WO2005019698A1 - 回転軸部材支持装置 - Google Patents

Description

明細書 回転軸部材支持装置 技術分野 本発明は、 第 1ケース部材と第 2ケース部材とから成るハウジング内において 、 それら第 1ケース部材と第 2ケース部材により第 1軸受および第 2軸受を介し てそれぞれ回転可能に回転軸部材を支持する回転軸部材支持装置に関するもので ある。 背景技術 第 1ケース部材と第 ケース部材とを相互の開口が相対向する状態でふさがれ るように組み合わせることにより構成されるハウジングと、 そのハウジング内に おいて前記第 1ケース部材と第 1ケース部材とに第 1軸受および第 2軸受を介し てそれぞれ回転可能に支持される回転軸部材とを備え、'その第 2ケースには、 小 径穴とその小径穴と同心でその小径穴よりも大径である大径穴とから成る段付穴 力、'形成され、 前記第 軸受の外輪はその大径穴に嵌合され且つシムを介してその 大径穴と前記小径穴との間の段付面に当接させられ、 前記回転軸部材の第 1ケー ス部材側端部は該第 2軸受の内輪を通して突き出す形式の回転軸部材支持装置が 知られている。 たとえば、 文献 1に記載されているような車両の動力伝達装置の 一部がそれである。 [文献 1 ] 特開平 9— 2 2 6 3 9 2号公報 上記のような回転軸部材支持装置の組み付けに際しては、 ハウジングを構成す る一方のケース部材たとえば第 1ケース部材がその開口を上にした状態で載置さ れ、 次いでその第 1ケース部材内に形成された嵌合穴内に回転軸部材の第 1ケー ス部材側端 35が第 1軸受けを介して嵌め入れることによりその回転軸部材が立設 され、 次に、 その回転軸部材の第 2ケース部材側端部すなわち上端部に第 2軸受 が嵌め付けられた状態で、 開口を下に向けた第 2ケース部材が上方から下降させ られ、 この下降過程で上記第 2軸受か第 2ケース部材に設けられた大径穴内に嵌 め入れられるとともに、 第 2ケース部材の開口が第 1ケース部材の開口と組み合 わせられ且つボルトなどで締着される。

ところで、 上記シムは、 回転軸部材を回転可能に支持する第 1軸受および第 2 軸受に所定のスラスト方向の隙間を埋めるための複数種類の厚み寸法から選択さ れた円環状の板材であって、 第 2軸受の内輪に干渉しないようにその外輪と同様 の径方向寸法を備えて構成されることから、 第 2軸受の上に載置されただけでは シムを芯出しすることができず、 組み付けに際しては、 第 2ケース部材に設けら れた大径穴内に予め嵌め入れられた状態でグリスなどによって貼り着けられる。 このため、 組み付けに際して、 開口が下向きとなるように第 2ケース部材が反転 させられると、 シムがずれたり落下したりして組付作業不能や部品折損を発生さ せるおそれがあった。 また、 落下しないように何らかの方法で第 2ケース部材に 固定するようにすると、 複雑な形状となるという不都合があつた。

本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、 その目的とするところ は、 回転軸部材の組み付けに際して、 シムがずれたり落下したりしない回転軸部 材支持装置を提供することにある。 発明の開示 かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、 第 1ケース部材と 第 2ケース部材とを相互の開口が相対向する状態でふさがれるように組み合わせ ることにより構成されるハウジングと、 そのハウジング内において該第 1ケース 部材と第 2ケース部材とに第 1軸受および第 2軸受を介してそれぞれ回転可能に 支持される回転軸部材とを備え、 その第 2ケース部材には、 小径穴とその小径穴 と同心でその小径穴よりも大径である大径穴とから成る段付穴が形成され、 前記 第 1軸受の外輪はその大径穴に嵌合され且つシムを介してその大径穴と前記小径 穴との間の段付面に当接させられ、 前記回転軸部材の第 2ケース部材側端部はそ の第 2軸受の内輪を通して突き出す形式の回転軸部材支持装置であつて、 前記シ ムは、 前記第 2軸受の外輪と前記段付面との間で挟持される被挟持部と、 その被 挟持部に一体的に設けられて組付時に前記第 I軸受の外輪上に載置されたとき該 第 2軸受を貫通する前記回転軸部材の第 1ケース部材側端部に対して芯出しをす る芯出部とを備えることにある。

このようにすれば、 シムは、 前記第 2軸受の外輪と前記段付面との間で挟持さ れる被挟持部を備えるとともに、 それに加えて、 その被挟持部に一体的に設けら れて組付時に前記第 2軸受の外輪上に載置されたとき該第 1軸受を貫通する前記 回転軸部材の第 2ケース部材側端部に対して芯出しをする芯出部を備えているこ とから、 回転軸部材支持装置の組み付けに際して、 第 1ケース部材に立設された 回転軸部材の第 1ケース部材側端部に嵌め着けられた第 1軸受上にシムが載置さ れると、 そのシムの芯出部によってシムが回転軸部材に対して芯出しされるので 、 シムがずれたり落下したりすることがなくなり、 予めシムをグリスなどで第 2 ケース部材の大径穴内に張り付ける必要がなくなって、 組付作業不能や部品折損 を発生させるおそれが角军消される。

ここで、 好適には、 前記シムは、 前記被挟持部としての円環状の外周部と、 該 外周部の内周側に一体的に設けられて前記回転軸部材の第 2ケース部材側端部の 径ょりもわずかに大きい径の位置決め穴を有する内周部とを備えるものである。 このようにすれば、 シム構造が簡単となる。 また好適には、 その内周部には、 潤 滑油を容易に貫通させるための複数個の油穴が設けられる。

また、 好適には、 前記回転軸部材の第 2ケース部材側端部は、 前記第 2軸受の 内周輪を貫通させられるとともに前記小径穴内に受け入れられるものであり、 前記シムの位置決め穴の径を D 1、 該シムの外径を D 2、 該シムの内周部の厚 みを t、 前記回転軸部材の第 2ケース部材側端部の径を d、 前記小径穴の径を D 3、 前記回転軸部材の第 2ケース部材側端部に嵌められた前記シ厶の傾斜角を Θ とするとき、 次式（1) および (2) を満足するものである。 このようにすれば、 た とえシムの嵌め入れ作業にばらつきが生じて斜めとされても、 シムが小径穴内に 嵌め入れられない角度となる利点がある。

t - tan Θ = Ό 1一 d /cos θ · · · (1)

D 3 < D 2 cos Θ · · · (2)

また、 好適には、 前記シムの内周部の前記第 2軸受の内輪と対向する面は、 該 内輪との千渉を回避するために該シ厶の外周部よりも前記第 2ハウジング側へ変 形させられているものである。 このようにすれば、 シムと第 2軸受の内輪との干. 渉が好適に防止される。

また、 好適には、 前記シムの内周部は該シムの外周部よりも小さな厚みであつ て、 そのシムはその厚み方向の中心線に対して対象となる断面形状を備えたもの である。 このようにすれば、 シムの裏表がなくなり、 誤った作業が防止されて作 業が容易となる。 図面の簡単な説明 図 1は、 本発明の回転軸部材支持装置が適用されたハイプリッ ド車両用動力伝 達装置の組立状態を示す図である。

図 2は、 図 1のハイブリッ ド車両用動力伝達装置の要部であつて、 第 1カウン タギヤ軸を回転可能に支持する回転軸部材支持装置に対応する部分の構成を示す 断面図である。

図 3は、 図 1および図 2に用いられたシムの構成を説明する正面図である。 図 4は、 図 1および図 2に用いられたシムの構成を説明する断面図である。 図 5は、 図 3および図 4のシムの寸法形状を説明する図である。

図 6は、 本発明の他の実施例のシムを説明するための要部断面図であって、 図

2の 1部に相当する図である。

図 7は、 本発明の他の実施例のシムを説明するための要部断面図であって、 図

2の 1部に相当する図である。 図 8は、 本発明の他の実施例のシムを説明するための要部断面図であって、 図 2の 1部に相当する図である。 発明を実施するための最良の形態 実施例 1

図 1および図 2は、 本発明の回転軸支持装置が適用された車両用動力伝達装置

1 0の要部であって、 組付過程を示す図および組付け完了状態をそれぞれ示して- いる。 この車両用動力伝達装置 1 0は、 たとえばハイブリツ ド車両に好適に用い られるものであって、 第 1ケース部材 1 2と第 2ケース部材 1 4とが相互の開口 が相対向する状態で相互にふさがれるように組み合わせることにより構成される ハウジング 1 6を備えている。 このハウジング 1 6の組み立て時には、 図 1に示 すように、 開口が上向きとなるように第 1ケース部材 1 2が図示しない組立台の 上に載置され、 開口が下向きとなるように図示しない吊下げ装置により吊り下げ られて相互の開口が相対向する状態とされ、 この状態で第 2ケース部材 1 4が下 降させられてハウジング 1 6が組み立てられる。

上記第 1ケース部材 1 2内には、 第 1モータジヱネレー夕 1 8と、 その第 1モ 一夕ジェネレータ 1 8に連結されたサンギヤ、 図示しないエンジンに連結された キヤリャ、 第 1スプロケッ 卜 2 0に連結されたリングギヤからなる遊星歯車装置 2 2と、 その第 1スプロケッ ト I 0と伝動チヱ一ン 2 4を介して作動的に連結さ れた第 1カウンタギヤ軸 （回転軸部材） 1 6と、 その第 1カウンタギヤ軸 2 6と 嚙み合う第 2カウンタギヤ軸 2 8と、 その第 2カウンタギヤ軸 2 8と嚙み合う差 動歯車装置 3 0とが、 互いに平行な軸心まわりに回転可能となるように軸受を介 してそれぞれ予め組み付けられている。 第 1カウンタギヤ軸 2 6、 第 2カウンタ ギヤ軸 2 8、 差動歯車装置 3 0は、 それらの軸心方向の両端部に軸受か嵌め着け られており、 第 1ケース部材 1 2側の軸受がその第 1ケース部材 1 2内に設けら れた嵌合穴に嵌め入れられることにより、 第 1ケース部材 1 2内にそれぞれ立設 されている。 第 1カウンタギヤ軸 2 6、 第 2カウンタギヤ軸 2 8、 差動歯車装置 3 0の第 2ケース部材 1 4側の軸受は、 その第 2ケース部材 1 4が下降させられ たときにその第 2ケース部材 1 4内に設けられた嵌合穴に嵌め入れられるように なっている。

図 1に詳しく示すように、 たとえば、 上記第 1力ゥンタギヤ軸 I 6は、 伝動チ ヱ一ン 2 4が巻き掛けられる第 2スプロケッ 卜 3 2と、 第 2カウンタギヤ軸 2 8 と嚙み合うための歯車 3 4とを一体的に備え、 第 1ケース部材 1 2側の軸端には 第 1軸受 3 6が嵌め着けられ、 第 2ケース部材 1 4側の軸端には第 2軸受 3 8が 嵌め着けられている。 第 1カウンタギヤ軸 2 6の第 2ケース部材 1 4側端部はそ. の第 2軸受 3 8の内輪 3 8 uを通して突き出している。 上記第 1カウンタギヤ軸 2 6は円管状を成しており、 潤滑油の流れを導くために第 2ケース部材 1 4から 突設された突起 4 8がその第 1カウンタギヤ軸 2 6の第 2ケース部材 1 4側の中 央穴内に差し入れられている。

第 2ケース部材 1 4が下降させられたときにその第 2軸受 3 8が嵌め着けられ るように第 2ケース部材 1 4内に設けられた嵌合穴 4 0は、 小径穴 4 2とその小 径穴 4 2と同心でその小径穴 4 2よりも大径である大径穴 4 4とから成る段付穴 から構成されている。 組付完了時には、 第 2軸受 3 8の外輪 3 8 sがその大径穴

4 4に嵌合されるとともに、 組付前に第 2軸受 3 8の上に載置されたシム 5 0介 して上記大径穴 4 4と小径穴 4 2との間の段付面 4 6に当接させられるようにな つている。 本実施例では、 第 1ケース部材 1. 2および第 2ケ一ス部材 1 4と、 そ れらに嵌め付けられた第 1軸受 3 6および第 2軸受 3 8とが、 第 1カウンタギヤ 軸 2 6を回転可能に支持するための回転軸部材支持装置に対応している。

上記シム 5 0は、 図 3および図 4に詳しく示すように円環板状を成し、 第 2軸 受 3 8の外輪 3 8 sと段付面 4 6との間で挟持あるいは挟圧される外周部すなわ ち被挟持部 5 2と、 その被挟持部 5 2の内周側に一体的に設けられて組付時に第 2軸受 3 8の外輪 3 8 s上に載置されたときその第 2軸受 3 8を貫通する第 1力 ゥンタギヤ軸 2 6の第 2ケース部材 1 4側軸端部に対して芯出しをするための内 周部である芯出部 5 4とを備えている。 この芯出部 5 4は、 第 1カウン夕ギヤ軸 2 6の第 2ケース部材 1 4側軸端部に対して芯出しをするためにその外径よりも 僅かに大きく第 1ケース部材 1 2と第 2ケース部材 1 4とが組み合わされた後に はカウンタ軸 2 6と干渉しない程度の径の位置決め穴すなわち中心穴 5 .6と、 第 2軸受 3 8の内輪 3 8 uとの緩衝を回避するためにシム 5 0の外周部である被挟 持部 5 2よりも小さな厚みと、 潤滑油の移動を阻害しないための複数個 （本実施 例では 8個） の貫通穴 5 8とを備えている。 また、 上記シム 5 0は、 その厚み方 向の中心線 Cに対して対象となる断面形状を備えている。

また、 図 5に示すように、 上記シム 5 0において、 そのシム 5 0の位置決め穴 として機能する中心穴 5 6の径を D 1、 そのシム 5 0の外径すなわち被挟持部 5 + 2の外径を D 2、 そのシム 5 0の内周部すなわち芯出部 5 4の厚みを t、 前記第 1カウンタギヤ軸 2 6の第 2ケース部材 1 4側軸端部の径を d、 前記小径穴 4 2 の内径を D 3、 第 1 カウンタギヤ軸 2 6の第 2ケース部材 1 4側軸端部に嵌めら れたときのシム 5 0の傾斜角を 0とするとき、 次式（1) および (2) を満足するよ うに、 中心穴 5 6の径 D 1、 被挟持部 5 2の外径 D 2、 芯出部 5 4の厚み t、 第 1カウンタギヤ軸 2 6の第 2ケース部材 1 4側軸端部の径 d、 小径穴 4 2の内径 D 3がそれぞれ設定され形成されている。 t - tan Θ = Ό 1 - d /cos θ · · · (1)

D 3 < D 2 cos Θ · · · (2) 上記シム 5 0は、 その挟持部 5 2が複数種類の厚みを備えたものが予め用意さ れ、 最も適した厚みが選択されて用いられる。 たとえば、 第 1ケース部材 1 2の 組合せ面 F 1から第 2軸受 3 8の外輪 3 8 sまでの高さ H 1が測定されるととも に、 第 ケース部材 1 4の組合せ面 F 1から段付面 4 6までの高さ H 2が測定さ れ、 それら高さの差 Δ Η ( = H 2 - H 1 ) に対応するシム 5 0が選択されて用い られる。 通常、 被挟持部 5 2の厚みが上記 Δ Ηと同じか或いは Δ Ηよりも僅かに 小さな厚みを有するシム 5 0が選択される。

以上のように構成された車両用動力伝達装置 1 0では、 シム 5 0は、 第 2軸受 3 8の外輪 3 8 sと段付面 4 6との間で挟持される被挟持部 5 2を備えるととも に、 それに加えて、 その被挟持部 5 2の内周側に一体的に設けられて組付時に第 2軸受 3 8の外輪 3 8 s上に載置されたときその第 2軸受 3 8の内輪 3 8 uを貫 通する第 1力ゥンタギヤ軸 2 6の第 2ケース部材 1 4側軸端部に対して芯出しを する芯出部 5 4を備えていることから、 回転軸部材支持装置の組み付けに際して 、 第 1ケース部材 1 2に立設された第 1 カウンタギヤ軸 2 6の第 2ケース部材 1 4側軸端部に嵌め着けられた第 2軸受 3 8の外輪 3 8 s上にシム 5 0が載置され ると、 そのシム 5 0の芯出咅 5 4によってシム 5 0が第 1カウン夕ギヤ軸 2 6に 対して芯出しされるので、 シム 5 0がずれたり或いは落下したりしないすること がなくなり、 予めシム 5 0をグリスなどを用いて第 2ケース部材 1 4の大径穴 4 4内に張り付ける必要がなくなって、 組付作業不能や部品折損を発生させるおそ れが解消される。

また、 本実施例では、 シム 5 0は、 円環状の外周部である被挟持部 5 2と、 そ の被挟持部 5 2の内周側に一体的に設けられて第 1 カウンタギヤ軸 2 6の第 2ケ —ス部材 1 4側軸端部の径 dよりもわずかに大きい径 D 1の中心穴 （位置決め穴 ) 5 6を有する芯出部 5 4とを備えるものであることから、 シム 5 0の構造が簡 単となる。 また、 その芯出部 5 4には、 潤滑油を容易に貫通させるための複数個 の貫通穴 （油穴） 5 8が設けられているので、 潤滑油の流通が確保される。 また、 本実施例では、 第 1 カウンタギヤ軸 2 6の第 2ケース部材 1 4側軸端部 は、 第 2軸受 3 8の内周輪 3 8 uを貫通させられるとともに小径穴 4 2内に受け 入れられるものであり、 シム 5 0の位置決め用中央穴 5 6の内径を D 1、 シム 5 0の外径を D 2、 シム 5 0の内周部である芯出部 5 4の厚みを t、 前記回転軸部 材の第 1ケース部材側端部の径を d、 前記小径穴の径を D 3、 第 1カウンタギヤ 軸 2 6の第 2ケース部材 1 4側軸端部に嵌められたシム 5 0の傾斜角を 0とする とき、 前記式（1) および (2) を満足するものであることから、 たとえシム 5 0の 嵌め入れ作業にばらつきが生じて組付けに際して斜めの状態とされても、 シム 5 0が小径穴 4 2内に嵌め入れられない角度となる利点がある。

また、 本実施例では、 シム 5 0の内周部の第 2軸受 3 8の内輪 3 8 uと対向す る面すなわち芯出部 5 4の第 2軸受 3 8側表面は、 その内輪 3 8 uとの干渉を回 避するためにシム 5 0の被挟持部 （外周部） 5 2よりも第 2ケース部材 1 4側へ 変形させられているので、 シム 5 0と第 2軸受 3 8の内輪 3 8 uとの干渉が好適 に防止される。

また、 本実施例では、 シム 5 0の内周部である芯出部 5 4はシム 5 0の外周部 よりである被挟持部 5 2も小さな厚みであって、 そのシ厶 5 0はその厚み方向の 中心線 C対して対象となる断面形状を備えたものであることから、 シム 5 0の裏 表がなくなり、 誤った作業が防止されて作業の信頼性が高められるとともに、 作 業が容易となつて作業能率が高められる。 実施例 2

次に、 本発明の他の実施例を説明する。 なお、 以下の説明において前述の実施 例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。

図 6は、 本発明の他の実施例のシム 6 0が第 2軸受 3 8の外輪 3 8 sと段付面 4 6との間で挟持されている状態を示している。 シム 6 0は、 円環状の被挟持部 6 2と、 その内側において第 1ケース部材 1 4側へ所定寸法だけずらされた状態 で一体的に設けられた芯出部 6 4とを備えている。 このシム 6 0は、 その内周部 である芯出部 6 4の第 2軸受 3 8側表面すなわち第 2軸受 3 8の内輪 3 8 uと対 向する面は、 その内輪 3 8 uとの干渉を回避するためにシム 6 0の被挟持部 （外 周部） 6 2よりも第 2ケース部材 1 4側へ変形させられているので、 前述の実施 例と同様の効果が得られる。 また、 本実施例によれば、 シム 6 0はたとえば一枚 の円板に塑性加工 （プレス加工） を施すことにより簡単に製造でき、 安価となる 利点がある。 実施例 3

図 7のシム 7 0は、 前述のシム 5 0或いは 6 0の円環状の被挟持部 5 2或いは 6 2に対応する形状を備えたものであり、 シム 7 0と第 2軸受 3 8の内輪 3 8 u との間の緩衝を防止するために、 第 2軸受 3 8の外輪 3 8 sの軸心方向寸法が内 輪 3 8 uよりも大きく形成されている。 実施例 4

図 8のシム 8 0は、 前述のシム 5 0或いは 6 0の円環状の被挟持部 5 2或いは 6 2に対応する形状であって、 被挟持部 5 2或いは 6 2の外周縁から軸心方向に 直角に曲成された円環状突起 8 2を備えるとともに、 第 2軸受 3 8の外輪 3 8 s の外周緣には、 その円環状突起 8 2と係合する円環状の溝 8 4が形成されている 。 本実施例のシム 8 0では、 その円環状突起 8 2と第 2軸受 3 8の外輪 3 8 sに 形成された円環状の溝 8 4との係合によって芯出しが行われる。 なお、 上記円環- 状突起 8 2は被挟持部 5 2或いは 6 2の内周縁から軸心方向に直角に曲成され、 第 2軸受 3 8の外輪 3 8 sの内周緣には、 その円環状突起 8 2と係合する円環状 の溝 8 4が形成されてもよい。 ' 以上、 本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、 本発明はこ れに限定されるものではなく、 更に別の態様においても実施される。

例えば、 前述の実施例では、 ハイプリッ ド車両に用いられる車両用動力伝達装 置 1 0に適用された回転軸部材支持装置が説明されていたが、 自動変速機、 無段 変速機、 トランスファ装置など、 他の装置に適用されてもよい。

また、 前述の実施例では、 回転軸部材として第 1力ゥンタギヤ軸 2 6が説明さ れていたが、 他の目的或いは機能を達成するための回転軸であってもよい。

また、 前述の実施例のシム 5 0、 6 0などでは、 円環状の被挟持部 5 2 , 6 2 および芯出部 5 4、 6 4が備えられていたが、 完全に円環状でなくてもよく、 断 続的な円環状であってもよい。

その他、一々例示はしないが、 本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において 、 種々の変更が加えられて実施されるものである。

Claims

請求の範囲 第 1ケース部材と第 1ケース部材とを相互の開口が相対向する状態でふさが れるように組み合わせることにより構成されるハウジングと、 該ハウジング内に おいて該第 1ケース部材と第 ケース部材とに第 1軸受および第 1軸受を介して それぞれ回転可能に支持される回転軸部材とを備え、 該第 2ケース部材には、 小 径穴と該小径穴と同心で該小径穴よりも大径である大径穴とから成る段付穴が形 成され、 前記第 2軸受の外輪は該大径穴に嵌合され且つシムを介して該大径穴と · 前記小径穴との間の段付面に当接させられ、 前記回転軸部材の第 2ケース部材側 端部は該第 1軸受の内輪を通して突き出す形式の回転軸部材支持装置であつて、 前記シムは、 前記第 2軸受の外輪と前記段付面との間で挟持される被挟持部と 、 該被挟持部に一体的に設けられて組付時に前記第 1軸受の外輪上に載置された とき該第 2軸受を貫通する前記回転軸部材の第 1ケース部材側端部に対して芯出 しをする芯出部とを備えることを特徴とする回転軸部材支持装置。

2 . 前記シムは、 前記被挟持部としての円環状の外周部と、 該外周部の内周側に 一体的に設けられて前記回転軸部材の第 2ケース部材側端部の径ょりもわずかに 大きレ、径の位置決め穴を有する内周部とを備えることを特徴とする回転軸部材支 持装置。

3 . 前記回転軸部材の第 2ケース部材側端部は、 前記第 2軸受の内周輪を貫通さ せられるとともに前記小径穴内に受け入れられるものであり、

前記シムの位置決め穴の径を D 1、 該シムの外径を D 2、 該シムの内周部の厚 みを t、 前記回転軸部材の第 2ケース部材側端部の径を d、 前記小径穴の径を D

3、 前記回転軸部材の第 2ケース部材側端部に嵌められた前記シムの傾斜角を S とするとき、 次式（1) および (2) を満足するものである請求項 2の回転軸部材支 持装置。

t - tan Θ = Ό 1 - d /cos θ · · · (1)

D 3 < D 2 cos Θ · · · (2)

4 . 前記シムの内周部の前記第 2軸受の内輪と対向する面は、 該内輪との干渉を 回避するために該シムの外周部よりも前記第 2ハウジング側へ変形させられてい るものである請求項 1乃至 3のいずれかの回転軸部材支持装置。

5 . 前記シムの内周部は該シムの外周部よりも小さな厚みであって、 該シムはそ の厚み方向の中心線に対して対象となる断面形状を備えたものである請求項 4の 回転軸部材支持装置。

6 . 前記シムの内周部は、 潤滑油を流通させるための 1個または複数個の貫通穴 を備えたものである請求項 2乃至 5のいずれかの回転軸部材支持装置。

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