WO2020067258A1

WO2020067258A1 - 紙葉類収納繰出装置及び紙葉類処理装置

Info

Publication number: WO2020067258A1
Application number: PCT/JP2019/037795
Authority: WO
Inventors: 利信是兼
Original assignee: グローリー株式会社
Priority date: 2018-09-27
Filing date: 2019-09-26
Publication date: 2020-04-02
Also published as: JP2020052850A

Abstract

紙葉類収納繰出装置におけるジャムの発生を抑制するため、紙葉類の収納及び繰り出しを行う収納繰出装置を、テープが巻回されたリールと、紙葉類の収納時には紙葉類をリールから繰り出されたテープと共に巻き取り、紙葉類の繰出時には紙葉類を巻き取ったテープと共に繰り出すドラムと、紙葉類の収納時には紙葉類及びテープをドラムへ送り、紙葉類の繰出時にはドラムが繰り出した紙葉類及びテープを受ける入出ユニットと、入出ユニットとドラムの間の所定領域において、該所定領域を走行するテープの方に突出した突出部とによって構成する。

Description

紙葉類収納繰出装置及び紙葉類処理装置

　この発明は、紙葉類の収納及び繰り出しを行う紙葉類収納繰出装置及び該紙葉類収納繰出装置を備える紙葉類処理装置に関する。

　従来、紙葉類の収納及び収納した紙葉類の繰り出しを行う紙葉類収納繰出装置が利用されている。紙葉類収納繰出装置は、例えば紙葉類の種類の識別や枚数の計数を行う紙葉類処理装置に内蔵して利用される。紙葉類には、例えば紙幣、小切手、商品券が含まれる。

　特許文献１にはテープ式の紙幣収納繰出装置を備える紙幣処理装置が開示されている。テープ式の紙幣収納繰出装置は帯状のテープを利用して紙幣の収納及び繰り出しを行う。テープは一端がドラムの外周面に接続され、他端がリールの外周面に接続されている。リールとドラムの間にはテープの走行位置を規制するガイドとテープの走行方向を変更するローラが配置されている。紙幣の収納時、紙幣収納繰出装置は、搬送路を搬送されてきた紙幣を装置内に受けてテープと共にドラムに巻き取って収納する。紙幣の繰出時、紙幣収納繰出装置は、ドラムに巻き取っていた紙幣をテープと共に巻き出して装置外の搬送路へ繰り出す。

特開２０１６－０３１６６３号公報

　しかしながら、上記従来技術によれば、紙幣を繰り出す際、紙幣収納繰出装置内で紙幣が詰まるジャムが発生して紙幣を繰り出せなくなることがあった。ドラムを利用して収納される紙幣は、紙幣面全体がドラムの外周面に沿った状態でドラムに巻き取られる。例えば、ドラムに巻かれた紙幣に破れがあり、紙幣の一部がドラムの外周面から剥がれるように離れて垂れ下がることがある。この垂れ下がった部分が、紙幣の繰出時にガイドやローラに巻き込まれてジャムが発生すると紙幣収納繰出装置は動作を停止してしまう。

　本発明は、上記従来技術による課題に鑑みてなされたものであって、ジャムの発生を抑制することができる紙葉類収納繰出装置及び該紙葉類収納繰出装置を備える紙葉類処理装置を提供することを目的とする。

　上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、テープと共に紙葉類の収納及び繰り出しを行う収納繰出装置であって、前記テープが巻回されたリールと、紙葉類の収納時には前記紙葉類を前記リールから繰り出された前記テープと共に巻き取り、紙葉類の繰出時には前記紙葉類を巻き取った前記テープと共に繰り出すドラムと、紙葉類の収納時には紙葉類及び前記テープを前記ドラムへ送り、紙葉類の繰出時には前記ドラムが繰り出した前記紙葉類及び前記テープを受ける入出ユニットと、前記入出ユニットと前記ドラムの間の所定領域において、前記所定領域を走行する前記テープの方に突出した突出部とを備えることを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、前記突出部は、前記所定領域を搬送される紙葉類よりも上方に突出することを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、前記突出部は、前記ドラムに巻かれた前記テープの長さに応じて、前記ドラムの径方向に移動可能に設けられ、前記突出部は、前記ドラムに巻かれた前記テープの長さによらず、前記所定領域において搬送される紙葉類よりも上方に突出することを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、前記ドラムの下方に配置され、前記所定領域において紙葉類をガイドするガイド部をさらに備え、前記突出部は、前記ガイド部に設けられていることを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、前記突出部は、前記テープと重ならない位置に配置されることを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、前記突出部を複数含み、前記テープは、複数の前記突出部のうち隣接する突出部の間に配置されていることを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、前記突出部は、前記所定領域におけるテープの走行方向に沿って形成されていることを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、前記入出ユニットは、先端部が前記テープの表面と接触するスクレーパを含むことを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、前記スクレーパは、前記テープの表面と接触する先端部分を有し、前記先端部分は、前記テープの走行方向に垂直な方向に延びる頂部を有し、前記頂部の長さは、前記垂直な方向において前記テープの幅より小さいことを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、前記入出ユニットは、紙葉類を搬送する搬送ローラを含むことを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、前記入出ユニットは、テープを案内する案内ローラを含むことを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、前記リールは複数設けられ、前記ドラムは、複数の前記リールの各々から前記テープを巻き取るように構成されていることを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、複数のテープは、前記ドラムの軸方向に並べて配置されていることを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、１枚目に収納される紙葉類が前記ドラムの外周面とテープとの間に挟まれた状態で前記ドラムに巻き取られる構成を有することを特徴とする。

　また、本発明は、上記発明において、１枚目に収納される紙葉類が複数のテープの間に挟まれた状態で前記ドラムに巻き取られる構成を有することを特徴とする。

　また、本発明は、紙葉類処理装置であって、上記発明に係る紙葉類収納繰出装置を備えることを特徴とする。

　本発明に係る紙葉類収納繰出装置によれば、突出部を設けたことにより、紙葉類を繰り出す際にドラムに巻かれた紙葉類の一部がドラムから離れて垂れ下がった場合でも、この紙葉類が入出ユニットを構成する部材に巻き込まれることを防止することができる。これにより、紙葉類収納繰出装置及び該紙葉類収納繰出装置を備える紙葉類処理装置においてジャムの発生を抑制することができる。

図１は、本実施形態に係る収納繰出装置の概要を説明するための模式図である。図２は、突出部とテープの位置関係を示す模式図である。図３は、収納繰出装置におけるジャムの発生について説明するための図である。図４は、突出部によるジャム発生の抑制効果を説明するための図である。図５は、紙葉類処理装置の内部構成を示す模式図である。図６は、図５に示す紙葉類処理装置に設けられた一時保留部の構成詳細を示す側面図である。図７は、一時保留部の３本のテープの配置及び取り回しを説明するための側面図である。図８は、一時保留部の３本のテープの取り回しを説明するための斜視図である。図９は、一時保留部の可動ガイドの外観を示す斜視図である。図１０は、図９に示す可動ガイドを上方から見た図である。図１１は、一時保留部のドラムに紙葉類が１枚も巻き取られてないときのドラムと可動ガイドの位置関係を示す図である。図１２は、一時保留部のドラムに紙葉類が巻き取られたときのドラムと可動ガイドの位置関係を示す図である。図１３は、スクレーパの構造を示す図である。図１４は、図１に示す収納繰出装置の別の構成例を示す模式図である。図１５は、案内ローラの形状が異なる例を示す模式図である。図１６は、案内ローラの形状の違いを示す図である。図１７は、可動ガイドとは別に、突出部を有する可動部材を設けた例を示す模式図である。図１８は、可動ガイドから独立して設けられた可動部材の構造例を説明するための斜視図である。図１９は、図１８に示す可動部材の動作を説明するための側面図である。図２０は、１つの駆動部によってドラム及び２つのリールを駆動する例を示す模式図である。図２１は、テープのたるみを取る動作を説明するための模式図である。図２２は、テープのたるみを解消できない場合の例を説明するための模式図である。

　以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る紙葉類収納繰出装置及び紙葉類処理装置について説明する。紙葉類収納繰出装置は、紙葉類処理装置内に設けられ、紙葉類の収納及び繰り出しに利用される。

＜紙葉類収納繰出装置＞
　まず、紙葉類収納繰出装置（以下「収納繰出装置」と記載する）の概要を説明する。図１は、収納繰出装置１００の概要を説明するための模式図である。図１は、収納繰出装置１００がドラム１１０に紙葉類３００を巻き取って収納した状態を示している。収納繰出装置１００は、ドラム１１０と、リール１２１、１２２と、案内ローラ１３１、１３２と、スクレーパ１３３と、搬送ローラ１３５、１３６と、テープ１４１、１４２と、可動ガイド（ガイド部）１５０とを備える。上側のテープ１４１は一端がドラム１１０の外周面に固定され他端がリール１２１の外周面に固定されている。下側のテープ１４２は一端がドラム１１０の外周面に固定され他端がリール１２２の外周面に固定されている。

　ドラム１１０と、リール１２１、１２２と、案内ローラ１３１、１３２と、搬送ローラ１３５、１３６とは、軸周りに回転する円筒形状の回転体である。図１は収納繰出装置１００を側方から見た図を示しているが、ドラム１１０は、外周面に巻かれた紙葉類３００よりも図面奥行方向に長い円筒形状を有する。可動ガイド１５０も、紙葉類３００よりも図面奥行方向に長い板形状を有する。テープ１４１、１４２が巻回されたリール１２１、１２２と、テープ１４１、１４２を案内する案内ローラ１３１、１３２は、テープ１４１、１４２よりも図面奥行方向に長い円筒形状を有する。スクレーパ１３３は、搬送ローラ１３５の径方向外側にある先端部分がテープ１４１の表面と接触する。この先端部分が、テープ１４１の幅よりも長い奥行寸法を有する。

　搬送ローラ１３５、１３６は、案内ローラ１３１、１３２の回転軸と同軸上に配置されている。搬送ローラ１３５と案内ローラ１３１とは、図面奥行方向に並んで配置されている。搬送ローラ１３６と案内ローラ１３２とは、図面奥行方向に並んで配置されている。搬送ローラ１３５、１３６は、ドラム１１０に巻き取られる紙葉類をテープ１４１、１４２の間に送り込む。搬送ローラ１３５、１３６は、ドラム１１０から繰り出される紙葉類をテープ１４１、１４２の間から装置外部へ送り出す。搬送ローラ１３５、１３６の直径は、案内ローラ１３１、１３２の直径より大きい。搬送ローラ１３５、１３６は、互いに外周面が接触するように配置されている。搬送ローラ１３５は搬送ローラ１３６よりも上方に配置されている。詳細には、搬送ローラ１３５の回転軸は搬送ローラ１３６の回転軸よりも上方に配置されている。搬送ローラ１３５、１３６は、ドラム１１０への紙葉類の巻取り時、及びドラム１１０からの紙葉類の繰り出し時に、紙葉類に十分な移動力を与える。

　紙葉類を収納する際、収納繰出装置１００は、図１に示すドラム１１０を時計回りの方向（収納方向）に回転駆動する。収納繰出装置１００は、テープ１４１とテープ１４２の間に挟んだ紙葉類をテープ１４１、１４２と共にドラム１１０の外周面に巻き取って収納する。紙葉類を繰り出す際、収納繰出装置１００は、図１に示すリール１２１を反時計回りの方向（繰出方向）に回転駆動すると共にリール１２２を時計回りの方向（繰出方向）に回転駆動する。収納繰出装置１００は、ドラム１１０の外周面に巻き取っていた紙葉類をテープ１４１、１４２と共に巻き出し、テープ１４１とテープ１４２の間に挟まれていた紙葉類を解放して繰り出す。複数枚の紙葉類を巻き取る際、紙葉類と共に巻き取ったテープ１４１、１４２の上に、次の紙葉類が巻き取られる。詳細には、テープ１４２の上に、次の紙葉類が巻き取られる。本実施形態で言う、ドラム１１０の外周面に紙葉類を巻き取るという動作は、このように紙葉類をテープ１４２の上に重ねて巻き取る場合を含む。

　上側の案内ローラ１３１は、リール１２１から延びたテープ１４１の走行方向を回転軸周りに変更してドラム１１０に向けて案内する。下側の案内ローラ１３２は、リール１２２から延びたテープ１４１の走行方向を回転軸周りに変更してドラム１１０に向けて案内する。

　スクレーパ１３３は案内ローラ１３１の軸１３１ａ周りに回転可能に設けられている。スクレーパ１３３は、図１に矢印２０２で示すように、図示しないバネ（付勢部材）によって反時計回りの方向に付勢されている。これによりスクレーパ１３３の先端部分がテープ１４１に接触する。紙葉類を繰り出す際、ドラム１１０と案内ローラ１３１との間の領域では、繰出対象の紙葉類がテープ１４１の下側にある。この紙葉類が破れて切れ目があると、紙葉類の一部が上方に折り返されて、折り返された部分がテープ１４１の上側に乗った状態になることがある。このような場合に、スクレーパ１３３が、紙葉類の折り返された部分を持ち上げることにより、この紙葉類が案内ローラ１３１に巻き込まれることを防いでいる。すなわち、スクレーパ１３３は、紙葉類のガイドとしての機能を有する。

　入出ユニット１３０は、案内ローラ１３１、１３２と、スクレーパ１３３と、搬送ローラ１３５、１３６とを含む。ドラム１１０と入出ユニット１３０との間で紙葉類が入出される。具体的には、収納繰出装置１００が収納する紙葉類は、入出ユニット１３０を経てドラム１１０の外周面に巻き取られる。収納繰出装置１００が繰り出す紙葉類は、ドラム１１０の外周面から離れて入出ユニット１３０を経て収納繰出装置１００の外へ繰り出される。入出ユニット１３０は図１に示す構成に限定されず、スクレーパ１３３を含まない構成であってもよいし、さらに追加のローラを含む構成であってもよい。

　案内ローラ１３１と案内ローラ１３２は外周面の間に隙間をあけて対向配置されている。この隙間部分とドラム１１０との間を走行するテープ１４１、１４２によって、図１に矢印２０１で示すように紙葉類が入出される。例えば、紙葉類処理装置内に設けられた搬送部と収納繰出装置１００との間で紙葉類の受け渡しが行われる。具体的には、収納繰出装置１００が搬送部から受けた紙葉類が入出ユニット１３０を経てドラム１１０に送られて収納される。ドラム１１０から入出ユニット１３０を経て送り出される紙葉類が収納繰出装置１００から搬送部へ繰り出される。

　搬送ローラ１３５、１３６は、ドラム１１０に紙葉類が巻き取られる際、装置外からテープ１４１、１４２の間に紙葉類を送り込み、ドラム１１０から紙葉類が繰り出される際、テープ１４１、１４２の間から装置外へ紙葉類を送り出す。ドラム１１０と入出ユニット１３０との間の所定領域では、搬送ローラ１３５、１３６と、テープ１４１、１４２とによって紙葉類が搬送される。

　可動ガイド１５０は、ドラム１１０と、案内ローラ１３１と、搬送ローラ１３５との外側（下側）に設けられている。具体的には、可動ガイド１５０は、入出ユニット１３０とドラム１１０との間を走行してドラム１１０に巻き取られるテープ１４１、１４２よりドラム１１０の径方向外側に設けられている。可動ガイド１５０は、ドラム１１０に巻き取られる紙葉類及びドラム１１０から繰り出される紙葉類を、ドラム１１０の径方向外側からガイドする。すなわち、可動ガイド１５０は、ドラム１１０と入出ユニット１３０との間で入出される紙葉類をテープ１４１、１４２の外側からガイドするガイド部として機能する。

　可動ガイド１５０は、案内ローラ１３２の軸１３２ａ周りに回動可能に設けられている。可動ガイド１５０は、図１に矢印２０３で示すように、図示しないバネ（付勢部材）によって時計回りの方向に付勢されている。可動ガイド１５０には回転自在なローラ１５１が設けられている。バネによる付勢により、ドラム１１０の外周面に巻かれた紙葉類３００がないときにはローラ１５１の外周面がドラム１１０の外周面と接触する。ドラム１１０の外周面に紙葉類３００が巻かれているときには、ローラ１５１の外周面が、一番外側にある紙葉類３００又はテープ１４２と接触する。ドラム１１０に巻かれた紙葉類３００の枚数に応じて軸１３２ａ周りに回動する可動ガイド１５０と、紙葉類３００との間の隙間がローラ１５１によって一定に保たれる。

　可動ガイド１５０には突出部１５２が設けられている。突出部１５２は、入出ユニット１３０とドラム１１０との間の所定領域に形成されている。突出部１５２は、この所定領域において、テープ１４１、１４２の間を搬送される紙葉類よりも上方に突出する。また、突出部１５２は、この所定領域において、紙葉類を搬送するテープ１４２よりも上方に突出する。突出部１５２は、可動ガイド１５０が紙葉類をガイドするガイド面から、入出ユニット１３０とドラム１１０との間を走行するテープ１４１、１４２のある側に突出した形状（例えば三角形）に形成されている。突出部１５２は、板状に形成されている。突出部１５２は、紙葉類が突出部１５２に接触した際に、紙葉類の突出部１５２と接触した部分を上方に押し上げるよう機能する。

　ドラム１１０に巻かれた紙葉類は、ドラム１１０と共に回転する際に、突出部１５２により上方にガイドされた後、さらにスクレーパ１３３によって上方にガイドされる。すなわち、突出部１５２及びスクレーパ１３３は、ドラム１１０と共に回転する紙葉類をガイドするガイドとして機能する。

　突出部１５２は、ドラム１１０に巻かれたテープ１４１、１４２の長さに応じて、ドラム１１０の径方向に移動可能に設けられている。すなわち、可動ガイド１５０は、ドラム１１０に巻かれたテープの量、すなわちドラム１１０に巻かれた紙葉類３００の枚数に応じて、軸１３２ａ周りに回動する。突出部１５２は可動ガイド１５０と共に回動する。突出部１５２は、ドラム１１０に巻かれた紙葉類３００の枚数によらず、少なくとも一部の領域が、図１に示すように、入出ユニット１３０とドラム１１０との間にあるテープ１４１、１４２よりも上側となるように形成されている。ドラム１１０と入出ユニット１３０との間を走行するテープ１４１、１４２は常に側面が山型形状の突出部１５２の頂部より下側、すなわち可動ガイド１５０のガイド面に近い位置を走行する。言い換えると、突出部１５２は、入出ユニット１３０とドラム１１０との間の所定領域において、走行するテープ１４１、１４２より上方に突出している。ドラム１１０の回転軸方向から見て突出部１５２とテープ１４１（１４２）とが重なる領域で、突出部１５２は、テープ１４１、１４２の間を搬送される紙葉類よりも上方に突出する。言い換えると、テープ１４１（１４２）は、突出部１５２の頂部より下側を走行する。

　図１に示す点Ｐ１～Ｐ３について説明する。点Ｐ１は、紙葉類がドラム１１０から入出ユニット１３０に向けて繰り出される際、紙葉類がドラム１１０から離間する離間点である。点Ｐ２は、搬送ローラ１３５の外周面及び搬送ローラ１３６の外周面の接点である。点Ｐ３は、突出部１５２の頂部（頂点）を示す。点Ｐ３は、点Ｐ１と点Ｐ２とを繋いだ線分より上方にある。また、点Ｐ３は、テープ１４１、１４２よりも上方にある。紙葉類は、点Ｐ１と点Ｐ２とを繋いだ線分に沿って搬送される。

　図２は、突出部１５２とテープ１４１の位置関係を示す模式図である。図２は、図１に示す突出部１５２及びテープ１４１を、収納繰出装置１００から繰り出される紙葉類の繰出方向（図１右側）から見た図を示している。図２に示すように、突出部１５２は、可動ガイド１５０のガイド面から突出した薄板形状を有する。例えば、突出部１５２は、テープ１４１の幅方向両側に１つずつ設けられている。例えば、突出部１５２はテープ１４１を挟んで対称に配置される。

　紙葉類の収納時及び繰出時に突出部１５２に乗り上げて通過する紙葉類に折り目や皺が生じないように、突出部１５２は配置位置及び形状を調整して設けられている。例えば、幅約１３ｍｍのテープ１４１に対して、図２に示すテープ１４１の上面と突出部１５２の頂部との間の寸法ａを約２～３ｍｍ、突出部１５２の幅ｂを約５ｍｍ、テープ１４１の幅方向縁部と突出部１５２との間の距離ｃを５ｍｍ以上に設定する。これらの寸法ａ～ｃは、収納繰出対象とする紙葉類の大きさや材質に応じて適宜設定される。

　図３は、収納繰出装置１００におけるジャムの発生について説明するための図である。図３（ａ）はジャムの原因となる紙葉類３０２（３０２ａ、３０２ｂ）を示している。図３（ｂ）は突出部１５２を有さない従来装置でジャムが発生する際の様子を示している。

　図３（ａ）ではテープ１４１、１４２の図示を省略しているが、紙葉類の繰出時、ドラム１１０の外周面に巻かれていた紙葉類３０１がテープ１４１、１４２と共に矢印２０１で示す方向へ繰り出される。繰出対象外の紙葉類、すなわちテープ１４１、１４２と共にドラム１１０の外周面に巻かれている紙葉類３０２は、ドラム１１０の回転に伴って矢印２０４で示すように上方向へ移動する。

　ドラム１１０に巻かれた紙葉類３０２の移動方向前方側が破れて切れ目があると、図３（ａ）に示すように、テープ１４１、１４２で押さえられた領域３０２ａがドラム１１０の外周面に沿う一方で、切れ目から先の領域３０２ｂ（以下「切れ部分３０２ｂ」と記載する）が外周面から剥がれたように垂れ下がる場合がある。切れ目が長いほど切れ部分３０２ｂが大きく垂れ下がる。

　図３（ｂ）に示すように、切れ部分３０２ｂが、例えば繰出対象の紙葉類３０１と共に移動して、スクレーパ１３３とテープ１４１との間に入り込むことがある。切れ部分３０２ｂが紙葉類３０１と共に移動する場合に限らず、ドラム１１０と共に回転する間に切れ部分３０２ｂがスクレーパ１３３とテープ１４１との間に入り込むこともある。切れ部分３０２ｂが入り込む部分についてもスクレーパ１３３とテープ１４１との間に限らず、スクレーパ１３３、テープ１４１、１４２、案内ローラ１３１、１３２、搬送ローラ１３５、１３６のいずれかの組合せの間に入り込むこともある。切れ部分３０２ｂが、スクレーパ１３３、テープ１４１、１４２、案内ローラ１３１、１３２、搬送ローラ１３５、１３６のいずれかに巻き込まれることもある。このように、切れ部分３０２ｂが、入出ユニット１３０やテープ１４１、１４２に巻き込まれたり、複数の部材の間に入り込んだりすることがジャムの発生原因となる。

　収納繰出装置１００は、可動ガイド１５０のガイド面に突出部１５２を設けることによりジャムの発生を抑制する。図４は、突出部１５２によるジャム発生の抑制効果を説明するための図である。図４（ａ）は、図３（ｂ）に対応する図である。図４（ｂ）は、図４（ａ）に示す紙葉類３０１、切れ部分３０２ｂ及び突出部１５２を、図４（ａ）に示す案内ローラ１３１側から見た図である。

　入出ユニット１３０を通過して装置外へ繰り出される紙葉類３０１には、図４（ａ）に示す実線矢印２０１の方向に力が作用する。紙葉類３０１は、リール１２１、１２２に巻き取られるテープ１４１、１４２と共に矢印２０１の方向に送り出される。このため、ドラム１１０から繰り出される紙葉類３０１は、テープ１４１、１４２の間に配置された状態でテープ１４１、１４２と共に繰出方向へ移動する。紙葉類３０１は、繰り出される途中で図４（ｂ）に示すように突出部１５２に乗り上げるが、図４（ａ）に示す破線矢印２０１ａの方向へと移動し、さらに実線矢印２０１の方向に移動する。紙葉類３０１は、入出ユニット１３０を構成するスクレーパ１３３の下方を通過し、搬送ローラ１３５、１３６により収納繰出装置１００から搬送部へ繰り出される。

　ドラム１１０に巻かれた紙葉類３０２（３０２ａ、３０２ｂ）は、ドラム１１０と共に回転する。紙葉類３０２には、図４（ａ）に矢印２０４で示すように、ドラム１１０の回転方向に力が作用する。このため、ドラム１１０の外周面から離れた紙葉類３０２の切れ部分３０２ｂも、図４（ｂ）に示すように突出部１５２に乗り上げた後、図４（ａ）に破線矢印２０４ａで示すようにドラム１１０の回転に伴って上方へ移動する。その後、紙葉類３０２は、入出ユニット１３０から繰り出されるまでの間に少なくとも１周以上回転することになる。

　このように、繰出対象外の紙葉類３０２が切れ部分３０２ｂを有する場合でも、切れ部分３０２ｂは、突出部１５２によって上方にガイドされる。紙葉類３０１は繰出方向へ進み、切れ部分３０２ｂは紙葉類３０１から離れてドラム１１０と共に回転する。すなわち、ドラム１１０に巻かれた紙葉類３０２は、突出部１５２により上方にガイドされた後、さらにスクレーパ１３３によって上方にガイドされる。これにより、ドラム１１０に巻かれた紙葉類３０２の一部である切れ部分３０２ｂが、スクレーパ１３３とテープ１４１の間へ巻き込まれたり、案内ローラ１３１へ巻き込まれたりすることを防止することができる。

　図３（ｂ）に示したように突出部１５２を設けない場合、ドラム１１０に巻かれた紙葉類３０２の切れ部分３０２ｂの先端は、テープ１４１の上面に沿って直線的に移動して、スクレーパ１３３の先端がテープ１４１の上面に接触する位置へ到達する。これに対して図４（ａ）に示すように突出部１５２を設けた場合、切れ部分３０２ｂは下方から突出部１５２によって支持された状態となる。切れ部分３０２ｂの先端は突出部１５２の上面に沿って移動するため、直線的に移動する場合に比べると、スクレーパ１３３の先端位置へ到達するまでの移動距離が長くなる。具体的には、図１に示す点Ｐ１からテープ１４１に沿って点Ｐ２に至る直線距離に対して、点Ｐ１からテープ１４１に沿って直線移動した後、突出部１５２の周縁部に沿って頂部の点Ｐ３を経て移動し、再びテープ１４１に沿って直線移動して点Ｐ２へと至るまでの距離の方が長い。

　移動距離が長くなる分だけ移動時間が長くなる。切れ部分３０２ｂの先端がスクレーパ１３３の方へ移動する間もドラム１１０は回転しているので、移動時間が長くなった分だけ切れ部分３０２ｂの根元部分が、ドラム１１０の回転に伴って上方へ移動する。この結果、切れ部分３０２ｂの先端がスクレーパ１３３の先端位置へ到達するより前に、切れ部分３０２ｂの先端がテープ１４１から離れて上方へ持ち上げられ、切れ部分３０２ｂがスクレーパ１３３に巻き込まれることを防ぐことができる。

　可動ガイド１５０のガイド面から上方に突出した突出部１５２には、切れ部分３０２ｂの先端がスクレーパ１３３の方へ移動する際の障害物となって、切れ部分３０２ｂの先端がスクレーパ１３３へ到達することを阻止する効果もある。

　収納繰出装置１００は、テープ１４１、１４２が巻回されているリール１２１、１２２を備える。収納繰出装置１００は、巻取方向に回転することにより、リール１２１、１２２に巻回されたテープ１４１、１４２を紙葉類と共に巻き取ってテープの多層部を形成すると共に、繰出方向に回転することにより、テープ１４１、１４２をリール１２１、１２２に巻き戻して多層部に巻き取られている紙葉類を繰り出すドラム１１０を備える。収納繰出装置１００は、ドラム１１０の回転軸方向から見てドラム１１０の側方に配置され、テープ１４１、１４２に接触した紙葉類のドラム１１０に対する入出領域を形成する入出ユニット１３０を備える。収納繰出装置１００は、ドラム１１０の周囲に配置された可動ガイド（ガイド部）１５０を備える。可動ガイド１５０は、ドラム１１０にリール１２１、１２２からテープ１４１、１４２を巻き取る際、及びリール１２１、１２２にドラム１１０からテープ１４１、１４２を巻き戻す際に、テープ１４１、１４２をガイドする。可動ガイド１５０は、繰出方向に回転するドラム１１０から紙葉類が繰り出されている際、多層部に保持されている紙葉類を下方から支持する突出部１５２を有する。

　突出部１５２は、ドラム１１０の回転軸線が延びる方向から見て、ドラム１１０と入出ユニット１３０との間の位置に配置されている。ドラム１１０の多層部が一部に切れ込みがある紙葉類（特定紙葉類）を保持している場合、突出部１５２は、回転するドラム１１０の多層部に保持されている特定紙葉類を下方から支持する。

　紙葉類がドラム１１０から入出ユニット１３０に向けて繰り出される際、紙葉類は、ドラム１１０から離間する点Ｐ１（離間点）でドラム１１０から離れる。入出ユニット１３０は、入出ユニット１３０におけるドラム近接部以外の部分より点Ｐ１（離間点）に近いドラム近接部を有している。ドラム近接部は、入出ユニット１３０におけるドラム１１０に最も近い位置を示す。突出部１５２は、ドラム１１０から紙葉類が繰り出されている際、回転するドラム１１０（多層部）に保持されている紙葉類を、ドラム近接部よりドラム１１０に近い位置で下方から支持する。この場合、入出ユニット１３０における、ドラム近接部はスクレーパ１３３の先端であるが、これは一例である。入出ユニット１３０の構成によっては入出ユニット１３０のドラム近接部がスクレーパ１３３以外の部材であることもある。例えば、入出ユニット１３０のドラム近接部は、テープを搬送するローラ（プーリ）である場合もあれば、紙葉類を搬送するローラである場合もある。

　このような突出部１５２を設けることによって、ドラム１１０と共に回転する紙葉類が上方にガイドされ、入出ユニット１３０に入り込むことを抑制することができる。突出部１５２は、切れ部分３０２ｂの先端がスクレーパ１３３に近付くことを妨げるように機能する。突出部１５２は、切れ部分３０２ｂの先端がスクレーパ１３３に近付く迄の移動距離を長くして、スクレーパ１３３を含む入出ユニット１３０に巻き込まれるより前に、ドラム１１０の回転に伴って切れ部分３０２ｂを上方へ移動させるように機能する。突出部１５２は、繰出方向へ送り出される紙葉類３０１と、自由に移動できる切れ部分３０２ｂとを、分離するように機能する。

　なお、図１には２本のテープ１４１、１４２に挟まれた紙葉類を入出ユニット１３０からドラム１１０に搬送してドラム１１０に巻き取る例を示したが、テープの本数や配置はこれに限定されない。例えば、１本のテープの上に紙葉類を配置した状態で入出ユニット１３０からドラム１１０に搬送してドラム１１０に巻き取る構成であってもよい。すなわち、ドラム１１０が、１枚目の紙葉類をドラム１１０の外周面とテープとの間に挟んだ状態で巻き取り、２枚目以降の紙葉類は、先に巻き取った紙葉類の上に重ねて外側からテープで押さえるようにして巻き取る態様であってもよい。

　図２では、テープ１４１の幅方向両側に１つずつ突出部１５２を設ける態様を示したが、片側だけに突出部１５２を設ける態様であってもよい。また、テープ１４１の片側に複数の突出部１５２を設ける態様であってもよい。例えば、図１の図面奥行方向に複数のテープを設ける場合、各テープの両側に１つずつ突出部１５２を設ける態様であってもよいし、隣接する２本のテープの間に１つずつ突出部１５２を設ける態様であってもよい。突出部１５２の数は適宜変更可能である。

＜収納繰出装置を備える紙葉類処理装置＞
　次に、収納繰出装置及び該収納繰出装置を備える紙葉類処理装置の具体的な構成例を説明する。図５～図１３は、紙葉類処理装置１０と、この紙葉類処理装置１０の装置内に設けられた収納繰出装置４０を説明するための図である。紙葉類処理装置１０は、収納繰出装置４０を一時保留部として利用するため、以下、収納繰出装置４０を一時保留部４０と記載する。

　図６、及び図９～図１２に示した突出部８７は、図１に示した突出部１５２と同様の機能を有する。図６～図１３に示す例では、入出ユニット２３０は、案内ローラ５０、５２と、搬送ローラ５１（５１ａ、５１ｂ）と、スクレーパ９６とを含んでいる。

　まず、紙葉類処理装置１０の全体の構成について説明する。図５は、紙葉類処理装置１０の内部構成を示す模式図である。図５に示すように、紙葉類処理装置１０は、略直方体形状の筐体１２を備える。筐体１２の前面（図面左側）には、筐体１２の外部から内部に紙葉類を投入したり、筐体１２の内部から外部に紙葉類を投出したりするための入出金部１４が設けられている。

　入出金部１４には、当該入出金部１４に積層状態で投入された複数の紙葉類を１枚ずつ筐体１２の内部に繰り出すための第１繰出機構１６が設けられている。入出金部１４には紙葉類を１枚ずつ搬送する搬送部２０が接続されている。第１繰出機構１６により入出金部１４から繰り出された紙葉類は搬送部２０により１枚ずつ搬送される。入出金部１４には第１繰出機構１６とは別に第２繰出機構１８が設けられている。第２繰出機構１８により搬送部２０から入出金部１４に戻された紙葉類を再び搬送部２０に繰り出すことができる。

　入出金部１４には、第１繰出機構１６に向かう方向と、第１繰出機構１６から遠ざかる方向（すなわち第２繰出機構１８に向かう方向）との両方向に移動可能な仕切部材１４ａが設けられている。仕切部材１４ａにより、入出金部１４は、第１繰出機構１６側の投入口と、第２繰出機構１８側の投出口とに区切られる。

　搬送部２０の途中箇所には、搬送部２０により搬送される紙葉類の識別を行う識別部２２が設けられている。識別部２２はイメージセンサを有する。識別部２２は、イメージセンサにより取得した紙葉類の画像に基づいて、当該紙葉類を識別する。例えば、紙葉類の種類（紙葉類の場合は金種）、真偽、正損が識別される。

　図５に示すように、搬送部２０には一時保留部（収納繰出装置）４０が接続されている。一時保留部４０は、搬送部２０から送られた紙葉類を１枚ずつ収納すると共に、収納した紙葉類を１枚ずつ搬送部２０に繰り出す。第１繰出機構１６により入出金部１４から搬送部２０に繰り出された紙葉類は、識別部２２により識別される。識別された紙葉類は、搬送部２０により一時保留部４０に送られて一時的に保留される。

　搬送部２０には、搬送される紙葉類を搬送路の幅方向中央位置等の所定位置に寄せるための幅方向位置合わせ部２４が設けられている。一時保留部４０から搬送部２０に繰り出された紙葉類は幅方向位置合わせ部２４により搬送路幅方向における位置が中央位置等の所定位置に寄せられる。

　搬送部２０には、識別部２２により偽券であると識別された紙葉類や真偽が不確定であると識別された紙葉類が収納される偽券収納部２６が接続されている。

　識別部２２により正常な紙葉類ではないと識別されたリジェクト紙葉類を搬送部２０により入出金部１４（厳密には、仕切部材１４ａよりも第２繰出機構１８側の投出口）に戻すことができる。入出金部１４は仕切部材１４ａにより投入口及び投出口に区切られている。搬送部２０から入出金部１４に戻された紙葉類は、第１繰出機構１６により搬送部２０に繰り出されるべき紙葉類が集積される箇所とは別の箇所に集積される。

　搬送部２０には複数の紙葉類収納繰出部３０が接続されている。各紙葉類収納繰出部３０は搬送部２０から送られた紙葉類を積層状態で収納する。各紙葉類収納繰出部３０には繰出機構３１が設けられている。各紙葉類収納繰出部３０に収納された紙葉類を繰出機構３１により搬送部２０に繰り出すことができる。紙葉類収納繰出部３０は、概ねリサイクル用に用いられる。すなわち、紙葉類の出金処理時には、入金処理時に各紙葉類収納繰出部３０に収納された紙葉類が、繰出機構３１により搬送部２０に繰り出されて入出金部１４に送られる。

　搬送部２０には複数の紙葉類収納繰出部３２が接続されている。各紙葉類収納繰出部３２は搬送部２０から送られた紙葉類を積層状態で収納する。各紙葉類収納繰出部３２には繰出機構３３が設けられている。各紙葉類収納繰出部３２に収納された紙葉類を繰出機構３３により搬送部２０に繰り出すことができる。紙葉類収納繰出部３２は、概ね入金専用に用いられる。

　次に、一時保留部４０の構成について説明する。一時保留部４０は、並列に設けられた３本の帯状のテープ９０、９２、９４をドラム４２に巻き取ることによって複数の紙葉類を１枚ずつドラム４２に収納する。また、一時保留部４０は、ドラム４２から各テープ９０、９２、９４を巻き出すことによって紙葉類を１枚ずつドラム４２から繰り出す。

　図６は、一時保留部４０の構成詳細を示す側面図である。図６（ａ）は、一時保留部４０のドラム４２に紙葉類が１枚も巻き取られていないときの状態を示す図である。図６（ｂ）は、一時保留部４０のドラム４２に紙葉類が巻き取られたときの状態を示す図である。図７は、一時保留部４０の３本のテープ９０、９２、９４の配置及び取り回しを説明するための側面図である。図７（ａ）は、一時保留部４０の３本のテープ９０、９２、９４のうち中央のテープ９２の走行経路を示す図である。図７（ｂ）は、一時保留部４０の３本のテープ９０、９２、９４のうち両外側のテープ９０、９４の走行経路を示す図である。図８は、一時保留部４０の３本のテープ９０、９２、９４のテープの取り回しを説明するための斜視図である。

　図６及び図７に示すように、一時保留部４０は、回転自在に設けられたドラム４２と、３本の帯状のテープ９０、９２、９４と、軸５８ａ周りに回転自在に設けられたリール５８とを有している。各テープ９０、９２、９４は一端がドラム４２の外周面に接続され、他端がリール５８の外周面に接続されている。各テープ９０、９２、９４は、ドラム４２の軸４２ａの延びる方向に沿って並んで配置されている。

　ドラム４２は軸４２ａを中心として時計回りの方向及び反時計回りの方向の両方に回転することができる。搬送部２０（図５参照）から一時保留部４０に送られた紙葉類をドラム４２に収納する際には、ドラム４２が図面反時計回りの方向（収納方向）に回転し、紙葉類が各テープ９０、９２、９４と共にドラム４２に巻き取られる。ドラム４２に収納された紙葉類を搬送部２０に繰り出す際には、ドラム４２が図面時計回りの方向（繰出方向）に回転し、ドラム４２から各テープ９０、９２、９４を巻き出すことによって、これらのテープ９０、９２、９４から解放された紙葉類が搬送部２０に繰り出される。紙葉類は、短手方向に沿って搬送される。

　図６に示すように、一時保留部４０には、ドラム４２を回転駆動する駆動モータ６４が設けられている。一時保留部４０には、各テープ９０、９２、９４を案内するための案内ローラ５２、５４と、紙葉類を搬送するための搬送ローラ５１ａ、５１ｂとが設けられている。搬送ローラ５１ａは、案内ローラ５０の回転軸と同軸上に配置されている。搬送ローラ５１ｂは、案内ローラ５２の回転軸と同軸上に配置されている。搬送ローラ５１ａと搬送ローラ５１ｂは外周面を接触した状態で対向配置されている。図８では搬送ローラ５１ａ、５１ｂを省略しているが、搬送ローラ５１ａ、５１ｂは、図８に示す案内ローラ５２の回転軸方向において、３つの案内ローラ５２の間に配置されている。すなわち、１対の搬送ローラ５１ａ、５１ｂが２組設けられている。

　案内ローラ５２、５４によりドラム４２とリール５８との間で各テープ９０、９２、９４が案内される。一時保留部４０には、案内ローラ５２、５４に加えて、３本のテープ９０、９２、９４のうち両外側の各テープ９０、９４を案内するための案内ローラ５０、５６が設けられている。案内ローラ５０、５６により各テープ９０、９４が案内される。図６及び図７に示すように、一時保留部４０には、案内ローラ５０及び案内ローラ５６の軸を支持する略三角形形状の支持板５７が設けられている。

　図７（ａ）及び図８に示すように、３本のテープ９０、９２、９４のうち中央のテープ９２は、ドラム４２とリール５８との間で案内ローラ５２、５４により案内される。ドラム４２が図面反時計回りの方向に回転すると、リール５８から送り出されたテープ９２が案内ローラ５４及び案内ローラ５２を順に経てドラム４２に巻き取られる。リール５８が図面時計回りの方向に回転すると、ドラム４２から送り出されたテープ９２が案内ローラ５２及び案内ローラ５４を順に経てリール５８に巻き取られる。

　図７（ｂ）及び図８に示すように、３本のテープ９０、９２、９４のうち両外側のテープ９０、９４はそれぞれドラム４２とリール５８との間で案内ローラ５２、５４により案内されると共に、ドラム４２の周囲で案内ローラ５０、５６により案内される。ドラム４２が図面反時計回りの方向に回転すると、リール５８から送り出された各テープ９０、９４が案内ローラ５４及び案内ローラ５２を順に経てドラム４２の約半周分だけ当該ドラム４２に巻かれる。さらに、各テープ９０、９４は案内ローラ５６及び案内ローラ５０を順に経てドラム４２に巻き取られる。搬送部２０から一時保留部４０に送られた紙葉類は、案内ローラ５０、５２の間を通過して、一対のテープ９０の間に挟まれかつ一対のテープ９４の間に挟まれる。この紙葉類は、各テープ９０、９４に挟まれた状態で各テープ９０、９４ごとドラム４２に巻き取られる。リール５８が図面時計回りの方向に回転するとドラム４２から送り出された各テープ９０、９４が案内ローラ５０及び案内ローラ５６を順に経てドラム４２の約半周分だけ当該ドラム４２に巻かれる。さらに、各テープ９０、９４は案内ローラ５４及び案内ローラ５２を順に経てリール５８に巻き取られる。

　図６に示すように、リール５８には、当該リール５８と同期して回転する検知板６０が取り付けられている。検知板６０は各テープ９０、９２、９４に対応して３つ設けられる。各検知板６０の近傍には、当該検知板６０の回転量を検知するフォトインタラプタ６２が設けられている。検知板６０には複数の貫通穴６０ａが設けられている。フォトインタラプタ６２は検知板６０の外周縁を挟んで配置された発光素子及び受光素子を有している。検知板６０が回転すると、検知板６０に設けられた各貫通穴６０ａにより、フォトインタラプタ６２における発光素子と受光素子との間の光軸が断続的に透光される。透光状態及び遮光状態の切り替わりの回数（パルス数）に基づいてフォトインタラプタ６２は検知板６０の回転量を検知する。

　図６に示すように、一時保留部４０には、搬送部２０から一時保留部４０に送られた紙葉類をドラム４２に案内したり、ドラム４２から繰り出された紙葉類を搬送部２０に案内したりするための案内ローラ６５、６６、６７、６８が設けられている。また、一時保留部４０には、搬送ローラ５１ａ、５１ｂが設けられている。一対の案内ローラ６５、６６は、その外周面が互いに接触するよう対向配置されている。一対の案内ローラ６７、６８は、その外周面が互いに接触するよう対向配置されている。搬送部２０から一時保留部４０に送られた紙葉類は、一対の案内ローラ６５、６６の間を通過する。その後、紙葉類は、一対の案内ローラ６７、６８の間を通過する。その後、紙葉類は、案内ローラ５０、５２の間、及び搬送ローラ５１ａ、５１ｂの間を通過し、各テープ９０、９２、９４と共にドラム４２に巻き取られる。ドラム４２が図面時計回りの方向に回転すると、各テープ９０、９２、９４がドラム４２からリール５８に巻き戻される。これにより、テープ９０、９２、９４から紙葉類が放出される。放出された紙葉類は一対の案内ローラ６７、６８の間を通過し、次に一対の案内ローラ６５、６６の間を通過した後、搬送部２０に繰り出される。

　図６に示すように、ドラム４２の周縁部には、ドラム４２に巻かれた各テープ９０、９２、９４を囲むように可動ガイド８２が設けられている。可動ガイド８２は、案内ローラ５２の軸８３を中心として回転する。軸８３を中心として可動ガイド８２を反時計回りの方向に付勢する付勢部材として図示しないバネが設けられている。可動ガイド８２には、ドラム４２に巻かれた紙葉類を当該ドラム４２の軸４２ａ側に向かって押圧するベアリング（ローラ）８４が設けられている。付勢部材によって可動ガイド８２が軸８３を中心として図面反時計回りの方向に付勢されることにより、ベアリング８４が上方向に押圧される。ドラム４２に巻かれた紙葉類はベアリング８４によってドラム４２の軸４２ａ側に向かって押圧される。ドラム４２に巻き取られた紙葉類が繰り出されて、ドラム４２の外周面に巻かれた各テープ９０、９２、９４の外部径が小さくなってもベアリング８４は常にドラム４２に巻かれた紙葉類に接触する。この可動ガイド８２上に、複数の突出部８７が設けられているが詳細は後述する。

　図６に示すように、一時保留部４０には、案内部８０、８５が設けられている。案内部８５は可動ガイド８２上に形成されている。案内部８０、８５は、ドラム４２の回転軸方向に沿って並ぶ複数のテープ９０、９２、９４それぞれに対応して設けられている。図６では案内部８０、８５を斜線で示している。

　案内部８０はドラム４２の上方に配置されている。案内部８０は、ドラム４２の回転軸方向における位置が、３本のテープ９０、９２、９４のうち中央のテープ９２に対向する位置に設けられている。案内部８０はドラム４２の軸４２ａと平行に延びる軸８１を中心として回転自在に設けられている。案内部８０の自重により案内部８０の先端部分がドラム４２に巻かれたテープ９２に接触する。ただし、案内部８０の自重により先端部分がテープ９２に接触する代わりに、図示しないバネ等の付勢部材によって案内部８０の先端部分をドラム４２側に付勢してもよい。

　案内部８５は、３本のテープ９０、９２、９４のうち両外側の２本のテープ９０、９４それぞれに対向して可動ガイド８２上に形成されている。すなわち、ドラム４２の回転軸方向における２つの案内部８５の位置がそれぞれテープ９０、９４に対向する位置となっている。図９は、可動ガイド８２の外観を示す斜視図である。図１０は、可動ガイド８２を上方から見た図である。２つの案内部８５より幅方向外側に、紙葉類を収納する際にドラム４２に巻き取られる紙葉類を案内する追加案内部８６が設けられている。

　２つの案内部８５はそれぞれ追加案内部８６からドラム４２側に向かって突出するよう配設されている。各案内部８５の案内面８５ａは、ドラム４２に巻かれた各テープ９０、９４の表面とわずかな隙間を隔ててこれらのテープ９０、９４に対向する。

　図６に示すように、案内部８５が設けられた可動ガイド８２は、ドラム４２に収納された紙葉類の量に応じて軸８３を中心として回動する。可動ガイド８２に設けられたベアリング８４はドラム４２に巻かれた紙葉類に当接している。バネ等の付勢部材によって、可動ガイド８２は軸８３を中心として図面反時計回りの方向に押圧される。このため、ドラム４２に巻かれた紙葉類の量が多い場合でも少ない場合でも、各案内部８５の案内面８５ａとドラム４２に巻かれた各テープ９０、９４の表面との間にわずかな隙間が形成される。

　図９に示すように、可動ガイド８２には４つの突出部８７が配設されている。各突出部８７は同一形状を有し、ドラム４２の回転軸方向から見た場合に４つの突出部８７が重なるように位置を調整して配設されている。各突出部８７は薄板形状を有し、各突出部８７を側方から見た形状は頂部を曲面とする山型形状になっている。

　図１０には各テープ９０、９２、９４の位置を破線で示している。図１０に示すように、ドラム４２の回転軸方向（テープの幅方向）において、テープ９４の外側（図面左側）の位置、テープ９４とテープ９２の間の位置、テープ９２とテープ９０の間の位置、テープ９０の外側（図面右側）の位置の４箇所に突出部８７が配置されている。すなわち、テープ９０の幅方向両外側に２つの突出部８７が１つずつ設けられ、テープ９４の幅方向両外側に２つの突出部８７が１つずつ設けられている。なお、突出部８７の数は適宜変更できる。

　図１１は、ドラム４２に紙葉類が１枚も巻き取られてないときのドラム４２と可動ガイド８２の位置関係を示す図である。図１２は、ドラム４２に紙葉類３０３が巻き取られたときのドラム４２と可動ガイド８２の位置関係を示す図である。図１１は図６（ａ）に対応し、図１２は図６（ｂ）に対応している。

　可動ガイド８２のガイド面から突出した突出部８７は、山型の側面形状を形成する周縁部のうちガイド面から最も離れた頂部の位置がテープ９０、９４よりも上側となるように設けられている。図１１に示すように、ドラム４２に巻き取られた紙葉類がない状態で、各突出部８７の少なくとも一部が、案内ローラ５０とドラム４２との間を走行するテープ９０、９４よりもガイド面から離れた位置にある。図１２に示すように、紙葉類３０３がドラム４２に巻き取られて、可動ガイド８２が軸８３周りに回動した状態でも、各突出部８７の少なくとも一部が、ドラム４２に巻き取られた紙葉類３０３と案内ローラ５０との間を走行するテープ９０、９４よりも、ガイド面から離れた位置にある。ドラム４２に巻かれた紙葉類の枚数によらず、山型の側面形状を有する突出部８７の頂部よりガイド面に近い位置をテープ９０、９４が走行する。すなわち、ドラム４２に巻かれた紙葉類の枚数によらず、入出ユニット２３０とドラム４２との間の所定領域では、突出部８７の頂部がテープ９０、９４よりも上方にある。

　案内ローラ５０の近傍には、スクレーパ９６が設けられている。スクレーパ９６は、案内ローラ５０の回転軸方向において、各テープ９０、９４に対応する位置に設けられている。スクレーパ９６は、案内ローラ５０の軸を中心として回転自在に設けられている。スクレーパ９６の軸には、図示しないねじりバネ等の付勢部材が設けられている。この付勢部材によりスクレーパ９６は図面時計回りの方向に付勢される。これによりスクレーパ９６の先端は、ドラム４２に巻かれた紙葉類の量が多い場合でも少ない場合でも、ドラム４２と案内ローラ５０との間にある各テープ９０、９４と常に接触する。

　図１３は、スクレーパ９６の構造を示す図である。図１３（ａ）～（ｃ）はそれぞれスクレーパ９６の斜視図、側面図、正面図である。図１３に示すように、スクレーパ９６の先端には直線部９６ａが形成されている。テープ９０、９４の幅方向に延びるスクレーパ９６の頂部が、直線部９６ａである。紙葉類の収納時及び繰出時には、図１３（ａ）に示すように直線部９６ａがテープ９０、９４の上面と接触する。図１３（ａ）に示すように、ドラム４２の回転軸方向、すなわちテープ９０、９４の幅方向における直線部９６ａの幅ｄは、テープ９０、９４の幅ｅより小さい（ｄ＜ｅ）。直線部９６ａの両外側は側面の曲線部９６ｂと接続されている。曲線部９６ｂの一部もテープ９０、９４の上面と接触する。

　図１３（ｂ）に示すように、スクレーパ９６は、曲線部９６ｂがテープ９０、９４の上面と略平行となるように配置される。厳密には、スクレーパ９６の直線部９６ａをテープ９０、９４表面に接触させた場合、直線部９６ａから離れた後方位置、すなわち直線部９６ａから図１３（ｂ）右方向に離れた位置で、テープ９０、９４の上面が曲線部９６ｂより僅かに高い位置となる。このため、スクレーパ９６の直線部９６ａがテープ９０、９４の表面に確実に接触する。直線部９６ａから後方の位置ではテープ９０、９４の断面が徐々に湾曲する。具体的には、図１３（ｃ）に破線で示すようにテープ９０、９４の幅方向中央が両外側より僅かに高い湾曲形状となる。

　このように、スクレーパ９６の先端部分をテープ９０、９４に確実に接触させることで、ドラム４２に巻かれた紙葉類の一部がスクレーパ９６側へ垂れ下がった場合でも、この紙葉類の一部がスクレーパ９６とテープ９０、９４との間に入り込むことを防止することができる。

　一時保留部４０は、テープ９０、９４が巻回されているリール５８を備える。一時保留部４０は、ドラム４２を巻取方向に回転することにより、リール５８から巻き取ったテープ９０、９４と共に紙葉類をドラム４２に巻き取る。一時保留部４０は、ドラム４２にテープ９０、９４の多層部を形成する。一時保留部４０は、ドラム４２を繰出方向に回転することにより、テープ９０、９４をリール５８に巻き戻して、ドラム４２のテープ９０、９４の多層部から紙葉類を繰り出す。一時保留部４０は、テープ９０、９４をガイドする案内ローラ５６を備える。入出ユニット２３０は、テープ９０、９４をガイドする案内ローラ５０、５２を含んでいる。テープ９０、９４は、ドラム４２と案内ローラ５６との間の領域において、テープ９０、９４の多層部と多層部ではない非多層部とが離間することにより空間が形成されるように配置されている。突出部８７は、繰出方向に回転するドラム４２から紙葉類が繰り出されている際、回転するテープ９０、９４の多層部に保持されている他の紙葉類を下方から支持する。

　一時保留部４０は、テープ９０、９４が巻回されているリール５８の回転軸と同軸上に配置され、テープ９２が巻回されているリール５８を備える。一時保留部４０は、巻取方向に回転することにより、テープ９２が巻回されているリール５８から巻き取ったテープ９２と共に紙葉類を巻き取り、テープ９２の多層部を形成すると共に、繰出方向に回転することにより、テープ９２をリール５８に巻き戻してテープ９２の多層部から紙葉類を繰り出すドラム４２を備える。一時保留部４０は、テープ９２をガイドする案内ローラ５０、５２を含み、繰出方向に回転するドラム４２から紙葉類が繰り出されている際、回転するテープ９２の多層部に保持されている他の紙葉類を下方から支持する突出部８７を備える。

　このように、一時保留部４０に突出部８７を設けることによって、ドラム４２に巻かれた紙葉類の一部が繰出対象の紙葉類の方へ垂れ下がった場合でも、この垂れ下がった紙葉類の切れ部分と繰出対象の紙葉類とを突出部８７によって分離することができる

＜変形例１＞
　図１では、複数のテープの間に紙葉類を挟み、テープごとドラムに巻き取って収納する態様を示したが、紙葉類の収納方法がこれに限定されるものではない。図１４は、図１に示す収納繰出装置１００の別の構成例を示す模式図である。

　図１４に示す収納繰出装置１００は、以下の点が図１に示した構成と異なる。図１４に示す収納繰出装置１００は、図１に示すテープ１４１及びリール１２１を有さない。入出ユニット４３０を通過する紙葉類は、上下からテープにより挟まれておらず、紙葉類の下方のみに配置されたテープ１４２の上にある。図１４に示す収納繰出装置１００は、案内ローラ１３２に対向配置されたローラ４３１を有する。図１４に示す収納繰出装置１００は、第１の可動ガイド１５０に加えて第２の可動ガイド４５０を有する。

　ローラ４３１は軸４３１ａを中心とする時計回りと反時計回りの両方向に回転可能に設けられている。紙葉類の収納時及び繰出時にテープ１４２が走行すると、このテープ１４２に外周面を接触させたローラ４３１も回転する。ローラ４３１は紙葉類を搬送する搬送ローラとして機能する。

　テープ１４２を挟んで第１の可動ガイド１５０と対向配置された第２の可動ガイド４５０は第１の可動ガイド１５０と同様に図面奥行方向に長い板形状を有する。第２の可動ガイド４５０は軸４３１ａ周りに回転可能に設けられている。第２の可動ガイド４５０は、矢印２０５で示すように、図示しないバネ部材によって反時計回りの方向に付勢されている。第２の可動ガイド４５０はドラム１１０に巻き取られた紙葉類３００の枚数に合わせて移動しながら、ドラム１１０に巻き取られる紙葉類をガイドする。

　図１４に示す構成ではローラ４３１及び案内ローラ１３２が入出ユニット４３０を構成する。なお、図１４に示す構成に、図１に示した搬送ローラ１３５及び１３６を加えて入出ユニット４３０とする態様であってもよい。

　紙葉類は、案内ローラ１３２によって案内されるテープ１４２とローラ４３１との間を通って矢印２０１で示すように入出される。紙葉類を収納する際にはドラム１１０が時計回りの方向に回転する。ドラム１１０が回転すると案内ローラ１３２が回転してテープ１４２が走行する。テープ１４２が走行するとローラ４３１が回転する。ローラ４３１と案内ローラ１３２との間をテープ１４２と共に通過した紙葉類は、２つの可動ガイド１５０、４５０の間を通ってテープ１４２と共にドラム１１０に巻き取られて収納される。１枚目の紙葉類はドラム１１０の外周面とテープ１４２との間に挟まれた状態で収納されることになる。

　紙葉類を繰り出す際にはリール１２２が時計回りの方向に回転する。リール１２２が回転すると案内ローラ１３２、ローラ４３１及びドラム１１０も回転する。テープ１４２と共にドラム１１０から送り出された紙葉類は、２つの可動ガイド１５０、４５０の間を通りローラ４３１と案内ローラ１３２の間を経て装置外へ繰り出される。

　このように、収納繰出装置１００が、１枚目の紙葉類をドラム１１０の外周面とテープ１４２との間に挟んで巻き取る構成を有する場合も、可動ガイド１５０に突出部１５２を設けることによりジャムの発生を抑制することができる。具体的には、ドラム１１０に巻かれた紙葉類に切れ目があって切れ部分がドラム１１０から離れて垂れ下がった場合でも、突出部１５２により、この切れ部分が入出ユニット４３０を構成するローラ４３１と案内ローラ１３２との間に巻き込まれることを防ぐことができる。

　この場合も、側面が略三角形状の突出部１５２の頂部より低い位置をテープ１４２が走行するように突出部１５２を設けることにより、図１で説明したように、繰出方向へ強制移動される紙葉類と自由に移動できる切れ部分とを分離する効果と、切れ部分の先端がローラ４３１に近付くことを妨げる効果と、切れ部分の先端がローラ４３１に近付くまでの移動距離を長くしてその間にドラム１１０の回転に伴って切れ部分を上方へ移動させる効果とを期待できる。

＜変形例２＞
　図１では、テープ１４１、１４２を案内する案内ローラ１３１、１３２が略同一形状を有する例を示したが、案内ローラ１３１と案内ローラ１３２とが異なる形状を有していてもよい。図１５は、案内ローラ２３１、２３２の形状が異なる例を示す模式図である。図１５に示す収納繰出装置１００は、図１に示す案内ローラ１３１、１３２に代えて、案内ローラ２３１、２３２を備えている点が、図１に示す収納繰出装置１００と異なっている。なお、図１５では、図１に示す搬送ローラ１３５、１３６及び可動ガイド１５０に係る構成の図示を省略している。

　図１５に示すように、案内ローラ２３１は、案内ローラ２３２と異なる形状を有する。図１６は、案内ローラ２３１、２３２の形状の違いを示す図である。図１６（ａ）に示すように、案内ローラ２３１は、筒形状の本体２３１ａの軸方向両外側に薄板円形状のフランジ２３１ｂを設けた形状を有している。両外側のフランジ２３１ｂの外径Ｄ１２は、本体２３１ａの外径Ｄ１１よりが大きい（Ｄ１２＞Ｄ１１）。図１５に示すように、案内ローラ１３１は、２つのフランジ２３１ｂの間を通るテープ１４１を、本体２３１ａの外周面に沿って案内する。図１６（ｂ）に示すように、案内ローラ２３２も、筒形状の本体２３２ａの軸方向両外側に薄板円形状のフランジ２３２ｂを設けた形状を有している。両外側のフランジ２３１ｂの外径Ｄ２２は、本体２３２ａの外径Ｄ２１より大きい（Ｄ２２＞Ｄ２１）。図１５に示すように、案内ローラ２３２は、案内ローラ２３１と隙間をあけて対向配置され、２つのフランジ２３１ｂの間を通るテープ１４２を本体２３１ａの外周面に沿って案内する。

　図１５に示すように、案内ローラ２３１は、ドラム１１０の径方向においてテープ１４２よりもドラム１１０に近い位置を走行するテープ１４１を案内する。案内ローラ２３２は、ドラム１１０の径方向においてテープ１４１よりもドラム１１０から離れた位置を走行するテープ１４２を案内する。

　案内ローラ２３２のフランジ外径Ｄ２２に対する本体外径Ｄ２１の割合に比べて、案内ローラ２３１のフランジ外径Ｄ１２に対する本体外径Ｄ１１の割合の方が小さくなっている（Ｄ２１／Ｄ２２＞Ｄ１１／Ｄ１２）。案内ローラ２３２のフランジ外径Ｄ２２と、案内ローラ２３１のフランジ外径Ｄ１２とが同一である場合は（Ｄ２２＝Ｄ１２）、案内ローラ２３２の本体外径Ｄ２１より案内ローラ２３１の本体外径Ｄ１１の方が小さい（Ｄ２１＞Ｄ１１）。

　例えば、案内ローラ２３１のフランジ外径Ｄ１２と案内ローラ２３２のフランジ外径Ｄ２２とが共に２２ｍｍであるときに、案内ローラ２３２の本体外径Ｄ２１が２０ｍｍ、案内ローラ２３１の本体外径Ｄ１１が１２ｍｍに設定される。

　図１５に示す点Ｐ１１は、テープ１４１が、ドラム１１０に巻かれた紙葉類３００から離間する位置（離間点）を示している。点Ｐ１２は、テープ１４１が、案内ローラ２３１の２つのフランジ２３１ｂの間で本体２３１ａの外周面と接する位置（接点）を示している。テープ１４１は、点Ｐ１１と点Ｐ１２とを結ぶ線分上を走行する。点Ｐ１４は、線分上を走行するテープ１４１と、案内ローラ２３１のフランジ２３１ｂ外周とが交差する位置（交点）を示している。

　案内ローラ２３１の本体外径Ｄ１１が、案内ローラ２３２の本体外径Ｄ２１と同じである場合、テープ１４１が本体２３１ａに接する位置が点Ｐ１２からＰ１３に移動し、テープ１４１は、図１５に一点鎖線で示す線上を走行することになる。このとき、テープ１４１と案内ローラ２３１のフランジ２３１ｂの外周とが交差する位置は点Ｐ１４から点Ｐ１５に移動する。

　案内ローラ２３１の本体外径Ｄ１１を案内ローラ２３２の本体外径Ｄ２１より小さくすることにより、点Ｐ１２から点Ｐ１４までの距離を、本体外径Ｄ１１を本体外径Ｄ２１と同一した場合の点Ｐ１３から点Ｐ１５までの距離に比べて、拡大することができる。

　ドラム１１０に巻かれた紙葉類に破れがあると、切れ部分がテープ１４１に接触する可能性がある。この切れ部分が、テープ１４１と案内ローラ２３１の本体２３１ａとの間に噛み込まれるとジャムの原因となる。図１５に示すように、テープ１４１が本体２３１ａに接する点Ｐ１２からフランジ２３１ｂ外周の点Ｐ１４までの距離を大きくすることで、紙葉類の切れ部分がテープ１４１と本体２３１ａとの間に入り込み難くすることができる。

＜変形例３＞
　図１では、可動ガイド１５０に突出部１５２を設ける例を示したが、可動ガイド１５０とは別に、突出部１５２を設けてもよい。図１７は、可動ガイド１５０とは別に、突出部２５２を有する可動部材２６０を設けた例を示す模式図である。図１７に示す収納繰出装置１００は、可動ガイド１５０に突出部１５２が形成されておらず、突出部２５２を有する可動部材２６０を備える点が、図１に示す収納繰出装置１００と異なっている。なお、図１７では、図１に示す搬送ローラ１３５、１３６に係る構成の図示を省略している。

　図１７に示す可動部材２６０は、可動ガイド１５０の下側にある。可動部材２６０は、案内ローラ１３２の軸１３２ａ周りに回動可能に設けられている。可動部材２６０は、図示しない駆動部によって回動駆動される。可動部材２６０の上面には、図１に示す突出部１５２と同様に三角形状を有する突出部２５２が形成されている。可動ガイド１５０には、突出部２５２に対応して、貫通穴１５０ａが形成されている。図１７（ａ）に示すように、ドラム１１０が繰出方向に回転して紙葉類３００を繰り出す間、可動部材２６０が時計回りの方向に回動して、可動ガイド１５０の貫通穴１５０ａから上方へ突出部２５２が突出する。突出部２５２は、可動ガイド１５０のガイド面（上面）よりも上方へ突出する。可動部材２６０は、突出部２５２をガイド面から所定高さ突出させた位置で停止する。紙葉類３００の枚数に応じて可動ガイド１５０が移動するのに伴って、可動部材２６０も可動ガイド１５０と共に移動する。これにより、ドラム１１０に紙葉類３００を巻き取る間、突出部２５２が、可動ガイド１５０の貫通穴１５０ａから突出した状態を維持できるようになっている。可動ガイド１５０のガイド面から突出した突出部２５２は、上述した図１の突出部１５２と同様に動作して同様の機能を実現することができる。

　図１７（ｂ）に示すように、収納繰出装置１００は、ドラム１１０が収納方向に回転して紙葉類３００をドラム１１０に巻き取る間、可動部材２６０を回動して、可動ガイド１５０の貫通穴１５０ａの中に突出部２５２を収納することができる。駆動部が可動部材２６０を反時計周りに回動することにより、突出部２５２が貫通穴１５０ａに収納される。収納時には、突出部２５２の先端が、可動ガイド１５０のガイド面より下方の位置となる。

　図１８及び図１９は、図１７に示す構成を、図５～１３に示す収納繰出装置（一時保留部）４０に適用した例を示す図である。図１８は、可動ガイド８２から独立して設けられた可動部材１９０の構造を説明するための斜視図である。図１８（ａ）が図１７（ａ）に対応し、図１８（ｂ）が図１７（ｂ）に対応している。図１９は、図１８に示す可動部材１９０の動作を説明するための側面図である。図１９（ａ）が図１８（ａ）に対応し、図１９（ｂ）が図１８（ｂ）に対応している。

　図１８及び図１９に示す収納繰出装置４０は、可動ガイド８２に突出部８７が形成されず、突出部１８７を有する可動部材１９０を備える点と、ドラム４２の軸４２ａが可動部材１９０を回動する駆動部として機能する点とが、図５～１３に示す収納繰出装置４０と異なる。なお、図１８及び図１９では、図５～１３に示す収納繰出装置４０との差違を説明するための構成を示し、他の一部の構成の図示を省略している。

　図１８に示すように、可動部材１９０は、可動ガイド８２の下側（裏面側）にある。軸８３周りに回動可能に設けられた可動部材１９０に、三角形状を有する複数の突出部１８７が形成されている。可動ガイド８２には、各突出部１８７に対応して貫通穴が形成されている。ドラム４２の軸４２ａには、トルクリミッタを介してリンク１９１が取り付けられている。ドラム４２が軸４２ａと共に回転すると、この回転駆動力がトルクリミッタを介してリンク１９１に伝えられ、リンク１９１が軸４２ａ周りに回転するようになっている。リンク１９１の先端に軸１９１ａが設けられている。この軸１９１ａを可動部材１９０に形成された長穴に差し込むことにより、リンク１９１と可動部材１９０とが接続されている。リンク１９１が回動すると、軸１９１ａが、可動部材１９０の長穴内を移動しながら可動部材１９０を軸８３周りに回動させる。

　図１９（ａ）に示すように、軸４２ａがドラム４２を繰出方向に回転させて、ドラム４２に巻き取って収納していた紙葉類３００を繰り出す際には、軸４２ａが、トルクリミッタを介して、リンク１９１を反時計回りの方向に回動する。これに伴い、リンク１９１の軸１９１ａが、可動部材１９０を軸８３周りに時計回りの方向に回動させる。回動した可動部材１９０は、突出部１８７を可動ガイド８２の貫通穴から上方へ突出させる。図１８（ａ）に示すように、複数の突出部１８７それぞれが、可動ガイド８２のガイド面より上方へ突出する。可動部材１９０は、一部が可動ガイド８２の下面に接触して停止する。可動部材１９０の停止に伴ってリンク１９１の回動も停止するが、トルクリミッタの機能により、ドラム４２は繰出方向への回転を続けることができる。ドラム４２が回転する間、リンク１９１は、突出部１８７の先端が可動ガイド８２の裏面側から表面側のガイド面より上方へと移動する時計回りの方向に、可動部材１９０を付勢する。これにより、ドラム４２に紙葉類３００を巻き取る間、突出部１８７が、可動ガイド８２の貫通穴からガイド面の上方へ突出した状態が維持される。可動ガイド８２のガイド面から突出した突出部１８７は、図５～１３を参照しながら説明した突出部８７と同様に動作して同様の機能を実現することができる。

　図１９（ｂ）に示すように、軸４２ａがドラム４２を収納方向に回転させて紙葉類３００をドラム４２に巻き取って収納する際には、軸４２ａが、トルクリミッタを介して、リンク１９１を時計回りの方向に回動する。これに伴い、リンク１９１の軸１９１ａが、可動部材１９０を軸８３周りに反時計回りの方向に回動させる。回動した可動部材１９０は、突出部１８７を可動ガイド８２のガイド面より下方へ退避させる。図１８（ｂ）に示すように、複数の突出部１８７それぞれが、突出部先端が可動ガイド８２のガイド面より下方となる位置まで退避する。可動部材１９０は、リンク１９１の軸１９１ａが、可動部材１９０に形成された長穴の長手方向一端側に接触する位置で停止する。可動部材１９０の停止に伴ってリンク１９１の回動も停止するが、トルクリミッタの機能により、ドラム４２は収納方向に回転を続けることができる。ドラム４２が回転する間、リンク１９１は、突出部１８７の先端が可動ガイド８２のガイド面より下方へ退避する反時計回りの方向に、可動部材１９０を付勢する。これにより、ドラム４２に紙葉類３００を巻き取る間、突出部１８７が、可動ガイド８２のガイド面より下方へ退避した状態が維持される。

　突出部１８７は、収納繰出装置１００から紙葉類を繰り出すときに、紙葉類の切れ部分を支持するために利用される。図１に示す収納繰出装置１００では、紙葉類を収納するときに紙葉類が突出部１５２に衝突し、突出部１５２を乗り越えてドラム１１０に巻かれることになる。図１７～図１９に示すように、紙葉類を収納する間、可動ガイド８２のガイド面より下方に突出部１８７を退避する構造とすることで、収納時に紙葉類が突出部に衝突することがなくなり、紙葉類を円滑に収納することが可能となる。

　また、紙葉類の収納時に突出部１８７を退避する構造とすることで、紙葉類の繰出時に可動ガイド８２のガイド面から上方へ突出する突出部１８７の突出量を大きく設定することができる。例えば、図４に示す構成において、突出部１５２の突出量を大きくすることにより、スクレーパ１３３を省略した構成とすることも可能となる。

＜変形例４＞
　図１に示す収納繰出装置１００のドラム１１０及びリール１２１、１２２は、それぞれが別々の駆動部によって駆動される態様に限定されず、１つの駆動部によって駆動される態様であってもよい。

　図２０は、１つの駆動部４００によって、ドラム１１０と、２つのリール１２１、１２２とを駆動する例を示す模式図である。なお、図２０～図２２では、ドラム１１０とリール１２１、１２２の動作を説明するため一部の構成の図示を省略している。

　テープ１４１は、一端がリール１２１に固定され、他端がドラム１１０に固定されている。テープ１４１は、リール１２１とドラム１１０の間で、複数の案内ローラ４０２によって案内されている。テープ１４２は、一端がリール１２２に固定され、他端がドラム１１０に固定されている。テープ１４２は、リール１２２とドラム１１０の間で、複数の案内ローラ４０２によって案内されている。

　図２０に示すように、ドラム１１０を回転駆動するための駆動ローラ１１０ａと、リール１２１、１２２を回転駆動するための駆動軸１２１ａ、１２２ａと、駆動部４００の駆動軸とに、１本の駆動ベルト４０１が掛け渡されている。駆動部４００による回転駆動の力が、駆動ベルト４０１を介して、駆動ローラ１１０ａ及び駆動軸１２１ａ、１２２ａに伝達される。駆動ローラ１１０ａが回転すると、ドラム１１０は駆動ローラ１１０ａと共に回転する。

　リール１２１、１２２は、それぞれがワンウェイクラッチ及びトルクリミッタを介して、駆動軸１２１ａ、１２２ａと接続されている。ワンウェイクラッチの機能により、時計回りの方向の駆動軸１２１ａ、１２２ａの回転はリール１２１、１２２には伝達されず、反時計回りの方向の駆動軸１２１ａ、１２２ａの回転のみがリール１２１、１２２に伝達されるようになっている。

　図２０（ａ）に矢印５０１で示すように紙葉類を収納する際には、駆動部４００が、駆動ベルト４０１により、ドラム１１０を時計回りの方向に回転駆動する。回転駆動されるドラム１１０は、テープ１４１、１４２を巻き取る。このとき、ワンウェイクラッチの機能により、駆動部４００による回転駆動力はリール１２１、１２２には伝達されない。このため、リール１２１、１２２は回転駆動されず、ドラム１１０がテープ１４１、１４２を巻き取るのに伴って、時計回りの方向に従動的に回転する。

　図２０（ｂ）に矢印５０２で示すように紙葉類を繰り出す際には、駆動部４００が、駆動ベルト４０１により、ドラム１１０を反時計回りの方向に回転駆動する。また、駆動部４００は、駆動ベルト４０１により、リール１２１、１２２を反時計回りの方向に回転駆動する。回転駆動されるリール１２１、１２２は、テープ１４１、１４２を巻き取る。このとき、ドラム１１０も反時計回りの方向に回転駆動されて、テープ１４１、１４２を繰り出す。

　リール１２１、１２２がテープ１４１、１４２を巻き取る巻取速度と、ドラム１１０がテープを繰り出す繰出速度とが異なる場合も、駆動軸１２１ａ、１２２ａとリール１２１、１２２との間に設けられたトルクリミッタの機能によって、速度差が吸収されるようになっている。駆動ローラ１１０ａ及び駆動軸１２１ａ、１２２ａの径は、各リール１２１、１２２がテープ１４１、１４２を巻き取る巻取速度が、ドラム１１０がテープ１４１、１４２を繰り出す繰出速度よりも速くなるように設定されている。リール１２１、１２２の巻取速度は、ドラム１１０に巻き取られた紙葉類の枚数によらず、ドラム１１０の繰出速度より速くなる。この速度差をトルクリミッタによって吸収することにより、テープ１４１、１４２が途中でたるんだり切れたりしないようになっている。

　装置内に生じたジャム等によって、テープ１４１、１４２がたるんだ状態となる場合がある。例えば、ドラム１１０が繰り出したテープ１４１、１４２が途中で何かに引っ掛かってテープ１４２が先へ進まなかった場合に、テープ１４１、１４２がたるむ場合がある。

　収納繰出装置１００は、テープ１４１、１４２のたるみを取るための動作を行うことができる。図２１は、テープ１４２のたるみを取る動作を説明するための模式図である。以下、図２１（ａ）に示すようにテープ１４２にたるみが生じている場合を例に、たるみを取る動作を説明するが、テープ１４１がたるんだ場合も同様にたるみを取ることができる。

　収納繰出装置１００は、図２１（ｂ）に矢印で示すように、駆動部４００によって、テープ１４１、１４２を巻き取る方向にリール１２１、１２２を回転駆動する。このとき、駆動部４００は、ドラム１１０に巻かれている紙葉類が装置外へ出ないように予め設定された長さだけドラム１１０からテープ１４１、１４２が繰り出されるように、リール１２１、１２２を回転駆動する。リール１２２によるテープ１４２の巻取速度は、ドラム１１０によるテープ１４２の繰出速度より高速に設定されている。このため、テープ１４２にたるみがあれば、リール１２２を回転駆動することにより、たるみの少なくとも一部が解消される。続いて収納繰出装置１００は、図２１（ｃ）に示すように、駆動部４００によって、テープ１４１、１４２を巻き取る方向にドラム１１０を回転駆動する。このときも、駆動部４００は、予め設定された所定長さだけドラム１１０がテープ１４１、１４２を巻き取るようにドラム１１０を回転駆動する。

　収納繰出装置１００は、ドラム１１０及びリール１２１、１２２のそれぞれに対応して、図６で説明した検知板６０及びフォトインタラプタ６２と同様の構成を有するセンサを備えている。これにより、収納繰出装置１００は、ドラム１１０、リール１２１及びリール１２２それぞれの回転量を個別に検知することができる。

　図２１（ｃ）に示すようにドラム１１０がテープ１４１、１４２を巻き取る際には、駆動部４００による回転駆動力はリール１２１、１２２へは伝わらない。図２１（ｃ）に示すようにテープ１４１が張った状態で、ドラム１１０がテープ１４１を所定長さ巻き取ると、破線矢印で示すようにリール１２１も従動回転する。

　一方、図２１（ｃ）に示すようにドラム１１０が、たるんだテープ１４２を所定長さ巻き取った後もテープ１４２にたるみが残る場合、ドラム１１０がテープ１４２を巻き取る間、リール１２２は回転しない。収納繰出装置１００は、ドラム１１０がテープ１４２を巻き取る方向に回転したにも拘わらず、リール１２２が従動回転しないことをセンサで検知する。これにより、収納繰出装置１００は、テープ１４２にたるみが残っていることを検知することができる。

　図２１（ｂ）に示すリール１２１、１２２の巻取動作と、図２１（ｃ）に示すドラム１１０の巻取動作とを行っても、テープ１４２にたるみが残っている場合、収納繰出装置１００は、図２１（ｂ）の巻取動作及び図２１（ｃ）の巻取動作を繰り返す。

　リール１２１、１２２の巻取動作及びドラム１１０の巻取動作を行って、テープ１４２のたるみがなくなった場合、図２１（ｄ）に破線矢印で示すように、リール１２２もドラム１１０の回転に伴って従動回転する。収納繰出装置１００は、テープ１４２を巻き取るドラム１１０の回転に伴って、両方のリール１２１、１２２が従動回転したことをセンサで検知する。これにより、収納繰出装置１００は、２本のテープ１４１、１４２にたるみがないことを検知することができる。

　このように、収納繰出装置１００は、リール１２１、１２２による所定長さのテープ１４１、１４２の巻取動作と、ドラム１１０による所定長さのテープ１４１、１４２の巻取動作とを、少なくとも１回ずつ行う。これにより、収納繰出装置１００は、テープ１４１、１４２のたるみを解消すると共に、たるみの解消を検知することができる。

　リール１２１、１２２の回転駆動と、ドラム１１０の回転駆動とを、予め設定された所定回数繰り返し行ってもテープ１４１、１４２のたるみを解消できなかった場合、収納繰出装置１００は、たるみの解消は不可能と判定して、これを装置利用者に報知する。図２２は、テープ１４２のたるみを解消できない場合の例を説明するための模式図である。

　図２２（ａ）に示すように、テープ１４２が、ある位置４０４で引っ掛かって動かなくなっているとする。図２１（ｂ）と同様に、収納繰出装置１００が所定長さのテープ１４２をリール１２２に巻き取る動作を行うと、図２２（ｂ）に示すように、テープ１４２が僅かにリール１２２に巻き取られ、位置４０４とリール１２２との間でテープ１４２が張った状態となる。その後は、リール１２２はテープ１４２を巻き取ることができずに停止して、トルクリミッタの機能により、リール１２２の駆動軸１２２ａだけが回転することになる。一方、ドラム１１０は、リール１２２が停止した後もテープ１４２を繰り出し続けるため、図２２（ｂ）に示すように、ドラム１１０と位置４０４との間で、図２２（ａ）に示す状態よりもさらにテープ１４２がたるんだ状態になる。

　続いて収納繰出装置１００は、図２１（ｃ）及び（ｄ）と同様に、所定長さのテープ１４２をドラム１１０に巻き取る動作を行う。この結果、図２２（ｃ）に示すように、ドラム１１０と位置４０４との間でテープ１４２のたるみの一部が解消されるが、位置４０４で引っ掛かったテープ１４２が動かないため、リール１２２が回転することはない。収納繰出装置１００は、ドラム１１０がテープ１４２を巻き取る方向に回転したにも拘わらず、リール１２２が従動回転しないことから、テープ１４２にたるみが残っていることを検知する。その後、図２２（ｂ）に示すリール１２２の巻取動作と、図２２（ｃ）に示すドラム１１０の巻取動作とを繰り返し行っても、ドラム１１０と位置４０４との間でテープ１４２のたるみの量が変化するだけで、たるみが解消することはない。

　例えば、リール１２２の巻取動作とドラム１１０の巻取動作とをそれぞれ所定回数繰り返した後、テープ１４２のたるみが解消されないことを検知した収納繰出装置１００は、たるみの解消は不可能と判定して判定結果を装置利用者に報知する。例えば、収納繰出装置１００が、紙葉類処理装置１０に内蔵されて利用されている場合、テープ１４１、１４２のたるみに係る異常は、収納繰出装置１００から紙葉類処理装置１０へ通知される。紙葉類処理装置１０は、表示部に情報を表示したり、音及び光を発したりするなどして、テープ１４１、１４２の異常を利用者に伝える。報知を受けた利用者は、異常の内容を確認してテープ１４１、１４２の引っ掛かりを解消するなどの対応をとることができる。

　本実施形態では、側面が略三角形の薄板形状を有する突出部を示したが、突出部の形状は特に限定されない。ガイド面から突出して形成された突出部の少なくとも一部の領域が、ドラムと入出ユニットとの間を走行するテープよりもガイド面から離れた位置にあれば側面形状が三角形以外の形状であってもよい。突出部が薄板形状に限定されるものではなく、例えば、突出部を上方から見た形状が円形や楕円形であってもよい。

　上述したように、本実施形態に係る紙葉類収納繰出装置によれば、ドラムと、該ドラムとの間で紙葉類を入出する入出ユニットとの間に突出部が設けられている。紙葉類の繰出時に、ドラムに巻かれた紙葉類に切れ目があって、該紙葉類の一部がドラムから離れて垂れ下がった場合でも、突出部によって、この垂れ下がった部分を繰出対象の紙葉類から分離することができる。入出ユニットには、例えばスクレーパ、ガイド、ローラの少なくともいずれか１つの部材が含まれるが、突出部の機能により、ドラムに巻かれた紙葉類の一部が、繰出対象の紙葉類と共に入出ユニットの部材に巻き込まれてジャムが発生することを抑制することができる。

　以上のように、本発明に係る紙葉類収納繰出装置及び紙葉類処理装置は、紙葉類収納繰出装置内におけるジャムの発生を抑制するために有用である。

１０　紙葉類処理装置
１２　筐体
１４　入出金部
１４ａ　仕切部材
１６　第１繰出機構
１８　第２繰出機構
２０　搬送部
２２　識別部
２４　幅方向位置合わせ部
２６　偽券収納部
３０、３２　紙葉類収納繰出部
３１、３３　繰出機構
４０　一時保留部（紙葉類収納繰出装置）
４２、１１０　ドラム
５０、５２～５６、６５～６８、１３１、１３２、２３１、２３２、４０２　案内ローラ
５１、１３５、１３６　搬送ローラ
５７　支持板
５８、１２１、１２２　リール
６０　検知板
６２　フォトインタラプタ
６４　駆動モータ
８０、８５　案内部
８６　追加案内部
８２、１５０、４５０　可動ガイド
８４　ベアリング（ローラ）
８７、１５２、２５２　突出部
９０～９４、１４１、１４２　テープ
９６、１３３　スクレーパ
１００　収納繰出装置
１３０、２３０、４３０　入出ユニット
１５１、４３１　ローラ
１９０、２６０　可動部材
１９１　リンク
４００　駆動部
４０１　駆動ベルト

Claims

　テープと共に紙葉類の収納及び繰り出しを行う収納繰出装置であって、
　前記テープが巻回されたリールと、
　紙葉類の収納時には前記紙葉類を前記リールから繰り出された前記テープと共に巻き取り、紙葉類の繰出時には前記紙葉類を巻き取った前記テープと共に繰り出すドラムと、
　紙葉類の収納時には紙葉類及び前記テープを前記ドラムへ送り、紙葉類の繰出時には前記ドラムが繰り出した前記紙葉類及び前記テープを受ける入出ユニットと、
　前記入出ユニットと前記ドラムの間の所定領域において、前記所定領域を走行する前記テープの方に突出した突出部と
を備えることを特徴とする紙葉類収納繰出装置。
　前記突出部は、前記所定領域を搬送される紙葉類よりも上方に突出することを特徴とする請求項１に記載の紙葉類収納繰出装置。
　前記突出部は、前記ドラムに巻かれた前記テープの長さに応じて、前記ドラムの径方向に移動可能に設けられ、
　前記突出部は、前記ドラムに巻かれた前記テープの長さによらず、前記所定領域において搬送される紙葉類よりも上方に突出する
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の紙葉類収納繰出装置。
　前記ドラムの下方に配置され、前記所定領域において紙葉類をガイドするガイド部
をさらに備え、
　前記突出部は、前記ガイド部に設けられていることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の紙葉類収納繰出装置。
　前記突出部は、前記テープと重ならない位置に配置されることを特徴とする請求項１～４のいずれか１項に記載の紙葉類収納繰出装置。
　前記突出部を複数含み、
　前記テープは、複数の前記突出部のうち隣接する突出部の間に配置されていることを特徴とする請求項１～５のいずれか１項に記載の紙葉類収納繰出装置。
　前記突出部は、前記所定領域におけるテープの走行方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項１～６のいずれか１項に記載の紙葉類収納繰出装置。
　前記入出ユニットは、先端部が前記テープの表面と接触するスクレーパを含むことを特徴とする請求項１～７のいずれか１項に記載の紙葉類収納繰出装置。
　前記スクレーパは、前記テープの表面と接触する先端部分を有し、
　前記先端部分は、前記テープの走行方向に垂直な方向に延びる頂部を有し、
　前記頂部の長さは、前記垂直な方向において前記テープの幅より小さい
ことを特徴とする請求項８に記載の紙葉類収納繰出装置。
　前記入出ユニットは、紙葉類を搬送する搬送ローラを含むことを特徴とする請求項１～９のいずれか１項に記載の紙葉類収納繰出装置。
　前記入出ユニットは、テープを案内する案内ローラを含むことを特徴とする請求項１～１０のいずれか１項に記載の紙葉類収納繰出装置。
　前記リールは複数設けられ、
　前記ドラムは、複数の前記リールの各々から前記テープを巻き取るように構成されている
ことを特徴とする請求項１～１１のいずれか１項に記載の紙葉類収納繰出装置。
　複数のテープは、前記ドラムの軸方向に並べて配置されていることを特徴とする請求項１２に記載の紙葉類収納繰出装置。
　１枚目に収納される紙葉類が前記ドラムの外周面とテープとの間に挟まれた状態で前記ドラムに巻き取られる構成を有することを特徴とする請求項１～１３のいずれか１項に記載の紙葉類収納繰出装置。
　１枚目に収納される紙葉類が複数のテープの間に挟まれた状態で前記ドラムに巻き取られる構成を有することを特徴とする請求項１～１４のいずれか１項に記載の紙葉類収納繰出装置。
　請求項１～１５のいずれか１項に記載の紙葉類収納繰出装置を備えることを特徴とする紙葉類処理装置。