WO2006085490A1 - 無菌充填包装体、その製造方法、及び製造装置 - Google Patents

Description

明 細 書

無菌充填包装体、その製造方法、及び製造装置

技術分野

[0001] 本発明は、内容物の注出具を一体に収納した無菌充填包装体、その製造方法、及 び製造装置に関する。

背景技術

[0002] 従来、 1回で使い切る小容量の医薬、医薬部外品等の内容物を容器内に収納し、 容器口部に内容物を注出する注射針等の注出具を取り付けた注出具付プラスチック 容器が知られている。（例えば、特許文献 1〜2参照）

また、このような注出具付プラスチック容器を製造する際に、衛生管理の観点カも容 器の成形と同時に内容物を充填することも公知である。（特許文献 3参照） 特許文献 1：実公昭 35 - 24295号公報

特許文献 2：特公昭 61 - 2380号公報

特許文献 3：特開 2002— 128126号公報

[0003] し力しながら、これらの注出具付容器では、製造時や流通時にお!、て落下衝撃等 の外力により容器が開封する、いたずらや不正による開封を防止するタンパーェビデ ント性に欠ける、等の問題点がある。

このため、内容物を充填した注出具付プラスチック容器では、カートンやバウチ等 の外装材を使用したり、テープゃシユリンクラベル等の別部材を使用することによって

、注出具の保護を図るとともにタンパーェビデント性を得ることが行なわれている。し 力しながら、外装材ゃ別部材を用いる方法は、追加の工程を必要とし、コストアップの 原因となる。

[0004] そして、このような容器に収納された内容物を 1回で使い切るためには、容器本体 を手指で潰すことによって内容物全量を注出可能とすることが必要である。しかしな がら、円筒形等の容器では、容器の底部が邪魔になり内容物を最後迄注出すること が困難となる。

したがって、従来の注出具付容器では、底部の無い容器を採用することによって内 容物の注出性を向上させており、容器に自立性を持たせることはできな力 た。 発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] したがって、本発明は、注出具の保護性、内容物の注出性及びタンパーェビデント 性が改善された、注出具を一体に収納した無菌充填包装体を提供することを目的と する。本発明は、また、内容物を充填するプラスチック容器本体の成形と内容物の無 菌充填、容器本体と一体の保護ケースの成形、及び保護ケース内への注出具の収 納を連続して行なうことができる、前記無菌充填包装体の製造方法及びその製造装 置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明では、上記課題を解決するために、つぎの 1〜 13の構成を採用する。

1.折り畳み誘導線が形成されたプラスチック容器本体内に内容物を無菌的に充填 すると共に、前記容器本体と一体成形された保護ケース内に注出具を収納したことを 特徴とする無菌充填包装体。

2.前記注出具を無菌的に前記保護ケース内に収納したことを特徴とする 1に記載の 無菌充填包装体。

3.無菌的にケース内に注出部材を収納してなる注出具を、前記保護ケース内に収 納したことを特徴とする 1に記載の無菌充填包装体。

4.前記注出具の下端部に逆止部材を設けたことを特徴とする 1〜3のいずれかに記 載の無菌充填包装体。

5.次の工程を採用することを特徴とする無菌充填包装体の製造方法：

(1)パリソンをプラスチック容器本体用金型に配置し、

(2)ノ^ソン内に挿入したノズル力 無菌エアーを吹き出して容器本体のブロー成形 を行った後に、

(3)該ノズルカゝら容器本体内に内容物を充填後、該ノズルを退避させ、ついで

(4)注出具を容器本体の上部のパリソンに挿入した後に、

(5)保護ケース用金型の型締めを行!、、

(6)前記容器本体の上部のノ リソン力も保護ケースを形成する。 6.少なくとも前記工程（2)及び（3)において、ノズル力パリソン内壁と接触しないよう に、ノズル力も無菌エアーをパリソン内に導入しながら、ノズルの挿入、退避を行うこと を特徴とする 5に記載の無菌充填包装体の製造法方法。ノズルから導入する無菌ェ ァ一の圧力は、 0. 001〜0. IMPa程度とすることが好ましい。

7.少なくとも前記工程 (4)において、注出具挿入ユニット及び注出具力パリソン内壁 と接触しないように、前記注出具挿入ユニットに設けた連通孔力 無菌エアーをパリ ソン内に導入しながら、前記注出具挿入ユニットの挿入、退避を行うことを特徴とする 5又は 6に記載の無菌充填包装体の製造法方法。前記注出具挿入ユニットに設けた 連通孔力 導入する無菌エアーの圧力は、 0. 001-0. IMPa程度とすることが好ま しい。

8.前記工程（5)において、予め注出具の下部とプラスチック容器本体上部の間のパ リソンをヒートシールすることを特徴とする 5〜7のいずれかに記載の無菌充填包装体 の製造法方法。

9.前記工程 (6)において、真空成形により保護ケースを形成することを特徴とする 5 〜8の 、ずれかに記載の無菌充填包装体の製造方法。

10.前記工程 (6)において、保護ケースの側面力もブローピンを前記ケース内に突 刺し、ブローピン力 無菌エアーを前記ケース内に導入しながら真空成形を行うこと を特徴とする 9に記載の無菌充填包装体の製造方法。前記ブローピンから導入する 無菌エアーの圧力は、 0. 1〜0. 6MPa程度とすることが好ましい。

11.前記ノ リソンがガスノ リヤー性榭脂層を含む多層ノ リソンであることを特徴とする 5〜10のいずれかに記載の無菌充填包装体の製造方法。

12.無菌ボックス内に、ブロー成形用無菌エアーの供給と内容物の充填を兼用する ノズルユニット、及び注出具挿入用ユニットを具備し、前記無菌ボックスの下方に接 続されたノ リソンの押出ダイ、保護ケース用金型、プラスチック容器本体用金型を順 次配列したことを特徴とする無菌充填包装体の製造装置。

13.前記保護ケース用金型と前記プラスチック容器本体用金型の間にヒートシール 用金型を設けたことを特徴とする 12に記載の無菌充填包装体の製造装置。

発明の効果 [0007] 上記構成を採用することによって、本発明はつぎのような顕著な効果を奏する。

(1)本発明の無菌充填包装体は、注出具の保護性とタンパーェビデント性に優れ、 包装体の製造時や流通時にぉ 、て外力による包装体の開封や、 、たずらや不正に よる包装体の開封を防止することができる。

(2)本発明の無菌充填包装体は容器本体に折り畳み誘導線を形成したことにより内 容物を最後まで容易に注出することができる。

(3)本発明の無菌充填包装体では、注出具の下端部に逆止部材を設けることにより 、内容物の注出時の逆流を防止することができる。また、容器使用後に覚醒剤等の 危険物といった他の内容物を吸引し、包装体を悪用することが防止される。

(4)本発明の無菌充填包装体の製造方法では、内容物を充填するプラスチック容器 本体の成形と内容物の無菌充填、容器本体と一体の保護ケースの成形、及び保護 ケース内への注出具の収納を連続して行なうことができるので、無菌充填包装体を 効率良く低コストで製造することができる。

(5)本発明の無菌充填包装体の製造装置は単純な構成でコンパクトなサイズとする ことが可能であり、装置の無菌状態の管理が容易で製造コストを大幅に下げることが できる。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1]本発明の無菌充填包装体 (使い捨て注射剤包装体)の 1例を示す図である。

[図 2]図 1の無菌充填包装体の注出具 (ニードルユニット)を示す拡大断面図である。

[図 3]本発明の無菌充填包装体 (使い捨て注射剤包装体)の他の例における注出具 (ニードルユニット）を示す拡大断面図である。

[図 4]本発明の無菌充填包装体の他の例を示す図である。

[図 5]図 1の無菌充填包装体の製造装置の 1例を示す模式図である。

[図 6]図 5の製造装置を使用して無菌充填包装体を製造する工程の 1例を説明する 図である。

[図 7]本発明の無菌充填包装体を製造する工程の他の例を説明する図である。 符号の説明

[0009] 1、 1 ' 無菌充填包装体 プラスチック容器本体 折り畳み誘導線 、 15 連結部

注出具 (ニードルユニット） ， 注出具 (注出部材）

保護ケース

ラベノレ

薄肉部

先端部

1 ケース

2 ストッノ一

3 ハブ

両頭針 (注出部材）6 栓体

7 逆止弁

1 無菌充填包装体製造装置2 無菌ボックス

3 ノス、ノレユニット

ノズル

5 注出具マガジン

6 注出具挿入ユニット7 パリソン

8 ダイヘッド

9 パリソン押出機

金型

1 保護ケース用金型

2 容器本体用金型

3 ヒートシール用金型 34 ブローピン

Ml、 M2 駆動装置

PI 無菌エアー供給管

P2 内容物供給管

発明を実施するための最良の形態

[0010] つぎに、本発明を使い捨て注射剤包装体に適用した例について、図面に基づいて 説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。

図 1及び図 2は、本発明の無菌充填包装体 (使い捨て注射剤包装体)の 1例を示す 図である。図 1の (A)は包装体の正面図、同（B)は一部断面側面図、そして同（C)は この包装体の注出具の保護ケースを開封する状況を示す図である。また、図 2はこの 包装体の注出具 (ニードルユニット）の拡大断面図である。図 2の（D)は使用前の注 出具 (ニードルユニット）の状態を示す図であり、同（E)は注出具を構成する注出部 材の注射針を容器本体と連通させた状態を示す図である。

[0011] この注射剤包装体 1は、折り畳み誘導線 3を設けた容器本体 2と、内容物を注出す る注出部材の両頭針 14等とケース 11から成る注出具 (ニードルユニット） 5を収納し た保護ケース 6を、連結部 4を介して一体に成形したものである。容器本体 2内には、 注射剤が容器本体 2の成形時に無菌的に充填されている。また、保護ケース 6の上 部には、充填された注射剤を表示するラベル 7が設けられて 、る。

[0012] 図 2にみられるように、この注出具 5では、ストッパー 12を設けたケース 11内にゴム 等の弾性体カゝらなるハブ 13を介して両頭針 14が固定されている。注出具 5の容器本 体 2との連結部 15の下端部には、ゴム等の弾性体力もなる栓体 16が設置されている 。この注出具 5では、内容物を注出する両頭針 14はケース 11内で無菌状態に保持 されている。

[0013] この注射剤包装体 1を使用する際には、図 1の（C)にみられるように、まず保護ケー ス 6を指でねじ切って開封する。つぎに、図 2の（E)の位置まで注出具 5のケース 11 を押し下げると、ハブ 13に固定された注出部材の両頭針 14の一端が栓体 16を貫通 し、容器本体 2と連通する。ついで、ケース 11を取り除いて患者の静脈等に両頭針 1 4の他端を刺通し、容器本体 2を指で押さえると、容器本体 2は折り畳み誘導線 3によ り折り畳まれて、注射剤を完全に注出することができる。

この注射剤包装体 1は、両頭針 14を容器本体 2と連通させた状態で自立させること が可能である。したがって、包装体の保護ケース 6を開封後患者に使用する前に、汚 染を生じずに包装体を保管ケース等に一時的に自立させて置くことができる。

[0014] 図 3は、本発明の無菌充填包装体の他の例を示す図で、包装体の保護ケース 6を 開封した注出具 (ニードルユニット） 5の拡大断面図である。図 3の (A)は使用前の注 出具 5の状態を示す図であり、同（B)は注出部材の両頭針 14を容器本体に向けて 押し込み、両頭針 14を容器本体 2と連通可能とした状態を示す図である。そして、同 (C)は、両頭針 14を押し込んだ後に、注出具 5のケース 11を取り除いて、容器本体 内の注射剤を注出可能とした状態を示す図である。

本例の無菌充填包装体 1では、注出具 5のプラスチック容器本体 2との連結部 15に 設けた栓体 16の下端部に、即ち、注出具 5の下端部に、逆止弁 17等の逆止部材が 設けられている。

この逆止弁 17を設けることによって、内容物をプラスチック容器本体 2から両頭針 1 4を介して容器本体外へ注出することは可能である力 外部に注出した内容物や他 の薬剤が両頭針 14を介して前記容器本体 2内へ逆流することを防止することができ る。

そして、この逆止部材 17を注出具 5の下端部に設けることにより、本発明の無菌充 填体の使用後に、容器内に覚醒剤等の危険物のような他の内容物を吸引し、容器を 悪用することを防止することができる。

[0015] 図 4は、本発明の無菌充填包装体の他の例を示す図で、図 4の（A)は包装体の正 面図、同 (B)は一部断面側面図、そして同 (C)はこの包装体の注出具の保護ケース を開封する状況を示す図である。

この例では、図 1の無菌充填包装体において、注出部材の両頭針 14等とケース 11 力も成る注出具 (ニードルユニット） 5に代えて、先端が封鎖された円筒状の注出部材 のみ力も成る注出具 5'を使用するものである。この注出具 5'は、ニードルユニット 5 におけるケース 11を省略し、容器本体 2内に連通するものであり、その先端部 9には 、先端部 9を開封するための環状の薄肉部 8が設けられている。この包装体 1 'を使用 する際には、図 4の（C)にみられるように、まず保護ケース 6を指でねじ切って開封し 、ついで薄肉部 8を折り取って先端部 9を開封する。ついで患者の患部等に注出具 5 'を適用し、容器本体 2を指で押さえると、容器本体 2は折り畳み誘導線 3により折り畳 まれて、内容物を完全に注出することができる。この無菌充填包装体 1 'は、例えばジ エル状、或いはクリーム状の坐薬等を収納するのに好適に用いられる。

[0016] つぎに、図面に基づいて、本発明の無菌充填包装体の製造装置及び製造工程に ついて説明する。図 5は、本発明の無菌充填包装体の製造装置の 1例を示す模式図 である。また、図 6は、この製造装置を使用して本発明の無菌充填包装体を製造する 工程の 1例を説明する模式図である。

[0017] この製造装置 21は、無菌ボックス 22内に、ブロー成形用無菌エアーの供給管 P1と 内容物供給管 P2に接続されたノズル 24を具備するノズルユニット 23、及び注出具マ ガジン 25を具備する注出具挿入ユニット 26を収納したものである。ノズルユニット 23 及び注出具挿入ユニット 26は、それぞれ駆動装置 Ml及び M2によって、交互に水 平方向に往復運動することができる。

[0018] 無菌ボックス 22の下方には、ノ リソン 27を押出すダイヘッド 28を備えたパリソン押 出機 29が設置されている。ダイヘッド 28の内側側面には、無菌ボックス 22内の無菌 性を向上させるため、ダイヘッド側力も無菌ボックス 22に向力つて上昇気流となるよう に無菌エアーを出すことができる吹き出し口 34と、ノ リソン内部を加圧してノ リソンの 形状を安定させるために、下降気流となるように無菌エアーを出すことができる吹き 出し口 35とが設けられている。さらに、その下方にはプラスチック容器本体と注出具 の保護ケースを一体に成形する金型 30が設けられている。この金型 30は、保護ケー ス用金型 31、プラスチック容器本体用金型 32、及び保護ケース用金型 31と容器本 体用金型 32の間に配置され、連結部をヒートシールするヒートシール用金型 33によ り構成されている。（図 6参照）

[0019] 本発明の無菌充填包装体は、例えばこの製造装置 21を使用して、つぎの工程（1) 〜（11)により製造することができる（図 6参照)。

(1)金型 30内にノ リソン 27を押出す。

(2)プラスチック容器本体用金型 32を型締する。（第 1型締め） (3)パリソン 27上部にノズル 24を挿入する。

(4)無菌エアーにより容器本体をブロー成形する。

(5)ノズル 24から注射剤（内容物）を容器本体 2内に充填する。

(6)ノズル 24をパリソン 27の上部から退避させた後に、無菌ボックス 22内のノズルュ ニット 23と注出具挿入ユニット 26の位置を入れ換える。

(7)注出具挿入ユニット 26によりパリソン 27の上部に注出具 5を挿入する。

(8)ヒートシール金型 33を型締して、容器本体 2と保護ケース 6の連結部 4をヒートシ ールする。

(9)保護ケース用金型 31を型締し、保護ケース 6の上部をヒートシールして注出具 5 を保護ケース 6内に密封する。

(10)保護ケース用金型 31内で真空成形により保護ケース 6を成形する。

(11)全ての金型を開いて容器本体 2の下部及び保護ケース 6上部のノ^ソンを切断 して、目的とする無菌充填包装体を得る。

従って、容器本体 2内の内容物と保護ケース 6内の無菌性が保たれ、図 2及び図 3 のようにケース 11内に内容物の注出部材である両頭針 14を収納した注出具 (ニード ルユニット） 5を用いる場合、或 、は図 4のように先端が封鎖された円筒状の注出部材 のみ力 成る注出具 5'を用いる場合、いずれの場合も使用前に注出部材が汚染さ れるおそれはない。

図 7は、本発明の無菌充填包装体を製造する工程の他の例を説明する模式図であ る。

(1)金型 30内にノ リソン 27を押出す。

(2)プラスチック容器本体用金型 32を型締する。（第 1型締め）

(3)、（4)ノズル 24がパリソン内壁と接触しないように、ノズル先端部から低圧 (0. 00 1〜0. IMPa程度）の無菌エアー（Parison Control Air:以下「PCA」という)をパリソ ン内に導入しながら、ノ リソン 27上部にノズル 24を挿入する。

(5)無菌エアーにより容器本体をブロー成形する。

(6)ノズル 24から注射剤（内容物）を容器本体 2内に充填する。

(7) PCAをパリソン 27内に導入しながら、ノズル 24をパリソン 27の上部力 退避させ た後に、無菌ボックス 22内のノズルユニット 23と注出具挿入ユニット 26の位置を入れ 換える。

(8)注出具挿入ユニット 26の側壁に設けた連通孔から、低圧（0. 001-0. IMPa程 度）の PCAをパリソン 27内に導入しながら、注出具挿入ユニット 26によりパリソン 27 の上部に注出具 5を挿入する。

(9) PCAをパリソン 27内に導入しながら、注出具挿入ユニット 26を退避させてヒート シール金型 33を型締し、容器本体 2と保護ケース 6の連結部 4をヒートシールする。

(10)保護ケース用金型 31を型締し、保護ケース 6の上部をヒートシールして注出具 5を保護ケース 6内に密封する。

(11)保護ケース 6の側面からブローピン 34を保護ケース 6内に突刺し、ブローピン 3 4から無菌エアー（0. 1〜0. 6MPa程度）を保護ケース 6内に導入しながら、保護ケ ース用金型 31内で真空成形により保護ケース 6を成形する。

(12)全ての金型を開いて容器本体 2の下部及び保護ケース 6上部のノ^ソンを切断 して、目的とする無菌充填注射剤包装体を得る。

[0021] 上記図 7の製造工程（1)〜（12)は、図 6の製造工程（1)〜（11)を改良したもので ある。

上記（2)の第 1型締め工程や、ノズルや注出具挿入ユニットの挿入、退避を行う（3) 、 （7)、 （8)、 （9)の工程では、パリソンのドローダウン或いはノズルや注出具挿入ュ- ットの出し入れによる内圧変化等によってノ^ソンの断面形状が変形することがある。 その結果、ノズルや注出具挿入ユニット或いは注出具力 Sパリソン内壁と接触して、無 菌充填包装体の成形が困難になるといった問題があった。図 7の製造工程では、 PC Aを導入しながらノズルや注出具挿入ユニットの挿入、退避を行うことによって、この ような問題を回避し、無菌充填包装体を効率良く製造することが可能となる。

尚、図 7の製造工程における PCAの導入は、上記（3)から（9)の工程間で連続して 行っても良い。この場合、工程毎の PCAの導入、停止の切り替えを行う必要がなぐ 上記問題を回避して無菌充填包装体をより効率良く製造することが可能となる。

[0022] また、保護ケース 6の成形を真空成形だけで行った場合には、成形時に保護ケー ス 6内が減圧になるため、ケースの成形を妨げる抵抗力が発生し、精密な形状を有 する保護ケースを成形することが困難であった。

上記（11)の工程では、保護ケース 6の側面力もブローピン 34を保護ケース 6内に 突刺し、ブローピン 34から無菌エアー（0. 1〜0. 6MPa程度）を保護ケース 6内に導 入して保護ケース 6内を陽圧化する。したがって、保護ケース 6の真空成形を行う際 に、減圧による抵抗力が発生せず、精密な形状を有する保護ケース 6を成形すること が可能となる。ブローピン 34を抜き取った後の孔にはラベル（図示せず)等が貼着さ れる。この際に、保護ケース 6内の無菌性が損なわれることがある力 図 2及び図 3の 無菌充填包装体において、無菌状態のケース 11内に、内容物の注出部材具である 両頭針 14を収納した注出具 (ニードルユニット） 5を用いることにより、注出具 5が使用 前に汚染されるおそれはない。

[0023] 従来の技術では、多数の金型を順次回転可能に配置した水平ロータリー式或いは 2つの金型が往復運動するシャトル式の製造装置を使用し、パリソンを金型内に押出 し型締後〔上記図 6又は図 7の工程 (2)に対応〕パリソンを切断し、金型を移動させて 容器本体のブロー成形と内容物の充填を行っていた。このような製造装置は全工程 を無菌環境下に置くことは実際上不可能であり、パリソンの切断時、或いは金型を移 動させる際に、外気により金型内に配置されたパリソン内部が汚染されるおそれがあ つた o

[0024] 本発明では単純な構成のコンパクトなサイズの製造装置を使用し、パリソンを切断 することなく無菌充填包装体を製造するものである。したがって、装置の無菌状態の 管理が容易で製造コストを大幅に下げることができる。

また、本発明の無菌充填包装体では、容器本体 2と注出具 5の保護ケース 6がー体 に形成されているので、製造時や流通時における外力による包装体の開封や、いた ずらや不正による包装体の開封を防止することができる。

[0025] 本発明にお 、て、プラスチック容器本体 2及びこれと一体の保護ケース 6を構成す る材料としては特に制限はなぐ通常プラスチック容器を構成するのに使用される熱 可塑性榭脂は、いずれも使用することができる。このような材料としては、例えば、低 一、中一、或いは高 密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン プロピレン共重 合体、エチレン 酢酸ビュル共重合体（EVA)、 EVAケン化物、エチレン アクリル 酸ェチル共重合体 (EEA)、イオン架橋ォレフィン共重合体 (アイオノマー）等のポリ ォレフィン類;ポリスチレン、スチレン ブタジエン共重合体等の芳香族ビュル共重合 体；ポリ塩ィ匕ビニル、塩ィ匕ビユリデン榭脂等のハロゲンィ匕ビュル重合体；ポリアクリル 系榭脂；アクリロニトリル一スチレン共重合体、アクリロニトリル一スチレン一ブタジエン 共重合体の如き-トリル重合体;ナイロン 6、ナイロン 66、パラまたはメタキシリレンァ ジパミドの如きポリアミド類；ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート 、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類；各種ポリ カーボネート；フッ素系榭脂；ポリオキシメチレン等のポリアセターノレ類;ポリブチレン サクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリヒドロキシブチレート、ポリ力プロラタトン、 ポリ乳酸等の生分解性榭脂類等が挙げられる。

好ましい熱可塑性榭脂としては、ポリオレフイン系榭脂、特にポリプロピレン、ェチレ ン—プロピレン共重合体等のポリプロピレン系榭脂が挙げられる。

本発明のプラスチック容器本体及び保護ケースは、 1種類の榭脂層からなる単層構 造あるいは複数の榭脂層からなる多層構造を有するものとすることができる。

容器本体内に収納する内容物が、医薬品等のようにガスバリヤ一性を必要とするも のである場合には、中間層としてポリ塩ィ匕ビニリデン榭脂、 EVAケンィ匕物、ポリアミド 榭脂又は環状ォレフィンコポリマー等のガスノ リヤー性榭脂層を含む多層構造の容 器とすることが好ましい。また、更に高いガスノ リヤー性を必要とする場合には、酸ィ匕 性重合体等を含む酸素吸収性榭脂層を併用した多層構造の容器とすることもできる 。このような多層構造の容器は、常法により多層ブロー用ダイを用いて得られる多層 ノ^ソンを使用し、上記図 6又は図 7に示した工程により製造することができる。

Claims

請求の範囲 [1] 折り畳み誘導線が形成されたプラスチック容器本体内に内容物を無菌的に充填す ると共に、前記容器本体と一体成形された保護ケース内に注出具を収納したことを特 徴とする無菌充填包装体。 [2] 前記注出具を無菌的に前記保護ケース内に収納したことを特徴とする請求項 1に 記載の無菌充填包装体。 [3] 無菌的にケース内に注出部材を収納してなる注出具を、前記保護ケース内に収納 したことを特徴とする請求項 1に記載の無菌充填包装体。 [4] 前記注出具の下端部に逆止部材を設けたことを特徴とする請求項 1〜3のいずれ かに記載の無菌充填包装体。 [5] 次の工程を採用することを特徴とする無菌充填包装体の製造方法：

(1)パリソンをプラスチック容器本体用金型に配置し、

(2)ノ^ソン内に挿入したノズル力 無菌エアーを吹き出して容器本体のブロー成形 を行った後に、

(3)該ノズルカゝら容器本体内に内容物を充填後、該ノズルを退避させ、ついで

(4)注出具を容器本体の上部のパリソンに挿入した後に、

(5)保護ケース用金型の型締めを行!、、

(6)前記容器本体の上部のノ リソン力も保護ケースを形成する。

[6] 少なくとも前記工程（2)及び（3)において、ノズル力パリソン内壁と接触しないように

、ノズル力も無菌エアーをパリソン内に導入しながら、ノズルの挿入、退避を行うことを 特徴とする請求項 5に記載の無菌充填包装体の製造法方法。

[7] 少なくとも前記工程 (4)において、注出具挿入ユニット及び注出具力パリソン内壁と 接触しないように、前記注出具挿入ユニットに設けた連通孔力 無菌エアーをパリソ ン内に導入しながら、前記注出具挿入ユニットの挿入、退避を行うことを特徴とする請 求項 5又は 6に記載の無菌充填包装体の製造法方法。

[8] 前記工程（5)において、予め注出具の下部とプラスチック容器本体上部の間のパリ ソンをヒートシールすることを特徴とする請求項 5〜7のいずれかに記載の無菌充填 包装体の製造法方法。

[9] 前記工程 (6)にお 、て、真空成形により保護ケースを形成することを特徴とする請 求項 5〜8のいずれかに記載の無菌充填包装体の製造方法。

[10] 前記工程 (6)において、保護ケースの側面力もブローピンを前記ケース内に突刺し

、ブローピン力 無菌エアーを前記ケース内に導入しながら真空成形を行うことを特 徴とする請求項 9に記載の無菌充填包装体の製造方法。

[11] 前記ノ リソンがガスノ リヤー性榭脂層を含む多層ノ リソンであることを特徴とする請 求項 5〜10のいずれかに記載の無菌充填包装体の製造方法。

[12] 無菌ボックス内に、ブロー成形用無菌エアーの供給と内容物の充填を兼用するノズ ルユニット、及び注出具挿入用ユニットを具備し、前記無菌ボックスの下方に接続さ れたパリソンの押出ダイ、保護ケース用金型、プラスチック容器本体用金型を順次配 列したことを特徴とする無菌充填包装体の製造装置。

[13] 前記保護ケース用金型と前記プラスチック容器本体用金型の間にヒートシール用 金型を設けたことを特徴とする請求項 12に記載の無菌充填包装体の製造装置。