WO2012114878A1

WO2012114878A1 - 建設機械

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Publication number: WO2012114878A1
Application number: PCT/JP2012/052866
Authority: WO
Inventors: 木村　庄吾; 田中　友幸
Original assignee: 日立建機株式会社
Priority date: 2011-02-24
Filing date: 2012-02-08
Publication date: 2012-08-30
Also published as: JPWO2012114878A1; CN103370478B; JP5591994B2; EP2679729B1; EP2679729A4; US8905173B2; US20130322999A1; KR20140018883A; EP2679729A1; CN103370478A; KR101863743B1

Abstract

　キャブ（８）は、各ピラー（１４～１８）間が各面（１３Ａ～１３Ｆ）により覆われ内部が運転室（１３Ｇ）となったキャブボックス（１３）と、左中間ピラー（１６）に取付けられたドア（２４）とを備えている。左前ピラー（１４）の後面部（１４Ｄ）には、取付板（２３Ａ）の突出部（２３Ａ1）をドア（２４）側に突出させた状態で設ける。ドア（２４）の内面側の取付開口（２４Ｅ）には、係合部材（２３）に係合してドア（２４）を閉位置に保持するドア保持部材（２８）を設ける。ドア（２４）には、ドア保持部材（２８）よりも前側に取付板（２３Ａ）の突出部（２３Ａ1）との干渉を避けるための退避凹部（２９）を設ける。

Description

建設機械

　本発明は、例えばオペレータが搭乗するキャブを備えた油圧ショベル等の建設機械に関する。

　一般に、建設機械としての油圧ショベルには、狭い作業現場での作業に適したミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルがあり、この小型の油圧ショベルは、狭い現場での走行、作業に適応するように上部旋回体が小さく形成されている。

　ここで、小型の油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載され、支持構造体をなす旋回フレーム上にキャブが設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前，後方向の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより構成されている。

　一方、油圧ショベルのキャブは、左前、右前、左中間、左後、右後に位置して上，下方向に延びる５本のピラーが設けられると共に、該各ピラー間が前面、左前側面、左後側面、右側面、後面および天面により覆われ内部が運転室となったキャブボックスを有している。このキャブボックスには、左前ピラーと左中間ピラーとの間の乗降口を開閉するために、後端部が前記左中間ピラーを支点として前，後方向に回動可能に設けられたドアが備えられている。

　さらに、左前ピラーの後面部には係合部材が取付けられている。この係合部材は、前記後面部の高さ方向の中間部に取付けられた取付板と、該取付板から後向きに突出して設けられた略Ｕ字状の係合リングとにより構成されている。ここで、係合部材は、その取付板を後面部に対しねじ止めすることにより左前ピラーに取付けられている。

　この場合、係合部材に対応するドアの前端側には、該ドアを閉じる方向に回動させたときに、係合リングに係合してドアを閉位置に保持するためのドア保持部材が設けられている（特許文献１）。

特開２００９－２１５７０２号公報

　ところで、上述した特許文献１による油圧ショベルでは、ドア保持部材をドアの内側から運転室側に張出した状態で設けているから、このドア保持部材がドアの内面側の厚みを大きくしてしまう。これにより、ドアを閉じたときにドア保持部材が運転室に張出した分だけ該運転室を圧迫するから、居住スペースが狭くなって作業環境が悪くなるという問題がある。

　一方、ドアの内側にドア保持部材が大きく張出した場合には、ドアを左後側面に沿わせるように開いて作業を行うときに、ドア保持部材が周囲の障害物に接触し易くなる。このために、オペレータは、ドア保持部材が障害物に接触しないように注意を払わなければならず、作業性が低下するという問題もある。

　本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ドア保持部材がドアから運転室側に張出すのを抑えることにより、キャブ内の作業環境やドアを開いた状態での作業性を向上できるようにした建設機械を提供することにある。

　（１）．本発明による建設機械は、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載され支持構造体をなす旋回フレーム上にキャブが設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前，後方向の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、前記キャブは、左前、右前、左中間、左後、右後に位置して上，下方向に延びる５本のピラーが設けられると共に、該各ピラー間が前面、左前側面、左後側面、右側面、後面および天面により覆われ内部が運転室となったキャブボックスと、該キャブボックスの左前ピラーと左中間ピラーとの間の乗降口を開閉するために後端側が前記左中間ピラーに前，後方向に回動可能に取付けられたドアとを備えている。

　上述した課題を解決するために、本発明が採用する構成の特徴は、前記左前ピラーは、左側面部の前，後方向の途中部位を前記運転室側に屈曲させたピラー側段差面部と、該ピラー側段差面部の奥部から後側に延びて設けられ閉扉状態の前記ドアと対面するピラー側対向面部と、該ピラー側対向面部の後端部から前記運転室側に延びた後面部とにより形成し、前記左前ピラーの後面部には、前記ピラー側対向面部よりもドア側に突出した突出部を有する取付板と該取付板から後向きに突出した係合リングとからなる係合部材を設け、前記ドアは、該ドアの外側面を形成する外面板と、該外面板と対面してドアの内側面を形成する内面板と、該内面板の前側に位置して前記外面板の内側に配置され前記ドアが閉じたとき前記ピラー側対向面部と対面するドア側対向面板と、前記内面板と前記ドア側対向面板との間の段差を形成するドア側段差面板と、前記係合部材に対応する位置で前記ドア側段差面板に設けられた取付開口とを有し、前記ドアの前記取付開口には、前記係合部材の係合リングに対向し、前記ドアを閉じたときに前記係合リングに係合して該ドアを閉位置に保持するドア保持部材を設け、前記ドアの前記ドア側対向面板には、前記ドア保持部材よりも前側に位置して前記外面板に向けて凹陥する退避凹部を設け、前記ドアを閉位置としたとき、前記退避凹部によって前記係合部材の取付板の突出部との干渉を避ける構成としたことにある。

　この構成によれば、係合部材の取付板を、左前ピラーの後面部に対しピラー側対向面部よりもドア側に突出させた状態で取付けた場合でも、前記取付板と対向するドアのドア側対向面板には退避凹部を設けているから、ドアを閉じたときに該ドアと前記取付板の突出部とが干渉するのを防止することができる。

　従って、係合部材は、左前ピラーから運転室側に突出しないように外側（ドア側）に寄せて配置できるから、この係合部材に係合するドア保持部材も、ドアの外面板側に寄せて配置することができる。これにより、ドア保持部材がキャブ内の運転室側に出っ張るのを抑え、さらにドアの厚さ寸法を小さくすることができる。

　この結果、例えば超小型の油圧ショベルのように、搭載するキャブが小さい場合でも、キャブ内の運転室を効果的に広げることができ、オペレータの作業環境を良好にすることができる。しかも、ドア保持部材が張出さないようにしたことにより、ドアを左後側面に沿わせるように開いても、ドアは外側に小さく出っ張るだけである。これにより、オペレータは、開いたドアを過剰に意識することなく作業を行うことができ、このときの作業性を向上することができる。

　（２）．本発明は、前記左前ピラーのピラー側対向面部と前記ドアのドア側対向面板とのいずれか一方側には、前記キャブボックスとドアとの間をシールするシール部材を設け、前記退避凹部は、前記ドア保持部材とシール部材との間に配置する構成としたことにある。

　この構成によれば、左前ピラーのピラー側対向面部とドアのドア側対向面板との間に設けたシール部材は、キャブボックスとドアとの間をシールして塵埃、外気、騒音等の侵入を抑え、ドアのがたつきを防ぐことができる。さらに、退避凹部を、ドア保持部材とシール部材との間に配置することができる。

　（３）．本発明は、前記退避凹部の深さ寸法は、前記係合部材の取付板に設けた前記突出部の突出寸法と前記ドアを閉じて前記シール部材が変形したときの幅寸法との差よりも大きな値に設定したことにある。この構成によれば、ドアを勢いよく閉めてシール部材が大きく変形した場合でも、取付板の突出部と退避凹部との衝突を確実に防止することができる。

　（４）．本発明は、前記ドア保持部材は、前記ドアの取付開口に取付けられたケースと、該ケースに回動可能に設けられ前記ドアを閉じたときに前記係合部材の係合リングに係合する係合爪とを有する構成としたことにある。

　この構成によれば、ドアの内面側のドア側段差面板に取付開口を設けた上で、この取付開口にドア保持部材のケースを取付けているから、ドア保持部材を外面板と内面板との間に収めることができる。ドアを閉じたときには、係合爪を係合部材の係合リングに係合させることにより、ドアを閉位置に保持できる。

　（５）．本発明は、前記ドアの外面板には、外部から前記係合爪を操作するための外側ドアノブを設け、前記ドアの内面板には、前記運転室から前記係合爪を操作するための内側ドアノブを設ける構成としたことにある。

　この構成によれば、ドアを閉じた状態から、外側ドアノブまたは内側ドアノブを操作して係合爪を回動することにより、係合部材の係合リングに対する係合爪の係合を解除できる。この状態では、ドアを開くことができる。

本発明の実施の形態に適用される小型の油圧ショベルを示す正面図である。油圧ショベルを上側から見た平面図である。キャブ等を図１中の矢示III－III方向から見た要部拡大の横断面図である。ドアを開位置まで開いた状態を図３と同様位置から見た要部拡大の横断面図である。キャブボックスをドアを閉じた状態で示す正面図である。キャブボックスをドアを開いた状態で示す正面図である。左前ピラーと係合部材を図６中の矢示VII－VII方向から見た後面図である。ドアを単体で内側から示す内面斜視図である。ドアを図８中の矢示IX－IX方向から見た前面図である。図８中のＡ部を拡大して示す要部拡大の斜視図である。図９中のＢ部を拡大して示すドア前端側の要部拡大図である。ドア保持部材と各ドアノブとの接続関係を図９中の矢示XII－XII方向から見た横断面図である。図１２中の要部を拡大して示す拡大断面図である。係合部材とドア保持部材とを離した状態を図１３と同様位置から見た拡大断面図である。

　以下、本発明の実施の形態に適用される建設機械として、キャブ仕様の油圧ショベルを例に挙げ、図１ないし図１４に従って詳細に説明する。

　図１において、１は本実施の形態に適用される建設機械としてのキャブ仕様の油圧ショベルで、該油圧ショベル１は、狭い作業現場での作業に適したミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルである。油圧ショベル１は、自走可能な下部走行体２と、該下部走行体２上に旋回可能に搭載された上部旋回体３と、該上部旋回体３の前，後方向の前側に設けられ土砂の掘削作業等を行う作業装置４とにより構成されている。

　ここで、図２に示すように、上部旋回体３は、下部走行体２の車幅とほぼ等しい左，右方向の幅寸法を有し、かつ旋回中心Ｏを中心とした旋回半径Ｒの仮想円Ｃ内に収まるように、上方から見てほぼ円形状に形成されている。これにより、油圧ショベル１は、上部旋回体３が下部走行体２上で旋回中心Ｏを中心として旋回したときに、後述するカウンタウエイト６の後面がほぼ下部走行体２の車幅内に収まる後方小旋回型の油圧ショベルとして構成されている。

　なお、上述の旋回半径Ｒは、旋回中心Ｏからカウンタウエイト６の後面までの距離によって規定され、上述の仮想円Ｃは、上部旋回体３の旋回時におけるカウンタウエイト６の後面の軌跡となっている。

　上部旋回体３は、支持構造体をなす旋回フレーム５と、該旋回フレーム５上に設けられた後述のエンジン７、キャブ８等とにより構成されている。旋回フレーム５の前側には、作業装置４が揺動可能かつ俯仰動可能に取付けられている。

　カウンタウエイト６は旋回フレーム５の後部に設けられ、該カウンタウエイト６は、作業装置４との重量バランスをとるものである。図２に示す如く、カウンタウエイト６は、後述のエンジン７を後側から覆うように円弧状に湾曲して形成されている。

　エンジン７は、カウンタウエイト６の前部に位置して旋回フレーム５の後側に搭載されている（図１中に点線で図示）。このエンジン７は、左，右方向に延在する横置き状態に配置され、該エンジン７は油圧ポンプを回転駆動するものである。

　キャブ８は旋回フレーム５上に設けられている。このキャブ８は、オペレータが搭乗する運転室を形成するもので、上，下方向に延びる箱状体として形成されている。キャブ８は、後述のフロア部材９、運転席１０、キャブボックス１３、乗降口２１、係合部材２３、ドア２４、ドア保持部材２８等により構成されている。

　フロア部材９はオペレータが搭乗するもので、キャブ８の底部を構成している。フロア部材９は、その前側位置が旋回フレーム５の前側位置に取付けられ、後側位置がカウンタウエイト６上に取付けられている。フロア部材９は、後側に位置して後述の運転席１０が取付けられるステップ状の運転席台座９Ａと、該運転席台座９Ａの前側に位置してオペレータが足を置く足置き場９Ｂとにより構成されている。運転席台座９Ａの後側には後述するキャブボックス１３の後側が取付けられ、足置き場９Ｂの前側にはキャブボックス１３の前側と走行用の操作レバー・ペダル１２が取付けられる。

　運転席１０は運転席台座９Ａ上に設けられ、該運転席１０は、オペレータが着座するものである。運転席１０の左，右両側には、作業用の操作レバー１１が設けられ、前側となる足置き場９Ｂの前部位置には走行用の操作レバー・ペダル１２が設けられている。

　１３はフロア部材９上に設けられたキャブボックスを示している。このキャブボックス１３は、上，下方向に延びる後述の左前ピラー１４、右前ピラー１５、左中間ピラー１６、左後ピラー１７、右後ピラー１８からなる５本のピラーと、左ルーフピラー１９、右ルーフピラー２０（図２参照）とを有している。これら各ピラー１４～２０の間は、前面１３Ａ、左前側面１３Ｂ、左後側面１３Ｃ、右側面１３Ｄ、後面１３Ｅ、天面１３Ｆとなっている。さらに、キャブボックス１３内には、各面１３Ａ～１３Ｆによって覆われることにより、フロア部材９上にオペレータが作業を行う運転室１３Ｇが形成されている。

　この場合、キャブボックス１３の左後側面１３Ｃは、左中間ピラー１６から左後ピラー１７に向けて外向きに凸円弧状をなす湾曲面として形成されている。一方、左後側面１３Ｃは、後述のドア２４を後側の開位置まで開いたときに当該ドア２４がこの開位置で固定される固定面となっている。

　次に、各ピラー１４～１８について述べる。まず、左前ピラー１４は、キャブボックス１３の左前部に配設され、前面１３Ａと左前側面１３Ｂとの間の稜線を形成している。右前ピラー１５は、キャブボックス１３の右前部に位置して前面１３Ａと右側面１３Ｄとの間の稜線を形成している。右後ピラー１８は、キャブボックス１３の右後部に位置して右側面１３Ｄと後面１３Ｅとの間の稜線を形成している。

　左中間ピラー１６は、キャブボックス１３の左側に位置して前，後方向の中間部位に設けられ、左前側面１３Ｂと左後側面１３Ｃとの境界位置で運転席１０の左横の近傍に配設されている。左中間ピラー１６には、後述の乗降口２１を開閉するドア２４が水平方向に回動可能に取付けられている。

　左後ピラー１７は、キャブボックス１３の後側の中間位置に配設され、右後ピラー１８の左側にキャブボックス１３の幅寸法の半分程度の間隔をもって配置されている。この場合、左後ピラー１７は、運転席１０の後方位置で、該運転席１０に着座したオペレータの後方視界を損なわない真後の範囲に配設されている。

　一方、左ルーフピラー１９は、キャブボックス１３の左上側に配設され、該左ルーフピラー１９は、キャブボックス１３の左前側面１３Ｂ、左後側面１３Ｃと天面１３Ｆとの間の稜線を形成している。左ルーフピラー１９の後部側は、ピラー１６，１７間に位置する部位が外向きに凸円弧状をなして湾曲している。右ルーフピラー２０は、キャブボックス１３の右上側に配設され、該右ルーフピラー２０は、右側面１３Ｄと天面１３Ｆとの間の稜線を形成している。

　乗降口２１は、キャブボックス１３の左前ピラー１４と左中間ピラー１６との間に設けられている。この乗降口２１は、オペレータがキャブ８内の運転室１３Ｇに乗り降りするときの通路であり、後述のドア２４によって開閉される。

　さらに、図４、図６に示すように、乗降口２１の周囲には、左前ピラー１４の後側部分、左中間ピラー１６の前側部分、左ルーフピラー１９の下側部分に囲まれて枠状のドア収容段部２２が設けられている。このドア収容段部２２は、ドア２４を閉じたときに該ドア２４が外側（左側）に突出しないように、その周囲部分を収容するものである。これにより、左前ピラー１４、左中間ピラー１６、左ルーフピラー１９の横断面形状は、筒体の一部を凹陥させたステップ形状となっている。

　ここで、前述したドア収容段部２２が形成されると共に、本発明の特徴部分の１つであり、後述の係合部材２３が取付けられる前述の左前ピラー１４の形状について詳しく説明する。

　即ち、左前ピラー１４は、上側に向け後側に緩やかに傾くように湾曲した異形パイプ部材を用いて形成されている。この左前ピラー１４は、右前側から左側に亘って湾曲した左側面部１４Ａと、該左側面部１４Ａの後端から屈曲してキャブボックス１３内の運転室１３Ｇ側となる右側に延びたピラー側段差面部１４Ｂと、該ピラー側段差面部１４Ｂの奥部から後側に延びて設けられ閉じられたドア２４の周囲と対面するピラー側対向面部１４Ｃと、該ピラー側対向面部１４Ｃの後端部から運転室１３Ｇに向け右側に延びた後面部１４Ｄと、前記左側面部１４Ａの前端から後面部１４Ｄの右端まで延びた内面部１４Ｅとにより構成されている。ピラー側段差面部１４Ｂとピラー側対向面部１４Ｃとは、前述したドア収容段部２２の前側部分を構成している。

　左前ピラー１４のピラー側段差面部１４Ｂは、ドア２４を閉じたときに、該ドア２４の周囲を収容する枠状の空間を形成している。一方、ピラー側対向面部１４Ｃは、ドア２４を閉じたときに、後述のシール部材２７が弾性的に当接するシール面を形成するもので、ドア２４のドア側対向面板２４Ｃに対面するものである。

　図６、図７に示すように、後面部１４Ｄは、高さ方向の中間位置が凸状部１４Ｄ1となって後側に突出している。この凸状部１４Ｄ1は、後述するドア２４のドア側段差面板２４Ｄに設けられた凹状部２４Ｄ1に入り込むもので、凸状部１４Ｄ1には、後述の係合部材２３が取付けられている。ここで、ピラー側段差面部１４Ｂと後面部１４Ｄとを合計した左，右方向の幅寸法Ｓ1（図７参照）は、ドア２４にドア保持部材２８を取付けた部分の厚さ寸法Ｓ2（図９参照）とほぼ同じ寸法に設定されている。これにより、ドア２４を閉じた状態では、このドア２４をキャブボックス１３の左前側面１３Ｂに出っ張ることなく収めることができる。一方、運転室１３Ｇから見ても、ドア２４が左前ピラー１４からオペレータに向け内向きに張出すのを抑えることができる。

　２３は左前ピラー１４を構成する後面部１４Ｄの凸状部１４Ｄ1に取付けられた係合部材を示している。この係合部材２３は、後述のドア保持部材２８と協働してドア２４を閉じた状態で保持するものである。係合部材２３は、菱形をした平板状の取付板２３Ａと、該取付板２３Ａから後方に向けて水平に突出して設けられたＵ字状の係合リング２３Ｂとにより構成されている。この取付板２３Ａは、後面部１４Ｄの凸状部１４Ｄ1に対し強固にねじ止めされている。この状態では、係合リング２３Ｂは、後面部１４Ｄから後向きに突出している。

　ここで、係合部材２３は、ドア２４の開閉時に作用する衝撃に長期に亘って耐えることができるように、十分な耐久性（強度）が必要になる。このために、係合部材２３は、係合リング２３Ｂが太く大きく形成されるから、取付場所に合わせて容易に小型化することができない部品となっている。従って、係合部材２３は、その取付板２３Ａの幅寸法が取付場所となる後面部１４Ｄの幅寸法よりも大きくなっている。

　本実施の形態では、係合部材２３を外側に寄せて配置し、取付板２３Ａの内側部分が左前ピラー１４よりもキャブボックス１３内の運転室１３Ｇ側に突出しないようにしている。これに伴い、図７、図１４に示すように、取付板２３Ａの外側部分は、ピラー側対向面部１４Ｃよりもドア２４側に突出寸法Ｌ1だけ外向きに突出した突出部２３Ａ1となっている。このように、係合部材２３を左前ピラー１４の内面部１４Ｅよりも外側（ドア２４側）に配置した場合には、この係合部材２３に係合する後述のドア保持部材２８もドア２４に対して外側寄りに配置することができる。

　２４はキャブボックス１３の左中間ピラー１６に回動可能に取付けられたドアを示している。このドア２４は、乗降口２１を開閉するもので、該乗降口２１に対応するように上，下方向に長尺な略長方形状に形成され、その後端側が左中間ピラー１６を支点として前，後方向に回動可能に取付けられている。ドア２４は、前側に回動されてキャブボックス１３の乗降口２１を閉じた閉位置と、後側に回動されて乗降口２１を開きキャブボックス１３の左後側面１３Ｃに沿わせた開位置との間で開閉動作されるものである。

　さらに詳述すると、ドア２４は、外側面を形成するほぼ平坦な外面板２４Ａと、該外面板２４Ａと対面してドア２４の内側面を形成し、該外面板２４Ａの先端よりも短尺な内面板２４Ｂとを有し、該外面板２４Ａと内面板２４Ｂとを合わせることにより、内部が中空なドアとして構成されている。図９に示すように、内面板２４Ｂは、左前ピラー１４の後面部１４Ｄに形成された凸状部１４Ｄ1に対応する上，下方向の中間位置が内側に僅かに膨らんだ膨み部２４Ｂ1となり、この膨み部２４Ｂ1の位置には、前側に位置して後述のドア保持部材２８が設けられている。

　ドア２４の前端側を含む周囲には、外面板２４Ａの内側に位置してドア側対向面板２４Ｃが形成されている。このドア側対向面板２４Ｃは、ドア２４を閉じたときにドア収容段部２２（左前ピラー１４のピラー側対向面部１４Ｃ）と対面するものである。一方、ドア側対向面板２４Ｃには、後述のシール部材２７が取付けられている。さらに、ドア側対向面板２４Ｃには、シール部材２７の後側に位置して後述の退避凹部２９が形成されている。

　ドア２４の内面板２４Ｂの前端部とドア側対向面板２４Ｃの後端部との間は、ドア側段差面板２４Ｄとなり、該ドア側段差面板２４Ｄは、左前ピラー１４の後面部１４Ｄと対面するものである。ここで、図６に示すように、ドア側段差面板２４Ｄは、左前ピラー１４の後面部１４Ｄに形成された凸状部１４Ｄ1に対応する高さ方向の中間位置が後側に凹んだ凹状部２４Ｄ1となっている。この凹状部２４Ｄ1は、凸状部１４Ｄ1を避けるもので、その奥部位置には後述のドア保持部材２８が取付けられている。

　図８、図１０、図１３等に示すように、ドア２４のドア側段差面板２４Ｄには、取付開口２４Ｅが設けられている。この取付開口２４Ｅは、係合部材２３に対応する位置、即ち、ドア側段差面板２４Ｄの凹状部２４Ｄ1に設けられている。取付開口２４Ｅは、ドア保持部材２８を取付けるための開口で、該ドア保持部材２８のケース２８Ａが嵌まるように、該ケース２８Ａの外形と合うように形成されている。

　一方、ドア２４の後端側には、上，下の２箇所にドアヒンジ２４Ｆが設けられ、該各ドアヒンジ２４Ｆによって左中間ピラー１６に回動可能に取付けられている。外面板２４Ａには、外部からドア保持部材２８を操作するための外側ドアノブ２５が設けられ、該外側ドアノブ２５は、リンク部材２５Ａを介してドア保持部材２８の係合爪２８Ｃを回動操作することができる。内面板２４Ｂには、運転室１３Ｇからドア保持部材２８を操作するための内側ドアノブ２６が設けられ、該内側ドアノブ２６は、リンク部材２６Ａを介してドア保持部材２８の係合爪２８Ｃを回動操作することができる（図１２参照）。

　さらに、ドア２４のドア側対向面板２４Ｃには、周縁側に位置してシール部材２７が取付けられ、該シール部材２７は、弾性、柔軟性を有するゴム材料等により形成されている。図１３に示すように、シール部材２７は、ドア２４を閉じたときにドア収容段部２２（左前ピラー１４のピラー側対向面部１４Ｃ）に押付けられることにより、キャブボックス１３とドア２４との間をシールして塵埃、外気、騒音等の侵入を抑え、ドア２４のがたつきを防ぐことができる。

　ここで、シール部材２７は、ドア２４を閉じて左前ピラー１４のピラー側対向面部１４Ｃに押付けられることにより潰れるように変形する。このときにシール部材２７は、変形した場合の幅寸法が寸法Ｌ2となっている。なお、シール部材２７は、ドア２４のドア側対向面板２４Ｃに設けた場合を例示したが、キャブボックス１３側のピラー側対向面部１４Ｂを含むドア収容段部２２に設ける構成としてもよい。

　２８はドア側段差面板２４Ｄの取付開口２４Ｅに設けられたドア保持部材を示している。このドア保持部材２８は、係合部材２３に対向するように配置され、ドア２４を前側に回動して閉じたときに前記係合部材２３の係合リング２３Ｂに係合して該ドア２４を閉位置に保持するものである。ドア保持部材２８は、ドア２４のドア側段差面板２４Ｄに形成された凹状部２４Ｄ1の奥部に設けられている。具体的に、ドア保持部材２８は、係合部材２３に対応する高さ位置に取付けられている。

　ドア保持部材２８は、取付開口２４Ｅに取付けられた箱体状のケース２８Ａと、内面板２４Ｂ側（係合部材２３側）に位置して該ケース２８Ａに開口して設けられた切欠き溝２８Ｂと、前記ケース２８Ａ内に回動可能に設けられ該切欠き溝２８Ｂに対して出入りする係合爪２８Ｃと、該係合爪２８Ｃを前記ケース２８Ａに対し回動可能に支持する支持軸２８Ｄと、前記係合爪２８Ｃを付勢して後述の解放位置またはロック位置に配置するばね部材（図示せず）とにより大略構成されている。前記係合爪２８Ｃは、リンク部材２５Ａ，２６Ａを介して各ドアノブ２５，２６に接続されている。

　従って、ドア保持部材２８は、図１１中に二点鎖線で示すように、ドア２４を開いた状態では、係合爪２８Ｃを切欠き溝２８Ｂから外側に外れた解放位置に配置している。一方、ドア２４を閉じて係合部材２３の係合リング２３Ｂが切欠き溝２８Ｂの奥部まで侵入すると、図１１中に実線と点線で示すように、係合爪２８Ｃは切欠き溝２８Ｂに突出したロック位置に配置される。このロック位置では、係合爪２８Ｃは、係合リング２３Ｂに係合することにより、ドア２４を閉位置に保持することができる。さらに、ドア保持部材２８は、外側ドアノブ２５または内側ドアノブ２６を操作することにより、係合リング２３Ｂに対する係合爪２８Ｃの係合を解除（解放位置に回動）することができ、この状態ではドア２４を開くことができる。

　ここで、係合部材２３が左前ピラー１４の外側寄り（ドア２４側寄り）に配置されたことで、この係合部材２３に対応するように、ドア保持部材２８をドア２４の外側寄りに配置することができる。従って、ドア保持部材２８が設けられているために、ドア２４の内面板２４Ｂから張出した膨み部２４Ｂ1の張出し寸法は、係合部材２３を外側寄りに配置した分だけ小さく抑えることができる。例えば、膨み部２４Ｂ1の張出し寸法を含むドア２４の厚さ寸法Ｓ2は、左前ピラー１４、左中間ピラー１６の幅寸法とほぼ同じ寸法にすることができるから、膨み部２４Ｂ1がキャブボックス１３の運転室１３Ｇ内に大きく張出すのを抑えることができる。

　２９は係合部材２３の取付板２３Ａと対向する位置でドア側対向面板２４Ｃに設けられた退避凹部を示している。図１０、図１４に示すように、この退避凹部２９は、シール部材２７とドア保持部材２８との間に位置して、例えばドア保持部材２８とほぼ同じ高さ範囲でドア側対向面板２４Ｃを外側（左側）に凹陥させることにより形成されている。退避凹部２９は、左前ピラー１４の後面部１４Ｄから外側に突出した係合部材２３の取付板２３Ａの突出部２３Ａ1が干渉（接触）しないように避けるもので、その最深部は深さ寸法Ｌ3となっている。この退避凹部２９の深さ寸法Ｌ3は、ドア２４を勢いよく閉めてシール部材２７が大きく変形した場合でも、取付板２３Ａの突出部２３Ａ1と干渉しない十分な寸法に設定されている。従って、退避凹部２９の深さ寸法Ｌ3は、係合部材２３の取付板２３Ａに設けた突出部２３Ａ1の突出寸法Ｌ1からドア２４を閉じてシール部材２７が変形したときの幅寸法Ｌ2を引いた値よりも大きな値、即ち、下記数１の関係に設定されている。

　このように、ドア２４のドア側対向面板２４Ｃには退避凹部２９を設けているから、係合部材２３を外側寄り（外面板２４Ａ側）に配置することができる。係合部材２３を外側寄りに配置したことで、ドア２４の内面板２４Ｂの張出し寸法を小さく抑えることができ、該ドア２４を薄型形状とすることができる。

　なお、３０はキャブボックス１３の左後側面１３Ｃに設けられたキャッチ（図３参照）である。一方、３１は該キャッチ３０に対応するようにドア２４の外面板２４Ａに設けられたストライカである。図４に示すように、このキャッチ３０とストライカ３１は、ドア２４を左後側面１３Ｃに沿う位置まで開いたときに、互いに係合してドア２４を開位置に保持することができる。一方で、キャブ８内に設けられた解除レバー（図示せず）を操作することにより、キャッチ３０とストライカ３１との係合を解除することができる。

　本実施の形態による油圧ショベル１は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。

　オペレータは、ドア２４を開いて乗降口２１からキャブ８内に乗込み、ドア２４を閉じて運転席１０に着座する。この状態で、走行用の操作レバー・ペダル１２を操作することにより、下部走行体２を走行させることができる。一方、作業用の操作レバー１１を操作することにより、上部旋回体３を旋回させたり、作業装置４を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。

　ここで、係合部材２３とドア保持部材２８を外側寄り（ドア２４側寄り）に配置したことで、ドア２４を閉じた場合、ドア保持部材２８がキャブ８内に向けて出っ張る張出し寸法を小さく抑えることができるから、キャブボックス１３内の運転席１３Ｇを広くすることができる。

　さらに、油圧ショベル１で作業を行う場合、ドア２４を開いて乗降口２１を開放した状態で作業を行う場合がある。この場合、ドア２４を左後側面１３Ｃに沿う位置まで開いてキャッチ３０とストライカ３１とを係合させることにより、ドア２４を開いた状態で作業を行うことができる。このときに、ドア２４の内面板２４Ｂの張出し寸法を小さく抑えたことにより、この内面板２４Ｂが周囲の障害物と干渉するのを抑制することができる。

　かくして、本実施の形態によれば、左前ピラー１４を、右前側から左側に亘って湾曲した左側面部１４Ａと、該左側面部１４Ａの後端から屈曲してキャブボックス１３内の運転席１３Ｇ側となる右側に延びたピラー側段差面部１４Ｂと、該ピラー側段差面部１４Ｂの奥部から後側に延びて設けられ閉じられたドア２４の周囲と対面するピラー側対向面部１４Ｃと、該ピラー側対向面部１４Ｃの後端部から右側に延びた後面部１４Ｄと、前記左側面部１４Ａの前端から後面部１４Ｄの右端まで延びた内面部１４Ｅとにより構成している。

　ドア２４は、外側面を形成する外面板２４Ａと、該外面板２４Ａと対面してドア２４の内側面を形成する内面板２４Ｂと、該内面板２４Ｂの前端側に位置して前記外面板２４Ａの内側に配置され前記ドア２４が閉じたとき前記左前ピラー１４のピラー側対向面部１４Ｃと対面するドア側対向面板２４Ｃと、前記内面板２４Ｂと前記ドア側対向面板２４Ｃとの間の段差を形成するドア側段差面板２４Ｄと、前記ドア側段差面板２４Ｄの係合部材２３に対応する位置に設けられた取付開口２４Ｅとにより構成されている。さらに、内面板２４Ｂの前端部とドア側対向面板２４Ｃの後端部との間、即ち、ドア側段差面板２４Ｄの凹状部２４Ｄ1にはドア保持部材２８が設けられている。

　この上で、係合部材２３の取付板２３Ａは、その突出部２３Ａ1を左前ピラー１４のピラー側対向面部１４Ｃよりもドア２４側に突出させた状態で後面部１４Ｄに取付け、前記ドア２４のドア側対向面板２４Ｃには、前記取付板２３Ａの突出部２３Ａ1との干渉を避けるための退避凹部２９を設ける構成としている。

　従って、係合部材２３の取付板２３Ａの突出部２３Ａ1と対向するドア２４のドア側対向面板２４Ｃには退避凹部２９を設けているから、係合部材２３の取付板２３Ａを、左前ピラー１４の後面部１４Ｄに対し突出部２３Ａ1がピラー側対向面部１４Ｃよりも外側に突出した状態で取付けた場合でも、ドア２４を閉じたときに該取付板２３Ａの突出部２３Ａ1とが干渉するのを防止することができる。

　この場合、数１に示すように、退避凹部２９は、その深さ寸法Ｌ3を、係合部材２３の取付板２３Ａに設けた突出部２３Ａ1の突出寸法Ｌ1からドア２４を閉じてシール部材２７が変形したときの幅寸法Ｌ2を引いた値よりも大きな値に設定している。これにより、ドア２４を勢いよく閉めてシール部材２７が大きく変形した場合でも、取付板２３Ａの突出部２３Ａ1と退避凹部２９との衝突を確実に防止することができ、ドア２４の耐久性を向上することができる。

　また、係合部材２３は、左前ピラー１４から運転室１３Ｇ側に突出しないようにドア２４側に寄せて配置できるから、この係合部材２３に係合するドア保持部材２８も、ドア２４の外面板２４Ａ側（外側）に寄せて配置することができる。この結果、例えば超小型の油圧ショベル１のように、搭載するキャブ８が小さい場合でも、ドア保持部材２８を外側に引込めた分だけ、キャブボックス１３内の運転室１３Ｇを効果的に広げることができ、オペレータの作業環境を良好にすることができる。

　前述のように、ドア２４の内側への張出し寸法を小さく抑えたことにより、ドア２４を左後側面１３Ｃに沿う位置まで開いたときの外側への突出寸法を小さくすることができる。これにより、ドア２４を大きく開いて作業を行う場合でも、オペレータは開いたドア２４を過剰に意識することなく作業を行うことができ、このときの作業性を向上することができる。

　しかも、退避凹部２９は、ドア２４の外面板２４Ａとは別個となったドア側対向面板２４Ｃに凹陥して設けているから、外側に露出した外面板２４Ａを平坦に形成でき、外観上の見栄えを良好にすることができる。

　一方、ドア２４のドア側対向面板２４Ｃにシール部材２７を設け、該シール部材２７を左前ピラー１４のピラー側対向面部１４Ｃに当接させる構成としているから、キャブボックス１３とドア２４との間をシールして塵埃、外気、騒音等の侵入を抑えることができる。ドア２４のがたつきを防ぐことができる。さらに、退避凹部２９は、ドア保持部材２８とシール部材２７との間のスペースを利用して設けることができる。

　ドア保持部材２８は、ドア２４の取付開口２４Ｅに取付けられたケース２８Ａと、該ケース２８Ａに回動可能に設けられ係合部材２３の係合リング２３Ｂに係合する係合爪２８Ｃとを有している。従って、取付開口２４Ｅにドア保持部材２８のケース２８Ａを取付けることにより、ドア保持部材２８をドア２４の外面板２４Ａと内面板２４Ｂとの間に収めることができる。

　さらに、ドア２４には、外側ドアノブ２５と内側ドアノブ２６とを設けているから、外側ドアノブ２５または内側ドアノブ２６を操作して係合爪２８Ｃを回動することにより、ドア２４を開くことができる。

　なお、実施の形態では、ドア保持部材２８と退避凹部２９を１枚のドア２４に設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば前側ドアと後側ドアをヒンジで連結した折畳み式のドアに適用する構成としてもよい。

　実施の形態では、建設機械としてクローラ式の下部走行体２を備えたキャブ仕様の油圧ショベル１を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の下部走行体を備えたキャブ仕様の油圧ショベル等に適用してもよい。さらに、キャブを備えた建設機械であれば、油圧クレーン等の他の建設機械に適用してもよい。

　１　油圧ショベル（建設機械）
　２　下部走行体
　３　上部旋回体
　４　作業装置
　５　旋回フレーム
　８　キャブ
　９　フロア部材
　１０　運転席
　１３　キャブボックス
　１３Ａ　前面
　１３Ｂ　左前側面
　１３Ｃ　左後側面
　１３Ｄ　右側面
　１３Ｅ　後面
　１３Ｆ　天面
　１３Ｇ　運転室
　１４　左前ピラー
　１４Ａ　左側面部
　１４Ｂ　ピラー側段差面部
　１４Ｃ　ピラー側対向面部
　１４Ｄ　後面部
　１４Ｅ　内面部
　１５　右前ピラー
　１６　左中間ピラー
　１７　左後ピラー
　１８　右後ピラー
　２１　乗降口
　２３　係合部材
　２３Ａ　取付板
　２３Ａ1　突出部
　２３Ｂ　係合リング
　２４　ドア
　２４Ａ　外面板
　２４Ｂ　内面板
　２４Ｃ　ドア側対向面板
　２４Ｄ　ドア側段差面板
　２４Ｄ1　凹状部
　２４Ｅ　取付開口
　２５　外側ドアノブ
　２６　内側ドアノブ
　２７　シール部材
　２８　ドア保持部材
　２８Ａ　ケース
　２８Ｂ　切欠き溝
　２８Ｃ　係合爪
　２９　退避凹部
　Ｌ1　取付板の突出部の突出寸法
　Ｌ2　シール部材が変形したときの幅寸法
　Ｌ3　退避凹部の深さ寸法

Claims

　自走可能な下部走行体（２）と、該下部走行体（２）上に旋回可能に搭載され支持構造体をなす旋回フレーム（５）上にキャブ（８）が設けられた上部旋回体（３）と、該上部旋回体（３）の前，後方向の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置（４）とからなり、
　前記キャブ（８）は、
　左前、右前、左中間、左後、右後に位置して上，下方向に延びる５本のピラー（１４～１８）が設けられると共に、該各ピラー（１４～１８）間が前面（１３Ａ）、左前側面（１３Ｂ）、左後側面（１３Ｃ）、右側面（１３Ｄ）、後面（１３Ｅ）および天面（１３Ｆ）により覆われ内部が運転室（１３Ｇ）となったキャブボックス（１３）と、
　該キャブボックス（１３）の左前ピラー（１４）と左中間ピラー（１６）との間の乗降口（２１）を開閉するために後端側が前記左中間ピラー（１６）に前，後方向に回動可能に取付けられたドア（２４）とを備えてなる建設機械において、
　前記左前ピラー（１４）は、左側面部（１４Ａ）の前，後方向の途中部位を前記運転室（１３Ｇ）側に屈曲させたピラー側段差面部（１４Ｂ）と、該ピラー側段差面部（１４Ｂ）の奥部から後側に延びて設けられ閉扉状態の前記ドア（２４）と対面するピラー側対向面部（１４Ｃ）と、該ピラー側対向面部（１４Ｃ）の後端部から前記運転室（１３Ｇ）側に延びた後面部（１４Ｄ）とにより形成し、
　前記左前ピラー（１４）の後面部（１４Ｄ）には、前記ピラー側対向面部（１４Ｃ）よりもドア（２４）側に突出した突出部（２３Ａ1）を有する取付板（２３Ａ）と該取付板（２３Ａ）から後向きに突出した係合リング（２３Ｂ）とからなる係合部材（２３）を設け、
　前記ドア（２４）は、該ドア（２４）の外側面を形成する外面板（２４Ａ）と、該外面板（２４Ａ）と対面してドア（２４）の内側面を形成する内面板（２４Ｂ）と、該内面板（２４Ｂ）の前側に位置して前記外面板（２４Ａ）の内側に配置され前記ドア（２４）が閉じたとき前記ピラー側対向面部（１４Ｃ）と対面するドア側対向面板（２４Ｃ）と、前記内面板（２４Ｂ）と前記ドア側対向面板（２４Ｃ）との間の段差を形成するドア側段差面板（２４Ｄ）と、前記係合部材（２３）に対応する位置で前記ドア側段差面板（２４Ｄ）に設けられた取付開口（２４Ｅ）とを有し、
　前記ドア（２４）の前記取付開口（２４Ｅ）には、前記係合部材（２３）の係合リング（２３Ｂ）に対向し、前記ドア（２４）を閉じたときに前記係合リング（２３Ｂ）に係合して該ドア（２４）を閉位置に保持するドア保持部材（２８）を設け、
　前記ドア（２４）の前記ドア側対向面板（２４Ｃ）には、前記ドア保持部材（２８）よりも前側に位置して前記外面板（２４Ａ）に向けて凹陥する退避凹部（２９）を設け、
　前記ドア（２４）を閉位置としたとき、前記退避凹部（２９）によって前記係合部材（２３）の取付板（２３Ａ）の突出部（２３Ａ1）との干渉を避ける構成としたことを特徴とする建設機械。
　前記左前ピラー（１４）のピラー側対向面部（１４Ｃ）と前記ドア（２４）のドア側対向面板（２４Ｃ）とのいずれか一方側には、前記キャブボックス（１３）とドア（２４）との間をシールするシール部材（２７）を設け、
　前記退避凹部（２９）は、前記ドア保持部材（２８）とシール部材（２７）との間に配置する構成としてなる請求項１に記載の建設機械。
　前記退避凹部（２９）の深さ寸法（Ｌ3）は、前記係合部材（２３）の取付板（２３Ａ）に設けた前記突出部（２３Ａ1）の突出寸法（Ｌ1）と前記ドア（２４）を閉じて前記シール部材（２７）が変形したときの幅寸法（Ｌ2）との差よりも大きな値に設定してなる請求項２に記載の建設機械。
　前記ドア保持部材（２８）は、前記ドア（２４）の取付開口（２４Ｅ）に取付けられたケース（２８Ａ）と、該ケース（２８Ａ）に回動可能に設けられ前記ドア（２４）を閉じたときに前記係合部材（２３）の係合リング（２３Ｂ）に係合する係合爪（２８Ｃ）とを有する構成としてなる請求項１に記載の建設機械。
　前記ドア（２４）の外面板（２４Ａ）には、外部から前記係合爪（２８Ｃ）を操作するための外側ドアノブ（２５）を設け、
　前記ドア（２４）の内面板（２４Ｂ）には、前記運転室（１３Ｇ）から前記係合爪（２８Ｃ）を操作するための内側ドアノブ（２６）を設ける構成としてなる請求項４に記載の建設機械。