WO2004110593A1 - 空気清浄機、機能性フィルターおよびその製造方法、空気清浄フィルターおよび装置 - Google Patents

Description

明細書 空気清浄機、 機能性フィルタ一およびその製造方法、 空気清浄フィルターおよび 装置 技術分野

本発明は、 ダニや花粉等によるアレルゲンを低減することのできる空気清浄機 に関するものである。 また、 本発明は、 空気中または水中の浮遊微粒子の捕集フ ィルターおよびその製造方法に関し、 捕集した微粒子物質の有害性を抑制する機 能性フィルタ一とその簡便な製造方法に関するものである。 また、 本発明は、 空 気中および水中の浮遊微粒子の捕集フィルターおよびその装置に関し、 捕集した 微粒子物質の有害性を抑制する空気清浄フィルターとその用途に関するものであ る。 背景技術

従来、 この種の空気清浄機として、 前面から汚染空気を吸い込み上面から清浄 空気を吹き出すものが知られている （例えば特公昭 6 3 - 4 5 6 0 7号公報の第 2頁〜第 3頁、第 4図を参照)。以下、その空気清浄機について図 6を参照しなが ら説明する。

図 6に示すように、 吸込口 1 0 1を前面に有し、 上面に上方に向いた吹出口 1 0 2を設け、 内部に送風装置 1 0 3を収容した本体ケース 1 0 4と吸込口 1 0 1 に設けられるフィル夕一 1 0 5により構成して,いた。

また、 ダニや花粉等のアレルゲンを低減化することのできるアレルゲン低減化 剤については知られている （例えば特開 2 0 0 3 - 8 1 7 2 7号公報の [ 0 0 3 3 ]、 表 1を参照)。

このような従来の空気清浄機の構成では、 吸込口 1 0 1を本体ケース 1 0 4の 略前面全体に設け、 上面の吹出口 1 0 2より上: ¾"に吹き出すものであるため、 本 体ケース 1 0 4前面の吸込口 1 0 1からたばこの煙や浮遊粉塵を吸い込みフィル ター 1 0 5に捕集できるが、 室内の床面に落ちた花粉および綿ぼこり等に含まれ るダニの死骸やふん等は吸い込みにくく、 人の動きなどで床面のほこりが舞い上 がると人体に悪影響を与え、 フィルター 1 0 5に捕集した場合でも完全には不活 化できないという課題があつた。

また、 従来、 この種のフィル夕一はダニ'花粉 ·細菌 ·カビ ·ウィルス等の浮 遊有害物質を、 濾過、 フィルター捕集している。 このようなフィル夕一は、 ダニ や花粉等のアレルゲン性を有する蛋白質、 あるいは細菌やウィルスなどの有害物 質を捕集し、 捕集した有害物質を不活化するものとして、 空気清浄機や換気装置 への応用展開が図られている。

しかしながら、 特開 2 0 0 0— 5 5 3 1号公報ゃ特開 2 0 0 3— 8 1 7 2 7号 公報に記載の抗アレルゲン剤をフィルタ一に添着させてなる抗アレルゲンフィル 夕一は単独では抗アレルゲン作用をもつに過ぎず、 抗菌 ·防カビ作用や着色など のためには別途加工する必要があるという問題があった。

また、 特開 2 0 0 3— 3 3 6 1 2号公報に記載のアレルゲン不活化方法は、 捕 集したアレルゲン物質をステンレス製面発熱体で加熱し、 蛋白変性を起こさせて 不活化処理を行うものである。 しかしながら、 加熱手段という付帯設備 '機器が いるとともに、 省エネルギー性に反するという問題があつた。

また、 特開 2 0 0 1— 8 9 9 7 4号公報に抗菌性繊維は、 繊維表面に細菌増殖 を抑制する物質を水溶性ポリマーで固定したものである。 固定化のためには水溶 性のポリマ一あるいは水溶液中でラテックスとなるポリマーを用いる必要があり、 水中で沈殿を起こすような物質が混在する場合には適用できないために、 加工で きる素材が限定されるという問題があつた。

そこで本発明は、 従来の課題を解決するもので、 床面近傍にある花粉やダニの 死骸などを効率良く吸い込み、 抗アレルギー特性を長期間発揮できる空気清浄機 を提供することを目的とする。

また、 本発明は、 空気中または水中の浮遊微粒子の捕集フィルタ一およびその 製造方法に関し、 捕集した微粒子物質の有害性を抑制する機能性フィルターとそ の簡便な製造方法を提供することを目的とする。

また、 本発明は、 空気中および水中の浮遊微粒子の捕集フィルターおよびその 装置に関し、 捕集した微粒子物質の有害性を抑制する空気清浄フィル夕一とその 用途を提供することを目的とする。 発明の開示

本発明は、 上記従来の課題を解決するために、 吸込口と吹出口を形成し、 内部 に送風手段を設けた本体と、 この本体内に設けられる送風手段の空気流路に配設 される芳香族ヒドロキシルイ匕合物を具備した抗アレルゲンフィルターとを備え、 前記本体に設けられる吸込口を床面に沿って吸込空気流が形成されるように前面 下方部に設けたものである。

また、 芳香族ヒドロキシル化合物をポリ一 4一ビニルフエノ一ルにより構成し たものである。

また、 吹出口を本体の両側面に設けたものである。

また、 本体の下方部に設けられるほこりセンサと、 このほこりセンサでほこり を検出したときに、 前記本体の運転を自動的に行う構成としたものである。 また、 本体の側面に補助吸込口を設けたものである。

また、 本体の側面に設けられる補助吸込口の前方に、 前方側より前記補助吸込 口が直視できないように前記本体の側面より突出する遮へい部を設けたものであ る。

また、 本体の内部に設けられる脱臭フィルターと、 前記本体の上部に設けられ るガスセンサとを備え、 前記ガスセンサによりガスを検出したときに、 前記本体 の運転を自動的に行う構成としたものである。

上記課題を解決する本発明の処理液は、 水溶性材料と非水溶性材料を、 水とセ 口ソルブ類および Zまたはカルビトール類の混合溶媒に溶解および Zまたは分散 させて調製したことを特徴としたものである。

また、 水溶性材料と非水溶性材料が、 抗菌性を有する素材、 防力ビ性を有する 素材、 抗ウィルス性を有する素材、 抗アレルゲン性を有する素材、 着色剤として 用いられる素材、 吸湿性を有する素材の中から選ばれる 2つ以上の素材を混合し たものであることを特徴としたものである。

また、 水溶性材料が力テキン類であることを特徴としたものである。

また、 非水溶性材料が高分子フェノール性水酸基を有する高分子抗ァレルゲン 剤であることを特徴としたものである。

また、 水とセロソルブ類および Zまたはカルビトール類の混合溶媒に含まれる セロソルブ類およぴンまたはカルビトール類の比率 (容量比)が 2 0 %から 9 9 % の間であることを特徴としたものである。

また、 本発明の機能性フィルターの製造方法は、 上記の処理液をフィルタ一基 材に添着した後、 乾燥することを特徴としたものである。

また、 上記の処理液をフィルターの空隙率の高い部分に塗布した後、 乾燥する ことを特徴としたものである。

また、 本発明の機能性フィル夕一の製造方法は、 上記の処理液に繊維原料を浸 漬し、 乾燥して得られた繊維をフィルター形状に加工することを特徴としたもの である。 '

また、 乾燥温度が 1 5 0 °C以下であることを特徴としたものである。

また、 本発明の機能性フィル夕一は、 上記の方法で製造したことを特徴とした ものである。

また、 本発明の加湿フィル夕一は、 上記の処理液を吸水性のフィル夕一基材で 形成されたフィルターに塗布したことを特徴としたものである。

また、 本発明の装置は、 上記の機能性フィルタ一および Zまたは上記の加湿フ ィルタ一を空気の吸込口と吹出口の間に配してなることを特徴としたものである。 また、 フィル夕一の後段に集塵フィルタ一を設けてなることを特徴としたもの である。

また、 装置が空気清浄装置、 換気装置、 加湿装置、 加温装置、 除湿装置、 布団 乾燥機、 エアコンのいずれかであることを特徴としたものである。

また、 本発明の水処理装置は、 上記の機能性フィルタ一および Zまたは上記の 加湿フィル夕一を水の吸込口と排出口の間に配してなることを特徴としたもので ある。

また、上記の処理液を本体の外枠表面に塗布したことを特徴としたものである。 また、 本発明のマスクは、 上記の機能性フィル夕一から構成されることを特徴 としたものである。

また、 本発明の機能性フィルタ一は、 着色剤として用いられる素材を含有する 処理液を用いて着色させたことを特徴としたものである。

また、 本発明の装置は、 着色剤として用いられる素材を含有する処理液を用い て着色させたことを特徴としたものである。

上記課題を解決する本発明の空気清浄フィルタ一は、 抗アレルゲン性を有する 素材、 抗菌性を有する素材、 抗ウィルス性を有する素材、 防力ビ性を有する素材 の中から選ばれる 2つ以上の素材を添着させたことを特徴としたものである。 また、 抗アレルゲン性を有する素材が、 高分子フエノール性水酸基を有する抗 アレルゲン剤であることを特徴としたものである。

また、 抗ウィルス性を有する素材として力テキン類を含むことを特徴としたも のである。

また、 抗菌性を有する素材として酵素類を含むことを特徴としたものである。 また、 着色剤として用いられる素材を用いて着色したことを特徴としたもので ある。

また、 空気清浄フィルターへの素材の添着量が 0 . 1から 1 0 gZm²の範囲 であることを特徴としたものである。

また、 素材がフィルターの空隙率の高い部分に塗布されていることを特徴とし たものである。

また、 本発明の装置は、 上記の空気清浄フィルターを空気の吸込口と吹出口の 間に配してなることを特徴としたものである。

また、 空気清浄フィルターの後段に集塵フィルターを設けてなることを特徴と したものである。

また、 装置が空気清浄装置、 換気装置、 加湿装置、 加温装置、 除湿装置、 布団 乾燥機、 エアコンのいずれかであることを特徵としたものである。

また、 本発明のマスクは、 上記の空気清浄フィルタ一から構成されることを特 徴としたものである。 図面の簡単な説明

第 1図は、 本発明の空気清浄機の構成を示す縦断面図である。

第 2図は、 同空気清浄機の右側から見た斜視図である。 第 3図は、 同空気清浄機の左側から見た斜視図である。

第 4図は、 同空気清浄機の送風手段構成を示す断面図である。

第 5図は、同空気清浄機の補助吸込口と遮へい部の関係を示す横断面図である。 第 6図は、 従来の空気清浄機の断面図である。

第 7図は、 実施例 5における処理液の合計添着量と集塵効率の関係を示すダラ フである。

第 8図は、 実施例 6における空気清浄装置の概略断面図である。

第 9図は、 実施例 7における換気装置の概略断面図である。

第 1 0図は、 実施例 8におけるマスクの概略図である。

第 1 1図は、 実施例 9における加湿装置の概略断面図である。

第 1 2図は、 実施例 1 0における加温装置または布団乾燥機の概略断面図であ る。

第 1 3図は、 実施例 1 1におけるエアコンの概略断面図である。 発明を実施するための最良の形態

請求の範囲第 1項に記載の発明は、 吸込口と吹出口を形成し、 内部に送風手段 を設けた本体と、 この本体内に設けられる送風手段の空気流路に配設される芳香 族ヒドロキシルイ匕合物を具備した抗アレルゲンフィルタ一とを備え、 前記本体に 設けられる吸込口を床面に沿って吸込空気流が形成されるように前面下方部に設 けたことにより、 床面上または床面から舞い上がる花粉やダニの死骸などが効率 良く吸込口に吸い込まれ、 抗ァレルゲンフィルタ一により 7レルギ一活性を不活 化するという作用を有する。

請求の範囲第 2項に記載の発明は、 芳香族ヒドロキシル化合物をポリ— 4—ビ ニルフエノールにより構成したことにより、 フィルターに水分が付着しても長期 間安定した抗アレルギー効果を発揮できる作用を有する。

請求の範囲第 3項に記載の発明は、吹出口を本体の両側面に設けたことにより、 本体の側面から吹き出された気流は、 部屋の壁面に沿って流れて循環し、 床面近 傍に浮遊するアレルゲン物質を含むほこり等を吸込口に案内する作用を有する。 請求の範囲第 4項に記載の発明は、本体の下方部に設けられるほこりセンサと、 このほこりセンサでほこりを検出したときに、 前記本体の運転を自動的に行う構 成としたことにより、 人の移動等に伴ない舞い上がるほこり等をほこりセンサで 即座に検出して空気清浄機をタイミング良く運転することができる。

請求の範囲第 5項に記載の発明は、 本体の側面に補助吸込口を設けたことによ り、 本体の前面側だけでなく、 側面側からも吸い込むことにより、 室内に舞い上 がるほこり等を広範囲に取り込むことができ、 室内のアレルギー物質をさらに少 なくすることができる。

請求の範囲第 6項に記載の発明は、 本体の側面に設けられる補助吸込口の前方 に、 前方側より前記補助吸込口が直視できないように、 前記本体の側面より突出 する遮へい部を設けたことにより、 補助吸込口から発生する騒音を遮へい部で遮 音することができるとともに、 汚れ易い補助吸込口が前方から直視できないよう にしてデザィン性の向上を図ることができる。

請求の範囲第 7項に記載の発明は、本体の内部に設けられる脱臭フィルタ一と、 前記本体の上部に設けられるガスセンサとを備え、 前記ガスセンサによりガスを 検出したときに、 前記本体の運転を自動的に行う構成としたことにより、 上方に 拡散し易いガス成分を、 本体の上部に設けたガスセンサで即座に検出して空気清 浄機をタイミング良く運転することができ、 たばこの臭いやアンモニア臭等を効 果的に除去することができる。

本発明の機能性フィル夕一の製造方法は、 水溶性材料と非水溶性材料を、 水と セロソルブ類および Zまたはカルビ卜一ル類の混合溶媒に溶解および Zまたは分 散させて調製した処理液をフィル夕―に塗布した後、 乾燥することを特徴とした ものである。 水とセロソルブ類および Zまたはカルビトール類の混合溶媒を用い ることにより、 水溶性材料とセロソルブ類溶媒および Zまたはカルビトール類、 あるいは非水溶性材料と水を混合したときに生ずる沈殿を発生させることなく、 水溶性材料と非水溶性材料を溶解および Zまたは分散させた処理液を調製するこ とができる。 処理液をフィル夕一に塗布した後、 乾燥させることにより、 一回の 加工で水溶性材料と非水溶性材料をフィルターに添着させることができる。 セロソルブ類としては、 ェチルセ口ソルブ、 ブチルセ口ソルブ、 セロソルブァ セテートなどが挙げられ、 アルキル基を有するものが好ましく、 特にプチル基を 有するプチルセ口ソルブが好ましレ^カルビ! ^一ル類では、メチルカルビトール、 ェチルカルビ! ル、 プチルカルビトール、 プチルカルビトールアセテート、 力 ルビトールアセテート、 酢酸カルビトールなどが挙げられ、 アルキル基を有する ものが好ましく、 特にブチル基を有するプチルカルビトールが好ましい。

水とセロソルブ類および Zまたはカルビトール類の混合割合は特に限定される ものではないが、 セロソルブ類および Zまたはカルビトール類の混合率 （体積比 率） が 2 0 %から 9 9 %の範囲であることが望ましく、 さらに好ましくは 2 5 % から 6 0 %である。 水とセロソルブ類および/またはカルビトール類の合計量を 超えない範囲で、 エチルアルコールゃィソプロピルアルコール等の低級アルコー ル類、 エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコール類、 アセトン等を単 独で、 または複数種類を組みあわせて混合しても良い。

水とセロソルブ類および Zまたはカルビトール類の混合溶媒に溶解および Zま たは分散される水溶性材料および非水溶性材料としては、 抗菌性を有する素材、 防力ビ性を有する素材、 抗ウィルス性を有する素材、 抗アレルゲン性を有する素 材、 着色剤として用いられる素材、 P及湿性を有する素材などが挙げられる。 水溶 性材料および非水溶性材料の含有量は、 1 0 %から 4 0 %が好ましく、 さらに好 ましくは 1 0 %から 2 0 %である。

上記抗菌性を有する素材としては、 銀 ·銅 ·亜鉛などの金属イオンを溶出する 無機化合物、 銀 ·銅 ·亜鉛の金属微粒子、 ヨウ素化合物類、 フエノール類、 第 4 アンモニゥム塩類、 イミダゾ一ル化合物類、 安息香酸類、 過酸化水素、 クレゾ一 ル、 クロルへキシジン、 ィルガサン、 アルデヒド類、 ソルビン酸、 等の薬剤ゃリ ゾチーム ·セルラーゼ ·プロテア一ゼなどの酵素製剤、 カテキン類、 竹抽出物、 ヒノキ抽出物、 わさび抽出物、 からし抽出物などの天然成分抽出物などが挙げら れる。

上記防力ビ性を有する素材としては、 有機窒素化合物 ·硫黄系化合物、 有機酸 エステル類、 有機ヨウ素系イミダゾール化合物、 ベンザゾール化合物などが挙げ られる。

上記抗ウィルス性を有する素材としては、 銀 ·銅 ·亜鉛などの金属イオンを溶 出する無機化合物、銀'銅 '亜鉛の金属微粒子、低級アルコール類、カテキン類、 ヒノキチオールなどが挙げられる。

カテキン類としては、 ェピガロカテキンガレ一ド、 ェピカテキンガレード、 ェ ピガロカテキン 、 ェピカテキン、 （+ ) カテキン およびこれらの属性体、 遊離 型テアフラビン、 ェアフラビンモノガレ一ド八、 ェアフラビンモノガレ一ド B並 びにェアフラビンジガレードなどが有効であり、 緑茶 ·紅茶 ·柿などから成分抽 出することによって得られる。

上記抗アレルゲン性を有する素材としては、 タンニン酸、 ヒドロキシ安息香酸 系化合物、 芳香族ヒドロキシ化合物、 またはその塩、 または重合体、 アルカリ金 属の炭酸塩、 明礬、 ラウリルベンゼンスルホン酸塩、 ラウリル硫酸塩、 ポリオキ シエチレンラウリルエーテル硫酸塩、 カテキン類などが挙げられる。 なお、 蛋白 性アレルゲン物質としては、 ダニの死骸、 糞またはそれらの粉砕されたもの、 あ るいは、 花粉、 細菌、 カビ、 ペットの老廃物、 その他蛋白屑等がある。

上記着色剤として用いられる素材としては、 水とセロソルブ類および Zまたは カルビトール類の混合溶媒において沈殿生成や相分離などの不具合を生じない公 知の顔料や染料を用いることができる。 顔料としては、 ァゾ系、 ポリアゾ系、 ァ ンスラキノン系、 キナクリドン系、 イソインドリン系、 イソインドリノン系、 フ タロシアニン系、 ペリレン系、 D P P系、 蛍光顔料などの有機顔料や、 カーボン ブラック、 合成シリカ、 酸ィ匕クロム、 酸化鉄、 酸化チタン、 焼成顔料、 硫化亜鉛 などの無機顔料が挙げられる。 染料としては、 アルコール可溶性染料、 油溶性染 料、 蛍光染料、 集光性染料などが挙げられる。

上記吸湿性を有する素材としては、 ポリエーテルエステル系ポリマー、 ポリエ 一テルエステルアミド系ポリマー、 ポリビエルピロリドン系ポリマー、 ポリェチ レンォキサイド架橋物等の吸湿性ポリマーのほか、 シラン力ップリング剤系架橋 物、 シリカゲルゃゼオライト等の各種無機化合物などが挙げられる。 また、 潮解 性をもつカチオン系 ·ァニオン系 ·ノニオン系の界面活性剤を混合することも有 効である。

上記処理液のフィルタ一基材への塗布方法は、 ディップ法 ·スプレー法 ·ダラ ビア印刷法などが挙げられ、 対象とするフィルタ一基材の厚みや表面の濡れ性に 応じて適宜選択することができる。 処理液を塗布するフィルタ一基材は、 不織布 を所望の大きさに切断したフィル夕一基材や、 接着剤ゃ熱融着で所望の大きさに 成型したフィルタ一基材ゃ樹脂製のハニカム形状フィルタ一基材などを用いるこ とができる。 繊維原料を処理液に浸漬し、 乾燥して得られた繊維を紡糸した後、 編込みでフィルター形状に加工してもよい。

本発明の機能性フィルタ一基材の材質としては、 ポリプロピレン、 ポリエチレ ン、 ポリエステル、 ポリアミド等の有機系繊維とガラス、 ケィ酸マグネシウム、 アルミナなどの無機系繊維、 綿等の天然繊維、 紙、 樹脂含浸紙などが挙げられる が、 処理液と反応して溶解 ·変形などを起こさない材質であれば特に限定される ものではない。 また、 発泡ウレタン、 発泡スチレンなどのような発泡樹脂、 発泡 アルミニウム、 発泡チタン、 発泡鉄などの発泡金属類のように空気が流通できる 連続した気孔を有するようなものであれば同様に使用することが可能である。 本発明の機能性フィルタ一の乾燥方法は、 自然乾燥でもよいし、 加熱してもよ いし、減圧して溶剤を蒸発させる方法でもよい。しかしながら、高温での乾燥は、 フィルタ一繊維の収縮に伴う変形や処理液中の素材の変質を起こす恐れがあるた め 1 5 0で以下の温度が好ましく、さらに好ましくは 1 0 0 °C以下の温度である。 本発明の機能性フィルタ一は、 抗菌性を有する素材、 防力ビ性を有する素材、 抗ウィルス性を有する素材、 抗アレルゲン性を有する素材、 着色剤として用いら れる素材、 P及湿性を有する素材の中から選ばれる 2つ以上の素材がフィルターに 添着されているため、空気中または水中に浮遊しているダニ ·花粉'細菌 ·力ビ · ウィルス等の浮遊有害物質を、 濾過、 フィル夕一捕集し、 捕集した有害物質を不 活化することができる。 添着される素材は捕集して不活化したい物質に応じて適 宜選択することができる。

また、 処理液の中に着色剤を同時に混合することにより、 フィルタ一を視覚的 違和感のない、 かつ、 色彩面で意匠的自由度のあるデザインにすることができる という効果が得られる。

さらに吸湿性を有する素材を同時に混合することにより、 空気中の水分をフィ ルター上に凝縮す'ることができるようになるため、抗菌 ·防力ビ ·抗ァレルゲン · 抗ウィルスの作用を有する有効成分を効率的に溶出して有害物質と接触させ、 不 活化させることができる。 本発明のフィルタ一基材の密度が均一でなく、 空隙率が高い部分と低い部分が ある場合には、 高い部分に処理液を塗布することが望ましい。 ここで空隙率とは 単位体積あたりの重量の大きさをいい、 空隙率が大きいほどフィルター繊維間の 隙間が大きいことを示す。 空隙率の高い部分に処理することによって、 フィル夕 —の圧力損失の上昇が抑えられ、 同時に有害物質の捕集効率をあげるという作用 を得ることができる。

本発明の機能性フィル夕一は、 上記の効果をもたせた添着フィルターを単独で 用いても良いし、 後段により目の細かい集塵フィルターを設けても良い。 後段に より目の細かい集塵フィルターを用いる場合には、 フィルターに強度をもたせる ためにそれぞれを接着することができる。 風を通すことにより、 添着フィルター と集塵フィル夕一が物理的に接触する場合には、 両者を重ねあわせるだけでも良 い。

以上のように製造された機能性フィルタ一は、 例えば空気清浄装置や換気装置 や加湿装置や加温装置などの空気の吸込み口と吹出し口の間に配して用いられる。 これらの装置によって、 室内の空気を浄化し、 真菌症 ·細菌感染 ·インフルェン ザ等のウィルス感染を予防するという作用を得ることができる。

また、 以上のように製造された機能性フィルターをマスクの一部または通風部 全体に設置することにより、 ダニ ·花粉 ·細菌 ·カビ ·ウィルス等の浮遊有害物 質が人体に吸入されることを防ぎ、 真菌症 ·細菌感染 ·インフルエンザ等のウイ ルス感染を予防するという作用を得ることができる。

本発明の加湿フィル夕一は、 抗菌性を有する素材、 防力ビ性を有する素材、 抗 ウィルス性を有する素材、 抗アレルゲン性を有する素材、 着色剤として用いられ る素材、 吸湿性を有する素材の中から選ばれる 2つ以上の素材が吸水性のフィル 夕一基材に添着されている。吸水性のフィルタ一基材の一部を水中に浸漬する力、、 上部から水を供給することにより、フィルターを通過する空気を加湿すると共に、 空気中および水中に浮遊しているダニ ·花粉 ·細菌 ·力ビ ·ウィルス等の浮遊有 害物質を、 濾過、 フィルタ一捕集し、 捕集した有害物質を不活化することができ る。 添着される素材は捕集して不活化したい物質に応じて適宜選択することがで きる。 また、 着色剤を同時に混合することにより、 フィルターを視覚的違和感の ない、 かつ、 色彩面で意匠的自由度のあるデザインにすることができるという効 果が得られる。

本発明の空気清浄フィルタ一は、 抗アレルゲン性を有する素材、 抗菌性を有す る素材、 抗ウィルス性を有する素材、 防力ビ性を有する素材の中から選ばれる 1 つ以上の素材がフィル夕一に添着されているため、 空気中に浮遊しているダニ · 花粉 ·細菌 ·カビ ·ウィルス等の浮遊有害物質を、 濾過、 フィルター捕集し、 捕 集した有害物質を不活化することができる。 添着される素材は捕集して不活ィ匕し たい物質に応じて適宜選択することができる。

上記抗アレルゲン性を有する素材としては、 タンニン酸、 ヒドロキシ安息香酸 系化合物、 芳香族ヒドロキシ化合物、 またはその塩、 またはその重合体、 アル力 リ金属の炭酸塩、 明礬、 ラウリルベンゼンスルホン酸塩、 ラウリル硫酸塩、 ポリ ォキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、 カテキン類などが挙げられる。 なお、 蛋白性アレルゲン物質としては、ダニの死骸、糞またはそれらの粉砕されたもの、 あるいは、 花粉、 細菌、 カビ、 ペットの老廃物、 その他蛋白屑等がある。

上記抗ウィルス性を有する素材としては、 銀 ·銅 ·亜鉛などの金属イオンを溶 出する無機化合物、銀 ·銅 ·亜鉛の金属微粒子、低級アルコ一ル類、カテキン類、 ヒノキチオールなどが挙げられる。

カテキン類としては、 ェピガロカテキンガレード、 ェピカテキンガレ一ド、 ェ ピガロカテキン 、 ェピカテキン、 （+ ) カテキンおよびこれらの属性体、 遊離 型テアフラピン、 ェアフラビンモノガレード八、 ェアフラビンモノガレード b並 びにェアフラビンジガレ一ドなどが有効であり、 緑茶 ·紅茶 ·柿などから成分抽 出することによって得られる。

上記抗菌性を有する素材としては、 銀 ·銅 ·亜鉛などの金属イオンを溶出する 無機化合物、 銀 ·銅 ·亜鉛の金属微粒子、 ヨウ素化合物類、 フエノール類、 第 4 アンモニゥム塩類、 イミダゾ一ル化合物類、 安息香酸類、 過酸化水素、 クレゾ一 ル、 クロルへキシジン、 ィルガサン、 アルデヒド類、 ソルビン酸、 等の薬剤ゃリ ゾチーム ·セルラ一ゼ'プロテアーゼなどの酵素製剤、 カテキン類、 竹抽出物、 ヒノキ抽出物、 わさび抽出物、 からし抽出物などの天然成分抽出物などが挙げら れる。 上記防力ビ性を有する素材としては、 有機窒素化合物 ·硫黄系化合物、 有機酸 エステル類、 有機ヨウ素系イミダゾ一ル化合物、 ベンザゾール化合物などが挙げ られる。

空気清浄フィルターへの素材の添着量は、 少なすぎると抗ァレルゲン性 ·抗菌 性 ·抗ウイルス性 ·防力ビ性などの機能が十分発揮できず、 多すぎるとフィル夕 一の圧力損失が高くなり通気性が低下して空気中の有害物質を十分捕集すること ができず、 また装置に搭載した際に消費電力の増加や騒音の発生などの問題の原 因となる。フィルターへの添着量は、 0 . 1から 1 0 gZm²の範囲が好ましく、 さらに好ましくは 1から 5 gZm²である。

上記素材のフィルタ一への添着方法は、 ディップ法 ·スプレー法 ·グラビア印 刷法などが挙げられ、 対象とするフィルターの厚みや表面の濡れ性に応じて適宜 選択することができる。 素材を溶解および Zまたは分散させた処理液を塗布する フィルタ一は、 不織布を所望の大きさに切断したフィルタ一や、 接着剤や熱融着 で所望の大きさに成型したフィルタ一や樹脂製のハニカム形状フィルターなどを 用いることができる。 繊維原料を処理液に浸漬し、 乾燥して得られた繊維を紡糸 した後、 編込みでフィルター形状に加工してもよい。

素材を添着するフィルタ一基材の材質としては、 ポリプロピレン、 ポリエチレ ン、 ポリエステル、 ポリアミド等の有機系繊維とガラス、 ケィ酸マグネシウム、 アルミナなどの無機系繊維、 綿等の天然繊維、 紙、 樹脂含浸紙などが挙げられる が、 処理液と反応して溶解 ·変形などを起さない材質であれば特に限定されるも のではない。 また、 発泡ウレタン、 発泡スチレンなどのような発泡樹脂、 発泡ァ ルミ二ゥム、 発泡チタン、 発泡鉄などの発泡金属類のように空気が流通できる連 続した気孔を有するようなものであれば同様に使用することが可能である。 本発明の空気清浄フィルターの乾燥方法は、 自然乾燥でもよいし、 加熱しても よいし、 減圧して溶剤を蒸発させる方法でもよい。 材質が繊維などの有機系の場 合、 高温での乾燥は、 フィルタ一繊維の収縮に伴う変形や処理液中の素材の変質 を起こす恐れがあるため 1 5 0 °C以下の温度が好ましく、 さらに好ましくは 1 0 0 °C以下の温度である。 無機系あるいは金属系の材質の場合は、 材質の形状が保 持できる範囲の温度での処理が可能である。 本発明のフィル夕一基材の密度が均一でなく、 空隙率が高い部分と低い部分が ある場合には、 高い部分に処理液を塗布することが望ましい。 ここで空隙率とは 単位体積あたりの重量の大きさをいい、 空隙率が大きいほどフィルター繊維間の 隙間が大きいことを示す。 空隙率の高い部分に処理することによって、 フィル夕 一の圧力損失の上昇が抑えられ、 同時に有害物質の捕集効率をあげるという作用 を得ることができる。

また、 素材を添着する際に着色剤を同時に混合することにより、 フィルターを 視覚的違和感のない、 かつ、 色彩面で意匠的自由度のあるデザインにすることが できるという効果が得られる。

上記着色剤として用いられる素材としては、 公知の顔料や染料を用いることが できる。 顔料としては、 ァゾ系、 ポリアゾ系、 アンスラキノン系、 キナクリドン 系、 イソインドリン系、 イソインドリノン系、 フタロシアニン系、 ペリレン系、

D P P系、 蛍光顔料などの有機顔料や、 カーボンブラック、 合成シリカ、 酸化ク ロム、 酸化鉄、 酸化チタン、 焼成顔料、 硫化亜鉛などの無機顔料が挙げられる。 染料としては、 アルコール可溶性染料、 油溶性染料、 蛍光染料、 集光性染料など が挙げられる。

本発明の空気清浄フィル夕一は、 上記の効果をもたせた添着フィルターを単独 で用いても良いし、 後段により目の細かい集塵フィルターを設けても良い。 後段 により目の細かい集塵フィル夕一を用いる場合には、 フィルターに強度をもたせ るためにそれぞれを接着することができる。 風を通すことにより、 添着フィルタ —と集塵フィルターが物理的に接触する場合には、 両者を重ねあわせるだけでも 良い。

本発明の空気清浄フィルターを製造する際に使用する素材を溶解および Zまた は分散させた処理液はどのようなものであってもよいが、 素材として水溶性材料 と非水溶性材料を双方含む場合は、 水とセロソルブ類および Zまたはカルビト一 ル類の混合溶媒に溶解および Zまたは分散させて調製した処理液を使用すること が望ましい。 水とセロソルブ類および Zまたはカルビトール類の混合溶媒を用い ることにより、 水溶性材料とセロソルブ類溶媒および Zまたはカルビトール類、 あるいは非水溶性材料と水を混合したときに生ずる沈殿を発生させることなく、 水溶性材料と非水溶性材料を溶解および/または分散させた処理液を調製するこ とができる。 セロソルブ類としては、 ェチルセ口ソルブ、 プチルセ口ソルブ、 セ 口ソルブアセテートなどが挙げられ、 アルキル基を有するものが好ましく、 特に ブチル基を有するプチルセ口ソルブが好ましい。 カルビ] ^一ル類では、 メチルカ ルビトール、 ェチルカルビトール、 ブチルカルピトール、 プチルカルビトールァ セテート、 カルピ 1 ^一ルアセテート、 酢酸カルビ] ルなどが挙げられ、 アルキ ル基を有するものが好ましく、 特にブチル基を有するプチルカルビトールが好ま しい。

以上のように製造された空気清浄フィルタ一は、 例えば空気清浄装置や換気装 置や加湿装置や加温装置などの空気の吸込み口と吹出し口の間に配して用いられ る。 これらの装置によって、 室内の空気を浄化し、 真菌症 ·細菌感染 ·インフル ェンザ等のウィルス感染を予防するという作用を得ることができる。

また、 以上のように製造されたフィルターをマスクの一部または通風部全体に 設置することにより、 ダニ '花粉 '細菌'カビ 'ウィルス等の浮遊有害物質が人 体に吸入されることを防ぎ、 真菌症 ·細菌感染 ·インフルエンザ等のウィルス感 染を予防するという作用を得ることができる。 実施例

以下、 本発明を実施例にて詳細に説明するが、 本発明は、 以下の記載に何ら限 定して解釈されるものではない。

(実施例 1 )

図 1〜図 5に示すように、 内部に送風手段 1を設けた本体 2の前面下方部に本 体 2の設置されている床面 3に沿って吸込空気流が形成される吸込口 4と本体 2 の両側面に吹出口 5を設ける。

送風手段 1の空気流路に抗アレルゲンフィルター 6と脱臭フィルター 7を配置 する。 抗アレルゲンフィルタ一 6はポリ— 4一ビニルフエノ一ルからなる芳香族 ヒドロキシル化合物をガラス繊維製の高性能フィルターに塗布したものであるが、 フィルタ一は不織布、 エレクトレットフィル夕一、 ハニカムフィルタ一、 へパフ ィルターなどに使用可能であり、 必要に応じて適宣選択できるものである。 また、 本体 2の側面に補助吸込口 8を設け、 補助吸込口 8の前方に前方側より 補助吸込口 8が直視できないように本体 2の側面より突出する遮へい部 9を設け る。 本体 2の下方部にほこりセンサ 1 0を設け、 このほこりセンサ 1 0で検出し たときに本体 2に組み込まれた送風手段 1を自動的に運転するように設ける。 また、 本体 2の上部にガスセンサ 1 1を設け、 ガスセンサ 1 1でガスを検出し たときには本体 2の内部に設けた送風手段 1を自動的に運転し、 本体 2の内部に 設けた脱臭フィルター 7により脱臭を行うように構成する。

上記構成において、 空気清浄機の本体 2が設置されている床面 3近傍に花粉や ほこり等の存在がほこりセンサ 1 0で検出されると、 ほこりセンサ 1 0からの信 号を受け制御部 （図示せず） を介して送風手段 1が自動的に運転される。 このと き本体 2の下方部に設けた吸込口 4により、床面 3に沿う吸込空気流が形成され、 床面 3近傍の花粉やほこり等が吸込口 4に吸い込まれ、 本体 2内に設けた抗ァレ ルゲンフィル夕一 6により、ほこり内にある花粉およびダニの死骸等が捕集され、 抗ァレルゲンフィルター 6で不活化されることとなる。

また、 たばこの煙やアンモニアガス等を本体 2の上部に設けたガスセンサ 1 1 で検出されると、 ガスセンサ 1 1からの信号を受け制御部を介して送風手段 1が 自動的に運転され、 本体 2内に設けた脱臭フィルタ一 7によりたばこの臭いや、 アンモニア臭等を除去することとなる。

このように本発明の実施例 1の空気清浄機によれば、 P及込口 4と吹出口 5を形 成し、 内部に送風手段 1を設けた本体 2内に送風手段 1の空気流路に配設される 芳香族ヒドロキシルイ匕合物を具備した抗アレルゲンフィル夕一 7を設け、 本体 2 に設けられる吸込口 4を空気清浄機の本体 2の設置される床面 3に沿って吸込空 気流が形成されるように前面下方部に設けることにより、 室内の床面 3に落ちた あとに舞い上がる花粉や綿ぼこり等に含まれるダニの死骸やふんを、 本体 2の下 方部から効率良く吸い込み、抗ァレルゲンフィル夕一 7で不活化することができ、 ほこりが再飛散した場合にもアレルギ一活性の不活化を維持することができる。 また、 芳香族ヒドロキシル化合物を、 ポリ一 4—ビニルフエノールにより構成 することにより、 フィルターに水分が付着してもフィルターからポリ一 4—ビニ ルフエノールは脱離せず、 長期間安定した抗アレルゲン効果をもたらすことがで きる。 ，

また、 吹出口 5を本体 2の両側面に設けたことにより、 吹出口 5から吹き出さ れた 2つの気流が左右の壁面に沿って流れ吸込口 4に循環されることとなり、 床 面 3上に浮遊するアレルゲン物質を含むほこり等を吸込口 4に有効に案内するこ とができる。

また、 本体 2の下方部にほこりセンサ 1 0を設け、 ほこりセンサ 1 0がほこり を検出したときに、 本体 2を自動的に運転する構成としたことにより、 床面 3よ り舞い上がるほこりをほこりセンサ 1 0で検出して本体 2が自動的に運転される こととなり、 タイミング良くァレルゲン物質を除去することができる。

また、 本体 2の側面に補助吸込口 8を設けたことにより、 室内に浮遊するほこ りを床面上の 3方向に渡る広範囲から吸い込むことができ、 室内のァレルゲン物 質を更に少なくすることができる。

また、 本体 2の側面に設けられる補助吸込口 8の前方に、 前方側より補助吸込 口 8が直視できないように本体 2の側面より突出する遮へい部 9を設けたことに より、 補助吸込口 8から発生する騒音が遮へい部 9で遮音されるとともに、 補助 吸込口 8の汚れが本体 2の前方から直視されなくなり、 清潔な感じの外観を呈す ることでデザィン性の向上も図ることができる。

また、 本体 2の内部に脱臭フィルター 7を設け、 本体の上部にガスセンサ 1 1 を設け、 ガスセンサ 1 1によりガスを検出したときに本体 2の運転を自動的に行 うことにより、 ガスセンサ 1 1により検出されたガスは脱臭フィルター 7で脱臭 され、 ガス成分のたばこの臭いや、 アンモニア臭の除去がタイミング良く効果的 に行うことができる。

以上の実施例から明らかなように、 本発明によれば吸込口と吹出口を形成し、 内部に送風手段を設けた本体と、 この本体内に設けられる送風手段の空気流路に 配設される芳香族ヒドロキシルイヒ合物を具備した抗アレルゲンフィルタ一とを備 え、 前記本体に設けられる吸込口を床面に沿つて吸込空気流が形成されるように 前面下方部に設けたので、 床面近傍に存在する花粉やダニの死骸を含むほこり等 を効率良く吸い込み、 アレルギー活性を不活ィヒできる空気清浄機を提供できる。 また、 芳香族ヒドロキシル化合物をポリ一 4一ビニルフエノールにより構成し たので、 長期間安定した抗アレルゲン効果をもたらすことができる。

また、 吹出口を本体の両側面に設けたので、 床面近傍に舞い上がったアレルゲ ン物質を含むほこり等を吸込口側へ案内することができ、 効率良くアレルゲン物 質を除去できる。

また、 本体の下方部に設けられるほこりセンサと、 このほこりセンサでほこり を検出したときに、 前記本体の運転を自動的に行う構成としたので、 タイミング 良く空気清浄機を運転してァレルゲン物質を除去することができる。

また、 本体の側面に補助吸込口を設けたので、 広範囲からほこりを吸い込むこ とができ、 室内のアレルゲン物質をさらに少なくすることができる。

また、 本体の側面に設けられる補助.吸込口の前方に前方側より前記補助吸込口 が直視できないように前記本体の側面より突出する遮へい部を設けたので、 補助 吸込口から発生する騒音を低減し、 補助吸込口の汚れが見えず清潔な外観を呈す ることによりデザィン性の向上も図れる。

また、 本体の内部に設けられる脱臭フィルタ一と、 前記本体の上部に設けられ るガスセンサとを備え、 前記ガスセンサにより悪臭成分などのガスを検出したと きに、 前記本体の運転を自動的に行う構成としたので、 空気清浄機をタイミング 良く運転することができ、 たばこの臭いやアンモニア臭等に対しても効果的に除 去することができる。

(実施例 2 )

水溶性材料と非水溶性材料の混合

表 1に示すように、 水溶性材料と非水溶性材料の混合を行った。 成分は溶媒に 対し 1 5 %の割合 （容量比） で混合した後、 ミキサーで 1分間攪拌を行い、 攪拌 後の溶液の状態を目視で観察した。

単一成分の溶媒では、 水溶性材料と非水溶性材料が混在すると沈殿の発生や 2 相分離や少量しか溶解できないという状態がみられた。 沈殿の発生や 2相分離し た状態の混合液では、 フィルタ一に塗布した場合に均一に塗ることができないた め実用には適さない。 また、 少量しか溶解できない場合、 1回の加工でフィルタ 一に少量の成分しか塗布できないため、 製造上のロスが大きかった。

プチルセ口ソルブと水の比率が 1 ： 1の混合溶媒の場合、 沈殿の発生や 2相分 離などの不具合をおこすことなく成分を溶解させた処理液を作ることができ、 フ ィルターに均一に塗布することができた。 プチルセ口ソルブの比率が上昇しても 処理液には沈殿が生じなかった。 逆に水の比率を上昇した場合、 1 ： 4よりも大 きくなつたときに成分の沈殿がみられた。 表 1

(比較例 1 ) 表 2

(実施例 3 )

フィル夕一への処理液の塗布と乾燥

カテキンとポリビニルフエノールを水 Zセロソルブ類の混合溶媒に 1 5 %濃度 (容量比） で溶解した処理液に、 ポリエステル系不織布のフィルターを浸漬させ た。 フィル夕一を処理液から引き上げ、 室温' 1 0 0 °C · 1 5 0 · 2 0 0 °Cで それぞれ乾燥させた。 室温乾燥ではフィル夕一面が手で触れて液が付着しない程 度に乾くまでに約 4時間かかった。 1 0 0 °C乾燥では 1 5分で同程度の乾燥状態 になつた。 1 5 0で乾燥では 1 0分で同程度の乾燥状態になつたが一部に変色が みられた。 2 0 0 °Cでは 1 0分でフィルターの変色と収縮変形がみられた。 ポロ プロピレン製のハニカム状フィルタ一を用いた場合でも、 同様の結果となった。 (実施例 4 )

フィルターへの処理液の塗布と圧力損失の測定

ポリビニルフェノールと吸湿性ポリマーとカテキンを水とセロソルブ類の混合 溶媒に 1 5 %濃度 （容量比） で溶解させて調製した処理液を、 ポリプロピレン製 繊維にスプレーし、 1 0 0 °Cで 1 5分乾燥して機能性フィル夕一を製造した。 こ の機能性フィルターに各種の速度で空気を通風し、 圧力損失と集塵効率を測定し た。 表 3から明らかなように、 ポリビニルフエノールと吸湿性ポリマーと力テキ ンをフィルターに添着させたことにより、 無処理フィルターに比較して圧力損失 も集塵効率も僅かながら増加した。 表 3

(実施例 5 )

フィルターへの処理液の塗布部分と圧力損失の測定 繊維が密な形状 （空隙率小） をもつ集塵効率を上昇させるために用いられる集 塵フィルターと、 繊維が疎な状態 （空隙率大） であるが強度に優れる集塵フィル ターを貼り合わせたフィルタ一 （裏面が疎な状態） に、 実施例 4と同様の方法で ポリビニルフエノールと吸湿性ポリマーと力テキンを添着した。 各種の合計量お よび向きで添着させた機能性フィルターについて、 通風速度 0 . 5 m// sにおけ る集塵効率を測定した。 結果を図 7に示す。 図 7から明らかなように、 合計添着 量の増加に伴って集塵効率が増加した。 この際、 集塵濾材の空隙率が大きい面に 処理液を添着したフィルタ一の方が、 空隙率が小さい面に添着したフィルタ一に 比べて集塵効率が優れていた。

(実施例 6 )

図 8に示すように、 空気清浄装置 2 0 1は、 枠体 2 0 2内に機能性フィルター 2 0 3、 ファン 2 0 4、 吸い込み口 2 0 5、 吹き出し口 2 0 6、 外枠 2 1 3を備 えている。

有害汚染物質が混入している汚れた空気は、 空気清浄装置 2 0 1の吸い込み口 2 0 5から、 ファン 2 0 4により吸引され、 機能性フィルター 2 0 3に送られ、 有害汚染物質がフィルター濾過、 、净化され、 きれいな空気となって、 吹き出し口 2 0 6から排出、 供給される。

上記構成において、 機能性フィルター 2 0 3は、 ダニ ·花粉 ·細菌 ·力ビ ·ゥ ィルス等の浮遊有害物質を濾過、 吸着捕集除去し、かつダニ ·花粉 ·細菌 ·カビ · ウィルス等の浮遊有害物質を不活化する。 浮遊有害物質にあわせた不活化剤がフ ィル夕一に添着されていることにより、 効率の良い吸着除去と不活化が行われ、 有害性を持ったままでの再飛散を防止することができる空気清浄機を提供するこ とができる。

また、 空気清浄装置の外枠 2 1 3にはダニ ·花粉 ·細菌 ·カビ ·ウィルス等の 浮遊有害物質を不活化する成分がコーティングされている。 空気清浄装置を運転 した場合、 特にその吸込み口 2 0 5付近には浮遊有害物質が吸着しやすく、 その ため、何らかの衝撃で再飛散'空気汚染しゃすい状況にある。上記構成において、 空気清浄装置の外枠 2 1 3には、 ダニ ·花粉 ·細菌 ·力ビ ·ウィルス等の浮遊有 害物質を不活化する成分がコーティングされているため、 浮遊有害物質は吸込み 口 2 0 5付近に吸着した時に不活化され、 有害な物質の再飛散 ·空気汚染を防止 することができる。

(実施例 7 )

図 9に示すように、 換気装置 2 0 7は、 ダクト 2 0 8内に機能性フィルター 2 1 2、 送風機 2 0 9、 吸い込み口 2 1 0、 吹き出し口 2 1 1、 外枠 2 1 3を備え ている。

有害汚染物質が混入している汚れた空気は、 換気装置 2 0 7の吸い込み口 2 1 0から、 送風機 2 0 9により吸引され、 機能性フィルター 2 1 2に送られ、 有害 汚染物質がフィルター濾過、 浄化され、 きれいな空気となって、 吹き出し口 2 1 1から排出、 供給される。

上記構成において、 機能性フィルタ一 2 1 2は、 ダニ '花粉 ·細菌 ·力ビ ·ゥ ィルス等の浮遊有害物質を濾過、吸着捕集除去し、かつダニ '花粉'細菌 ·力ビ · ウィルス等の浮遊有害物質を不活化する。 浮遊有害物質にあわせた不活化剤がフ ィルターに添着されていることにより、 効率の良い吸着除去と不活化が行われ、 有害性を持ったままでの再飛散を防止することができる換気装置を提供すること ができる。 、

また、 換気装置の外枠 2 1 3にはダニ ·花粉 ·細菌 ·力ビ ·ウィルス等の浮遊 有害物質を不活化する成分がコーティングされている。換気装置を運転した場合、 特にその吸込み口 2 1 0付近には浮遊有害物質が吸着しやすく、 そのため、 何ら かの衝撃で再飛散 ·空気汚染しゃすい状況にある。 上記構成において、 換気装置 の外枠 2 1 3には、 ダニ ·花粉 ·細菌 ·カピ ·ウィルス等の浮遊有害物質を不活 化する成分がコーティングされているため、 浮遊有害物質は吸込み口 2 1 0付近 に吸着した時に不活化され、 有害な物質の再飛散 ·空気汚染を防止することがで さる。

(実施例 8 )

図 1 0に示すように、 マスク 2 1 4は機能性フィル夕一 2 1 5、 マスク補強部 2 1 6 a、 2 1 6 b、 およびバンド 2 1 7 a、 2 1 7 bを備えている。

有害汚染物質が混入している汚れた空気は、 マスク 2 1 4の機能性フィルター 2 1 5により、 有害汚染物質がフィル夕一濾過、 浄化される。 上記構成において、 機能性フィルター 2 1 5は、 ダニ '花粉 '細菌'カビ 'ゥ ィルス等の浮遊有害物質を濾過、吸着捕集除去し、 かつダニ '花粉 '細菌'力ビ ' ウィルス等の浮遊有害物質を不活化する。 浮遊有害物質にあわせた不活化剤がフ ィルターに添着されていることにより、 効率の良い吸着除去と不活化が行われ、 使用者が吸込む空気を清浄な状態に保つことができるマスクを提供することがで きる。

(実施例 9 )

図 1 1に示すように、 加湿装置 2 1 8はダクトまたは枠体 2 0 8内に加湿空気 清浄フィルター 2 1 9、 送風機 2 0 9、 吸い込み口 2 1 0、 吹き出し口 2 1 1、 水供給部 2 2 0、 外枠 2 1 3を備えている。

有害汚染物質が混入している汚れた空気は、 加湿装置 2 1 8の加湿空気清浄フ ィル夕一 2 1 9により、 加湿されると共に有害汚染物質がフィルター濾過、 浄ィ匕 される。

上記構成において、 加湿空気清浄フィルター 2 1 9は、 吸水性基材で構成され たフィルターの一部を水中に浸漬するか、 上部から水を供給することにより、 フ ィル夕一を通過する空気を加湿すると共に、 ダニ ·花粉 ·細菌 ·力ビ ·ウィルス 等の浮遊有害物質を濾過、 吸着捕集除去し、 かつダニ ·花粉 ·細菌 ·カビ ·ウイ ルス等の浮遊有害物質を不活化する。 浮遊有害物質にあわせた不活化剤がフィル 夕一に添着されていることにより、 効率の良い吸着除去と不活化が行われ、 加湿 しながら、 有害性物質の再飛散を防止することができる加湿装置を提供すること ができる。

(実施例 1 0 )

図 1 2に示すように、 加温装置または布団乾燥機 2 2 1は、 枠体 2 0 8内に送 風機 2 0 9、 吸い込み口 2 1 0、 吹き出し口 2 1 1、 機能性フィルタ一 2 1 2、 熱源 2 2 2、 外枠 2 1 3を備えている。

有害汚染物質が混入している汚れた空気は、 加温装置または布団乾燥機 2 2 1 の吸い込み口 2 1 0から、 送風機 2 0 9により吸引され、 機能性フィルタ一 2 1 2に送られ、 有害汚染物質がフィルター濾過、 浄化され、 きれいな空気となった 後、 熱源 2 2 2で温風となり吹き出し口 2 1 1から排出、 供給される。 ここで吹 き出し口 2 1 1に温風をためる袋を設け、 それを使って布団を乾燥する装置が布 団乾燥機である。

上記構成において、 機能性フィル夕一 2 1 2は、 ダニ '花粉'細菌 ·力ビ ·ゥ ィルス等の浮遊有害物質を濾過、 吸着捕集除去し、かつダニ ·花粉'細菌 ·力ビ · ウィルス等の浮遊有害物質を不活化する。 浮遊有害物質にあわせた不活化剤がフ ィルターに添着されていることにより、 効率の良い吸着除去と不活化が行われ、 有害性を持ったままでの再飛散を防止することができる加温装置または布団乾燥 機を提供することができる。

(実施例 1 1 )

図 1 3に示すように、 エアコン 2 2 3は、 枠体 2 0 8内に送風機 2 0 9、 吸い 込み口 2 1 0、 吹き出し口 2 1 1、 機能性フィルター 2 1 2、 熱交換器 2 2 4、 外枠 2 1 3を備えている。

有害汚染物質が混入している汚れた空気は、 エアコン 2 2 3の吸い込み口 2 1 0から、 送風機 2 0 9により吸引され、 機能性フィルタ一 2 1 2に送られ、 有害 汚染物質がフィルタ一濾過、 浄化され、 きれいな空気となった後、 熱交換器 2 2 4で熱交換して温風または冷風となり吹き出し口 2 1 1から排出、 供給される。 上記構成において、 機能性フィルター 2 1 2は、 ダニ ·花粉 ·細菌 '力ビ-ゥ ィルス等の浮遊有害物質を濾過、 吸着捕集除去し、かつダニ '花粉'細菌 ·力ビ · ウィルス等の浮遊有害物質を不活化する。 浮遊有害物質にあわせた不活化剤がフ ィルターに添着されていることにより、 効率の良い吸着除去と不活化が行われ、 有害性を持つたままでの再飛散を防止することができるエアコンを提供すること ができる。

(実施例 1 2 )

フィルタ一への処理液の塗布と乾燥

ポリビニルフエノールのエタノール溶液に、 ポリエステル系不織布のフィル夕 一を浸漬させた。フィルターを処理液から引き上げ、室温， 1 0 0 °C * 1 5 0 °C · 2 0 0 °Cでそれぞれ乾燥させた。 室温乾燥ではフィルタ一面が手で触れて液が付 着しない程度に乾くまでに約 4時間かかった。 1 0 0 °C乾燥では 1 5分で同程度 の乾燥状態になった。 1 5 0 °C乾燥では 1 0分で同程度の乾燥状態になったがー 部に変色がみられた。 2 0 0 では 1 0分でフィルタ一の変色と収縮変形がみら れた。 ポロプロピレン製のハニカム状フィルターを用いた場合でも、 同様の結果 となった。

上記処理したフィル夕一にカテキンと有機窒素系の防力ビ剤溶解させた水溶液 をスプレー塗布し、 抗菌 ·防カビ ·抗アレルゲン ·抗ウィルスフィル夕一を作成 した。

(実施例 1 3 )

フィルターの抗菌 ·防力ビ ·抗ウィルス ·抗アレルゲン性能の評価

実施例 1 2で作成したフィルターの大腸菌と黄色ブドウ球菌に対する効果を調 ベた。 1 0 ⁵個 m 1レベルの菌液をフィルタ一に接触させ、 2 4時間後の菌数 を調べたところ、 菌は検出されなかった。 同様の試験を無処理のフィルタ一で行 つたところ、 菌数の減少は見られなかった。.

実施例 1 2で作成したフィルタ一のカビに対する効果を調べた。 青カビの胞子 縣濁液を塗布した試験用培地に上記抗菌 ·防カビ ·抗アレルゲン ·抗ウィルスフ ィルターをのせ、 室温で 7日間培養した。 培養後のフィルター周辺およびフィル ター上には力ビ菌の生えない領域 （阻止円） が観察された。 同様の試験を無処理 のフィル夕一で行ったところ、 培地とフィルタ一一面に力ビが繁殖した。

実施例 1 2で作成したフィルターのウィルスに対する効果を調べた。 1 0 ⁷個 ノ m 1のィンフルェンザウィルスを含む試験液をフィル夕一に塗布し、 乾燥を防 ぐために密閉した状態で 6時間保管し、 その後フィルターからウィルス液を回収 した。 ウィルスの細胞への感染力を測定したところ、 2桁以上の感染力の低下が みられた。 無処理フィル夕一では、 自然減少とみられるわずかな感染力の低下が 見られた。

実施例 1 2で作成したフィルターの抗アレルゲン性能を調べた。 掃除機ごみか ら採取したダニアレルゲンを含む塵ごみをフィルタ一に載せ、 2 4時間保管した。 その後、 アサヒビ一ル薬品製のダニアレルゲン検出キット （製品名：ダニスキヤ ン） でァレルゲン性の評価を行つたところ、 ァレルゲン性の減少が認められた。 無処理フィルターおよび塵ごみでは、 高いアレルゲン性を示す結果が得られた。

(実施例 1 4 ) フィルターへの処理液の塗布と圧力損失の測定

ポリビニルフエノ一ルのエタノール溶液を、 ポリプロピレン製繊維にスプレー し、 1 0 0 °Cで 1 5分乾燥して空気清浄フィル夕一を製造した。 この空気清浄フ ィル夕一に各種の速度で空気を通風し、 圧力損失と集塵効率を測定した。 結果は 実施例 4の結果と同様であり、 ポリビニルフエノールをフィルターに添着させた ことにより、 無処理フィルターに比較して圧力損失も集塵効率も僅かながら増加 した。

(実施例 1 5 )

フィルタ一への処理液の塗布部分と圧力損失の測定

繊維が密な形状 （空隙率小） をもつ集塵効率を上昇させるために用いられる集 塵フィルターと、 繊維が疎な状態 （空隙率大） であるが強度に優れる集塵フィル ターを貼り合わせたフィルター （裏面が疎な状態） に、 実施例 1 4と同様の方法 でポリビニルフエノールを添着した。 各種の合計量および向きで添着させた空気 清浄フィル夕一について、 通風速度 0 . 5 m/ sにおける集塵効率を測定した。 結果は実施例 5の結果と同様であり、 合計添着量の増加に伴って集塵効率が増加 した。 この際、 集塵濾材の空隙率が大きい面に処理液を添着したフィルターの方 が、 空隙率が小さい面に添着したフィルターに比べて集塵効率が優れていた。

(実施例 1 6 )

実施例 6と同様の構成を有する空気清浄フィルタ一を備える空気清浄装置を作 製した。

(実施例 1 7 )

実施例 7と同様の構成を有する空気清浄フィルターを備える換気装置を作製し た。

(実施例 1 8 )

実施例 8と同様の構成を有する空気清浄フィル夕一を備えるマスクを作製した。 (実施例 1 9 )

実施例 1 0と同様の構成を有する空気清浄フィル夕一を備える加温装置または 布団乾燥機を作製した。

(実施例 2 0 ) 実施例 1 1と同様の構成を有する空気清浄フィルターを備えるエアコンを作製 した。 産業上の利用可能性

本発明は、 床面近傍にある花粉やダニの死骸などを効率良く吸い込み、 抗ァレ ルギー特性を長期間発揮できる空気清浄機、 捕集した微粒子物質の有害性を抑制 する機能性フィルタ一とその簡便な製造方法およびその用途、 捕集した微粒子物 質の有害性を抑制する空気清浄フィルターとその用途を提供することができる点 において産業上の利用可能性を有する。

Claims

請求の範囲

I . P及込口と吹出口を形成し、 内部に送風手段を設けた本体と、 この本体内に 設けられる送風手段の空気流路に配設される芳香族ヒドロキシル化合物を具備し た抗アレルゲンフィルターとを備え、 前記本体に設けられる吸込口を床面に沿つ て吸込空気流が形成されるように前面下方部に設けた空気清浄機。

2 . 芳香族ヒドロキシルイ匕合物をポリ一 4 _ビニルフエノールにより構成した 請求の範囲第 1項記載の空気清浄機。

3 . 吹出口を本体の両側面に設けた請求の範囲第 1項記載の空気清浄機。

4. 本体の下方部に設けられるほこりセンサと、 このほこりセンサでほこりを 検出したときに、 前記本体の運転を自動的に行う構成とした請求の範囲第 1項記 載の空気清浄機。

5 . 本体の側面に補助吸込口を設けた請求の範囲第 1項記載の空気清浄機。

6 . 本体の側面に設けられる補助吸込口の前方に、 前方側より前記補助吸込口 が直視できないように前記本体の側面より突出する遮へい部を設けた請求の範囲 第 5項記載の空気清浄機。

7 . 本体の内部に設けられる脱臭フィルターと、 前記本体の上部に設けられる ガスセンサとを備え、 前記ガスセンサによりガスを検出したときに、 前記本体の 運転を自動的に行う構成とした請求の範囲第 1項記載の空気清浄機。

8 . 水溶性材料と非水溶性材料を、 水とセロソルブ類および Zまたはカルビト ール類の混合溶媒に溶解おょぴンまたは分散させて調製したことを特徴とする処 理液。

9 . 水溶性材料と非水溶性材料が、 抗菌性を有する素材、 防力ビ性を有する素 材、 抗ウィルス性を有する素材、 抗アレルゲン性を有する素材、 着色剤として用 いられる素材、 吸湿性を有する素材の中から選ばれる 2つ以上の素材を混合した ものであることを特徴とする請求の範囲第 8項記載の処理液。

1 0 . 水溶性材料がカテキン類であることを特徴とする請求の範囲第 8項記載 の処理液。

I I . 非水溶性材料が高分子フェノール性水酸基を有する高分子抗ァレルゲン 剤であることを特徴とする請求の範囲第 8項記載の処理液。

1 2 . 水とセロソルブ類および Zまたはカルビトール類の混合溶媒に含まれる セロソルブ類および Zまたはカルビトール類の比率 (容量比)が 2 0 %から 9 9 % の間であることを特徴とする請求の範囲第 8項記載の処理液。

1 3 . 請求の範囲第 8項記載の処理液をフィルタ一基材に添着した後、 乾燥す ることを特徴とする機能性フィルターの製造方法。

1 4. 請求の範囲第 8項記載の処理液をフィルターの空隙率の高い部分に塗布 した後、 乾燥することを特徴とする請求の範囲第 1 3項記載の機能性フィル夕一 の製造方法。

1 5 . 請求の範囲第 8項記載の処理液に繊維原料を浸漬し、 乾燥して得られた 繊維をフィル夕一形状に加工することを特徴とする機能性フィルターの製造方法。

1 6 . 乾燥温度が 1 5 0 °C以下であることを特徴とする請求の範囲第 1 3項記 載の機能性フィルターの製造方法。

1 7 . 請求の範囲第 1 3項記載の方法で製造したことを特徴とする機能性フィ ルター。

1 8 . 請求の範囲第 8項記載の処理液を吸水性のフィル夕一基材で形成された フィルタ一に塗布したことを特徴とする加湿フィルタ一。

1 9 . 請求の範囲第 1 7項記載の機能性フィルターおよび Zまたは請求の範囲 第 1 8記載の加湿フィルタ一を空気の吸込口と吹出口の間に配してなることを特 徵とする装置。

2 0 . フィルターの後段に集塵フィル夕一を設けてなることを特徴とする請求 の範囲第 1 9項記載の装置。

2 1 . 装置が空気清浄装置、 換気装置、 加湿装置、 加温装置、 除湿装置、 布団 乾燥機、 エアコン、 熱交換機のいずれかであることを特徴とする請求の範囲第 1 9項記載の装置。

2 2 . 請求の範囲第 1 7項記載の機能性フィルターおよび Zまたは請求の範囲 第 1 8項記載の加湿フィル夕一を水の吸込口と排出口の間に配してなることを特 徵とする水処理装置。

2 3 . 請求の範囲第 8項記載の処理液を本体の外枠表面に塗布したことを特徴 とする請求の範囲第 1 9項記載の装置。

2 4. 請求の範囲第 1 7項記載の機能性フィルタ一から構成されることを特徴 とするマスク。

2 5 . 着色剤として用いられる素材を含有する請求の範囲第 8項記載の処理液 を用いて着色させたことを特徴とする請求の範囲第 1 7項記載の機能性フィル夕

2 6 . 着色剤として用いられる素材を含有する請求の範囲第 8項記載の処理液 を用いて着色させたことを特徴とする請求の範囲第 2 3項記載の装置。

2 7 . 抗アレルゲン性を有する素材、 抗菌性を有する素材、 抗ウィルス性を有 する素材、 防力ビ性を有する素材の中から選ばれる 2つ以上の素材を添着させた ことを特徴とする空気清浄フィル夕一。

2 8. 抗アレルゲン性を有する素材が、 高分子フエノール性水酸基を有する抗 ァレルゲン剤であることを特徴とする請求の範囲第 2 7項記載の空気清浄フィル

2 9. 抗ウィルス性を有する素材として力テキン類を含むことを特徴とする請 求の範囲第 2 7項記載の空気清浄フィルター。

3 0 . 抗菌性を有する素材として酵素類を含むことを特徴とする請求の範囲第

2 7項記載の空気清浄フィルター。

3 1 . 着色剤として用いられる素材を用いて着色したことを特徴とする請求の 範囲第 2 7項記載の空気清浄フィルター。

3 2 . 空気清浄フィルタ一への素材の添着量が 0 . 1から 1 0 gノ m²の範囲 であることを特徴とする請求の範囲第 2 7項記載の空気清浄フィルター。

3 3 . 請求の範囲第 2 7項記載の素材がフィル夕一の空隙率の高い部分に塗布 されていることを特徴とする空気清浄フィルター。

3 4. 請求の範囲第 2 7項記載の空気清浄フィルターを空気の吸込口と吹出口 の間に配してなることを特徴とする装置。

3 5 . 空気清浄フィルターの後段に集塵フィルターを設けてなることを特徴と する請求の範囲第 3 4項記載の装置。

3 6 . 装置が空気清浄装置、 換気装置、 加湿装置、 加温装置、 除湿装置、 布団 乾燥機、 エアコンのいずれかであることを特徴とする請求の範囲第 3 5項記載の 装置。

3 7 . 請求の範囲第 2 7項記載の空気清浄フィルターから構成されることを特 徵とするマスク。