WO2006112460A1

WO2006112460A1 - 環縫いミシン

Info

Publication number: WO2006112460A1
Application number: PCT/JP2006/308148
Authority: WO
Inventors: Ikuo Tajima; Satoru Suzuki; Sei Kato
Original assignee: Tokai Kogyo Mishin Kabushiki Kaisha
Priority date: 2005-04-18
Filing date: 2006-04-18
Publication date: 2006-10-26
Also published as: JP2006296557A; EP1873294A1; CN101160426A; CN2913409Y; US20090038519A1; JP4310289B2

Abstract

　環縫いミシンは、針板の下方に配置され、糸挿入口と糸導出口とを有し、縫い動作に同期して回転駆動されるルーパと、それぞれ異なる糸供給源につながる複数の糸供給口とを具備する。糸通路を有し、該糸通路を介して前記複数の糸供給口のいずれかを前記ルーパの糸挿入口に選択的に連結する連結部材が更に設けられる。糸通し機構は、前記連結部材を介して前記ルーパの糸挿入口に通じた糸供給口から供給される縫糸を、該ルーパの糸挿入口に通して前記糸導出口から出されるようにする。連結部材は、糸通路の入口を前記複数の糸供給口のいずれかに一致させるよう選択的に移動可能なものとしてもよい。複数の糸供給口を円弧状に並んで配列するようにするとよい。

Description

明細書

環縫レ、ミシン技術分野

[0001] 本発明は、単一のルーパで色や性状の異なる複数の縫糸を選択的に使用することで多色環縫いが可能な形式の環縫いミシンに関する。特に、筒状の被縫製物に対して環縫、を行うのに適した環縫、ミシンに関する。

背景技術

[0002] 従来から、往復駆動される鉤針と、針板の下方にて縫糸を供給するように配置されたルーパとが協働し、該ルーパが該鉤針の縫い動作と同期的に回転制御されることで、被縫製物に対して環縫いを行う環縫いミシンが知られている。また、 1つのミシンヘッド（縫いヘッドとも呼ぶ）に対して 1つのルーパを備え、この単一のルーパに対して各々色や性状の異なる複数の縫糸が用意されており、これらの縫糸のいずれかを前記ルーパに対して選択的に挿通させることで多色糸による環縫、（つまり多色環縫い）を被縫製物に施すようにした環縫いミシンも公知である。こうした複数の縫糸を単一のルーパで選択的に使用することで多色環縫、が可能な形式の環縫、ミシンの一例としては、下記に示す特許文献 1又は特許文献 2に開示されている環縫いミシンなどがある。下記特許文献 1又は特許文献 2に開示されているような従来の環縫いミシンにお、ては、複数の縫糸の中から、ずれかの縫糸をルーパに対して選択的に供給するために、ルーパの下方に横方向へのスライド可能な糸供給機構が配置してある。この糸供給機構にはスライド方向に沿って複数の縫糸が並列的にセットしてあり、該糸供給機構を介して複数の糸配列そのものをスライドさせることで所望の縫糸を適宜にルーパの直下に位置させ、その状態でエアの噴射によりルーパ直下に位置された縫糸をルーパに揷通するようにして、縫糸の色換え (色糸選択)を行うようにしている。

特許文献 1：特許第 3457040号公報

特許文献 2：特開 2002-317374号公報

[0003] 上述したように、従来の環縫いミシンは複数の縫糸が並列的にセットされた糸供給機構を介して複数の糸配列そのものを横方向にスライドさせることによって縫糸の色換えを行うものであるため、構成を小型化することが困難であり、また、複数の糸配列の横幅のほぼ 2倍の範囲のスライド用スペース（横移動のための余裕スペース）を確保する必要があった。そのため、従来、色糸選択可能なタイプの環縫いミシンは、平面状の被縫製物にし力適用することができな力つた。一方、被縫製物には、 Tシャツや帽子など筒状の被縫製物も存在する。周知のように、筒状の被縫製物に対して通常の縫い又は刺繍を行うためには、筒状の被縫製物の内側に釜を内蔵した筒型の釜ベッドを位置させる必要がある。これと同様に、筒状の被縫製物に対して環縫いを行うためには、筒状の被縫製物の内側にルーパを位置させる必要がある。し力しながら、単一のルーパに対して複数の糸を任意に挿通することにより縫糸の色換えを行うことが可能な従来の環縫!、ミシンにお、ては、糸供給機構のスライド方向に沿って複数の縫糸の配列そのものを横方向にスライドさせる構成であったので、構成を小型化することが困難であり、かつ、広い範囲でのスライド用スペース（横移動の余裕スぺース)を確保する必要があったことから、該糸供給機構を配置する筒状の被縫製物の内側のスペースをかなり大きく確保する必要がある。このため、環縫いを行うことが可能な筒状の被縫製物として、力なり大きなサイズのものに限られてしまうば力りでなぐ仮に環縫いを行うことが可能な大きなサイズの被縫製物であってもその縫製範囲が極く限られたものとなり、実用性に乏しい。従って、事実上、筒状の被縫製物に対する多色糸による環縫、（多色環縫、）を行うのに適した環縫、ミシンは従来存在して、なかった。

発明の開示

[0004] 本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、 1つのミシンヘッドに対応して 1つのルーパを備えて、る環縫、ミシンにお!、て、複数の縫糸の中力も所望の縫糸をルーパに対して縫い作業可能な状態に選択的に供給する糸供給機構をコンパクトに構成した環縫いミシンを提供しょうとするものである。また、筒状の被縫製物に対する多色糸による環縫いを行うのに適した環縫いミシンを提供しょうとするものである。

[0005] 本発明に係る第 1の観点に従う環縫いミシンは、往復駆動される鉤針と、針板の下方に配置され、糸挿入口と糸導出口とを有し、縫い動作に同期して回転駆動されるルーパと、それぞれ異なる糸供給源につながる複数の糸供給口と、糸通路を有し、該糸通路を介して前記複数の糸供給口の、ずれかを前記ルーパの糸挿入口に選択的に連結する連結部材と、前記連結部材を介して前記ルーパの糸挿入口に通じた糸供給口から供給される縫糸を、該ルーパの糸挿入口に通して前記糸導出口から出されるようにする糸通し機構とを備えたことを特徴とする。

[0006] 本発明の第 1の観点に従えば、複数の糸供給口とルーパとの間に、糸通路を介して該複数の糸供給口の、ずれかを該ルーパの糸挿入口に選択的に連結する連結部材を設けた構成により、ルーパの糸選択及び供給のための機構をコンパクトにまとめることが可能となる。その結果、単一のルーパに対して色や性状の異なる複数の縫糸を選択的に供給するためのこうした糸選択及び供給のための機構全体及びルーパを一端部が突出したような形状 (片持ち形状)のルーパ土台内にコンパクトに納める構成とすることができるものとなる。これに伴い、この一端部から筒状被縫製物の出し入れが可能となることで、筒状の被縫製物に対する環縫！、を行うのに適した環縫ヽミシンを提供することができるようになる。また、糸選択及び供給のための機構そのものの構造を従来に比べてコンパクトィ匕することができるので、筒状の被縫製物に限らず、平面状の被縫製物に対する環縫いを行うミシンにおいても、有利に適用することができる。

[0007] 本発明の好ましい実施例として、複数の糸供給口とルーパとの間に介在させた前記連結部材は、それ自体が、前記糸通路の入口を前記複数の糸供給口のいずれ力ゝに一致させるよう選択的に移動可能なものである。このように、複数の糸供給口の配列は動力さずに、連結部材の方を移動させる構成とすることにより、移動機構の構成を簡単化'小型化することができ、かつ、移動 (例えばスライド)可能範囲を確保するための余分のスペースを不要とすることができる (複数の糸供給口それ自体が横に動力されないことにより）。

本発明の別の好ましい実施例として、前記複数の糸供給口は円弧状に並んで配列されてなり、該円弧配列に沿う前記連結部材の回動により、前記複数の糸供給口のいずれかを前記ルーパの糸挿入口に連結することを特徴とする。これにより、前記ル一パの糸挿入口に縫糸を供給する機構をより小嵩にすることができ、かつ色糸選択のための動きを、横方向スライドではなぐ円弧運動とすることで、移動 (スライド)可能範囲を確保するための余分のスペースを不要とすることができる。従って、筒状の被縫製物に対する環縫いを行うミシンにより一層有利に適用することができる。

[0008] 本発明の別の観点に従う環縫いミシンは、往復駆動される鉤針と、針板の下方に配置され、糸挿入口と糸導出口とを有し、縫い動作に同期して回転駆動されるルーパと、円弧状に並んで配列された複数の糸供給口と、前記複数の糸供給口のいずれかを前記ルーパの糸挿入口に選択的に連結する選択装置と、前記選択装置を介して前記ルーパの糸挿入口に通じた糸供給ロカも供給される縫糸を、該ルーパの糸揷入口に通して前記糸導出口から出されるようにする糸通し機構とを備えてなり、前記ルーパの回転に伴って前記糸導出口から出た縫糸を回転させ、前記鉤針との協働により環縫いを行うことを特徴とする。このように複数の糸供給口の配列を円弧状とすることにより、仮に色糸選択のために該糸供給口の配列そのものを動力したとしても、その動きは横方向スライドではなく円弧運動とすることができるので、移動 (スライド）可能範囲を確保するための余分のスペースを不要とすることができる。従って、筒状の被縫製物に対する環縫いを行うミシンにより一層有利に適用することができる。図面の簡単な説明

[0009] [図 1]本発明の一実施例に係る多頭式環縫いミシンの外観図である。

[図 2]ルーパ土台を図 1に示した当該ミシンの前面向力つて右から見た側面図である

[図 3]ルーパ土台の側断面図である。

[図 4]ルーパ土台の上面図である。

[図 5]ルーパ土台の底面図である。

[図 6]ルーパ土台を図 1に示した当該ミシンの前面から見た正面図である。

[図 7]図 3と同様の側断面図をその先端部について拡大して示した図である。

[図 8]同実施例に係るルーパ土台の先端部内の構成の一部を抽出して示す斜視図である。

[図 9]エア供給ブロックの平面断面図である。

発明を実施するための最良の形態 [0010] 以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。

図 1は、複数の環縫い用ミシンヘッド 3を具備した、本発明の一実施例に係る多頭式環縫いミシンの外観図である。 1はミシンフレーム、 2はテーブルで、テーブル 2は昇降可能な前テーブル 2aを有している。ミシンフレーム 1の前面には、それ自体は周知の構成力もなる環縫い用ミシンヘッド 3が複数（図示の例では 4個）配設してあり、各ミシンヘッド 3は上下に往復駆動される鉤針 4 (後述する図 7参照）を備えている。各ミシンヘッド 3の下方には、筒型のルーパ土台（ルーパ部） 5がそれぞれ配置してある。テーブル 2上には、 XZY方向へ移動される図示しない基サッシ枠が配設してあり、基サッシ枠には各ミシンヘッド 3に対応して左右一対の支持アーム 6がそれぞれ設けてある。この一対の支持アーム 6にて、 Tシャツの身頃のような筒状の被縫製物 Hをセットした縫製枠 7を支持するようになっている。ルーパ土台 5は、縫製枠 7にセットされた筒状の被縫製物 Hの内側に入り込めるように、前寄りの先端が空間に突出した形状、いわば、筒型 (シリンダ形状又は棒形状)を成しており、その基部（奥寄りの一端)がミシンフレーム 1に固定された、片持ち支持構造からなる。

[0011] 次に、ルーパ土台 5の内部構造について詳しく説明する。図 2は同実施例に係るルーパ土台 5を図 1に示した当該ミシンの前面向力つて右から見た側面図であり、図 3 は該ルーパ土台 5の側断面図である。この図 2及び図 3では、空間に突出する前よりの先端部が左に、ミシンフレーム 1に固定されるその基部（奥寄りの一端）が右にそれぞれ位置するように図示している。図 4は該ルーパ土台 5の上面図、図 5は該ルーパ土台 5の底面図である。また、図 6は、該ルーパ土台 5を図 1に示した当該ミシンの前面から見た正面図である。図 2及び図 5から明らかなように、ルーパ土台 5の基体 8は 4本のスタッドボルト 9にてミシンフレーム 1に固定されている。該基体 8の上方及び下方には複数のカバーが設けられており、これらのカバーで全体を覆うようにしてルーパ土台 5は形成される。なお、図 2、図 4、図 5、図 6においては、説明を理解し易くするために、それらのカバーを取り外した状態のルーパ土台 5を図示して、る（図中にお!ヽてはカバーを想像線で示して、る）。

[0012] 主に、図 2又は図 3、図 4、図 5等に示すように、基体 8の先端部（図 2及び図 3の左側、図 4及び図 5の下側）にはルーパ Rが配設されており、該ルーパ Rは基体 8と、該基体 8の下方に所定量の間隔を有するようにして固定されている支持部材 10とで、回転自在に支持されている。また、ルーパ Rの外周には、プーリ部 Raが形成してある。一方、基体 8の基部（図 2及び図 3の右側、図 4及び図 5の上側）にはモータ 14が固定的に設置されており、このモータ 14のモータ軸には駆動プーリ 15が固定してある。また、基体 8の先端部と基部の中間位置の前寄りには軸受部材 13が設けてあり、該軸受部材 13は基体 8を挟んで上下に配置される大径プーリ 12aと小径プーリ 12bとを有する中間プーリ 12を回転自在に支持する。ルーパ Rのプーリ部 Raと中間プーリ 12の大径プーリ 12aとの間にはタイミングベルト 16が掛け渡してある一方で、中間プーリ 12の小径プーリ 12bとモータ 14の駆動プーリ 15との間にはタイミングベルト 17が掛け渡してある。こうした構成によると、モータ 14の駆動によって駆動プーリ 15が回転することに伴、、その回転力タイミングベルト 17により小径プーリ 12bへと伝達されて、この小径プーリ 12bと共通のシャフトに固定されている大径プーリ 12aが回転される。さらに、大径プーリ 12aが回転することに伴い、その回転がタイミングベルト 16によりプーリ部 Raへと伝達される。このようにして、モータ 14力も伝達された回転力により、最終的にルーパ Rを回転駆動させることができるようになつている。

図 7は、図 3に示したルーパ土台 5の側断面をその先端部について拡大して示した拡大側断面図である。図 8は、同実施例に係るルーパ土台 5先端部内の構成の一部を抽出して示す斜視図である。図 7から明らかなように、ルーパ Rは縫糸 Tが通るように上下に貫通した糸通し孔 11を有して、る。この糸通し孔 11は図示のように中間部で屈曲した形状であって、下端の開口部である糸挿入口 1 laから挿入された縫糸 T を上端の開口部 Rb力導出するように形成される。すなわち、糸通し孔 11は、下端の開口部である糸挿入口 11aをルーパ Rの回転中心位置に、反対側の上端開口部 Rbをルーパ尺の回転中心カゝら偏心した位置にそれぞれ形成し、中間部で屈曲した形状とする。上端開口部 Rbには糸導出管 45が立設されており、その上端は糸導出口 l ibとなる。糸導出口 l ibは、ブラケット 34に固定してある針板 43に設けられた、鉤針 4の貫通を許容する針孔 43aに向力つて、縫糸 Tを導出する。周知のように、鉤針 4が下降してその先端の鉤部が針孔 43aを通過した状態でルーパ Rを上述したようにして回転駆動させることにより、糸導出口 l ibから導出されている縫糸 Tを鉤針 4に卷回させ、その後に鉤針 4が上昇して卷回された縫糸 Tを鉤部が引掛けて被縫製物の表面に引き出すことによって環縫いが行われる。縫糸 Τは図示しない糸立て装置に配置された複数の糸駒力繰り出されており、複数の糸駒力それぞれ繰り出された縫糸 Τの内の、ずれかが選択的にルーパ Rの糸通し孔 11に供給されて、る（詳しくは後述する)。

[0014] 図 3、図 5等に示されるように、基体 8の底面に固定された軸受 19及び支持部材 10 の底面に固定されたブラケット 20により、シャフト 18は回転自在に支持される。シャフト 18の後端部には従動ギヤ 21が固定してあり、さらにこの従動ギヤ 21は下方に位置する駆動ギヤ 22と嚙合している。駆動ギヤ 22は、当該環縫いミシンへの縫糸 Τの色換え指令に応じて左右方向にスライド駆動されるスライドシャフト 23に固定してある。上記駆動ギヤ 22及び従動ギヤ 21は共にスパイラルギヤである。したがって、スライドシャフト 23がスライド駆動されることに応じて、駆動ギヤ 22、従動ギヤ 21を介してシャフト 18は回動駆動される。図 5及び図 6あるいは図 8等に示すように、シャフト 18の軸心を中心とした円弧状には、複数（図示例では 9本)のガイド管 24が配置してある。各ガイド管 24は、図示外の糸立て装置に配置された複数の糸駒力繰り出された縫糸 Τが後端部力も先端部へ向けてそれぞれセットできるようになつている。各ガイド管 24 の先端部はブラケット 20で支持されており、該ブラケット 20は各ガイド管 24内にそれぞれセットされた縫糸 Τの出口となる糸供給口を各ガイド管 24に対応するよう複数有している。一方、各ガイド管 24の後方部は屈曲しており、その後端部はほぼ垂直下向きに形成してある。これら各ガイド管 24の後端部はミシンフレーム 1に固定してあるガイド部材 26に左右方向へ直列状に固定してあり、これより下方の所定の箇所に配置されて!、る前記図示外の糸立て装置 (糸供給源)から繰り出された縫糸 Τが前記後端部から各ガイド管 24内に引き込まれる。また、各ガイド管 24の屈曲している屈曲部の手前部分は支持部材 25で支持されている。このような構成によって、ブラケット 20 において複数の糸供給口を密集して (各糸立て装置の配置間隔よりも狭い間隔に）配置することができるので、複数の糸供給口をコンパクトにまとめることができ、ルーパ土台 5を筒状の被縫製物 Η内に配置するのに適するものとすることができる。

[0015] 上記のようにして基体 8の底面に回転自在に支持されるシャフト 18の先端には、連結部材 27が固定してある。図 7及び図 8から明らかなように、連結部材 27は傾斜した 1つの連接孔 27a (糸通路）を有するもので、その先端部には連係部 27bを備える。連接孔 27a (糸通路）は、先端部（図 7の左側）がシャフト 18の軸心の延長上の位置に、後端部（図 7の右側）がガイド管 24の先端部 (詳しくはブラケット 20の複数の糸供給口）と合致可能な位置に、それぞれ形成されている。これにより、上記したようなシャフト 18の回動とともに連結部材 27が所定角度 (ピッチ）で回動され、これに伴い連結部材 27の連接孔 27a (糸通路）がブラケット 20にその先端部が支持されている各ガイド管 24と順次に選択的に連接することができ、これに応じて縫糸 Tが通る 1つの糸通路をガイド管 24の、ずれかと形成するようにして!/、る。

支持部材 10の底面には、エア供給ブロック 28が固定してある。図 7及び図 8から明らかなように、エア供給ブロック 28にはノズル 29が固定してあり、このノズル 29の後端部に連結部材 27の連係部 27bが入り込むような位置に、エア供給ブロック 28と連結部材 27は互いに配置される。ノズル 29の先端部には連結管 30が固定してあり、その立ち上がった上端がルーノ Rの糸揷入口 11aに対して略緊密に臨んでいる。図 9は、エア供給ブロック 28の平面断面図である。エア供給ブロック 28にはコネクタ 31が固定してあり、コネクタ 31にはエア供給源（図示せず)からのチューブ 32が接続してある。これにより、エア供給源力もエア供給ブロック 28内にエアが供給されることとなる。エア供給ブロック 28にエアが供給されると、エアはエア通路 28aを通ってノズル 29の -ップル部 29aとエア供給ブロック 28との間に形成された環状空間 28bに流れ込み、さらに-ップル部 29aの外周部力も連結管 30内に向力つて勢い良く吹き込まれて糸通し孔 11の糸導出口 l ibから噴き出される。このため、 -ップル部 29a内が負圧となって糸の吸引力が発生することとなる。すなわち、シャフト 18を回動して連結部材 2 7の連接孔 27aを所望の縫糸 Tが通されたガイド管 24に連結したうえで、エア供給源力エアを供給すれば所望の縫糸 Tがルーパ Rの糸通し孔 11に挿通されるようになつている。このようにすると、図示外の糸立て装置から、ガイド管 24 (ブラケット 20の糸供給口）、連結部材 27の連接孔 27a、ルーパ Rの糸通し孔 11へと続く一連の縫糸 T の供給経路が形成されるようになっている。これらのエア供給ブロック 28、エア供給源、連結管 30等によって、ルーノ Rの糸挿入口 11aから糸通し孔 11内に糸を通すための働きをする糸通し機構が構成される。

[0017] 図 4に示すように、基体 8の上面に固定したブラケット 34には回動可能に可動刃 33 が支持してある。この可動刃 33は連結アーム 33aを有しており、連結アーム 33aは連結板 35を介してレバー 36と連結してある。レバー 36は基体 8に枢支した軸 37の上端に固定してあり、軸 37の下端には図 5に示すように駆動アーム 38が固定してある。駆動アーム 38の先端は連結目金 39を介して固定ブロック 40と連結してある。固定ブロック 40は当該環縫いミシンへの糸切り指令に応じて左右方向にスライド駆動されるスライドシャフト 41に固定してある。これにより、スライドシャフト 41がスライドされれば可動刃 33は回動されることとなる。また、ブラケット 34の側面には固定刃 42が固定してあり、この固定刃 42と前記回動される可動刃 33とによって縫糸 Tの切断が行われる。すなわち、縫製時には、可動刃 33は図 4の実線で示す回動位置、つまりルーパ R力も導出された縫糸 Tに対してなんらの影響も与えない位置にある。縫糸 Tの切断動作としては、まず最初に可動刃 33を固定刃 42側で縫糸 Tを捕捉できる位置まで時計方向（図 4において)へ回動する。次に、可動刃 33を反時計方向に回動させ、縫糸 Tを捕捉して図 4の実線で示す回動位置まで戻る。この際に、可動刃 33と固定刃 42 とが嚙合って縫糸 Tが切断される。このとき、切断された縫糸 Tのルーパ R側の糸端は、図示しない保持部材によって保持されるようになっている。そして、この縫糸丁のルーパ R側の糸端の保持は、可動刃 33を一定量時計方向に回動すれば解除されるようになっている。

[0018] なお、各ガイド管 24の後端部の下方にはルーパ Rに挿通された (今まで縫いを行つて、た)縫糸 Tの糸端を、ガイド管 24内に位置するように手繰る糸手繰り装置が設けてある。こうした糸手繰り装置としては、例えば本出願人の出願に係る特開 2002-317 374号公報に記載された引き降し部材及び、糸の引き降し量を増大させる増大手段などを用いるとよい。これらについては公知であることから、ここでの説明を省略する。勿論、上記したものに限らな、ことは言うまでもな、。

[0019] 次に、上述したような構成をした本発明に係る環縫いミシンにおいて、筒状の被縫製物に対して環縫いを行うときの動作について説明する。各ガイド管 24には、図示外の糸立て装置に配置された複数の糸駒力繰り出された色や性状の異なる縫糸 T がそれぞれセットしてある。環縫いを開始する際には、最初に、シャフト 18を回動させて連結部材 27の連接孔 27aを、所望の縫糸 Tがセットされて、る、ずれかのガイド管 24と連結する。この状態でエア供給源力もエア供給ブロック 28にエアを供給すると、供給されたエアにより連結されたガイド管 24内にセットされている縫糸 Tがルーパ R の糸通し孔 11に挿通され、縫糸 Tの糸端が糸導出口 l ibから導出される。そして、可動刃 33を糸切断時と同様に回動させることにより、連結部材 27の連結孔 27a、エア供給ブロック 28の連結管 30、ルーパ Rの糸通し孔 11を通して糸導出口 l ibより導出した縫糸 Tの糸端を保持させる。

[0020] 縫糸 Tの糸端を保持したら、モータ 14を駆動させてルーノ Rを回転させるとともに、ミシンヘッド 3の鉤針 4を上下動させる。また、これらの動作と同期させるようにして、筒状の被縫製物 Hがセットされた縫製枠 7を XZY方向に移動させる。このようにして、被縫製物 Hへ所望の縫糸 Tによる柄や刺繍などの環縫いが行われることとなる。

[0021] 環縫いを行う縫糸 Tを換えるときは、ルーパ Rの回転および鉤針 4の上下動を停止させた後、可動刃 33を時計方向及び反時計方向に順次に回動させて縫糸 Tを切断する。縫糸 Tを切断したら、さらに可動刃 33を時計方向に一定量回動させて縫糸 T のルーパ R側の糸端の保持を解除する。それから、図示外の糸手繰り装置によってルーパ Rに挿通された縫糸 Tを手繰り、前記保持を解除した縫糸 Tのルーノ R側の糸端をガイド管 24内に位置させる。次に、シャフト 18を回動させて連結部材 27の連接孔 27aを次の所望の縫糸 Tがセットされたガイド管 24と連結させ、エア供給ブロック 28にエアを供給して縫糸 Tをルーパ Rに揷通し、その後可動刃 33を回動させてルーノ Rに挿通した縫糸 Tの糸端を保持する。そして、前述と同様にして、ルーパ Rを回転させるとともに鉤針 4を上下動させて被縫製物 Hへ所望の縫糸 Tによる環縫いを行う。なお、公知のように、環縫い形式にはチェーン縫い、ループ縫いなどがあり、これらは縫、動作の設定に応じて切換えられるようになって、る。

[0022] 以上説明したように、上記実施例に示す環縫いミシンによれば、ガイド管 24によつて複数の糸をルーパ Rの付近まで案内し、連結部材 27の回動によって各ガイド管 24 とルーノ Rの糸揷通孔 11を連結可能とした構成にしたことで、ルーパ Rの下方に位置する部材を非常に小嵩とすることができ、ルーパ土台 5を幅の狭い筒型とすることができる。これにより、多種の筒状の被縫製物 Hの内側に位置させることができることとなる。また、縫糸 Tを換えるときには小嵩の連結部材 27を回動させるだけであるため、駆動源を小型にすることが出来るだけでなぐ色換えを高速で行えることとなる。

[0023] なお、上記実施例において、エア供給源からのエアをエア供給ブロック 28にのみに供給して、連結されたガイド管 24にセットされた縫糸 Tがルーパ Rの糸通し孔 11に挿通されるようにしたがこれに限らず、ガイド管 24の後端部付近にもエアを供給することで、ガイド管 24内における縫糸 Tの移動を補助するようにしてもよい。

なお、ルーパ Rの付近まで縫糸 Tを案内し、連結部材 27によってルーパ Rの糸揷入口 11aとガイド管 24の端部とを選択的に連結して、単一のルーパ Rに対して複数の縫糸を任意に挿通するようにした構造は、必ずしも筒状の被縫製物 Hの内側に位置させることができるようになっていなくてもよい。すなわち、平面状の被縫製物を環縫、するミシンにぉ、ても、本発明を適用してさしつかえな!/、。

[0024] なお、縫糸 Tをルーパ Rの付近まで案内するガイド管 24の配置及びブラケット 20の複数の糸供給口の配置は、上記実施例のようなシャフト 18の軸心を中心とした円弧状の配列に限らず、例えば直線状に横並びに配置した配列であってもよい。ただし、こうした場合には、連結部材 27の連接孔 27aを各ガイド管 24に連接するために、連結部材 27を回転駆動するのではなぐ並行移動するように駆動することは言うまでもない。その場合でも、本発明に従って、複数の糸供給口の配列は動力さずに、連結部材 27の方を動かす構成とすることにより、スライド機構の構成を簡単化'小型化することができ、かつ、スライド可能範囲を確保するための余分のスペースを不要とすることができる。

[0025] 更に、本発明の変形例として、前記複数の糸供給口を円弧状に配置する場合と直線状に横並びに配置する場合の何れの場合においても、ブラケット 20の複数の糸供給口の各々に対応して開閉制御可能なシャツタを設け、連結部材 27内の糸通路は、その入口で各糸供給口に対応して複数設け、出口で 1つに連結するようなものとしてもよい。そうすれば、連結部材 27をも動かすことなぐ所望の色糸のシャツタのみを開くことによって色糸選択を行うことができる。その場合、各糸供給口に対応するシャツタは、ブラケット 20の側に設けてもよいし、あるいは、連結部材 27の側に設けてもよい [0026] 更に、本発明の別の変形例として、複数の糸供給口を円弧状に配列したブラケット 20そのものを、該円弧配列に沿って回動させるようにしてもよい。その場合でも、スライド可能範囲を確保するための余分のスペースを横方向に設ける必要がなくなるので、全体として小嵩な構成となり、ルーパ土台 5を縫製枠 7にセットされた筒状の被縫製物 Hの内側に収納するのに適したものとすることができる。

[0027] なお、ガイド管 24は管状のものに限らず、縫糸 Tをブラケット 20まで案内することが可能であればどのようなものであってもよ、。

なお、公知のように、縫製枠 7は、縫いパターンデータに応じて XZY方向に駆動されるが、平面的な XZY駆動に限らず、帽子の刺繍縫い等で知られるような回転駆動を含むものであってもよい。また、ミシンヘッド 3とルーパ土台 5とを縫いパターンに応じて動かす構成であってもよ!/ヽ。

Claims

請求の範囲

[1] 往復駆動される鉤針と、

針板の下方に配置され、糸挿入口と糸導出口とを有し、縫い動作に同期して回転駆動されるルーパと、

それぞれ異なる糸供給源につながる複数の糸供給口と、

糸通路を有し、該糸通路を介して前記複数の糸供給口のヽずれかを前記ルーパの糸挿入口に選択的に連結する連結部材と、

前記連結部材を介して前記ルーパの糸挿入口に通じた糸供給口から供給される縫糸を、該ルーパの糸挿入口に通して前記糸導出口から出されるようにする糸通し機構と

を備えたことを特徴とする環縫、ミシン。

[2] 前記連結部材は、前記糸通路の入口を前記複数の糸供給口の、ずれかに一致させるよう選択的に移動可能なものである、請求項 1に記載の環縫いミシン。

[3] 前記複数の糸供給口は円弧状に並んで配列されてなり、該円弧配列に沿う前記連結部材の回動により、前記複数の糸供給口のいずれかを前記ルーパの糸揷入口に連結することを特徴とする請求項 1に記載の環縫!ヽミシン。

[4] 前記複数の糸供給口は直線状に並んで配列されてなり、該配列に沿う前記連結部材の移動により、前記複数の糸供給口のいずれかを前記ルーパの糸挿入口に連結することを特徴とする請求項 1に記載の環縫ヽミシン。

[5] 前記糸通し機構は、エア噴出力により前記縫糸を前記糸導出口に押し出す、請求項 1に記載の環縫、ミシン。

[6] 前記複数の糸供給口は、ブラケットに配置されており、それぞれの糸供給口に対応する糸供給源力糸ガイド手段が該ブラケットまで延びていることを特徴とする請求項 1に記載の環縫、ミシン。

[7] 前記複数の糸供給口は、前記ブラケットにお、て密集して配置されて、る、請求項

6に記載の環縫いミシン。

[8] 前記ルーパは筒状の被縫製物の内側に位置する、請求項 1乃至 7のいずれかに記載の環縫いミシン。往復駆動される鉤針と、

円弧状に並んで配列された複数の糸供給口と、

前記複数の糸供給口の、ずれかを前記ルーパの糸挿入口に選択的に連結する選択装置と、

前記選択装置を介して前記ルーパの糸挿入口に通じた糸供給口から供給される縫糸を、該ルーパの糸挿入口に通して前記糸導出口から出されるようにする糸通し機構と

を備えてなり、

前記ルーパの回転に伴って前記糸導出口から出た縫糸を回転させ、前記鉤針との協働により環縫、を行うことを特徴とする環縫、ミシン。