明 細 書
2—ァミノ— 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体の製造方法 技術分野
本発明は、 医薬、 農薬等の重要な中間体である 2— (保護されていてもよ ぃァミノ) —3—ヒドロキシプロパン酸誘導体の製造方法およびその原料と なるォキシランカルボン酸の誘導体に関する。 背景技術
2 - (保護されていてもよいァミノ) — 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体 は、 医薬、 農薬等の中間体として使用されるほか、 種々のファインケミカル 誘導体の重要な中間体である。 同様にその原料となるォキシランカルボン酸 誘導体も、 医薬等の重要な中間体である。 その中でも、 特に光学活性なォキ シランカルボン酸誘導体から誘導される光学活性な 2— (保護されていても よいァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体は、 種々の医薬品の中間体 として使用されている。
従来、 ( 2 R * , 3 R *) — 2— (保護されていてもよいァミノ) 一3—ヒ ドロキシプロパン酸誘導体の製造法としては、 (1 ) シクロへキシルアルデ ヒドとグリシン誘導体からアルドール反応により合成する方法 (例えば、 Tetrahedron Lett., 1999, 40, 3843、 J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1995, 487 参照) や、 (2 ) ォキシランカルボン酸エステルまたはカルボン酸アミ ドを アジドまたはアルキルァミンで開環する方法(例えば、 Tetrahedron Lett., 1991, 32, 667、 J. Org. Chem., 1985, 50, 1560参照)等が知られている。また、 ( 3 ) クロトン酸を夕ングステン酸ナトリゥム触媒の存在下、 過酸化水素水でェポ キシ化する方法 (例えば、 J. Org. Chem., 1959, 24, 54参照) や、 (4 ) 2,
3—トランス一 4—メチルー 2—ペンテン酸からエポキシ化、 ベンジルアミ ンによるエポキシの開環反応、 続いてベンジル基を還元的に除去することに より、 /?ーヒドロキシロイシンを合成する方法(例えば、 J. Chem. Soc,, 1962, 1116参照) が知られている。
しかし、 (1 ) の方法では、 生成物が (2 R *, 3 R *) 体および (2 R *, 3 S *)体の混合物となり、 かつ主生成物は (2 R* , 3 S *)体であり、 分離 等の処理操作が煩雑であること、 また (2 ) の方法では、 生成するアジド体 またはアルキルァミン体をァミノ基にするための処理操作が必要となること や、 特にアジド体は安全性や毒性の面で問題があること等いずれも工業的に 満足のいく方法ではない。 また、 (3 ) および (4 ) の方法は、 本発明にお いて特に目的としている (2 R *, 3 R *) —2— (保護されていてもよいァ ミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体の合成にそのまま適用しても収率 が低い等の問題点があつた。
—方、 光学活性な 3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸の製造 法としては、 2 , 3—トランス一 3—シクロへキシルァリルアルコールに不 斉エポキシ化反応を行なった後、 生成した光学活性なエポキシアルコールを 酸ィ匕して光学活性なォキシランカルボン酸を製造する方法 (J. Org. Chem., 1985, 50, 1563、 Tetrahedron Lett., 1991, 32, 667参照) が知られている。 こ の方法は非常に優れているものの、 多段階を要し、 またォキシランカルビノ ールからォキシラン力ルポン酸への酸化が一般的に容易ではない。
また、 これまでラセミ体の 3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボン 酸の光学分割剤による光学分割法は報告されておらず、 さらに従来より、 力 ルボン酸類の光学分割剤としてよく知られている、 ブルシン、 シンコニン等 のアル力ロイド類またはフエニルェチルァミンでは、 3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸の光学分割剤としては不適当で、 満足のいく光学 分割ができなかった。
そこで、 (2 R*, 3 R*) - 2 - (保護されていてもよいァミノ) 一3— ヒドロキシプロパン酸誘導体を簡便に高収率で製造する方法、 およびその原 料である医薬等の中間体として有用な光学活性なォキシランカルボン酸誘導 体を高収率、 高光学純度で製造する方法が望まれていた。 発明の開示
本発明者らは、 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプ ロパン酸誘導体の製造方法および光学活性なォキシラン力ルポン酸誘導体を 高収率、 高純度で製造する方法について、 鋭意検討を重ねた結果、 本発明を 完成するに至った。
すなわち、 本発明は、
[ 1 ] 式 (Π)
(式中、 R 1は C 1〜8アルキル基、 C 3〜8の単環式炭素環、 または酸素原 子、 窒素原子および硫黄原子から選択される 1〜2個のへテロ原子を含む 3 〜 8員の単環式複素環を表わす。ただし、 R 1が酸素原子、 窒素原子および硫 黄原子から選択される 1〜 2個のへテロ原子を含む 3〜 8員の単環式複素環 であるとき、 ォキシラン環に結合する原子は炭素原子であるものとする。 ) で示されるラセミ体または光学活性なォキシランカルボン酸誘導体をアンモ ニァによる開環反応に付し、 続いて所望により保護反応に付すことを特徴と する式 (I )
(I)
(式中、 R
2は水素原子またはァミノ基の保護基を表わし、 R
1は前記の記号 と同じ意味を表わす。 )
で示されるラセミ体または光学活性な 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体の製造方法、
[SJR1が 1一メチルェチル基、 1一ェチルプロピル基、シクロペンチル基、 シクロへキシル基、 シクロへプチル基、 1ーシクロペンテン一 4一ィル基ま たはテトラヒドロピラン一 4—ィル基である前項 [1] 記載の製造方法、
[3] R 2が水素原子である前項 [1] 記載の製造方法、
[ 4 ] R 2が t一ブトキシカルポ二ル基またはべンジルォキシ力ルポニル基で ある前項 [1] 記載の製造方法、
[5] ラセミ体の 2— (保護されていてもよいァミノ) —3—ヒドロキシプ 口パン酸誘導体が、 (2R*, 3R*) 体である前項 [1] 記載の製造方法、
[6] 光学活性な 2_ (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプ 口パン酸誘導体が、 (2R, 3R) 体である前項 [1] 記載の製造方法、
[7] 光学活性な 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプ 口パン酸誘導体が、 (2R, 3R) ー2— t—ブトキシカルボニルアミノー 3—シクロへキシルー 3—ヒドロキシプロパン酸である前項 [6] 記載の製 造方法、
[8]アンモニアによる開環反応が、密閉加圧下で行なう反応である前項 [ 1 ] 記載の製造方法、
[ 9 ] 式 (m)
R1^^C00H (HI)
(式中、 R1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示される 2, 3—トランス一 3—置換一 2—プロペン酸をエポキシ化反応 または不斉エポキシ化反応に付して得られた式 (Π)
(式中、 ; 1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示されるラセミ体または光学活性なォキシランカルボン酸誘導体をアンモ ニァによる開環反応に付し、 続いて所望により保護反応に付すことを特徴と する式 (I)
(式中、 すべての記号は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示されるラセミ体または光学活性な 2— (保護されていてもよいァミノ) — 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体の製造方法、
[10] エポキシ化反応が、 タングステン酸またはその塩、 あるいはリン夕 ングステン酸またはその塩の存在下、 過酸化水素水を用いる反応である前項 [ 9 ] 記載の製造方法、
[ 1 1 ] 式 (IV)
(IV)
(式中、 R3は、
(1) C l〜6アルキル基 (該アルキル基は、 (1)ァリール基 (該ァリール基 は、 (a)ハロゲン原子、 (b)C 1〜6アルキル基、 または (c)C:!〜 6アルコキシ 基で任意に置換されていてもよい) 、 (2)C 1〜6アルコキシ基 (該アルコキ シ基は、 ァリ一ル基 (該ァリ一ル基は、 (i)ハロゲン原子、 (ii) C 1〜 6アルキ ル基、 または (iii)C 1〜6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい) で任 意に置換されていてもよい) 、 または (3)C 1〜6アルキルチオ基 (該アルキ
ルチオ基は、 ァリール基 (該ァリール基は、 (i)ハロゲン原子、 (ii)Cl〜6ァ ルキル基、 または (iii)C 1〜6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい) で任意に置換されていてもよい) で任意に置換されていてもよい) または
(2) ァリ一ル基(該ァリール基は、 (1)ハロゲン原子、 (2)C1〜6アルキル 基、 または (3)C 1〜6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい) を表わ し、
Xおよび Yは、 (1) Xが OR4かつ Yが NHR5、 または(2) Xが NHR5 かつ Yが OR4を表わし、
R 4および R 5はそれぞれ独立して、
( 1 ) 水素原子、
(2) C 1〜 6アルキル基(該アルキル基は、ァリール基(該ァリール基は、 (a)ハロゲン原子、 (b)C 1〜 6アルキル基、 または (c)C 1〜 6アルコキシ基で 任意に置換されていてもよい) で任意に置換されていてもよい) 、 または
(3) ァリ一ル基 (該ァリール基は、 (1)ハロゲン原子、 (2)C1〜6アルキル 基、 または (3)C:!〜 6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい) を表わ し、
R1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示される塩、 ジァステレオマーの塩、 または光学活性な塩、
[12]式 (V)
(式中、 R1は前記の記号と同じ意味を表わす。 ) 、
(式中、 R1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
(式中、 R1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示される前項 [11]記載のジァステレオマーの塩、
[ 13 ] 式 (vm)
(式中、 R1は前記の記号と同じ意味を表わす。 ) 、
(式中、 R1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
または式 (X)
(式中、 R
1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示される前項 [11]記載の光学活性な塩、
[14] R1が 1一メチルェチル基、 1一ェチルプロピル基、 シクロペンチル
基、 シクロへキシル基、 シクロへプチル基、 1ーシクロペンテン一 4 rル 基またはテトラヒドロピラン— 4—ィル基である前項 [11] 記載の塩、 [15] (1) (2 S, 3R) —3—シクロへキシルー 2—ォキシランカル ボン酸と (R) — 2—アミノー 1—フエニルエタノールの塩、
(2) (2 S, 3R) —3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸と (R) —2—ァミノ一 3—フエ二ルー 1—プロパノールの塩、 または
(3) (2 S, 3R) — 3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸と (S) 一 2—アミノー 3— (ベンジルチオ) 一 1_プロパノールの塩 である前項 [13] 記載の塩、
[16] 式 (IV) で示されるジァステレオマーの塩を分別再結晶して光学活 性な塩を製造する方法、
[17] ジァステレオマーの塩が、 式 (V)
(式中、 R1は前記の記号と同じ意味を表わす。 ) 、
(式中、 R1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
または式 (νπ)
(式中、 R
1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示される化合物である前項 [16]記載の光学活性な塩の製造方法、 およ び
(式中、 R1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示されるォキシランカルボン酸誘導体を、 式 (A— 1)
(式中、 ; A1は、
(1) C 1〜 6アルキル基(該アルキル基は、ァリール基(該ァリール基は、 (a)ハロゲン原子、 (b)C 1〜6アルキル基、 または (c)C 1~6アルコキシ基で 任意に置換されていてもよい) で任意に置換されていてもよい) または
(2) ァリール基(該ァリール基は、 (1)ハロゲン原子、 (2)C1〜6アルキル 基、 または (3)C 1〜6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい) を表わ し、
R1Aおよび R2Aはそれぞれ独立して、
( 1 ) 水素原子、
( 2 ) C 1〜 6アルキル基(該アルキル基は、 ァリール基(該ァリール基は、 (a)ハロゲン原子、 (b)C 1〜6アルキル基、 または (c)C 1〜6アルコキシ基で 任意に置換されていてもよい) で任意に置換されていてもよい) 、 または
(3) ァリール基(該ァリール基は、 (1)ハロゲン原子、 (2)C1〜6アルキル 基、 または (3)C 1〜6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい) を表わ し、
*は当該炭素原子が不斉であることを表わす。 )
または、 式 (A— 2)
(式中、 RA2は、
( 1 ) C 1〜 6アルキル基 (該アルキル基は、 (1)ァリール基 (該ァリ一ル基 は、 (a)ハロゲン原子、 (b)C 1〜6アルキル基、 または (c)C 1〜6アルコキシ 基で任意に置換されていてもよい) 、 (2)C 1〜6アルコキシ基 (該アルコキ シ基は、 ァリール基 (該ァリール基は、 (i)ハロゲン原子、 (ii) C 1〜 6アルキ ル基、 または (iii)C 1〜6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい)で任 意に置換されていてもよい) 、 または (3)C 1〜6アルキルチオ基 (該アルキ ルチオ基は、 ァリール基 (該ァリール基は、 (i)ハロゲン原子、 (ii) C 1〜 6ァ ルキル基、 または (iii)C 1〜6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい) で任意に置換されていてもよい) で任意に置換されていてもよい) または
(2) ァリール基(該ァリール基は、 (1)ハロゲン原子、 (2)C 1〜6アルキル 基、 または (3)C 1〜6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい) を表わ し、
R3Aおよび R4Aはそれそれ独立して、
( 1 ) 水素原子、
(2) C 1〜 6アルキル基(該アルキル基は、 ァリ一ル基(該ァリール基は、 (a)ハロゲン原子、 (b)C 1〜6アルキル基、 または (c)C 1〜6アルコキシ基で 任意に置換されていてもよい) で任意に置換されていてもよい) 、 または
(3) ァリール基 (該ァリール基は、 (1)ハロゲン原子、 (2)C 1〜6アルキル 基、 または (3)C 1〜6アルコキシ基で任意に置換されていてもよい) を表わ し、
*は当該炭素原子が不斉であることを表わす。 )
で示される光学活性アミノアルコール誘導体を分割剤として用いて光学分割 することを特徴とする光学活性なォキシランカルボン酸誘導体の製造方法に 関するものである。 詳細な説明
本明細書中において、 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロ キシプロパン酸誘導体とは、 特記しない限り、 ラセミ体の 2— (保護されて いてもよいァミノ) 一3—ヒドロキシプロパン酸誘導体および/または光学 活性な 2— (保護されていてもよいァミノ) _ 3—ヒドロキシプロパン酸誘 導体を表わすものとする。
本明細書中、 「光学活性な」化合物とは、旋光度を有する化合物を表わし、 好ましくは、 光学純度が 5 0 ee以上である光学異性体を表わす。 より好ま しくは 9 0 %ee以上である光学異性体を表わし、 最も好ましくは実質的に純 粋な光学異性体を表わす。
本明細書中、 「実質的に純粋な」 とは、 光学純度が 9 5 %ee以上であるこ とを表わす。
本明細書中、 「(2 R *, 3 R *) 」のように用いる 「*」 とは、 複数の不斉 中心の相対配置を、 絶対配置を問わずに、 位置番号最小の不斉中心を Rと仮 定して表示したことを表わす。
本明細書中、 「ジァステレオマ一の塩」 とは、 塩を形成するどちらか一方 あるいは両方が光学活性な化合物である塩を表わし、 好ましくは、 光学純度 が 5 0 %ee以上である化合物を含有する塩を表わす。 より好ましくは 9 0 % ee以上である化合物を含有する塩を表わし、 最も好ましくは実質的に純粋な 光学活性な化合物を含有する塩を表わす。
本明細書中、 「光学活性な塩」 とは、 塩を形成する化合物の両方が光学活 性な化合物である塩を表わし、 好ましくは、 光学純度が 5 0 %ee以上である
化合物同士からなる塩を表わす。 より好ましくは 9 0 ee以上である化合物 同士からなる塩を表わし、 最も好ましくは実質的に純粋な光学活性な化合物 同士からなる塩を表わす。
本明細書中、 Rまたは Sと表記した光学活性な試薬、 原料および/または 化合物はすべて、 それぞれを、 Sまたは Rと読み替えた光学活性な試薬、 原 料および/または化合物に適用することができる。
本明細書中、 特に断わらない限り、 当業者にとって明らかなように記号 -·' は紙面の向こう側 (すなわちひ一配置) に結合していることを表わし、 は紙面の手前側(すなわち β—配置)に結合していることを表わし、 は α—配置と 5—配置の混合物であることを表わす。
本明細書中、 「s—」はセカンダリーを、 「t一」は夕ーシャリーを、 「0 一」 はオルトを、 「m—」 はメタを、 「p—」 はパラを意味する。
本明細書中、 R 1によって表わされる C 1〜8アルキル基とは、 メチル、 ェ チル、 プロピル、 ブチル、 ペンチル、 へキシル、 ヘプチル、 ォクチル基およ びそれらの異生体である。
本明細書中、 R 1によって示される C 3〜8の単環式炭素環には、 C 3〜8 の単環式炭素環ァリール、 その一部または全部が飽和されている炭素環が含 まれる。 例えば、 シクロプロパン、 シクロブタン、 シクロペンタン、 シクロ へキサン、 シクロヘプタン、 シクロオクタン、 シクロペンテン、 シクロへキ セン、 シクロヘプテン、 シクロォクテン、 シクロペン夕ジェン、 シクロへキ サジェン、 シクロへブタジエン、 シクロォクタジェン、 ベンゼン環等が挙げ れ
本明細書中、 R 1によって示される酸素原子、 窒素原子および硫黄原子から 選択される 1〜 2個のへテロ原子を含む 3〜8員の単環式複素環とは、 酸素 原子、 窒素原子および硫黄原子から選択される 1〜 2個のへテロ原子を含む 不飽和複素環またはその一部または全部飽和されたものを含有する。例えば、
酸素原子、 窒素原子および硫黄原子から選択される 1〜 2個のへテロ原子を 含む 3〜 8員の単環式不飽和複素環としては、 ピロ一ル、 イミダゾ一ル、 ピ ラゾール、 ピリジン、 ピラジン、 ピリミジン、 ピリダジン、 ァゼピン、 ジァ ゼピン、 フラン、 ピラン、 ォキセピン、 チォフェン、 チォピラン、 チェピン、 ォキサゾール、 イソォキサゾ一ル、 チアゾール、 イソチアゾール、 ォキサジ ン、 ォキサジァジン、 ォキサゼピン、 チアジン、 チアジアジン、 チアゼピン 環等が挙げられる。
酸素原子、 窒素原子および硫黄原子から選択される 1〜2個のへテロ原子 を含む一部または全部飽和された 3〜 8員の単環式不飽和複素環としてはァ ジリジン、 ァゼチジン、 ピロリン、 ピロリジン、 イミダゾリン、 イミダゾリ ジン、 ピラゾリン、 ビラゾリジン、 ジヒドロピリジン、 テトラヒドロピリジ ン、 ピぺリジン、 ジヒドロビラジン、 テトラヒドロピラジン、 ピぺラジン、 ジヒドロピリミジン、 テトラヒドロピリミジン、 パ一ヒドロピリミジン、 ジ ヒドロピリダジン、 テトラヒドロピリダジン、 パーヒドロピリダジン、 ジヒ ドロアゼピン、 テトラヒドロアゼピン、 パ一ヒドロアゼピン、 ジヒドロジァ ゼピン、 テトラヒドロジァゼピン、 パ一ヒドロジァゼピン、 ォキシラン、 ォ キセタン、 ジヒドロフラン、 テトラヒドロフラン、 ジヒドロピラン、 テトラ ヒドロピラン、 ジヒドロォキセピン、 テトラヒドロォキセピン、 パーヒドロ ォキセピン、 チイラン、 チェタン、 ジヒドロチォフェン、 テトラヒドロチォ フェン、ジヒドロチォピラン、テトラヒドロチォピラン、ジヒドロチェピン、 テトラヒドロチェピン、 パーヒドロチェピン、 ジヒドロォキサゾール、 テト ラヒドロォキサゾ一ル (ォキサゾリジン) 、 ジヒドロイソォキサゾール、 テ トラヒドロイソォキサゾ一ル(イソォキサゾリジン)、 ジヒドロチアゾール、 テトラヒドロチアゾール (チアゾリジン) 、 ジヒドロイソチアゾール、 テト ラヒドロイソチアゾール (イソチアゾリジン) 、 テトラヒドロォキサジァゾ —ル (ォキサジァゾリジン) 、 ジヒドロォキサジン、 テトラヒドロォキサジ
ン、 ジヒドロォキサゼピン、 テトラヒドロォキサゼピン、 パーヒドロォキサ ゼピン、 ジヒドロチアジン、 テトラヒドロチアジン、 ジヒドロチアゼピン、 テトラヒドロチアゼピン、 パーヒドロチアゼピン、 モルホリン、 チオモルホ リン、 ォキサチアン、 ジォキゾラン、 ジォキサン、 ジチオラン環等が挙げら れる。
R1として好ましくは、 1一メチルェチル基、 1一ェチルプロピル基、 シク 口ペンチル基、 シクロへキシル基、 シクロへプチル基、 1ーシクロペンテン 一 4一ィル基またはテトラヒドロピラン一 4一ィル基等が挙げられ、 より好 ましいものとしてはシクロへキシル基が挙げられる。
本明細書中、 R2によって示されるァミノ基の保護基としては、 例えば、 ベ ンジルォキシカルボニル (Cb z) 基、 t一ブトキシカルボニル (Bo c) 基、 ァリルォキシカルボニル (Al 1 o c) 基、 1ーメチルー 1一 (4ービ フエニル) エトキシカルボニル (Bp o c) 基、 9—フルォレニルメトキシ カルボニル(Fmo c)基、 トリフルォロアセチル基、 ベンジル(Bn)基、 p—メトキシベンジル基、 ベンジルォキシメチル (BOM) 基、 2 - (トリ メチルシリル) エトキシメチル (SEM) 基等が挙げられる。 また、 上記し たもの以外に、 例えば、 T.W.Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999に記載されているアミノ基の保護基を用いることもで ぎる。
R2として好ましくは、 水素原子、 ベンジルォキシカルボニル (Cb z)基 または t—ブトキシカルポニル (Bo c) 基等が挙げられ、 より好ましいも のとしては t一ブトキシカルボニル (Bo c) 基が挙げられる。
本明細書中、 R3、 R4、 R5、 RA RA2、 R1A、 R2A、 R3A、 または R 4Aによって示される C 1〜 6アルキル基は、 直鎖状、 分枝鎖状もしくは環状 であってもよく、 例えば、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 シク 口プロピル、 ブチル、 イソブチル、 s—ブチル、 tーブチル、 ペンチル、 1,
1ージメチルプロピル、 シクロペンチル、 へキシル、 1, 1一ジメチルブチ ル、 シクロへキシル等が挙げられる。
本明細書中、 R3、 R4、 R5、 RA RA2、 R1A、 R2A、 R3A、 または R 4Aによって示されるァリール基としては、 フエニル、 o_メチルフエニル、 m_メチルフエニル、 p—メチルフエニル、 o—トリフルォロメチルフエ二 ル、 m—トリフルォロメチルフエニル、 p—トリフルォロメチルフエニル、 p— t一ブチルフエニル、 o—クロ口フエニル、 m—クロ口フエニル、 p— クロ口フエニル、 o—プロモフエニル、 πι—ブロモフエニル、 ρ—ブロモフ ェニル、 ο—メトキシフエ二ル、 ρ—メトキシフエ二ル、 ο—トリフルォロ メトキシフエ二ル、 ρ—トリフルォロメトキシフエ二ル、 3, 5—ジメチル フエニル、 3, 5—ビストリフルォロメチルフエニル、 3, 5—ジメトキシ フエニル、 3, 5—ビストリフルォロメトキシフエ二ル、 3, 5—ジクロ口 フエニル、 3, 5—ジブロモフエニル、 2, 4, 6—トリメチルフエニル、 2, 4, 6—トリストリフルォロメチルフエニル、 2, 4, 6—トリメトキ シフエニル、 2, 4, 6—トリストリフルォロメトキシフエ二ル、 2, 4, 6—トリクロ口フエニル、 2, 4, 6—トリブロモフエニル、 一ナフチル、 ^一ナフチル、 ο—ビフエ二リル、 m—ビフエ二リルおよび ρ—ビフエニリ ル等が挙げられる。
本明細書中、 ハロゲン原子としては、 フッ素、 塩素、 臭素およびヨウ素が 挙げられる。
本明細書中、 C 1〜 6アルコキシ基は、 直鎖状、 分枝鎖状もしくは環状で あってもよく、例えば、 メトキシ、 エトキシ、 プロボキシ、 イソプロボキシ、 シクロプロボキシ、 ブトキシ、 イソブトキシ、 s—ブトキシ、 t—ブトキシ、 ペンチルォキシ、 1 , 1—ジメチルプロポキシ、 シクロペンチルォキシ、 へ キシルォキシ、 1, 1—ジメチルブトキシ、 シクロへキシルォキシ等が挙げ られる。
本明細書中、 C 1〜6アルキルチオ基は、 直鎖状、 分枝鎖状もしくは環状 であってもよく、 例えば、 メチルチオ、 ェチルチオ、 プロピルチオ、 イソプ ロピルチオ、 シクロプロピルチオ、 プチルチオ、 イソブチルチオ、 s—プチ ルチオ、 t一プチルチオ、 ペンチルチオ、 1, 1ージメチルプロピルチオ、 シクロペンチルチオ、 へキシルチオ、 1, 1一ジメチルブチルチオ、 シクロ へキシルチオ等が挙げられる。
R \ RA 1および R A 2として好ましくは、 フエニル基、 m—クロ口フエ二 ル基、 ベンジル基、 ベンジルチオメチル基またはトリチルォキシメチル基が 挙げられ、 より好ましいものとしては、 フヱニル基、 ベンジル基、 またはべ ンジルチオメチル基が挙げられる。
R : R 1 Aおよび: R 3 Aとして好ましくは、 水素原子、 メチル基またはェチ ル基が挙げられ、 より好ましいものとしては水素原子が挙げられる。
R 5、 R 2 Aおよび R 4 Aとして好ましくは、水素原子、 メチル基、 ェチル基、 イソプロピル基またはべンジル基が挙げられ、 より好ましいものとしては水 素原子が挙げられる。
以下、 さらに詳細に本発明を説明する。
本明細書中の各反応において、 反応生成物は通常の精製手段、 例えば、 常 圧下または減圧下における蒸留、 シリカゲルまたはケィ酸マグネシウムを用 いた高速液体クロマトグラフィー、 薄層クロマトグラフィー、 イオン交換樹 脂、 スカベンジャー樹脂あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、 再 結晶等の方法により精製することができる。 精製は各反応ごとに行なつても よいし、 いくつかの反応終了後に行なつてもよい。
まず式(II)で示されるォキシランカルボン酸誘導体の製造方法について説 明する。
(式中、 R 1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示されるォキシランカルボン酸誘導体は、 式 (m)
R1 ^^C00H (HI) (式中、 R 1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示される 2 , 3—トランス一 3—置換一 2—プロペン酸をエポキシ化反応 または不斉エポキシ化反応に付すことにより製造することができる。
このエポキシ化反応は公知であり、 反応溶媒中、 触媒の存在下または非存 在下、 酸化剤と反応させることにより行われる。
反応に用いる溶媒としては、 使用する酸化剤により若干異なるものの、 反 応に関与しないものであれば特に制限はなく、 例えば、 水、 酢酸、 プロピオ ン酸等の低級脂肪酸類、 メタノール、 エタノール、 プロパノール、 ブタノー ル等のアルコール類、 メトキシエタノール、 エトキシエタノール等のセロソ ルプ類、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン、 メシチレン、 クロ口ベンゼン、 0 ージクロ口ベンゼン等の芳香族炭化水素類、 へキサン、 シクロへキサン、 ォ クタン、 デカン等の脂肪族炭化水素類、 ジクロロメタン、 ジクロロェタン、 クロ口ホルム、四塩化炭素等のハロゲン系炭化水素類、テトラヒドロフラン、 ジェチルエーテル、 t一ブチルメチルエーテル、 ジメトキシェタン等のエー テル類、 酢酸ェチル、 酢酸プチル、 プロピオン酸メチル等のエステル類、 ァ セトン等のケトン類、 ァセトニトリル、 プロピオ二トリル、 ブチロニトリル 等の二トリル類、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルァセトアミ ド、 ジメチル スルホキシド、 テトラメチルゥレア、 スルホラン、 N—メチルピロリ ドン、 N , N—ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒類等が挙げら れ、 好ましくは、 水、 酢酸、 ジクロロェ夕ンおよびトルエンが挙げられる。
これらの溶媒は、 単独または組み合わせて使用することもできる。
酸化剤は、 特に限定されるものではなく、 例えば、 過酢酸、 過安息香酸、 m—クロ口過安息香酸等の過酸類、 t—プチルヒドロパーォキシド、 クメン ヒドロパーォキシド等のパ一ォキシド類、 過酸化水素水、 ポ夕シゥムパーォ キシモノスルフェート (ォキソン;商品名) 、 酸素等が挙げられ、 好ましい ものとしては、 過酢酸、 m—クロ口過安息香酸、 過酸化水素水、 t—プチル ヒドロパーォキシド、 クメンヒドロパーォキシド、 ポ夕シゥムパーォキシモ ノスルフェート (ォキソン;商品名) が挙げられる。 操作性および経済性を 考慮して、 より好ましいものとしては過酸化水素水が挙げられる。
酸化剤の使用量は、 通常、 基質に対して 0.5〜1 0モル当量の範囲であり、 0.8〜 3モル当量の範囲が好ましい。 操作性および経済性を考慮して、 1モル 当量付近が最も好ましい。
酸化剤として過酸化水素水を使用する場合は、 触媒としてタングステン酸 またはその塩またはそれらの水和物、 あるいはリンタングステン酸またはそ の塩またはそれらの水和物を使用することが好ましい。 触媒を用いることに より効率的に反応が進行する。
タングステン酸塩としては、 タングステン酸リチウム、 タングステン酸ナ トリウム、 タングステン酸カリウム、 タングステン酸セシウム、 タンダステ ン酸マグネシウム、 タングステン酸カルシウム、 タングステン酸バリウム、 タングステン酸亜鉛、 タングステン酸コバルト、 タングステン酸銅、 夕ング ステン酸ガリゥム、 タングステン酸アンモニゥムおよびそれらの水和物等が 挙げられるが、 好ましいのはタングステン酸ナトリウム · 2水和物である。 リンタングステン酸塩としては、 リンタングステン酸ナトリウム、 リン夕 ングステン酸カルシウム、 リンタングステン酸バリゥム等が挙げられる。 タングステン酸触媒の使用量は、 通常は基質に対して、 0.:!〜 1 0 0モル% の範囲であり、 1〜5 0モル%の範囲が好ましい。
さらに本発明において、 酸化剤として過酸化水素水を使用する場合、 反応 系内の p Hをコントロールすることにより、 生成物の分解を抑え、 収率よく 目的物を得ることができる。
p Hの範囲は、 p H 7以下が好ましく、 p H4.5-6.5の範囲がより好ましく、 p H5.0〜6.0の範囲が最も好ましい。
反応温度は、 通常 0〜1 5 0 °Cの範囲であり、 好ましくは 2 0〜1 0 0 °C の範囲、 より好ましくは 5 0〜 8 0 °Cの範囲である。
反応時間は、 通常 0.1〜: 1000時間である。
反応終了後に、 適当な溶媒により抽出し、 溶媒を濃縮することで、 目的と するォキシランカルボン酸誘導体を単離することができる。
光学活性なォキシランカルボン酸は、例えば、 J. Org. Chem., 1985, 50, 1563 または Tetrahedron Lett., 1991, 32, 667等に記載のァリルアルコールから不 斉エポキシ化反応をした後、 生成した光学活性なエポキシアルコールを酸化 することによつても製造することもできる。
前記した反応の原料となる、 式 (m)
„1 /^C00H (HI)
(式中、 R 1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示される 2 , 3—トランス一 3—置換一 2—プロペン酸は、 デブナ一反応 として知られる常法に従って、 式 (IV)
R1-CHO (IV)
(式中、 R 1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示されるアルデヒドをピリジン存在下、 マロン酸と反応することにより合 成することができる。
次に、 式 (I ) で示される (2 R*, 3 R *) - 2 - (保護されていてもよ
ぃァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体の製造法について説明する < 式 ( I )
(式中、 すべての記号は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示される (2 R*, 3 R*) - 2 - (保護されていてもよいァミノ) ー3— ヒドロキシプロパン酸誘導体は、 前記した方法等によって得られた式 (Π)
(式中、 R 1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示されるォキシランカルボン酸誘導体を、 アンモニアによる開環反応、 続 いて所望により保護反応に付すことにより製造することができる。
開環反応に用いるアンモニアとしては、 液体アンモニア、 アンモニアガス およびアンモニア水が挙げられ、 いずれも好ましい。
アンモニアの使用量は、通常、基質に対して過剰に使用するのが好ましく、 1〜 2 0 0モル当量の範囲、 特に 1〜 1 0 0モル当量の範囲が好ましい。 本反応は、 使用するアンモニアの散失を抑えるために反応容器を密閉して 行なうことが好ましく、 また、 反応温度により、 加圧条件下になつても構わ ない。 本反応は、 密閉加圧下で行なうことがより好ましい。
反応手順は、
( 1 ) 基質に、 必要であれば溶媒、 さらにアンモニアを入れた後、 反応容器 を密閉し、 必要温度に昇温して反応させる方法、
( 2 ) 基質に、 必要であれば溶媒を入れ、 反応容器を密閉し、 必要温度に昇 温した後、 そこにアンモニアを導入し反応させる方法、 および
( 3 ) アンモニアと、 必要であれば溶媒を入れた後、 反応容器を密閉し、 必 要温度に昇温し、 そこに基質を導入し反応させる方法
のいずれの方式でも構わない。
本反応は特に溶媒を用いなくてもよいが、 必要に応じて溶媒中で行なうこ ともできる。
反応溶媒としては、 反応に関与しないものであれば特に制限はなく、 例え ば、 水、 メタノール、 エタノール、 プロパノール、 ブ夕ノール等のアルコー ル類、 メトキシエタノール、 エトキシエタノール等のセロソルブ類、 ベンゼ ン、 トルエン、 キシレン、 メシチレン、 クロ口ベンゼン、 o—ジクロロベン ゼン等の芳香族炭化水素類、 へキサン、 シクロへキサン、 オクタン、 デカン 等の脂肪族炭化水素類、 ジクロ.ロメタン、 ジクロロェタン、 クロ口ホルム、 四塩化炭素等のハロゲン系炭化水素類、 テトラヒドロフラン、 ジェチルェ一 テル、 t一ブチルメチルエーテル、 ジメトキシェタン等のェ一テル類、 ァセ トニトリル、 プロピオ二トリル、 プチロニトリル等の二トリル類、 ジメチル ホルムアミ ド、 ジメチルァセトアミド、 ジメチルスルホキシド、 テトラメチ ルゥレア、 スルホラン、 N—メチルピロリドン、 N, N—ジメチルイミダゾ リジノン等の非プロトン性極性溶媒類等が挙げられ、好ましいものとしては、 水、 メタノール、 テトラヒドロフラン、 ァセトニトリル、 またはトルエンが 挙げられる。
反応温度は、 通常 0〜; L 8 0 °Cの範囲であり、 好ましくは 5 0〜; L 5 0 °C の範囲、 より好ましくは、 7 0〜1 2 0 °Cの範囲である。
反応時間は、 通常 0.1〜; 1000時間である。
反応終了後に、 酸性水溶液を投入し p Hを調節した後、 適当な溶媒により 抽出し、 溶媒を濃縮することで、 目的とする (2 R*, 3 R *) —2—ァミノ 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体を単離することができる。
また、 常法に従って、 アミノ基を保護反応に付すことにより単離が容易と
なる。
ァミノ基の保護反応は公知であり、 例えば、 T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999に記載された方法により行なう ことができる。
本発明においては、 アンモニアによる開環反応終了後に過剰のアンモニア を留去した後、 必要であれば適当な溶媒を加え、 塩基の存在下、 二炭酸ジー t一ブチル (Bo c20) 、 二炭酸ジベンジル (Cb z20) またはべンジル ォキシカルポニルクロリド等を加えて加熱することにより、 (2R*, 3 *) —2— (保護されたァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体を製造する ことができる。
反応終了後、適当な溶媒により抽出し、溶媒を濃縮することにより( 2 R*, 3R*) -2- (保護されたァミノ) —3—ヒドロキシプロパン酸誘導体を単 離することができる。
本発明はさらに、 光学活性なォキシランカルボン酸を用いて上記と同様な 反応に付すことにより、 光学活性な (2R, 3R) —2—アミノー 3—ヒド ロキシプロパン酸誘導体、 光学活性な (2 S, 3 S) 一 2—アミノー 3—ヒ ドロキシプロパン酸誘導体、 光学活性な (2R, 3R) -2- (保護された ァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体および光学活性な (2 S, 3 S) -2- (保護されたァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体を製造する ことができる。
また、 光学活性な 2— (保護されていてもよいァミノ) 一3—ヒドロキシ プロパン酸誘導体は以下に示す (1)〜(4) の方法によっても製造するこ とができる。 すなわち、
(1) ラセミ体の 2— (保護されていてもよいァミノ) —3—ヒドロキシプ 口パン酸誘導体を、 光学分割剤を用いて光学分割する方法、
(2) ラセミ体の 2— (保護されていてもよいァミノ) 一3—ヒドロキシプ
口パン酸誘導体を、 エステル化あるいはアミド化した後、 酵素等を用いて立 体選択的な加水分解を行なう方法、
( 3 ) ラセミ体の 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒド πキシプ 口ノ ン酸誘導体の水酸基を光学活性なァシル基で保護した後、 光学分割およ び続く脱保護反応に付す方法、 または
( 4 ) ラセミ体の 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプ 口パン酸誘導体の水酸基を適当なァシル基で保護した後、 酵素等を用いて立 体選択的な加水分解を行なう方法により目的の光学活性な 2一 (保護されて いてもよいァミノ)一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体を得ることができる。 これらの方法は、 例えば以下に示すような手順で行なうことができる。 ( 1 ) 式 (I )
(式中、 すべての記号は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示されるラセミ体の 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキ シプロパン酸誘導体と光学活性なァミノアルコールまたは光学活性な力ルポ ン酸等の光学分割剤を適切な溶媒存在下で反応させ、 分別再結晶を行ない、 析出したジァステレォマーの塩をろ取し、 必要であれば適切な溶媒でさらに 再結晶したのち、 常法により酸性水溶液または塩基性水溶液でジァステレオ マ一の塩を分解したのち適切な有機溶媒で抽出することで、 目的とする光学 活性な 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘 導体を得ることができる。
反応に用いる溶媒は、 生成した塩が析出するものであれば特に限定されな い。例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、 プロパノール等)、
ァセトニトリル、 テトラヒドロフラン、 クロ口ホルム、 ァセトン、 へキサン、 ヘプタン、 ベンゼン、 トルエン等が挙げられる。
反応温度は生成した塩が析出する範囲であれば特に限定されない。 反応に 要する時間は、 生成した塩の析出速度に依存するが、 多くの場合 1日以内で ある。
ジァステレオマーの塩を分解するための酸性水溶液としては、塩酸、硫酸、 リン酸、 リン酸二水素ナトリウム、 リン酸二水素カリウム、 硫酸水素ナトリ ゥム、 硫酸水素カリウム等の水溶液が挙げられる。
ジァステレオマーの塩を分解するための塩基性水溶液としては、 水酸化ナ トリゥム、 水酸化力リゥム、 炭酸ナトリゥム等の水溶液が挙げられる。
光学活性な 2— (保護されていてもよいァミノ) 一3—ヒドロキシプロパ ン酸誘導体を抽出する有機溶媒としては、 ジェチルエーテル、 酢酸ェチル、 ベンゼン、 トルエン、 クロ口ホルム、 ジクロロエタン等が挙げられる。
( 2 ) 式 (I ) で示されるラセミ体の 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体を、 まずエステル化反応あるいはアミ ド 化反応に付した後、 これを酵素等を用いて立体選択的な加水分解を行なうこ とにより、 光学活性な 2— (保護されていてもよいァミノ) 一3—ヒドロキ シプロパン酸誘導体を得ることができる。
このエステル化反応は公知であり、 例えば、 カルボン酸を有機溶媒 (クロ 口ホルム、 ジクロロメタン、 ジェチルェ一テル、 テトラヒドロフラン等単独 で、 あるいはそれらのうち複数の溶媒の任意の割合からなる混合溶媒) 中ま たは無溶媒で、 酸ハライ ド化剤 (ォキザリルクロリ ド、 チォニルクロリ ド、 ォキシ塩化リン、 五塩化リン等) と— 2 0 °C〜還流温度で反応させ、 得られ た酸ハライ ドを塩基 (ピリジン、 トリェチルァミン、 N , N—ジメチルァニ リン、 N, N—ジメチルァミノピリジン、 ジイソプロピルェチルァミン等) の存在下、 アルコール (メタノール、 エタノール、 ベンジルアルコール等)
と有機溶媒 (クロ口ホルム、 ジクロロメタン、 ジェチルエーテル、 テトラヒ ドロフラン等) 中、 0〜 4 0 °Cの温度で反応させることにより行なわれる。 また、 得られた酸ハライドを有機溶媒 (ジォキサン、 テトラヒドロフラン等) 中、 アルカリ水溶液 (炭酸水素ナトリウム水溶液または水酸化ナトリウム溶 液等) を用いて、 アルコールを 0〜4 0 °Cで反応させることにより行なうこ ともできる。
また、 このアミド化反応は公知であり、例えば、 カルボン酸を有機溶媒(ク ロロホルム、 ジクロロメタン、 ジェチルエーテル、 テトラヒドロフラン等単 独で、 あるいはそれらのうち複数の溶媒の任意の割合からなる混合溶媒) 中 または無溶媒で、酸ハライド化剤(ォキザリルクロリ ド、チォニルクロリド、 ォキシ塩化リン、 三塩ィヒリン、 五塩化リン等) と一 2 0 °C〜還流温度で反応 させ、 得られた酸ハライ ドを塩基 (ピリジン、 トリェチルァミン、 N , N - ジメチルァニリン、 N , N—ジメチルァミノピリジン、 ジイソプロピルェチ ルァミン等) の存在下または非存在下、 ァミン (アンモニア、 メチルァミン 等) と有機溶媒 (クロ口ホルム、 ジクロロメタン、 ジェチルェ一テル、 テト ラヒドロフラン等) 中、 ー2 0〜4 0 °Cの温度で反応させることにより行な われる。 また、 得られた酸ハライ ドを有機溶媒 (ジォキサン、 テトラヒドロ フラン等) 中、 アルカリ水溶液 (炭酸水素ナトリウム水溶液または水酸ィ匕ナ トリウム溶液等) を用いて、 アミンをー 2 0〜4 0。Cで反応させることによ り行なうこともできる。
上 3以外にも、 !)えば、 Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition (Richard C. Larock, John, Wiley & Sons Inc, 1999)に記載された方法によってもエステル化またはアミド化反応を行な うことができる。
酵素等を用いる立体選択的な加水分解によって光学活性体を得る方法には 以下の (A) および (B ) が挙げられる。 すなわち、
(A) 目的とする立体異性体であるカルボン酸のエステル誘導体またはアミ ド誘導体を選択的に加水分解することにより、 目的とする立体異性体である 力ルポン酸を得る方法および
( B )目的とする立体異性体ではない力ルポン酸を加水分解することにより、 残存する目的とする立体異性体であるカルボン酸のエステル誘導体またはァ ミド誘導体を得る方法である。
これらの反応は、 例えば以下のような方法で行なうことができる。
(A) 適当な溶媒 (例えば、 水、 緩衝液等) に基質となるラセミ体のカルボ ン酸誘導体を加え、 ここに触媒として酵素等を加えて反応を行なう。 反応温 度および系内の p Hは、 酵素の至適範囲を考慮して設定する。 反応終了後、 系内を塩基性とし、 残留するエステル誘導体またはアミド誘導体を適当な溶 媒により抽出,除去した後、 水層を酸性とし、 目的とするカルボン酸を適当 な溶媒により抽出し、溶媒を濃縮することで、 目的とする光学活性な 2— (保 護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸を単離することが できる。
( B ) 適当な溶媒 (例えば、 水、 緩衝液等) に基質となるラセミ体のカルボ ン酸誘導体を加え、 ここに触媒として酵素等を加えて反応を行なう。 反応温 度および系内の p Hは、 酵素の至適範囲を考慮して設定する。 反応終了後、 系内を塩基性とし、 残留する目的とするエステル誘導体またはアミド誘導体 を適当な溶媒により抽出し、 溶媒を濃縮することで、 2— (保護されていて もよぃァミノ)一3—ヒドロキシプロパン酸誘導体を単離することができる。 次いでこのエステル誘導体またはァミ ド誘導体を加水分解することにより、 目的とする光学活性な 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキ シプロパン酸を単離することができる。
本反応に用いる酵素は、 光学活性な 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸またはその誘導体を与えるものであれば特に限
定されない。 例えば市販の加水分解酵素 (リパーゼ等) 等を用いることがで §る。
( 3 ) 式 (I ) で示されるラセミ体の 2— (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体の水酸基を、 まず光学活性なァシル基で 保護した後、光学分割および続く水酸基の脱保護により、光学活性な 2—(保 護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体を得ること ができる。
このァシル化反応は公知であり、 例えば、 水酸基を有する化合物を有機溶 媒 (クロ口ホルム、 ジクロロメタン、 ジェチルェ一テル、 テトラヒドロフラ ン等単独で、 あるいはそれらのうち複数の溶媒の任意の割合からなる混合溶 媒) 中で、 塩基(ピリジン、 トリェチルァミン、 N , N—ジメチルァニリン、 N , N—ジメチルァミノピリジン、 ジイソプロピルェチルァミン等) の存在 下、 光学活性なカルボン酸ハライ ド (例えばマンデル酸クロリ ド等) と 0〜 4 0 °Cで反応させることにより行なわれる。
光学分割は前記した方法に準じ、 目的とする光学活性体を分別再結晶する 等の方法で行なうことができる。
水酸基の脱保護反応は公知であり、 例えば、 有機溶媒 (メタノール、 テト ラヒドロフラン、 1, 4一ジォキサン等) 中、 アルカリ金属の水酸化物 (水 酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 水酸化リチウム等) 、 アルカリ土類金属 の水酸化物 (水酸化バリウム、 水酸化カルシウム等) または炭酸塩 (炭酸ナ トリウム、 炭酸カリウム等) あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を 用いて、 0〜4 0 °Cの温度で行なわれる。
上 g己以タ 1 こ 、 例 Jま、 Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition (Richard C.Larock, John, Wiley & Sons Inc, 1999) に記載された方法によっても脱保護反応を行なうことができる。
( 4 ) 式 (I ) で示されるラセミ体の 2— (保護されていてもよいァミノ)
— 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体の水酸基を、 適当なァシル基で保護した 後、 酵素等を用いて立体選択的な加水分解を行なうことにより、 光学活性な 2 - (保護されていてもよいァミノ) 一 3—ヒドロキシプロパン酸誘導体を 得ることができる。
このァシル化反応は公知であり、 前記した方法に準じて行なうことができ る。
酵素等を用いる立体選択的な加水分解によって光学活性体を得る方法は公 知であり、 前記した方法に準じて行なうことができる。
次に、 式 (IV) ノ0 ί
R1/<J/C00H 、人メ (IV)
(式中、 すべての記号は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示される塩、 ジァステレオマーの塩または光学活性な塩の製造方法につい て説明する。
式 (IV) で示される塩は、 等モル量の、 式 (Π)
(式中、 R 1は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
(式中、 すべての記号は前記の記号と同じ意味を表わす。 )
で示されるァミノアルコール誘導体を直接混合するか、 適切な溶媒存在下で 混合した後溶媒を留去するかまたは適切な溶媒存在下で混合し、 析出物をろ 取後、 必要であれば適切な溶媒でさらに再結晶することで製造することがで
ぎる。
反応に用いる溶媒は、 反応に関与しないものであれば特に限定されず、 例 えば、 水、 アルコール類 (メタノール、 エタノール、 プロパノール等) 、 ァ セトニトリル、 テトラヒドロフラン、 クロ口ホルム、 アセトン、 へキサン、 ヘプタン、 ベンゼン、 トルエン等を挙げることができる。 特に好ましい反応 溶媒として水、 メタノール、 エタノールまたはトルエンが挙げられる。
再結晶に用いる溶媒は、 生成した塩が析出するものであれば特に限定され ず、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、 プロパノール等)、 ァセトニトリル、 テトラヒドロフラン、 クロ口ホルム、 アセトン、 へキサン、 ヘプタン、 ベンゼン、 トルエン等を挙げることができる。 特に好ましい反応 溶媒として水、 メタノール、 エタノールまたはトルエンが挙げられる。
再結晶を行なう温度は生成した塩が析出する範囲であれば特に限定されな いが、 操作上、 一 2ひ〜 1 0 0 °Cの範囲が好ましい。 特に好ましくは 0〜7 0 °Cである。
再結晶に要する時間は、 生成した塩の析出速度に依存するが、 多くの場合 1日以内である。 好ましくは 1 0分〜 1 0時間の範囲である。
本発明はさらに、 式 (A) で示される光学活性なァミノアルコール誘導体 を用いて上記と同様な操作に付すことにより、 式 (IV) で示されるジァステ レオマーの塩または光学活性な塩を製造することができる。
式(A)で示される光学活性なアミノアルコール誘導体として好ましくは、 ( R ) 一 2—アミノー 1一フエニルエタノール、 (R ) —2—アミノー 3— フエ二ルー 1一プロパノール (別名: D—フエ二ルァラ二ノールともいう) または (S ) — 2—ァミノ一 3— (ベンジルチオ) 一 1一プロパノール (別 名: S—べンジルー D—システィノールともいう) 等が挙げられる。
式 (IV) で示される光学活性な塩は、 等モル量の、 式 (II) で示されるォキ シランカルボン酸誘導体と式 (A) で示される光学活性なァミノアルコール
誘導体を適切な溶媒存在下で混合し、 分別再結晶し、 析出物をろ取後、 必要 であれば適切な溶媒でさらに再結晶することで製造することができる。 再結晶に用いる溶媒は、 生成した塩が析出するものであれば特に限定され ず、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール、 プロパノール等)、 ァセトニトリル、 テトラヒドロフラン、 クロ口ホルム、 ァセトン、 へキサン、 ヘプタン、 ベンゼン、 トルエン等を挙げることができる。 特に好ましい反応 溶媒として水、 メタノール、 エタノールまたはトルエンが挙げられる。
再結晶を行なう温度は生成した塩が析出する範囲であれば特に限定されな いが、 操作上、 一 2 0〜1 0 0 °Cの範囲が好ましい。 特に好ましくは 0〜7 o °cである。
再結晶に要する時間は、 生成した塩の析出速度に依存するが、 多くの場合
1日以内である。 好ましくは 1 0分〜 1 0時間の範囲である。
ここで用いる式 (A) で示される光学活性なァミノアルコール誘導体とし て好ましくは、 (R ) — 2—アミノー 1—フヱニルエタノール、 (R ) — 2 一アミノー 3—フエ二ルー 1一プロパノール (別名: D—フエ二ルァラニノ ールともいう) または (S ) — 2—アミノー 3— (ベンジルチオ) 一 1ープ ロパノール (別名: S—ベンジルー D—システィノールともいう) 等が挙げ られ -&。
次に、 式 (IV) で示される塩、 ジァステレオマーの塩または光学活性な塩 から、 式(II)で示されるォキシランカルボン酸誘導体を製造する方法につい て説明する。
式 (II)で示されるォキシランカルボン酸誘導体は、 式 (IV)で示される塩 またはジァステレオマーの塩を酸性水溶液により分解したのち適切な有機溶 媒で抽出することで製造することができる。
塩を分解するための酸性水溶液としては、 塩酸、 硫酸、 リン酸、 リン酸二 水素ナトリウム、 リン酸ニ水素力リゥム、 硫酸水素ナトリウム、 硫酸水素力
リウム等の水溶液が挙げられるが、 特に塩酸、 硫酸または硫酸水素カリウム の水溶液が好ましい。
ォキシランカルボン酸誘導体を抽出する有機溶媒としては、 ジェチルェ一 テル、 酢酸ェチル、 ベンゼン、 トルエン、 クロ口ホルム、 ジクロロェ夕ン等 が挙げられるが、 特に酢酸ェチル、 トルエンまたはジクロロェタンが好まし い。
本発明はさらに、 式 (IV) で示される光学活性な塩を用いて上記と同様な 操作に付すことにより、 式(Π)で示される光学活性なォキシランカルボン酸 誘導体を製造することができる。
塩を分解するための酸性水溶液としては、 前記したものが挙げられるが、 特に塩酸、 硫酸または硫酸水素力リゥムの水溶液が好ましい。
ォキシラン力ルポン酸誘導体を抽出する有機溶媒としては、 前記したもの が挙げられるが、 特に酢酸ェチル、 トルエンまたはジクロロェタンが好まし い。
式 (A) で示されるァミノアルコール誘導体は、 ォキシランカルボン酸誘 導体を抽出したあとの酸性水溶液を水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 炭 酸ナトリゥム、 炭酸力リゥム等でアル力リ性にした後、 適切な有機溶媒で抽 出することで、 用いたァミノアルコール誘導体をラセミ化させることなく回 収でき、 回収したァミノアルコール誘導体はそのまま再使用できる。 必要に より再結晶等の精製をかけることにより高純度のァミノアルコール誘導体が 得られる。
抽出溶媒としては、 ジェチルエーテル、酢酸ェチル、ベンゼン、 トルエン、 クロ口ホルム、 ジクロロェタン等が挙げられるが、 特に酢酸ェチル、 クロ口 ホルムまたはジクロロェタンが好ましい。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明について実施例を挙げて詳述するが、 本発明はこれらの実施 例に何ら限定されるものではない。
2, 3—トランス一 3—シクロへキシルー 2一プロペン酸の合成
反応フラスコに、 ピリジン (430.6g) 、 ピぺリジン (3.2g) およびシクロ へキシルアルデヒド (純度 97.5%, 209.7 , 1.87m o 1 ) を入れ、 45°Cに 昇温した後、 マロン酸(7 1 g, 0.69m o 1) を加え、 45°Cで 30分撹拌し た。再びマロン酸(7 1 g,0.69mo 1)を力 Dえ、 45 °Cで 30分撹抻した後、 再度マロン酸(7 1 g, 0.69mo 1) を加え、 45°Cで 30分撹拌した。 さら に、 60°Cに昇温し、 30分撹拌した後、 75°Cに昇温し、 4時間撹拌した。 反応液を 40°Cまで冷却し、 減圧下ピリジンを約 340 g留去した。 反応残 渣を 60°Cに昇温し、 トルエン (420 g) および 20%塩酸 (51 1 ) を加え、 60°Cで 30分撹拌した。 水層を分液後、 有機層に 10%水酸化ナ トリウム水溶液 (899 g) を加えて、 60°Cで 30分撹拌し、 有機層を分 液し水層側へ抽出後、 その水層をトルエン(42◦ g)および 20%塩酸(5 12 g) の中へ 60°Cで滴下した。 60°Cで 30分撹拌後、 水層を分液し、 さらに有機層を水 (63 g) で洗浄した。 得られた有機層を液体クロマトグ ラフィ一 (カラム;XterraRP18 (Waters, 4.6x250mm, 5 jum) 、 カラム温 度; 40°C、 検出器; UV 233 nm、 カラム流量; l.OmlZmi n、 溶離 液; CH
3CN/0.1% AcOH aq.= 50/50 (v/v) 、 内標; 4ーメトキ シトルエン) で定量すると、 275 g (収率 95.7%) の 2, 3—トランス一 3ーシクロへキシル— 2—プロペン酸が含まれていた。
参考例 2: 2, 3—トランス一 3—シクロへキシルー 2—プロペン酸の合成
反応フラスコに、 ピリジン (75.8g) 、 ピぺリジン (0.62g)およびマロン 酸 (37.9g, 0.36m o 1) を入れ、 75 °Cに昇温した後、 シクロへキシルアル デヒド (42.4g, 0.38mo 1) を滴下し、 75°Cで 6時間撹拌した。 反応液を 40°Cまで冷却し、減圧下、 ピリジンを約 69 g留去した。反応残渣を 60°C に昇温し、 トルエン (75 g) および 20%塩酸 (99 g) を加え、 60°C で 30分撹拌した。 水層を分液後、 有機層に 10 %水酸化ナトリゥム水溶液 (174 g) を加えて、 60°Cで 30分撹拌し、 有機層を分液し水層側へ抽 出後、 その水層をトルエン (75 g) および 20%塩酸 (1 10 g) の中へ 60°Cで滴下した。 60°Cで 30分撹拌後、 水層を分液し、 さらに有機層を 水(12 g)で洗浄した。得られた有機層の溶媒を濃縮し、 46.0gの結晶性固 体が得られた。 得られた固体を、 比較例 1と同様に液体クロマトグラフィー で定量すると、 純度 97.2%であり、 44.7g (収率 84.6%)の 2, 3—トランス 一 3—シクロへキシル一 2—プロペン酸が含まれていた。 実施例 1 :ラセミ体の (2R*, 3 S*) — 3—シクロへキシルー 2—ォキシ ランカルボン酸の合成
冷却管、 温度計、 pHメータ、 過酸化水素水滴下管、 アルカリ水溶液滴下 管を備え付けた反応フラスコに、 水 (20g)、 2, 3—トランス一 3—シク 口へキシルー 2—プロペン酸(2,00g, 13mmo 1)およびタングステン酸
ナトリウム' 2水和物(0.64 g, 1.95mm o 1)を入れ、 60°Cに昇温した後、 lmo 1/L硫酸を加えて反応液の pHを 5.3に調節した。ここに 35 %過酸 化水素水 (1.26g, 15.6mmo 1) を 3時間かけて滴下した。 滴下に従って、 反応液の pHが低下するために、 lmo 1/L水酸化カリウム水溶液を滴下 しながら、 反応系内の pHを 5.25〜535に調節した。 (lmo l/L水酸化 力リゥム水溶液の滴下は p Hメ一夕と連動させ pHコントローラ一により行 なった。 )反応終了液をそのまま、 液体クロマトグラフィー(カラム; Xterra RP18 (Waters, 4.6 X 250mm, 5〃m)、 カラム温度; 35°C、検出器; R I、 カラム流量; 1.0ml /mi n、 溶離液; MeCNZH
20 (0.1m o 1/L リ ン酸ナトリウム緩衝溶液, PH2.1) =45/55 (v/v)、 内標; 4—メトキ シトルエン) で定量すると、 2.17 g (収率 98.2%) のラセミ体の (2R*, 3 S*) — 3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸が含まれていた。 実施例 2 :ラセミ体の (2R*, 3 S*) —3—シクロへキシルー 2—ォキシ ランカルボン酸の合成
冷却管、 温度計、 pHメータ、 過酸化水素水滴下管、 アルカリ水溶液滴下 管を備え付けた反応フラスコに、 参考例 1で得られた 2, 3—トランス一 3 ーシクロへキシルー 2—プロペン酸のトルエン溶液(純度 36.2%, 693 g, 1.63m o 1)を仕込み、 60°Cに昇温し、減圧下、 トルエンを約 400 g留去 した。残渣に、水(2510g)および夕ングステン酸ナトリウム' 2水和物(82.5 , 0.24mm o 1 )を仕込み、 60 °Cで反応液の p Hを確認すると 5. 78で あった。 70%硫酸(約 21.8g)を加えて反応液の pHを 5.3に調節した。 こ こに 35%過酸化水素水(194 g,1.96mo 1)を約 4時間かけて滴下した。
滴下に従って、 反応液の pHが低下するために、 35%水酸化ナトリウム水 溶液を滴下しながら、 反応系内の pHを 5.25〜5.30に調節した。 (35%水 酸化ナトリウム水溶液の滴下は pHメータと連動させ pHコントローラーに より行なった。 ) 滴下後、 60°Cで 2時間撹拌した。 さらに、 35%過酸化 水素水 (40.9 g, 0.42m O 1 ) を、 反応系内の pHを 5.25〜5.30に調節しなが ら追加し、 60°Cで 2時間撹拌した。 さらに、 35%過酸化水素水 (19.4 g, 0.20mo 1)を、反応系内の pHを 5.25〜5.30に調節しながら追加し、 60°C で 2時間撹拌した。反応終了後、 反応液を 5°Cに冷却し、 トルエン (1004g) を加えた後、 70%硫酸 (126 g) を 5°Cで滴下し、 そのまま 30分撹拌 した。 水層を分液後、 有機層に 3 %亜硫酸ナトリゥム水溶液 ( 78 g) を加 えて、 5°Cで 30分撹拌後、 水層を分液した。 さらに、 有機層を水 (78 g) で 2回洗浄した。 得られた有機層を実施例 1と同様に、 液体クロマトグラフ ィ一で定量すると、 236 g (収率 87.4%) のラセミ体の (2R*, 3 S*) 一 3ーシクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸が含まれていた。 実施例 3〜6 :ラセミ体の (2R*, 3 S*) —3—シクロへキシル一2—才 キシランカルボン酸の合成
実施例 1の反応系内の pHを下記のように変更した以外は、 実施例 1と同 様に反応を行なって得られた結果を表 1に示す。
実施例番号 反応系内の pH 収率 実施例 3 4.45~4.55 53.3% 実施例 4 4.95〜5.05 93.3% 実施例 5 5.70〜5.80 98.0% 実施例 6 6.00〜6.10 90.2%
実施例?〜 8 :ラセミ体の (2 R*, 3 S*) 一 3—シクロへキシル一2—ォ キシランカルボン酸の合成
実施例 1の反応温度を下記のように変更した以外は、 実施例 1と同様に反 応を行なつて得られた結果を表 2に示す。
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実施例 9 :ラセミ体の (2 R*, 3 S*) — 3—シクロへキシルー 2—ォキシ ランカルボン酸の合成
反応フラスコに、 2, 3—トランス一 3—シクロへキシル一2—プロペン 酸 (0.48g, 3.1mm o 1)、 1, 2—ジクロ口ェ夕ン (9.5g)および過酢酸
(3.14g, 12.4mmo 1) を仕込み、 75 °Cに昇温し、 6時間撹拌した。 反応 液を一部取り、 ジァゾメタンでメチルエステル化後、 ガスクロマトグラフィ ― (カラム; SPB-5 (0.53mm ID X 30m)、 キヤリア一ガス;ヘリゥム、 線 速度; 42 cm/s e c、 カラム温度; 120 °C (5mi n) 一 (20。C/ min) - 250°C (8mi n) ) で分析すると、 原料の 2 , 3—トランス - 3—シクロへキシル一 2—プロペン酸メチルエステルが 15%、 生成物の ラセミ体の (2R*, 3 S*) 一 3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボ ン酸メチルエステルが 49 %、 分解物の 3—シクロへキシル— 2 , 3—ジヒ ドロキシプロピオン酸メチルエステルが 12 %であった。 実施例 10:ラセミ体の (2R*, 3R*) —2— (t—ブトキシカルボニル) アミノー 3—ヒドロキシー 3—シクロへキシルプロパン酸の合成
10 OmLオートクレープに、 ラセミ体の (2R*, 3S*) —3—シクロ へキシルー 2—ォキシランカルボン酸( 1 g, 5.88mm o 1)を入れ、 オート クレープを一 60°Cに冷却して、 アンモニア (10 g, 588mmo 1) を 加えた。 撹拌しながら、 110°Cまで昇温し、 4時間撹拌した。 反応液を室 温まで冷却し、 脱圧した後、 35 %水酸化ナトリゥム水溶液 ( 1 g) を滴下 し、 減圧下、 全量が 7 gになるまで濃縮した。 残渣に、 メタノール (4g) および二炭酸ジー t一ブチル (1.5g) を加え、 室温下、 1時間撹拌した。 減
圧下、 メタノールを留去し、 トルエンを加えて撹拌後、 水層を分液し、 水層 をさらに酢酸ェチル (5g)および 20%硫酸水素カリウム水溶液 (4g) を 加えて撹拌、 抽出し、 水層を分液した。 有機層を合わせ、 水 (lg) で 3回 洗浄して、 減圧下、 溶媒を留去することにより、 ラセミ体の (2R*, 3R*) —2— (t一ブトキシカルボニル) ァミノ一 3—ヒドロキシ一 3—シクロへ キシルプロパン酸を白色固体として 0.98 g (収率 58%)得た。 実施例 11 : (2R, 3R) -2- (t一ブトキシカルボニル) アミノー 3 ーヒドロキシ一 3—シクロへキシルプロパン酸の合成
10 OmLォ一トクレーブに、 (2S, 3R) —3—シクロへキシルー 2 一ォキシランカルボン酸アンモニゥム塩(1.13 g, 6.04mm o 1)および 28% アンモニア水 (10 g, 165mmo 1) を入れ、 撹袢しながら、 100°C まで昇温し、 4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、脱圧した後、 35% 水酸化ナトリウム水溶液 (lg) を滴下し、 減圧下、 全量が 7損になるまで 濃縮した。残渣に、 メタノール (4g)および二炭酸ジー t一ブチル (1.5g) を加え、 室温下、 1時間撹拌した。 減圧下、 メタノールを留去し、 トルエン を加えて撹拌後、 水層を分液し、 水層にさらに酢酸ェチル (5g)および 2 0%硫酸水素カリウム水溶液 (4g) を加えて撹拌、 抽出し、 水層を分液し た。 有機層を合わせ、 水 (1 g) で 3回洗浄して、 減圧下、 溶媒を留去する ことにより、 (2R, 3 R) ー2— (t—ブトキシカルボニル) アミノー 3 —ヒドロキシー 3—シクロへキシルプロパン酸を白色固体として 1.26g (収
率 75%)得た。 実施例 12 : (2 } 3R) -2- (tープトキシカルボニル) アミノー 3 ーヒドロキシー 3—シクロへキシルプロパン酸の合成
10 OmLオートクレープに、 28%アンモニア水 ( 10 g, 165mm o 1) を入れ、 撹拌しながら、 100°Cまで昇温した。 (2S, 3 R) -3 ーシクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸( 1 g, 5.88mm 01)のトル ェン (3g)溶液を、 加圧下、 ポンプにてォ一トクレーブに 2時間で滴下し た後、 そのまま 4時間撹拌した。 反応液を室温まで冷却し、 脱圧した後、 3 5%水酸化ナトリウム水溶液 (l g) を滴下し、 減圧下、 全量が 7 になる まで濃縮した。残渣に、 メタノール(4 g)および二炭酸ジー t一プチル(1.5 g) を加え、 室温下、 1時間撹抻した。 減圧下、 メタノールを留去し、 トル ェンを加えて撹拌後、 水層を分液し、 水層をさらに酢酸ヱチル (5g) およ び 20%硫酸水素カリウム水溶液 (4g) を加えて撹拌、 抽出し、 水層を分 液した。 有機層を合わせ、 水 (lg) で 3回洗浄して、 減圧下、 溶媒を留去 することにより、 (2R, 3R) -2- (t—ブトキシカルボニル) ァミノ — 3—ヒドロキシ一 3—シクロへキシルプロパン酸を白色固体として 1.32g (収率 78%)得た。 実施例 13 : (2R, 3R) — 2— (t一ブトキシカルボニル) ァミノ一 3 ーヒドロキシ _ 3—シクロへキシルプロパン酸の合成
2 Lオートクレーブに、 28%アンモニア水(367 g, 6.04m o 1)を入 れ、 撹拌しながら、 95°Cまで昇温した。 (2S, 3R) —3—シクロへキ シル一 2—ォキシランカルボン酸 (35.4g, 0.208m o 1 ) のトルエン (14 7 g) 溶液を、 加圧下、 ポンプにてォ一トクレーブに 2時間で滴下した。 さ らに、 トルエン (20g) でポンプを洗い込んだ後、 そのまま 4時間撹拌し た。 反応液を 30°Cまで冷却し、 脱圧した後、 28 %水酸化ナトリゥム水溶 液(44 g)を滴下し、 水(98 g)を加えた後、 30°Cで 30分撹拌した。 有機層を分液後、 水層を減圧下、 約 350 g留去した。 残渣を 40°Cにした 後、 メタノール (141 g)および二炭酸ジ一 t一ブチル (52.5g)のメ夕ノ —ル(35 g)溶液を加え、 40°Cで 1時間撹拌した。反応終了後、 減圧下、 メタノールを約 192 g留去し、 トルエン (35.5g)および水(100 g)を 加えて 30分撹拌後、 有機層を分液し、 水層を、 酢酸ヱチル (248 g) と 18%硫酸水素カリウム水溶液 (315 g) の混合液に滴下した。 30分撹 拌後、 反応液をセライ ト (登録商標) ろ過した後、 水層を分液し、 水 (35 g)で 2回洗浄した。得られた有機層を、 液体クロマトグラフィー(カラム; XterraRP18 (Waters, 4.6 X 250mm, 5〃m)、 カラム温度; 35°C、 検出器; RI、 カラム流量; 1.0ml/mi n、 溶離液; MeCNZH2〇 (0.1m o 1 /L リン酸ナトリウム緩衝溶液, pH2.1) =45/55 (v/v)、 内標; 4 ーメトキシトルエン) で定量すると、 46.1g (収率 77%) の (2R, 3R) 一 2— (t—ブトキシカルボニル) アミノー 3—ヒドロキシ一 3—シクロへ キシルプロパン酸が含まれていた。
実施例 14 : 3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸の光学分割
(A) (2 S, 3 R) — 3—シクロへキシル一 2—ォキシランカルボン酸と (R) — 2—アミノー 1—フエニルエタノールの塩の合成
ラセミ体の (2R*, 3 S*) _ 3—シクロへキシル一2—ォキシランカル ボン酸 (0.49g, 2.9mm o 1) をエタノール (1.2g) に溶解し、 (R) — 2 一アミノー 1—フエニルエタノール (0.24g, 1.59mm o 1) を加えた後、 5 0°Cに加熱溶解させ、 2時間かけて 20°Cまで冷却した。 析出した結晶をろ 取し乾燥させて、 (2 S, 3R) —3—シクロへキシル一2—ォキシラン力 ルボン酸と (R) — 2—ァミノ一 1—フエニルエタノールの塩を白色結晶と して 0.23g (収率 26%) を得た。
(B) (2 S, 3R) —3—シクロへキシル一2—ォキシランカルボン酸の 合成
(A) で製造した塩 (10mg) に、 ジェチルエーテル (3mL) と 5% 硫酸水素カリウム水溶液 (2mL) を加えて完全に溶解させた後、 水層を分 離し、 有機層を水洗 2回行なった。 有機層にメタノール (0.5mL) を加えた 後、 トリメチルシリルジァゾメタン/へキサン溶液 (0.5 m L) を加え、 よく 撹拌してから 15分間放置した後、 溶媒を減圧下で留去し、 残渣をへキサン /ィソプロピルアルコール = 9/1溶液に溶解させて、 液体クロマトグラフ ィー (カラム: CfflRALCELOD + CHIRALCELOJの二本連結、 溶離液:へキ サン/イソプロピルアルコール = 95/5、 流速: 1.5mL/mi n、 検出波 長: 230 nm) で分析したところ、 光学純度は 97 %eeであった。 実施例 15 : 3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸の光学分割 (A) (2 S, 3R) — 3—シクロへキシル一2—ォキシランカルボン酸と (R) _ 2—アミノー 3—フエ二ルー 1一プロパノールの塩の合成 ラセミ体の (2R*, 3 S*) —3—シクロへキシルー 2—ォキシランカル
ボン酸 (2.2g, 13mmo 1) をエタノール/水 =5/1 (17.3 g) に溶解 し、 (R) — 2—ァミノ一 3—フエ二ルー 1一プロパノール (1.9g, 13m mo 1) を加えた後、 50°Cに加熱溶解させ、 その後 2時間かけて 20°Cま で冷却した。 析出した結晶をろ取し乾燥させて、 (2 S, 3R) 一 3—シク 口へキシル一 2—ォキシランカルボン酸と (R) —2—アミノー 3—フエ二 ルー 1一プロパノールの塩を白色結晶として 0.8g (収率 19%) を得た。
(B) (2 S, 3R) —3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸の 合成
(A) で製造した塩を実施例 14と同様にして、 液体クロマトグラフィー で分析したところ、 光学純度は 95 %eeであった。 実施例 16: 3—シクロへキシル— 2—ォキシランカルボン酸の光学分割
(A) (2 S, 3R) — 3—シクロへキシル一2—ォキシランカルボン酸と (S) 一 2—ァミノ一 3— (ベンジルチオ) _ 1一プロパノールの塩の合成 ラセミ体の (2R*, 3 S*) 一 3—シクロへキシル一2—ォキシランカル ボン酸 (0.37g, 2.2mm o 1) をヱ夕ノール (6mL) に溶角早し、 (S) — 2_アミノー 3— (ベンジルチオ) 一 1一プロパノール (0.43 g, 2.2mm o 1) を加えた後、 60°Cに加熱溶解させ、 その後室温まで冷却した。 析出し た結晶をろ取し乾燥させて、 (2 S, 3R) — 3—シクロへキシルー 2—ォ キシランカルボン酸と (S) — 2—アミノー 3— (ベンジルチオ) 一 1—プ ロパノールの塩を白色結晶として 03g (収率 37%) を得た。
(B) (2 S, 3R) —3—シクロへキシル一2—ォキシランカルボン酸の 合成
(A) で製造した塩を実施例 14と同様にして、 液体クロマ
で分析したところ、 光学純度は 90%eeであった。
比較例 1 : 3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸の光学分割 ラセミ体の (2R*, 3 S*) 一 3—シクロへキシルー 2—ォキシランカル ボン酸 (2.1g, 12.3mm o 1 ) をエタノール (20mL) に溶解し、 ブルシ ン (4.2g, 10.8mm o 1) を加え 60 °Cに加熱溶解させた後、 ヘプタンを加 えて室温まで冷却した。 析出した結晶をろ取し乾燥させて白色固体を O.lg (収率 2%)得た。 この固体を実施例 14と同様にして、 液体クロマトグラ フィ一で分析したところ、 光学純度は 2 %ee以下であつた。 比較例 2 : 3—シクロへキシルー 2—ォキシランカルボン酸の光学分割 比較例 1のブルシンをシンコニンまたは (R) —フエニルェチルァミンに 変更した以外は、 比較例 1と同様に反応させて得られた固体を確認したとこ ろ、 シンコニンの場合、 収率 4%、 光学純度 l%ee、 (R) —フエ二ルェチ ルァミンの場合、 収率 2%、 光学純度 l%eeであった。 産業上の利用可能性
本発明の方法によれば、 2— (保護されていてもよいァミノ) —3—ヒド ロキシプロパン酸誘導体を入手容易な 2 , 3—トランス— 3—置換一 2—プ 口ペン酸を出発原料とし、 新規なォキシランカルボン酸誘導体を経由して、 安全、 簡便、 効率的に、 かつ高純度で製造することができ、 その分離精製も 容易である。従って、 本発明は工業的に多大の効果をもたらす。