためのデータベースを分散配置する場合でも、迅速な認証を可能にすることができる。

　ところで、端末装置２００がハンドオーバする場合には、既にソース基地局５００によって端末装置２００が認証されている。このため、ＨＯ要求取得部１２１によってＨＯ要求が取得された場合には、認証データがメモリ１３０に記憶されているか否かに関わらずハンドオーバ処理が実行される。すなわち、端末装置２００のハンドオーバを許可するか否かがＨＯ処理部１２２によって判定され、ＨＯ処理部１２２による判定結果を含むハンドオーバ応答がソース基地局５００へ送信される（ステップＳ２０７）。ハンドオーバが許可されている場合には、ハンドオーバの指示がソース基地局５００から端末装置２００へ送信され（ステップＳ２０８）、端末装置２００は、ソース基地局５００からの指示に従って、ターゲット基地局１００へハンドオーバし、ターゲット基地局１００を無線通信の通信相手とする（ステップＳ２０９）。

　以上のように、本実施の形態によれば、端末装置がソース基地局からターゲット基地局へハンドオーバする際に、ソース基地局は、端末装置に関する認証データを含むハンドオーバ要求をターゲット基地局へ送信する。そして、ターゲット基地局は、ハンドオーバ要求に含まれる認証データをメモリに記憶しておく。このため、次に端末装置がターゲット基地局と無線通信を開始する際の認証処理においては、この端末装置に関する認証データがターゲット基地局のメモリに記憶されており、端末装置の認証が成功する。換言すれば、認証処理のためのデータベースを基地局装置に分散配置する場合でも、端末装置の迅速な認証を可能にすることができる。また、ハンドオーバ要求に認証データが含まれるため、ターゲット基地局は、ソース基地局に対して端末装置の認証データを送信するように要求する必要がなく、基地局装置間での送受信回数を削減することができる。

　なお、上記実施の形態４では、実施の形態１と同様に認証データを認証データベース１３１とは別にして記憶するものとしたが、実施の形態２と同様に、ＨＯ要求に含まれる認証データが認証データベース１３１に追加登録されるようにしても良い。また、実施の形態３、４を組み合わせて、ソース基地局５００が端末装置２００の認証データを含む認証データベースをＨＯ要求に含めて送信するようにしても良い。

　また、上記各実施の形態においては、認証データ又は認証データベースがソース基地局からターゲット基地局へ送信された後にハンドオーバ応答がターゲット基地局からソース基地局へ送信されるものとして説明した。しかしながら、ハンドオーバ応答の送信を含むハンドオーバ処理は、認証データ又は認証データベースの取得前に実行されても良いし、認証データ又は認証データベースの取得と並行して実行されても良い。

　また、上記各実施の形態において説明した基地局装置１００は、基地局装置の機能がＣＵ（Central　Unit）及びＤＵ（Distributed　Unit）に分離される場合のＣＵとしての機能を有しても良いし、ＤＵとしての機能を有しても良い。基地局装置１００がＣＵとしての機能を有する場合には、無線通信部１４０がＤＵに相当する別体として配置される構成としても良い。基地局装置１００がＤＵとしての機能を有する場合には、有線Ｉ／Ｆ部１１０は、ＣＵを介して他のＤＵに接続されても良いし、直接他のＤＵに接続されても良い。

　１１０、５４０　有線Ｉ／Ｆ部
　１２０、２２０、５２０　プロセッサ
　１２１　ＨＯ要求取得部
　１２２　ＨＯ処理部
　１２３、５５１　認証データ検索部
　１２４　認証データ要求部
　１２５、３０１、４０３、５５２　記憶制御部
　１３０、２３０、５３０　メモリ
　１４０、２１０、５１０　無線通信部
　２２１　呼処理制御部
　２２２　無線品質測定部
　２２３　データ通信処理部
　４０１　データベース判定部
　４０２　データベース要求部
　５２１　無線通信制御部
　５２２　無線品質判定部
　５２３　ＨＯ要求生成部

Claims

　端末装置の認証に用いられる認証データを記憶する認証データベースを保持する記憶部と、
　他の基地局装置と通信中の第１の端末装置のハンドオーバを要求するハンドオーバ要求を取得する取得部と、
　前記取得部によってハンドオーバ要求が取得された場合に、前記第１の端末装置の認証に用いられる認証データを送信するように前記他の基地局装置へ要求する要求部と、
　前記要求部によって要求された認証データを受信し、前記記憶部に記憶させる記憶制御部と
　を有することを特徴とする基地局装置。
　前記取得部によって取得されたハンドオーバ要求に前記第１の端末装置の識別情報が含まれている場合に、当該識別情報に対応する認証データが前記記憶部に記憶されているか否かを判定する判定部をさらに有し、
　前記要求部は、
　前記判定部によって前記識別情報に対応する認証データが前記記憶部に記憶されていないと判定された場合に、前記識別情報に対応する認証データを送信するように前記他の基地局装置へ要求する
　ことを特徴とする請求項１記載の基地局装置。
　前記取得部によって取得されたハンドオーバ要求に前記第１の端末装置に関する認証データを含む認証データベースの識別情報が含まれている場合に、当該識別情報に対応する認証データベースが前記記憶部に保持されているか否かを判定する判定部をさらに有し、
　前記要求部は、
　前記判定部によって前記識別情報に対応する認証データベースが前記記憶部に保持されていないと判定された場合に、前記識別情報に対応する認証データベースを送信するように前記他の基地局装置へ要求する
　ことを特徴とする請求項１記載の基地局装置。
　前記記憶制御部は、
　前記要求部によって要求された認証データを前記記憶部に保持された認証データベースとは別にして記憶させることを特徴とする請求項１記載の基地局装置。
　前記記憶制御部は、
　前記要求部によって要求された認証データを前記記憶部に保持された認証データベースに追加登録させることを特徴とする請求項１記載の基地局装置。
　前記記憶制御部は、
　自装置と同一の認証データベースを保持する基地局装置に対して、前記記憶部に保持された認証データベースに認証データを追加登録させる場合に認証データベースの同期を指示することを特徴とする請求項５記載の基地局装置。
　端末装置の認証に用いられる認証データを記憶する認証データベースを保持する記憶部と、
　自装置と通信中の第１の端末装置を他の基地局装置へハンドオーバさせるか否かを判定する判定部と、
　前記判定部によってハンドオーバさせると判定された場合に、前記認証データベースに記憶された認証データであって前記第１の端末装置の認証に用いられる認証データを含み、前記第１の端末装置のハンドオーバを要求するハンドオーバ要求を生成する生成部と、
　前記生成部によって生成されたハンドオーバ要求を前記他の基地局装置へ送信する送信部と
　を有することを特徴とする基地局装置。
　端末装置の認証に用いられる認証データを記憶する認証データベースを保持する記憶部と、
　他の基地局装置と通信中の第１の端末装置のハンドオーバを要求するハンドオーバ要求であって、前記第１の端末装置の認証に用いられる認証データを含むハンドオーバ要求を取得する取得部と、
　前記取得部によって取得されたハンドオーバ要求に含まれる認証データを前記記憶部に記憶させる記憶制御部と
　を有することを特徴とする基地局装置。
　第１の端末装置と、前記第１の端末装置と通信中の第１の基地局装置と、前記第１の基地局装置の周辺に配置された第２の基地局装置とを有する無線通信システムであって、
　前記第２の基地局装置は、
　前記無線通信システムに加入する端末装置の認証に用いられる認証データを記憶する認証データベースを保持する記憶部と、
　前記第１の端末装置のハンドオーバを要求するハンドオーバ要求を取得する取得部と、
　前記取得部によってハンドオーバ要求が取得された場合に、前記第１の端末装置の認証に用いられる認証データを送信するように前記第１の基地局装置へ要求する要求部と、
　前記要求部によって要求された認証データを受信し、前記記憶部に記憶させる記憶制御部と
　を有することを特徴とする無線通信システム。
　端末装置の認証に用いられる認証データを記憶する認証データベースを保持する記憶部を有する基地局装置によって実行される認証データ取得方法であって、
　他の基地局装置と通信中の第１の端末装置のハンドオーバを要求するハンドオーバ要求を取得し、
　ハンドオーバ要求が取得された場合に、前記第１の端末装置の認証に用いられる認証データを送信するように前記他の基地局装置へ要求し、
　要求された認証データを受信し、前記記憶部に記憶させる
　処理を有することを特徴とする認証データ取得方法。