WO2005039357A1

WO2005039357A1 - 背凭れ傾動装置

Info

Publication number: WO2005039357A1
Application number: PCT/JP2004/016137
Authority: WO
Inventors: Toshiyuki Horiki
Original assignee: Kokuyo Furniture Co.,Ltd.; Takano Co.,Ltd.
Priority date: 2003-10-29
Filing date: 2004-10-29
Publication date: 2005-05-06
Also published as: CN1863471A; JP4445244B2; WO2005039357A9; JP2005131047A; CN1863471B

Abstract

　本発明は、椅子や乗物用座席の背凭れを座に対して傾動可能に接続する背凭れ傾動装置に関し、背凭れの傾動時における着座者の臀部や腰背部への負担を軽減するべく、背凭れ２の回転中心Ｃを、座面Ｓ１よりも上方且つ背凭れ面Ｓ２よりも前方であり、尚且つ座３に座る着座者の転子点Ｐ２よりも、座面Ｓ１に近い側で且つ背凭れ面Ｓ２に近い側に、設定している。

Description

明細書

背凭れ傾動装置

技術分野

[0001] 本発明は、背凭れ傾動装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、椅子や乗物用座席の背凭れを座に対して傾動可能に接続する背凭れ傾動装置の構造に関する。背景技術

[0002] 従来、背凭れが座に対して傾動可能に連結された揺動椅子や乗物用座席においては、日本国特許庁で公開された特開平 5-8676号、特開平 6— 253943号、実開平 6— 64546号に開示されるものように、背凭れの回転中心を、転子点と呼ばれる着座者の股関節軸の側面視上の点に、一致させる技術が提案されている。図 7は、上記従来技術に基づき、転子点 P2を中心に、後方に回転すなわち後傾する前後の背凭れ 101と着座者を示し、二点鎖線で描いた背凭れ 101および着座者が後傾した後を示している。この従来技術では、背凭れ 101の回転中心 Cを、着座者の上半身が下半身に対して屈曲する点である転子点 P2に一致させる若しくは転子点 P2の近傍に設定することにより、着座者の背中が傾倒する際の軌跡と背凭れ 101の傾動軌跡とをほぼ一致させて、背凭れ 101と着座者の背中との間でずれが生じてしまうことを防ぎ、衣服に皺が寄ってしまう事を防いだり背中への不快感を軽減することを図っている。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] し力しながら、上記従来技術のように、背凭れ 101の回転中心 Cを転子点 P2に一致させる場合、背凭れ 101の背面側への傾動に従い坐骨結節 102が、転子点 P2を中心に回転して、図 7に二点鎖線で示すように、前方且つ座面 S101より更に下方に移動しょうとするため、坐骨結節 102が座面 S101に強く押しつけられて、着座者の臀部に強い加圧力がかかり、着座者に不快感を与えてしまうことがある。さらに、坐骨結節 102力座面 S101に当たり、転子点 P2回りの坐骨結節 102の回転が座面 S101 により規制される結果、着座者の骨盤の後方回転が抑えられ、過度の腰椎前彎を助長して着座者の背骨が反った状態となってしま、、着座者の腰背部への負担を増加さ甘る虞がある。

[0004] また、傾動した背凭れを初期位置に復帰させるために、一般には圧縮コイルばねが用いられている。この場合、背凭れの回転運動を直線運動に変換して圧縮コイルばねに伝達するリンク機構を必要とするため、機構が複雑となり、部品点数や組立ェ数が多くなり、製造費用等が高くなる。また、背凭れの傾動範囲を大きく設定する場合には、全長の長い圧縮コイルばねを用いる必要があり、さらに機構が大型化してしまう問題がある。背凭れの回転の位置変化を直接的に復帰力の蓄積に利用するために、棒状捻りばねを背凭れの回転軸に取り付けることも考えられるが、棒状捻りばねは長手方向の長さを必要とするために、椅子の幅方向すなわち着座者の肩幅方向にばね設置用空間を大きくとる必要がある。さらに、圧縮コイルばねや棒状捻りばねは、一般にばね定数が高ぐばねの変形に対して反力が急激に増加する。このため、背凭れを傾動させる際の感触が重く硬く感じられる傾向にある。このため、着座者の背に負担をかけてしまう虞がある。背凭れ傾動時の軽く柔らかい使い心地を実現するために、ばね定数の小さいゴム材を、同心状の円筒部材と背凭れの回転軸との間に介在させた捻りばねを用いることも考えられる力この場合、金属製の円筒部材と回転軸にゴム材を焼き付けて一体ィ匕する必要があり、廃棄時において金属材料とゴム材とを分別することが極めて困難となり、環境問題を惹き起こす。

[0005] 本発明は、背凭れの傾動時における着座者の臀部や腰背部への負担を軽減できる背凭れ傾動装置を提供することを目的とする。また本発明は、背凭れの傾動範囲を大きく設定する要望にも容易に対応でき、且つ背凭れ傾動時の軽く柔らか、使、心地を実現し、ゴム材を金属材に焼き付けることによる廃棄時の環境問題も解消した背凭れ傾動装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006] かかる目的を達成するため、本発明は、背凭れを座に対して傾動可能に接続する背凭れ傾動装置において、背凭れの回転中心を、座の表面と一致する位置もしくは座の表面よりも上方で、且つ初期位置にある背凭れの表面の縦中央において最も前方に位置する点よりも前方であって、尚且つ座に座る着座者の転子点よりも座の表面に近、側で且つ背凭れの表面に近、側に設定するようにして、る。

[0007] 上記の位置関係における転子点の位置は、平均的もしくは理想的な体格の着座者が極自然に着座している場合の位置を指す。この転子点の位置は、既述した従来技術にも開示されるように人間工学や統計学等に基づいて求められる。また、極自然な姿勢で着座している着座者の坐骨結節上における座面に最も近接する点を坐骨結節点と呼ぶ。また、背凭れの初期位置とは、背凭れを傾動させる荷重が作用していな V、状態における背凭れの位置を指す。

[0008] 着座者の坐骨結節点は、着座者の転子点よりも座面寄り且つ背凭れ面寄りに位置している。したがって、上記のように設定した背凭れの回転中心は、転子点までの距離よりも坐骨結節点までの距離の方が短くなる位置、換言すれば坐骨結節点の近傍もしくは坐骨結節点と一致する位置に設定されることとなる。従って、背凭れの傾動に追従して回転する着座者の坐骨結節を、座面の下方へと沈み込ませないで、座面上で自然に傾動させることができる。これにより、着座者の体重が集中する坐骨結節が座面に強く押しつけられることを防いで、座面から着座者の臀部に作用する面圧を軽減することができる。また、坐骨結節が座面上で自然に傾動するため、着座者の背中が倒れるに従って、着座者の骨盤も坐骨結節点を支点として自然に後方に回転する。従って、過度の腰椎前彎を防いで、即ち着座者の背骨が過度に反った状態となつてしまうことを防、で、着座者の腰背部への負担も軽減することができる。

[0009] ここで、背凭れの回転中心と坐骨結節点と一致させず坐骨結節点の近傍に背凭れの回転中心を設定する場合は、背凭れの回転中心を坐骨結節点の前方すなわち着座者が向く側に設定するよりも、坐骨結節点の後方すなわち着座者の背面側に背凭れの回転中心を設定することが望ましい。背凭れの回転中心が坐骨結節点よりも前方にあると、背凭れを後傾させる際に坐骨結節が座面より更に下方に移動しょうとするため、坐骨結節が座面に押しつけられて着座者の臀部に加圧力が力かってしまう力背凭れの回転中心を坐骨結節点よりも後方に設定することで、背凭れを後傾させる際に坐骨結節が座面の上方に移動しょうとするため、坐骨結節が座面に強く押しつけられることを防ぎ、着座者の臀部への加圧力を軽減できるからである。

[0010] また、背凭れの回転中心を上述した位置に設定するために、座の両側から上方に延びる 2つの座側アームと、背凭れの両側から前方に延びる 2つの背側アームとを、それぞれ背凭れの回転中心を成す回り対偶で接続することが好ましい。

[0011] 滑り対偶や複数の回り対偶などを有するリンク機構によって、仮想的な背凭れの回転軸を目的とする位置に設定することも可能である。一方、上記のように座側アームと背側アームの連結により直接的に背凭れの回転中心を定めることで、仮想回転軸を実現する複雑なリンク機構を座と背凭れの間に設ける必要が無くなり、背凭れ傾動装置の構成を簡素化でき、背凭れ傾動装置の小型化も可能となる。また、座と背凭れの間にリンク機構を設置するための空間を確保する必要が無くなるため、座や背凭れのデザインの自由度を高めることができ、座面を低く設定することも可能になる。

[0012] また、上記の座側アームと背側アームとの接続部分に、傾動する背凭れに対し該背凭れを初期位置に復帰させる反力装置を組み込むことが好ましい。

[0013] この場合、座の下方や背凭れの裏側などに、反力装置を設置するための空間を確保する必要が無くなる。これにより、背凭れ傾動装置をより小型化でき、座や背凭れのデザインの自由度を一層高めることができ、座面をより低く設定することも可能になる。

[0014] また、上記の反力装置は、一端が座側アームに取り付けられると共に他端が背側ァームに取り付けられる渦巻ばねを有するものが好ましい。

[0015] 渦巻ばねは、巻き締めることによりばね力を発生させる構造であるため、背凭れの座に対する回転によるモーメントを直接的に利用して、背凭れを初期位置に復帰させる方向への反力を渦巻ばねに蓄積させることができる。これにより、背凭れの座に対する回転運動を直線運動に変換するためのリンク機構は不要であり、機構の単純ィ匕、部品点数および組立工数の削減、ひいては製造費用等の削減に寄与できる。さらに、渦巻ばねは、同心状の渦巻を成すが故に、棒状捻りばねや捩じりコイルばね等のように軸方向に突出することがな、。従ってばねが反力装置に占める空間占有率を抑えつつ目的のばね力を得ることができる。し力も、渦巻ばねは、コンパクトでありながら即ち空間占有率が小さいにもかかわらず、圧縮コイルばねや棒状捻りばね等と比較して、変位可能な範囲が大きい。従って、コンパクトな構成として尚且つ背凭れの傾動範囲を大きく設定することも可能となる。カロえて、渦巻ばねは、ばね定数が圧縮コイルばねや棒状捻りばね等と比較して小さい。換言すれば、渦巻ばねは、変位の増加すなわち背凭れの傾動角度の増加に対する反力の増加が小さぐ背凭れの傾動開始力も終了までほぼ一定の反力を発生させる。したがって、背凭れ傾動時に着座者の背に負担力 Sかからな、軽く柔らカ^、快適な使、心地を実現することができる。し力も、ゴム材を用いずに上述の通り軽く柔らかい背凭れ感覚を実現するので、廃棄する場合等に、金属材料等と一体化されたゴム材を分別するといつた手間や問題はない。

[0016] また、上記渦巻ばねの渦巻の中心側の端部が取り付けられる取付軸の周縁は、閉じた曲線を成す形状 (真円を除く）であることが好ましい。この場合、渦巻ばねが巻き締まる際に渦巻ばねの線材間が密着してしまうことを防いで、渦巻ばねのばね力の低下を防ぎ、渦巻ばねに過負荷が作用し破損してしまうことを防止できる。

[0017] また、座側アームと背側アームとに、それぞれ同じ外径を有する円盤形状の連結部を設けて、これら背側の連結部と座側の連結部とを相対的に回転可能であるように嵌め合わせ、かつ嵌め合わせた背側連結部と座側連結部との内部の空間に上記の渦卷ばねを内蔵することが好ましい。この場合、座側アームと背側アームとの接続部分に反力装置を収めることができ、背凭れ傾動装置の一層の小型化および簡素化を図ることができる。さらに、渦巻ばねが外観には現れないため見栄えが良くなると共に、渦巻ばねに手や物を挟むといった事故も無くなる。

発明の効果

[0018] 本発明の背凭れ傾動装置によれば、転子点までの距離よりも坐骨結節点までの距離の方が短くなる位置、換言すれば坐骨結節点の近傍もしくは坐骨結節点と一致する位置に、背凭れの回転中心が設定されて、着座者の体重が集中する坐骨結節が座面に強く押しつけられることを防ぐので、着座者の臀部に作用する座面からの加圧力を軽減することができ、且つ着座者の背骨が過度に反った状態となってしまうことを防いで、着座者の腰背部への負担をも軽減することができる。さらに、背凭れの傾動に応じて着座者の骨盤が自然に傾動するため、背凭れの回転中心を転子点に一致させた場合と比較して、背凭れの傾動に伴う着座者の股関節の屈曲角度を若干大きくでき、背凭れの傾動時に着座者により大きい開放感を与えることができる。逆に、背凭れの最大傾き角を小さくした場合でも背凭れの傾動時に充分な開放感が得られる背凭れ傾動装置を提供でき、椅子や乗物用座席の設置空間の縮小化にも寄与する。また、背凭れが着座者の背中に接触しながらずれてしまう量も小さくなるので、衣服に皺が寄ってしまう事を防ぐ等、背凭れの回転中心を転子点に一致させた場合と同等の効果も得られる。

図面の簡単な説明

[0019] [図 1]図 1は本発明の背凭れ傾動装置を回転椅子に適用した実施の一形態を示す側面図である。

[図 2]図 2は上記椅子の背凭れを示す斜視図である。

[図 3]図 3は背側アームを拡大して示す斜視図である。

[図 4]図 4は座側アームを拡大して示す斜視図である。

[図 5]図 5は座側アームと背側アームとの接続部分に組み込こまれた反力装置を示す側面図である。

[図 6]図 6は坐骨結節点を中心に、後傾する前後の背凭れ及び着座者を示す側面図である。

[図 7]図 7は従来の背凭れ傾動装置を示し、転子点を中心に、後傾する前後の背凭れ及び着座者を示す側面図である。

符号の説明

[0020] 1 椅子

2 背凭れ

3 座

5 背凭れ傾動装置

6 座側アーム

6b 座側連結部

7 背側アーム

7b 背側連結部

13 反力装置

14 渦巻ばね c 背凭れの回転中心

PI 坐骨結節点

P2 転子点

S1 座面（座の表面）

S2 背凭れ面 (背凭れの表面）

発明を実施するための最良の形態

[0021] 以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。

図 1から図 6に本発明の背凭れ傾動装置の実施の一形態を示す。なお、本実施形態では、本発明の背凭れ傾動装置 5を、背凭れが傾動可能な事務用の回転椅子 1 に適用した場合について説明する。また、本明細書中で前方とは着座者の正面側を意味し、上方とは鉛直方向の上側を意味する。

[0022] 背凭れ 2を座 3に対して傾動可能に接続する背凭れ傾動装置 5を備える椅子 1では、背凭れ 2の回転中心 Cを、座面 S1と一致する位置もしくは座面 S1よりも上方で、且つ着座者の背中と接する背凭れ 2の表面すなわち背凭れ面 S2の縦中央において背凭れ面 S2の最も前方に位置する点（以下、背凭れ点と呼ぶ)よりも前方であって、尚且つ座 3に座る着座者の転子点 P2よりも、座面 S1寄りで且つ背凭れ面 S2寄りに設定するようにしている。例えば本実施形態では図 1に示すように、背凭れ 2の回転中心 C力転子点 P2までの距離よりも背凭れ 2の回転中心 C力坐骨結節点 P1までの距離の方が短くなる位置、換言すれば坐骨結節点 P1の近傍、より具体的には坐骨結節点 P1よりも若干後方かつ若干上方となる位置に、背凭れ 2の回転中心 Cを設定するようにしている。但し、図 6に示すように、側面視上で坐骨結節点 P1と一致する位置に背凭れ 2の回転中心 Cを設定するようにしても良い。ここで、背凭れ 2の回転中心 Cと坐骨結節点 P 1と一致させず坐骨結節点 P 1の近傍に背凭れ 2の回転中心 C を設定する場合は、回転中心 Cを坐骨結節点 P1の前方に設定するよりも、本実施形態のように坐骨結節点 P1の後方に回転中心 Cを設定することが望ましい。回転中心 Cが坐骨結節点 P1よりも前方にあると、背凭れ 2を後傾させる際に坐骨結節 4が座面 S1より更に下方に移動しょうとするため、坐骨結節 4が座面 S1に押しつけられて着座者の臀部に加圧力が力かってしまうが、回転中心 Cが坐骨結節点 P1よりも後方にあれば、背凭れ 2を後傾させる際に坐骨結節 4が座面 SIの上方に移動しょうとするため、坐骨結節 4が座面 S1に強く押しつけられれることを防ぎ、着座者の臀部への加圧力を軽減できるからである。

[0023] ここで、坐骨結節点 P1は、図 1に示すように、着座者の転子点 P2よりも座面 S1寄り且つ背凭れ面 S2寄りに位置している。椅子 1が対象とする平均的もしくは理想的な着座者の転子点 P2が人間工学や統計等に基いて得られるように、平均的もしくは理想的な着座者の坐骨結節点 P1も人間工学や統計等に基いて得ることは可能である。例えば、左右方向と直交する平面に椅子 1を投影した場合、すなわち椅子 1の側面視において、背凭れ 2の回転中心 Cの軸と直交する鉛直線が座 3の中央縦断面すなわち座面 S1の縦中央と接する点と、回転中心 Cとの上下方向における距離を図 1に示すように aとし、初期位置にある背凭れ 2の中央縦断面上で最も前方に位置する点である背凭れ点と、回転中心 Cとの前後方向における距離を図 1に示すように bとすると、 aは約 Ocm—約 7cm程度とすることが好ましぐ bは約 4cm—約 12cm程度とすることが好ましい。尚、座面 S1や背凭れ面 S2は平面である必要は無ぐ人間工学や美的処理の観点等力適宜曲面形状等を採用して良い。例えば本実施形態の背凭れ面 S2は、着座者の腰部に向かって突出する曲面形状を成しており、座面 S1は図 1 中の破線で示すように着座者の臀部と対向する部分がやや窪んだ曲面形状を成して、る。このように座面 S 1が平面でな、場合にぉ、て背凭れ 2の回転中心 Cを設定する場合には、座面 S1の縦中央線を基準とする。従って、背凭れ 2の回転中心じの仮想軸線は、座面 S1の縦中央線と交差するか、座面 S1の縦中央線の上方を通ることとなる。

[0024] また、本実施形態では、座 3の両側から座面 S1よりも上方にそれぞれ延びる 2つの座側アーム 6と、背凭れ 2の両側から背凭れ面 S2よりも前方にそれぞれ延びる 2つの背側アーム 7とを、それぞれ背凭れ 2の回転中心 Cを成す回り対偶で接続するようにしている。リンク機構を介して背凭れ 2と座 3を連結し、上述した背凭れ 2の回転中心 Cとなる位置に仮想的な回転軸を設定し、当該仮想回転軸回りに背凭れ 2を傾動させることも可能ではあるが、本実施形態のように構成することで、座 3と背凭れ 2の間に例えば滑り対偶や複数の回り対偶などを有する複雑なリンク機構を設ける必要が無ぐ椅子 1の構成を簡素化でき、背凭れ傾動装置 5の小型化も図れる。これにより、椅子 1の形状等のデザインの自由度を高めることができ、座面 S 1を低く設定することも可能になる。

[0025] 本実施形態の背凭れ 2は、例えば背凭れ面 S2を形成する背凭れ本体 2aと、背凭れ本体 2aを背面側から支持する内殻部材 2bと、内殻部材 2bの背面を覆う背カバー 2cとで構成される。各背側アーム 7の一端側には固定用部材 7aがー体に設けられており、この固定用部材 7aが背凭れ 2の下部にねじ止めで固定される。より具体的には図 3に示すように、内殻部材 2bの下端の裏側に取付板 8を介して固定用部材 7aがボルトおよびナットにより締結され、当該締結後、固定用部材 7aを覆い隠すようにして図 2に示すように背カバー 2cが内殻部材 2bに取り付けられる。図 3中の符号 9は、背側アーム 7の固定用部材 7aを内殻部材 2bにねじ止めするための孔である。尚、背力バー 2cには図示を省略する係止爪が一体形成されており、この係止爪を内殻部材 2 bに設けた図示を省略する孔に嵌め込むことで、背カバー 2cが内殻部材 2bに取り付けられるようにしている。各背側アーム 7は、背凭れ 2の下部の左右両側力左右方向外側にー且延びた後、前方且つやや下方に向力つて延びている。各背側アーム 7 の先端には、背側連結部 7bがー体に設けられてヽる。

[0026] また、本実施形態の座 3は、例えば座面 S 1を形成する座本体 3aとこの座本体 3aを支持する座受部材 3bとで構成される。座受部材 3bの下面には脚軸 10の一端側が回転可能に取り付けられており、脚軸 10の他端側には、キャスタ 11を備える脚羽根 1 2が取り付けられている。座側アーム 6は、座受部材 3bに溶接等の固定手段で固定されるアーム基部 6aと、アーム基部 6aにねじ止めで固定される取付部 6cと、取付部 6cと一体に設けられた座側連結部 6bとで構成されている。アーム基部 6aは、座受部材 3bの両側面力も左右方向外側にー且延びた後、上方かつやや後方に向力つて延びている。アーム基部 6aの各先端には、それぞれ座側連結部 6bに固定された取付部 6cが差し込まれてねじ止めで固定される。

[0027] 背側連結部 7bと座側連結部 6bとは、例えば同じ外径を有しかつ内部に空間を有する円盤形状に形成されており、図 2に示すように、背凭れ 2の回転中心 C回りに相対回転可能に嵌め合わせられている。そして本実施形態では、例えば図 5に示すように、座側アーム 6と背側アーム 7との接続部分である座側連結部 6bと背側連結部 7b とに、傾動する背凭れ 2に対し背凭れ 2を初期位置に復帰させる反力装置 13を組み込んでいる。この構成の場合、座側アーム 6と背側アーム 7との接続部分に反力装置 13が収まるので、座 3の下方や背凭れ 2の裏側などに反力装置 13の設置用空間を設ける必要が無ぐ椅子 1の構成をより簡素化でき、椅子 1の形状等のデザインの自由度を一層高めることができ、座面 S1をより低く設定することも可能になる。

[0028] さらに例えば本実施形態では、上記の反力装置 13に、一端が座側アーム 6の座側連結部 6bに取り付けられると共に他端が背側アーム 7の背側連結部 7bに取り付けられる渦巻ばね 14を用いている。渦巻ばね 14は、巻き締めることによりばね力を発生させるため、背凭れ 2の座 3に対する円弧運動による回転モーメントを直接的に利用して、背凭れ 2を初期位置に復帰させる方向への反力を渦巻ばね 14に蓄積させることができる。このため、背凭れ 2の座 3に対する回転運動を直線運動に変換するためのリンク機構は不要であり、機構の単純化、部品点数および組立工数の削減、ひいては製造費用等の低減に寄与する。さらに、渦巻ばね 14は、渦巻状を成すが故に、棒状捻りばねや捩じりコイルばね等のように一方向に突出することがな、。従って空間占有率を抑えつつ目的のばね力を得ることができる。し力も、渦巻ばね 14は、コンパクトでありながら即ち空間占有率が小さいにもかかわらず、圧縮コイルばねや棒状捻りばね等と比較して、変位可能な範囲が大きい。従って、コンパクトな構成として尚且つ背凭れ 2の傾動範囲を大きく設定することも可能となる。カロえて、渦巻ばね 14は、ばね定数が圧縮コイルばねや棒状捻りばね等と比較して小さい。換言すれば、渦卷ばね 14は、変位の増加すなわち背凭れ 2の傾動角度の増加に対する反力の増加力 S小さぐ背凭れ 2の傾動開始力終了までほぼ一定の反力を発生させる。したがつて、背凭れ 2の傾動時に着座者の背に負担力 Sかからな、軽く柔らか!/、快適な使、心地を実現することができる。し力も、ゴム材を用いずに上述の通り軽く柔らかい背凭れ感覚を実現するので、椅子 1を廃棄する場合等に、金属材料等と一体化されたゴム材を分別するとヽつた手間や問題はなヽ。

[0029] 渦巻ばね 14は、帯状の弾性素材を渦巻形に巻いたものである。渦巻ばね 14の両端部は、座側連結部 6bと背側連結部 7bとにそれぞれ引っ掛けることで係止されるように、鉤状に形成されている。以下、渦巻の中心側の端部に形成された鉤を内鉤 14 aと呼び、渦巻の外周側の端部に形成された鉤を外鉤 14bと呼ぶ。内鉤 14aと外鉤 1 4bは、応力集中による破損を防止するべぐ角張る部分が無いように丸く曲面状に形成することが好ましい。尚、渦巻ばね 14の個数、材質、寸法等は、目的とするばね力を得るためのものを適宜選択して良ぐ 1対の座側連結部 6bと背側連結部 7bに対して 2つ以上の渦巻ばね 14を組み込むことも可能である。例えば本実施形態では渦巻ばね 14の素材に硬鋼線材を用い、嵌め合わされた座側連結部 6bと背側連結部 7b の内部に形成される空間に 1つの渦巻ばね 14を配置するようにしている。従って、椅子 1の左右両側にそれぞれ 1つ、合計 2つの渦巻ばね 14が設置されることとなる。

[0030] 背側連結部 7bは、図 3及び図 5に示すように、座側連結部 6bと対向する面側が開放された中空の円盤状に形成されており、背側連結部 7bの内周縁には背側連結部 7bの外周縁よりも内側に凹んだ第 1テラス 15が形成されている。第 1テラス 15は円の一部を切り欠いた円弧状すなわち C形に形成されている。切欠き部は渦巻ばね 14の外側の端部 (外鉤 14b)を収容する空間として利用される。また第 1テラス 15の一部が背側連結部 7bの内部の中心に向力つて突出しており、この突出部分が回転規制部 16を構成している。背側連結部 7bの内部の中心部には、渦巻ばね 14の内鉤 14a が掛けられる溝 17aを有する取付軸 17が設けられている。

[0031] 座側連結部 6bも、図 4に示すように、背側連結部 7bと対向する面側が開放された中空の円盤状に形成されており、座側連結部 6bの内周縁には、座側連結部 6bの外周縁よりも外側に突出して背側連結部 7b内に嵌まり込む第 2テラス 18が形成されている。第 2テラス 18は円の一部を切り欠いた円弧状すなわち C形に形成されている。この第 2テラス 18によって構成される突部と背側連結部 7bの第 1テラス 15とその周りの縁との間で構成されるへこみ部との嵌合によって、回転可能に連結される。また第 2テラス 18の内周には、背側連結部 7bの回転規制部 16と係合する第 1規制部 19と第 2規制部 20とが、図 5に示すように回転規制部 16を挟む位置に形成されている。また、座側連結部 6bの内周縁には渦巻ばね 14の外鉤 14bが掛けられるばね掛け部 21が設けられている。このばね掛け部 21は、ばね掛け部 21に掛けられた外鉤 14b が第 2テラス 18および第 1テラス 15の途切れた部分に位置するように設けられ、例えば第 2規制部 20と一体に設けられている。また、座側連結部 6bの内部の中心部には、取付軸 17が回転可能に嵌められる孔 22が設けられている。

[0032] 従って、渦巻ばね 14の内鉤 14aを取付軸 17の溝 17aに引っ掛けると共に外鉤 14b をばね掛け部 21に引っ掛けて、第 2テラス 18を第 1テラス 15に嵌め合わせ、且つ取付軸 17を孔 22に挿入することで、背側連結部 7bと座側連結部 6bとが嵌め合わせられ、渦巻ばね 14は背側連結部 7bと座側連結部 6bとで形成される内部空間に内蔵される。渦巻ばね 14が外観には現れないため見栄えが良くなると共に、渦巻ばね 14に手や物を挟むといった事故も無くなる。また、座側連結部 6bに設けられた孔 22を貫通させた取付軸 17の端面には抜け止め用部材を取り付けて、座側連結部 6bと背側連結部 7bの嵌め合いが外れてしまうことを確実に防止するようにする。具体的には、取付軸 17の溝 17aの横に 2つのビス穴 30を設け、孔 22を貫通させた取付軸 17の端面に、孔 22よりも径の大きいディスク 31を、上記 2つのビス穴 30に捩じ込まれる 2本のビスにより固定する。これにより、着座者が背凭れ 2を傾動させる際に過大な負荷力 Sかかっても、座側連結部 6bと背側連結部 7bの嵌め合いが外れてしまうことを確実に防ぎ、背凭れ 2が椅子 1から外れてしまう危険を回避できる。

[0033] 椅子 1の左右両側にお!、て夫々背側連結部 7bと座側連結部 6bとが嵌め合わせられることにより、背凭れ 2が座 3に対して回転可能に連結されるとともに、当該回転以外の背凭れ 2の移動が禁止される。そして、図 5に示すように、背側連結部 7bと一体に回転する回転規制部 16と、座側連結部 6bと一体に設けられた第 1規制部 19と第 2 規制部 20とにより、背凭れ 2の回転範囲が規制される。即ち、渦巻ばね 14は、背側連結部 7bの回転規制部 16を第 2規制部 20に当接させるようにばね力を作用させている。回転規制部 16が第 2規制部 20に当接している状態が、背凭れ 2が初期位置にある状態となる。一方、渦巻ばね 14のばね力に抗しながら背凭れ 2を傾動させると、即ち背側連結部 7bを座側連結部 6bに対して回転させると、回転規制部 16が第 1規制部 19に当接する。回転規制部 16が第 1規制部 19に当接している状態が、背凭れ 2が最も後方に倒れた状態となる。

[0034] ここで、渦巻ばね 14を巻き締める際に、渦巻を成す線材どうしが密着してしまうと、その密着した部分より内側の部分では渦巻ばね 14が実質的にばねとして働かないので、充分なばね力が得られず、また渦巻ばね 14に過負荷が力かって渦巻ばね 14 が破損する虡もある。そこで本実施形態では、取付軸 17を周縁が真円ではない略閉曲線を成す形状、例えば略楕円形状としている。これにより、渦巻ばね 14の線材間の密着を防、で上記のような不都合を防止できる。

[0035] また、座側連結部 6bにおける背側連結部 7bと対向する面と逆側の面には、肘掛け 23が例えばねじ止めで取り付けられている。尚、図 4中の符号 24は、肘掛け 23を座側連結部 6bにねじ止めするためのねじ孔であり、図 2中の符号 25は当該ねじ止め後に肘掛け 23に嵌め付けるキャップである。尚、以上に説明した椅子 1を構成する各部材の材質は、必要とされる又は望ましい機械的強度、軽量性、耐候性、加工容易性等を備える金属材料や合成樹脂等を適宜選択可能である。例えば本実施形態では、背側アーム 7はアルミニウム合金を用いたダイカスト法で一体に成形され、座側連結部 6bおよび取付部 6cもアルミニウム合金を用いたダイカスト法で一体に成形されている。また、背凭れ 2の内殻部材 2bはポリプロピレン製としている。また、背凭れ本体 2aおよび座本体 3aには、例えばポリウレタン等の発泡榭脂ゃ繊維状のクッション材などを布地などの表皮部材で包んだものを用いて、る。

[0036] 以上のように構成された本実施形態の椅子 1によれば、次のようにして背凭れ 2が傾動する。即ち、初期位置にある背凭れ 2に対して着座者が凭れかかることにより荷重を作用させると、 C点を中心に背凭れ 2が後方に倒れるように回転する。背凭れ 2 の回転中心 Cは坐骨結節点 P1の近傍に設定されている。ここで、図 6は、坐骨結節点 P 1を中心に、後方に回転すなわち後傾する前後の背凭れ 2及び着座者を示し、二点鎖線で描、た背凭れ 2および着座者が後傾した後を示して、る。同図に示されるように、坐骨結節点 P1を中心に回転する着座者の坐骨結節 4は、座面 S1の更に下方へと沈み込もうとはせずに、座面 S1の上で傾動する。従って、背凭れ 2の回転中心 Cを坐骨結節点 P1の近傍に設定することで、特に本実施形態のように回転中心 Cを坐骨結節点 P1よりもやや後方に設定することで、着座者の体重を支える坐骨結節 4が座面 S 1に強く押しつけられることを防、で、着座者の臀部に作用する座面 S 1 力もの面圧を軽減することができる。また、坐骨結節 4が座面 S1の上で自然に傾動するため、着座者の背中が倒れるに従って、着座者の骨盤も坐骨結節点 P1を支点として自然に後方に回転する。従って、過度の腰椎前彎を防いで、即ち着座者の背骨が過度に反った状態となってしまうことを防いで、着座者の腰背部への負担をも軽減することができる。さらに、背凭れ 2の傾動に応じて着座者の骨盤が自然に傾くため、背凭れ 2の回転中心 Cを転子点 P2に一致させた図 7に示す従来技術と比較して、背凭れ 2の傾動に伴う着座者の股関節の屈曲角度を若干大きくでき、背凭れ 2の傾動時に着座者に開放感を与えることができる。逆に、背凭れ 2の最大傾き角を小さくしても、背凭れ 2の傾動時に充分な開放感が得られる揺動椅子 1を提供でき、椅子用設置空間の縮小化の要請にも対応できる。また、背凭れ 2の回転中心 Cを座面 S1の下方に設けた場合や背凭れ面 S2よりも後方に設けた場合等と比較して背凭れ 2が着座者の背中に接触しながらずれてしまう量も小さくなるので、衣服に皺が寄ってしまう事を防ぐ等、背凭れ 2の回転中心 Cを転子点 P2に一致させた場合と同等の効果も得られる。

[0037] そして、座 3に対する背凭れ 2の後方回転に従って、背側アーム 7および背側連結部 7bおよび取付軸 17が、座側アーム 6および座側連結部 6bに対して回転し、渦巻ばね 14を巻き締める。これにより、背凭れ 2を初期位置に復帰させようとする反力が渦巻ばね 14に発生する。ここで、渦巻ばね 14は背凭れ 2の傾動角度の増加に対する反力の増加が小さくほぼ一定の反力を発生させるので、着座者の背に負担をかけることなぐ背凭れ 2の傾動時に軽く柔らかい心地の良い感覚を着座者に与えることができる。背凭れ 2を後傾する外力が解除されれば、渦巻ばね 14の復帰力によって背凭れ 2が初期位置に復帰する。本実施形態の椅子 1によれば、座 3を連動させることなく背凭れ 2の傾動のみで、違和感の無、快適な使!、心地を実現することができる

[0038] なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では、本発明の背凭れ傾動装置 5を事務用の回転椅子 1 に適用した例について説明したが、他の椅子、例えば作業用椅子、看護用椅子、医療用椅子など、椅子全般に本発明を適用できるのは勿論であり、自動車等の乗物用座席にも本発明を適用して良い。また、上述の実施形態では、座側アーム 6と背側ァーム 7との接続部分に渦巻ばね 14を用ヽた反力装置 13を組み込んだが、必ずしもこの例には限らず、例えば当該接続部分にモータ等を組み込み、電動で背凭れ 2を傾動させるようにしても良い。

[0039] また、上述の実施形態では、背凭れ 2の回転中心 Cを成す回り対偶により座 3と背凭れ 2を連結したが、リンク機構を介して背凭れ 2と座 3を連結し、背凭れ 2の回転中心 Cとなる位置に仮想的な回転軸を設定するようにしても良い。さらに、本発明によれば、背凭れ 2の傾動のみでも上述したように従来にな!、心地の良、背凭れ感覚を着座者に与えることが可能である力背凭れ 2の傾動と連動して座 3を揺動させるリンク機構を介して背凭れ 2と座 3を連結するようにしても良い。また、上述の実施形態では、背凭れ 2の回転中心 Cを座面 S1よりも上方に設けた力回転中心 Cを座面 S1と一致する位置に設けても良い。ここで、「座面 S1と一致する位置」には、座面 S1とほぼ一致する位置も含むものとする。

[0040] また、上述の実施形態では、座側連結部 6bと背側連結部 7bの嵌め合、が外れてしまうことを確実に防止するために、抜け止め用部材としてディスク 31を用いた力抜け止め用部材を用いる構成には限定されない。例えば座側アーム 6、背側アーム 7、取付板 8を例えば金属製として、これらの部材の剛性を高め、着座者が背凭れ 2を傾動させた時に、座側アーム 6、背側アーム 7、内殻部材 2bが橈み変形してしまうことを防ぐようにする。これにより、着座者が背凭れ 2を傾動させる際に、上記橈み変形により座側連結部 6bと背側連結部 7bの嵌め合、が外れてしまうことを防ぎ、背凭れ 2が椅子 1から外れてしまう危険を回避できる。

Claims

請求の範囲

[1] 背凭れを座に対して傾動可能に接続する背凭れ傾動装置において、前記背凭れの回転中心を、前記座の表面と一致する位置もしくは前記座の表面よりも上方で、且つ初期位置にある前記背凭れの表面の縦中央において最も前方に位置する点よりも前方であって、尚且つ前記座に座る着座者の転子点よりも、前記座の表面に近い側で且つ前記背凭れの表面に近い側に、設定したことを特徴とする背凭れ傾動装置

[2] 前記着座者の坐骨結節点の近傍もしくは該坐骨結節点と一致する位置に、前記背凭れの回転中心を設定したことを特徴とする請求の範囲 1記載の背凭れ傾動装置。

[3] 前記着座者の坐骨結節点よりも前記背凭れの表面に近い側に、前記背凭れの回転中心を設定したことを特徴とする請求の範囲 1記載の背凭れ傾動装置。

[4] 前記座の両側から上方に延びる 2つの座側アームと、前記背凭れの両側から前方に延びる 2つの背側アームとを、それぞれ前記背凭れの回転中心を成す回り対偶で接続したことを特徴とする請求の範囲 1記載の背凭れ傾動装置。

[5] 前記座側アームと前記背側アームとの接続部分に、傾動する前記背凭れに対し該背凭れを初期位置に復帰させる反力装置を組み込んだことを特徴とする請求の範囲

4記載の背凭れ傾動装置。

[6] 前記反力装置は、一端が前記座側アームに取り付けられると共に他端が前記背側アームに取り付けられる渦巻ばねを有することを特徴とする請求の範囲 5記載の背凭れ傾動装置。

[7] 前記渦巻ばねの渦巻の中心側の端部が取り付けられる取付軸の周縁が、閉じた曲線を成す形状 (真円を除く)であることを特徴とする請求の範囲 6記載の背凭れ傾動装置。

[8] 前記座側アームと前記背側アームとは、それぞれ同じ外径を有する円盤形状の連結部を有しており、背側連結部と座側連結部とは相対的に回転可能に嵌め合わされ、かつ嵌め合わされた前記背側連結部と前記座側連結部との内部の空間に前記渦卷ばねが内蔵されることを特徴とする請求の範囲 6記載の背凭れ傾動装置。