WO2017090140A1

WO2017090140A1 - 宅内機器制御装置、制御システム、宅内機器制御方法、およびプログラム

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Publication number: WO2017090140A1
Application number: PCT/JP2015/083166
Authority: WO
Inventors: 高田　佳典
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2015-11-26
Filing date: 2015-11-26
Publication date: 2017-06-01

Abstract

先にホームネットワークに参入しているコントローラと、後からホームネットワークに参入するコントローラ間で、制御対象機器の競合を回避することができる宅内機器制御装置を得るため、　ホームネットワーク内に存在する宅内機器を制御する機器制御部と、自装置が機器制御部により制御を担当する宅内機器の担当範囲の情報を記憶する競合制御情報記憶部と、競合制御情報記憶部に記憶された情報に基づき、ホームネットワーク内に存在する他の制御装置との間で、制御対象の宅内機器の範囲を調停するために、担当範囲に関する情報を送受し、ホームネットワーク内に存在する各宅内機器に対し、自装置が制御対象とするか否かの判断を行う競合制御部と、を備えた。

Description

宅内機器制御装置、制御システム、宅内機器制御方法、およびプログラム

　本発明は、ホームネットワークに接続された宅内機器を制御するための宅内機器制御装置、制御システム、宅内機器制御方法、およびプログラムに関するものである。

　デジタルネットワーク技術の進歩により、通信デバイスが安価で小型に実現可能となったため、今日ではさまざまな種類の機器がネットワークに接続されて動作するようになっている。家庭内に設置される電化製品についても、装置単体ではなく装置外部の情報と連動して動作するための通信機能を備えるものが多くなった。このように電化製品のネットワーク化の流れを受けて、現在では宅内の電化製品をコントローラと呼ばれる制御機器から制御することで、ユーザに快適な住環境を提供しながら、エネルギー消費量を抑制するスマートハウスと呼ばれる、宅内制御システムを構築するための研究開発が盛んになっている。環境問題への意識の高まりや、電力不足に対する懸念が、このようなエネルギー消費抑制を目的としたスマートハウスに対する研究開発を加速化させている。

　スマートハウスを実現するシステムでは、家電機器の情報を収集し、家電機器を制御するための専用コントローラを宅内に配置し、家電の制御をコントローラから一元的に制御する方法が一般的である。一方で、スマートフォンやタブレットの高性能化や普及により、コントローラ機能をスマートフォン等で動作させることも可能になっており、固定的に設置されるもの、暫定的に設置されるものを含め、宅内に複数のコントローラが存在するような環境が生まれている。ホームネットワークにおける複数のコントローラが共存する環境に関する検討は、従来からＡＶ（Audio Visual）機器のネットワークにおいて、各機器間の連携に関連する競合動作を制御するために、特許文献１に示されているような競合制御方式の検討が行われている。

　特許文献１では、コントローラから制御対象機器へ状態情報の報告要求を実施すると、他のコントローラから状態情報の報告要求を受け付けないようにする機能を実装し、コントローラ間の制御の競合を制御している。これは時間的に先に報告要求を送信したコントローラ以外からの制御を、制御対象機器側で制限することで、コントローラ間の制御に関する競合制御を実現している。

特開平０４－３６０４９６号公報

　特許文献１に示すように、従来の方式では制御対象機器側でコントローラからの制御を受け付けるかどうかの判断を行い、コントローラ間の競合制御を行っていた。これにより制御対象機器に対して先にアクセスしたコントローラが、機器に対する制御権を持つことができることにより、後からアクセスするコントローラからの制御を拒否し、コントローラ間の制御に対する競合を防止することができる。
　しかし、従来の方式では機器側で競合制御の機能を持つため、下記に示す通りいくつかの課題がある。もっとも大きな課題は、機器側に競合制御の機能を実装することが必要となり、機器コストが増大することにある。制御対象となる宅内機器は、コスト削減のため必要最低限なハードウェアにより実現されており、機能追加が機器のコストアップに直結する。単機能な宅内機器におけるハードウェアリソースの制約は厳しく、従来方式で宅内機器全てに競合制御機能を追加することは、システム全体として大きなコストアップにつながってしまう。また、機器側の機能により競合制御を可能とできるか不可能であるかが決まるため、複数のメーカーの様々な機器が接続される宅内のネットワークにおいては、システム全体で競合制御を行うことができないという課題がある。

　本発明は、係る課題を解決するもので有り、ホームネットワークシステム全体において競合制御を行うことができる宅内機器制御装置を得ることを目的とする。

　この発明に係る宅内機器制御装置は、
　ホームネットワーク内に存在する宅内機器を制御する機器制御部と、
　自装置が上記機器制御部により制御を担当する宅内機器の担当範囲の情報を記憶する競合制御情報記憶部と、
　上記競合制御情報記憶部に記憶された情報に基づき、上記ホームネットワーク内に存在する他の制御装置との間で、制御対象の宅内機器の範囲を調停するために、担当範囲に関する情報を送受し、上記ホームネットワーク内に存在する各宅内機器に対し、自装置が制御対象とするか否かの判断を行う競合制御部と、
　を備えたことを特徴とするものである。

　この発明によれば、一つのホームネットワークに複数のコントローラが存在する環境において、複数コントローラ間で、自装置に設定された担当エリア情報に基づき、制御対象機器の競合を回避することができる宅内機器制御装置を得ることができる。

この発明の実施の形態１に係る宅内機器制御装置を用いたシステムの構成を示す構成図である。この発明の実施の形態１に係る宅内機器制御装置のハードウェア構成を示す構成図である。この発明の実施の形態１に係る宅内機器制御装置の機能ブロック構成を示す構成図である。この発明の実施の形態１に係る宅内機器制御装置における競合制御データベースの設定状況を示す図である。この発明の実施の形態１に係る宅内機器制御装置における競合制御データベースの設定状況を示す図である。この発明の実施の形態１に係る宅内機器制御装置における競合制御機能が取り扱う競合制御のための情報を示す図である。この発明の実施の形態１に係る宅内機器制御装置の動作シーケンスを示す図である。この発明の実施の形態１に係る宅内機器制御装置における競合制御機能の処理フローを示すフローチャートである。この発明の実施の形態１に係る宅内機器制御装置を用いたシステムの処理内容を示す状態遷移図である。この発明の実施の形態２に係る宅内機器制御装置における競合制御データベースの設定状況を示す図である。この発明の実施の形態２に係る宅内機器制御装置における競合制御データベースの設定状況を示す図である。この発明の実施の形態２に係る宅内機器制御装置における競合制御機能が取り扱う競合制御のための情報を示す図である。この発明の実施の形態２に係る宅内機器制御装置における競合制御機能の処理フローを示すフローチャートである。

実施の形態１．
　本発明の実施の形態１における宅内機器制御装置を用いたシステム全体の構成を図１に示す。図において、１はホームネットワーク、２および３は宅内機器制御装置であるコントローラ、である。家庭内に設置されたホームネットワーク１には、２台のコントローラ、コントローラ２とコントローラ３が接続されている。また同様にホームネットワーク１には、コントローラの制御対象である宅内機器が接続されており、本実施形態では、冷蔵庫４、換気扇５、ＩＨ（Induction Heating）クッキングヒータ６、エアコン７、テレビ（ＴＶ）８が接続されている。本実施の形態では上記５種類の宅内機器が制御対象機器としてホームネットワークに接続される例に基づき動作を説明するが、本発明の対象とする制御対象機器の機器種別はこれに縛られるものではなく、また各機器の台数やホームネットワーク１に接続する機器の合計台数についても制限はない。

　図２は本発明に関わるコントローラ２のハードウェア構成を示している。コントローラ２はネットワークに接続するためのネットワークインタフェース（Ｉ／Ｆ）と、処理を行う演算機能を実現するＣＰＵ（Central Processing Unit）と、処理を行う各機能を実現したプログラムや、各機能が使用する情報を格納するための格納領域と、格納領域に格納されたプログラムや情報を展開して、各機能が処理を行う際のデータを計算するためのメモリから構成される。

　図３は本発明に関わるコントローラ２の機能ブロック構成を示している。コントローラ２とコントローラ３の機能ブロック構成は同じである。ＯＳ（Operating System）２０１はコントローラのオペレーションシステム、通信機能２０２は外部の機器と通信するための通信機能であり、通信部を構成する、コントローラ機能２０３は外部の制御対象機器を制御するための機能であり、機器制御部を構成する。競合制御機能２０４はコントローラ間で制御対象機器に競合が発生しないように、自装置の制御対象機器を制限する機能であり、競合制御部を構成する。競合制御データベース（ＤＢ）２０５は自装置の担当範囲である担当エリアの情報と、担当エリアと家電種別の関係が定義されたデータベースであり、競合制御情報記憶部を構成する。

　本実施の形態では、コントローラ２およびコントローラ３の担当範囲である受け持ちエリアのコードは、「リビング」「キッチン」「その他」の３種類が定義されているものとする。また、リビング担当のコントローラはリビング家電であるエアコン７、ＴＶ８の制御に対して優先権を持ち、キッチン担当のコントローラは冷蔵庫４、換気扇５、ＩＨクッキングヒータ６の制御に対して優先権を持つ場合について説明を行う。コントローラ２はキッチン担当コントローラ、コントローラ３はリビング担当コントローラである。なお、受け持ちエリアコードの定義は、上述の種類の数や内容に限定されるものではない。

　コントローラ機能２０３は、ホームネットワーク１内に存在し、自装置が制御対象とする宅内機器を制御する。

　図４はキッチン担当のコントローラであるコントローラ２の競合制御データベース２０５の設定状況を示しており、図５はリビング担当のコントローラであるコントローラ３の競合制御データベース２０５の設定状況を示している。エリアと対応機器の設定は、同一ネットワーク内のコントローラで統一されていることが必要である。このように、競合制御データベース２０５は、自装置がコントローラ機能２０３により制御を担当する担当範囲の情報を記憶している。

　図６は本発明に関わるコントローラ２およびコントローラ３のそれぞれの競合制御機能２０４が取り扱う競合制御のための情報を示している。本実施の形態ではECHONET Lite（エコーネットライト）プロトコルで規定されたデータフォーマットを使い、各コントローラの競合制御機能２０４間で情報の伝達を行う場合を想定している。ただし、実際の適用では本フォーマットに基づくデータ以外のデータで情報伝達を行っても良い。

　競合制御機能２０４が取り扱うECHONET Liteプロトコルのフレーム（ECHONET Liteフレーム）９は、ECHONET Lite電文ヘッダ１（EHD1）、ECHONET Lite電文ヘッダ２（EHD2）、トランザクションＩＤ（TID）と、ECHONET Liteデータ（EDATA）で構成される。ECHONET Liteデータ９０１は、送信元ECHONET Liteオブジェクト指定（SEOJ）、相手先ECHONETC Liteオブジェクト指定（DEOJ）、ECHONET Liteサービス（ESV）、処理プロパティ数（OPC）と、複数のECHONET Liteプロパティ（EPC）、EDTのバイト数（PDC）、プロパティ値データ（EDT）から構成される。

　本実施の形態における競合制御には、ECHONET Liteフレームの送信元ECHONET Liteオブジェクト指定（SEOJ）９０２を利用する。送信元ECHONET Liteオブジェクト指定（SEOJ）９０２は、クラスグループコード、クラスコード、インスタンスコードから構成される。本情報を送信する機器はコントローラであるため、コントローラであることを示すために、クラスグループコードは0x05に設定し、クラスコードは0xFFを指定する。また、残りのインスタンスコードを受け持ちエリアコードとすることで、本データを送信するコントローラが自分で担当するエリアについて、このインスタンスコードを使って、他のコントローラに主張する。
　なお、ECHONET Liteプロトコルにおいて、クラスグループコード、クラスコード、インスタンスコードは他の目的に使われる目的で標準的には値が決められているが、そのうち現在リザーブとなっている値を本目的で使うことを想定している。このため、リザーブの中から値を定義している。上述の指定値は、これら値ではなくその他の値でも構わないが、ECHONET Liteプロトコルで現在利用目的が定義されているもの以外から選択することが望まれる。

　図７は本実施形態において、コントローラ２と、冷蔵庫４、換気扇５、ＩＨクッキングヒータ６、エアコン７が設置されている家に、後からコントローラ３とＴＶ８が設置されてきた場合の動作シーケンスについて示している。

　コントローラ２の競合制御機能２０４は、コントローラ２が起動されるか、コントローラ２がネットワークに接続されたタイミングで、通信機能２０２を介して、同一のネットワーク内に接続されている全ての機器に対して、プロパティ値読み出し１００１を送信する。コントローラ２はキッチン担当のコントローラであるため、このプロパティ値読み出し１００１は、図６に示した送信元ECHONETオブジェクト指定９０２のフィールドに、クラスグループコードに0x05、クラスコードに0xFF、インスタンスコードに「キッチン」が、それぞれ設定されている。

　プロパティ値読み出し１００１を受信した各家電機器（冷蔵庫４、換気扇５、ＩＨクッキングヒータ６、エアコン７）は、それぞれの機器が対応する機能のECHONETオブジェクトのプロパティを設定したプロパティ値応答１００２～１００５を、コントローラ２に対して送信する。

　コントローラ２では、プロパティ値応答１００２～１００５を受信したことで、ネットワーク内に冷蔵庫４、換気扇５、ＩＨクッキングヒータ６、エアコン７が存在していることがわかる。

　次にコントローラ３の競合制御機能２０４は、コントローラ３が起動されるか、コントローラ３がネットワークに接続されたタイミングで、同一のネットワーク内に接続されている全ての機器に対して、通信機能２０２を介して、プロパティ値読み出し１００６を送信する。コントローラ３はリビング担当のコントローラであるため、このプロパティ値読み出し１００６は、図６に示した送信元ECHONETオブジェクト指定のフィールドに、クラスグループコードに0x05、クラスコードに0xFF、インスタンスコードに「リビング」を示すコードが設定されている。

　プロパティ値読み出し１００６を受信した各家電機器（コントローラ２、冷蔵庫４、換気扇５、ＩＨクッキングヒータ６、エアコン７、ＴＶ８）は、それぞれの機器が対応する機能のECHONETオブジェクトのプロパティを設定したプロパティ値応答１００７～１０１２を、コントローラ２およびコントローラ３に対して送信する。

　この時、コントローラ３からのプロパティ値読み出し１００６を受信したコントローラ２は、受信したプロパティ値読み出し１００６の送信元ECHONETオブジェクト指定のフィールドに、クラスグループコードに0x05、クラスコードに0xFF、インスタンスコードに「リビング」を示すコードが設定されていることから、新しくネットワークに参入したコントローラ３がリビング担当のコントローラであることを知る。そしてコントローラ３に対してコントローラ２が送信するプロパティ値応答１０１２の送信元ECHONETオブジェクト指定のフィールドには、クラスグループコードに0x05、クラスコードに0xFF、インスタンスコードに「キッチン」を示すコードが設定されているため、コントローラ３はコントローラ２が、既にネットワークに存在しているキッチン担当のコントローラであることがわかる。

　この動作シーケンスによりコントローラ２、コントローラ３はお互いに、ネットワーク内に別のコントローラが存在していることと、相手の担当エリアを認識することができる。

　図８はコントローラが他のコントローラからのプロパティ値読み出し１００６を受信した際の、処理フローを示している。プロパティ値読み出しを受信したコントローラは、コントローラ内の競合制御機能２０４で、この処理フローに基づきコントローラ間の制御対象の競合制御を行う。プロパティ値読み出し１００６を受信したコントローラは、最初に送信元コントローラの担当エリアを確認（１１０１）する処理で、送信元ECHONETオブジェクト指定９０２のインスタンスコードの情報から、送信元コントローラの担当エリアを確認する。

　次に自装置と担当エリアが異なるかどうかを確認（１１０２）し、異なればプロパティ値読み出し１００６の送信元コントローラの担当エリアに対する家電機器を自装置の制御範囲から外す（１１０３）処理を行う。同一である場合には自装置より後に同一エリアを担当するコントローラが参入したとみなし、自分で管理している家電機器の制御を続けるため特に処理を行わない。その後送信元コントローラの情報と担当エリアの情報を保存（１１０４）し、プロパティ値応答を送信元に送信する（１１０５）。

　これにより新たに担当エリアが異なるコントローラがネットワークに参入した際に、既に稼働しているコントローラが新しく参入したコントローラの担当範囲を認識し、制御対象機器を新しく参入したコントローラに譲り渡すことが可能になる。また１１０４で保存した送信元コントローラの情報と担当エリアの情報から、今後ネットワークに参入してくる家電機器に対して、自装置が制御するか、他のコントローラに制御権を渡すために制御範囲から外すかを決定できるようになる。

　図９はコントローラが自装置で送信したプロパティ値読み出し１００６に対する他のコントローラからのプロパティ値応答１０１２を受信した場合の処理の内容を示した状態遷移図である。状態遷移の横軸は、プロパティ値応答を受信前の状態を示しており、縦軸は受信したプロパティ値応答の情報を示している。

　プロパティ値応答を受信する前の状態としては、既存コントローラからの応答を未受信（１２０１）の状態、既存コントローラからの応答を受信済みで自装置と同一エリアを担当するコントローラが存在する（１２０２）状態、既存コントローラからの応答を受信済みで自装置と異なるエリアを担当するコントローラが存在する（１２０３）状態、がある。

　受信したプロパティ値応答の情報としては、受信した応答がコントローラからで、かつ自装置と同一エリア担当のコントローラである（１２０４）場合、受信した応答がコントローラからで、かつ自装置と異なるエリア担当のコントローラである（１２０５）場合、および、受信した応答がコントローラ以外からである（１２０６）場合、がある。

　コントローラの競合制御機能２０４は、既存コントローラからの応答を未受信（１２０１）の場合、自装置と同一エリアのコントローラから応答を受信（１２０４）した時には、受信したコントローラ情報と担当エリア情報を保存し、競合制御データベース２０５で管理している家電機器を自装置の制御範囲から外す（１２０７）処理を行う。
　既存コントローラからの応答を未受信（１２０１）の場合、自装置と異なるエリアのコントローラから応答を受信（１２０５）した時には、受信したコントローラ情報と担当エリア情報を競合制御データベース２０５に保存する（１２０８）処理を行う。
　既存コントローラからの応答を未受信（１２０１）の場合、コントローラ以外から応答を受信（１２０６）した時には、家電機器の情報を自装置の制御範囲として競合制御データベース２０５に保存する（１２０９）処理を行う。

　コントローラの競合制御機能２０４は、既存コントローラからの応答を受信済みで、そのコントローラが自装置と同一エリアを担当するコントローラである（１２０２）場合、自装置と同一エリアのコントローラから応答を受信（１２０４）した時、あるいは自装置と異なるエリアのコントローラから応答を受信（１２０５）した時には、受信したコントローラ情報と担当エリア情報を競合制御データベース２０５に保存する（１２１０）処理を行う。
　既存コントローラからの応答を受信済みで、そのコントローラが自装置と同一エリアを担当するコントローラである（１２０２）場合、受信した応答がコントローラ以外から（１２０６）である時には、家電機器の情報を自装置の制御範囲から外した状態で競合制御データベース２０５に保存する（１２１１）処理を行う。

　コントローラの競合制御機能２０４は、既存コントローラからの応答を受信済みで、そのコントローラが自装置と異なるエリアを担当するコントローラである（１２０３）場合、自装置と同一エリアのコントローラから応答を受信（１２０４）した時には、受信したコントローラ情報と担当エリア情報を保存し、競合制御データベース２０５で管理している家電機器を自装置の制御範囲から外す（１２１２）処理を行う。
　既存コントローラからの応答を受信済みで、そのコントローラが自装置と異なるエリアを担当するコントローラである（１２０３）場合、自装置と異なるエリアのコントローラから応答を受信（１２０５）した時には、受信したコントローラ情報と担当エリア情報を競合制御データベース２０５に保存（１２１３）する処理を行う。
　既存コントローラからの応答を受信済みで、そのコントローラが自装置と異なるエリアを担当するコントローラである（１２０３）場合、受信した応答がコントローラ以外から（１２０６）の時には、家電機器の情報を自装置の制御範囲として競合制御データベース２０５に保存する（１２１４）処理を行う。

　以上のように、コントローラの競合制御機能２０４は、競合制御データベース２０５に記憶された情報に基づき、ホームネットワーク１内に存在する他のコントローラとの間で、制御対象の宅内機器の範囲を調停するために、担当範囲に関する情報を送受し、ホームネットワーク１内に存在する各宅内機器に対し、自装置が制御対象とするか否かの判断を行う。

　これらの処理により、先にホームネットワーク１に参入しているコントローラ２と、後からホームネットワーク１に参入するコントローラ３間で、自装置の担当エリア情報に基づき、制御対象機器の競合を回避することができるようになる。

　以上のように、本発明の実施形態１における宅内機器制御装置では、ホームネットワークに参入している複数のコントローラ間で制御対象機器の競合を回避することができる効果が得られる。

実施の形態２．
　実施の形態２において、宅内機器制御装置を用いたシステム全体の構成図、宅内機器制御装置であるコントローラのハードウェア構成図、コントローラの機能ブロック構成図は、それぞれ、実施の形態１に示した、図１、図２、図３、と同一である

　図１０は本発明の実施の形態２における、キッチン担当のコントローラであるコントローラ２の競合制御データベース２０５の設定状況を示しており、図１１はリビング担当のコントローラであるコントローラ３の競合制御データベース２０５の設定状況を示している。エリアと対応機器の設定は、同一ネットワーク内のコントローラ間で統一されているものとする。実施の形態１で定義された情報に加えて、新たに優先度情報がデータベース内に定義されている。このように、競合制御データベース２０５は、自装置がコントローラ機能２０３により制御を担当する担当範囲の情報に加えて、自装置および他の制御装置の間の優先度の情報を記憶している。

図１２は本発明の実施の形態２に関わるコントローラ２およびコントローラ３のそれぞれの競合制御機能２０４が取り扱う競合制御のための情報を示している。本実施の形態ではECHONET Liteプロトコルで規定されたデータフォーマットを使い、各コントローラの競合制御機能２０４間で情報の伝達を行う場合を想定している。なお、実際の適用では本フォーマットに基づくデータ以外のデータで情報伝達を行っても構わない。

　本実施の形態における競合制御には、ECHONET Liteフレームの送信元ECHONET Liteオブジェクト指定（SEOJ）９０２を利用する。送信元ECHONET Liteオブジェクト指定（SEOJ）９０２は、クラスグループコード、クラスコード、インスタンスコードから構成される。本情報を送信する機器はコントローラであるため、コントローラであることを示すために、クラスグループコードは0x05に設定し、クラスコードは0xFFを指定する。残りのインスタンスコードを受け持ちエリアコードと優先度情報に基づき定義することで、本データを送信するコントローラが自分で担当するエリアと自装置の優先度について、このインスタンスコードを使って、他のコントローラに主張することが可能になる。

　図１３はコントローラが他のコントローラからのプロパティ値読み出し１００６を受信した際の、処理フローを示している。プロパティ値読み出しを受信したコントローラは、コントローラ内の競合制御機能２０４で、この処理フローに基づきコントローラ間の制御対象の競合制御を行う。プロパティ値読み出しを受信したコントローラは、最初に送信元コントローラの担当エリアおよび優先度を確認（１５０１）する処理で、送信元ECHONETオブジェクト指定９０２のインスタンスコードの情報から、送信元コントローラの担当エリアを確認する。

　次に自装置と担当エリアが異なるかどうかと、自装置との優先度を確認（１５０２）し、エリアが異なるか、優先度が自装置より高い場合には、プロパティ値読み出しの送信元コントローラの担当エリアに対する家電機器を自装置の制御範囲から外す（１５０３）処理を行う。同一である場合には自装置より後に同一エリアを担当する優先度の低いコントローラが参入したとみなし、自分で管理している家電機器の制御を続けるため特に処理を行わない。その後送信元コントローラの情報と担当エリアの情報を保存（１５０４）し、プロパティ値応答を送信元に送信（１５０５）する。

　以上のように、コントローラの競合制御機能２０４は、ホームネットワーク１内に存在する他の制御装置との間で、制御対象の宅内機器の範囲を調停するために、担当範囲に関する情報と優先度の情報を送受し、ホームネットワーク１内に存在する各宅内機器に対し、自装置が制御対象とするか否かの判断を行う。

　これにより新たに担当エリアが異なるコントローラがネットワークに参入した際に、既に稼働しているコントローラが新しく参入したコントローラの担当範囲と優先度を認識し、制御対象機器を新しく参入したコントローラに譲り渡すことが可能になる。

　また１５０４で保存した送信元コントローラの情報と担当エリアの情報から、今後ネットワークに参入してくる家電機器に対して、自装置が制御するか、他のコントローラに制御権を渡すために制御範囲から外すかを決定できるようになる。
　同様にコントローラ３においてプロパティ値応答を受信した際にも、優先度の情報を受け取ることが可能になるため、新規参入したコントローラと先にネットワークに存在したコントローラの双方で優先度に基づいた競合制御を実現することができるようになる。

　以上のように、本発明の実施形態２における宅内機器制御装置では、ホームネットワークに参入している複数のコントローラ間で制御対象機器の競合を回避することができるとともに、複数のコントローラ間で優先度に基づいた競合制御を実現することができる効果が得られる。

　本発明にかかる宅内機器制御装置は、ホームネットワーク内に接続された宅内機器を制御するための宅内機器制御装置として適用できる。

　１　ホームネットワーク、２、３　コントローラ、４　冷蔵庫、５　換気扇、６　ＩＨクッキングヒータ、７　エアコン、８　テレビ、９　ECHONET Liteフレーム、２０１　ＯＳ、２０２　通信機能、２０３　コントローラ機能、２０４　競合制御機能、２０５　競合制御ＤＢ、９０１　ECHONET Liteデータ、９０２　送信元ECHONET Liteオブジェクト指定

Claims

　ホームネットワーク内に存在する宅内機器を制御する機器制御部と、
　自装置が上記機器制御部により制御を担当する宅内機器の担当範囲の情報を記憶する競合制御情報記憶部と、
　上記競合制御情報記憶部に記憶された情報に基づき、上記ホームネットワーク内に存在する他の制御装置との間で、制御対象の宅内機器の範囲を調停するために、担当範囲に関する情報を送受し、上記ホームネットワーク内に存在する各宅内機器に対し、自装置が制御対象とするか否かの判断を行う競合制御部と、
　を備えたことを特徴とする宅内機器制御装置。
　上記競合制御部は、上記他の制御装置から受信した担当範囲に関する情報に、自装置の担当範囲が含まれる場合、上記担当範囲に対応する上記宅内機器を自装置の制御対象から外すよう上記競合制御情報記憶部に記憶された情報を変更させることを特徴とする請求項１に記載の宅内機器制御装置。
　上記競合制御部は、上記担当範囲に関する情報をECHONET Liteプロトコルで規定されたデータフォーマットを使って送受することを特徴とする請求項１または請求項２に記載の宅内機器制御装置。
　上記担当範囲に関する情報は、上記ECHONET Liteプロトコルの送信元ECHONET Liteオブジェクト指定の領域に格納されることを特徴とする請求項３に記載の宅内機器制御装置。
　上記競合制御情報記憶部は、上記担当範囲に加えて自装置および他の制御装置の間の優先度の情報を記憶し、
　上記競合制御部は、上記ホームネットワーク内に存在する他の制御装置との間で、制御対象の宅内機器の範囲を調停するために、上記担当範囲に関する情報と優先度の情報を送受し、上記ホームネットワーク内に存在する各宅内機器に対し、自装置が制御対象とするか否かの判断を行うことを特徴とする請求項１から請求項４のいずれか一項に記載の宅内機器制御装置。
　請求項１から請求項５のいずれか一項に記載の宅内機器制御装置と、ホームネットワークが接続されて構成されることを特徴とする制御システム。
　ホームネットワーク内に存在する宅内機器を制御する機器制御ステップと、
　自装置が上記機器制御ステップにより制御を担当する宅内機器の担当範囲の情報を記憶する競合制御情報記憶ステップと、
　上記競合制御情報記憶ステップにより記憶された情報に基づき、上記ホームネットワーク内に存在する他の制御装置との間で、制御対象の宅内機器の範囲を調停するために、担当範囲に関する情報を送受し、上記ホームネットワーク内に存在する各宅内機器に対し、自装置が制御対象とするか否かの判断を行う競合制御ステップと、
　を備えたことを特徴とする宅内機器制御方法。
　宅内機器制御装置に、
　ホームネットワーク内に存在する宅内機器を制御する機器制御ステップと、
　自装置が上記機器制御ステップにより制御を担当する宅内機器の担当範囲の情報を記憶する競合制御情報記憶ステップと、
　上記競合制御情報記憶ステップにより記憶された情報に基づき、上記ホームネットワーク内に存在する他の制御装置との間で、制御対象の宅内機器の範囲を調停するために、担当範囲に関する情報を送受し、上記ホームネットワーク内に存在する各宅内機器に対し、自装置が制御対象とするか否かの判断を行う競合制御ステップと、
　を実行させることを特徴とするプログラム。