WO2014181457A1 - スライダー組立機の引手保持装置 - Google Patents

Abstract

ターンテーブルにセットした胴体の上面に組み付けた引手が動くことがないようにする。ターンテーブル(１０)の収納凹部(１０ａ)にセットした胴体(１)の上面に引手(２)を載置して組み付け、この引手(２)のリンク部(２ａ)を把持、把持解放する一対の把持爪(３１)を設け、この一対の把持爪(３１)で引手(２)のリンク部(２ａ)を把持して動かないように保持し、ターンテーブル(１０)の間欠回転により引手(２)が位置ずれしたり、胴体(１)から外れることがないようにする。

Description

スライダー組立機の引手保持装置

　本発明は、スライドファスナー用のスライダーを組み立てるスライダー組立機の胴体に組み付けた引手を保持する装置に関する。

　スライドファスナー用のスライダーが特許文献１に開示されている。
　このスライダーは、胴体、引手、爪杆、板バネ、カバーの５部品から構成されている。
　スライダーを組み立てるスライダー組立機が特許文献２に開示されている。
　このスライダー組立機は、ターンテーブルの収納凹部に胴体を嵌め込んでセットし、そのターンテーブルを間欠回転しながら胴体に引手、爪杆、板バネ、カバーを順次組み付け、カバーを加締めることでスライダーを組み立てる。

特開２００９－９５３７０号公報 特開昭６１－２４７４０２号公報

　前述したスライダー組立機においては、ターンテーブルの収納凹部に嵌め込んで動かないようにセットした胴体の上に引手を載置して組み付け、その状態でターンテーブルを間欠回転して爪杆、板バネ、カバーを順次組み付け、カバーを加締めることでスライダーを組み立てるようにしている。
　このために、胴体の上に載置して組み付けた引手がターンテーブルの間欠回転により動いて位置がずれたり、胴体から外れたりすることがある。
　このように引手の位置がずれたり、胴体から外れたりすると組み立てたスライダーである完成品は不良品となってしまう。

　本発明は、前述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、胴体の上面に載置して組み付けた引手を動くことがないように保持し、ターンテーブルの間欠回転によって引手の位置がずれたり、胴体から外れたりすることがないようにできるスライダー組立機の引手保持装置とすることである。

　本発明は、胴体１及び引手２を有し、スライドファスナー用のスライダーを組み立てるスライダー組立機の引手保持装置であって、
　所定角度ごとに間欠回転するターンテーブル１０に、スライダーの胴体１を支持する胴体支持部１０ａと、胴体１の上に載置して組み付けた引手２を動かないように保持及び保持解放する引手把持部３０を、回転方向に間隔を置いてそれぞれ複数設け、
　前記引手２は、前後方向一方に胴体１に組み付けられるリンク部２ａを有すると共に、前後方向他方に持ち手部２ｂを有し、
　前記引手把持部３０は、前記胴体１に組み付けた引手２のリンク部２ａを把持及び把持解放することを特徴とするスライダー組立機の引手保持装置である。

　本発明のスライダー組立機の引手保持装置においては、前記引手把持部３０は、接近する方向及び離隔する方向に移動して引手２のリンク部２ａの幅方向両側面を把持及び把持解放する一対の把持爪３１を有し、
　前記一対の把持爪３１間の中心が、胴体支持部１０ａに支持された胴体１の幅方向中心と合致している構成とすることができる。

　このようにすれば、胴体１の上面に組み付けた引手２を、胴体１の幅方向中心と引手２の幅方向中心が合致するように位置決めして保持できる。

　本発明のスライダー組立機の引手保持装置においては、前記胴体支持部１０ａに支持された胴体１の引手２は、リンク部２ａを胴体１の上面に接し、かつ持ち手部２ｂを胴体１よりも張り出し下方に移動可能に組み付けるようにし、
　前記胴体１に組み付けた引手２の持ち手部２ｂを支持する引手受部４０をターンテーブル１０に設けることができる。

　このようにすれば、胴体１の上面に組み付けた引手２が胴体１から落ちることを引手受部４０で防止できる。

　本発明のスライダー組立機の引手保持装置においては、前記引手受部４０は、ターンテーブル１０の胴体支持部１０ａを設けた部分と対向し、そのターンテーブル１０の外周側面と間隙Ｓを置いて設けられ、引手２の持ち手部２ｂの一方の面が接する引手受台４１を有し、
　前記引手受台４１に引手２の持ち手部２ｂの一方の面が接すると共に、引手２のリンク部２ａが胴体１の上面に接することで、引手２はリンク部２ａよりも持ち手部２ｂが上方にある斜めの姿勢となり、引手２を前後方向に位置決め可能とすることができる。

　このようにすれば、胴体１の上面に引手２を前後方向の所定位置となるように組み付けできる。例えば、胴体１の上翼板１ｂと引手受台４１とに跨って引手２を、リンク部２ａの枢軸２ｃが爪孔１ｅよりも前方取付部１ｃ寄りとなるように前後方向に位置決めして組み付けできるので、引手２を組み付けた胴体１に爪杆３を、その停止爪３ａを爪孔１ｅに挿入して組み付けできる。

　本発明のスライダー組立機の引手保持装置においては、前記引手受台４１は、胴体１に組み付けた引手２の持ち手部２ｂを支持する引手支持位置と、その引手支持位置よりも下で引手２の持ち手部２ｂを下方に移動可能とする完成品検査位置と、前記引手支持位置よりも上で引手２の持ち手部２ｂを上方に移動するカバー加締め位置とに移動可能とすることができる。

　このようにすれば、引手受台４１を完成品検査位置に移動することで、完成品の引手２を下方に揺動して良品、不良品の検査ができる。
　また、引手受台４１をカバー加締め位置に移動することでカバー５を加締めるときに引手２が邪魔にならない。

　本発明のスライダー組立機の引手保持装置においては、前記一対の把持爪３１は、移動機構３２で移動される取付片３１ａと、この取付片３１ａに設けられターンテーブル１０と引手受台４１との間隙Ｓに挿通して胴体支持部１０ａから上方に突出した把持片３１ｂを有し、
　前記移動機構３２は、バネ３６で一対の取付片３１ａを接近する方向に保持し、かつバネ３６に抗して一対の取付片３１ａを離隔する方向に移動するものにできる。

　このようにすれば、一対の把持爪３１をバネ３６で把持する状態に保持でき、バネ３６に抗して一対の把持片３１を把持解放する状態にできるので、ターンテーブル１０を間欠回転するときには引手２を保持し、胴体１に引手２を組み付けるとき、カバー５を加締めるとき、完成品を検査するとき、完成品を排出するときに移動手段により引手２の保持を解放することができる。

　本発明によれば、引手把持部３０で引手２のリンク部２ａを把持することで、胴体１の上面に載置して組み付けた引手２を動くことがないように保持できるから、ターンテーブル１０の間欠回転によって引手２の位置がずれたり、胴体１から外れたりすることがない。
　また、引手２のリンク部２ａの把持を解放すれば、組み立て完了したスライダーである完成品をターンテーブル１０の胴体支持部から排出できる。
　しかも、引手２のリンク部２ａを把持するので、持ち手部２ｂの形状、大きさが異なる引手にも対応することができる。

本発明のスライダー組立機で組み立てるスライダーの分解斜視図である。 組み立てしたスライダーの縦断面図である。 スライダー組立機の概略平面図である。 スライダー組立機の正面図である。 ターンテーブルの胴体をセットする部分の拡大側面図である。 ターンテーブルの胴体をセットする部分の拡大平面図である。 ターンテーブルの胴体をセットする部分の斜視図である。 完成品検査動作の説明図である。 カバー加締め動作の説明図である。

　本発明のスライダー組立機で組み立てるスライダーは、図１に示すように、胴体１、引手２、爪杆３、板バネ４、カバー５を有し、スライダー組立機で、胴体１に引手２、爪杆３を順次組み付け、板バネ４を取り付けたカバー５を爪杆３を覆うように胴体１に組み付けた後に、そのカバー５を胴体１に加締めることで図２に示すスライダー６を組み立てる。

　胴体１は、ファスナーエレメントが挿通できるエレメントガイド部１ａを有すると共に、上翼板１ｂに前方取付部１ｃ、後方取付部１ｄ及びエレメントガイド部１ａに開口した爪孔１ｅを有している。
　引手２は、前後方向一方にリンク部２ａを有すると共に、前後方向他方に持ち手部２ｂを有し、リンク部２ａが胴体１の前方取付部１ｃに嵌まり合うように胴体１の上翼板１ｂに載置して組み付ける。
　爪杆３は、胴体１の前方取付部１ｃと後方取付部１ｄとの間に、引手２の枢軸２ｃを跨ぎ、爪杆３の停止爪３ａを爪孔１ｅからエレメントガイド部１ａに突出するように組み付ける。
　板バネ４はカバー５に予め取り付けられ、前方取付部１ｃ、後方取付け部１ｄに跨って載置して取り付ける。
　カバー５は胴体１の上翼板１ｂに、前方取付部１ｃ、後方取付部１ｄに嵌合して組み付け、カバー５の幅方向両側面の前方部及び後方部を加締めることで前方取付部１ｃ、後方取付部１ｄに固着して取り付ける。

　組み立てたスライダーである完成品６は図２に示すように、板バネ４が爪杆３に接し、停止爪３ａが爪孔１ｅからエレメントガイド部１ａに突出し、図示しないファスナーエレメントに停止爪３ａが喰い込むことでスライダーがファスナーエレメントに沿って移動しないように停止状態となる。
　引手２の持ち手部２ｂを手で持って枢軸２ｃを上方に移動することで、爪杆３が板バネ４のバネ力に抗して上方に揺動して係止爪３ａがエレメントガイド部１ａから抜け出し、スライダーをファスナーエレメントに沿って移動自在の非停止状態となる。
　引手２の持ち手部２ｂから手を離すことで、板バネ４のバネ力で爪杆３が図２に示す位置に復帰して停止状態となる。
　つまり、停止機能を有するスライダーである。

　本発明のスライダー組立機は、図３に概略的に示すように、所定角度ごとに矢印方向に間欠回転する回転盤であるターンテーブル１０の周囲に、部品供給装置、例えば胴体供給装置２０、引手供給装置２１、爪杆供給装置２２、カバー供給装置２３、カバー加締め装置２４、完成品検査装置２５、完成品排出装置２６を、ターンテーブル１０の回転方向に間隔を置いて取り付けてある。
　ターンテーブル１０は円盤状で、その周縁部にスライダーの胴体１を動かさないように支持する胴体支持部、例えば収納凹部１０ａ及び、この収納凹部１０ａに嵌め込んで動かないようにセットした胴体１の上に載置して組み付けた引手２を保持する引手保持装置１０ｂを、回転方向に等間隔で複数有している。

　前述のスライダー組立機はスライダーを次のようにして組み立てる。
　ターンテーブル１０を間欠回転して１つの収納凹部１０ａを胴体供給装置２０と対向させ、その胴体供給装置２０から胴体１を収納凹部１０ａに供給してセットする。
　この後、ターンテーブル１０の回転により胴体１がセットされた収納凹部１０ａを引手供給装置２１と対向させ、その引手供給装置２１で胴体１に引手２を供給して組み付ける。
　以下同様にして爪供給装置２２で爪杆３を胴体１に供給して組み付け、カバー供給装置２３で板バネ４を取り付けたカバー５を胴体１に供給して組み付ける。
　そして、カバー加締め装置２４でカバー５を胴体１に加締めて組み立て完了してスライダーとする。
　この組み立て完了したスライダー、つまり完成品を完成品検査装置２５で検出し、完成品排出装置２６でターンテーブル１０の収納凹部１０ａから図示しない良品溜め部と不良品溜め部に選別して排出する。

　ターンテーブル１０は図４に示すように組立機本体１１に縦軸回りに回転自在に取り付けた円盤１２と、この円盤１２の周囲に、周方向に間隔を置いて取り付けた複数の胴体セット体１３を備え、各胴体セット体１３は、胴体１を動かないように嵌め込んでセットする収納凹部１０ａを有し、収納凹部１０ａの上面及び外周側面を開口する。この収納凹部１０ａがターンテーブル１０の胴体支持部となる。
　各胴体セット体１３に引手保持装置１０ｂが取り付けてある。
　図４においては、理解を容易とするために２つの胴体セット体１３を図示してあるが、実際には図３に示すように、３つ以上の胴体セット体１３が取り付けてある。
　なお、円盤１２と胴体セット体１３を一体としても良い。

　図５～図７に示すように、胴体セット体１３の収納凹部１０ａの前後寸法、幅寸法は胴体１の前後寸法、幅寸法と略同一で、この収納凹部１０ａに胴体１を、その後方取付部１ｄを内周側（円盤１２の回転中心側）で、前方取付部１ｃが外周側（胴体セット体１３の外周側面側）となるようにして嵌め込んで動くことがないようにセットされる。

　引手２は胴体１の上面（上翼板１ｂ）に、その表面が上向きでリンク部２ａが前方取付部１ｃに嵌まり合い、持ち手部２ｂが胴体１及び胴体セット体１３の外周側面よりも外周に張り出すように載置してほぼ水平姿勢で組み付け、引手２の持ち手部２ｂを下方に移動可能としてある。
　つまり、後述するように完成品の引手２の持ち手部２ｂを下方に移動して斜め下向き姿勢とすることで良品、不良品の検査ができるように、引手２を胴体１の上面に組み付けている。
　なお、収納凹部１０ａの位置や形状が異なれば、引手２の持ち手部２ｂが胴体セット体１３の外周側面よりも外周に張り出すことなしに、引手２の持ち手部２ｂを下方に移動することが可能である。
　すなわち、引手２はリンク部２ａが胴体１の上面に接し、持ち手部２ｂが胴体１から張り出すように組み付けすれば良い。

　引手保持装置１０ｂは、胴体１に組み付けた引手２のリンク部２ａを把持（クランプ）することで引手２を位置決めし、動かないように保持及び、引手２のリンク部２ａを把持解放（アンクランプ）することで引手２の保持を解放する引手把持部３０と、引手２の持ち手部２ｂ（持ち手部２ｂの裏面）を支持することで胴体１にセットした引手２が落ちないようにする引手受部４０を備えている。

　引手把持部３０は、収納凹部１０ａにセットした胴体１の幅方向中心を境として幅方向両側に、その胴体１に組み付けた引手２のリンク部２ａの幅方向両側面と対向して設けられた一対の把持爪３１を備え、この一対の把持爪３１間の幅方向中心と胴体１の幅方向中心は同一である。
　そして、一対の把持爪３１は、移動機構３２で接近する方向（クランプする方向）及び離隔する方向（アンクランプ方向）に同期して移動し、把持位置及び把持解放位置となる。引手２の厚み方向に沿って、一対の把持爪３１は胴体支持部１０ａから上方に突出し、一対の把持爪３１の間で胴体１に載置された引手２を把持する。

　このようであるから、胴体１の上に載置して組み付けた引手２のリンク部２ａ（引手２の幅方向であってリンク部２ａの幅方向両側面）を一対の把持爪３１で把持することで、引手２を所定の位置、例えば引手２の幅方向中心が胴体１の幅方向の中心に合致する位置に位置決めし、動くことがないように保持することができる。

　また、一対の把持爪３１で引手２のリンク部２ａの幅方向両側面を把持するので、持ち手部２ｂの形状や大きさが異なる引手２にも対応することが可能である。
　つまり、スライダーは使用者の好み、意匠性等からの持ち手部２ｂの形状が異なる多数の引手が存在するが、それらの持ち手部２ｂの形状が異なる引手であっても胴体に取り付けるためのリンク部の形状は同一である、あるいは決められた数種類の形状であるから、リンク部を把持することで、持ち手部の形状や大きさが異なる引手を位置決めし、保持することが可能である。

　引手受部４０は、収納凹部１０ａを形成した胴体セット体１３の外周側面よりも外側に間隙Ｓを置いて胴体セット体１３に取り付けられている。すなわち、ターンテーブル１０において、収納凹部１０ａが設けられたターンテーブル１０の外周側面と引手受部４０は間隙Ｓを置いて離間している。引手受部４０は引手２の一方の面と接触し引手２を支持する平面部が形成された引手受台４１を備え、この引手受台４１に胴体１の上に組み付けた引手２の持ち手部２ｂの裏面が接して引手２が落ちないように支持する。
　つまり、引手２を胴体１の上面に組み付けたときに、引手２の持ち手部２ｂが胴体１及び胴体セット体１３の外周側面よりも外周に張り出すと共に、このときは一対の把持爪３１が把持解放位置であるので、持ち手部２ｂの自重で引手２に下向きの力が負荷し、引手２のリンク部２ａが胴体１の前方取付部１ｃから外れて引手２が落ちることがある。
　このことを防止するために、引手受台４１を設けて引手２が落ちないように支持している。引手受部４０は平面部を有する台状体や板状体に限らず、横向きのバー材や格子体、あるいは縦向きのピン等でも良い。

　引手受台４１は、その上面４１ａが胴体セット体１３側よりも胴体セット体１３と反対側が高い傾斜面である。すなわち、引手受台４１は、ターンテーブル１０の外周側面よりも外側に向かうに従って引手２の持ち手部２ｂが高くなって傾斜するように傾斜角度がついている。
　これにより、胴体１の上面と引手受台４１の上面に跨って接して組み付けた引手２は、リンク部２ａよりも持ち手部２ｂが高い斜めの姿勢で、引手２の枢軸２ｃが胴体１の爪孔１ｅよりも前方取付部１ｃ寄りの所定の前後方向位置に位置決めされる。
　これにより、胴体１の上面に引手２を組み付けた状態で、爪杆３を胴体１に組み付ける際に、引手２の枢軸２ｃが邪魔にならず停止爪３ａを爪孔１ｅに確実に挿入して組み付けることができる。

　引手受台４１は、図５に示す引手支持位置と、図８に示す完成品検査位置と、図９に示すカバー加締め位置とにわたって上下方向に移動可能である。
　つまり、図３に示す完成品検査装置２５による組み立て完了したスライダーである完成品の検査として、引手２を板バネ４に抗して斜め下向き姿勢とし、爪杆３の停止爪３ａがエレメントガイド部１ａから抜け出した非停止状態となるかを検査して良品、不良品を判断することがある。
　このような検査を実施する際に引手受台４１が図５に示す引手支持位置であると、引手２の持ち手部２ｂを下方に移動できないので、引手受台４１を図８に示すように引手支持位置よりも下方の完成品検査位置に移動して完成品を前述のように検査できるようにする。

　また、カバー５の幅方向両側面の前方部、後方部を胴体１の前方取付部１ｃ、後方取付部１ｄに加締めてカバー５を胴体１に固定するが、引手受台４１が図５に示す引手支持位置であると、カバー５を加締める際に引手２が邪魔になるので、引手受台４１を図９に示すように引手支持位置よりも上方のカバー加締め位置に移動し、引手２をカバー５の幅方向両側面の前方部、後方部の加締め部分５ａよりも上方に位置させることで、カバー５の加締め部分５ａを加締める際に引手２が邪魔にならないようにする。

　次に、胴体セット体１３の収納凹部１０ａにセットした胴体１の上面（上翼板１ｂ）に引手２を載置して組み付ける動作を説明する。
　一対の把持爪３１を離隔した把持解放位置とし、引手受台４１を引手支持位置とする。
　引手供給装置２１で供給された引手２のリンク部２ａを胴体１の前方取付部１ｃに嵌め合わせて胴体１の上翼板１ｂに接すると共に、持ち手部２ｂの裏面を引手受台４１の上面４１ａに接して引手２を胴体１と引手受台４１に跨って載置して組み付ける。

　胴体１と引手受台４１に跨って引手２を載置して組み付けた後に、一対の把持爪３１を接近する方向に移動して把持位置としてリンク部２ａの軸方向両側面を挟持することで、引手２を幅方向に位置決めし、動かないように保持する。

　前述の実施の形態では、引手２を胴体１に、胴体１及び胴体セット体１３の外周側面よりも外周に張り出してセットしたので、引手受部４０を設けて引手２が胴体１から落ちないようにしたが、引手２を胴体１、胴体セット体１３の外周側面よりも外周に張り出すことがないように胴体１にセットする場合は引手受部４０を設けなくとも良い。

　一対の把持爪３１はその下方に前後方向に向かう取付片３１ａと、この取付片３１ａの後部には上方に向けて一体に設けた把持片３１ｂを有し、この把持片３１ｂは胴体セット体１３の外周側面に沿った方向に向かう。
　一対の把持爪３１を移動する移動機構３２は、ハウジング３３に一対のアーム３４を杆体３５が上下動することで同期して接近、離隔方向に揺動するように取り付け、その杆体３５をバネ３６で下方に移動して下方位置に保持することで、一対のアーム３４を接近方向に揺動して保持し、杆体３５をバネ３６に抗して上方に移動すると一対のアーム３４が離隔方向に揺動するもので、その一対のアーム３４に一対の把持爪３１の取付片３１ａを固着して取り付け、把持片３１ｂを胴体セット体１３の外周側面と引手受台４１の隙間Ｓに挿入している。把持片３１ｂの上端は、図５に示す引手支持位置と、図８に示す完成品検査位置では引手受台４１の上面４１ａよりも上方に突出している。図９に示すカバー加締め位置では、把持片３１ｂの上端が引手受台４１の上面４１ａよりも下方に位置している。

　そして、組立機本体１１の引手供給装置２１、カバー加締め装置２４、完成品検査装置２５、完成品排出装置２６と対向した位置に移動機構３２の杆体３５を上方に移動する移動手段、例えばシリンダーが取り付けられ、胴体１に引手２を組み付けるとき、カバー５を加締めるとき、完成品を検査するとき、完成品を排出するときに一対の把持爪３１を把持解放位置に移動する。

　引手受台４１を引手支持位置、完成品検査位置、カバー加締め位置に移動するには、一対の把持爪３１の取付片３１ａ間に上下方向に移動する可動体４２を設け、その可動体４２の上部に引手受台４１を連結し、この可動体４２を図示しないバネで上下方向の中間位置に維持して引手受台４１を引手支持位置に維持し、バネ力に抗して可動体４２を下方に移動して下方位置とすることで引手受台４１が完成品検査位置となり、バネ力に抗して可動体４２を上方に移動して上方位置とすることで引手受台４１がカバー加締め位置となるようにする。

　そして、組立機本体１１のカバー加締め装置２４と対向した位置に可動体４２を上方位置に移動する第１の移動手段を取り付け、完成品検査装置２５と対向した位置に可動体４２を下方位置に移動する第２の移動手段を取り付ける。
　この第１・第２の移動手段としてはシリンダーを用いることができる。

　なお、引手２は、一般的には銅合金、アルミニウム合金、ステンレス製等の金属製が多く樹脂やシリコーン等のゴム製引手等の非金属材質の引手もある。また、顧客要望により引手２の幅方向が左右非対称形状の場合や三角形形状等の特殊な場合もあり、一対の把持爪３１によって引手２のリンク部２ａの幅方向両側面を完全に把持できないときもある。しかし、ターンテーブル１０の回転時に引手２のリンク部２ａ野幅方向両側面と一対の把持爪３１の間に隙間が形成される場合でも、把持爪３１によって引手２の動きが規制され引手２が胴体１から外れることがない。

　１…胴体、１ａ…エレメントガイド部、１ｂ…上翼板、１ｃ…前方取付部、１ｄ…後方取付部、１ｅ…爪孔、２…引手、２ａ…リンク部、２ｂ…持ち手部、２ｃ…枢軸、３…爪杆、３ａ…停止爪、４…板バネ、５…カバー、５ａ…加締め部分、６…完成品、１０…ターンテーブル、１０ａ…収納凹部（胴体支持部）、１０ｂ…引手保持装置、３０…引手把持部、３１…把持爪、４０…引手受部、４１…引手受台。

Claims (6)

1. 　胴体（１）及び引手（２）を有し、スライドファスナー用のスライダーを組み立てるスライダー組立機の引手保持装置であって、
   　所定角度ごとに間欠回転するターンテーブル（１０）に、スライダーの胴体（１）を支持する胴体支持部（１０ａ）と、胴体（１）の上に載置して組み付けた引手（２）を動かないように保持及び保持解放する引手把持部（３０）を、回転方向に間隔を置いてそれぞれ複数設け、
   　前記引手（２）は、前後方向一方に胴体（１）に組み付けられるリンク部（２ａ）を有すると共に、前後方向他方に持ち手部（２ｂ）を有し、
   　前記引手把持部（３０）は、前記胴体（１）に組み付けた引手（２）のリンク部（２ａ）を把持及び把持解放することを特徴とするスライダー組立機の引手保持装置。
2. 　前記引手把持部（３０）は、接近する方向及び離隔する方向に移動して引手（２）のリンク部（２ａ）の幅方向両側面を把持及び把持解放する一対の把持爪（３１）を有し、
   　前記一対の把持爪（３１）間の中心が、胴体支持部（１０ａ）に支持された胴体（１）の幅方向中心と合致している請求項１記載のスライダー組立機の引手保持装置。
3. 　前記胴体支持部（１０ａ）に支持された胴体（１）の引手（２）は、リンク部（２ａ）を胴体（１）の上面に接し、かつ持ち手部（２ｂ）を胴体（１）よりも張り出して下方に移動可能に組み付けるようにし、
   　前記胴体（１）に組み付けた引手（２）の持ち手部（２ｂ）を支持する引手受部（４０）をターンテーブル（１０）に設けた請求項１又は２記載のスライダー組立機の引手保持装置。
4. 　前記引手受部（４０）は、ターンテーブル（１０）の胴体支持部（１０ａ）を設けた部分と対向し、そのターンテーブル（１０）の外周側面と間隙（Ｓ）を置いて設けられ、引手（２）の持ち手部（２ｂ）の一方の面が接する引手受台（４１）を有し、
   　前記引手受台（４１）に引手（２）の持ち手部（２ｂ）の一方の面が接すると共に、引手（２）のリンク部（２ａ）が胴体（１）の上面に接することで、引手（２）はリンク部（２ａ）よりも持ち手部（２ｂ）が上方にある斜めの姿勢となり、引手（２）を前後方向に位置決め可能とした請求項３記載のスライダー組立機の引手保持装置。
5. 　前記引手受台（４１）は、胴体（１）に組み付けた引手（２）の持ち手部（２ｂ）を支持する引手支持位置と、その引手支持位置よりも下で引手（２）の持ち手部（２ｂ）を下方に移動可能とする完成品検査位置と、前記引手支持位置よりも上で引手（２）の持ち手部（２ｂ）を上方に移動するカバー加締め位置とに移動可能とした請求項４又は５記載のスライダー組立機の引手保持装置。
6. 　前記一対の把持爪（３１）は、移動機構（３２）で移動される取付片（３１ａ）と、この取付片（３１ａ）に設けられターンテーブル（１０）と引手受台（４１）との間隙（Ｓ）に挿通して胴体支持部（１０ａ）から上方に突出した把持片（３１ｂ）を有し、
   　前記移動機構（３２）は、バネ（３６）で一対の取付片（３１ａ）を接近する方向に保持し、かつバネ（３６）に抗して一対の取付片（３１ａ）を離隔する方向に移動するものである請求項４又は５記載のスライダー組立機の引手保持装置。

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