WO2006043367A1

WO2006043367A1 - ハウリング抑圧装置

Info

Publication number: WO2006043367A1
Application number: PCT/JP2005/015723
Authority: WO
Inventors: Takefumi Ura; Yoshiyuki Yoshizumi
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2004-10-19
Filing date: 2005-08-30
Publication date: 2006-04-27
Also published as: JP2006121188A

Abstract

　従来のハウリング抑圧装置と比較して精度良くハウリングの発生を検出すると共に、ハウリングの抑圧に伴う音質劣化を低減することができるハウリング抑圧装置を提供する。　音響信号を複数の成分に分割する信号分割部１３と、信号分割部１３によって分割された成分ごとにハウリングの発生を検出するハウリング検出部１４と、ハウリング検出部１４によってハウリングの発生が検出された成分ごとにハウリングを抑圧するハウリング抑圧部１５と、ハウリング抑圧部１５によってハウリングが抑制された各成分およびハウリング検出部１４によってハウリングの発生が検出されなかった各成分を合成する信号合成部１６とを備える。

Description

明細書

ハウリング抑圧装置

技術分野

[0001] 本発明は、マイクロホンとスピーカを有する音響装置において、スピーカとマイクロホンとの間の音響結合により発生するハウリングを抑圧するハウリング抑圧装置に関する。

背景技術

[0002] マイクロホンとスピーカを有する音響装置では、スピーカから出力された音がマイク口ホンに回り込んで入力されることによりフィードバックループが形成され、ハウリングが発生する場合がある。

[0003] このハウリングを抑圧する従来のハウリング抑圧装置は、図 12に示すように、音響信号が入力される入力端子 91と、入力された音響信号の周波数分析を行う分析部 9 2と、ハウリングの抑圧を行うノッチフィルタ 94と、分析部 92の分析結果に基づいてハゥリングの発生を検出してノッチフィルタ 94を制御する制御部 93と、ハウリングが抑圧された音響信号が出力される出力端子 95とを備えている。

[0004] このように構成された従来のハウリング抑圧装置において、入力端子 91に音響信号が入力されると、入力された音響信号が分析部 92によって複数の周波数帯域に分割され、帯域ごとに絶対レベルが算出される。次に、分析部 92によって算出された絶対レベルのピーク値に基づいて制御部 93によってハウリング発生判定が行われ、ノ、ゥリングが発生したと判定された帯域の信号レベルが低減するようノッチフィルタ 94 の係数が制御部 93によって設定される。ノッチフィルタ 94によってハウリングが抑圧された音響信号は、出力端子 95を介して出力される。

[0005] 以上のように、従来のハウリング抑圧装置は、信号レベルがピークを示す帯域をノ、ゥリングが発生した帯域として検出し、検出した帯域の信号レベルをノッチフィルタで低減することによってハウリングを抑圧していた (例えば、特許文献 1参照)。

特許文献 1 :特開平 8— 149593号公報 (第 5頁、図 1)

発明の開示発明が解決しょうとする課題

[0006] し力しながら、従来のハウリング抑圧装置は、音響信号の各周波数帯域の絶対レべルのピーク値に基づいてハウリングの発生を検出するため、入力された音響信号の信号レベルにハウリングの発生を検出する精度が依存する。したがって、従来のハウリング抑圧装置は、暗騒音レベルが比較的大きな場合や音声が入力された場合等にハウリングが発生したものと誤検出してしまうため、ハウリングの発生を検出する精度が悪くなるといった問題があった。

[0007] また、従来のハウリング抑圧装置は、マイクロホンやスピーカの位置の変化、人や物の有無等のようなハウリングの発生状況に影響する音響環境の変化に対応するためにノッチフィルタに信号レベルを十分に小さくさせる必要があるため、ハウリングの抑圧に伴って音声を劣化させてしまうといった問題があった。

[0008] 本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、従来のハウリング抑圧装置と比較して精度良くハウリングの発生を検出すると共に、ハウリングの抑圧に伴う音質劣化を低減することができるハウリング抑圧装置を提供することを目的とする。課題を解決するための手段

[0009] 本発明のハウリング抑圧装置は、音響信号を複数の成分に分割する信号分割部と、前記信号分割部によって分割された成分ごとにハウリングの発生を検出するハウリング検出部と、前記ハウリング検出部によってハウリングの発生が検出された成分ごとにハウリングを抑圧するハウリング抑圧部と、前記ハウリング抑圧部によってハウリングが抑制された各成分および前記ハウリング検出部によってハウリングの発生が検出されなかった各成分を合成する信号合成部とを備えた構成を有している。

[0010] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、複数に分割された成分ごとにノヽゥリングを抑圧するため、従来のハウリング抑圧装置と比較して精度良くハウリングの発生を検出すると共に、ハウリングの抑圧に伴う音質劣化を低減することができる。

[0011] また、本発明のハウリング抑圧装置において、前記ハウリング検出部は、前記信号分割部によって分割された複数の成分ごとに信号レベルを算出するレベル算出部と、前記信号レベルの平均値を表す平均レベルを算出する平均レベル算出部と、前記信号レベルと前記平均レベルとの比を表すレベル比を前記成分ごとに算出するレべル比算出部と、前記信号レベルの時間変化量を表すレベル変化量を前記成分ごとに算出するレベル変化量算出部と、前記レベル比算出部によって算出されたレベル比および前記レベル変化量算出部によって算出されたレベル変化量に基づいて前記成分ごとにハウリングが発生したカゝ否かを判定するハウリング判定部とを備えた構成を有している。

[0012] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、複数に分割した成分ごとにレべル比とレベル変化量に基づいてハウリングの発生を検出するため、暗騒音レベルが比較的大きな場合や音声が入力された場合等におけるハウリングの発生の誤検出を低減し、従来のハウリング抑圧装置と比較して精度良くハウリングの発生を検出することができる。

[0013] なお、前記平均レベル算出部は、帯域が予め定められた周波数より低い成分の信号レベルを除、て前記平均レベルを算出するようにしてもょ、。

[0014] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、暗騒音の信号レベルが大きな低域にある成分の信号レベルを除いて平均レベルを算出するため、暗騒音レベルが比較的大きな場合におけるハウリングの発生の誤検出を低減し、従来のハウリング抑圧装置と比較して精度良くハウリングの発生を検出することができる。

[0015] また、本発明のハウリング抑圧装置において、前記ハウリング抑圧部は、前記ハウリング検出部によってハウリングの発生が検出された時間間隔を前記成分ごとに計測する計測部と、前記計測部によって計測された各時間間隔に基づいてハウリングを抑圧するためのゲインを前記成分ごとに算出するゲイン算出部と、前記信号分割部によって分割された各成分に前記ゲイン算出部によって算出された各ゲインを乗じるゲイン乗算部とを備えた構成を有して、る。

[0016] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、ハウリングを抑圧するためのゲインをハウリングの発生が検出された時間間隔に応じて算出するため、ハウリングの抑圧を過剰に行ってしまうことによる音質劣化を低減することができる。

[0017] また、本発明のハウリング抑圧装置において、前記ハウリング抑圧部は、前記ゲイン算出部によって算出されたゲインを記憶する記憶部を備え、前記ゲイン算出部は、前記記憶部に記憶されたゲインを初期値とするように構成してもよ、。 [0018] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、ある程度収束したゲインを記憶して必要に応じて読み込むため、ハウリングを抑圧する状態からハウリング抑圧装置を起動することができる。

[0019] また、本発明のハウリング抑圧装置において、前記信号分割部は、前記音響信号を直交変換することによって複数の成分に分割するようにしてもょヽ。

[0020] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、周波数領域で複数に分割された成分ごとにハウリングを抑圧するため、従来のハウリング抑圧装置と比較して精度良くノ、ゥリングの発生を検出すると共に、ハウリングの抑圧に伴う音質劣化を低減することができる。

[0021] また、本発明のハウリング抑圧装置において、前記信号分割部は、フィルタバンクを有し、前記音響信号を前記フィルタバンクによって複数の成分に分割するようにしてちょい。

[0022] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、時間領域で複数に分割された成分ごとにハウリングを抑圧するため、従来のハウリング抑圧装置と比較して精度良くハゥリングの発生を検出すると共に、ハウリングの抑圧に伴う音質劣化を低減することができる。

[0023] また、本発明のハウリング抑圧装置において、前記ハウリング検出部は、前記信号分割部によって分割された一部の成分に対してのみハウリングの発生を検出するようにしてもよい。

[0024] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、ハウリングの発生を検出する成分を減らしたため、ハウリングの発生を検出するために要する処理負荷を低減することができる。

[0025] また、本発明のハウリング抑圧装置において、前記ハウリング抑圧部は、前記信号分割部によって分割された一部の成分に対してのみハウリングを抑圧するようにしてちょい。

[0026] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、ハウリングを抑圧する成分を減らしたため、ハウリングの抑圧に力かる処理負荷を低減することができる。

[0027] また、本発明のハウリング抑圧装置は、前記ハウリング検出部による検出の結果に基づヽて前記ハウリングの発生状況を表示する表示部を備えた構成を有して！/ヽる。

[0028] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、ハウリングの発生状況を表示することによって、ハウリングの発生状況を視認により利用者に把握させることができる。

[0029] また、本発明のハウリング抑圧装置は、前記ハウリング検出部による検出の結果に基づいて前記ハウリングの発生状況を通知するための通知音を表す信号を生成する通知音生成部を備えた構成を有して、る。

[0030] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、ハウリングの発生状況を通知音で通知することによって、ハウリングの発生状況を通知音の聴取により利用者に把握させることがでさる。

[0031] なお、本発明のハウリング抑圧装置において、前記通知音生成部は、前記ハウリングの発生状況に応じて異なる通知音を表す信号を生成するようにしてもょヽ。

[0032] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、ハウリングの発生状況に応じて異なる通知音でノヽゥリングの発生状況を通知することによって、ハウリングの発生状況を通知音の聴取により詳細に利用者に把握させることができる。

[0033] また、本発明のハウリング抑圧装置は、前記ハウリング検出部による検出の結果に基づいて前記ハウリングの発生状況を通知するために前記ハウリング抑圧装置に振動を与える装置振動部を備えた構成を有して、る。

[0034] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、ハウリングの発生状況を振動で通知することによって、ハウリングの発生状況を振動により利用者に把握させることができる。

[0035] なお、本発明のハウリング抑圧装置において、前記装置振動部は、前記ハウリングの発生状況に応じて異なる振動を前記ハウリング抑圧装置に与えるようにしてもょ、

[0036] この構成により、本発明のハウリング抑圧装置は、ハウリングの発生状況に応じて異なる振動でノヽゥリングの発生状況を通知することによって、ハウリングの発生状況を振動により詳細に利用者に把握させることができる。

発明の効果

[0037] 本発明は、従来のハウリング抑圧装置と比較して精度良くハウリングの発生を検出すると共に、ハウリングの抑圧に伴う音質劣化を低減することができるという効果を有するハウリング抑圧装置を提供することができるものである。

図面の簡単な説明

[0038] [図 1]本発明の第 1の実施の形態におけるハウリング抑圧装置のブロック図

[図 2]本発明の第 1の実施の形態におけるハウリング抑圧装置を構成するハウリング検出部のブロック図

[図 3]本発明の第 1の実施の形態におけるハウリング抑圧装置を構成するハウリング抑圧部のブロック図

[図 4]本発明の第 1の実施の形態におけるハウリング抑圧装置の動作説明のためのフロー図

[図 5]図 4に続くフロー図

[図 6]本発明の第 2の実施の形態におけるハウリング抑圧装置のブロック図

[図 7]本発明の第 2の実施の形態におけるハウリング抑圧装置を構成するハウリング抑圧部のブロック図

[図 8]本発明の第 3の実施の形態におけるハウリング抑圧装置のブロック図

[図 9]本発明の第 4の実施の形態におけるハウリング抑圧装置のブロック図

[図 10]本発明の第 5の実施の形態におけるハウリング抑圧装置のブロック図

[図 11]本発明の第 6の実施の形態における音響装置のブロック図

[図 12]従来のハウリング抑圧装置のブロック図

符号の説明

[0039] 1、 2、 3、 4、 5 ハウリング抑圧装置

6 音響装置

11、 21、 31、 32、 91 入力端子

12 ADコンノータ

13 信号分割部

14 ノ、ゥリング検出部

15、 41 ノヽゥリング抑圧部

16 信号合成部 17 DAコンバータ

18、 28、 36、 95 出力端子

22 レベル算出部

23 平均レベル算出部

24 レベル比算出部

25 遅延器

26 レベル変化量算出部

27 ハウリング判定部

33 計測部

34、 42 ゲイン算出部

35 ゲイン乗算部

43 記憶部

51 表示部

61 通知音生成部

62 加算部

71 装置振動部

81 マイクロホン

82 マイクアンプ

84 パワーアンプ

85 スピーカ

92 分析部

93 制御部

94 ノッチフィルタ

発明を実施するための最良の形態

[0040] 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。

[0041] (第 1の実施の形態）

本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置を図 1に示す。

[0042] 図 1において、ハウリング抑圧装置 1は、図示しないマイクロホン等の入力側装置から音響信号が入力される入力端子 11と、入力端子 11に入力された音響信号をアナログ信号力もディジタル信号へ AD (アナログディジタル)変換する ADコンバータ 12と、 ADコンバータ 12によって AD変換された音響信号を複数の成分に分割する信号分割部 13と、信号分割部 13によって分割された複数の成分ごとにハウリングの発生を検出するハウリング検出部 14と、ハウリング検出部 14によってハウリングの発生が検出された成分ごとにハウリングを抑圧するハウリング抑圧部 15と、ハウリング抑圧部 15によってハウリングが抑制された各成分およびノヽゥリング検出部 14によってハウリングの発生が検出されなかった各成分を合成する信号合成部 16と、信号合成部 16 によって合成された音響信号をディジタル信号力もアナログ信号へ DA (ディジタルァナログ)変換する DAコンバータ 17と、 DAコンバータ 17によって DA変換された音響信号を図示しないアンプ等の出力側装置へ出力する出力端子 18とを備えている。

[0043] 信号分割部 13は、複数の FIR (Finite Impulse Response)フィルタや IIR (Infinite Im pulse Response)フィルタ等のバンドパスフィルタ、またはポリフェーズフィルタ等の時間領域で音響信号を分割するフィルタバンク等のフィルタを有し、このフィルタによつて音響信号を複数の成分に分割するようになっている。なお、信号分割部 13は、高速フーリエ変換等の周波数領域で音響信号を分割する直交変換を音響信号に施すことによって当該音響信号を複数の成分に分割するようにしてもよい。ここで、信号合成部 16は、信号分割部 13によって分割された音響信号が合成できるよう信号分割部 13による音響信号の分割態様に応じて構成する。

[0044] ハウリング検出部 14は、図 2に示すように、信号分割部 13によって分割された複数の成分が入力される入力端子 21と、入力端子 21に入力された複数の成分の信号レベルをそれぞれ算出するレベル算出部 22と、レベル算出部 22によって算出された複数の信号レベルの平均値を表す平均レベルを算出する平均レベル算出部 23と、レベル算出部 22によって算出された信号レベルと平均レベル算出部 23によって算出された平均レベルの比を表すレベル比を成分ごとに算出するレベル比算出部 24 と、レベル算出部 22によって算出された信号レベルを表す出力信号を成分ごとに遅延させる遅延器 25と、遅延器 25によって遅延された出力信号に表される信号レベルとレベル算出部 22によって算出された信号レベルとに基づいて信号レベルの時間変化量を表すレベル変化量を成分ごとに算出するレベル変化量算出部 26と、レべル比算出部 24によって算出されたレベル比およびレベル変化量算出部 26によって算出されたレベル変化量に基づいて成分ごとにハウリングが発生した力否かを判定するハウリング判定部 27と、ハウリング判定部 27による判定結果を出力する出力端子 28とを有している。

[0045] ノ、ゥリング抑圧部 15は、図 3に示すように、信号分割部 13によって分割された複数の成分が入力される入力端子 31と、ハウリング検出部 14による検出の結果が成分ごとに入力される入力端子 32と、入力端子 32に入力された検出の結果に基づいてハゥリングの発生が検出された時間間隔、すなわちハウリング検出間隔を成分ごとに計測する計測部 33と、計測部 33によって計測された各ハウリング検出間隔に基づいてノ、ゥリングを抑圧するためのゲインを成分ごとに算出するゲイン算出部 34と、入力端子 31に入力された各成分にゲイン算出部 34によって算出された各ゲインを乗じるゲイン乗算部 35と、ゲイン乗算部 35によってゲインを乗算された複数の成分を信号合成部 16に出力する出力端子 36とを備えている。

[0046] 具体例として、ゲイン算出部 34は、計測部 33によって計測されたハウリング検出間隔が短力つた場合には、閉ループゲインが大きくハウリングが繰り返し発生する状況であるとみなして信号レベルを抑制するゲインを大きく算出するようになっている。

[0047] また、ゲイン算出部 34は、計測部 33によって計測されたハウリング検出間隔が長かつた場合には、ハウリングが収束してきた状況であるとみなして不要な音質劣化を避けるため信号レベルを抑制するゲインを小さく算出するようになっている。

[0048] 以上のように構成されたノヽゥリング抑圧装置 1につ、て、図 4および図 5を用いてそのハウリング抑圧動作を説明する。

[0049] 図 4に示すように、まず、入力端子 11に音響信号が入力されると (S1)、入力された音響信号は、 ADコンバータ 12によって AD変換され (S2)、信号分割部 13によって複数の成分に分割される（S3)。

[0050] 次に、信号分割部 13によって分割された複数の成分ごとにハウリングの発生がハウリング検出部 14によって検出され、ハウリングの発生が検出された成分ごとにハウリング抑圧部 15によってハウリングが抑制される (S4)。 [0051] ハウリング検出部 14によってハウリングの発生が検出されな力つた各成分およびノヽゥリング抑圧部 15によってハウリングが抑制された各成分は、信号合成部 16によつて合成される（S5)。

[0052] 信号合成部 16によって合成された音響信号は、 DAコンバータ 17によって DA変換され (S6)、出力端子 18を介して出力される（S7)。

[0053] ここで、上述したステップ S4で実行されるハウリング検出部 14によるハウリングの発生の検出およびノヽゥリング抑圧部 15によるハウリングの抑制について詳細に説明する。

[0054] 図 5に示すように、まず、ハウリング検出部 14において、信号分割部 13によって分割されて入力端子 21へ入力された各成分の信号レベルが、レベル算出部 22によつて算出される（S10)。

[0055] 次に、レベル算出部 22によって算出された複数の信号レベルの平均値を表す平均レベルが、平均レベル算出部 23によって算出され (S11)、レベル算出部 22によつて算出された各信号レベルと平均レベル算出部 23によって算出された平均レベルの比を表すレベル比がレベル比算出部 24によって算出される（S12)。

[0056] また、レベル算出部 22によって算出された各信号レベルと、レベル算出部 22によつて一定時間前に算出された各信号レベルとに基づいて、信号レベルの時間変化量を表すレベル変化量が、レベル変化量算出部 26によって算出される（S 13)。なお、レベル算出部 22によって一定時間前に算出された各信号レベルは、レベル算出部 22によって算出された各信号レベルを表す出力信号が遅延器 25によって遅延されること〖こよって得られる。

[0057] 次に、レベル比算出部 24によって算出されたレベル比およびレベル変化量算出部 26によって算出されたレベル変化量に基づいて成分ごとにハウリングが発生したか否かがハウリング判定部 27によって判定される（S14)。

[0058] 次に、ハウリング抑圧部 15において、ハウリング判定部 27によって判定された結果に基づいてハウリング検出間隔が計測部 33によって成分ごとに計測される（S15)。

[0059] 次に、計測部 33によって計測されたノ、ゥリング検出間隔に基づいてハウリングを抑圧するためのゲインが、ゲイン算出部 34によって成分ごとに算出され (S16)、算出されたゲインが、信号分割部 13によって分割されて入力端子 31に入力された各成分の信号レベルにゲイン乗算部 35によって乗じられる（S 17)。なお、ゲイン乗算部 35 によって乗じられるゲインは、初期状態で各成分の信号レベルを変化させな、値（ = 1.0)に設定されている。

[0060] ここで、ステップ S 14、すなわちハウリング判定部 27による判定の具体例を説明する。レベル比算出部 24によって算出されたレベル比と予め定められた第 1の閾値とが成分ごとに比較され、レベル比が第 1の閾値を超えた場合には、ハウリングの発生を検出するための第 1のカウンタ値力インクリメントされる。

[0061] 一方、レベル変化量算出部 26によって算出されたレベル変化量と予め定められた第 2の閾値とが比較され、レベル変化量が第 2の閾値を超えた場合には、ハウリングの発生を検出するための第 2のカウンタ値力インクリメントされる。

[0062] ここで、第 1のカウンタ値が予め定められた第 3の閾値を超え、かつ第 2のカウンタ値が予め定められた第 4の閾値を超えた場合には、該当する成分にハウリングが発生したと判定される。

[0063] このような本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1によれば、複数に分割された成分ごとにハウリングを抑圧するため、従来のハウリング抑圧装置と比較して精度良くハウリングの発生を検出すると共に、ハウリングの抑圧に伴う音質劣化を低減することができる。

[0064] なお、本実施の形態において、平均レベル算出部 23は、レベル算出部 22によって算出された複数の信号レベルの平均値を表す平均レベルを算出するものとして説明したが、帯域が予め定められた周波数より低い成分の信号レベルを除いて平均レべルを算出するようにしてもよぐ成分ごとに該成分の信号レベルを除、た平均レベルを算出するようにし、レベル比算出部 24にレベル比を成分ごとに算出させるようにしてもよい。

[0065] また、ハウリング検出部 14は、信号分割部 13によって分割された成分ごとにハウリングの発生を検出するものとして説明したが、ハウリング抑圧部 15から出力される成分ごとにハウリングの発生を検出するようにしてもょ、。

[0066] また、ハウリング検出部 14は、ハウリングが発生する成分が予め想定される場合には、ハウリングが発生すると想定される一部の成分に対してのみハウリングの発生を検出するようにしてもよぐハウリングが発生すると想定される一部の成分に対してのみハウリングを抑圧するようにしてもょ、。

[0067] また、ゲイン算出部 34は、ハウリング検出間隔に応じてゲインを算出するものとして説明したが、ハウリングの発生が長い間検出されない場合には、信号レベルが復帰して、くようゲインを算出するようにしてもょ、。

[0068] また、ハウリング抑圧装置 1は、ハウリング検出部 14と他のハウリング抑圧処理を実行するものとを組み合わせた構成にしてもよぐハウリング抑圧部 15と他のハウリング検出処理を実行するものとを組み合わせた構成にしてもよい。

[0069] (第 2の実施の形態）

本発明の第 2の実施の形態のハウリング抑圧装置を図 6に示す。なお、本発明の第

2の実施の形態のハウリング抑圧装置 2の各構成において、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1の各構成と同一なものについては同一の符号を付して説明を省略する。

[0070] 図 6において、ハウリング抑圧装置 2は、入力端子 11と、 ADコンバータ 12と、信号分割部 13と、ハウリング検出部 14と、ハウリング検出部 14によってハウリングの発生が検出された成分ごとにハウリングを抑圧するハウリング抑圧部 41と、信号合成部 16 と、 DAコンバータ 17と、出力端子 18とを備えている。

[0071] ハウリング抑圧部 41は、図 7に示すように、入力端子 31、 32と、計測部 33と、計測部 33によって計測された各ハウリング検出間隔に基づいてハウリングを抑圧するためのゲインを成分ごとに算出するゲイン算出部 42と、ゲイン算出部 34によって算出されたゲインを記憶する記憶部 43と、ゲイン乗算部 35と、出力端子 36とを備えている。

[0072] ゲイン算出部 42は、本発明の第 1の実施の形態で説明したゲイン算出部 34と同様に、計測部 33によって計測されたハウリング検出間隔に基づいて成分ごとにゲインを算出するのに加えて、ハウリング検出間隔が長い場合、すなわちハウリングが収束してきた場合には、算出したゲインを予め定めたタイミングで記憶部 43へ記憶するようになっている。

[0073] また、ゲイン算出部 42は、例えば、電源投入直後の初期状態において、記憶部 43 へ記憶させたゲインを初期値とするようになって、る。

[0074] なお、ハウリング抑圧装置 2のハウリング抑圧動作は、初期状態において、ゲイン乗算部 35によって乗じられるゲインがゲイン算出部 42によって記憶部 43に記憶されたものに設定され、ハウリングが収束してきた場合において、ゲイン算出部 42によって算出されたゲインが記憶部 43に記憶される点を除いて、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1と同様である。

[0075] このような本発明の第 2の実施の形態のハウリング抑圧装置 2によれば、ある程度収束したゲインを記憶して必要に応じて読み込むため、ハウリングを抑圧する状態からハウリング抑圧装置 2を起動することができる。

[0076] (第 3の実施の形態）

本発明の第 3の実施の形態のハウリング抑圧装置を図 8に示す。なお、本発明の第 3の実施の形態のハウリング抑圧装置 3の各構成において、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1の各構成と同一なものについては同一の符号を付して説明を省略する。

[0077] 図 8において、ハウリング抑圧装置 3は、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1の構成にカ卩えて、ハウリング検出部 14による検出の結果に基づいてハウリングの発生状況を表示する表示部 51を備えている。

[0078] このように構成されたハウリング抑圧装置 3において、どの成分でノヽゥリングが発生して、るか等のハウリングの発生状況力色分けされた図や文字等を以つて表示部 5

1によってモニタ等の画面上に表示される。

[0079] ノ、ゥリング抑圧装置 3のハウリング抑圧動作については、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1のハウリング抑圧動作と同一であるため説明を省略する。

[0080] このような本発明の第 3の実施の形態のハウリング抑圧装置 3によれば、ハウリングの発生状況を表示することによって、ハウリングの発生状況を視認により利用者に把握させることができる。

[0081] (第 4の実施の形態）

本発明の第 4の実施の形態のハウリング抑圧装置を図 9に示す。なお、本発明の第

4の実施の形態のハウリング抑圧装置 4の各構成において、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1の各構成と同一なものについては同一の符号を付して説明を省略する。

[0082] 図 9において、ハウリング抑圧装置 4は、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1の構成に加えて、ハウリング検出部 14による検出の結果より得られるハウリングの発生状況に応じて異なる通知音を表す信号を生成する通知音生成部 61と、信号合成部 16によって合成された音響信号に通知音生成部 61で生成された通知音を表す信号を加算する加算部 62とを備えてヽる。

[0083] 以上のように構成されたハウリング抑圧装置 4について、その動作を説明する。なお、ハウリング抑圧装置 4のハウリング抑圧動作については、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1のハウリング抑圧動作と同一であるため説明を省略する。

[0084] ハウリング検出部 14による検出の結果に基づいてハウリングの発生状況に応じて異なる通知音を表す信号が通知音生成部 61によって生成され、通知音を表す信号が信号合成部 16によって合成された音響信号に加算部 62によって加算される。

[0085] したがって、通知音を表す信号は、信号合成部 16によって合成された音響信号と共に、 DAコンバータ 17によって DA変換され、出力端子 18を介して出力される。

[0086] このような本発明の第 4の実施の形態のハウリング抑圧装置 4によれば、ハウリングの発生状況を通知音で通知することによって、ハウリングの発生状況を通知音の聴取により利用者に把握させることができる。

[0087] なお、本実施の形態において、通知音生成部 61がハウリングの発生状況に応じて異なる通知音を表す信号を生成するものとして説明したが、例えば、ハウリングの発生が検出されたことだけを通知する場合には、通知音生成部 61がハウリングの発生が検出された旨を表す唯一の通知音を表す信号を生成するようにしてもよい。

[0088] また、 DAコンバータ 17の入力側に設けた加算部 62が、通知音生成部 61によって生成された通知音を表す信号と信号合成部 16によって合成された音響信号とを加算するものとして説明したが、 DAコンバータ 17の出力側に加算部 62を設け、加算部 62が、通知音生成部 61によって生成された通知音を表す信号と DAコンバータ 1 7によって DA変換された音響信号とを加算するようにしてもょヽ。

[0089] (第 5の実施の形態）本発明の第 5の実施の形態のハウリング抑圧装置を図 10に示す。なお、本発明の第 5の実施の形態のハウリング抑圧装置 5の各構成において、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1の各構成と同一なものについては同一の符号を付して説明を省略する。

[0090] 図 10において、ハウリング抑圧装置 5は、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1の構成にカ卩えて、ハウリング検出部 14による検出の結果に基づいて、ハゥリングの発生状況に応じて異なる振動をハウリング抑圧装置 5に与える装置振動部 71を備えている。

[0091] ノ、ゥリング抑圧装置 5のハウリング抑圧動作については、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1のハウリング抑圧動作と同一であるため説明を省略する。

[0092] このような本発明の第 5の実施の形態のハウリング抑圧装置 5によれば、ハウリングの発生状況を振動で通知することによって、ハウリングの発生状況を振動により利用者〖こ把握させることができる。

[0093] また、本実施の形態において、装置振動部 71がハウリングの発生状況に応じて異なる振動をノヽゥリング抑圧装置 5に与えるものとして説明した力例えば、ハウリングの発生が検出されたことだけを通知する場合には、装置振動部 71がハウリングの発生が検出された旨を表す唯一の振動をハウリング抑圧装置 5に与えるようにしてもよい。

[0094] (第 6の実施の形態）

本発明の第 6の実施の形態の音響装置を図 11に示す。

[0095] 図 11において、音響装置 6は、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1 と、収音するマイクロホン 81と、マイクロホン 81によって集音された音を表す音響信号を増幅するマイクアンプ 82と、ハウリング抑圧装置 1から出力される音響信号を増幅するパワーアンプ 84と、パワーアンプ 84によって増幅された音響信号に基づいて音を出力するスピーカ 85とを備えて、る。

[0096] 以上のように構成された音響装置 6について、その動作を説明する。

[0097] まず、マイクロホン 81によって集音された音を表す音響信号は、マイクアンプ 82によって増幅され、ハウリング抑圧装置 1に入力される。ハウリング抑圧装置 1によってハウリングが抑圧されて出力された音響信号は、パワーアンプ 84により増幅され、パヮーアンプ 84によって増幅された音響信号に基づいて音がスピーカ 85によって出力される。

[0098] このような本発明の第 6の実施の形態の音響装置 6によれば、ハウリング抑圧装置 1 力従来のハウリング抑圧装置と比較して精度良くハウリングの発生を検出すると共に、ハウリングの抑圧に伴う音質劣化を低減するため、聴感上耳障りであった音を改善することができるのに加え、ハウリングの発生によって制限されていたマイクアンプ 82またはパワーアンプ 84の利得を大きく設定することができる。

[0099] なお、本実施の形態において、音響装置 6が、本発明の第 1の実施の形態のハウリング抑圧装置 1を備えるものとして説明したが、音響装置 6が、ハウリング抑圧装置 1 に代えて、本発明の第 2の実施の形態のハウリング抑圧装置 2乃至本発明の第 5の実施の形態のハウリング抑圧装置 5の何れかを備えるようにしてもよい。

産業上の利用可能性

[0100] 以上のように、本発明に力かるハウリング抑圧装置は、従来のハウリング抑圧装置と比較して精度良くハウリングの発生を検出すると共に、ハウリングの抑圧に伴う音質劣化を低減することができると、う効果を有し、マイクロホンとスピーカを有する音響装置において、スピーカとマイクロホンとの間の音響結合により発生するハウリングを抑圧するハウリング抑圧装置等として有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 音響信号を複数の成分に分割する信号分割部と、

前記信号分割部によって分割された成分ごとにハウリングの発生を検出するハウリング検出部と、

前記ハウリング検出部によってハウリングの発生が検出された成分ごとにハウリングを抑圧するハウリング抑圧部と、

前記ハウリング抑圧部によってハウリングが抑制された各成分および前記ハウリング検出部によってハウリングの発生が検出されな力つた各成分を合成する信号合成部とを備えたことを特徴とするハウリング抑圧装置。

[2] 前記ハウリング検出部は、前記信号分割部によって分割された複数の成分ごとに信号レベルを算出するレベル算出部と、

前記信号レベルの平均値を表す平均レベルを算出する平均レベル算出部と、前記信号レベルと前記平均レベルとの比を表すレベル比を前記成分ごとに算出するレベル比算出部と、

前記信号レベルの時間変化量を表すレベル変化量を前記成分ごとに算出するレベル変化量算出部と、

前記レベル比算出部によって算出されたレベル比および前記レベル変化量算出部によって算出されたレベル変化量に基づいて前記成分ごとにハウリングが発生した力否かを判定するハウリング判定部とを備えたことを特徴とする請求項 1に記載のハウリング抑圧装置。

[3] 前記平均レベル算出部は、帯域が予め定められた周波数より低い成分の信号レべルを除いて前記平均レベルを算出することを特徴とする請求項 2に記載のハウリング抑圧装置。

[4] 前記ハウリング抑圧部は、前記ハウリング検出部によってハウリングの発生が検出された時間間隔を前記成分ごとに計測する計測部と、

前記計測部によって計測された各時間間隔に基づいてハウリングを抑圧するためのゲインを前記成分ごとに算出するゲイン算出部と、

前記信号分割部によって分割された各成分に前記ゲイン算出部によって算出された各ゲインを乗じるゲイン乗算部とを備えたことを特徴とする請求項 1に記載のハウリング抑圧装置。

[5] 前記ハウリング抑圧部は、前記ゲイン算出部によって算出されたゲインを記憶する記憶部を備え、

前記ゲイン算出部は、前記記憶部に記憶されたゲインを初期値とすることを特徴とする請求項 4に記載のハウリング抑圧装置。

[6] 前記信号分割部は、前記音響信号を直交変換することによって複数の成分に分割することを特徴とする請求項 1に記載のハウリング抑圧装置。

[7] 前記信号分割部は、フィルタバンクを有し、前記音響信号を前記フィルタバンクによつて複数の成分に分割することを特徴とする請求項 1に記載のハウリング抑圧装置。

[8] 前記ハウリング検出部は、前記信号分割部によって分割された一部の成分に対してのみハウリングの発生を検出することを特徴とする請求項 1に記載のハウリング抑圧装置。

[9] 前記ハウリング抑圧部は、前記信号分割部によって分割された一部の成分に対してのみハウリングを抑圧することを特徴とする請求項 1に記載のハウリング抑圧装置。

[10] 前記ハウリング検出部による検出の結果に基づいて前記ハウリングの発生状況を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項 1に記載のハウリング抑圧装置。

[11] 前記ハウリング検出部による検出の結果に基づいて前記ハウリングの発生状況を通知するための通知音を表す信号を生成する通知音生成部を備えたことを特徴とする請求項 1に記載のハウリング抑圧装置。

[12] 前記通知音生成部は、前記ハウリングの発生状況に応じて異なる通知音を表す信号を生成することを特徴とする請求項 11に記載のハウリング抑圧装置。

[13] 前記ハウリング検出部による検出の結果に基づいて前記ハウリングの発生状況を通知するために前記ハウリング抑圧装置に振動を与える装置振動部を備えたことを特徴とする請求項 1に記載のハウリング抑圧装置。

[14] 前記装置振動部は、前記ハウリングの発生状況に応じて異なる振動を前記ハウリング抑圧装置に与えることを特徴とする請求項 13に記載のハウリング抑圧装置。