WO2006075685A1 - ルータ選択方法、ホームエージェント装置、移動ルータ、および移動ネットワークシステム - Google Patents

Abstract

　任意の移動ルータ（３―１、３－２、３－３）または端末（４）が、使用者から入力された移動ルータの選択方針を示すポリシをホームエージェント装置（５）へ通知する。そして、ホームエージェント装置（５）が通知されたポリシ情報と、移動ルータ（３―１、３－２、３－３）の特性情報とに基づき中継設定情報を作成し、各移動ルータ（３―１、３－２、３－３）へ送信する。この中継設定情報は、移動ルータ（３―１、３－２、３－３）が受信した外部ネットワーク（１）宛のパケットを外部ネットワーク（１）へ中継するかあるいは同一ネットワーク上へ転送するかを判定し、転送する場合の転送先を決定するためのものであるが、各移動ルータ（３―１、３－２、３－３）がその中継設定情報に基づいて受信パケットを中継することにより、使用者の意思を随時反映した通信を実現できる。

Description

明 細 書

ルータ選択方法、ホームエージェント装置、移動ルータ、および移動ネッ トワークシステム

技術分野

[0001] 本発明は、端末と移動ルータで構成された移動ネットワークと、その移動ネットヮー クの位置を管理するホームエージェント装置とからなる移動ネットワークシステムにお いて、複数の移動ルータが存在する場合に、端末などが適切な移動ルータを選択す るためのルータ選択方法に関する。

背景技術

[0002] 移動可能な端末群およびルータで構成されたネットワーク全体の移動性を提供す る技術が、 IETF NEMO— WGにおいて検討されており、文献「Network Mobility ( NEMO) Basic Support ProtocolJ (Vijay Devarapalli他著）に示すプロトコルが提案さ れている。

[0003] 文献「Network Mobility (NEMO) Basic Support ProtocolJは、移動可能な端末群お よび移動ルータで構成されたネットワーク (以下、「移動ネットワーク」という。）における 移動ルータと、この移動ルータの位置を管理するホームエージェント装置により、移 動ネットワークのデータ到達性を実現する技術である。

[0004] 移動ネットワークとホームエージェント装置とからなる移動ネットワークシステムにお いて、一つの移動ネットワークが複数の移動ルータを含むことがある。このときに、端 末等がデータの種別やセキュリティ要件等に応じて、適切な移動ルータを選択する ための技術が、特開 2003— 283546号公報に開示されている。

[0005] 特開 2003— 283546号公報では、各移動ルータ力 予め設定された情報に基づ き、自身の配下の端末と外部ネットワークとの通信を許可するかどうかを決定し、通信 を許可しない場合には、他の移動ルータを使用すべき旨を端末に指示することで、 該当通信データの送信に適する移動ルータを介した通信を実現する。

[0006] 図 26は、特開 2004— 153802号公報における移動通信システムの構成を示す図 である。移動ルータ 162— 1、 162— 2、 162— 3力 移動通信システム 165の接続装 置 163— 1、 163— 2、 163— 3を介して外部ネットワーク 164へ接続している。

[0007] ここで、移動通信装置 161は移動ルータ 162— 1、 162— 2、 162— 3から外部イン タフエース情報を取得し、その外部インタフェース情報を基に最適な移動ルータを選 択して、該当する移動ルータに通知する。これにより、移動通信装置 161は音楽や動 画等のアプリケーションに適した外部接続インタフェースを持つ移動ルータを介して 通信することが可能となる。

[0008] しかしながら、特開 2003— 283546号公報の構成では、予め設定された情報のみ に基づいて移動ルータの選択が行われる。このため、使用者が通信コスト重視、セキ ユリティ重視、あるいは通信速度重視というような移動ルータ選択のためのポリシを変 更する場合や、移動ルータを追加、除去した場合に、各移動ルータおよびホームェ ージ ント装置の設定を変更する必要がある。この設定変更は容易ではなぐ特に使 用者が移動ネットワークと共に移動中にポリシを変更するのは困難であった。

[0009] また、特開 2004— 153802号公報の構成では、移動通信装置が通信に適する移 動ルータの選択を行うので、移動通信装置の処理負荷が高くなるという課題を有して いた。また、移動ルータに輻輳が発生した場合には、移動ルータによるトラフィックの 振り分けができないため、負荷の分散が困難であるという課題を有していた。

発明の開示

[0010] 本発明にかかるルータ選択方法は、複数の移動ルータ、および端末が相互に接続 された移動ネットワークと、当該移動ネットワークが外部ネットワークと接続する位置を 管理するホームエージェント装置と力もなる移動ネットワークシステムにおけるルータ 選択方法である。そして、そのルータ選択方法は、まず、移動ルータまたは端末が使 用者力 移動ルータの選択方針を示すポリシ情報を取得し、その移動ルータまたは 端末がそのポリシ情報をホームエージェント装置へ通知する。次に、ホームエージェ ント装置が通知されたポリシ情報と、保有している、移動ルータの特性情報とに基づ き中継設定情報を作成し当該移動ルータへ通知する。この中継設定情報は、移動ル ータが受信した外部ネットワーク宛のパケットを外部ネットワークへ中継するかあるい は同一ネットワーク上の他の移動ルータへ転送するかを判定し、転送先を決定する ためのものである。次に、移動ルータが外部ネットワーク宛のパケットを受信したとき、 その移動ルータが中継設定情報に基づき中継先ある!、は転送先を決定する。

[0011] これにより、移動ルータは使用者のポリシに基づいて、自己を含めた移動ルータの 選択条件を設定することになるので、使用者の意思を反映した通信環境を構築する ことが可能になる。

[0012] また、本発明にかかるルータ選択方法は、移動ルータが中継設定情報に基づき転 送先に受信したパケットを転送する場合、その移動ルータがパケットの送信元へ転送 先を通知する処理をさらに備えている。

[0013] これにより、パケットの送信元はその後のパケットを指定された移動ルータへ送信す ることができるので、移動ルータ間でパケットを転送すると!/、つた無駄をなくすことが 可會 になる。

[0014] また、本発明に力かるルータ選択方法は、移動ルータが移動ネットワークに初めて 接続したときや自己の通信特性が変化したときにその移動ルータがホームエージェ ント装置へその特性情報を通知する。そして、ホームエージェント装置がポリシ情報 や特性情報を受信したとき、あるいは移動ネットワークへ移動ルータが追加ある 、は 除去されたことを検出したとき、そのホームエージェント装置が中継設定情報を作成 し移動ルータへ通知する。そして次に、その移動ルータ装置が既存の中継設定情報 を新たに通知された中継設定情報に更新する。本発明にかかるルータ選択方法は、 これらの処理をさらに有して!/、る。

[0015] これにより、移動ルータは、移動ネットワークの通信環境や、システムの構成や状況 に応じて常に移動ルータを選択することができるので、端末等は最適な状態で通信 を行うことが可能になる。

[0016] また、本発明に力かるルータ選択方法は、ホームエージェント装置が移動ネットヮー ク上の端末宛のパケットを受信したとき、そのホームエージェント装置が移動ネットヮ ーク上の移動ルータまたは端末力 受信していたポリシ情報および移動ルータから 受信して!/、た特性情報に基づき、端末宛のパケットの中継先となる移動ルータを選 択する処理をさらに有して ヽる。

[0017] これにより、ホームエージェント装置がポリシ情報と移動ルータの特性情報により転 送先の移動ルータを選択するので、双方向の通信を最適化することができ、より品質 の高い通信を可能とする。

[0018] また、本発明にかかるルータ選択方法は、移動ルータが中継設定情報の他に、さら に自己の負荷と端末力も受信したパケットの種別との少なくともいずれか一つに基づ いて、受信したパケットを外部ネットワークへ中継する力、あるいは同一ネットワーク上 の他の移動ルータへ転送するかを判定し、転送する場合に転送先を決定するもので ある。

[0019] これにより、移動ルータは自己の現在の状況をルータ選択条件に反映することがで きるので、使用者のポリシを柔軟に反映した通信環境を構築することが可能になる。

[0020] また、本発明に力かるルータ選択方法における特性情報は、外部ネットワークインタ フェース情報と本体情報との少なくとも 、ずれか一つである。その外部ネットワークィ ンタフェース情報とは、通信速度、伝搬遅延、あるいはビットエラー発生率などであり 、その本体情報とはバッテリ容量ある 、はスループットなどである。

[0021] これにより、ルータ選択の条件は、外部ネットワークとの通信状況ば力りでなぐ移 動ルータ自身の内部状況も含めることができる。

[0022] 本発明に力かるホームエージェント装置と移動ルータは、複数の移動ルータ、およ び端末が相互に接続された移動ネットワークと、この移動ネットワークが外部ネットヮ ークと接続する位置を管理するホームエージェント装置とからなる移動ネットワークシ ステムを構成するものである。

[0023] 本発明に力かるホームエージェント装置は、管理対象の移動ルータから通知された 当該移動ルータの特性情報を記憶する特性情報記憶部と、端末または移動ルータ 力 通知された移動ルータの選択方針を示すポリシ情報を記憶するポリシ記憶部と、 ポリシ情報と特性情報とに基づき中継設定情報を作成する中継設定情報生成部と、 その中継設定情報を管理対象の移動ルータへ送付する中継設定情報送付部とを備 えている。なお、中継設定情報は、移動ルータが受信したパケットを外部ネットワーク へ中継するかあるいは同一ネットワーク上の他の移動ルータへ転送するかを判定し、 転送先を決定するためのものである。

[0024] これにより、ホームエージェント装置は、使用者の意思と各移動ルータの特性を反 映した通信環境を構築できる。 [0025] また、本発明に力かるホームエージェント装置は、端末宛のパケットを中継する移動 ルータを決定し、パケットを転送する中継処理部をさらに備えている。そして、この中 継処理部は移動ルータがホームネットワーク上に接続して 、な 、とき、移動ルータの 特性情報に基づき端末宛のパケットの中継先となる移動ルータを決定し、パケットを 転送する。

[0026] これにより、ホームエージェント装置も移動ルータの特性に応じて、端末宛パケット を転送することが可能になる。

[0027] また、本発明にかかるホームエージェント装置は、中継設定情報生成部がポリシ記 憶部に記憶して 、るポリシ情報と異なるポリシ情報を取得したときや、移動ネットヮー クへの移動ルータの追加または除去を検出したときや、特性情報記憶部に記憶して いる特性情報と異なる特性情報を取得したときにポリシ情報と特性情報とに基づき中 継設定情報を作成する。そして、中継設定情報送付部が管理対象の移動ルータへ 新たに作成された中継設定情報を送付する。

[0028] これにより、ホームエージェント装置は、移動ネットワークの通信環境や、システムの 構成や状況に応じて最適な移動ルータを選択するための中継設定情報を配布する ことができる。

[0029] また、本発明にかかるホームエージェント装置が移動ルータ力も受信する特性情報 は、外部ネットワークインタフェース情報と本体情報との少なくとも 、ずれか一つであ る。その外部ネットワークインタフェース情報は、移動ルータの通信速度、伝搬遅延あ るいはビットエラー発生率などであり、本体情報はノ ッテリ容量あるいはスループット などである。

[0030] これにより、ホームエージェント装置は外部ネットワークとの通信状況ば力りでなぐ 移動ルータ自身の内部状況もルータ選択の条件にすることができる。

[0031] 本発明にかかる移動ルータは、中継設定情報をホームエージェント装置から受信 する中継設定情報受信部と、受信した中継設定情報を記憶する中継設定情報記憶 部と、中継設定情報に基づいて受信した外部ネットワーク宛のパケットを中継するか 、あるいは同一ネットワーク上の他の移動ルータへ転送するかを決定し、転送する場 合には、前記中継設定情報を用いて転送先を決定し、中継あるいは転送を行う中継 処理部とを備えている。なお、中継設定情報は受信したパケットの外部ネットワークへ の中継先あるいは同一ネットワーク上の他の移動ルータへの転送先を決定するため のものである。

[0032] これにより、移動ルータは使用者の意思と自己を含む各移動ルータの特性を反映 した、パケットの中継を行うことができる。

[0033] また、本発明に力かる移動ルータは、移動ルータの選択方針を示すポリシ情報を入 力するためのポリシ入力インタフェースと、このポリシ情報をホームエージェント装置 へ通知するポリシ通知部とをさらに備えている。

[0034] これにより、移動ルータは使用者の意思を通信に反映することができる。

[0035] また、本発明に力かる移動ルータは、自己の特性情報を記憶する特性情報記憶部 と、特性情報通知部とをさらに備えている。なお、特性情報通知部は、移動ルータが 移動ネットワークに初めて接続したときや自己の通信特性が特性情報記憶部に記憶 する特性情報と異なるときに、新たな特性情報を自己の属するホームエージェント装 置へ通知するものである。

[0036] これにより、ホームエージェント装置は移動ネットワークの通信環境や、システムの 構成や状況を常に知ることができる。

[0037] また、本発明に力かる移動ルータの中継処理部は、さらに自己の負荷状況と受信し たパケットの種別との少なくとも 、ずれかに基づ 、て、受信したパケットを外部ネットヮ ークへ中継する力 同一ネットワーク上の他の移動ルータへ転送するかを決定し、転 送する場合には、中継先あるいは転送先を決定する。

[0038] これにより、移動ルータは自己の現在の状況をルータ選択条件に反映することがで きるので、自己の負荷を分散することなどが可能になる。

[0039] また、本発明にかかる移動ルータがホームエージェント装置へ送信する特性情報 は、外部ネットワークインタフェース情報と本体情報との少なくとも 、ずれか一つであ る。その外部ネットワークインタフェース情報は、通信速度、伝搬遅延あるいはビット エラー発生率などであり、本体情報はバッテリ容量あるいはスループットなどである。

[0040] これにより、移動ルータは、ルータ選択の条件に外部ネットワークとの通信状況ばか りでなぐ移動ルータ自身の内部状況を含めることが可能になる。 [0041] 本発明に力かる移動ネットワークシステムは、本発明に力かる移動ルータを有する 移動ネットワークと、本発明に係るホームエージェント装置とにより構成される。

[0042] これにより、移動ルータが使用者のポリシに基づいて、受信パケットの中継を行う移 動ルータを選択するので、移動ネットワークシステムは使用者の意思を反映した通信 環境を提供できる。

[0043] 以上のように本発明によれば、移動ルータは、使用者により随時指示されたポリシ 情報に応じて、通信を最適化するのに最も適した、自己を含めた移動ルータを選択 することが可能となる。

[0044] また、移動ルータは輻輳が発生した場合に、トラフィックの振り分けもできる。

図面の簡単な説明

[0045] [図 1]図 1は本発明の実施の形態 1における移動ネットワークシステムの構成図である

[図 2]図 2は本発明の実施の形態 1における移動ルータの構成図である。

[図 3]図 3は本発明の実施の形態 1におけるホームエージェント装置の構成図である

[図 4]図 4は本発明の実施の形態 1におけるホームエージェント装置の管理する位置 情報のデータ構造を示す図である。

[図 5]図 5は本発明の実施の形態 1におけるホームエージェント装置の管理する移動 ルータスコア情報 (動画)のデータ構造を示す図である。

[図 6]図 6は本発明の実施の形態 1における中継設定情報 (動画)を示す図である。

[図 7]図 7は本発明の実施の形態 1におけるホームエージェント装置の中 «I設定情報 処理を示すフロー図である。

[図 8]図 8は本発明の実施の形態 1におけるホームエージェント装置の中 «I設定情報 作成処理を示すフロー図である。

[図 9]図 9は本発明の実施の形態 1におけるホームエージェント装置の中継処理を示 すフロー図である。

[図 10]図 10は本発明の実施の形態 1におけるポリシ通知メッセージの構成を示す図 である。 圆 11]図 11は本発明の実施の形態 1における中継設定情報通知メッセージの構成 を示す図である。

[図 12]図 12は本発明の実施の形態 1における移動ルータの設定処理を示すフロー 図である。

[図 13]図 13は本発明の実施の形態 1における移動ルータの中継処理を示すフロー 図である。

[図 14]図 14は本発明の実施の形態 1における移動ルータの設定シーケンスを示す 図である。

[図 15]図 15は本発明の実施の形態 1における移動ルータのパケット中継および転送 のシーケンスを示す図である。

[図 16]図 16は本発明の実施の形態 2における移動ルータの構成図である。

[図 17]図 17は本発明の実施の形態 2におけるホームエージェント装置の構成図であ る。

[図 18]図 18は本発明の実施の形態 2における移動ルータの特性情報処理を示すフ ロー図である。

[図 19]図 19は本発明の実施の形態 2におけるホームエージェント装置の特性情報処 理を示すフロー図である。

[図 20]図 20は本発明の実施の形態 2におけるホームエージェント装置の中 «設定情 報作成処理を示すフロー図である。

[図 21]図 21は本発明の実施の形態 2におけるホームエージェント装置の設定作成情 報のデータ構造を示す図である。

[図 22]図 22は本発明の実施の形態 2におけるホームエージェント装置の特性情報の データ構造を示す図である。

[図 23]図 23は本発明の実施の形態 2におけるホームエージェント装置の移動ルータ 品質値を示す図である。

[図 24]図 24は本発明の実施の形態 2におけるホームエージェント装置の移動ルータ スコア†青報の内容を示す図である。

[図 25]図 25は本発明の実施の形態 2における移動ルータ特性情報通知メッセージ の構成を示す図である。

[図 26]図 26は従来の移動ネットワークシステムの構成を示す図である。 符号の説明

1 外部ネットワーク

2 移動ネットワーク

3 移動ルータ

4 端末

5 ホームエージェント装置

6 外部端末

7 アクセスルータ

161 移動通信装置

162 移動ノレータ

163 接続装置

164 外部ネットワーク

165 移動通信システム

301 内部ネットワークインタフェース

302, 502 パケット送受信部

303 外部ネットワークインタフェース

304 移動管理部

305, 504 中継処理部

306 設定処理部

307, 506 位置情報記憶部

308, 509 中継設定情報記憶部

309 ポリシ入力インタフェース

310, 510 特性情報記憶部

311 特性情報生成部

312 特性情報監視部

501 ホームネットワークインタフェース 503 位置管理部

505 中継設定情報処理部

507 移動ルータスコア記憶部

508 ポリシ記憶部

511 設定作成情報記憶部

発明を実施するための最良の形態

[0047] 以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。

[0048] (実施の形態 1)

図 1は、本発明の実施の形態 1における移動ネットワークシステムの構成を示す図 である。

[0049] 図 1において、移動ルータ（MR) 3— 1、 3— 2、 3— 3と端末 4とから移動ネットワーク 2が構成されている。また、移動ネットワーク 2上の移動ルータ 3— 1、 3— 2、 3— 3と外 部ネットワーク 1 (例えばインターネット）上のアクセスルータ（AR) 7— 1、 7— 2、 7- 3 とが接続しており、外部端末 6と端末 4との通信がホームエージェント装置 5を経由し て行われている。

[0050] なお、本実施の形態においては移動ルータを 3台としている力 これに限るもので はない。また、外部アクセスライン 8— 1、 8— 2、 8— 3はセルラ、無線 LAN等の無線 または IEEE 802. 3等の有線であり、内部ネットワークは有線、無線のいずれであ つてもよい。

[0051] 次に、上記の移動ネットワークシステムを構成する、本発明に係るホームエージェン ト装置の構成および動作につ!、て図面を用いて説明する。

[0052] 図 3は本発明におけるホームエージェント装置 5の構成を示す図である。

[0053] 図 3において、ホームネットワークインタフェース 501はホームネットワークに接続し て、物理層処理およびデータリンク層処理を行うものである。パケット送受信部 502は ホームネットワークインタフェース 501からパケットを送受信する際の IPネットワーク層 および上位層 (TCP, UDP、 ICMP)の処理を行うものである。また、位置管理部 50 3は移動ルータの位置情報を位置情報記憶部 506に記憶して、移動ルータおよび移 動ネットワークの位置を管理するものである。ここで、位置情報記憶部 506の記憶す る位置情報のデータ構造を図 4に示す。

[0054] 図 4において、移動ルータ識別子 1400は移動ルータを特定するための識別子で あり、 HoA1401は該当する移動ルータのホームアドレス（HoA)であり、 CoA1402 は該当する移動ルータの気付けアドレス (CoA)であり、ネットワーク識別子 1403は 該当するルータが属する移動ネットワークの識別子であり、それぞれは移動ルータ毎 に関連づけて記憶されて 、る。

[0055] また、ポリシ記憶部 508は通信に関するルータ選択を行う方針を示すポリシ情報を 記憶するものである。ポリシ情報は、通信品質と通信コストのどちらを重視する力、あ るいは音声通信、動画通信、その他の通信（Eメール、 Web、ファイル転送）のうち、 どれを重視するかなどを指示したものである。本実施の形態では、ポリシ情報は通信 コストに対する重み付けと 、う意味合 、をもつ、 ' 0'乃至' 2'の値として記憶される。 たとえば、 '0'が最も通信品質を重視し、 ' 2'が最もコストを重視することを示している 。従って、使用者はコストが高くても品質のよい通信を望む場合には' 0'を選択し、品 質よりもコストをできるだけ抑えたい場合には' 2'を選択する。特にどちらも重視しな い場合には' 1 'を選択する。

[0056] また、移動ルータスコア記憶部 507は移動ルータスコアを移動ルータ毎に記憶して いるものである。この移動ルータスコアは、動画データや音声データなどを中継する 場合の、通信コストを含めた適性度を示すものである。図 5は、移動ルータスコア記憶 部 507の記憶する動画データに関する移動ルータスコアを示している。

[0057] 図 5において、ポリシ 1801另 IJに、各移動ノレータ 1802、 1803、 1804の適' 14度力 ^数 値で記憶されている。この数値が高いほど、動画データを送信するのに適しているこ とを示している。本実施の形態では、移動ルータスコア記憶部 507は、この他に音声 データに関する移動ルータスコアと、その他のデータに関する移動ルータスコアとを 記憶している。

[0058] また、中継設定情報処理部 505は、ポリシ記憶部 508からポリシ情報を読み出し、 さらに、移動ルータスコア記憶部 507から移動ルータスコアを読み出す。そして、中 継設定情報処理部 505は、これらの情報力も各移動ルータが受信したパケットの中 継先となるか否かを判定し、中継しない場合には、同一ネットワーク上の移動ルータ の中から転送先を決定するための中継設定情報を作成する。この機能は本発明の 中継設定情報生成部に相当する。

[0059] さらに、中継処理部 504は移動ルータスコア記憶部 507から移動ルータスコアを読 み出し、それに基づ!/、て端末 4をあて先または送信元とするパケットの転送先となる 移動ルータを決定する。そして、中継処理部 504は、位置情報記憶部 506に記憶し てある位置情報から、該当する移動ルータの現在のアドレスを求める。この中継設定 情報を通知する機能が本発明の中継設定情報送付部に相当する。

[0060] 次に、ホームエージェント装置が行う中継設定情報処理につ!/、て図面を用いて説 明する。この中継設定情報処理は中継設定情報を作成し、各移動ルータへ配布す る処理である。

[0061] 図 7はこの中継設定情報処理を示すフロー図である。

[0062] 図 7において、中継設定情報処理部 505は、中継設定情報作成のきっかけとなるト リガ一の発生の有無をチェックする（ステップ S51)。このトリガーとしては、位置管理 部 503が移動ネットワークに新規に移動ルータの追加、または移動ネットワーク内の 移動ルータの接続不能、または登録解除により除去された (ただし、既にポリシ記憶 部 508にポリシが保存されていることが前提)ことを検出したこと、あるいは、中継設定 情報処理部 505が移動ルータまたは移動ネットワーク内の端末力 新たなポリシを受 信したことなどである。なお、ポリシの新旧の判定はポリシの入力時刻に基づ!/、て行う ことも可能である。

[0063] 中継設定情報処理部 505が中継設定情報作成トリガーの発生を検知すると、中継 設定情報を作成する (ステップ S52)。

[0064] ここで、中継設定情報の作成処理について図面を用いて説明する。なお、本実施 の形態においては、各移動ルータ 3の移動ルータスコアが移動ルータスコア記憶部 5

07に予め記憶されている。

[0065] 図 8は、中継設定情報の作成処理を示すフロー図である。

[0066] 図 8において、まず、中継設定情報処理部 505は、ポリシ記憶部 508から現在のポ リシを読み出し (ステップ S901)、移動ルータスコア記憶部 507から該当するポリシの 移動ルータスコアをデータ種別（動画、音声、その他）毎に抽出する (ステップ S902) [0067] 次に、データ種別毎に、移動ルータスコアの昇順に移動ルータをソートする（ステツ プ S903)。

[0068] ここで移動ルータの数は、 n台とし、ソート後の i番目の移動ルータを MRi(i= l〜n) とする。

[0069] この場合、中継設定情報処理部 505は、最下位の移動ルータ（MR1)の中継設定 情報として、「輻輳している場合には、移動ルータ (MR2)力も転送されたパケットを破 棄する。」を第 1条件に設定し、「端末力 受信したパケットを最高スコアの移動ルー タ（MRN)へ転送する。」を第 2条件に設定し、「上記の条件に該当しない場合には、 パケットを外部ネットワーク 1へ中継する。」を第 3条件に設定して、その中継設定情 報を中継設定情報記憶部 509に記憶する (ステップ S904)。

[0070] また、最高位の移動ルータ（MRN)の中継設定情報として、「輻輳して ヽる場合に は、パケットを移動ルータ (MRN-1)へ転送する。」を第 1条件に設定し、「上記の条 件に該当しない場合には、パケットを外部ネットワーク 1へ中継する。」を第 2条件に 設定して、その中継設定情報を中継設定情報記憶部 509に記憶する (ステップ S90 5)。

[0071] また、最低位、最高位以外の移動ルータ (MRi、 1 < i< N)の中継設定情報として、 「幅輳している場合には、他の移動ルータ力も転送されたパケットを、自己よりも一段 階下位の移動ルータ (MRi-1)に転送する。」を第 1条件に設定し、「端末から受信し たパケットを最高スコアの移動ルータ（MRN)へ転送する。」を第 2条件に設定し、「上 記の条件に該当しない場合には、パケットを外部ネットワーク 1へ中継する。」を第 3 条件に設定して、その中継設定情報を中継設定情報記憶部 509に記憶する (ステツ プ S906)。

[0072] 図 6は動画データに関するポリシ 0乃至 2までの中継設定情報を示している。中継 設定情報処理部 505は、ポリシが更新されたときに、更新されたポリシについての中 継設定情報を上記の中継設定情報作成処理にお!、て作成する。

[0073] 以上が中継設定情報の作成処理である。

[0074] 図 7において、次に、中継設定情報処理部 505は、移動ルータ毎の中継設定情報 を作成した後 (ステップ S52)、中継設定情報通知メッセージを作成する。

[0075] 図 11はこの中継設定情報通知メッセージのフォーマットを示す図である。

[0076] 図 11において、 IPヘッダ 2101には、メッセージの送信元アドレスと宛先アドレスが 記載され、 TCPZUDPヘッダ 2102には送信元のポート番号と宛先のポート番号と が記載される。また、本実施の形態では、中継設定情報フィールド 2103、 2104には 動画データに関する中継設定情報が設定される。この中継設定情報は、送信先の各 移動ルータ用に作成される。さらに、中継設定情報フィールド 2105には音声データ に関する中継設定情報が設定され、中継設定情報フィールド 2106にはその他のデ ータに関する中継設定情報が設定される。なお、中継設定情報フィールドは、この例 で示したものに限られず、移動ルータへ送信する中継設定情報の条件の数だけ付 加される。

[0077] その後、中継設定情報処理部 505は、位置情報記憶部 506に記憶された位置情 報から、管理対象である全ての移動ルータの現アドレスを求める。そして、中継設定 情報処理部 505は、求めたアドレスをパケット送受信部 502へ通知して、作成した中 継設定情報を送信するように指示する。パケット送受信部 502はこれを受けて、ホー ムネットワークインタフェース 501を介して、指示されたアドレスの移動ルータへ中継 設定情報を送信する (ステップ S53)。

[0078] 次に、ホームエージェント装置がパケットを受信したときの中継処理について図 9を 用いて説明する。

[0079] まず、パケット送受信部 502がホームネットワークインタフェース 501を介してバケツ トを受信すると、端末宛のパケットである力否かを判定する (ステップ S 74)。パケット の宛先が端末である場合、中継処理部 504がポリシ記憶部 508から現在設定されて いるポリシを読み出す。そして、中継処理部 504は、移動ルータスコア記憶部 507に 記憶してある移動ルータスコア（図 5)の内、現在のポリシに該当する移動ルータスコ ァが最大となる移動ルータを選択する (ステップ S75)。たとえば、現在のポリシが' 0' であって、中継するデータが動画データである場合は、移動ルータ（MR) 3— 1が最 大スコアの移動ルータとして選ばれる。

[0080] 次に、中継処理部 504は、位置情報記憶部 506から、選択された移動ルータの現 在のアドレスを求め、パケット送受信部 502へ通知する。パケット送受信部 502は通 知された移動ルータへホームネットワークインタフェース 501を介して、受信パケットを 中継する（ステップ S 76)。

[0081] 一方、ステップ S74にお 、て、受信したパケットが端末宛でな 、場合、中継処理部

504は宛先のノードへ受信パケットを中継する（ステップ S76)。

[0082] 次に、本実施の形態における移動ルータ 3の構成および動作について図面を用い て説明する。

[0083] 図 2は本実施の形態における移動ルータ 3の構成を示す図である。

[0084] 図 2において、内部ネットワークインタフェース 301は移動ネットワーク 2に接続され ている端末および他の移動ルータとの通信における物理層処理およびデータリンク 層処理を行うものである。外部ネットワークインタフェース 303は、外部ネットワーク 1 の接続点となるアクセスルータや基地局、アクセスポイント等と接続するための物理 層処理およびデータリンク層処理を行うものである。また、外部ネットワークインタフエ ース 303は輻輳状態の検出も行う。

[0085] また、パケット送受信部 302は、内部ネットワークインタフェース 301や外部ネットヮ 一クインタフエース 303とパケットを送受信する際の IPネットワーク層、および上位層 ( TCP, UDP、 ICMP)の処理を行うものである。

[0086] また、移動管理部 304は、ホームエージェント装置 5のアドレスや、自身のホームァ ドレスや、外部ネットワーク 1に接続した際に生成した気付けアドレスや、自身の接続 する移動ネットワークを識別するネットワーク識別子を位置情報として位置情報記憶 部 307に記憶したり、ホームエージェント装置 5へ通知したりする。移動管理部 304は このようにして自身の位置情報を管理するものである。

[0087] また、設定処理部 306は、ポリシ入力インタフェース 309から使用者の入力したポリ シ情報をホームエージェント装置 5に通知したり、中 «設定情報をホームエージェント 装置 5から受信し、中継設定情報記憶部 308に記憶したりするものである。これにより 、中継設定情報記憶部 308には、現ポリシでの当該移動ルータの中継設定情報の みが記憶される。なお、中継設定情報は、転送先となる移動ルータを決定するための 条件が記載されたものである。また、このポリシ情報を通知する機能が本発明のポリ シ通知部に相当し、中継設定情報を受信する機能が本発明の中継設定情報受信部 に相当する。

[0088] さらに、中継処理部 305は、中継設定情報記憶部 308から中継設定情報を読み出 し、端末 4力 のパケットの中継先となるアクセスルータ 7や転送先となる移動ルータ 3 を決定したり、端末 4宛のパケットを端末 4へ中継したりするものである。

[0089] なお、ネットワーク識別子は、 IPv4の場合にはネットワークマスクを用い、 IPv6の場 合にはネットワークプレフィクスを用いる。

[0090] また、ポリシ入力インタフェース 309はメニューやスィッチ等のユーザインタフェース でもよいし、移動ネットワーク 2内の端末 4力もネットワーク経由で入力してもよい。端 末 4から直接ホームエージェント装置へポリシを通知する場合、移動ルータはポリシ 入力インタフェース 309を備えなくてもよ!/ヽ。

[0091] 次に、本実施の形態における移動ルータの動作について、図面を用いて説明する

[0092] 図 12は中継設定情報の設定処理を示すフロー図である。

[0093] 図 12において、まず、ポリシがポリシ入力インタフェース 309より入力された場合に は (ステップ S41)、設定処理部 306はポリシ情報を送信するためのポリシ通知メッセ ージを作成する。

[0094] 図 10はこのポリシ通知メッセージの構成を示す図である。

[0095] 図 10において、 IPヘッダ 2001にはメッセージの送信元アドレスと宛先アドレスを設 定し、 TCPZUDPヘッダ 2002には、ポリシ情報を設定するためのプロセスのポート 番号を設定する。

[0096] ポリシデータ 2003には、ポリシとして使用者により入力されたコードを設定する。本 実施の形態では、 '0'乃至' 2'のコードが設定されるものとする。なお、図 10に示し たポリシ通知メッセージの構成は一例であり、ポリシを示すコードを情報として含めば 、どのような構成を用いてもかまわない。

[0097] 図 12において、その後、設定処理部 306は、位置情報記憶部 307に記憶されてい る位置情報からホームエージェント装置 5のアドレスを求め、パケット送受信部 302へ そのアドレスを通知する。パケット送受信部 302はこれを受けて、 自己がホームネット ワークに位置していないときは外部ネットワークインタフェース 303を介してホームェ ージェント装置 5へポリシを送信する。また、ホームネットワークに位置しているときは、 内部ネットワークインタフェース 301を介してホームエージェント装置 5へそのポリシを 送信する (ステップ S42)。

[0098] 次に、パケット送受信部 302は、外部ネットワークインタフェース 303あるいは内部 ネットワークインタフェース 301を介して受信したパケットが、ホームエージェント装置 5から自己宛のものであるか否かをチェックする（ステップ S43)。 自己宛のパケットで ある場合には、設定処理部 306へパケット受信を通知する。設定処理部 306は受信 したパケットが中継設定情報メッセージである場合、その受信した中継設定情報を中 継設定情報記憶部 308へ保存する (ステップ S44)。

[0099] 以上により、使用者がポリシを入力すると、必要に応じてホームエージェントから中 継設定情報通知メッセージが送られ、中継設定情報が更新されることになる。

[0100] 次に、移動ルータがパケットを受信したときの中継処理について説明する。

[0101] 図 13は受信したパケットの中継処理を示すフロー図である。

[0102] 図 13において、まず、パケット送受信部 302が内部ネットワークインタフェース 301 を介してパケットを受信したとき、そのパケットの送信元あるいは宛先が端末であるか 否かを判定する (ステップ S45)。そして、送信元が端末である場合、パケット送受信 部 302は中継処理部 305にパケットの受信を通知する。中継処理部 305は、中継設 定情報記憶部 308に記憶してある中継設定情報に基づ!/、て、外部ネットワーク上の アクセスルータ 7へその受信したパケットを中継する力 あるいは同一移動ネットヮー ク内の他の移動ルータ 3へ転送するかの判断を行う（ステップ S46)。また、外部ネット ワークインタフェース 303が外部ネットワークでの輻輳状態を検知した場合、中継処 理部 305は輻輳状態である旨の通知を外部ネットワークインタフェース 303より受ける

[0103] ここで、中継処理部 305が動画データのパケットを受信したときの処理について、具 体的に説明する。なお、この説明においては、使用者によりポリシ' 0'が指定されて いるものとする。

[0104] 移動ルータ（MR) 3—1においては、中継処理部 305がホームエージェント装置 5 力も送付された、図 6に示す中継設定情報 1905に基づ 、て中継処理の判定を行う。 すなわち、移動ルータ（MR) 3—1の中継処理部 305は外部ネットワークインタフエ一 ス 303が輻輳状態である力否かを判定し、輻輳していなければ自己が当該パケットを アクセスルータへ中継するように決定し、輻輳しているならば移動ルータ（MR) 3— 2 へ転送するように決定する。

[0105] 移動ルータ（MR) 3— 2においては、中継処理部 305がホームエージェント装置か ら送付された、中継設定情報 1906に基づいて中継処理の判定を行う。すなわち、中 継処理部 305は当該パケットの送信元が端末であるので、中継設定情報 1906の第 1条件「端末力 受信した場合は移動ルータ (MR) 3 1へ転送する」に基づ!/、て移 動ルータ 3— 1へ転送することを決定する。

[0106] 移動ルータ（MR) 3— 3においては、中継処理部 305がホームエージェント装置か ら送付された、中継設定情報 1907に基づいて中継処理の判定を行う。すなわち、中 継処理部 305は、当該パケットの送信元が端末であるので、中継設定情報 1906の 第 1条件「端末力 受信した場合は移動ルータ (MR) 3 - 1へ転送する」に基づ!/、て 移動ルータ（MR) 3— 1へ転送することを決定する。

[0107] 以上のように、中継処理部 305は、事前にホームエージェント装置力 受信した中 継設定情報と外部ネットワークインタフェース 303の輻輳状態力も一義的に転送先を 決定できる。

[0108] そして、中継処理部 305は、中継を行わないと判断した場合には、中継処理部 305 はパケットを破棄する力 またはステップ S46で決定した他の移動ルータのアドレスを 位置情報記憶部 307に記憶されて 、る位置情報から求め、パケット送受信部 302へ パケットの転送を指示する。パケット送受信部 302はこれを受けて、内部ネットワーク インタフェース 301を介して選択された移動ルータへこのパケットを転送する (ステツ プ S47)。

[0109] また、中継処理部 305は、他の移動ルータへパケットを転送する際に、必要に応じ て端末 4ヘリダイレクトパケットを送信し、新たな転送先の移動ルータを通知する。

[0110] 一方、ステップ S46において、中継処理部 305が中継を行うと判断した場合、中継 処理部 305は中継先のアクセスルータ 7の L2アドレスをパケット送受信部 302へ通知 する。パケット送受信部 302はこれを受けて、外部ネットワークインタフェース 303を介 して、受信パケットを選択されたアクセスルータへ送信する (ステップ S48)。

[0111] また、ステップ S45において、パケット送受信部 302が外部ネットワークインタフエ一 ス 303を介して、端末 4を宛先とするパケットを受信したときも、処理がステップ S48へ 移行し、パケット送受信部 302が受信したパケットを端末 4へ中継する (ステップ S48)

[0112] 以上により、移動ルータは、受信したパケットを中継設定情報に基づいて外部ネット ワークと移動ネットワーク内を中継したり、同一移動ネットワーク内の他の移動ルータ へ転送したりすることができる。

[0113] 以上に示した、本発明に係るホームエージェント装置および移動ルータを備える移 動ネットワークシステム（図 1)において、各移動ルータに中継設定情報が設定される シーケンスについて図面を用いて説明する。

[0114] 図 14は本発明の実施の形態 1における、移動ルータへの中継設定情報設定のシ 一ケンス図である。

[0115] まず、使用者が移動ルータ 3— 1、 3— 2の電源をオンすると、移動ルータ 3— 1、 3

2はそれぞれ外部ネットワーク 1にアクセスルータ 7— 1、 7— 2を介して接続し、ホー ムエージェント装置 5への位置登録を行う（ステップ Sl、 S2) ₀また、端末 4は移動ル ータ 3— 1、 3— 2の情報を DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) や、移動ルータ 3— 1、 3— 2からの ICMP (Internet Control Message Protoc ol)におけるルータ広告（Router Advertisement)メッセージにより取得して（ステ ップ Sl l、 S12)、移動ルータ 3— 1、 3— 2と通信を可能にする。これにより、端末 4は 移動ルータ 3— 1、 3— 2の 、ずれを介しても外部端末 6との通信が可能となる。

[0116] 次に、移動ルータ 3—1において使用者がポリシ =0 (通信品質を最優先）を入力す ると (ステップ S3)、入力されたポリシ情報はホームエージェント装置 5へ送信される（ ステップ S4)。

[0117] 次に、ホームエージェント装置 5は、移動ルータ 3— 1、 3— 2の既知の移動ルータス コア、および通知されたポリシ情報を用いて、中継設定情報を作成 (ステップ S5)し、 各移動ルータへ送信する (ステップ S6)。 [0118] 次に、使用者が移動ルータ 3— 3の電源を ONすると、移動ルータ 3— 3は位置登録 (ステップ S7)を実行する。ホームエージェント装置 5は移動ネットワーク 2に移動ルー タ 3— 3が新規に追加されたことを知り、移動ルータ 3— 3を含めた中継設定情報を再 度作成する (ステップ S8)。その後、ホームエージェント装置 5は各移動ルータへ新た に作成した中継設定情報を配布する (ステップ S9)。

[0119] ここで、ホームエージェント装置 5は、中継設定情報の変更された移動ルータのみ に中継設定情報を配布し、変更されていない移動ルータに対しては前回配布したも のと同じ内容の中継設定情報を配布しな 、ようにしてもょ 、。

[0120] 以上により、移動ルータは、ポリシが変更される度に、あるいは所属する移動ネット ワーク上の移動ルータに発生や消滅があるごとに、 自己の中継設定情報を更新する ことができる。

[0121] 次に、本実施の形態における移動ルータの選択切り換えのシーケンスを、図面を用 いて説明する。

[0122] 図 15は本発明の実施の形態 1における、移動ルータの選択切り換え動作のシーケ ンス図であり、特に、動画データを送受信する場合のものである。なお、図 15におい ては、各移動ルータに既に中継設定情報が記憶されており、使用者はポリシ' 0'を 選択しているものとする。すなわち、移動ルータ 3—1乃至 3— 3それぞれに、図 6の 中継設定情報 1905乃至 1907が記憶されている。

[0123] まず、端末 4が動画アプリケーションを開始 (ステップ S21)し、移動ルータ 3— 3を中 継先に指定して、外部端末 6宛の動画パケットを送信する (ステップ S 22)。

[0124] 移動ルータ 3— 3は端末から受信したパケットの IPヘッダ、 TCPZUDPヘッダ、 HT TP (Hyper Text Transfer Protocol)、 SIP (session Initiation Protocol) 、 RTP (Realtime Transport Protocol)、 RTSP (Realtime Streaming Prot ocol)等のヘッダの特定フィールドを参照することによって、動画パケット、音声バケツ ト、あるいはその他のパケットであるか否かの判定を行う。そして、移動ルータ 3— 3は 自己の中継設定情報 1907の第 1条件「端末力も受信した場合は移動ルータ 3—1へ 転送」に従 、、移動ルータ 3— 1へ受信パケットを転送する (ステップ S23)。

[0125] 移動ルータ 3—1は、これを受けて、送信条件が自己の中継設定情報 1905の第 1 条件「幅輳したら移動ルータ 3— 2へ転送」に適合するか否かをチェックする。現在、 外部ネットワークインタフェースが輻輳状態にないので、移動ルータ 3— 1は第 2条件 「第 1条件に該当しない場合には、パケットを中継する」に従い、外部端末 6宛のパケ ットをアクセスルータ 7— 1へ中継する。

[0126] また、移動ルータ 3— 3は外部端末 6宛のパケットの中継先を、以降移動ルータ 3— 1とすることを指示するリダイレクトパケットを端末 4へ送信する (ステップ S24)。

[0127] このリダイレクトパケットを受信した端末 4は、移動ルータ 3—1を中継先に指定して、 外部端末 6宛のパケットを送信する (ステップ S26)。

[0128] 次に、移動ルータ 3—1が接続する外部ネットワークインタフェースに輻輳が発生す ると (ステップ S27)、移動ルータ 3—1は中継設定情報 1905の第 1条件に従って、受 信した動画パケットを移動ルータ 3— 2へ転送する（ステップ S28、 S29)。

[0129] 移動ルータ 3— 2は、この動画パケットを受けて、自己の中継設定情報 1906の第 2 条件「移動ルータ ₃— 1から転送された場合は、輻輳したら移動ルータ 3 - 3へ転送」 に適合するか否かを判定する。現在、外部ネットワークインタフェースが輻輳状態に ないので、移動ルータ 3— 2は第 3条件「上記の条件に該当しない場合には、ノ ケット を中継する」に従い、外部端末 6宛のパケットをアクセスルータ 7— 2へ送信する (ステ ップ S31)。

[0130] また、移動ルータ 3— 1は、端末 4ヘリダイレクトパケットを送信する (ステップ S30)。

端末 4はこれを受けて、以降、移動ルータ 3— 2を中継先に指定して、動画パケットの 送信を続行する (ステップ S32)。

[0131] 移動ルータ 3— 2は、端末 4から外部端末 6宛のパケットを受信すると、中継設定情 報 1906の第 3条件に従い、アクセスルータ 7— 2へ外部端末 6宛のパケットを中継す る（ステップ S32)。

[0132] 次に、移動ルータ 3— 2の外部ネットワークインタフェースが輻輳すると (ステップ S3 3)、中継設定情報 1906の第 2条件に従い、移動ルータ 3— 3へ受信パケットを転送 する（ステップ S 34)。

[0133] 移動ルータ 3— 3は、これを受けて、自己の中継設定情報 1907の第 2条件「移動ル ータ 3— 2から転送された場合は、輻輳したら破棄」に適合するか否かを判定する。現 在、外部ネットワークインタフェースが輻輳状態にないので、移動ルータ 3— 3は第 3 条件「上記の条件に該当しない場合には、パケットを中継する」に従い、外部端末 6 宛のパケットをアクセスルータ 7— 3へ中継する（ステップ S36)。このとき、移動ルータ 3- 3は移動ルータ 3— 2が通信不能状態にあることを記憶する。

[0134] また、移動ルータ 3— 2は、端末 4ヘリダイレクトパケットを送信する (ステップ S35)。

端末 4は、これを受けて、以降、外部端末 6宛のパケットの中継先に移動ルータ 3— 3 を指定して、動画パケットの送信を続行する (ステップ S37)。

[0135] 移動ルータ 3— 3は端末 4力 外部端末 6宛のパケットを受信すると、中継設定情報 1907の第 3条件に従い、アクセスルータ 7— 3へ外部端末 6宛のパケットを中継する（ ステップ S37)。

[0136] 次に、移動ルータ 3— 3の外部ネットワークインタフェースが輻輳すると (ステップ S3 8)、移動ルータ 3— 3は中継設定情報 1907の第 2条件に従って、パケットを転送せ ずに破棄する (ステップ S39)。

[0137] 上記のように、使用者の選択したポリシ =0 (コストよりも品質を重視）に基づき、移動 ルータが選択される力 S、選択された移動ルータの接続する外部ネットワークインタフエ ースに輻輳状態が発生すると中継先が他の移動ルータに自動的に切り替わる。

[0138] なお、動画や音声等のパケット種別に基づいて優先制御を行うために、動画や音 声をその他のデータよりも優先させる旨の設定を中継設定情報に含めることも可能で ある。これにより、動画、音声、あるいはその他のパケットが混在した際に、重視すベ きパケットが破棄されることを抑制できる。また、本実施の形態における移動ネットヮ ークは NEMOベーシックサポートプロトコルを備えた移動ルータや端末を想定してい る力 これに限らず、移動ネットワークを実現する機能を有しているネットワークであれ ば同様に実現できる。

[0139] 以上のように本発明によれば、ホームエージェント装置が使用者の入力したポリシ に基づいて随時、中継設定情報を作成し、移動ルータへ配信するので、移動ルータ は同一移動ネットワークに属する全ての移動ルータの移動ルータスコアに基づいた 中継条件を決定できる。これにより、本発明に力かる移動ネットワークシステムでは、 使用者のポリシに最も適合する移動ルータを選択した通信が可能になる。 [0140] また、移動ルータが携帯機器である場合、移動ルータはルータ選択のための設定 情報を自己が作成する必要がないので、移動ルータの負荷を低減できる。これにより 、移動ルータのサイズやコストを低減することが可能になる。

[0141] さらに、移動ルータは自己の輻輳等の状況に応じて最適な移動ルータを選択する ので、移動ネットワークシステム内の移動ルータの通信リソースが有効に利用されるよ うにもなる。

[0142] (実施の形態 2)

本実施の形態は、移動ルータが自己の特性情報の変化したときに、ホームエージ ェント装置にその変化を通知し、ホームエージェント装置が通知された特性情報に基 づいて、中継設定情報を更新する点が実施の形態 1と異なる。

[0143] 図 16は本実施の形態における移動ルータ 3の構成を示す図である。

[0144] 実施の形態 1と異なる点は特性情報記憶部 310と、特性情報生成部 311と、特性 情報監視部 312とが追加されたことである。図 16において、特性情報生成部 311は 外部ネットワークインタフェース 303を常時モニターする。そして、特性情報生成部 3 11は送受信されるフレームからアクセスルータ 7と外部ネットワークインタフェース 30 3間の有効帯域や伝搬遅延やビットエラー発生率等の通信特性を求め、定期的に特 性情報記憶部 310に記憶する。ここで、伝搬遅延は移動ルータの位置によって変化 しうるため、伝搬遅延を予測することは困難である。このため、移動ルータと外部ネッ トワークとの間の伝搬遅延、および外部ネットワーク内の伝搬遅延の平均値の和を伝 搬遅延として代用する。

[0145] また、図示して 、な 、、移動ルータ全体を管理するシステム制御部がノ ッテリ容量 やスループット等の移動ルータ自身の性能を監視し、これらに関する情報を定期的 に特性情報記憶部 310へ記憶する。このように特性情報は、移動ルータの外部ネット ワークインタフェースの情報と、移動ルータ本体の情報のいずれ力、または組み合わ せにより構成される。

[0146] 特性情報監視部 312は、特性情報記憶部 310内の特性情報を常時チェックし、特 性情報に変化がある力否かを監視するものである。

[0147] 初めに、本実施の形態における移動ルータが行う特性情報通知処理について図 面を用いて説明する。

[0148] 図 18は特性情報通知処理を示すフロー図である。

[0149] まず、移動管理部 304は、移動ネットワークに初めて接続したとき、あるいは、特性 情報監視部 312から移動管理部 304に特性情報に変化があることを通知した (ステツ プ S81)とき、移動管理部 304はホームエージェント装置 5へ位置登録を行うため、あ るいは特性情報を通知するために位置登録要求メッセージを作成する (ステップ S82

) o

[0150] 図 25は特性情報を含む位置登録要求メッセージの構成を示すフォーマット図であ る。

[0151] 図 25において、 IPv6ヘッダ 2203と宛先オプションヘッダ 2204とバインディングァ ップデート &移動ネットワークプレフィクスオプション 2205は通常の位置登録要求メ ッセージのものと同一である。移動ルータ特性情報オプション 2201は、通常の位置 登録要求メッセージにはないものであり、移動ルータ特性情報 2202が記載される。 すなわち、移動管理部 304が移動ルータ特性情報フィールド 2202に自己の特性情 報を設定する。

[0152] なお、本実施の形態における移動管理部 304の特性情報を通知する機能が、本発 明の特性情報通知部に相当する。

[0153] 図 18において、その後、移動管理部 304は位置情報記憶部 307から位置情報を 読み出し、ホームエージェント装置 5のアドレスを求め、パケット送受信部 302へ通知 する。パケット送受信部 302はこれを受けて、ホームエージェント装置 5へ位置登録 要求メッセージを送信する（ステップ S82)。

[0154] 次に、本実施の形態におけるホームエージェント装置の構成について図面を用い て説明する。

[0155] 図 17は、本実施の形態におけるホームエージェント装置の構成図である。実施の 形態 1におけるホームエージェント装置の構成とは、特性情報記憶部 510と設定作 成情報記憶部 511とを有している点が異なる。また、中継設定情報処理部 505の処 理が実施の形態 1のものと異なる。

[0156] 図 17において、特性情報記憶部 510は各移動ルータ力も通知される特性情報を 記憶するものである。

[0157] 図 22は特性情報記憶部 510に記憶されて ヽる特性情報のデータ構造を示す図で ある。

[0158] 移動ルータ識別子 1601は、移動ルータを識別する識別子であり、帯域 1602は移 動ルータの帯域を 3段階で評価した値 (3が最大、 1が最小)である。また、遅延 1603 は移動ルータの伝搬遅延を 3段階で評価した値（3が最小、 1が最大)であり、コスト 1 604は移動ルータの通信コストを 3段階で評価した値（3が最小、 1が最大)であり、ァ クティブ 1605は移動ルータとホームエージェント装置との接続状況を示す値（1が接 続可能、 0が接続不能)である。このアクティブ 1605の値は、移動ルータと接続確認（ keepZalive)メッセージ、または同様の機能を持つメッセージ (例えば、位置登録更 新メッセージ、位置登録更新応答メッセージ)を交換することによって更新される。

[0159] なお、本実施の形態において、移動ルータの特性情報は帯域 1602、遅延 1603、 およびコスト 1604である力 これらに限られるものではない。

[0160] また、設定作成情報記憶部 511は、中継設定情報を作成する際に必要な設定作 成情報を記憶するものである。

[0161] 図 21は、この設定作成情報のデータ構造を示す図である。図 21において、アプリ ケーシヨンの種別 1501ごとに、帯域 1502や遅延 1503の重要度が記憶されている。 帯域 1502や遅延 1503は、品質を高く保持するために重視すべきパラメータである 。なお、種別 1501の「その他」とは動画、音声以外を示しており、 Webや Eメール等 である。

[0162] たとえば、動画のストリーム伝送において、一般的に広帯域が要求される力 ノ ッフ ァリングが可能なため遅延はそれほど要求されない。音声については帯域が狭くても よいが、リアルタイム性が重要であり遅延を低く抑える必要がある。「その他」について は、通信の内容によって帯域、遅延の要求が厳しいものがあり得る力 本実施の形態 ではどちらもそれほど厳しい要求がないものとする。具体的には、アプリケーションが 動画である場合、帯域と遅延はそれぞれ 3倍（ X 3)、 2倍（ X 2)の重み付けを行って いる。なお、図 21に示した値と異なる値や異なるアプリケーションの分類を用いること も可能である。 [0163] 中継設定情報処理部 505は、ポリシ記憶部 508内のポリシ情報、特性情報記憶部 510内の特性情報、および設定作成情報記憶部 511内の設定作成情報力も中継設 定情報を作成する点が実施に形態 1と異なる。なお、中継設定情報処理部 505の中 継設定情報を作成する機能が、本発明の中継設定情報生成部に相当する。

[0164] 以上のように構成された本実施の形態におけるホームエージェント装置の実施の形 態 1と異なる処理について以下に説明する。

[0165] 図 19はホームエージェント装置が特性情報を受信したときの処理を示すフロー図 である。

[0166] 図 19において、まず、位置管理部 503は移動ルータ 3から特性情報を受信 (ステツ プ S91)し、特性情報に変更があった場合 (ステップ S92)、特性情報記憶部 510に 記憶している特性情報を更新する (ステップ S93)。そして、位置管理部 503は中継 設定情報処理部 505に中継設定情報の作成を指示する。

[0167] 中継設定情報処理部 505は、これを受けて、中継設定情報を作成し、中継設定情 報記憶部 509に記憶したり、作成した中継設定情報を管理対象の移動ルータ 3へ送 信する (ステップ S 94)。

[0168] 次に、ホームエージェント装置が行う中継設定情報の作成処理について図面を用 いて説明する。

[0169] 図 20は本実施の形態におけるホームエージェント装置が行う中継設定情報作成処 理を示すフロー図である。

[0170] まず、中継設定情報処理部 505は、各移動ルータの特性情報（図 22)および設定 作成情報（図 21)を用いて、各移動ルータの特性を計算する (ステップ S61)。すなわ ち、各移動ルータの特性情報（図 22)における帯域 1602、遅延 1603の評価値に、 設定作成情報（図 21)の値を掛け合わせ、帯域と遅延それぞれの乗算結果を加算す る。

[0171] この計算を各移動ルータのアプリケーションについて実施した結果を図 23に示す。

なお、この計算結果を以降、「移動ルータ品質値」と呼ぶ。

[0172] 図 23において、移動ルータ識別子 1701は移動ルータ名を示し、動画 1702、音声

1703、およびその他 1704はそれぞれのアプリケーションに関する計算式と計算結 果を示している。

[0173] 例えば、移動ルータ 3— 1について、帯域と遅延の評価値が図 22においてそれぞ れ' 3 '、 ' 2'であり、動画の帯域と遅延の重みは、図 21においてそれぞれ X 3、 X 2と なる。したがって、移動ルータ品質値は、次式のようになる。

[0174] 移動ルータ品質値 = (帯域評価値） X 3 + (遅延評価値） X 2 = 3 X 3 + 2 X 2= 13 すなわち、動画について、移動ルータ 3— 1、 3— 2、 3— 3の移動ルータ品質値は それぞれ' 13 '、 ' 12'、 ' 5 'であるので、この順番で動画を高品質に中継できることを 示している。

[0175] また、音声やその他について、移動ルータ 3— 2、 3— 1、 3— 3の順番で高品質に 中継できることを示して 、る。

[0176] 図 20において、次に、中継設定情報処理部 505は、各移動ルータの特性情報の 一つであるコスト 1604と、使用者が選択したポリシの値 (0乃至 2)とを掛け合わせ、 図 23に示した品質に関する各移動ルータの移動ルータ品質値に加算する (ステップ S62)。これにより得られた計算結果を以降、「スコア」と呼ぶ。このスコアは使用者の 意思とアプリケーション種別の品質を含めた適性度を数値ィ匕したものといえる。

[0177] 動画に関して、各移動ルータのスコアを計算した結果を図 24に示す。

[0178] 例えば、ポリシ 2のときの移動ルータ 3—1のスコアは

(移動ルータ品質値） + (コスト） X (ポリシ） = 13 + 1 X 2= 15

となる。

[0179] 次に、中継設定情報処理部 505は、算出したスコアから中継設定情報を作成する（ ステップ S63)。この処理は図 8に示した実施の形態 1における中 «I設定情報の作成 処理と同一である。

[0180] 以上のように、本発明によれば、ホームエージェント装置が使用者の随時入力した ポリシに基づいて中継設定情報を作成し、移動ルータへ配信するので、移動ルータ は同一移動ネットワークに属する全ての移動ルータの特性情報に基づいた中継条件 で移動ルータを決定できる。これにより、本発明に力かる移動ネットワークシステムで は、使用者のポリシに最も適合する移動ルータを選択した通信ができる。

[0181] さらに、移動ルータは自己の特性情報が変化したときに、ホームエージェント装置 にその特性情報を通知する。また、ホームエージェント装置は、この通知を受けたとき や、特性情報を登録して 、な 、移動ルータが移動ネットワークに追加された場合に、 中継設定情報を新規に作成し、移動ルータへ配布する。このため、移動ルータは特 性情報が変化しても、その変化に適合した最適なルータを選択することができる。 産業上の利用可能性

本発明は、移動ネットワークシステムにおいてルータ選択を行うホームエージェント 装置、および移動ルータに有用であり、使用者の意思を随時反映した通信形態で通 信するのに適している。

Claims

請求の範囲

[1] 複数の移動ルータおよび端末が相互に接続された移動ネットワークと、前記移動ネッ トワークが外部ネットワークと接続する位置を管理するホームエージェント装置とから なる移動ネットワークシステムにおけるルータ選択方法であって、

移動ルータまたは端末が、使用者力 移動ルータの選択方針を示すポリシ情報を取 得するステップと、

前記移動ルータまたは端末が前記ポリシ情報をホームエージェント装置へ通知する ステップと、

前記ホームエージェント装置が通知された前記ポリシ情報と、保有する移動ルータの 特性情報とに基づき中継設定情報を作成し、当該移動ルータへ通知するステップと 前記移動ルータが外部ネットワーク宛のパケットを受信したとき、前記移動ルータが 前記中 «設定情報に基づき、受信した外部ネットワーク宛のパケットを外部ネットヮー クへ中継する力 あるいは同一ネットワーク上の他の移動ルータへ転送するかを判定 して、転送する場合には、転送先を決定するステップと

を備えることを特徴とするルータ選択方法。

[2] 前記特性情報は、通信速度、伝搬遅延、あるいはビットエラー発生率を示す外部ネッ トワークインタフェース†青報と、

ノ ッテリ容量、ある 、はスループットを示す本体情報と

の少なくとも 、ずれか一つであることを特徴とする請求項 1に記載のルータ選択方法

[3] 前記移動ルータは前記中継設定情報に基づき、転送先に受信したパケットを転送す る場合、前記移動ルータが前記パケットの送信元へ転送先を通知するステップ をさらに備えることを特徴とする請求項 2に記載のルータ選択方法。

[4] 前記移動ルータが移動ネットワークに初めて接続したときや、自己の通信特性が変 化したときに、前記移動ルータが前記ホームエージェント装置へ前記特性情報を通 知するステップと、

前記ホームエージェント装置が前記ポリシ情報や前記特性情報を受信したとき、ある いは前記移動ネットワークへ移動ルータが追加あるいは除去されたことを検出したと き、前記ホームエージェント装置が前記中継設定情報を作成し、前記移動ルータへ 通知するステップと、

前記移動ルータ装置が既存の前記中継設定情報を、新たに通知された前記中継設 定情報に更新するステップと

をさらに有する請求項 2に記載のルータ選択方法。

[5] 前記ホームエージェント装置が移動ネットワーク上の端末宛のパケットを受信したとき 、前記ホームエージェント装置が前記移動ネットワーク上の移動ルータまたは端末か ら受信して 、た前記ポリシ情報、および移動ルータ力 受信して 、た前記特性情報 に基づき、前記端末宛のパケットの中継先となる移動ルータを選択するステップを、 さらに有する請求項 2に記載のルータ選択方法。

[6] 前記移動ルータは、前記中継設定情報の他に、さらに自己の負荷状況と、端末から 受信したパケットの種別との少なくとも 、ずれかに基づ 、て、受信したパケットを外部 ネットワークへ中継する力、あるいは同一ネットワーク上の他の移動ルータへ転送す るかを判定し、転送する場合には転送先を決定することを特徴とする請求項 2乃至 5 の！、ずれか一つに記載のルータ選択方法。

[7] 複数の移動ルータおよび端末が相互に接続された移動ネットワークと、前記移動ネッ トワークが外部ネットワークと接続する位置を管理するホームエージェント装置とから なる移動ネットワークシステムにおいて、

管理対象の移動ルータ力 通知された当該移動ルータの特性情報を記憶する特性 情報記憶部と、

端末または移動ルータ力 通知された移動ルータの選択方針を示すポリシ情報を記 憶するポリシ記憶部と、

前記移動ルータが受信したパケットを外部ネットワークへ中継する力、あるいは同一 ネットワーク上の他の移動ルータへ転送するかを判定し、転送先を決定するための中 継設定情報を、前記ポリシ情報と前記特性情報とに基づき作成する中継設定情報生 成部と、

前記中継設定情報を管理対象の前記移動ルータへ送付する中継設定情報送付部 と、

を備えることを特徴とするホームエージェント装置。

[8] 前記特性情報は、移動ルータの通信速度、伝搬遅延、あるいはビットエラー発生率 を示す外部ネットワークインタフェース情報と、

ノ ッテリ容量、ある 、はスループットを示す本体情報と

の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項 7に記載のホームエージェ ント装置。

[9] 端末宛のパケットを中継する移動ルータを決定し、転送する中継処理部をさらに備え 前記中継処理部は、前記移動ルータがホームネットワーク上に接続していないとき、 前記移動ルータの特性情報に基づき、前記端末宛のパケットの中継先となる移動ル ータを決定し、前記パケットを転送する請求項 8に記載のホームエージェント装置。

[10] 前記中 «設定情報生成部が、前記ポリシ記憶部に記憶して!/、るポリシ情報と異なる ポリシ情報を取得したときや、前記移動ネットワークへの移動ルータの追加または除 去を検出したときや、前記特性情報記憶部に記憶している特性情報と異なる特性情 報を取得したときに、前記中継設定情報を前記ポリシ情報と前記特性情報とに基づ さ作成し、

前記中継設定情報送付部が、新たに作成された前記中継設定情報を管理対象の前 記移動ルータへ送付することを特徴とする請求項 8に記載のホームエージェント装置

[11] 複数の移動ルータおよび端末が相互に接続された移動ネットワークと、前記移動ネッ トワークが外部ネットワークと接続する位置を管理するホームエージェント装置とから なる移動ネットワークシステムにおいて、

受信したパケットの外部ネットワークへの中継先、あるいは同一ネットワーク上の他の 移動ルータへの転送先を決定するための中継設定情報を前記ホームエージェント装 置から受信する中 «設定情報受信部と、

受信した前記中継設定情報を記憶する中継設定情報記憶部と、

前記中継設定情報に基づいて、受信した外部ネットワーク宛のパケットを中継するか 、あるいは同一ネットワーク上の他の移動ルータへ転送するかを判定し、転送する場 合には、前記中継設定情報を用いて転送先を決定し、中継あるいは転送を行う中継 処理部と、

を備える移動ルータ。

[12] 前記特性情報は、通信速度、伝搬遅延、あるいはビットエラー発生率を示す外部ネッ トワークインタフェース†青報と、

ノ ッテリ容量、ある 、はスループットを示す本体情報と

の少なくとも 、ずれか一つであることを特徴とする請求項 11に記載の移動ルータ。

[13] 移動ルータの選択方針を示すポリシ情報を入力するためのポリシ入力インタフェース と、

前記ポリシ情報を前記ホームエージェント装置へ通知するポリシ通知部と、 をさらに備える請求項 12に記載の移動ルータ。

[14] 自己の特性情報を記憶する特性情報記憶部と、

移動ネットワークに初めて接続したときや、自己の通信特性が前記特性情報記憶部 に記憶する特性情報と異なるときに、前記特性情報を自己の属するホームエージェ ント装置へ通知する特性情報通知部と、

をさらに備える請求項 12に記載の移動ルータ。

[15] 前記中継処理部はさらに、 自己の負荷状況と、受信したパケットの種別との少なくとも いずれかに基づいて、受信したパケットを外部ネットワークへ中継する力、同一ネット ワーク上の他の移動ルータへ転送するかを判定し、転送する場合には、転送先を決 定することを特徴とする請求項 12乃至 14のいずれか一つに記載の移動ルータ。

[16] 複数の移動ルータおよび端末が相互に接続された移動ネットワークと、前記移動ネッ トワークが外部ネットワークと接続する位置を管理するホームエージェント装置とから なる移動ネットワークシステムであって、

前記移動ルータが、使用者力 指定された移動ルータの選択方針を示すポリシ情報 を入力するためのポリシ入力インタフェースと、前記ポリシ情報を前記ホームエージェ ント装置へ通知するポリシ通知部と、自己の特性情報を自己の属するホームエージ ェント装置へ通知する特性情報通知部と、受信したパケットを外部ネットワークへ中継 するか、あるいは同一ネットワーク上の他の移動ルータへ転送するかの判定と、転送 先を決定するための中継設定情報を前記ホームエージェント装置から受信する中継 設定情報受信部と、受信した前記中 «設定情報を記憶する中 «設定情報記憶部と 、前記中継設定情報に基づ 、て受信したパケットを外部ネットワークへ中継するか、 あるいは同一ネットワーク上の他の移動ルータへ転送するかを判定し、転送する場合 には、転送先の移動ルータを決定し、転送を行う中継処理部とを備え、

前記ホームエージェント装置が、管理対象の前記移動ルータ力 通知された当該移 動ルータの特性情報を記憶する特性情報記憶部と、端末または移動ルータ力 通知 された移動ルータの選択方針を示すポリシ情報を記憶するポリシ記憶部と、前記ポリ シ情報と前記特性情報とに基づき前記中継設定情報を作成する中継設定情報生成 部と、前記中継設定情報を管理対象の前記移動ルータへ送付する中継設定情報送 付部とを備える

ことを特徴とする移動ネットワークシステム。