明 細 書 ジフエニルスクァリリウム系化合物及びそれを含有するディスプレイ用フィル ―
ぐ技術分野 >
本発明は、 ジフヱニルスクァリリウム系化合物及びそれを含有するディスプレ ィ用フィル夕一に関し、 更に詳しくは、 光線透過率曲線における 5 5 0〜6 1 0 nmの波長域に極小値を有するシャープな吸収波形を有し、 ディスプレイ用フィ ル夕一、 特にプラズマディスプレイパネル用フィルタ一に含有させて用いるに好 適な、 ジフエニルスクァリリウム系化合物、 及びそのジフエニルスクァリリウム 系化合物を含有するディスプレイ用フィル夕一に関する。
<背景技術 >
従来より、 カラー画像の表示装置として、 陰極管、 蛍光表示管、 電界放射、 プ ラズマパネル、 液晶、 及びエレクト口ルミネッセンス等による各種の表示装置が 開発されているが、 これらは、 赤、 青、 緑の三原色発光を組み合わせ、 その際、 三原色以外の発光を所謂バンドパスフィル夕一を用いて吸収し、 鮮明なカラー画 像を得る方式を採っている。 そして、 そのフィル夕一としては、 色素を含有させ たものが主として用いられ、 その色素としては、 目的とする吸収以外に吸収がな いと共に、 耐熱性及び耐光性等を有することが要求される。
例えば、 大型の壁掛けテレビをはじめ種々の電子機器の表示装置として用いら れているプラスマディスプレイパネルでは、 放電によりキセノンとネオンの混合 ガスが励起されて真空紫外線を放射し、 その真空紫外線による赤、 青、 緑のそれ それの蛍光体の発光を利用して三原色発光を得るという方式が採られているが、 そのネオン原子が、 励起された後に基底状態に戻る際に 5 9 O n m付近を中心と する所謂ネオンオレンジ光を発光することが知られており、 このため、 そのォレ ンジ色が赤色に混ざって鮮やかな赤色が得られ難いという欠点がある。 特にこの
オレンジ色の遮蔽に関しては、 三原色発光のうちの赤色発光部分が 6 0 0 〜 6 5
0 n m付近に隣接しているため、 オレンジ光のみを遮蔽し、 且つ、 赤色発光には 影響を及ぼさないことが要求される。 これに対して、 このネオンオレンジ光を遮 蔽することを目的として、 通常、 5 9 O n m付近に吸収を有する色素を含有せし めたフィル夕一を用いることについて、 各種の検討がなされているが、 未だ、 ネ オンオレンジ光を有効に遮蔽できなかったり、 視野の明るさを低下させたりする 等の問題があり、 更に、 耐熱性及び耐光性等も不十分であった。
このプラズマディスプレイパネル用フィル夕一におけるこれらの問題を解決す ベく、 本発明者は、 フィル夕一に含有せしめる色素として、 スクァリリウム系化 合物、特にジフエニルスクァリリウム系化合物に着目して種々検討を重ねてきた。 一方、 ジフヱニルスクァリリウム系化合物を用いた例としては、 例えば、 特開平
1 0 - 2 0 4 3 0 4号公報に、 水酸基を置換基として有するジフエニルスクァリ リウム系化合物を用いた例が開示されているが、 本発明者の検討によると、 開示 される化合物は、 ネオンオレンジ光の波長領域からずれた領域に吸収を有するこ とから、 ネオンオレンジ光の遮蔽性は依然として不十分であることが判明した。 又、 特開 2 0 0 0— 4 3 1 7 5号公報には、 置換アミノ基を置換基として有する ジフエニルスクァリリウム系化合物を用いた例が開示され、 具体的には、 フエ二 ル基の置換基として、 ジアルキルアミノ基、 又は、 ジアルキルアミノ基とァセト アミ ド基、 又は、 ジアルキルアミノ基と水酸基、 を有する化合物等が記載されて いるが、 これらの化合物も、 本発明者の検討によると、 ネオンオレンジ光の遮蔽 性は依然として不十分であることが判明した。
<発明の開示 >
本発明は、 ディスプレイ用フィル夕一における前述の現状に鑑みてなされたも ので、 従って、 本発明は、 光線透過率曲線における 5 5 0 〜 6 1 O n mの波長域 に極小値を有するシヤープな吸収波形を有し、 ディスプレイ用フィル夕一に含有 させて用いたときに、 視野の明るさの低下がないフィル夕一を得ることができる ジフエニルスクァリリゥム系化合物、 及びそのジフエニルスクァリリゥム系化合
物を含有するディスプレイ用フィルターを提供することを目的とする。
本発明は、 下記一般式 (I) で表されるジフエニルスクァリリウム系化合物、 及 び、 そのジフエニルスクァリリゥム系化合物を含有してなるディスプレイ用フィ ル夕一、 を要旨とする。
〔式 (I) 中、 R1は、 置換基を有していてもよいアルキル基、 置換基を有してい てもよいアルコキシ基、 置換基を有していてもよいシクロアルキル基、 置換基を 有していてもよいァリール基、 置換基を有していてもよいァリールォキシ基、 又 はハロゲン原子を示し、 W— X— R2中の Wは、 イミノ基、 アルキルイミノ基、 又は酸素原子を示し、 Xは、 カルボニル基、 又はスルホ二ル基を示し、 R2は、 1価基、 又は水素原子を示し、 1及び 1 ' はそれそれ独立して 0〜4の整数、 m 及び m' はそれぞれ独立して 0〜4の整数、 n及び n 5 はそれそれ独立して 1〜 5の整数で、 l +m + n≤5、 及び 1 ' + m, + η ' ≤5であり、 ベンゼン璟上 に R1及び W— X— がそれそれ複数個存在するとき、 R1及び W— X— R2のそ れそれは、 一方のベンゼン環において、 又、 他方のベンゼン環との間で、 互いに 異なっていてもよい。〕
<図面の簡単な説明 >
図 1は、 本発明の実施例 4で得られたブラズマデイスプレイパネル用フィルタ 一の光線透過率曲線である。
図 2は、 本発明の実施例 5で得られたプラズマディスプレイパネル用フィル夕 —の光線透過率曲線である。
図 3は、 本発明の実施例 6で得られたプラズマディスプレイパネル用フィル夕 一の光線透過率曲線である。
図 4は、 本発明の実施例 7で得られたプラズマディスプレイパネル用フィル夕 一の光線透過率曲線である。
<発明を実施するための最良の形態 >
本発明のジフエニルスクァリリウム系化合物は、 前記一般式 (I) で表されるも のであり、 前記一般式 (I) における R1のアルキル基としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブチル基、 ペンチル基、 へキシル基、 ヘプチル基、 ォク チル基、 デシル基、 ゥンデシル基、 ドデシル基、 トリデシル基、 ペン夕デシル基 等の炭素数 1〜2 0の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、 又、 R1のアルコキシ 基としては、 例えば、 メトキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基、 ブトキシ基、 ぺ ンチルォキシ基、 へキシルォキシ基、 ヘプチルォキシ基、 ォクチルォキシ基、 デ シルォキシ基、 ゥンデシルォキシ基、 ドデシルォキシ基、 トリデシルォキシ基、 ペン夕デシルォキシ基等の炭素数 1〜2 0の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、 又、 R1のシクロアルキル基としては、 例えば、 シクロプロビル基、 シクロプチ ル基、 シクロペンチル基、 シクロへキシル基、 シクロへプチル基等の炭素数 1〜 2 0のものが、 又、 R 1のァリール基としては、 例えば、 フエニル基、 ナフチル 基等が、 又、 R 1のァリールォキシ基としては、 例えば、 フエノキシ基、 ナフチ ルォキシ基等が、 又、 R 1のハロゲン原子としては、 例えば、 弗素原子、 塩素原 子、 臭素原子等が、 それそれ挙げられる。
又、 前記アルキル基、 アルコキシ基、 シクロアルキル基、 ァリール基、 及ぴァ リールォキシ基の置換基としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 プチル基、 ペンチル基、 へキシル基、 ヘプチル基、 ォクチル基、 デシル基等の炭 素数 1〜1 0のアルキル基、 メ トキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基、 ブトキシ 基、 ペンチルォキシ基、 へキシルォキシ基、 ヘプチルォキシ基、 ォクチルォキシ 基、 デシルォキシ基等の炭素数 1〜 1 0のアルコキシ基、 シクロプロピル基、 シ クロブチル基、 シクロペンチル基、 シクロへキシル基、 シクロへプチル基等の炭
素数 1〜1 0のシクロアルキル基、 水酸基、 又は、 弗素原子、 塩素原子、 臭素原 子等のハ口ゲン原子等が挙げられる。
前記一般式 (I) において、 R1としては、 前記の中で、 (1) アルコキシ基、 水酸 基、 或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖 状アルキル基、 (2) アルコキシ基を置換基として有していてもよい直鎖状若しく は分岐鎖状アルコキシ基、 (3) アルキル基、 アルコキシ基、 或いはハロゲン原子 を置換基として有していてもよいァリール基、 (4) アルキル基、 アルコキシ基、 或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいァリ一ルォキシ基、又は (5) ハロゲン原子、が好ましく、炭素数 1〜 8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、 又は炭素数 1〜 8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基が特に好ましい。
又、 前記一般式 (I) における W— X— R2中の Wのアルキルイミノ基におけるァ ルキル基としては、 炭素数 1〜 8の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが好ましく、 Wとしては、 イミノ基、 又はアルキルイミノ基が好ましく、 ィミノ基が特に好ま しい。 又、 W— X— R2中の Xとしては、 スルホニル基が好ましい。 尚、 Xがス ルホニル基であるとき、 R2は水素原子ではない。
又、 W—X— 中の R2の 1価基としては、 例えば、 前記 R 1におけるアルキ ル基として挙げたと同様のアルキル基、 前記 R1におけるアルコキシ基として挙 げたと同様のアルコキシ基、 前記 R 1におけるシクロアルキル基として挙げたと 同様のシクロアルキル基、 前記 R 1におけるァリール基として挙げたと同様のァ リール基、 前記 R 1におけるァリールォキシ基として挙げたと同様のァリールォ キシ基、 並びに、 アミノ基、 及び、 3—ピリジル基、 2 —フリル基、 2—テトラ ヒドロフリル基、 2—チェニル基等の複素環基等が挙げられ、 これらのアルキル 基、 アルコキシ基、 シクロアルキル基、 ァリール基、 ァリールォキシ基、 ァミノ 基、 及び複素環基は、 例えば、 前記 R1におけるアルキル基、 アルコキシ基、 シ クロアルキル基、 ァリ一ル基、 及ぴァリールォキシ基の置換基として挙げたと同 様の、 炭素数 1〜 1 0のアルキル基、 炭素数 1〜 1 0のアルコキシ基、 炭素数 1 〜 1 0のシクロアルキル基、 又はハロゲン原子、 或いはァリール基等を置換基と して有していてもよい。
前記一般式 (I) において、 R2としては、 前記の中で、 (1) アルコキシ基、 シク 口アルキル基、 ァリール基、 或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよ い直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、 (2) 直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ 基、 (3) アルキル基を置換基として有していてもよいシクロアルキル基、 (4)アル キル基、 アルコキシ基、 或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいァ リール基、 (5) アルキル基、 アルコキシ基、 或いはハロゲン原子を置換基として 有していてもよいァリールォキシ基、 (6) アルキル基を置換基として有していて もよぃァミノ基、 又は (7)複素環基、 が好ましく、 炭素数 1〜8の直鎖状若しく は分岐鎖状アルキル基、 炭素数 1〜 8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、 シクロへキシル基、 フエニル基、 フヱノキシ基、 アミノ基、 2—フリル基、 又は 2—テトラヒドロフリル基が更に好ましく、 炭素数 1〜 8の直鎖状若しくは分岐 鎖状アルキル基が特に好ましい。
前記一般式 (I) において、 W— X— R2で表される基としては、 前記の中で、 ァ ルキルスルホニルァミノ基、 ハロアルキルスルホニルァミノ基、 フエニルスルホ ニルァミノ基、 アルキルフエニルスルホニルァミノ基、 アルコキシフエニルスル ホニルァミノ基、 又はハロフエニルスルホニルァミノ基が特に好ましい。
又、 前記一般式において、 1及び 1 ' はそれそれ独立して 0〜 4の整数、 m及 び m' はそれそれ独立して 0〜4の整数、 n及び n, はそれそれ独立して 1〜 5 の整数で、 l + m+ n≤5、 及び 1, +m, + n, ≤ 5であるが、 1及び 1 ' は 1以上で、 l + m+ n ^ 3、 及び 1 ' +m' + η ' ≤3であるのが好ましく、 よ り好ましくは、 m及び m,は 0である。又、ベンゼン環上に R1及び W— X— R2が それそれ複数個存在するとき、 R 1及び W— X— R2のそれそれは、 一方のベンゼ ン環において、 又、他方のベンゼン環との間で、 互いに異なっていてもよい。又、 一方のベンゼン璟上に隣接して存在する R 1同士が互いに連結してアルカンジィ ル基ゃアルキレンジォキシ基等となって環状構造を形成していてもよい。
以上説明した本発明のジフエニルスクァリリゥム系化合物の具体例を以下に示 す。
S9S.0/lOdT/X3d IZ.90Z/Z0 OAV
以上の中で、 本発明においては、 耐熱性、 耐光性等の点から、 前記一般式 (I)の 2個のフエニル基の少なくとも両 o—位に、 水酸基、 R 及び W— X— R2から なる群から選択されたいずれかが結合している化合物が好ましく、 両 0—位に、 水酸基、 又は W— X— R2が結合している化合物が特に好ましく、 又、 スクァリ リゥム基を挟んで左右対象であるものが好ましい。
尚、 本発明の前記ジフエニルスクァリリウム系化合物は、 例えば、 前記一般式 (I) における、 置換基を有するフエニル基に対応する置換フエノール化合物 2モ ルに対してスクェア酸 (3, 4 —ジヒドロキシー 3—シクロブテン一 1, 2—ジ オン) 1モルを、 エタノール、 酢酸等の溶媒中、 或いは、 n—プチルアルコール /トルエン、 n—ブチルアルコール ベンゼン等の混合溶媒中で、 7 0〜 1 5 0 °C 程度に加熱しながら脱水縮合反応させる等、 Angew.Chem.,vol.77,680〜 681(1965) に記載される方法に準じて、 或いはその他公知の方法を組み合わせる ことにより合成することができる。
本発明の前記ジフエニルスクァリリウム系化合物は、 分子吸光係数が大きく、 光線透過率曲線における 5 5 0〜6 1 0 n mの波長域、 好ましくは 5 7 0〜 6 0 5 n mの波長域、 特に好ましくは 5 8 0〜6 0 0 n mの波長域に極小値を有し、 又、該極小値の半値幅が 6 0 n m以下のシャープなバレ一型を有するものであり、 青色系の色素として有用である。
又、 本発明の前記ジフヱニルスクァリリウム系化合物は、 バンイダー樹脂に混 入して、 フィルム状に成形するか、 或いは、 溶媒に溶解し基材に塗布し乾燥させ て塗膜とし、 1 0 0 °Cの恒温槽中に 1 0 0時間放置したときの残存率が、 8 0 % 以上、 好ましくは 9 0 %以上、 特に好ましくは 9 5 %以上という優れた耐熱性を 有し、 更に、 キセノンフエ一ドメ一夕一によって、 照度 7 3, 0 0 0ルックス、 ブラヅクパネル温度 6 3 °C、 相対湿度 3 3 %の条件下でキセノンランプを 8 0時 間照射したときの残存率が、 7 0 %以上、 好ましくは 8 0 %以上という優れた耐 光性を有するものである。
従って、 例えば、 陰極管、 蛍光表示管、 電界放射、 プラズマパネル、 液晶、 及 びエレクト口ルミネッセンス等による各種ディスプレイのバンドパスフィル夕一、
インクジェットインク、 感熱転写記録材料、 感圧記録材料、 電子写真、 カラート ナー、 カラーフィルター、 ソルバトロミック材料、着色樹脂材等における着色剤、
D V D— Rのような光記録媒体、 光増感剤、 電子写真感光体等における電荷発生 剤、 太陽電池、 色素レーザー、 滴定指示薬等の色素プローブ等における機能性色 素等として用いることができ、 特に、 前記ディスプレイ用フィル夕一、 就中、 プ ラズマディスプレイパネル用フィル夕一として有用である。
本発明のディスプレイ用フィル夕一は、 前記ジフエニルスクァリリゥム系化合 物の 1種又は 2種以上を含有してなるが、 その含有形態としては、 代表的には、 シート状或いはフィルム状の透明基材上に、 前記ジフヱニルスクァリリウム系化 合物を含むバインダ一樹脂からなるジフェニルスクァリリウム系化合物含有樹脂 層を形成させた積層体、 又は、 前記ジフエニルスクァリリウム系化合物を含むバ ィンダ一樹脂からなるジフエニルスクァリリゥム系化合物含有樹脂の単層のシー ト或いはフィルム、 が挙げられる。 尚、 2種以上の前記ジフエニルスクァリリウ ム系化合物を用いる場合、 前者における前記ジフエニルスクァリリウム系化合物 含有樹脂層、 又は、 後者における前記ジフエニルスクァリリウム系化合物含有樹 脂のそれそれに 2種以上を含有せしめることとしてもよく、 2種以上を 1種毎に 含有せしめた層を形成することとしてもよい。 その場合、 後者においても積層体 が形成されることとなる。 又、 用いるジフエニルスクァリリウム系化合物に応じ てそれそれの層のバインダ一樹脂を変えることによって、 微妙な色調節を行うこ ともできる。
そして、 前者積層体を作製するには、 例えば、 前記ジフエニルスクァリリウム 系化合物とバインダ一樹脂とを適当な溶剤の溶液若しくは分散液とし、 公知の塗 布方法でシート状或いはフィルム状の透明基材上に塗布し、 乾燥させる方法、 熱 可塑性樹脂における常法の成形法に従って、 前記ジフエニルスクァリリウム系化 合物とバインダー樹脂とを溶融混練して押出成形、 射出成形、 圧縮成形等によつ てフィルム或いはシートに成形し、 そのフィルム或いはシートを透明基材上に接 着剤等により接着させる方法、 前記ジフエニルスクァリリウム系化合物とバイン ダ一樹脂とを溶融混練してフィルム状或いはシ一ト状に押出し、 透明基材上に押
出ラミネートする方法、 前記ジフエニルスクァリリゥム系化合物とバインダ一樹 脂とを溶融混練して透明樹脂基材と共押出成形する方法、 等の各種の方法を採る ことができ、 又、 後者単層のシート或いはフィルムを作製するには、 例えば、 前 記ジフ Xニルスクァリリウム系化合物とバインダー樹脂とを適当な溶剤の溶液若 しくは分散液としてキヤリヤー上に流延し、 乾燥させる方法、 熱可塑性樹脂にお ける常法の成形法に従って、 前記ジフエニルスクァリリウム系化合物とバインダ 一樹脂とを溶融混練して押出成形、 射出成形、 圧縮成形等によってフィルム或い はシートに成形する方法、 等を採ることができる。
以上の含有形態及びその作製方法の中で、 本発明のディスプレイ用フィル夕一 としては、 前記ジフエニルスクァリリゥム系化合物とバインダ一樹脂とを適当な 溶剤の溶液若しくは分散液とし、 公知の塗布方法でシート状或いはフィルム状の 透明基材上に塗布し乾燥させることにより、 透明基材上に、 前記ジフエニルスク ァリリウム系化合物を含むバインダ一樹脂からなるジフエニルスクァリリウム系 化合物含有樹脂層を形成させた積層体であるのが好ましい。
本発明において、 ディスプレイ用フィル夕一の作製は、 それそれのフィルタ一 用途における層構成及び層材質等に準じた方法が採られるが、 本発明において特 に好ましいとするプラズマディスプレイパネル用フィル夕一においては、 以下に 説明する方法が好適である。
本発明のディスプレイ用フィル夕一を構成するシ一ト状或いはフィルム状の透 明基材の材質としては、 実質的に透明であって、 吸収、 散乱が大きくない材料で あれば特に制限はない。 具体的な例としては、 ガラス、 ポリオレフイン系樹脂、 非晶質ポリオレフイン系樹脂、 ポリエステル系樹脂、 ポリカーボネート系樹脂、 アクリル系樹脂、 ポリスチレン系樹脂、 ポリ塩化ビニル系樹脂、 ポリ酢酸ビニル 系樹脂、 ポリアリレート系樹脂、 ポリエーテルサルホン系樹脂等を挙げられ、 こ れらの中では、 特に非晶質ポリオレフイン樹脂、 ポリエステル樹脂、 ポリカーボ ネート樹脂、 アクリル系樹脂、 ポリアリレート樹脂、 ポリエーテルサルホン樹脂 等が好ましい。
また上記樹脂は、 公知の射出成形、 Tダイ成形、 カレンダー成形、 圧縮成形等
の方法や、 有機溶剤に溶融させてキャスティングする方法などを用い、 フィルム またはシート状に成形され、 上記の樹脂には、 一般的に公知である添加剤、 耐熱 老化防止剤、 滑剤、 帯電防止剤等を配合することができる。
その厚みとしては、 通常、 1 0〃m〜5 mmの範囲が望ましい。 かかる透明基 板を構成する基材は、 未延伸でも延伸されていても良い。 また、 他の基材と積層 されていても良い。
更に、 該透明基材は、 コロナ放電処理、 火炎処理、 プラズマ処理、 グロ一放電 処理、 粗面化処理、 薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、 アンカーコ —ト剤やプライマー等のコーティングを施しても良い。
又、 バインダー樹脂としては、 実質的に透明であって、 光の吸収や散乱の小さ い材料であれば特に限定されるものではなく、 例えば、 アクリル系樹脂、 ェチレ ン—酢酸ビニル共重合体樹脂及びその鹼化物、 ポリスチレン系樹脂、 ポリエステ ル系樹脂、 ポリカーボネート系樹脂、 ポリアミ ド系樹脂、 ポリサルホン系樹脂、 ポリ酢酸ビエル系樹脂、 ポリビニルプチラール系樹脂、 セル口一ス系樹脂、 フヱ ノール系樹脂、 フエノキシ系樹脂等が挙げられ、 中でも、 入手のしゃすさの点か ら、 ポリエステル系樹脂、 アクリル系樹脂及びポリカーボネート系樹脂が好まし く、 特に吸収波長の調整という点から言えばアクリル系樹脂が好ましい。
バインダーの使用量は、 5 5 0〜6 1 0 n mの波長域に最大吸収を有する化合 物に対して、 通常、 2 0〜5 0 0 0重量倍、 好ましくは 4 0〜2 0 0 0重量倍で ある。
又、 溶剤としては、 例えば、 ブタン、 ペンタン、 へキサン、 ヘプタン、 ォクタ ン等のアルカン類;シクロペンタン、 シクロへキサン、 シクロヘプタン、 シクロ オクタン等のシクロアルカン類;エタノール、 プロパノール、 ブ夕ノール、 アミ ルアルコール、 へキサノ一ル、 ヘプ夕ノール、 ォク夕ノール、 デカノール、 ゥン デカノ一ル、 ジアセトンアルコール、 フルフリルアルコール等のアルコール類; メチルセ口ソルブ、 ェチルセ口ソルプ、 プチルセ口ソルブ、 メチルセ口ソルプア セテ一ト、 ェチルセ口ソルプアセテート等のセロソルプ類; プロピレングリコ一 ルモノメチルエーテル、 プロピレングリコールモノェチルエーテル、 プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、 プロピレングリコールモノメチルエーテルァセ テート、 プロピレングリコールモノェチルェ一テルアセテート、 プロピレングリ コールモノブチルエーテルアセテート、 ジプロピレングリコールジメチルエーテ ル等のプロピレングリコール類;アセトン、 メチルアミルケトン、 シクロへキサ ノン、 ァセトフエノン等のケトン類;ジォキサン、 テトラヒドロフラン等のェ一 テル類;酢酸プチル、 酢酸ァミル、 酪酸ェチル、 酪酸プチル、 ジェチルォキサレ
—ト、 ピルビン酸ェチル、 ェチルー 2—ヒドロキシブチレ一ト、 ェチルァセトァ セテート、 乳酸メチル、 乳酸ェチル、 3—メ トキシプロピオン酸メチル等のエス テル類; クロ口ホルム、 塩化メチレン、 テトラクロロェタン等のハロゲン化炭化 水素類;ベンゼン、 トルエン、 キシレン、 クレゾ一ル等の芳香族炭化水素類; ジ メチルホルムアミ ド、 ジメチルァセトアミ ド、 N—メチルビ口リ ドン等の高極性 溶剤類等が挙げられる。
尚、 前記ジフヱニルスクァリリウム系化合物と前記バインダー樹脂との溶液若 しくは分散液には、 ポリビニルプチラール系樹脂、 フヱノキシ系樹脂、 ロジン変 性フヱノール樹脂等のフヱノール系樹脂、 石油樹脂、 硬化ロジン、 ロジンエステ ル、 マレイン化ロジン等のロジン系樹脂、 ポリウレタン系樹脂等等の分散剤が用 いられてもよい。
分散剤の使用量としては、 用いられるジフエニルスクァリリゥム系色素 1 0 0 重量部に対し、 通常、 0 . 0 1〜 1 0重量部程度添加される。
又、 前記ジフエニルスクァリリウム系化合物と前記バインダー樹脂、 更に、 必 要に応じて用いられる前記分散剤の溶液若しくは分散液中の前記ジフヱニルスク ァリリウム系化合物の濃度は、 通常、 0 . 5〜5 0重量%とされ、 又、 前記ジフ ェニルスクァリリウム系化合物、 前記バインダー樹脂、 及び前記分散剤の合計量 に占める前記ジフエニルスクァリリウム系化合物の割合は、 通常、 0 . 0 5〜5 0重量%、 好ましくは 0 . 1〜2 0重量%とされる。
又、 溶液若しくは分散液の透明基材上への塗布方法としては、 例えば、 デイツ プコート法、 フローコート法、 スプレーコート法、 ノ ーコート法、 グラビアコー ト法、 ロールコート法、 プレードコート法、 エア一ナイフコート法等が挙げられ、
その塗布量は、 乾燥膜厚として、 通常、 0 . 1〜3 0 zm、 好ましくは 0 . 5〜 1 0 z mの範囲とされる。
又、 本発明のディスプレイ用フィル夕一は、 前記ジフエニルスクァリリウム系 化合物を含有することを必須とするが、 特にバンドパスフィル夕一、 就中、 ブラ ズマディスプレイパネル用フィル夕一としては、 色調の調節、 色純度の向上、 或 いは、 色温度の向上等のために、 更に、 下記一般式 (Π)で表されるジビラゾリル メチン系化合物、 又は/及び、 下記一般式 (III)で表されるジピラゾリルスクァリ リゥム系化合物を含有するのが好ましい。
〔式 (II)中、 R
3は、 置換基を有していてもよいアルキル基、 置換基を有してい てもよぃシクロアルキル基、 置換基を有していてもよいァリール基、 又は水素原 子を示し、 R
4は、 置換基を有していてもよいアルキル基、 置換基を有していて もよいアルコキシ基、 置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、 置換 基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいァリール基、 置換基を有していてもよぃァリールォキシ基、 置換基を有していてもよいァリ一 ルォキシカルボニル基、 置換基を有していてもよいアミノ基、 又は水素原子を示 し、 R
5は、 置換基を有していてもよいアルキル基、 置換基を有していてもよい シクロアルキル基、置換基を有していてもよいァリール基、'又は水素原子を示し、 Yは、 酸素原子、 又はイミノ基を示し、 これらの R
4、 R 及び Yは、 両方のピ ラゾール環の間で互いに異なっていてもよい。〕
〔式 (III) 中、 R6は、 置換基を有していてもよいアルキル基、 置換基を有して いてもよいシクロアルキル基、 置換基を有していてもよいァリール基、 又は水素 原子を示し、 R7は、 置換基を有していてもよいアルキル基、 置換基を有してい てもよいアルコキシ基、 置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、 置 換基を有していてもよいシクロアルキル基、 置換基を有していてもよいァリ一ル 基、 置換基を有していてもよいァリールォキシ基、 置換基を有していてもよいァ リールォキシカルボニル基、 置換基を有していてもよいアミノ基、 又は水素原子 を示し、 Zは、 酸素原子、 又はイミノ基を示し、 これらの R6、 R 及び Zは、 両方のピラゾール環の間で互いに異なっていてもよい。〕
ここで、 前記一般式 (II)における R3及び R5のアルキル基としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 プチル基、 ペンチル基、 へキシル基、 へプチ ル基、 ォクチル基、 デシル基、 ゥンデシル基、 ドデシル基、 トリデシル基、 ペン 夕デシル基等の炭素数 1〜2 0の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、又、 R3及び R5のシクロアルキル基としては、 例えば、 シクロプロピル基、 シクロブチル基、 シクロペンチル基、 シクロへキシル基、 シクロへプチル基等の炭素数 1〜2 0の ものが、 又、 R3及び R5のァリール基としては、 例えば、 フヱニル基、 ナフチル 基等が、 それそれ挙げられる。
又、 前記アルキル基、 前記シクロアルキル基、 及びァリール基の置換基として は、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 プチル基、 ペンチル基、 へキシ ル基、 ヘプチル基、 ォクチル基、 デシル基等の炭素数 1〜 1 0のアルキル基、 メ
トキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基、 ブトキシ基、 ペンチルォキシ基、 へキシ ルォキシ基、 ヘプチルォキシ基、 ォクチルォキシ基、 デシルォキシ基等の炭素数
1〜 1 0のアルコキシ基、 フエニル基、 ナフチル基等のァリール基、 フエノキシ 基、 ナフチルォキシ基等のァリールォキシ基、 スルホンアミド基、 アルキルスル ホンアミ ド基、 ジアルキルスルホンアミ ド基、 ニトロ基、 水酸基、 及び、 弗素原 子、 塩素原子、 臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
前記一般式 (Π)において、 R3及び R5としては、 前記の中で、 (1)アルコキシ基、 ァリール基、 ァリールォキシ基、 水酸基、 或いはハロゲン原子を置換基として有 していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、 (2) アルキル基、 アルコキ シ基、 スルホンアミ ド基、 アルキルスルホンアミ ド基、 ジアルキルスルホンアミ ド基、 ニトロ基、 水酸基、 或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい ァリール基、 又は (3)水素原子、 が好ましく、 特に、 R3としては、 水素原子、 炭 素数 1〜 8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、 又はフェニル基が好ましく、 R5としては、 炭素数 1〜 8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、 又は、 アル キル基或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいフエニル基が好まし い。
又、 前記一般式 (Π)における R4のアルキル基としては、 前記 R3及び R5におけ るアルキル基として挙げたと同様のものが、 又、 R4のアルコキシ基としては、 例えば、 メ トキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基、 ブトキシ基、 ペンチルォキシ 基、 へキシルォキシ基、 ヘプチルォキシ基、 ォクチルォキシ基、 デシルォキシ基、 ゥンデシルォキシ基、 ドデシルォキシ基、 トリデシルォキシ基、 ペン夕デシルォ キシ基等の炭素数 1〜2 0の直鎖状若しくは分岐鎖状のものが、 又、 R4のアル コキシカルボニル基としては、 前記アルコキシ基を有するカルボニル基が、 又、 R4のシクロアルキル基としては、 前記 R3及び R5におけるシクロアルキル基と して挙げたと同様のものが、 又、 ァリール基としては、 前記 R3及び R5における ァリール基として挙げたと同様のものが、 又、 : R4のァリールォキシ基としては、 フエノキシ基、 ナフチルォキシ基等が、 又、 R4のァリールォキシカルボニル基 としては、前記ァリールォキシ基を有するカルボニル基が、それそれ挙げられる。
又、 前記アルキル基、 アルコキシ基、 アルコキシカルボニル基、 シクロアルキ ル基、 ァリール基、 ァリ一ルォキシ基、 ァリールォキシカルボニル基、 及びアミ ノ基の置換基としては、 例えば、 前記 R3及び R 5におけるアルキル基、 シクロア ルキル基、 及びァリール基の置換基として挙げたと同様のアルキル基、 同じくァ ルコキシ基、 同じくァリール基、 同じくァリールォキシ基、 同じくスルホンアミ ド基、 同じくアルキルスルホンアミ ド基、 同じくジアルキルスルホンアミ ド基、 同じくニトロ基、 同じくハロゲン原子、 並びに、 プロピオニル基、 プチリル基、 ベンゾィル基等のァシル基、 メタンスルホニル基、 ベンゼンスルホニル基等のス ルホニル基、 水酸基、 及びハロゲン原子等が挙げられる。
前記一般式 (Π)において、 R4としては、 前記の中で、 (1) アルコキシ基、 ァリ ール基、 ァリールォキシ基、 水酸基、 或いはハロゲン原子を置換基として有して いてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、 (2) アルコキシ基を置換基とし て有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、 (3) アルコキシ基を 置換基として有していてもよいアルコキシ基を有するカルボニル基、 (4) アルキ ル基、 アルコキシ基、 スルホンアミ ド基、 アルキルスルホンアミ ド基、 ジアルキ ルスルホンアミ ド基、 ニトロ基、 水酸基、 或いはハロゲン原子を置換基として有 していてもよいァリ一ル基、 (5) アルキル基、 或いはアルコキシ基を置換基とし て有していてもよいァリール基を有するカルボニル基、 又は (6) アルキル基、 ァ シル基、 又はスルホ二ル基を置換基として有していてもよいアミノ基、 が好まし く、 特に、 炭素数 1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が好ましい。
又、 前記一般式 (II)において、 Yとしては酸素原子が好ましい。 更に、 本発明 において、 前記一般式 (II)で表されるジピラゾリルメチン系化合物としては、 前 記 R 4、 R 及び Yは、 両方のピラゾール璟の間で互いに異なっていてもよいが、 メチン基を挟んで左右対象であるものが好ましく、 好適なジピラゾリルメチン系 化合物の具体例を以下に示す。
TJPOl/07565
尚、 前記ジピラゾリルメチン系化合物は、 例えば、 前記一般式 (Π)に対応する ビラゾロン系化合物 2モルに対して、 オルト蟻酸アルキルエステル系化合物 1モ ルを、 無溶媒で加熱還流して縮合反応させる等、 Liebigs Ann.Chem.,1680〜 1688(1976)に記載される方法に準じて、 又は、 前記反応を N—メチルピロリ ドン、 N, N—ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシド、 1 , 3 —ジメチルー 2 —イミダゾリジノン等の溶媒中、 9 0〜2 0 0 °C程度に加熱して、 或いはその他 公知の方法を組み合わせることにより合成することができる。
又、 前記一般式 (III) における R6のアルキル基、 シクロアルキル基、 及びァリ ール基としては、 前記一般式 (II)における R3及び R5のアルキル基、 シクロアル キル基、 及ぴァリール基として挙げたと同様のものが挙げられる。
又、 前記アルキル基、 シクロアルキル基、 及びァリール基の置換基としても、 例えば、 前記一般式 (Π)における R3及び R5のアルキル基、 シクロアルキル基、 及びァリール基の置換基として挙げたと同様の、 アルキル基、 アルコキシ基、 ァ リール基、 ァリールォキシ基、 スルホンアミ ド基、 アルキルスルホンアミ ド基、 ジアルキルスルホンアミ ド基、 ニトロ基、 水酸基、 及び、 ハロゲン原子等が挙げ られる。
前記一般式 (ΙΠ) において、 R6としては、 前記の中で、 (1) アルコキシ基、 ァ リール基、 ァリールォキシ基、 水酸基、 或いはハロゲン原子を置換基として有し ていてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、 又は (2) アルキル基、 アルコ キシ基、 スルホンアミ ド基、 アルキルスルホンアミ ド基、 ジアルキルスルホンァ ミ ド基、 ニトロ基、 水酸基、 或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよ ぃァリール基、 が好ましく、 特に、 アルコキシ基を置換基として有していてもよ い炭素数 1〜 8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が好ましい。
又、 前記一般式 (ΠΙ) における R7のアルキル基、 アルコキシ基、 アルコキシ力 ルボニル基、 シクロアルキル基、 ァリール基、 ァリールォキシ基、 及びァリール ォキシカルボニル基としても、 前記一般式 (II)における R4のアルキル基、 アルコ キシ基、 アルコキシカルボニル基、 シクロアルキル基、 ァリ一ル基、 ァリールォ キシ基、 及びァリールォキシカルボニル基として挙げたと同様のものが挙げられ
る o
又、 前記アルキル基、 アルコキシ基、 アルコキシカルボニル基、 シクロアルキ ル基、 ァリール基、 ァリールォキシ基、 ァリールォキシカルボニル基、 及びアミ ノ基の置換基としても、 例えば、 前記一般式 (II)における R4のアルキル基、 アル コキシ基、 アルコキシカルボニル基、 シクロアルキル基、 ァリール基、 ァリール ォキシ基、 ァリールォキシカルボニル基、 及びァミノ基の置換基として挙げたと 同様のアルキル基、 アルコキシ基、 ァリール基、 ァリールォキシ基、 スルホンァ ミ ド基、 アルキルスルホンアミ ド基、 ジアルキルスルホンアミ ド基、 ニトロ基、 ァシル基、 スルホニル基、 水酸基、 及びハロゲン原子等が挙げられる。
前記一般式 (III) において、 R 7としては、 前記の中で、 (1) アルコキシ基、 ァ リール基、 ァリールォキシ基、 水酸基、 或いはハロゲン原子を置換基として有し ていてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、 (2) アルコキシ基を置換基と して有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、 (3) アルコキシ基 を置換基として有していてもよいアルコキシ基を有するカルボニル基、 (4) アル キル基、 アルコキシ基、 スルホンアミ ド基、 アルキルスルホンアミ ド基、 ジアル キルスルホンアミ ド基、 ニトロ基、 水酸基、 或いはハロゲン原子を置換基として 有していてもよいァリール基、 (5) アルキル基、 或いはアルコキシ基を置換基と して有していてもよいァリール基を有するカルボニル基、 又は (6) アルキル基、 ァシル基、 或いはスルホ二ル基を置換基として有していてもよいアミノ基、 が好 ましく、 特に、 アルコキシ基を置換基として有していてもよい炭素数 1 ~ 8の直 鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基が好ましい。
又、 前記一般式 (III) において、 Zとしては酸素原子が好ましい。更に、 本発明 において、前記一般式 (III) で表されるジピラゾリルスクァリリゥム系化合物とし ては、 前記 R
6、 R
7、 及び Zは、 両方のピラゾール環の間で互いに異なっていて もよいが、 スクァリ リウム基を挟んで左右対象であるものが好ましく、 好適なジ ビラゾリルスクァリ リゥム系化合物の具体例を以下に示す。
Cs5
尚、 前記ジピラゾリルスクァリリウム系化合物は、 例えば、 ビラゾロン系化合 物とスクェア酸を用いることにより、 前記ジフエニルスクァリリゥム系化合物に おけると同様にして、 Angew.Chem.,vol.77,680〜681(1965) に記載される方法に 準じて、 或いはその他公知の方法を組み合わせることにより合成することができ る。
又、 前記ジピラゾリルメチン系化合物、 及び前記ジピラゾリルスクァリリウム 系化合物の含有量は、 前記バインダー樹脂、 前記分散剤、 及び前記ジフエニルス クァリリウム系化合物との合計量 1 0 0重量部に対する両者の合計量として、 通 常、 0 . 0 1〜2 0重量部、 好ましくは 0 . 0 5〜1 0重量部とされる。 その中 で、 前記ジフヱニルスクァリリウム系化合物の量を 1としたとき、 前記ジピラゾ リルメチン系化合物が 0 . 2〜 1程度、 前記ジピラゾリルスクァリリウム系化合 物が 0 . 1〜1 . 5程度の割合で用いられる。 一般に、 ジピラゾリルスクァリリ ゥム系化合物が過少であるとフィルタ一は緑味を帯び、 過多であると赤味を帯び たものとなる。
尚、 前記ジピラゾリルメチン系化合物、 及び前記ジピラゾリルスクァリリウム 系化合物をデイスプレイ用フィル夕一に含有せしめるには、 前記ジピラゾリルメ チン系化合物又は Z及び前記ジピラゾリルスクァリリウム系化合物を、 前記ジフ ェニルスクァリ リゥム系化合物と共にバインダ一樹脂に混入することとしてもよ いし、 それそれを別々にバインダー樹脂に混入し、 前記ジフヱニルスクァリリウ ム系化合物、 前記ジビラゾリルメチン系化合物、 又は/及び、 前記ジビラゾリル スクァリリゥム系化合物をそれそれ含有する各バインダ一樹脂を積層することに より、 複数の樹脂層を形成することとしてもよい。
以上説明した、 シート状或いはフィルム状の透明基材上に、 前記ジフエニルス クァリリウム系化合物、 又は、 更に、 前記ジピラゾリルメチン系化合物又は/及 ぴ前記ジピラゾリルスクァリリウム系化合物を含むバインダ一樹脂からなる前記 ジフエニルスクァリ リウム系化合物含有樹脂層を形成させた積層体、 又は、 その 前記ジフヱニルスクァリリウム系化合物含有樹脂の単層のシート或いはフィルム、 から構成される本発明のディスプレイ用フィル夕一は、 更に、 その前記ジフヱ二
ルスクァリリウム系化合物含有樹脂中に、 黄色光、 赤色光、 青色光等の可視光を 吸収するアントラキノン系、 ァゾ系、 フ夕ロシアニン系、 ピロメテン系、 シァニ ン系、 テトラァザポルフィリン系、 前記以外のスクァリリウム系、 前記以外のメ チン系等の色素を含有していてもよく、 その含有形態としては、 その前記ジフエ ニルスクァリリウム系化合物含有樹脂中に共存させてもよく、 別に層を設けるこ ととしてもよい。
本発明のディスプレイ用フィル夕一は、 光線透過率曲線における透過率の極小 値を示す波長が、 5 50〜610 nm、 更には 570〜605 nm、 特には 58 0-600 nmの波長域にあるシャープなバレ一型を有するのが好ましく、 又、 その波長における透過率の極小値が、 30%以下、 更には 25%以下であるのが 好ましく、 該極小値の半値幅が 60 nm以下であるのが好ましい。 それにより、 蛍光体の発光色である 500〜530 nm付近の緑色発光及び 600 nmより長 波長の赤色発光は遮蔽せず、 590 nm付近のネオン発光を効率的に遮蔽できる ものである。
加えて、 光線透過率曲線の形状として、 長波長側の立ち上がりがシャープであ るのが好ま.しく、 550〜650 nmの波長域において、 透過率が極小値を示す 波長を基準として、 それより長波長側の光線透過率曲線の面積が、 550~65 Onmの波長域における全面積に対して 50%以下、 更には 48%以下、 特には 45 %以下であるのが好ましい。 又、 550〜650 nmの波長域において、 5 90 nm付近の透過率の極小値以外には極小値を有さないか、 有するとしてもそ の透過率の極小値が 70%以上、 更には 80 %以上であるのが好ましく、 又、 可 視光線透過率は 40%以上、更には 50%以上であるのが好ましい。それにより、 視野の明るさを確保できるものである。
更に、 本発明のディスプレイ用フィル夕一は、 前記ジピラゾリルメチン系化合 物を含有している場合、 光線透過率曲線における前記 550〜 6 1 O nmの波長 域以外の透過率の極小値を示す波長が、 380〜420 nmの範囲にあるのが好 ましく、 その半値幅が 60 nm以下であるのが好ましい。 又、 400 nm、 及び 450 nmにおける透過率が、 それそれ 15%以上、 45%以上であるのが好ま
しい。 又、 前記ジピラゾリルスクァリリウム系化合物を含有している場合、 光線 透過率曲線における前記 550- 61 Onmの波長域以外の透過率の極小値を示 す波長が、 480〜520 nmの波長域にあるのが好ましく、その極小値は 70% 以下であるのが好ましい。 また、 半値幅が 60 nm以下であるのが好ましい。 こ れらにより、 青色又は緑色の蛍光体発光を阻害せずに、 青紫色〜青色、 又は/及 び、 青色〜緑色の谷間の光を選択的に吸収し、 色調の調節、 色純度の向上、 或い は、 色温度の向上等を効率的に図ることができることとなる。
ここで、 本発明のディスプレイ用フィル夕一は、 後述の通り、 必要に応じて、 赤外線吸収層、 電磁波遮蔽層、 光線反射防止層、 ぎらつき防止 (ノングレア)層、 傷付き防止層等を設ける。 この場合、 積層する層が増えるに従い、 全体的に光線 透過率が減少するが、 最終的に視感透過率が 30%以上、 好ましくは、 35〜5 0%に調整されていればよい。
また、 本発明のディスプレイ用フィル夕一のうち、 波長 580 ηπ!〜 600 n m及び 470 ηπ!〜 520 nmのそれそれに、 透過率の極小値を 1つずつ持ち、 かつ波長 580 nm~600 nmにおける極小透過率が 0. 01%〜30%であ り、 かつ下記 (1) 式
Al= (100-T 1) / (100-T0) … (1)
[(1)式において、 TOは波長 580 nm~600 nmにおける極小透過率(%) であり、 T 1は波長 470 ηπ!〜 520 nmにおける極小透過率 (%) である。] で表される光線吸収量比 A 1が、 0. 7〜1. 1という吸収特性を有するものは、 画像の色純度のさらなる向上ができ、 加えて、 フィル夕一自体の色がナチュラル グレーもしくは、 ナチュラルプル一となり、 電子ディスプレイに装着した場合の 装置自体の商品性を高めることができる。
更に、 上記吸収特性を有し、 かつ、 下記 (2) 式および (3) 式
A2 = (100-T2) / (100-T 1) … (2)
Α3 = (100-Τ3) / (100-Τ 1) … (3)
[上記式において、 Τ 1は波長 47 Οηπ!〜 520 nmにおける極小透過率(%) であり、 T 2は波長 450 nmにおける透過率 (%) であり、 T 3は波長 525
n mにおける透過率(%)である。]で表される光線吸収量比 A 2および A 3が 0 . 9以下、 特には 0 . 7以下というという吸収特性を有するものが好ましい。
又、 本発明のディスプレイ用フィルタ一は、 更に、 酸化防止剤や紫外線吸収剤 を含有しているのが好ましく、 これらの含有形態としては、 酸化防止剤は前記ジ フヱニルスクァリリム系化合物含有樹脂層中に共存させるのが好ましく、 又、 紫 外線吸収剤は、 該樹脂層中に共存させてもよいが、 紫外線吸収剤を含有させた独 立の層として設けられているのが好ましく、 例えば、 前記ジフエニルスクァリリ ゥム系化合物含有樹脂において挙げたと同様のバインダ一樹脂を用いて塗布法に より、 通常、 0 . 1〜3 0 /m、 好ましくは 0 . 5〜 1 0〃mの膜厚の層とする、 或いは、 前記透明基材に含有させること等により、 形成することができる。 尚、 紫外線吸収剤を前記ジフヱニルスクァリリウム系化合物含有樹脂層中に共存させ ない場合、 紫外線吸収剤含有層は、 フィル夕一としての使用時に前記ジフエニル スクァリリウム系化合物含有樹脂層よりも外界側に位置させるか、 外界側に位置 する層に含有させるのが好ましい。
ここで、 前記酸化防止剤としては、 例えば、 2, 6—ジ— t —プチルー p—ク レゾ一ル、 2 , 6—ジ一 t —プチル一 4—ヒドロキシメチルフエノール、 2 , 6 —ジ一 t—ブチル一 4—ェチルフエノール、 2 , 4 , 6—トリス— t—ブチルフ エノ一ル、 n—ォク夕デシルー 3— ( 3,, 5, —ジ一 t—プチル— 4, ーヒドロ キシフエニル) プロピオネート、 ステアリル一/?一 ( 3 , 5—ジ— t—プチルー 4—ヒドロキシフエニル) プロピオネート、 2, 2, ーメチレンビス (4—メチ ル一 6— t—ブチルフエノール)、 2, 2, 一メチレンビス (4ーェチルー 6— t —ブチルフエノール)、 4, 4, 一イソプロピリデンビスフエノ一ル、 4, 4, 一 メチレンビス (2 , 6—ジ一 t—プチルフエノール)、 4 , 4 ' —プチリデンビス ( 3—メチルー 6— t—ブチルフエノール)、 1 , 1一ビス (4,一ヒドロキシフ ェニル) シクロへキサン、 2, 6—ビス (2, 一ヒドロキシ一 3, 一 t—ブチル 一 5, 一メチルベンジル) 一 4—メチルフエノール、 2 , 2 5 —チォビス (4— メチルー 6— t _プチルフエノール)、 4 , 4, ーチォビス (2—メチルー 6— t 一ブチルフエノール)、 4 , 4 5 ーチォビス ( 3—メチル一 6— t—プチルフエノ
一ル)、 1, 1 , 3—トリス (2, 一メチル—4, ーヒドロキシ一 5 ' — t—プチ ルフエニル) ブタン、 1 , 3, 5 —トリメチルー 2 , 4 , 6 —トリス (3,, 5, —ジ一 t—プチルー 4, 一ヒドロキシベンジル) ベンゼン、 トリス (3, 5—ジ — t—プチル一 4—ヒドロキシフエニル) イソシァヌレート、 トリス 〔 ?— ( 3, 5—ジ一 t—プチルー 4—ヒドロキシフエニル) プロピオニルォキシェチル〕 ィ ソシァヌレ一ト、 テトラキス〔メチレン一 3— ( 3,, 5 ' —ジ一 t—プチル一 4, —ヒドロキシフエニル) プロピオネート〕 メタン等のフエノール系; ジラウリル チォジプロピオネート、 ジミリスチルチオジプロピオネート、 ジステアリルチオ ジプロピオネート等の硫黄系; トリフエニルホスファイ ト、 ジフエ二ルイソデシ ルホスフアイ ト、 フエニルジイソデシルホスフアイ ト、 トリス (ノニルフエニル) ホスファイ ト、 トリス (モノ及びジ一ノニルフエニル) ホスファイ ト、 4 , 4, —ブチリデンビス ( 3—メチル— 6— t—プチルフエニル) —ジトリデシルホス ファイ ト、 ジステアリルペン夕エリスリ トールジホスファイ ト、 トリラウリルト リチォホスファイ ト等の燐系のもの等が挙げられ、 このうち、 フエノール系酸化 防止剤又は燐系酸化防止剤が好ましい。 酸化防止剤の添加量としては、 通常、 バ インダ一樹脂 1 0 0重量部に対して、 0 . 0 1〜2 0重量部、 好ましくは、 0 . 5〜1 0重量部用いられる。 尚、 上記酸化防止剤を過剰に用いた場合、 強い光線 が酸化防止剤に当たり、 酸化防止剤自体が酸化されることで、 スクァリリウム系 色素の連鎖酸化反応が誘起され、 かえって、 スクァリリウム系色素の耐光性が劣 化することがあるので、その場合には、紫外線吸収剤も併用することが好ましい。 又、 前記紫外線吸収剤としては、 例えば、 2— ( 2, —ヒドロキシ— 5, —メ チルフエニル) ベンゾトリァゾ一ル、 2— ( 2, 一ヒドロキシ一 5, 一プチルフ ェニル) ペンゾトリアゾ一ル、 2— ( 2, 一ヒドロキシ一 5 ' —t—ブチルフエ ニル) ベンゾトリァゾール、 2— ( 2, 一ヒドロキシ一 5, 一 t—ォクチルフエ ニル) ベンゾトリァゾール、 2— ( 2, 一ヒドロキシー 3,, 5, 一ジー t—プチ ルフエニル) ベンゾトリアゾールヽ 2— ( 2 ' —ヒドロキシ一 3,, 5, ージ一 t —ァミルフエニル) ベンゾトリアゾ一ル、 2— (2, ーヒドロキシ一 3, - t - プチルー 5, 一メチルフエニル) — 5 —クロ口べンゾトリァゾール、 2— (2,
—ヒドロキシ一 3,, 5, ージ一 t—ブチルフエニル) 一 5—クロ口べンゾトリア ゾール等のベンゾトリアゾ一ル系; 2, 4—ジヒドロキシベンゾフエノン、 2— ヒドロキシ一 4ーメ トキシベンゾフエノン、 2—ヒドロキシ一 4ーォクチルォキ シベンゾフエノン、 2—ヒドロキシ一 4—ドデシルォキシベンゾフエノン、 2 , 2 ' ージヒドロキシー 4—メ トキシベンゾフエノン、 2 , 2, 一ジヒドロキシ一 4, 4, 一ジメ トキシペンゾフエノン等のベンゾフエノン系; フエニルサリシレ ート、 p— t—ブチルフエニルサリシレート、 p—ォクチルフエニルサリシレー ト等のサリシレート系;へキサデシル— 2, 5 - t—プチル一 4ーヒドロキシべ ンゾエート、 2 , 4—ジ— t—プチルフエ二ルー 3,, 5, ージ一 t一プチル一 4, ーヒドロキシベンゾェ一ト等のベンゾエート系等の有機系紫外線吸収剤や、 酸化 チタン、 酸化亜鉛、 酸化セリウム、 酸化鉄、 硫酸バリウム等の無機系紫外線吸収 剤が挙げられる。 このうち、 5 0 %透過率を示す波長が 3 5 0〜4 2 0 n mのも のが好ましく、 より好ましくは 3 6 0 n m〜4 0 O n mである。 3 5 0 n mより 低波長では紫外線遮断能が弱く、 4 2 O n mより高波長では着色が強くなり好ま しくない。
尚、 前記の如き独立した紫外線吸収層は、 前記紫外線吸収剤含有層を設ける代 わりに、 市販の紫外線カットフィルター、 例えば、 富士写真フィルム社製の 「シ ャ一プカツトフィルター S C— 3 8」、 「同 S C— 3 9」、 「同 S C— 4 0」、三菱レ —ヨン社製の 「ァクリプレン」 等を用いて積層することによって形成することも できる。
又、本発明のディスプレイ用フィル夕一は、本発明の効果を損なわない範囲で、 更に必要に応じて、 帯電防止剤、 滑剤、 離型剤、 難燃剤、 難燃助剤、 充填材等の 樹脂成形体に通常用いられるような各種添加剤等を適宜の含有形態で含有してい てもよい。
本発明のディスプレイ用フィルター、 とりわけプラズマディスプレイパネル用 フィル夕一は、 更に、 近赤外線吸収層、 電磁波遮蔽層、 光線反射防止層、 ぎらつ き防止 (ノングレア)層、 傷付き防止層等を設けることができ、 フィル夕一中の各 層の配置としては、 任意に選択すればよいが、 この順に配置されているのが好ま
しい。 これらの各層の厚みは、 通常、 0 . l〜3 0 zm、 好ましくは 0 . 5〜 1 0 zm程度である。
近赤外線吸収層は、 プラズマディスプレーから放射される近赤外線によるリモ コンゃ伝送系光通信における誤動作を防止する目的で設ける。 ここで、 近赤外吸 収層は、 近赤外線吸収物質を前述したと同様にバインダ一樹脂を用いて独立した 層として形成されても良いが、 積層体として製造されるフィルターの各層間に使 用される、後述する接着剤層又は傷付き防止層等のフィルター構成層のいずれか、 或いは適宜使用されるアンカーコート剤からなる層等に近赤外線吸収物質を添加 して形成することもできる。 吸収する近赤外線の波長としては、 リモコン操作や 伝送系光通信で特に問題となる、 8 0 0〜1 0 0 O n mの領域であり、 その領域 に吸収を有するものであれば、 任意の近赤外線吸収物質を使用することができ、 好ましくは上記領域における近赤外線透過率が 1 5 %以下、 より好ましくは 1 0 %以下である。
その近赤外線吸収剤としては、 例えば、 ニトロソ系化合物及びその金属錯塩、 シァニン系化合物、 チオールニッケル錯塩系化合物、 ジチオールニッケル錯塩系 化合物、 アミノチオールニッケル錯塩系化合物、 フタロシアニン系化合物、 ナフ 夕ロシアニン系化合物、 トリアリルメタン系化合物、 ィモニゥム系化合物、 ジィ モニゥム系化合物、 ナフトキノン系化合物、 アントラキノン系化合物、 アミノ化 合物、 アミ二ゥム塩系化合物、 及び前記以外のスクァリリウム系化合物ゃメチン 系化合物等の有機物質、 アンチモンドープ酸化錫、 インジウムドープ酸化錫、 周 期律表の第 IV族、 第 V族、 第 VI族に属する金属の酸化物、 炭化物、 又は硼化 物等の無機物質等が挙げられる。
電磁波遮蔽層は、 ディスプレイ装置からの発光に伴い発生する電磁波による生 体や電子機器への悪影響を防ぐために設けるものである。 電磁波遮蔽層は、 銀、 銅、 酸化インジウム、 酸化亜鉛、 酸化インジウムスズ、 酸化アンチモンスズ等の ような金属又は金属酸化物の薄膜からなり、 これらは真空蒸着法、 イオンプレー ティング法、 スパッタリング方法、 C VD法、 プラズマ化学蒸着法等の従来公知 のドライプレーティング法を利用し、 製造することができる。 電磁波遮蔽層は、
最もよく用いられるのは、 酸化ィンジゥムスズ(I T 0と略記されることもある) の薄膜であるが、 メッシュ状の穴を有する銅の薄膜や誘電体層と金属層を基材上 に交互に積層させた積層体も好適に用いることができる。前記誘電体層としては、 酸化インジウム、 酸化亜鉛などの透明な金属酸化物等であり、 金属層としては銀 あるいは銀- パラジウム合金が一般的である。 積層体は、 通常、 誘電体層よりは じまり 3〜1 3層程度の間で奇数層となるように積層される。
電磁波遮蔽層は、 前記のディスプレイ用フィルターのいずれかの層上にそのま ま形成させても良いし、 樹脂フィルムあるいはガラス上に蒸着あるいはスパッ夕 リング後に、 該フィル夕一と貼り合わせて形成させても良い。 また、 電磁波遮蔽 層は、 表面固有抵抗値が 5 Ω /口以下で有ることが好ましい。
光線反射防止層は、 表面の反射を抑えて、 表面への蛍光灯などの外光の写り込 みを防止するためのものである。 光線反射防止層は、 酸化珪素、 酸化ジルコニゥ ム、 酸化チタン、 酸化アルミニウム等の金属酸化物; フッ化マグネシウム、 フッ 化カルシウム等の金属フッ化物;その他、金属珪化物;硼化物;炭化物;窒化物; 硫化物等の無機物の薄膜からなる場合と、 アクリル樹脂、 フッ素樹脂などの屈折 率の異なる樹脂を単層あるいは多層に積層させたものからなる場合とがあり、 前 者の場合には、 電磁波遮蔽層のところで挙げたと同様のドライプレーティング法 を用いて、 単層あるいは多層の形態で、 前記のディスプレイ用フィルタ一の層上 にそのまま形成させる方法や樹脂フィルムあるいはガラス上に、 蒸着あるいはス パッタリング後に、 該フィル夕一と貼り合わせて形成させる方法が挙げられる。 また、 後者の場合は、 アクリル樹脂、 フッ素樹脂等の使用される樹脂のフィルム またはシートを接着剤によりディスプレイ用フィル夕一に接着する方法等、 通常 の樹脂積層体の作成方法が挙げられる。 また、 このほかに、 反射防止処理を施し たフィルムを該フィルタ一上に貼り付けるという手法を用いても良い。 また、 光 線反射防止層は、 視感反射率が 5 %以下であることが好ましい。
ぎらつき防止層 (ノングレア層) は、 フィル夕一の視野角を広げる目的で、 透 過光を散乱させるために、 シリカ、 メラミン樹脂、 アクリル樹脂等の徴粉体をィ ンキ化し、 表面にコ一ティングする方法などを用い、 本発明のフィルターのいず
れかの層上に塗布し、 熱硬化あるいは光硬化させることにより、 形成される。 ま た、 ノングレア処理をしたフィルムを該フィルタ一上に貼り付けてもよい。 傷付き防止層は、 ウレタンァクリレート、 エポキシァクリレート、 多官能ァク リレート等のァクリレートと光重合開始剤を有機溶剤に溶解或いは分散させた塗 布液を従来公知の塗布法で、 本発明のフィル夕一のいずれかの層上に、 好ましく は、 最外層に位置するように、 塗布し、 乾燥させ、 光硬化させることにより形成 される。
本発明のディスプレイ用フィルター、 例えば、 プラズマディスプレイパネル用 フィルタ一は、 好適には、 前記透明基材、 及び、 前記ジピラゾリルメチン系化合 物又は/及び前記ジピラゾリルスクァリリゥム系化合物を含有していてもよい前 記ジフエニルスクァリリウム系化合物含有樹脂層を基本構成層とし、 必要に応じ て、 前記酸化防止剤又は/及び紫外線吸収剤含有層、 前記近赤外線吸収層、 前記 電磁波遮蔽層、 前記光線反射防止層、 前記ノングレア層、 及び前記傷付き防止層 等を有する積層体であるが、 これらの各層の積層順序は特に限定されるものでは なく、 又、 積層方法も特に限定されるものではない。 通常は、 各層間に接着剤を 用いて、 必要に応じて、 コロナ放電処理、 グロ一放電処理、 プラズマ処理、 火炎 処理、 化学薬品処理等の表面処理を施し、 イソシァネート系、 ポリエステル系、 ポリエチレンイミン系、 ポリブタジエン系、 アルキルチタネート系等の公知のァ ンカーコート剤を更に用いて、 接着することにより、 積層体とされる。
また、 本発明のディスプレイ用フィル夕一は、 該フィルターをディスプレイ表 示面に張り合わせるための粘着剤層を最外層に設けても良い。 この粘着剤層によ り、 例えば、 ディスプレイの製造工程の途中またはディスプレイの製造後を問わ ず、 簡便にディスプレイの前面にこのフィルターを貼着することができる。 このようにすることにより、 従来は、 ディスプレイ自体の前面に順番に近赤外 線吸収フィルター、 電磁波遮蔽フィル夕一等を配置する必要があったものが、 本 発明のフィルターを貼るだけとなり製造工程が簡便になるだけでなく、 フィルタ 一がデイスプレイと一体形成されるので、 ディスプレイ装置全体で見たときに薄 肉化が可能となる。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、 スチレンブタジエンゴム、 ポリイソプレ ンゴム、 ポリイソプチレンゴム、 天然ゴム、 ネオプレンゴム、 クロロプレンゴム、 ブチルゴム等のゴム類やポリアクリル酸メチル、 ボリアクリル酸ェチル、 ポリア クリル酸プチル等のポリアクリル酸アルキルエステル等の低重合度樹脂が挙げら れ、 これらは単独に用いられても良いが、 さらに粘着付与剤としてピッコライ ト、 ポリベール、 ロジンエステル等を添加したものを用いても良い。
尚、 ディスプレイ自体の表面が高温になるものの場合には、 加熱によりガスが 発生する場合があり、 こういった場合にはガス吸収剤等の添加が必要になる。 こ のような理由から、好ましい粘着剤としては、 3 mmのガラス板に 3 0 /m のポ リエステルフィルムを、 3 0〃mの粘着剤で貼り合わせ、 8 0 °Cで 1 0日間保持 後における 1 8 0度剥離強度が 3 0 0 g/ c m以上、 好ましくは 4 0 0 g/ c m 以上という物性を有する粘着剤を用いるのが望ましい。
粘着剤層形成方法としては、 具体的には、 上記ゴム類又は低重合度樹脂類をハ ロゲン系、 アルコール系、 ケトン系、 エステル系、 エーテル系、 脂肪族炭化水素 系又は芳香族炭化水素系から選ばれる溶媒単独又は複数混合した溶剤系に分散又 は溶解して粘度を調整したものをディッピング法、 フ口- コート法、 スプレー法、 バ一コート法、 グラビアコート法、 口一ルコート法、 プレードコート法及びエア 一ナイフコ- ト法等の公知の塗工方法で塗工し、 その後溶剤を乾燥させ、 粘着剤 層とする。
この際の粘着剤層の厚みは、 通常、 5〜 1 0 0〃111、 好ましくは 1 0〜 5 0〃 mである。 粘着剤層の表面に剥離フィルムを設け、 粘着剤層にゴミ等が付着しな いように、 プラズマディスプレイの表面に張り付けるまで粘着剤層を保護するの も良い。
この場合、 フィル夕一の縁綾部の粘着剤層と剥離フィルムとの間に、 粘着剤層 を設けない部分を形成したり、 非粘着性のフィルムを挟む等して非粘着部分を形 成し、 剥離開始部とすれば貼着時の作業がやりやすい。
プラズマディスプレイにフィルターを貼着時、 プラズマデイスプレイの表面と フィル夕一との間に気泡が入ると画像が歪んだり、 見にく くなつたりする等、 実
用上の大きな問題となるので気泡の卷き込みには十分に注意する必要がある。 本発明のディスプレイ用フィル夕一は、 上述のように直接ディスプレイ表面上 に貼りつけても良いが、 さらに、 あらかじめ透明のガラスや透明樹脂板等と貼り 合わせた上で、 ディスプレイ表面上に貼りつけても良い
さらに、 該フィルターを貼りつけるディスプレイとしては、 陰極管、 蛍光表示 管、 電界放射、 プラズマパネル、 液晶、 エレクト口ルミネッセンス等のカラー画 像の表示装置として公知の表示装置であり、 バンドパスフィル夕一により色補正 が必要である任意の表示装置を用いることができ、 特に好ましくは、 公知のある いは市販のプラズマディスプレイパネルである。
上記プラズマディスプレイパネル表示装置とは、 次のような原理によってカラ 一画像の表示を行う装置である。 前面ガラス板と背面ガラス板との間に表示電極 対と、 2枚のガラス板の間に設けた各画素 (R (赤)、 G (緑)、 B (青)) に対応 するセルを設け、 セルの中にキセノンガスやネオンガスを封入し、 一方セル内の 背面ガラス板側に各画素に対応する蛍光体を塗布しておく。 表示電極間の放電に よって、 セル中のキセノンガスおよびネオンガスの励起発光し、 紫外線が発生す る。 そしてこの紫外線を蛍光体に照射することによって、 各画素に対応する可視 光が発生する。 そして、 背面ガラス板にアドレス用電極を設け、 このアドレス用 電極に信号を印加することにより、 どの放電セルを表示するかを制御し、 カラー 画像の表示を行うものである。 本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、 本発明の意図と範囲を離れる ことなく様々な変更および変形が可能であることは、 当業者にとって明らかであ る。
なお本出願は、 2 0 0 0年 9月 4日付で出願された日本特許出願 (特願 2 0 0 0— 2 6 6 4 1 5 )、 2 0 0 1年 4月 3日付で出願された日本特許出願(特願 2 0 0 1 - 1 0 4 1 4 6 ) 及び 2 0 0 1年 5月 9日付で出願された日本特許出願 (特 願 2 0 0 1— 1 3 8 1 0 1 )に基づいており、その全体が引用により援用される。
<実施例 >
以下、 実施例にて本発明を更に具体的に説明するが、 本発明はその要旨を越え ない限り、 以下の実施例に限定されるものではない。 実施例 1
2, —ェチルへキサン酸( 3—ヒドロキシフエニル) アミ ド 0. 80 g、 及び、 3, 4—ジヒドロキシ一 3—シクロブテン一 1 , 2—ジオン 0. 18 gとを、 ト ルェン 20mlと n—プ夕ノール 2 0mlの混合溶媒と共に、 ジ一ンス夕一ク装 置を備えた反応容器に入れ、 4時間加熱還流させて反応させ、 反応終了後、 反応 混合物を放冷し、 沈澱物を濾過、 トルエンで洗浄し、 乾燥させることにより、 反 応物 0. 2 9 gを得た。 得られた反応物は、 可視部吸収: え max = 60 9 nm (テ トラヒドロフラン)、 マススペクトル MALD I— TOF MS (n e g , no mar ix) 法: m/z = 547 (M-H) であり、 前記具体例 (I- 3)に示すジフ ェニルスクァリリゥム系化合物であることが確認された。 実施例 2
2, ーェチルへキサン酸 (3—ヒドロキシフエニル) アミ ドに代えて 2, ーェ チルへキサン酸 (3, 5—ジヒドロキシフエニル) アミ ドを用いたことの外は、 実施例 1と同様の操作で反応を行い、 反応物 0. 35 gを得た。 得られた反応物 は、 可視部吸収: 入 max = 6 03 nm (テトラヒドロフラン)、 分子吸光係数 = 1. 9 X 1 05 (テトラヒドロフラン)、 マススペクトル MALD I— TOF MS (ne g, no mar ix) 法: m/z = 579 (M-H) であり、 前記具体 例 (I- 9)に示すジフヱニルスクァリ リゥム系化合物であることが確認された。 実施例 3
エタンスルホン酸 (3, 5—ジヒドロキシフエニル) アミ ド 6 2. 2 g、 3, 4ージヒドロキシ一 3—シクロブテン一 1 , 2—ジオン 1 5. 6 gを用いたこと、 及び、トルエン 1 5 0mlと n—ブタノ一ル 1 5 0 m 1の混合溶媒を用いたこと、
の外は、 実施例 1と同様の操作で反応を行い、 反応物 35. 2 gを得た。 得られ た反応物は、 可視部吸収: え max = 593 nm (テトラヒドロフラン)、 分子吸光 係数 = 2. 0 X 105 (テトラヒドロフラン) であり、 — NMR 〔500MH z、 d8— THF、 6 (p pm)^ 50°C;〕により、前記具体例 (1-34)、(1-35)、 (1-36) の 22 : 60 : 18の混合物であることが確認された。
(1-34) = 6.80(2H,d) , 5.98(2H,d), 3.31-3.20(4H,m) , 1.34-1.29(6H,m)
(1-35) = 6.82(lH,d) , 6.26(2H,s) , 5.99(lH,d) , 3.31-3.20(4H,m) , 1.34- 1.29(6H,m)
(1-36) = 6.28(2H,s), 3.31-3.20(2H,m) , 1.34-1.29(6H,m) 実施例 4
前記実施例 2で得られたジフヱニルスクァリリゥム系化合物の 0. 63重量% ジメトキシェタン/トルエン混合溶媒 (容積比 1/1) 溶液 0. 18 g、 及び、 バインダー樹脂としてのアクリル系樹脂 (三菱レーヨン社製 「ダイヤナ一ル BR
-83」)の 20重量%ジメ トキシェタン溶液 1. 0 gとを混合した後、透明基材 としてのポリエチレンテレフ夕レート製フィルム (厚み 100〃m、 三菱化学ポ リエステルフィルム社製「PE Tフィルム T 100 Ej)にバーコ一夕一を用いて 塗布し乾燥させて、 膜厚 6〃 mのジフエニルスクァリリウム系化合物含有樹脂層 を形成することにより、 プラズマディスプレイパネル用フィルターを作製した。 得られたプラズマディスプレイパネル用フィル夕一について、 分光光度計 (日 立製作所製「U— 3500」)を用いて光線透過率を測定し、 その透過率曲線を図 1に示した。 透過率の極小値における波長は 604 nm、 その半値幅は 48. 5 nmであり、 透過率は 17. 92%であった。 又、 550 ~ 650 nmの波長域 において、 透過率が極小値を示す波長 604 nmを基準として、 それより長波長 側の透過率曲線の面積が、 550〜650 nmの範囲の全面積に対して 39.6% であり、 長波長側の形状がシャープで、 赤色発光の阻害の程度が小さい形状であ つた。 又、 604 nmの極小値の他には極小値はなく、 可視光線透過率は 68. 95%、 J I S Z 8729に規定される! a* b*表色系における明度! 、 色
座標 a*、 b*は、 2。 視野、 C光源において、 L* = 86. 55、 a* =—9. 2 2、 b*=— 20. 25であり、 プラズマディスプレイパネルの赤、 青、 緑の三 原色発光の阻害が小さく、 視野の明るさの低下がないと共に、 ネオン発光の遮蔽 性に優れたフィルターであることが確認できた。
更に、 このフィルターを、 100°Cの恒温槽中に 100時間放置した後、 分光 光度計(日立製作所製「U— 3500」)を用いて吸光度を測定することによりジ フエニルスクァリリゥム系化合物の残存率を算出したところ、 100%であり、 耐熱性に優れたものであることが確認できた。 実施例 5
前記実施例 2で得られたジフヱニルスクァリリウム系化合物の 0. 63重量% ジメトキシェタン Zトルエン混合溶媒(容積比 1/1)溶液 0. 18 gに代えて、 前記実施例 3で得られたジフヱニルスクァリリウム系化合物の混合物の 0. 63 重量%ジメトキシェタン溶液 0. 13 gを用いたこと、 及び、 酸化防止剤 (旭電 化工業社製「アデカスタブ AO— 330」) 4. Omgを追カ卩したこと、 の外は、 実施例 4と同様にして、 プラズマディスプレイパネル用フィルターを作製した。 得られたプラズマデイスプレイパネル用フィルターについて、 実施例 4と同様 にして光線透過率を測定し、 その透過率曲線を図 2に示した。 透過率の極小値に おける波長は 591 nm、 その半値幅は 49. 4nmであり、 透過率は 13. 6 8%であった。 又、 550〜65 Onmの波長域において、 透過率が極小値を示 す波長 591 nmを基準として、 それより長波長側の透過率曲線の面積が、 55 0〜650 nmの範囲の全面積に対して 44. 1%であり、 長波長側の形状がシ ヤープで、 赤色発光の阻害の程度が小さい形状であった。 又、 59 lnmの極小 値の他には極小値はなく、 可視光線透過率は 62. 98%、 J I S Z 8729 に規定される! a* b*表色系における明度! 、 色座標 a b*は、 2°視野、 C光源において、 Ι = 83· 34、 a* = 1. 38、 b* =— 24. 91であり、 プラズマディスプレイパネルの赤、 青、 緑の三原色発光の阻害が小さく、 視野の 明るさの低下がないと共に、 ネオン発光の遮蔽性に優れたフィルターであること
が確認できた。 更に、 このフィル夕一について実施例 4と同様にして耐熱性試験 を実施し、 ジフエニルスクァリリウム系化合物の残存率を算出したところ、 10 0 %であり、 耐熱性に優れたものであることが確認できた。 実施例 6
前記具体例 (Π- 8)のジビラゾリルメチン系化合物 6. 3 m gと前記具体例 (III- 3)のジピラゾリルスクァリ リウム系化合物 3. lmgとをジメ トキシェタン Zト ルェン混合溶媒 (容積比 3 Zl) 1. 60 gに溶解させた溶液 0. 15 gを追加 したことの外は、 実施例 4と同様にして、 プラズマディスプレイパネル用フィル 夕一を作製した。
得られたプラズマディスプレイパネル用フィル夕一について、 実施例 4と同様 にして光線透過率を測定し、 その透過率曲線を図 3に示した。 透過率の極小値に おける波長は 604 nm、 495 nm、 及び 397 nmであり、 透過率は、 各波 長において、 22. 56 %、 62. 60%、 74. 73 %であった。 又、 可視光 線透過率は 67. 68 %、 J I S Z 8729に規定される! a* b*表色系に おける明度! 、 色座標 a*、 b*は、 2° 視野、 C光源において、 1 = 85. 5 9、 a* =— 10. 19、 b* =— 10. 86であり、 プラズマディスプレイパネ ルの赤、 青、 緑の三原色発光の阻害が小さく、視野の明るさの低下がないと共に、 ネオン発光の遮蔽性に優れ、 且つ、 色調が調節され、 色純度に優れたフィルター であることが確認できた。 実施例 7
前記実施例 2で得られたジフヱニルスクァリリウム系化合物の 0. 63重量% ジメ トキシェタン Zトルエン混合溶媒(容積比 1ノ1)溶液 0. 18 gに代えて、 前記実施例 3で得られたジフヱニルスクァリリウム系化合物の混合物の 0. 63 重量%ジメ トキシェタン溶液 0. 13 gを用いたこと、及び、前記具体例 (II-3)の ジピラゾリルメチン系化合物 6. 6 mgと前記具体例 (III- 3)のジピラゾリルスク ァリリウム系化合物 3. 6mgとをジメ トキシェタン/トルエン混合溶媒 (容積
比 3/1) 1. 60 gに溶解させた溶液 0. 15 gを追加したこと、 の外は、 実 施例 4と同様にして、 プラズマディスプレイパネル用フィル夕一を作製した。 得られたプラズマディスプレイパネル用フィルターについて、 実施例 4と同様 にして光線透過率を測定し、 その透過率曲線を図 4に示した。 透過率の極小値に おける波長は 592 nm、 495 nm、 及び 401 nmであり、 透過率は、 各波 長において、 17. 24%、 52. 44%、 70. 34%であった。 又、 可視光 線透過率は 62. 39 %、 J I S Z 8729に規定される! a* b*表色系に おける明度!/、 色座標 a*、 b*は、 2°視野、 C光源において、 1 = 83. 0 1、 a* =- 1. 83、 b* =- 10. 53であり、 プラズマディスプレイパネル の赤、 青、 緑の三原色発光の阻害が小さく、 視野の明るさの低下がないと共に、 ネオン発光の遮蔽性に優れ、 且つ、 色調が調節され、 色純度に優れたフィルター であることが確認できた。 実施例 8
紫外線吸収剤としての 2— (2, —ヒドロキシ— 3,, 5, ージー t—プチルフ ェニル)ベンゾトリアゾールの 0. 63重量%シクロへキサノン溶液 0. 36 g:、 及び、バインダー樹脂としてのポリエチレンテレフ夕レート樹脂(東洋紡社製「バ ィロン 200」)の 20重量%シクロへキサノン溶液 3 gとを混合した後、前記実 施例 4で得られたプラズマデイスプレイパネル用フィルタ一のジフエニルスクァ リリゥム系化合物含有樹脂層と反対面のポリエチレンテレフ夕レート製フィルム 上にパ一コ一夕一を用いて塗布し乾燥させて、 膜厚 6 mの紫外線吸収層を形成 した。
得られた紫外線吸収層を有するプラズマディスプレイパネル用フィル夕一につ いて、 キセノンフヱードメ一夕一 (スガ試験機 (株) 製 「FAL— 25 AX— H C. B. E C」) 中で、 照度 73, 000ルックス、 ブラヅクパネル温度 63°C、 相対湿度 33%の条件下で、 紫外線吸収層を露光面として 80時間露光処理した 後、 前記と同じ分光光度計で吸光度を測定し、 その値からジフエニルスクァリ リ ゥム系化合物の残存率を算出したところ、 86. 9%であり、 耐光性が優れてい
ることが確認できた。 実施例 9
前記実施例 5で得られたプラズマディスプレイパネル用フィル夕一のジフエ二 ルスクァリリウム系化合物含有樹脂層と反対面に、 実施例 8と同様にして紫外線 吸収層を形成したプラズマディスプレイパネル用フィルターを作製した。
得られた紫外線吸収層を有するプラズマディスプレイパネル用フィルタ一につ いて、 実施例 8と同様にして耐光性試験を実施し、 ジフエニルスクァリリウム系 化合物の残存率を算出したところ、 8 5 . 7 %であり、 耐光性に優れたものであ ることが確認できた。 実施例 1 0
前記実施例 2で得られたジフヱニルスクァリリゥム系化合物の 0 . 6 3重量% ジメ トキシェタンノトルエン混合溶媒(容積比 1 1 )溶液 0 . 1 8 gに代えて、 前記実施例 3で得られたジフヱニルスクァリリウム系化合物の混合物の 0 . 6 3 重量%ジメ トキシェタン溶液 0 . 1 3 gを用いたこと、 及び、 バインダー樹脂の アクリル系樹脂として、 三菱レーヨン社製 「ダイヤナ一ル B R— 8 3」 に代えて 三菱レーヨン社製 「ダイヤナ一ル B R— 8 0を用いたこと、 の外は、 実施例 4と 同様にして、 プラズマディスプレイパネル用フィル夕一を作製し、 更に、 このフ ィルターのジフエニルスクァリリウム系化合物含有樹脂層と反対面のポリェチレ ンテレフ夕レート製フィルム上に実施例 8と同様にして紫外線吸収層を形成した c 得られた紫外線吸収層を有するプラズマディスプレイパネル用フィル夕一につ いて、 実施例 8と同様にして耐光性試験を実施し、 ジフエニルスクァリリウム系 化合物の残存率を算出したところ、 9 1 . 5 %であり、 耐光性に優れたものであ ることが確認できた。 実施例 1 1
ポリメチルメタクリレート樹脂 (ダイヤナ一ル B R— 8 0 ;三菱レーヨン社
製) 30 w t %トルェン溶液、 実施例 3で得られたジフエニルスクァリリウム 系化合物 0. 32 3wt % /樹脂分、 前記具体例 (III- 3)の化合物 (ピラゾール 系スクァリリウム化合物) 0. 098wt %Z樹脂分、 DME及びトルエンを 用い、 樹脂分 1 5wt %、 最終的な溶剤比 (DME/トルエン) が 3/7となる ように混合溶解したものを、 ポリエチレンテレフ夕レート製フィルム (三菱化学 ポリエステルフィルム社製 PET フィルム 「T 600Ε 」、 厚み 50〃m ) に、 NO. 20バーコ一夕一 (太祐機材社製) を用いて塗工し、 乾燥し、 膜厚 4. 5 mのコ一ティング膜を有するフィルターを得た。 これをフィルター Aとする。 ポリメチルメタクリレート樹脂 (ダイヤナ一ル BR— 80 ;三菱レーヨン社 製) 30wt%トルエン溶液、 ジィモ二ゥム系近赤外線吸収色素 (N, N, N', N, 一テトラキス (p—ジブチルァミノフエニル) 一p—フエ二レンジィモニゥ ムの六フヅ化アンチモン酸塩) 7. 6%/樹脂分、 トルエン及びメチルェチル ケトンを用い、 樹脂分 1 0wt%、 最終的な溶剤比 (トルエン/メチルェチルケ トン) が 1/ 1となるように混合溶解したものを、 ポリエチレンテレフ夕レート 製フィルム (三菱化学ポリエステルフィルム社製 PET フィルム 「T 6 00Ε」、 厚み 50 m ) に、 NO. 20バーコ一夕一 (太祐機材 (株) 製) を用いて塗工 し、 乾燥して得られたコーティング膜を有するフィルムを得た。 このフィルムの 裏面に、 ポリメチルメタクリレート樹脂 (ダイヤナール BR— 80 ;三菱レ一 ヨン社製) 30wt%トルエン溶液、 ジチオールニッケル錯体近赤外線吸収色 素 {ビス- 2,2'-[1,2-ジ (3-クロ口フエニル) エチレンジィミン]ベンゼンチオラ一 ト} 二ヅケル (Π) 9. 2wt%/樹脂分、 トルエン及ぴテトラヒドロフランを 用い、 樹脂分 10wt%、 最終的な溶剤比 (トルエン/テトラヒドロフラン) が 7/3なるようにを混合溶解したものを同様にコ一ティングし、 フィル夕一 Bを 得た。
ガラス上に電磁波シールドメッシュ (線巾 1 0〃m、線ビヅチ 250 j ). 上 記フィルター B、 上記フィル夕一 Aをこの順に積層し、 貼り合わせ、 更にガラス の反対側の面に反射防止フィルム (日本油脂製リアルック 1 200) を、 UV吸 収剤を添加した粘着剤により貼り合わせて、 ブラズマディスプレイパネル用フィ
ルターを得た。
以下のような評価方法により、 このフィル夕一の視感透過率、色調、色温度、 赤色改善率を評価した。
各評価結果、 及び式 (1)、 (2) 及び (3) で表される A 1、 A 2及び A 3の 値を表 1に示す。
1. 視感透過率:
島津分光光度計 UV 3100 PCにより測定したフィルターの分光透過率とィ ルミナントとして P DPの可視光発光を用い、 (¥2表色系の三刺激値の¥を計 算し、 視感透過率とした。 計算方法は、 J I S Z 8722による。
この視感透過率は、 30%以上が好ましく、 35〜50%がより好ましい。
2. 色調:
島津分光光度計 UV 3100 PCにより測定したフィルターの分光透過率を用 い、 フィルターの色調、 a*、 b*を計算した。 計算方法は、 J I S Z 8729 による。
a*、 b*の値が、 それそれ a* = -6.0〜+6.0、 b*=-6〜0となっていると、 フィ ルターの色調がナチュラル色となりより好ましい。
3. 色温度:
富士通ゼネラル社製プラズマディスプレイ (PD S 4221 J) の前面にフィ ルターを設置した時の色温度を、 ミノル夕製分光輝度計にて測定し、 フィルター 無しのプラズマディスプレイの色温度との差を示した。
色温度の差は高い方が好ましく、 + 500 K以上、 さらには + 1000 K以上 が良い。
4. 赤色改善率
前面にフィル夕一を設置していない富士通ゼネラル社製プラズマディスプレイ (PDS 4221 J) で、 赤色を表示した際の色度を原点とし、 前面にフィル夕 一を設置した時の赤色の色度が、 どれだけ NT S C規格の赤に近づいたかを、 百 分率で示した。
赤色改善率が 50%以上、 好ましくは 70%以上であると、 赤の色純度が改善 され、 より赤らしく見えるため好ましい。 尚、 評価には全て uv表色系 (C I E 1960 UCS色度図) を使用した。 実施例 12
前記具体例 (ΠΙ- 3)の化合物 (ビラゾ一ル系スクァリリウム化合物) の添加量を 0. 195wt %^ /樹脂分とした以外は、 実施例 1 1と同様にしてプラズマディ スプレイパネル用フィル夕一を得た。
実施例 1 1と同様に得られたフィル夕一の評価結果等の値を表 1に示す。 実施例 13
前記具体例 (III- 3)の化合物 (ピラゾール系スクァリリウム化合物) の代わりに、 前記具体例 (ΙΠ- 4)の化合物 (ピラゾール系スクァリリウム化合物) を用い、 その 添加量を 0. 325 w t %/樹脂分、 ye l l ow L 3G (三菱化学社製) の 添加量を 0. 1 18 wt%/樹脂分とした以外は、 実施例 1 1と同様にしてブラ ズマディスプレイパネル用フィルターを得た。
実施例 1 1と同様に得られたフィル夕一の評価結果等の値を表 1に示す。 実施例 14
前記具体例 (ΠΙ- 3)の化合物 (ピラゾール系スクァリリウム化合物) の添加量を 0. 663wt % /樹脂分とした以外は、 実施例 1 1と同様にしてプラズマディ スプレイパネル用フィル夕一を得た。
実施例 1 1と同様に得られたフィル夕一の評価結果等の値を表 1に示す。 実施例 15
前記具体例 απ- 3)の化合物 (ピラゾール系スクァリリウム化合物) の代わりに、 前記具体例 (III- 4)の化合物 (ピラゾール系スクァリリウム化合物) を用い、 その 添加量を 0. 1 w t % 樹脂分、 y e l l ow L 3 G (三菱化学社製) の添加
量を 0 . 6 5 w t % /樹脂分とした以外は、 実施例 1 1と同様にしてプラズマデ イスプレイパネル用フィル夕一を得た。
実施例 1 1と同様に得られたフィルターの評価結果等の値を表 1に示す。 実施例 1 6
前記具体例 (ΙΠ- 3)の化合物 (ピラゾール系スクァリリウム化合物) の添加量を 0 . 0 2 7 w t %/樹脂分とした以外は、 実施例 1 1と同様にしてプラズマディ スプレイパネル用フィルターを得た。
実施例 1 1と同様に得られたフィル夕一の評価結果等の値を表 1に示す。
<産業上の利用可能性 >
本発明は、 光線透過率曲線における 5 5 0〜6 1 0 nmの波長域にシャープな 極小値を有し、 ディスプレイ用フィル夕一に含有させて用いたときに、 視野の明 るさの低下がないと共に、 耐熱性及び耐光性に優れたフィルターを得ることがで きるジフエニルスクァリリゥム系化合物、 及びそのジフエニルスクァリリゥム系 化合物を含有するディスプレイ用フィルターを提供することができる。