WO2006035477A1

WO2006035477A1 - キャブの変形防止構造

Info

Publication number: WO2006035477A1
Application number: PCT/JP2004/014065
Authority: WO
Inventors: Akifumi Tanazawa; Toshimasa Yamamoto; Mitsuhiro Nunokawa
Original assignee: Nissan Diesel Motor Co., Ltd.
Priority date: 2004-09-27
Filing date: 2004-09-27
Publication date: 2006-04-06
Also published as: CN101027212A; AU2004323637B2; AU2004323637A1

Abstract

　　本発明は、衝突時に乗員の生存空間が保てるように変形防止を図ったキャブオーバ車のキャブの車体構造を提供することを目的としており、キャブフレーム（２）の座屈変形の起点となる箇所にフレーム変形防止用補強材（３）が設けられており、その座屈変形の起点となる箇所は、キャブフレーム（２）の平面形状において変曲している箇所（Ａ）であり、または、キャブフレーム（２）の側面形状において変曲している箇所（Ｂ）である。

Description

明細書

キヤブの変形防止構造

技術分野

[0001] 本発明は、キヤブオーバ型の商用車が衝突した場合に、運転室（以下、キヤブという）内の乗員の安全を確保するためのキヤブの変形防止構造に関する。特に、キヤブの床部に前後方向に伸びるキヤブフレームの構造によって乗員の生存空間を保ちやすくするキヤブの変形防止構造に関する。

背景技術

[0002] キヤブオーバ型の商用車においては、キヤブが最前部にある関係上、もし衝突が起きてキヤブに変形が生じた場合に乗員の安全のために生存空間を確保する必要がある。

[0003] 図 1に、キヤブオーバ型トラックのキヤブ部分の一例を示す。シャシフレーム Fの前端部にキヤブ 1が登載されており、キヤブ 1の床面下側には前後方向に延びる 2本のキヤブフレーム 2が設けられている。そして、そのキヤブフレーム 2の前部には図示しないヒンジ部が設けられてシャシフレーム Fに支持されており、シャシフレーム Fとキヤブフレーム 2との間には油圧シリンダ'ピストンで構成されるチルト手段 5が介装され、その作動によってヒンジ部を中心に回動しキヤブ 1がチルトアップするように構成されている。

[0004] このキヤブフレーム 2は、その側面形状が図 1に示されているように後半部にて変曲し、キックアップされた形状となってキヤブ床面を支えている。また、その平面形状は、図 2に示されているように、 2本のキヤブフレーム 2、 2が、前部での互いに平行な狭い間隔力も変曲されて、後部では広い間隔の平行となって、る。

[0005] このように構成されたキヤブ 1においては、壁面 Wに正面衝突した場合に、図 1に鎖線で示されてヽるようにキヤブ 1は、壁 Wと前進した荷台端部 B1とに挟まれて押し潰される。そして、キヤブフレーム 2は図中に破線 Eで示すように座屈変形して運転者 D の生存空間は減少してしまう。

[0006] このような問題点に対処するための従来技術としては、キヤブフレームに取り付けられた部材と、エンジンに取り付けられた部材とが係合し、エンジンの剛性でキヤブフレームが支持されてキヤブの変形をくい止める技術が提案されている (特許文献 1参照

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特許文献 1：特開平 6—115463号公報

[0007] 上記問題点に対処すベぐさらに本発明者が種々研究した結果、キヤブフレーム 2 の断面形状が図 3に示すような逆ハット形、すなわち、コ字形状の開口端を上方に向け、その開口端力も水平方向外方にフランジ状に延伸した形状である場合に、正面衝突によるキヤブ 1の変形は、キヤブフレーム 2の変曲している箇所において逆ハット形断面の平行する垂直な両側面 2s、 2sが図 4に示すようにそれぞれ内方に折れ曲力て座屈し、それを起点としてキヤブフレーム 2の長手方向の折れ曲がりが生じることが判った。そして、その断面形状を、両側面 2s、 2sが内方に曲がるのを防止するように補強することで、キヤブフレーム 2の座屈強度が増すことが判った。

[0008] そこで、この技術を応用し、キヤブフレーム 2の強度分布を適正化して乗員居住部以外が潰れスペースとなるように構成することで乗員の生存空間を保ちやすくする手段を考案し、提案するに至った。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] 本発明は、前記問題点に対処すべく上記所見に基づき提案されたものであり、衝突時に乗員の生存空間が保ちやすいように変形防止を図ったキヤブオーバ車のキヤブの変形防止構造を提供することを目的として!、る。

課題を解決するための手段

[0010] 本発明のキヤブ（1)の変形防止構造は、キヤブフレーム（2)の座屈変形の起点となる箇所にフレーム変形防止用補強材 (3)が設けられており、その座屈変形の起点となる箇所は、キヤブフレーム（2)の平面形状にぉ、て変曲して!/、る箇所 (A)であり、または、キヤブフレーム（2)の側面形状にぉ、て変曲して、る箇所 (B)であることを特徴とする (請求項 1)。

[0011] また、本発明では、前記フレーム変形防止用補強材が設けられている箇所は、キヤブフレーム（2)とチルト手段（5)とが連結されて、る箇所 (C)の近傍である（請求項 2) [0012] このようにキヤブフレームの座屈変形の起点箇所、あるいはチルト手段の連結箇所の近傍にフレーム変形防止用補強材を設けることにより、衝突時のキヤブフレームの座屈変形強度が増加し、特に、運転席付近を端部に比べて強固にすることでキヤブの変形が生じても乗員の生存空間が保ちやすぐ安全性が増大する。

そのフレーム変形防止用補強材のさらに具体的な形態としては、下記の構成とすることが望ましい。

[0013] 前記キヤブフレーム（2)はその断面形状が上方に開口した逆ハット形であり、前記フレーム変形防止用補強材（3A)はそのフレーム両側面（2s、 2s)間を連結してリブ状に形成されてヽる（請求項 3)。

または、前記フレーム変形防止用補強材（3B)はそのフレーム両側面（2s、 2s)間を連結してパイプ状に形成されてヽる（請求項 4)。

または、前記フレーム変形防止用補強材（3C)はそのフレーム両側面（2s、 2s)間を連結して板状に形成されてヽる（請求項 5)。

[0014] また、本発明では、前記キヤブフレーム（2)はその断面形状が上方に開口した逆ハット形であり、前記フレーム変形防止用補強材（3D)はそのキヤブフレーム（2)の逆ハット形断面の内方に嵌挿されてその水平方向に延材する部分（3c)がフレームの（

2)変形を阻止するように形成されて!ヽる (請求項 6)。

[0015] 上記の構成によれば、逆ハット形断面のキヤブフレームの両側面が連結されて内方への座屈が防止され、その変形座屈強度を増大させることができる。

したがって、請求項 1に係る発明に適用して安全性の向上、あるいは請求項 2に係る発明に適用してチルト手段の取り付けに関連する不具合に対処することができる。発明の効果

[0016] 本発明によれば、以下の作用効果を奏する。

(1) キヤブフレームに本発明による補強部材を設けると、製作が容易な開断面であっても両側面間が連結されて内方への座屈が防止され、閉断面形状とすることなく強度が確保できる。

(2) 特に、運転席の部分のキヤブフレームの強度を増加し、乗員居住部以外を変形するようにすれば、衝突時の乗員の生存空間を保ちやすくなる。

(3) また、キヤブフレームと床面との結合部の損傷を防止できる。

発明の実施の形態

[0017] 以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。

第 1の実施形態では、キヤブフレーム 2が、前記図 1および図 2で説明した側面形状および平面形状をなし、鋼板を成形して形成されたものである。そして、その基本断面形状は図 3に示すように逆ハット形、すなわち、ほぼ垂直平行 (抜き勾配がつく場合がある）の両側面 2s、 2sと底面 2bとで上方の開口したコ字形状をなし、その開口端部からはフランジ面 2f、 2fが両水平方向に延伸する形状をなしている。

[0018] また、キヤブフレーム 2の座屈変形の起点となる位置である平面形状において変曲している箇所（図 1の「A」）であり、また、側面形状においても変曲している箇所（図 2 の「B」 )に補強材 3A (以下、補強材を代表する場合は符号 3で表す)が設けられて、る。

そして、その補強材 3Aは、図 5および図 6に示すように、キヤブフレーム両側面 2s、

2s間に嵌挿され、図示のようにハット形状断面のリブ状に形成されてその両端部が 2 s、 2s面に固着されている。

[0019] 次に、図 7および図 8に示す補強材の第 2の実施形態では、前記第 1の実施形態と同様な位置に設けられており、キヤブフレーム両側面 2s、 2s間にパイプ状の補強材 3

Bを挿入してその両端部が固着されている。なお、パイプ状の補強材 3Bは、その断面が円形状、あるいは角形状などの何れであっても良、。

[0020] さらに、図 9および図 10に示す補強材の第 3の実施形態では、前記実施形態と同様の位置に設けられて、キヤブフレーム両側面 2s、 2s間を板状の補強材 3Cで連結している。

なお、図示のような平板に限らず、 I形鋼や L形鋼など形成されるものであってもよい

[0021] そして、第 4の実施形態は、図 11および図 12に示すようにキヤブフレーム 2の両側面 2s、 2s間に嵌挿される鋼板成形品による補強材 3Dである。その形状は、図 12に断面を示すように、一側はフレームフランジ部 2fからフレーム側面 2s内側に沿って下力 Sつて重ね合わされており（3a— 3b)、フレーム両側面間を水平方向に延びて（3c)

、さらに対向側のフレーム側面 2s内側に沿って上り（3d)固着されてフレーム 2の変形を阻止するように形成されて!、る。

[0022] このように開断面であるキヤブフレーム 2と補強材 3Dとの組み合わせで閉断面が形成され、捩り強度を増加させることができる。したがって、前記実施形態と同様な作用効果に加え、床面（図示なし）との結合 (例えばスポット溶接）が捩り曲げ荷重によって分離するような不具合を解消することができる。

[0023] なお、上記各実施形態においては、キヤブフレーム 2の座屈変形の起点 A、 Bはチルト手段 5の連結部近傍である力チルト手段の連結部 Cが座屈起点と離れて、るような構成の場合に、そのチルト手段 5の連結部 Cの近傍にこれら補強材 3の何れかを設けることで、チルト手段 5の取り付けや、あるいはチルト操作などに伴う負荷による局部的な応力集中などに対処することができる。

図面の簡単な説明

[0024] [図 1]キヤブおよびキヤブフレームを示す側面図。

[図 2]図 1のキヤブフレームの平面形状を示す図。

[図 3]図 1のキヤブフレームの断面形状を示す図。

[図 4]図 3に示したキヤブフレーム断面の座屈状態を示す図。

[図 5]本発明によるキヤブフレーム補強材の第 1実施形態の断面形状を示す図。

[図 6]図 5の a— a断面図。

[図 7]本発明によるキヤブフレーム補強材の第 2実施形態の断面形状を示す図。

[図 8]図 7の b— b断面図。

[図 9]本発明によるキヤブフレーム補強材の第 3実施形態の断面形状を示す図。

[図 10]図 9の c c断面図。

[図 11]本発明によるキヤブフレーム補強材の第 4実施形態を示す斜視図。

[図 12]図 11のフレーム直角方向の断面図。

符号の説明

[0025] 1 · · ·キヤブ

2 · · ·キヤブフレーム、 3 A— 3D···補強材···チルト手段

Claims

請求の範囲

[1] キヤブフレームの座屈変形の起点となる箇所にフレーム変形防止用補強材が設けられており、その座屈変形の起点となる箇所は、キヤブフレームの平面形状において変曲している箇所であり、または、キヤブフレームの側面形状において変曲している箇所であることを特徴とするキヤブの変形防止構造。

[2] 前記フレーム変形防止用補強材が設けられて、る箇所は、キヤブフレームとチルト手段とが連結されている箇所の近傍である請求項 1のキヤブの変形防止構造。

[3] 前記キヤブフレームはその断面形状が上方に開口した逆ハット形であり前記フレーム変形防止用補強材はそのフレーム両側面間を連結してリブ状に形成されている請求項 1、 2の何れかのキヤブの変形防止構造。

[4] 前記キヤブフレームはその断面形状が上方に開口した逆ハット形であり前記フレーム変形防止用補強材はそのフレーム両側面間を連結してパイプ状に形成されている請求項 1、 2の何れかのキヤブの変形防止構造。

[5] 前記キヤブフレームはその断面形状が上方に開口した逆ハット形であり前記フレーム変形防止用補強材はそのフレーム両側面間を連結して板状に形成されている請求項 1、 2の何れかのキヤブの変形防止構造。

[6] 前記キヤブフレームはその断面形状が上方に開口した逆ハット形であり、前記フレーム変形防止用補強材はそのキヤブフレームの逆ハット形断面の内方に嵌挿されてその水平方向に延材する部分がフレームの変形を阻止するように形成されている請求項 1、 2の何れかのキヤブの変形防止構造。