明 細 書
作物成長調節剤および作物の成長調節方法 技 術 分 野
本発明は、 ジべレリンの作用が増強されたジベリレン含有作物成長調節剤およ びそれを用いた作物の成長調節方法に関する。 背 景 技 術
従来、 ジベレリンは植物成長調節剤として知られている。 その植物成長調節作 用としては、 例えば、 ブドウに対する無核化、 熟期促進、 果実肥大化などの作用 ; カキゃネーブルなどに対する落果防止作用; ミツバ、 ホーレンソゥ、 フキなど に対する生育促進作用 ;ゥドなどの休眠打破による生育促進作用; トマトなどに 対する空洞果防止作用 ;キユウリなどに対する果実肥大作用 ;イチゴなどに対す る着果数増加作用 ;チューリップ、 シクラメンなどの花卉類に対する開花促進作 用 ; などの作用が知られている。
しかしながら、 ジベレリンは、 これらの多種多用な作用がありながら、 高価且 つ高濃度で作物に作用させる必要があるために、 極く限られた適用しかない。 ジべレリンのこれらの欠点を補う目的で併用剤の開発が進められている。 例え ば、 パラクロルフエノキシ酢酸 (特公昭 5 7 - 1 1 2 8 1号公報) 、 サイクリッ ク— 3 ' , 5 ' 一アデニル酸 (特公昭 5 7 - 1 5 7 2 6号公報) 、 トリブトファ ン (特公昭 5 8— 2 7 2 4 5号公報) 、 ストレプトマイシン (特公昭 6 0 - 3 9 3 2 5号公報) 、 6 —ベンジルアデニン (特公昭 6 1 - 1 5 0 4 4号公報) 、 コ リン (特公平 5— 7 8 5 2 2号公報) 、 ピラゾール化合物 (特開平 4一 1 9 9 1 0 4号公報) 、 アブシジン酸 (特開平 5— 1 3 9 9 1 2号公報) などの化合物を 併用した作物成長調節剤が開発されてきている。 しかしながら、 これらの作物成 長調節剤の多くは、 ブドウなどに対する無核化や果実肥大などの作用を発現する ためにまだまだ高い濃度 ( l O O p p m) のジベレリンが必要であるにもかかわ らず、 作物成長調節作用が十分でないなどの欠点を有している。
一方、 後記一般式 ( 1 ) で表されるジャスモン酸エステルは、 W O 9 4ノ 1 8 8 3 3号公報に記載される公知の化合物であり、 ブドウ果実に対する着色促進や 糖度向上作用 ;バレイショ、 イネ、 小麦などに対する生育促進作用 ;イチゴ、 ト マトなどの果実肥大作用;などの活性が報告されている。 しかしながら、 これら のジャスモン酸エステルの単独作用は、 作物種によっては必ずしも十分なものと はいえない。 発 明 の 開 示
本発明者らは、 上記従来技術の問題点に対して鋭意検討を重ねた結果、 ジべレ リンと特定のジャスモン酸エステルとを併用することにより、 植物ホルモンハン ドブック ( I ) (培風館発行) の 1 5頁に記載されているようにジベレリンの使 用量が低減でき、 しかも両剤が相乗的に働き、 生育促進効果、 果実肥大効果、 果 実無核化効果、 発芽促進効果などの作物成長調節効果において各単剤では見られ ない著しく優れた効果を示すことを見出し、 本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、 有効成分として、 ジベレリンと一般式 (1 )
(式中、 R i、 R 2は炭化水素基を示す。 ) で表されるジャスモン酸エステルとを 、 [ジベレリン] : [ジャスモン酸エステル] (重量比) = 1 : 0 . 0 0 1〜 1 : 1 , 0 0 0 , 0 0 0の割合で含有する作物成長調節剤が提供される。
本発明によれば、 さらに、 ジベレリンと前記一般式 (1 ) で表されるジャスモ ン酸エステルとを組み合わせて作物に施用することを特徴とする作物の成長調節 方法が提供される。 ジベリレンと上記ジャスモン酸エステルとを組合せて作物に 施用するに際しては、 両者を混合物として、 または両者をそれぞれ単独で含有す る単剤を各単剤の有効期間内に施用することができる。
発明を実施するための最良の形態
作物成長調節剤
本発明で使用されるジベレリンは、 格別な制限はなく、 通常の作物成長調節剤 で一般に使用されているものを用いることができる。 ジベレリンは、 現在までに
80種以上のものが発見され、 発見順にジベレリン Αι、 ジベレリン A2、 ジべレ リン A3 (以下、 GA3と略記。 ) 、 ジベレリン A4 (以下、 GA4と略記。 ) など の形で名称が付けられている。 本発明においては、 これらのいずれのジベレリン をも用いることができる。 下記に、 ジベレリンの代表例である GA3と GA4の構 造を示す。
G A G A これらのジベレリンは、 それぞれ単独で、 あるいは 2種以上を組み合わせて用 いることができる。
本発明で使用されるジャスモン酸エステルは、 前記一般式 (1〉 で表される。 一般式 ( 1) 中の R1は、 炭化水素基を示し、 好適にはアルキル基ゃァルケ二 ル基などである。 R1の炭化水素基の炭素数は、 特に限定はないが、 通常 1〜2 0、 好ましくは 1〜 1 0、 より好ましくは 2〜8、 最も好ましくは 3~6の範囲 である。
Riの具体例としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソ プロピル基、 n—ブチル基、 s e c—ブチル基、 t一ブチル基、 n—ペンチル基 、 イソペンチル基、 2—メチルブチル基、 1—メチルブチル基、 n—へキシル基 、 イソへキシル基、 3—メチルペンチル基、 2—メチルペンチル基、 1一メチル ペンチル基、 n—へプチル基、 イソへプチル基、 n—才クチル基、 イソォクチル
基、 2—ェチルへキシル基、 ノニル基、 デシル基、 ァリル基、 2—ブテニル基、 3—ブテニル基、 イソブテニル基、 4 _ペンテニル基、 3—ペンテニル基、 t r a n s— 2 —ペンテニル基、 c i s— 2—ペンテニル基、 1—ペンテニル基、 3 —メチル— 2 —ペンテニル基、 5—へキセニル基、 3—へキセニル基、 2—へキ セニル基、 ヘプテニル基、 ォクテニル基、 ノネニル基、 デセニル基などが挙げら れる。 これらの中でも、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソプロピル基、 n—プチ ル基、 s e c —ブチル基、 t 一ブチル基、 n—ペンチル基、 イソペンチル基、 2 一メチルブチル基、 1 一メチルブチル基、 n—へキシル基、 イソへキシル基、 3 —メチルペンチル基、 2—メチルペンチル基、 1ーメチルペンチル基、 ァリル基 、 2—ブテニル基、 3—ブテニル基、 イソブテニル基、 4—ペンテニル基、 3— ペンテニル基、 t r a n s— 2—ペンテニル基、 c i s— 2—ペンテニル基、 1 一ペンテニル基、 3 —メチル— 2—ペンテニル基、 5—へキセニル基、 3—へキ セニル基、 2—へキセニル基などが好ましく、 n—ペンチル基、 イソペンチル基 、 2—メチルブチル基、 1 一メチルブチル基、 4一ペンテニル基、 3—ペンテ二 ル基、 t r a n s— 2—ペンテニル基、 c i s— 2—ペンテニル基、 1 一ペンテ ニル基などが特に好ましい。
一般式 ( 1 ) 中の R 2は、 炭化水素基を示し、 好適にはアルキル基である。 R 2 の炭素数は、 格別限定はないが、 通常 1〜 2 0、 好ましくは 2〜 1 0、 より好ま しくは 2〜 8、 最も好ましくは 3〜4の範囲である。
R 2の具体例としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソ プロピル基、 n—ブチル基、 s e c—ブチル基、 t _ブチル基、 n —ペンチル基 、 イソペンチル基、 2—メチルブチル基、 1 一メチルブチル基、 n—へキシル基 、 イソへキシル基、 3—メチルペンチル基、 2—メチルペンチル基、 1 一メチル ペンチル基、 n—ヘプチル基、 イソへプチル基、 n—ォクチル基、 イソォクチル 基、 2—ェチルへキシル基、 ノニル基、 デシル基などが挙げられる。 これらの中 でも、 ェチル基、 n—プロピル基、 イソプロピル基、 n—ブチル基、 s e c—ブ チル基、 t 一ブチル基、 n —ペンチル基、 イソペンチル基、 2—メチルブチル基 、 1—メチルブチル基、 n—へキシル基、 イソへキシル基、 3—メチルペンチル
基、 2—メチルペンチル基、 1 ーメチルペンチル基などが好ましく、 n —プロピ ル基、 イソプロピル基、 n —ブチル基、 s e c —ブチル基、 t 一ブチル基などが 特に好ましい。
かかるジャスモン酸エステルの具体例としては、 例えば、 メチル (2—ペンチ ルー 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート、 メチル (2— (3 —ペンテニル ) 一 3 —ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 ェチル (2—ペンチルー 3—才 キソ—シクロペンチル) アセテート、 ェチル (2— ( 2—ペンテニル) 一 3—才 キソーシクロペンチル) アセテート、 プロピル (2 —ペンチルー 3—ォキソーシ クロペンチル) アセテート、 プロピル (2— (2—ペンテニル) — 3—ォキソ一 シクロペンチル) アセテート、 プロピル (2— (3 —ペンテニル) — 3 —ォキソ —シクロペンチル) アセテート、 プロピル (2— ( 2—メチルブチル) 一 3—才 キソーシクロペンチル) アセテート、 プロピル (2— ( 2, 2—ジメチルプロピ ル) _ 3 —ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 イソプロピル (2—ペンチル 一 3 —ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 イソプロピル (2— ( 2—ペンテ ニル) — 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート、 イソプロピル (2— (3— ペンテニル) _ 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート、 ブチル (2—ペンチ ルー 3 —ォキソーシクロペンチル) アセテート、 ブチル (2— (2 —ペンテニル ) 一 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート、 ブチル (2— (3—ペンテニル ) 一 3 —ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 イソブチル (2 —ペンチルー 3 —ォキソーシクロペンチル) アセテート、 イソブチル (2— ( 2—ペンテニル) 一 3 —ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 s e c—ブチル (2 —ペンチルー 3 —ォキソーシク口ペンチル) アセテート、 s e c—ブチル ( 2— ( 2 —ペンテ ニル) — 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート、 t 一ブチル (2 —ペンチル — 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート、 ペンチル (2—ペンチルー 3—才 キソーシクロペンチル) アセテート、 ペンチル (2— ( 2 —ペンテニル) 一 3— ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 2—メチルブチル (2 —ペンチルー 3— ォキソーシクロペンチル) アセテート、 へキシル ( 2 —ペンチルー 3 —ォキソ— シクロペンチル) アセテート、 へキシル (2— (2—ペンテニル) 一 3—ォキソ
ーシクロペンチル) アセテート、 ヘプチル (2— (2—ペンテニル) — 3—ォキ ソーシクロペンチル) アセテート、 ォクチル ( 2 —ペンチルー 3 —ォキソーシク 口ペンチル) アセテート、 ォクチル (2— ( 2 —ペンテニル) — 3—ォキソーシ クロペンチル) アセテート、 デシル ( 2 —ペンチルー 3—ォキソーシクロペンチ ル) アセテートなどが挙げられるが、 これらに限定されるものではない。 これら の中でも、 ェチル ( 2 —ペンチル— 3 —ォキソーシクロペンチル) アセテート、 ェチル (2— ( 2 —ペンテニル) — 3 —ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 プロピル ( 2 —ペンチルー 3 —ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 プロピル ( 2— (2 —ペンテニル) 一 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート、 プロピ ル (2— (3 —ペンテニル) — 3 —ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 プロ ピル (2— (2—メチルブチル) — 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート、 プロピル ( 2— ( 2, 2—ジメチルプロピル) 一 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート、 イソプロピル ( 2 —ペンチルー 3 —ォキソ—シクロペンチル) ァセ テート、 イソプロピル (2— ( 2 —ペンテニル) 一 3 —ォキソ—シクロペンチル ) アセテート、 イソプロピル (2— (3—ペンテニル) — 3 —ォキソ—シクロべ ンチル) アセテート、 ブチル ( 2 —ペンチルー 3—ォキソーシクロペンチル) ァ セテート、 ブチル (2— ( 2 —ペンテニル) — 3 —ォキソ—シクロペンチル) 7 セテート、 ブチル (2— ( 3 —ペンテニル) 一 3—ォキソーシクロペンチル) ァ セテート、 イソブチル ( 2 —ペンチルー 3 —ォキソーシクロペンチル) ァセテ一 ト、 イソブチル (2— ( 2—ペンテニル) 一 3—ォキソーシクロペンチル) ァセ テート、 s e c —ブチル ( 2 —ペンチルー 3—ォキソ―シクロペンチル) ァセテ 一卜、 s e c —ブチル ( 2— ( 2—ペンテニル) 一 3—ォキソーシク口ペンチル ) アセテート、 t 一ブチル ( 2 —ペンチル— 3—ォキソーシクロペンチル) ァセ テート、 ペンチル ( 2 —ペンチルー 3 —ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 ペンチル ( 2— ( 2—ペンテニル) 一 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート 、 2 —メチルブチル ( 2—ペンチルー 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート 、 へキシル ( 2—ペンチルー 3—ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 へキシ ル (2— ( 2 —ペンテニル) 一 3 —ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 ヘプ
チル (2— (2—ペンテニル) 一 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート、 ォ クチル (2—ペンチルー 3—ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 ォクチル ( 2 — ( 2—ペンテニル) — 3—ォキソーシクロペンチル) アセテートなどが好ま しく、 プロピル (2 —ペンチルー 3 —ォキソ—シクロペンチル) アセテート、 プ 口ピル (2— (2 —ペンテニル) 一 3 —ォキソーシクロペンチル) アセテート、 プロピル (2— ( 3—ペンテニル) — 3—ォキソーシクロペンチル) アセテート 、 プロピル (2— ( 2—メチルブチル) 一 3 —ォキソーシクロペンチル) ァセテ —ト、 プロピル (2— ( 2 , 2 —ジメチルブロピル) — 3 —ォキソ—シクロペン チル) アセテート、 イソプロピル ( 2 —ペンチルー 3—ォキソーシクロペンチル ) アセテート、 イソプロピル (2— ( 2 —ペンテニル) 一 3—ォキソーシクロべ ンチル) アセテート、 イソプロピル (2— ( 3 —ペンテニル) — 3—ォキソーシ クロペンチル) アセテート、 ブチル ( 2 —ペンチルー 3—ォキソーシクロペンチ ル) アセテート、 ブチル (2— (2 —ペンテニル) — 3 —ォキソ—シクロペンチ ル) アセテート、 ブチル (2 _ ( 3 —ペンテニル) 一 3 —ォキソーシクロペンチ ル) アセテート、 イソプチル ( 2 —ペンチルー 3—ォキソーシクロペンチル) ァ セテート、 イソブチル (2— (2 —ペンテニル) 一 3—ォキソーシクロペンチル ) ァセテ一ト、 s e c—ブチル (2—ペンチルー 3—ォキソ—シク口ペンチル) アセテート、 s e c —ブチル (2— (2—ペンテニル) — 3—ォキソーシクロべ ンチル) アセテート、 t 一ブチル ( 2 —ペンチルー 3 —ォキソーシクロペンチル ) アセテートなどが特に好ましい。
これらのジャスモン酸エステルは、 それぞれ単独で、 あるいは 2種以上を組み 合わせて用いることができる。
これらのジャスモン酸エステルは、 常法に従い製造することができ、 例えば、 前記式 ( 1 ) において R iがペンチル基で R 2がアルキル基であるジャスモン酸ェ ステルは、 2—ペンチルシクロペンテン一 1 一オンとマロン酸のアルキルエステ ルとをマイケル付加させた後、 脱炭酸させることにより容易に得ることができる 本発明の作物成長調節剤中のジベレリンとジャスモン酸エステルの割合は、 作
物の種類、 作用効果および施用方法などに応じて適宜選択され格別な制限はない 、 通常 [ジベレリン] : [ジャスモン酸エステル] (重量比) = 1 : 0. 00 1〜 1 : 1, 000, 000、 好ましくは 1 : 0. 0 1〜: 1 : 1 0, 000、 よ り好ましくは 1 : 0. 05〜: L , 000、 最も好ましくは 1 : 0. 1〜: L : 1 0 0の範囲である場合に、 作物成長調節作用が特に高い相乗効果を示し好適である 本発明の作物成長調節剤は、 上記 2成分を有効成分として、 通常、 固体担体、 液体担体および分散剤から選ばれる少なくとも 1種と組み合わせて用いられる。 本発明の作物成長調節剤中のジべレリンおよびジャスモン酸エステルの含有量 は、 対象となる作物の種類、 施用形態、 施用方法、 施用時期などに応じて適宜選 択される。 例えば、 固体担体と組み合わせて用いる場合は、 ジベレリンの含有量 が全重量中の、 通常 0. 00 1〜45重量%、 好ましくは 0. 0 1〜2 5重量% 、 より好ましくは 0. 1〜 1 0重量%の範囲であり、 ジャスモン酸エステルの含 有量が全重量中の、 通常 0. 001〜45重量%、 好ましくは 0. 0 1〜2 5重 量%、 より好ましくは 0. 1〜 10重量%の範囲である。 また、 液体担体と組み 合わせて用いる場合は、 ジベレリンの含有量が全重量中の、 通常 0. 00 1〜4 5重量%、 好ましくは 0. 0 1〜2 5重量%、 0. 1〜 1 0重量%の範囲であり 、 ジャスモン酸エステルの含有量が全重量中の、 通常 0. 00 1〜45重量%、 好ましくは 0. 0 1〜25重量%、 より好ましくは 0. 1〜 1 0重量%の範囲で ある。
固体担体の好ましい具体例としては、 カオリナイ ト群、 モンモリナイ ト群、 ァ 夕パルジャイ ト群、 ジークライ ドなどで代表されるクレー群、 タルク、 雲母、 葉 ロウ石、 軽石、 バーミキユラィ ト、 石こう、 炭酸カルシウム、 ドロマイ ト、 けい そう土、 マグネシウム、 石灰、 リン石灰、 ゼォライ ト、 無水ケィ酸、 合成ケィ酸 カルシウムなどの無機物質 ; 大豆粉、 タバコ粉、 クルミ粉、 小麦粉、 木粉、 でん ぷん、 結晶セルロース、 エステルガム、 コ一パルガム、 ダンマルガムなどの植物 性有機物質 ; クマロン榭脂、 石油樹脂、 アルキド樹脂、 ポリ塩化ビニル、 ケトン 樹脂などの合成高分子化合物 ; カルナパロウ、 蜜ロウなどのワックス類;尿素類
などが挙げられる。 これらの固体担体は、 それぞれ単独で、 あるいは 2種以上組 み合わせて用いることができる。
液体担体の好ましい具体例としては、 ケロシン、 鉱油、 スピンドル油、 ホワイ トオイル、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン、 ェチルベンゼン、 クメン、 メチルナ フタレンなどのパラフィン系、 ナフテン系もしくは芳香族系炭化水素類;四塩化 炭素、 クロ口ホルム、 トリクロルエチレン、 モノクロルベンゼン、 o—クロル卜 ルェンなどの塩素系炭化水素類; ジメチルエーテル、 ジェチルエーテル、 ジォキ サン、 テトラヒドロフランなどのェ一テル類; アセトン、 メチルェチルケトン、 ジェチルケトン、 ジイソプチルケトン、 シクロペン夕ノン、 シクロへキサノン、 ァセトフエノン、 イソホロンなどのケトン類;酢酸ェチル、 酢酸ァミル、 ェチレ ングリコールアセテート、 ジエチレングリコールアセテート、 マレイン酸ジブチ ル、 コハク酸ジェチルなどのエステル類: メタノール、 エタノール、 n—プロパ ノール、 イソプロパノール、 n—へキサノール、 エチレングリコール、 ジェチレ ングリコール、 グリセリンなどのアルコール類;エチレンダリコールフエニルェ —テル、 ジエチレングリコールブチルエーテルなどのエーテルアルコール類; ジ メチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシドなどおよび水などが挙げられる。 こ れらの中でも、 炭化水素類、 ケトン類、 アルコール類、 水などが特に好ましく、 特にアルコール類や水が最も好ましい。 これらの液体担体は、 それぞれ単独で、 あるいは 2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散剤としては、 通常の農薬分野で使用されているものを用いることでき、 一 般的には界面活性剤が用いられる。 界面活性剤としては、 非イオン性、 陽イオン 性、 陰イオン性及び両イオン性のいずれでもよいが、 好適には、 非イオン性界面 活性剤が用いられる。
非イオン性界面活性剤としては、 例えば、 ォキシエチレンォキシプロピレンブ ロックポリマーなどの 2種以上のアルキレンォキシドのブロック縮重合体; ラウ リルアルコール、 セチルアルコール、 ステアリルアルコール、 ォレイルアルコー ルなど高級アルコール、 ォクチルフエノール、 イソォクチルフエノール、 ノニル フエノールなどのアルキルフエノールおよびブチルナフトール、 ォクチルナフト
—ルなどのアルキルナフトールなどにアルキレンォキシドを重合付加させたポリ ォキシエチレンラウリルェ一テル、 ポリオキシエチレンセチルエーテル、 ポリオ キシエチレンステアリルエーテル、 ポリオキシエチレンォレイルエーテル、 ポリ ォキシェチェレンォクチルフエ二ルェ一テル、 ポリォキシエチレンノニルフエ二 ルエーテル、 ポリオキシエチレン高級アルコール (C l2〜C l4 ) エーテルなどの ポリオキシアルキレンエーテル系化合物: ラウリル酸、 パルミチン酸、 ステアリ ン酸、 ォレイン酸などの高級脂肪酸などにアルキレンォキシドを重合付加させた ポリオキシエチレングリコ一ルモノラウレート、 ポリオキシエチレングリコール モノパルミテート、 ポリエチレングリコールモノステアレート、 ポリエチレング リコールジステアレー卜、 ポリエチレングリコールモノォレエー卜などのポリォ キシアルキレングリコール脂肪酸エステル系化合物 ; グリセリン、 ペン夕エリス リ トール、 ソルビトール、 ソルビタン、 マンニタン、 へキシタン、 およびこれら の重縮合物などの分子内に水酸基を 3個以上有する多価アルコールと高級脂肪酸 とのエステル化合物であるグリセリルモノステアレー卜、 グリセリルモノォレエ —ト、 ソルビトールモノラウレート、 ソルビトールモノパルミテート、 ソルビト —ルモノステアレート、 ソルビトールジステアレート、 ソルビトールトリステア レート、 ソルビトールモノォレエ一ト、 ソルビトールジォレエート、 ソルビトー ルトリオレエート、 ソルビトールテトラオレエート、 ソルビ夕ンモノラウレート 、 ソルビタンモノパルミテート、 ソルビタンモノステアレート、 ソルビ夕ンジス テアレート、 ソルビタントリステアレート、 ソルビ夕ンモノォレエート、 ソルビ 夕ンジォレエ一卜、 マンニタンモノラウレート、 マンニ夕ンモノステアレー卜、 マンニタンジステアレート、 マンニタンモノォレエート、 へキシ夕ンモノラウレ —卜、 へキシタンモノパルミテート、 へキシタンモノステアレート、 へキシタン ジステアレー卜、 へキシタントリステアレート、 へキシタンモノォレエ一ト、 へ キシ夕ンジォレエ一トなどの多価アルコール系脂肪酸エステル化合物;該多価ァ ルコール系脂肪酸エステル化合物にアルキレンォキシドを重合付加させるか、 ま たは該多価アルコールにアルキレンォキシドを重合付加させた後に上記高級脂肪 酸でエステル化して得られるポリオキシエチレンソルビ夕ンモノラウレート、 ポ
リオキシエチレンソルビ夕ンモノステアレート、 ポリオキシエチレンソルビ夕ン ジステアレート、 ポリオキシエチレンソルビ夕ンモノォレエート、 ポリオキシェ チレンマンニタンモノパルミテ一ト、 ポリオキシエチレンマンニタンモノステア レート、 ポリオキシエチレンマンニタンモノォレエート、 ポリオキシエチレンへ キシタンモノラウレート、 ポリオキシエチレンへキシ夕ンモノステアレート、 ポ リォキシエチレンソルビトールテトラオレエー卜などのポリォキシアルキレン多 価アルコール系脂肪酸エステル化合物 ;ポリオキシエチレンアルキルァミンなど のポリォキシアルキレンアルキルアミン化合物 ; アルキルアル力ノールアミ ド化 合物; などが挙げられる。 これらの中でも、 アルキレンォキシドが 2種以上のブ ロック縮重合体、 ポリオキシアルキレンエーテル系化合物、 ポリオキシアルキレ ングリコール脂肪酸エステル系化合物、 ポリオキシアルキレン多価アルコール系 脂肪酸エステル化合物およびポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物などの アルキレンォキシド重合付加体であるポリォキシアルキレン系化合物が好ましく 、 ポリオキシアルキレンエーテル系化合物、 ポリオキシアルキレングリコール脂 肪酸エステル系化合物、 ポリォキシアルキレン多価アルコール系脂肪酸エステル 化合物などが特に好ましい。
これらの分散剤は、 それぞれ単独で、 あるいは 2種以上を組み合わせて用いる ことができる。 分散剤の使用量は、 固体担体または液体担体のいずれを用いる場 合も、 全重量中の通常 5〜 6 0重量%、 好ましくは 1 0〜 5 0重量%、 より好ま しくは 1 5〜4 5重量%の範囲である。
本発明の作物成長調節剤には、 必要に応じて、 湿展剤、 固着剤、 崩壊剤などの その他の補助剤を配合してもよい。 また、 本発明の作物成長調節剤には、 必要に 応じて、 オーキシン、 サイ トカイニン、 インドール酢酸、 アブシジン酸、 ェチレ ンおよびエチレン発生剤などのその他の植物ホルモン剤、 殺菌剤、 殺虫剤、 除草 剤、 殺ダニ剤、 農園芸用殺菌剤、 土壌殺菌剤、 土壌改良剤あるいは殺線虫剤など を配合してもよく、 さらに肥料やその他の作物成長調節剤を配合してもよい。 本発明の作物成長調節剤の製剤形態としては、 特に制限されず、 前記液体担体 を用いるか固体担体を用いるかで適宜選択される。 具体的には、 例えば、 乳剤、
懸濁剤、 粉剤、 水和剤、 顆粒状水和剤、 分散剤、 粒剤、 ペースト剤、 エアゾール 剤などの形態が挙げられる。
本発明の作物成長調節剤の調製方法は、 特に限定されるものでなく、 従来公知 の方法が使用される。 例えば、 水和剤の具体的な一調製方法として、 ジベレリン またはジャスモン酸エステルを液体担体に溶かし、 該溶液に分散剤および また は固体担体を加えてよく混合した後、 必要に応じて液体担体を除去して水和剤を 得る方法がある。 また、 例えば、 乳剤の具体的な一調製方法として、 ジベレリン またはジャスモン酸エステルを分散剤とともにプロパノールなどのアルコール系 液体担体によく混合して乳剤を得る方法がある。
本発明の作物成長調節剤は、 作物あるいは土壌に直接施用してもよいが、 水で 所定濃度に希釈あるいは分散させた水媒体として作物に施用するのが最も効果的 である。
水媒体の調製方法は、 常法に従って行えばよく、 例えば、 上記作物成長調節剤 、 好ましくは 2つの有効成分、 液体担体および分散剤からなる上記作物成長調節 剤を水に希釈混合して製造することができる。
水媒体中のジべレリンとジャスモン酸エステル濃度は、 対象となる作物の種類 、 施用形態、 施用方法、 施用時期などに応じて適宜選択されるが、 ジベレリンが 、 通常 0. 0 1〜: I, 000 p pm、 好ましくは 0. l〜1 00 p pm、 より好 ましくは 0. l〜80 p pm、 最も好ましくは 1〜40 p pmの範囲であり、 ジ ヤスモン酸エステルが、 通常 0. 0 1〜1 , 000 p pm、 好ましくは 0. 1〜 50 0 p pm、 より好ましくは 0. 5〜300 p pm、 最も好ましくは 1〜: L 0 0 pmの範囲である。 ジべレリンゃジャスモン酸エステルの濂度が上記範囲内 にある場合が、 作物成長調節作用に特に優れ好適である。
作物成長調節方法
本発明の作物の成長調節方法は、 ジベレリンと前記一般式 ( 1) で表されるジ ヤスモン酸エステルとが同時に存在してその効果を発現することを特徴とする。 したがって、 本発明の作物成長調節方法は、 ジベレリンと該ジャスモン酸エステ ルとを混合して作物に施用してもよいし、 また、 各化合物の作物に対する有効期
間内に各々別々に作物に施用してもよい。 ジべレリンと該ジャスモン酸エステル とを混合して用いる場合は、 前記作物成長調節剤が用いられる。 また、 ジべレリ ンと該ジャスモン酸エステルとを別々に作物に施用する場合は、 前記作物調節剤 中の一方の有効成分を含有する単剤を調製し、 各単剤を同時期、 あるいは、 各々 の単剤の効果が持続している期間内、 通常 1週間以内、 好ましくは 3日以内、 よ り好ましくは 2日以内に両剤を前後して施用してもよい。 好適には、 各々単剤の 持続期間が作物の種類や施用方法などにより異なるので、 両化合物を混合した前 記本発明の作物成長調節用剤を用いる方法である。
作物に施用するジべレリンおよびジャスモン酸エステルの濃度は、 作物の種類 、 作用効果、 施用方法などに応じて適宜選択されるが、 前記作物成長調節剤中の 水媒体と同様の濃度にするのが高い作物成長調節効果を望むうえで好適である。 作物に施用するジベレリンとジャスモン酸エステルの割合は、 作物の種類、 作 用効果、 施用方法などに応じて適宜選択されるが、 前記作物成長調節剤中で記載 されている併用割合と同搽にするのが高い相乗効果を望むうえで好適である。 適用作物としては、 例えば、 キユウリ、 ナス、 ピーマン、 カポチヤ、 スイカ、 シロゥリ、 マクワウリ、 メロン、 オクラ、 イチゴ、 トマトなどの果菜類ゃブドウ 、 梨、 リンゴ、 モモ、 ォゥトウ、 柿、 ミカンなどの果榭類などの実を収穫する果 実類; 大根、 ニンジン、 カブ、 ゴボウ、 ビート、 ジャガイモ、 サツマィモ、 サト ィモなどの根部を収穫する根菜類; ハクサイ、 カンラン、 夕マネギ、 ネギ、 ハナ ャサイ、 パセリ、 ミツバ、 セロリ、 シユンギク、 ホウレンソゥ、 レタス、 ナタネ 、 ミズナなどの葉部を収穫する葉菜類;インゲン、 ソラマメ、 エンドゥ、 ダイズ 、 ラッカセィ、 ァズキ、 エダマメなどの豆類; イネ、 大麦、 小麦、 燕麦、 粟、 稗 、 黍、 ソバ、 トウモロコシなどの穀類;ユリ、 チューリップ、 グラジオラス、 力 —ネ一シヨン、 バラなどの花卉類; ヮタ、 アサ、 テンサイ、 芝、 ステビアなどの 工芸作物類; スギ、 ヒノキ、 マツ、 ヒバなどの木本類などが挙げられるが、 これ らに限定されるものではない。 本発明の作物成長調節効果は、 これらの中でも、 果実類、 根菜類、 葉菜類、 豆類、 穀類、 花卉類などに対して効果的であり、 特に 果実類が好適である。 果実類の中では、 果樹類が特に好ましく、 ブドウが最も好
ましい。
作物の成長調節作用としては、 例えば、 発根促進、 発芽促進、 着花促進、 開花 促進、 生育促進、 無核化 (種無し化) 、 結実率向上、 果実肥大、 熟期促進、 着色 向上、 糖度向上、 果実落下防止などの作用が挙げられる。 これらの中でも、 発芽 促進、 開花促進、 生育促進、 無核化、 果実肥大、 熟期促進などに好適であり、 発 芽促進、 無核化、 果実肥大などに特に好適である。
作物への施用部位としては、 作物の種類や期待する効果に応じて適宜選択でき 、 通常、 種子、 花芽、 花 (花房) 、 果実 (果房) 、 葉、 茎、 根部、 塊部などに施 用される。 例えば、 種子に対する施用は、 通常、 発芽促進や生育促進などの作用 を有する。 花芽および花芽前駆部などに対する施用は、 通常、 開花促進や着花率 向上などの作用を有する。 花や花房に対する施用は、 通常、 無核化、 着実数向上 、 果実肥大などの作用を有する。 果実ゃ果房に対する施用は、 通常、 果実肥大、 熟期促進、 着色促進、 糖度向上、 落下防止などの作用を有する。 葉、 茎、 根部、 塊部に対する施用は、 通常、 生育促進などの効果を有する。
最も効果的な施用部位としては、 葉菜類、 豆類、 穀類などの発芽促進作用にお ける種子;根菜類、 葉菜類、 豆類、 穀類などの生育促進作用における葉や茎;花 卉類などの開花促進における花芽または花芽前駆部:果実類の無核化における花
(花房) ;果実類の果実肥大作用における花 (花房) や果実 (果房) ;などが挙 げられる。
施用方法としては、 作物の種類や作用効果など応じてその好ましい態様は異な るが、 種子や種ィモなどの浸渍処理 (浸漬時間は、 作物種により適宜選択される 力 通常数秒〜数日、 好ましくは 1〜 4 8時間、 より好ましくは 6〜 1 2時間の 範囲である) 、 花芽、 花 (花房) 、 果実 (果房) などの浸漬処理 (浸演時間は、 通常瞬時〜数十分間の範囲で選択され、 好ましくは 1〜3 0秒間、 より好ましく は数秒間である) 、 茎葉散布、 土壌かん水、 果実面散布、 植物体への注入処理な どが挙げられる。 施用回数は、 特に制限はないが、 通常 1回〜数回である。 以下に、 本発明の特に好ましい適用について要約する。
( 1 ) 発芽促進作用
発芽促進作用としては、 各種作物に対して適用され、 好ましくは果菜類、 根菜 類、 葉菜類、 豆類、 穀類などであり、 より好ましくは根菜類、 豆類、 穀類などで ある。 施用方法としては、 特に制限されないが、 好ましくは種子の浸漬処理であ る。 種子の浸演処理としては、 前記水媒体に記載される濃度の薬液に通常 0 . 1 〜4 8時間、 好ましくは 1〜 2 4時間、 より好ましくは 6〜 1 2時間浸漬して行 われる。
( 2 ) 開花促進作用
開花促進作用としては、 例えば果菜類、 葉菜類、 花卉類などに適用され、 特に 開花に低温処理や長日処理を必要とするイチゴ、 ホウレン草などに対して顕著な 効果を示し、 また温室花卉類、 例えば、 カーネーション、 夏菊、 シクラメン、 プ リムラ、 ミヤコヮスレなどに対しても著しい開花促進作用を示す。 施用方法は、 通常花芽分化前の植物体に対して噴霧処理で行われる。
( 3 ) 生育促進作用
生育促進作用としては、 各種作物に対して適用され、 好ましくは果菜類、 根菜 類、 葉菜類、 豆類、 穀類などであり、 より好ましくは葉菜類、 根菜類、 豆類など である。 施用方法としては、 通常幼葉体 (2〜 6葉体) や収穫前の 1〜 5週間前 、 好ましくは 2〜 3週間位前に葉面散布される。
( 4 ) 無核化作用および果実肥大作用
果実肥大作用は、 果実類に対して有効で、 その中でも果榭類が好ましく、 ブド ゥが特に好ましい。 無核化作用は、 特にブドウに対して行われる。 適用されるブ ドウの種類としては、 格別制限はなく各種品種のブドウに対して適用され, 例え ば、 デラウェア、 巨峰、 ピオ一ネ、 マスカットベリー A、 マスカット .ォブ . ァ レキサンドリア、 ネオマスカット、 甲州、 ヒムロッド、 ヒロ 'ハンブルク、 キヤ ンベル 'アーリー、 ナイアガラ、 高尾などが挙げられる。
無核化を目的にする場合は、 花房に施用され、 その時期は、 通常満開予定日の 4週間前から満開になる前まで、 好ましくは満開予定日の 1〜 3週間前頃、 より 好ましくは満開予定日の 2週間位前に 1回以上施用される。
果実肥大作用を目的にする場合は、 花や果実、 特にブドウは花房 [花が集中し
て房状に着生したもので、 つぼみから開花終了 (花冠が総て落下した時点) まで のものをいう] ゃ果房に施用される。 花房に施用する場合は、 開花初期から開花 終了までの間、 好ましくは満開後 4週間目位までの間、 より好ましくは満開後 1 〜 3週間の間、 最も好ましくは満開後 2週間目位に 1回以上施用される。
無核化と果実肥大の両作用を目的にする場合は、 ブドウの花房に対して、 満開 予定日の 4週間前から満開になる前まで、 好ましくは満開予定日の 1 ~ 3週間前 頃、 より好ましくは満開予定日の 2週間位前に 1回以上、 および満開後 4週間位 の間、 好ましくは満開後 1〜 3週間後、 より好ましくは満開後 2週間位後に 1回 以上施用するのが効果的である。
施用方法としては、 前記水媒体に記載される濃度の薬液中で花房ゃ果房を浸漬 処理する、 または花房、 果房、 全体へ噴霧処理するなどの方法が行われるが、 好 ましくは花房への浸演処理である。
( 5 ) 熟期促進作用
熟期促進作用の具体的効果としては、 糖度向上、 着色促進などの効果を示し、 収穫時期を早める効果がある。 熟期促進作用は、 果実類に対して有効で、 その中 でも特に果榭類が好ましく、 ブドウが特に好ましい。 施用方法としては、 果実 ( 果房) への浸漬処理や噴霧処理が行われ、 好ましくは浸漬処理である。 浸漬施用 時期は、 収穫前の通常 1〜 5週間前、 好ましくは 2〜4週間位前に行われる。 以下、 実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、 本発明はこれらの実施例に 限定されるものではない。
試験液の調製
n—プロパノール:水: ポリオキシエチレンソルビ夕ンモノォレエート = 3 5 : 3 5 : 3 0 (重量比) の混合液を用いて、 ジベレリンまたは前記一般式 ( 1 ) で表されるジャスモン酸エステルの 5重量%乳剤を作製し、 次いで、 水で希釈し て表 1および表 2記載の濃度の試験液を調製した。 なお、 以下の試験例において 、 ジべレリンおよび該ジャスモン酸エステルを含有しない n —プロパノール:水 :ポリオキシエチレンソルビ夕ンモノォレエ一ト混合液の 1 0 0 0倍希釈水溶液 (表 1 ;試験液 N o . 1 ) を施用したものを無処理区とした。
試験液 ジベレリン濃度 (ppm) ジャスモン酸エステル
No. GA3 GA4 2**> 澳度 ^p m)
1*
2 5
3 10
4 25 ― 一
5 30
6 100
7 ― 5 ― 一 ―
8 10
9 Vンチル基 チル基 5
10 II ェチル基 5
11 II フ' Dt'ル基 2
12 II フ '。ヒ'ル基 5
13 II フ 'Dt'ル基 10
14 II フ' Dl:'ル基 25
15 II イリフ' Dピル基 5
16 " フ'チル基 5
17 II へキシル基 5
18 へ · ン亍二) チル基 5
19 // フ' D ル基 5
20 // フ'チル基 5
* n一プロパノール :水
ンモノォレエ一卜 = 3 5 : 35 : 30 (重量比) 混合液の 1 000倍希釈水溶液
* * 前記一般式 (1 ) 中の R1および 1?2
表 2
試験液 ジベレリン瀘度 (ppm) ジャスモン酸エステル
No. t ^t©!^ 港度 (ppm)
2 1 へ ft チル ¾ 5
2 2 c; ft ェチル 5
2 3 n: ft フ Dヒ ル ^ 2
24 1 o yj ff ut As ζ
2 5 U 〃 フ ロヒ ル ^
2 6 u フ ロヒ ル 5
27 1 0 一 ft r ob'ル基 5
2 8 2 5 n フ' D ル基 5
2 9 0 Ί' Dt*ル § 5
30 1 Π if • "M*
5
3 1 β ik
ffi 1 0
32 リ ff
フ Dt iv 1 0
3 3 2 5 ― fl ' Dl:'ル基 1 0
34 3 0 // r 0ビル基 1 0
3 5 5 一 ;/ フ' πΐ:·ル基 2 5
36 1 0 " フ 'ロビ Α基 2 5
3 7 2 5 // フ 'π ル基 2 5 o o
o 5 // イリフ' Dピル基 5
39 5 " フ'チ Α基 5
40 5 ft へキシル ¾ 5
4 1 5 ニル基 チル基 5
42 5 7° Dビル基 5
43 1 0 01:· ft基 5
44 1 0 フ' Dt 'ル基 5
45 5 フ'チル基 5
46 1 0 ァフ'シシ'ン酸 2
* * 前記一般式 (1 ) 中の Riおよび R2
実施例 1〜 9 (ホウレン草の生育促進効果) 、 比較例 1〜 1 0
ホウレン草 (品種:愛知次郎丸) を圃場に播種し、 1区 2 0本として慣行管理 で栽培した。 本葉 4葉期に表 3に示される試験液を 2 0ミリリツトル Z区として 散布した。 散布後 3 5日目に一斉収穫して、 各区の平均個体重量を測定し、 無処 理区対比値 (%) を算出した。 その結果を表 3に示す。
表 3より、 ジベレリンとジャスモン酸エステルとを併用した本発明の試験例 ( 実施例 1〜 9 ) は、 優れた生育促進作用を示すことがわかる。 特に、 前記一般式 ( 1 ) における R2の炭素数が 2以上のジャスモン酸エステルを用いた時にジべ レリンとの高い相乗効果を示していること、 及び、 R2の炭素数が好ましくは 2 〜6 (実施例 2〜 6および 8〜 9) 、 より好ましくは 3〜4 (実施例 3〜5およ び 8〜 9 ) のジャスモン酸エステルを用いた時にさらに高い相乗効果が発現され ていることが判る。
実施例 1 0〜 1 3 (二十日大根の生育促進効果) 、 比較例 1 1〜 1 4
二十日大根 (品種:赤丸コメット) を露地圃場にて 1区 2 0本で慣行栽培した 。 本葉 4葉期に、 表 4に示す試験液を 2 0ミリリットル 区として散布した。 散 布後 1ヶ月目に一斉収穫し、 各区の平均根重量を測定し、 無処理区対比値 (%) を算出した。 その結果を表 4に示す。
表 4
表 4より、 ジベレリンとして G A
3及び G A4を用い、 ジャスモン酸エステルと して前記一般式 ( 1 ) 中の R iがペンチル基で R
2がプロピル基である化合物を用 いた本発明の試験例 (実施例 1 0〜 1 3 ) は、 二十日大根の根部に対しても著し く優れた生育促進作用を示し、 しかもその効果は相乗的であることがわかる。 実施例 1 4〜 2 2 (ブドウ果実の肥大促進効果) 、 比較例 1 5〜2 1
2 0年生のブドウ (品種: 巨峰) の普通栽培で試験した。 満開 1 5日後に表 5 記載の試験液を花房に数秒間浸演処理した ( 1区: 2 0花房数) 。 果実成熟期に 一斉収獲し、 平均果粒重量を測定し、 無処理区対比値 (%) 'を算 した。 その結 果を表 5に示した。
表 5
表 5より、 本発明の試験例 (実施例 1 4〜2 2 ) は、 ブドウに対して優れた果 実肥大効果が発現していることが判り、 またその効果は両剤の相乗効果であるこ とがわかる。 さらに、 本発明の試験例 (実施例 1 4〜 2 2 ) は、 ジベレリン濃度 が 5または 1 0 p p mであるにもかかわらずジべレリン 1 0 0 p p mを作用さて た時 (比較例 1 8 ) よりも遙かに高い効果を示しており、 充分に高いジベレリン の低減効果と単剤では得られない充分に高い果実肥大効果を示していることが判 る。
実施例 2 3 (ブドウ果実の無核化作用) 、 比較例 2 2〜2 4
ブドウ (品種: ピオーネ) の 1 3年樹を用い、 1結果枝 (新枝) 当り 1花房と し、 余分の花房を処理前に 4 0〜4 5粒 花房となるように摘み取り、 枝長ゃス テージの揃ったものを供試した。 そして、 表 6記載の試験液を用いて、 開花前の 処理適期のうち晴天の日を選んで行い (満開予想日前 1 5日、 実際の満開日は処 理後 1 3〜 1 4日目であった。 ) 、 1処理区当り 1 5花房で 6区を 1試験例とし て、 それぞれの試験液をビーカ一に入れ、 1花房ずっ該溶液に浸漬し、 該溶液中
で花房を数回ふり動かした。 この時の浸演時間は 1花房につき 3秒位であった。 処理後 6 8日目に一斉収穫し、 全果粒数に対する無核果数を測定し、 無核化率 ( % ) = (無核果数 Z全果粒数) X I 0 0を算出した。 その結果を表 6に示した。
表 6
表 6より、 本発明の試験例 (実施例 2 3 ) は、 ブドウに対する無核化作用にお いても著しく高い効果を示していることがわかり、 しかもその効果が相乗的であ ることがわかる。
実施例 2 4 (トマ卜果実の肥大促進効果) 、 比較例 2 5 ~ 2 6
ビニールハウス加温栽培のトマト (品種:桃太郎) を用いて試験した。 果実の 大きさが 4 c m程度に肥大した時に各果房に 3果ずつ、 生育の揃った果実を残し 、 他は摘除した。 これらの果房に表 7に示す試験液を 1 0ミリリットルずつ散布 した。 各区 1 0果房の計 3 0果実について、 それぞれの果実が着色開始したとき に収毪し、 各区の平均果実重量を測定し、 無処理区対比値 ぐ%) 'を算出した。 そ の結果を表 7に示した。 表 7より、 本発明の試験例 (実施例 2 4 ) は、 トマト果 実に対する優れた果実肥大効果を示してしることが判り、 またその効果は相乗的 であることが判る。
表 7
実施例 2 5〜 2 6 (水稲の着粒増加効果) 、 比較例 2 7〜 2 9
イネ (品種: 日本晴) を 2 0株 Z区として慣行栽培し、 幼穂形成時期に表 8に 示す試驗液を 1 0リツトルノア一ルの割合で散布処理した。 収穫期に穂当りの平 均粒数を測定し、 無処理区対比値 (%) を算出した。 その結果を表 8に示した。 表 8より、 本発明の試験例 (実施例 2 5、 2 6 ) は、 イネに対する優れた着粒増 加作用があること及びその効果が相乗的であることがわかる。
¾ 8
実施例 2 7 (水稲直播の発芽試験) 、 比較例 3 0〜 3 1
イネ種子 (品種: コシヒカリ) を、 表 9記載の試験液に 2時間浸漬処理後、 水 温 1 5〜 1 6 "Cの直播条件で、 発芽試験を行った。 播種後の 1 3日目の発芽率を 求め、 無処理区対比値 (%) を算出し表 9に示した。 表 9の結果から、 本発明の 試験例 (実施例 2 7 ) は、 種子の浸演処理で、 十分に高い発芽率を示すことがわ かる。
3fe 9 実施例 比 較 例
27 30 31 試験液 No. 24 3 11 発芽促進効果 293 137 183 実施例 28〜29 (ペチュニアの開花促進効果) 、 比較例 32〜33
ペチュニア (品種: ペチュニアとタイタンのハイブリッド) を 1区当り 10本 で栽培し、 本葉 10〜12葉期になった 2月下旬に表 10に示す試験液を 1区当 り 50ミリリットル散布処理した。 散布後は露地条件で栽培し、 各処理区とも 5 個体ずつ供試し、 各個体の平均開花開始日を調査した。 表 10には、 無処理区の 平均開花日数に対して各区の開花の早まった日数を表示した。 表 10より、 本発 明の試験例 (実施例 28、 29) は、 優れた開花促進作用を示していること及び その効果が相乗的であることがわかる。
表 10
実施例 30 (小麦の穂数の増加効果) 比較例 35〜 37
秋播品種の小麦 (品種: Bezostaja を、 1 1月上旬に 1ポット 〔 (1/5 000) a] 当り 6粒づっ播種し、 薛地条件で栽培した。 2月に生育の揃った個 体を選んで、 3株/ポットとした。 早春の生育が見られ始めたとき、 (3月上旬 ) 、 表 11に記載の試験液を散布処理 (5m l /ポット) した。 収穫期に各ポッ トの穂数を測定し、 無処理区対比値%を算出した。 表 11より、 本発明の試験例
(実施例 30) は、 小麦に対する優れた増穂作用があることおよびその効果が相 乗的であることがわかる。
実施例 31 (小麦の穂数の増加効果) 比較例 38、 39
秋播品種の小麦 (品種: Banatka) を、 1 1月上旬に 1ポット 〔 (1Z500 0) a〕 当り 6粒づっ播種し、 露地条件で栽培した。 2月に生育の揃った個体を 選んで、 3株 Zポットとした。 早春の生育が見られ始めたとき (3月上旬) 、 表 12に記載の試験液を散布処理 (5m l /ポット) した。 収穣期に各ポットの穂 数を測定し、 無処理区対比値%を算出した。 表 12より、 本発明の試験例 (実施 例 31) は、 小麦に対する優れた増穂作用があることおよびその効果が相乗的で あることがわかる。
表 12
実 施 例 比 較 例
31 38 39 試馳 0. 24 3 11 穂数増加効果 134 106 107
産業上の利用可能性
本発明に従ってジべリレンとジャスモン酸エステルとを組合せて施用すること により、 ジベレリンの適用濃度を十分に低減でき、 しかも単剤では得られない優 れた作物成長調節効果が得られる。 このジベリレンとジャスモン酸エステルとの 組合せは、 ジベレリンが発揮できる様々な作用効果、 例えば、 発根促進、 発芽促 進、 着花促進、 開花促進、 生育促進、 無核化 (種無し化) 、 結実率向上、 果実肥 大、 熟期促進、 着色向上、 糖度向上および果実落下防止などの作用効果に対して 有効である。