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JPWO2013129292A1 - 骨セメント組成物 - Google Patents

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Abstract

硬化体の強度を維持しつつ、所望の生体活性能及び所望のX線造影性を有する骨セメント組成物を提供することを目的とする。X線造影性を有する粒子に酸化チタン被覆を形成し複合粒子とし、骨セメント組成物に含ませる。かかる骨セメント組成物は、骨欠損部への充填、人工関節の固定、椎体形成術への使用に好適に使用される。X線造影性を有する粒子の形状は好ましくは粒状であり、酸化チタンは好ましくはルチル型である。

Description

本発明は、骨セメント組成物に関する。より詳細には、骨セメント組成物、骨セメント組成物キット、骨セメント組成物の製造方法及び骨セメント組成物硬化体に関する。
ポリメチルメタクリレート(PMMA)系骨セメント組成物は、骨の欠損部の補填剤、あるいは人工股関節などの金属製の人工関節を周囲の骨と固定する接着剤などとして広く使用されている。しかし、硫酸バリウムまたは酸化ジルコニウム等の造影剤を含有する既存のPMMA系セメント組成物は、生体活性能、すなわち骨結合性能を有するものではないので、適用後の長期経過により、骨セメントと骨との間に弛みを生じてしまうという問題が生じていた。かかる、問題を解決すべく、生体活性能を付与する目的から酸化チタン粒子を添加した骨セメント組成物が提案されている(特開2007−54619号公報)。
また、近年、悪性腫瘍による椎体転移や骨粗鬆症における圧迫骨折の疼痛の緩和のための即効性のある治療法として経皮的椎体形成術が用いられている。この方法は、骨セメントを椎体の損傷部位に注入して椎体を補強する方法であるが、流動性の骨セメントを直接椎体内に挿入するため、骨セメントが損傷部位等から椎体外部へと漏れる可能性がある。このため、骨セメントにX線造影性を有する硫酸バリウム粒子や酸化ジルコニウム粒子などの無機化合物を所定量、添加し、X線透過装置によって得られた画像を見ながら漏れないように施術する必要がある(特表2011−514818号公報)。
特開2007−54619号公報 特表2011−514818号公報
上記のとおり、骨セメント組成物に生体活性能を付与するために、酸化チタン粒子を所定量含ませることが知られており、また、骨セメント組成物にX線造影性を付与するために、硫酸バリウム粒子や酸化ジルコニウム粒子等の無機化合物を所定量含ませることも知られている。
しかしながら、所望の生体活性能を付与するために所定量の酸化チタン粒子を添加し、さらにこれに重ねて所望のX線造影性を得るために所定量の硫酸バリウム粒子や酸化ジルコニウム粒子を添加すると(以後、これらの目的のために添加される粒子を合わせて単にフィラーという場合がある)、骨セメント組成物中のフィラーの含有率が高くなり、必然的に得られる硬化体の強度が低下してしまう。
また、これらのフィラーを単に、添加し、混合して用いた場合、フィラーが凝集しやすく、この点も硬化体の強度低下の原因となっている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、X線造影性を有する粒子に酸化チタン被覆を形成し複合粒子として骨セメント組成物に含ませることにより、硬化体の強度を維持しつつ、所望の生体活性能及び所望のX線造影性が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(a)X線造影性を有する粒子と、前記粒子を覆う酸化チタン被覆とを有する複合粒子、及び(b)メタクリレート系ポリマーを含む基材形成成分を含有する骨セメント組成物である。
好ましくは、X線造影性を有する粒子の形状は粒状であり、複合粒子のメジアン径は0.2〜7μmであり、BET比表面積は1〜30m/gであり、酸化チタン被覆の酸化チタンがルチル型であり、複合粒子がさらにシリカの被覆を有し、X線造影性を有する粒子は硫酸バリウム又は酸化ジルコニウムである。
また、本発明は、重合開始剤を含む第一成分と、メタクリレート系モノマーを含む第二成分とを備える骨セメント組成物キットであって、第一成分及び/又は第二成分は、前記の複合粒子を含んでいる。キットのメタクリレート系モノマーを重合させることにより骨セメント組成物を得ることができ、硬化させることにより硬化体が得られる。
X線造影性を有する粒子に酸化チタン被覆を形成した複合粒子を用いた本願発明の骨セメント組成物は、骨欠損部への充填、人工関節の固定、経皮的椎体形成術への使用に好適に使用され、本願発明の骨セメント組成物によれば、硬化体の強度を維持しつつ、所望の生体活性能及び所望のX線造影性を発揮することができる。
同時中和法による複合粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。 噴霧コーティング法による複合粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。 同時中和法により得られた複合粒子のラマン分光スペクトル図である。 実施例1〜3及び比較例1の硬化体の疑似体液に浸漬後の表面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。 実施例9〜11及び比較例24〜29の硬化体のX線造影性を示すX線図である。 機械的乾式処理法による複合粒子Cの走査型顕微鏡写真(SEM)である。 機械的乾式処理法による複合粒子Dの走査型顕微鏡写真(SEM)である。 実施例12及び13の硬化体の疑似体液に浸漬後の表面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。 実施例17〜19の硬化体のX線造影性を示すX線図である。
本発明の骨セメント組成物は、(a)X線造影性を有する粒子と、前記粒子を覆う酸化チタン被覆とを有する複合粒子、及び(b)ポリメタクリレート系ポリマーを含む基材形成成分を含有することを特徴とする。
(X線造影性を有する粒子)
X線造影性を有する粒子(以下、単に粒子という場合がある)としては、硫酸バリウムや酸化ジルコニウムが挙げられる。
粒子の形状は、通常の工業製法で得られる形状であればよく、不定形の他、粒状、球状、板状、薄片状、針状、棒状、繊維状及び柱状など公知の種々の形状のものを使用することもできる。得られる骨セメント組成物硬化体の物理的強度の観点から、粒状が好ましく、より好ましくは球状である。アスペクト比(平均長径を平均短径で除した値)が1〜1.6である形状を粒状といい、アスペクト比が1〜1.3である形状を特に球状という。
粒子は、レーザー回折/散乱式粒度分布計によって測定されるメジアン径(以下、同じ)が0.2〜7μmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜7μm、更に好ましくは2〜5μm、特に好ましくは2〜4μmである。レーザー回折/散乱式粒度分布計としては、例えば粒度分布測定装置「LA−950」(株式会社堀場製作所製)を用いることができる。
粒子のメジアン径が過小である場合には、得られる骨セメント組成物硬化体の物理的強度(例えば、曲げ強度)が小さくなりやすい。一方、粒子のメジアン径が過大である場合には、得られる骨セメント組成物硬化体の物理的強度(例えば、曲げ強度)が過剰に大きくなり、硬化体と当該硬化体の適用部位に係る骨との物理的強度の差が大きくなることに起因して骨折が生じやすくなるなどの弊害が生じやすくなる。
また、粒子は、窒素吸着法によって測定されるBET比表面積(以下、同じ)が1〜30m/gであることが好ましく、更に好ましくは1〜10m/g、特に好ましくは1〜5m/gである。窒素吸着法によるBET比表面積の測定には、例えばBET比表面積測定装置「MONOSORB」(Quantachrome Instruments社製)を用いることができる。
粒子のBET比表面積が過小である場合には、メジアン径が大きくなり、その結果、得られる骨セメント組成物硬化体の物理的強度(例えば、曲げ強度)が過剰に大きくなるため、この硬化体と、当該硬化体の適用部位に係る骨との物理的強度の差が大きくなることに起因して骨折が生じやすくなるなどの弊害が生じるおそれがある。一方、粒子のBET比表面積が過大である場合には、メジアン径が過剰に小さくなる、あるいは多孔質状態となることに起因して得られる骨セメント組成物硬化体に実用上必要とされる物理的強度(例えば、曲げ強度)が得られなくなるおそれがある。
また、粒子のBET比表面積が1〜30m/gであることにより、当該粒子が所望のメジアン径(骨セメント組成物に適したメジアン径)を有する緻密体粒子となるため、得られる骨セメント組成物硬化体を実用上必要な物理的強度(例えば、曲げ強度)を有するものとすることができる。
粒子には、酸化チタンによる被覆の前に、無機化合物又は有機化合物を被覆又は吸着させてもよい。無機化合物としては、被覆する酸化チタンとは結晶形の異なるTiOのほか、SiO、Al、ZrO、SnO、Fe、Fe、リン酸カルシウムなどが挙げられ、有機化合物としては、ポリカルボン酸系、ポリアクリル酸系、スルホン酸系、リン酸系又は非イオン性の界面活性剤、シランカップリング剤、シリコーンなどが挙げられる。
(酸化チタン被覆)
本発明の複合粒子は、前記粒子を覆う酸化チタン被覆を有する。粒子を覆う酸化チタン被覆とは、粒子の表面の一部又は全部を、直接又は他の層を介して被覆する酸化チタン被覆をいう。
酸化チタンの結晶形はルチル型であっても、アナターゼ型であっても、あるいはアナターゼ型とルチル型との混相であってもよいが、得られる骨セメント組成物硬化体の物理的強度の観点から、アパタイト形成能に優れるルチル型であることが好ましい。
また、良好な生体活性能を発揮するために、酸化チタン被覆は粒子上に偏在せずに存在することが好ましい。
酸化チタン被覆は、粒子の表面の全部又は一部に存在し、その被覆率は、良好な生体活性能を発揮するために50〜100%であることが好ましい。ここで、被覆率とは、複合粒子の表面全体における酸化チタン被覆の存在率をいい、走査型電子顕微鏡を用い観察した複合粒子表面の画像を、たとえば、画層処理ソフトWinROOF(三谷商事株式会社製)を用い、複合粒子表面の酸化チタン被覆が存在しない部分の面積を算出することにより求めることができる。
酸化チタンの被覆量や、被覆の厚みは良好な生体活性能を発揮するために、複合粒子に対して1〜30重量%であり、被覆の厚みは1〜2000nmであることが好ましい。酸化チタンの被覆率、被覆量及び厚みは、粒子に対するチタンの仕込み比により、実験的に適宜、調整することができる。酸化チタン被覆にチタン以外の異種元素を、必要に応じその結晶格子中にドープさせるなどして含有させてもよい。
(複合粒子)
複合粒子の形状は、X線造影性を有する粒子の形状に依存し、粒状の形状が好ましく、より好ましくは球状である。また、サイズもX線造影性を有する粒子のサイズに依存し、メジアン径が0.2〜7μmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜7μm、更に好ましくは2〜5μm、特に好ましくは2〜4μmであり、BET比表面積は1〜30m/gであることが好ましく、更に好ましくは1〜10m/g、特に好ましくは1〜5m/gである。
複合粒子の表面に、必要に応じて、炭素やアルミナやシリカ等の無機化合物、界面活性剤、カップリング剤等の有機化合物から選ばれる少なくとも1種を被覆してもよい。2種以上用いる場合、それぞれを1層ずつ積層することができ、また2種以上を混合物や複合物として1層に積層することもできる。積層の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。生体活性能をより有効に発揮するためには、酸化チタン被覆が露出していることが好ましい。
(複合粒子の製造方法)
複合粒子は、同時中和法、噴霧コーティング法、機械的乾式処理法などの方法により製造することができる。
同時中和法は、α−ヒドロキシカルボン酸の存在下、pHを1〜3に維持し、X線造影性を有する粒子の表面に酸化チタンを堆積させる工程を含む方法である。この方法によれば、粒状や球状の粒子の上にも酸化チタン被覆を偏在することなく形成することができる。
具体的には、核となる、たとえば、粒状の硫酸バリウムスラリーにα−ヒドロキシカルボン酸と水を加え、50〜100℃に加熱し、pHを1〜3に調整する。このスラリーに、チタン化合物を溶解させた水と、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩又はアンモニアを含む水溶液をpHを1〜3に維持しながらゆっくりと滴下し、硫酸バリウム表面に酸化チタンが析出した複合粒子を得る。得られた複合粒子を分離し、乾燥し、所望により400〜1000℃の温度で焼成する。酸化チタンはその析出において、粒子の表面に偏在させずに析出させることは困難であったが、この方法によれば、粒子表面に酸化チタンを偏在させずに析出させることができる。
また、硫酸バリウムは酸化チタンに対し、アナターゼ型結晶を析出させる指向性があるが、この方法によれば、ルチル型の酸化チタンを析出させることができる。
α−ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、サリチル酸、ベンジル酸、マンデル酸、ヒドロキシコハク酸、シュウ酸及びこれらの塩が使用できる。α−ヒドロキシカルボン酸の使用量は、チタンを基準としてモル比で0.1〜0.9の範囲であって、ルチル型酸化チタンを析出することのできる範囲である。α−ヒドロキシカルボン酸の使用量が過剰である場合は、アナターゼ型酸化チタンが析出する。
チタン化合物としては、化学反応により酸化チタンを生成するものであれば、特に制限はなく、例えば四塩化チタン、塩化酸化チタン、硫酸チタン、硝酸チタン、チタンアルコキシドなどが挙げられる。
アルカリ金属の水酸化物の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、アルカリ金属の炭酸塩の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
硫酸バリウムスラリーの濃度、中和における反応温度と反応時間、焼成における焼成温度や焼成時間等は、実験的に、適宜設定される。
このほか、噴霧コーティング法では、被覆するための装置として、一般的な流動層造粒機(転動流動層造粒機、ワースター型流動層造粒機等)が挙げられるが、整粒解砕機構(スクリーン・インペラ方式やブレード・ステータ方式等)が付いた複合型流動層造粒機強制循環装置(MP−01SFPパウレック社製等)が好ましく、これらの装置を用いてX線造影性を有する粒子に所望の結晶形を有する酸化チタンスラリーを噴霧して、複合粒子を製造することができる。
機械的乾式処理法による製造方法は、X線造影性を有する粒子と被覆させる酸化チタンを混合し、機械エネルギーを加えてメカノケミカル的に複合化させることで、複合粒子を製造することを特徴とするものである。機械的乾式処理法では、たとえば、高速衝撃式乾式粉体複合化装置(ハイブリダイゼーションシステム 奈良機械製作所製)、圧縮剪断式乾式粉体複合化装置(シータ・コンポーザ 徳寿工作所製、メカノマイクロス 奈良機械製作所製、メカノフュージョンシステム ホソカワミクロン製、ノビルタ ホソカワミクロン製)などを使用することができる。
機械的乾式処理法による複合粒子の製造は、これらの装置を用いてX線造影性を有する粒子と所望の結晶形を有する酸化チタン粒子を機械的に混合することにより行うことができる。また、X線造影性を有する粒子と酸化チタン粒子の混合比率を任意の割合で調整し、乾式複合化装置に投入し、圧縮剪断エネルギーを負荷することなく一定時間予備混合した後、エネルギーを負荷して酸化チタンを被覆してもよい。或いは、例えばヘンシェルミキサー等の混合機で、X線造影性を有する粒子と酸化チタン粒子を事前に混合した後に乾式複合化装置に投入し、酸化チタンを被覆してもよい。被覆条件は特に制限されるものではなく、使用する装置の仕様や設定のほか、X線造影性を有する粒子及び酸化チタン粒子の混合比率、処理時間、処理温度等により適宜選択すればよい。また、適宜、被覆した酸化チタンを固定するために焼成してもよく、また、焼成後、粉砕処理を行ってもよい。
機械的乾式処理法によって複合粒子を製造する場合においては、X線造影性を有する粒子の表面に酸化チタンを被覆し、保持させる必要があるため、X線造影性を有する粒子の粒子径は被覆する酸化チタン粒子の粒子径に対して、10倍〜2000倍の範囲内であることが好ましく、50倍〜1000倍の範囲内であることが更に好ましい。
X線造影性を有する粒子の具体的な粒径としては、前記と同様であるが、酸化チタン粒子は、X線造影性を有する粒子の表面に被覆される必要があるため、少なくとも前記X線造影性を有する粒子よりも粒径が小さいことが必須となる。酸化チタン粒子の具体的な粒径としては、1nm〜100nmの範囲であることが好ましく、10nm〜100nmの範囲であることがより好ましく、10nm〜50nmの範囲であることが更に好ましい。1nm未満であると、粒子同士が凝集し易くなり、また、100nmを超えるとX線造影性を有する粒子の表面に被覆し難くなる。
酸化チタンの被覆量としては、複合粒子に対して1〜30重量%の範囲内であることが好ましく、2〜20重量%の範囲であることがより好ましく、2〜10重量%の範囲であることが更に好ましい。
酸化チタン粒子の被覆量が十分でないと、生体活性能が低下し骨との結合性が弱くなる。また、酸化チタン粒子の被覆量が多すぎると、前記X線造影性を有する粒子表面から酸化チタン粒子が脱離する可能性が高くなる。
(複合粒子の含有割合)
複合粒子の含有割合は、骨セメント組成物全体に対して、通常、生体活性能およびX線造影性の観点から5重量%以上であることが好ましく、特に10〜30重量%が好ましい。また、得られる骨セメント組成物硬化体の物理的強度の観点からは、40重量%以下であることが好ましい。骨欠損部への充填、人工関節の周りの骨との結合、椎体形成術等のいずれの用途に使用されるかにより、含有割合は適宜、設定される。
(基材形成成分:メタクリレート系ポリマー)
骨セメント組成物の基材形成成分を構成するメタクリレート系ポリマーは、重合性単量体としてのメタクリレート系モノマーが重合されてなるものであり、その具体例としては、例えば、(A)メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、ブチルメタクリレートなどのアルキルメタクリレートモノマーの重合体である、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチルメタクリレート(PEMA)、ポリブチルメタクリレート(PBMA)などのポリアルキルメタクリレート、(B)メチルメタクリレートと共に、スチレン、エチルメタクリレート及びメチルアクリレートからなる群から選択される少なくとも一種が共重合されてなる共重合体、(C)ビスフェノール−Aジグリシジルジメタクリレート(Bis−GMA)、2,2−ビス[4−(3−メタクリロキシ−2−ハイドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン(Bis−MEPP)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)などのジメタクリレート系モノマーの重合体などが挙げられる。
メタクリレート系ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは100,000以上、更に好ましくは100,000〜400,000、特に好ましくは130,000〜180,000である。
メタクリレート系ポリマーの含有割合は、骨セメント組成物全体に対して32.4〜67.5重量%であることが好ましい。
上述の基材形成成分であるメタクリレート系ポリマーは、後述するように、基材形成用成分であるメタクリレート系モノマーと基材形成用成分である重合開始剤とを混合、混練し、基材形成用成分であるメタクリレート系モノマーを重合させて得ることができる。
(基材形成用成分:メタクリレート系モノマー)
メタクリレート系モノマーの具体例としては、重合してメタクリレート系ポリマーを構成するとして例示したメチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどが挙げられる。
(基材形成用成分:重合開始剤)
重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化tert−ブチル、過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。これらのうちでは、過酸化ベンゾイルが好ましく、この過酸化ベンゾイルを重合開始剤として用いることにより、重合反応が速やかに開始し、しかも反応が持続しやすくなるという利点が得られる。
(基材形成用成分としての任意成分:重合促進剤)
基材形成用成分には、その他の任意成分が含まれていてもよい。
たとえば、メタクリレート系モノマーの重合反応をより一層速やかに進行させる目的から、重合開始剤と共に重合促進剤を添加することが好ましい。重合促進剤としては、例えばN,N−ジメチル−p−トルイジン、トリ−ジメチルアミノメチルフェノールなどを用いることができる。
これらのうちでは、メタクリレート系モノマーの重合反応を速やかに進行させることができることから、N,N−ジメチル−p−トルイジンを用いることが好ましい。
(基材形成用成分としての任意成分:メタクリレート系ポリマー)
また、重合反応を促進させるために、メタクリレート系ポリマーが含有されていることが好ましい。
メタクリレート系ポリマーとしては、基材形成成分を構成するメタクリレート系ポリマーとして例示したものが挙げられ、一種でも二種以上を用いてもよい。
また、メタクリレート系ポリマーは、粒子径の異なるものを混合して用いてもよい。
(骨セメント組成物としての任意成分:各種添加剤)
さらに、必要に応じて、各種の無機添加材、有機添加材などの任意成分が含有されていてもよい。
無機添加材としては、例えばリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)などが挙げられる。
このほか、例えば色素、抗生物質、抗がん剤、骨成長因子、その他薬学的に許容しうる成分が含有されていてもよい。
これらの各種添加剤の含有割合は、適宜に設定することができるが、硬化体の強度を維持しつつ、所望の生体活性能及び所望のX線造影性を得るとの本発明の目的を損なわない範囲とする。
(骨セメント組成物の製造)
メタクリレート系モノマー、重合開始剤及びその他の基材形成用成分としての任意成分を接触させることによってメタクリレート系モノマーの重合反応が進み、徐々に粘度が高くなり、骨欠損部への充填、人工関節の周りの骨との結合、椎体形成術への使用に有効な粘度のペースト状の組成物、すなわち本発明の骨セメント組成物が得られる。
ここに、メタクリレート系モノマーと重合開始剤とを接触させることによる重合反応は、生体外で行ってもよく、若しくは生体内の人工骨を必要とする部位に上記の各材料成分を導入して、その場で重合してもよい。生体外で行う場合においては、予め本発明の骨セメント組成物を製造した後、硬化する前に所望の形状を有する離型性のよい容器に挿入して、固化させることで成形することができる。
(骨セメント組成物キット)
本発明の骨セメント組成物は、製造に係る簡便性などの観点から、骨セメント組成物を得るための各材料成分を予め個別の収容部材に収容してキットとして保管しておき、必要に応じてキット成分を混合することによって調製することもできる。
収容部材としては、キット成分を保管及び運搬することのできるようなものであればよく、例えばガラス、金属及びプラスチックよりなる容器、例えば紙やプラスチックよりなる包装部材などを適宜に選択して用いることができる。
本発明の骨セメント組成物キットは、本発明の骨セメント組成物、最終的には当該骨セメント組成物の硬化体である本発明の骨セメント組成物硬化体を簡便に得るためのものである。
この本発明の骨セメント組成物キットは、複合粒子、メタクリレート系モノマー及び重合開始剤のうちのメタクリレート系モノマーと重合開始剤とが別個のキット成分とされている、すなわち、少なくとも重合開始剤を含有する第一成分と、少なくともメタクリレート系モノマーを含有する第二成分との2つのキット成分よりなり、複合粒子が、第一成分及び/又は第2成分に含有されてなるものである。
本発明の骨セメント組成物キットにおいて、第一成分に含有される重合開始剤は、通常、固体状のものであり、第二成分に含有されるメタクリレート系モノマーは、通常、液状のものである。
複合粒子は固体状のものであり、重合開始剤との反応性を有さないものであることから、複合粒子は第一成分に含有されることが好ましい。
また、本発明の骨セメント組成物キットが、上記した任意成分を含む場合、任意成分を個別のキット成分とすることもできるが、持ち運びに係る便宜性及び重合反応操作の簡便性の観点から、これらの2つのキット成分のいずれかに含有させることが好ましい。いずれのキット成分に含有させるかは、第一成分及び第二成分に含有されている材料成分との反応性の有無及びその性状に基づいて適宜に選択される。
たとえば、第一成分には、任意成分のうちの固体状のもの、メタクリレート系モノマーとの反応性を有するもの、通常は固体状である微粒子メタクリレート系ポリマーが含有され、第二成分に通常は液体状である重合促進剤、任意成分のうちの液体状のものであってメタクリレート系モノマーとの反応性を有さないものを添加する。
(骨セメント組成物の製造方法)
本発明の骨セメント組成物の製造方法は、前述の本発明の骨セメント組成物キットを用いることによって骨セメント組成物を得るものである。
すなわち、本発明の骨セメント組成物キットを構成する第一成分と第二成分とを混合し、複合粒子の存在下において、メタクリレート系モノマーを重合させる工程を有するものである。この工程においては、第一成分と第二成分を混合し、例えば常圧下において30秒間にわたって混練した後、更に脱気雰囲気下において1分間にわたって混練することによってメタクリレート系モノマーと重合開始剤が接触し、メタクリレート系モノマーの重合反応が進行することにより、本発明の骨セメント組成物が得られる。
(骨セメント組成物硬化体)
このような本発明の骨セメント組成物は、一定時間、養生させることにより、メタクリレート系ポリマーよりなる基材と複合粒子を含有する骨セメント組成物硬化体を形成する。骨セメント組成物硬化体は、生体内で酸化チタンの骨伝導能により骨と結合することができる。
(擬似体液)
なお、生体活性能は、通常、骨セメント組成物硬化体を擬似体液に浸漬させることにより評価することができる。擬似体液とは、ヒトの血漿とほぼ等しい無機イオン濃度を有する水溶液であり、下記の表1に示す組成を有するものである。この擬似体液としては、「T.Kokubo、H.Kushitani、S.Sakka、T.Kitsugi and T.Yamamuro、J.Biomed.Mater.Rer.24、721−734(1990)」に記載の擬似体液(SBF;Simulated Body Fluid)などが挙げられる。
Figure 2013129292
本発明の骨セメント組成物は、X線造影性を有する粒子と、前記粒子を覆う酸化チタン被覆とを有する複合粒子をフィラーとして含有することから、X線造影性を有する粒子及び酸化チタン被覆の各々に由来する機能が得られ、しかも、得られた硬化体は十分な物理的強度を有する。
さらに、本発明の骨セメント組成物によれば、酸化チタンの被覆は粒子表面にしか存在せず、極めて少ない量でありながら、複合粒子と同等のメジアン径を有する酸化チタン粒子を用いた骨セメント組成物と同等の優れた生体活性能を示す。
本発明の骨セメント組成物キットによれば、少なくとも第一成分と第二成分とを含有するキット成分を単に混合することにより、複合粒子の存在下において、メタクリレート系モノマーを重合させることができるため、骨セメント組成物を容易に製造することができ、しかもメタクリレート系モノマーと、重合開始剤とが個別のキット成分とされていることから、適用前の保管されている状態あるいは運搬されている状態などにおいて、メタクリレート系モノマーが重合することを防止することができる。
また、本発明の骨セメント組成物キットが第一成分及び第二成分の2つのキット成分のみよりなる場合には、キット成分の総数が少ないものであることから、骨セメント組成物キットの持ち運びに係る便宜性及び重合反応操作がより一層優れたものとなる。
本発明の骨セメント組成物の製造方法によれば、本発明の骨セメント組成物キットを用いることから、前述のように、キット成分を混合することによって容易に本発明の骨セメント組成物を形成することができる。
本発明の骨セメント組成物硬化体によれば、生体活性能と共に使用に適した物理的強度が得られる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、以下の実施例及び比較例において行ったメジアン径の測定方法及びBET比表面積の測定方法は、以下の通りである。
(メジアン径の測定方法)
メジアン径は、レーザー回折/散乱式粒度分布計によって測定されるものであり、レーザー回折/散乱式粒度分布計として、粒度分布測定装置「LA−950」(株式会社堀場製作所製)を用いて行った。
すなわち、メジアン径を測定すべき粉体粒子を、濃度0.2重量%のヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液よりなる分散媒50ml中に添加して撹拌・混合することによって懸濁液を調製し、この懸濁液を、粒度分布測定装置「LA−950」(株式会社堀場製作所製)に対して試料投入口から投入し、3分間かけて超音波処理した後に測定を開始した。
(BET比表面積の測定方法)
BET比表面積は、窒素吸着法によって測定されるものであり、BET比表面積測定装置「MONOSORB」(Quantachrome Instruments社製)を用いて行った。
このBET比表面積測定装置は、BET一点法によって測定を行うものである。
(複合粒子の製造例1:同時中和法による複合粒子Aの調製)
(1)硫酸バリウムの調製
硫酸バリウム(メジアン径0.3μm、伏見製薬工業(株)製、OC0413)150gを坩堝に入れ、電気炉(SK−3035F、株式会社モトヤマ製、以下、同じ)を用いて550℃で3時間焼成した後、乾式粉砕し、粒子成長した硫酸バリウムを得た。
焼成後の硫酸バリウムのメジアン径は1.5μmであり、BET比表面積は1.2m/gであり、アスペクト比は、1〜1.6であった。アスペクト比は、走査型電子顕微鏡写真(SEM)に任意の直線を引き、直線上に存在する少なくとも6個の粒子の粒径をそれぞれ測定し、平均長径及び平均短径を求めることにより算出したものである。
(2)同時中和法による複合粒子Aの製造
上記(1)で得た硫酸バリウム20gと蒸留水1000mlとを反応容器中で混合し、撹拌機で攪拌しながら80℃まで加熱した。その後、70%グリコール酸溶液(和光純薬工業(株)製)を1.1g添加し、更に、7%塩酸(関東化学(株)製)を加えてpH2に調整し、15分間攪拌した。
そして、35%塩酸(和光純薬工業(株)製)と四塩化チタン溶液26.2g(グリコール酸/Tiモル比0.2)を純水にて全量1000mlにした溶液を7.5%水酸化ナトリウム溶液(和光純薬工業(株)製)でpH2を維持しながら12時間かけて、上記の硫酸バリウムスラリーに滴下し、更に、6時間熟成した。そして、その生成物を濾過洗浄後、100℃で乾燥し、乾式粉砕した後、850℃で3時間焼成し、複合粒子Aを得た。
複合粒子Aのメジアン径は2.0μmであり、BET比表面積は2.4m/gであった。走査型電子顕微鏡(S−3200N、(株)日立製作所、以下同じ)による観察によって、硫酸バリウムの表面が酸化チタンによって偏在なく、被覆されていることを確認した。走査型電子顕微鏡写真を図1として示す。
また、ラマン分光装置(JRS−SYSTEM2000 RENISHAW社製、以下同じ)による測定は、酸化チタンがルチル型で存在することを示し(図3として示す)、且つ蛍光X線装置(XRF−1700、島津製作所製、以下同じ)による分析は、複合粒子は、酸化チタンを10重量%含有することを示した。
(複合粒子の製造例2:噴霧コーティング法による複合粒子Bの調製)
硫酸バリウム粒子(メジアン径:2.5μm)1000gを強制循環装置付ワースター型流動層造粒機(MP−01SPC、(株)パウレック製)に入れ装置内で対流させた後、チタン乳酸錯体水溶液(TiO:2.9重量%)960gを噴霧した。その後、続いてルチル型微粒子酸化チタンスラリー(TiO:10重量%、石原産業(株)製)300gを噴霧した。噴霧時は給気温度を約80〜90℃、排気温度を約40〜50℃に保ち、ボトムスプレーで噴霧液流量4.0〜6.0g/分、給気風量1.0〜1.2m/分で製造し、複合粒子Bを得た。メジアン径は2.9μmであり、走査型電子顕微鏡による観察で硫酸バリウムの表面が酸化チタンによって被覆されていることを確認した。走査型電子顕微鏡写真を図2として示す。また、ラマン分光装置による測定では酸化チタンがルチル型で存在することを示し、且つ蛍光X線装置(XRF−1700、島津製作所製)による分析は、複合粒子は酸化チタンを6重量%含有することを示した。
(複合粒子の製造例3:機械的乾式処理法による複合粒子Cの調製)
硫酸バリウム粒子(メジアン径:2.1μm)550gとルチル型酸化チタン(TTO−55N、石原産業(株)製、メジアン径:0.03μm)11.5gをヘンシェルミキサー((株)井元製作所製)に入れ、1000rpmで5分混合した。混合した粉体510gを秤量し、圧縮剪断式乾式粉体複合化装置「ノビルタ」(ホソカワミクロン社製・NOB−130)に投入し、負荷動力3kwで30分処理し複合粒子Cを得た。
また、被覆した酸化チタンを固定化するために600℃で3時間焼成した。得られた焼成粒子を塩酸で洗浄処理をした後、純水によってろ過洗浄し恒温乾燥機を用いて温度110℃で乾燥処理した。その後、スクリーン径2mmのメッシュをセットした遠心粉砕機「ZM1」(株式会社日本精機製作所製)で乾式粉砕処理を行うことにより、複合粒子Dを得た。
複合粒子Cのメジアン径は2.1μmであり、BET比表面積は3.3m/gであった。複合粒子Dのメジアン径は2.1μmであり、BET比表面積は3.2m/gであった。走査型電子顕微鏡(S−3200N、(株)日立製作所、以下同じ)による観察によって、硫酸バリウムの表面が酸化チタンによって偏在なく、被覆されていることを確認した。複合粒子C及びDの走査型電子顕微鏡写真を図6及び図7として示す。
また、ラマン分光装置による測定は、酸化チタンがルチル型で存在することを示し、且つ蛍光X線装置(XRF−1700、島津製作所製)による分析は、複合粒子Cは酸化チタンを2重量%を、複合粒子Dは酸化チタン2重量%を、それぞれ含有することを示した。
(実施例1)
複合粒子A2.10gと、ポリメチルメタクリレート/スチレン共重合体粉末(平均粒子径:40μm、平均分子量:150,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)11.17gと、微粒子ポリメチルメタクリレート(平均粒子径:0.5μm、平均分子量:300,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)1.89g及び過酸化ベンゾイル(SIGMA−ALDRICH製)0.315gを、ターブラーシェーカーミキサー((株)シンマルエンタープライゼス製)を用いて10分間にわたって混合することによって混合粉末成分を得た。
一方、メチルメタクリレート(SIGMA−ALDRICH製)51.7gにN,N−ジメチル−p−トルイジン(東京化成工業(株)製)0.597gを添加し、スターラーを用いて5分間にわたって混合することによって混合液体成分を得た。
そして、このようにして得られた混合粉末成分及び混合液体成分により、当該混合粉末成分14.81gよりなる第一成分と、当該混合液体成分5.64gよりなる第二成分とにより構成されてなる骨セメント組成物キットを作製した。
次いで、ポリテトラフルオロエチレン製の混練容器に、骨セメント組成物キットのうちの第一成分(混合粉末成分、14.81g)を入れた後、当該骨セメント組成物キットの第二成分(混合液体成分、5.64g)を投入し、常圧下において30秒間にわたって混練した後、更に脱気雰囲気下において1分間にわたって混練することによって混練物(以下、「骨セメント組成物」ともいう)を得た。
骨セメント組成物をポリテトラフルオロエチレン製の生体活性用試験片作製治具に入れ、蓋をして、温度23℃の環境下において40時間以上静置して養生することにより、直径15mm、厚さ5mmの円盤状の骨セメント組成物硬化体を得た。
このような骨セメント組成物キットの第一成分と第二成分を混合して混練し、最終的に骨セメント組成物の硬化体を得るまでの過程において、メチルメタクリレートが重合反応することにより、硬化体を構成するメタクリレート系ポリマーよりなる基材が形成される。
(実施例2〜4及び比較例1〜10)
第一成分(混合粉末成分)を下記表2のように変化させて、実施例2〜4及び比較例1〜10を行い、実施例2〜4の硬化体及び比較例1〜10の硬化体を得た。第一成分を変化させたことを除き、実施例1の手法に従った。
表中、複合粒子Aは複合粒子の製造例1で示した同時中和法による複合粒子Aであり、複合粒子Bは複合粒子の製造例2で示した噴霧コーティング法による複合粒子Bである。
また、BaSO(メジアン径2.5μm)は、噴霧コーティング法で使用した粒子を、TiO(メジアン径4.0μm)は石原産業(株)製のものを使用した。
Figure 2013129292
(電子顕微鏡による観察(生体活性能の観察))
作製した硬化体を、温度36.5℃の条件下において、擬似体液(SBF;Simulated Body Fluid)に14日間浸漬した後、その表面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した。
結果を下記表3に示す。表3には、複合粒子、硫酸バリウム及び酸化チタンに関し、その含有割合もあわせて示した。実施例1〜3及び比較例1に関しては、走査型電子顕微鏡写真(SEM)も図4として示した。
Figure 2013129292
表3中、生体活性能の評価の基準は下記の通りである。
Figure 2013129292
この電子顕微鏡による観察の結果から、実施例1〜実施例4の硬化体では良好なアパタイトの形成が観察された。特に実施例1〜3の硬化体では高い生体活性能が得られることが確認された。
(実施例5)
複合粒子A5.40g及びポリメチルメタクリレート/スチレン共重合体粉末(平均粒子径:40μm、平均分子量:150,000、粒子形状:球状;積水化成品工業(株)製)28.73gを、ヘンシェルミキサー((株)井元製作所製)を用い、回転数1,000rpmの条件で5分間にわたって混合した。そこへ、微粒子ポリメチルメタクリレート(平均粒子径:0.5μm、平均分子量:300,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)4.87g及び過酸化ベンゾイル(SIGMA−ALDRICH製)0.810gを加え、ヘンシェルミキサー((株)井元製作所製)を用い、回転数1,000rpmの条件で5分間にわたって混合することによって混合粉末成分を得た。
一方、メチルメタクリレート(SIGMA−ALDRICH製)14.413gにN,N−ジメチル−p−トルイジン(東京化成工業(株)製)0.156gを添加し、スターラーを用いて5分間にわたって混合することによって混合液体成分を得た。
そして、このようにして得られた混合粉末成分及び混合液体成分により、当該混合粉末成分39.81gよりなる第一成分と、当該混合液体成分14.57gよりなる第二成分とにより構成されてなる骨セメント組成物キットを作製した。
次いで、ポリテトラフルオロエチレン製の混練容器に、骨セメント組成物キットのうちの第一成分(混合粉末成分39.81g)を入れた後、当該骨セメント組成物キットの第二成分(混合液体成分14.57g)を投入し、常圧下において30秒間にわたって混練した後、更に脱気雰囲気下において1分間にわたって混練することによって混練物(以下、「骨セメント組成物」ともいう)を得た。
骨セメント組成物をポリテトラフルオロエチレン製の四点曲げ強度用試験片作製治具に入れ、蓋をして、温度23℃の環境下において40時間以上静置して養生することにより、幅及び長さ90mm、厚さ4mmの板状硬化体を得た。これを切断し、幅10mm、長さ75mm、厚さ3.3mmの骨セメント組成物硬化体(以下、「硬化体」という)を得た。
このような骨セメント組成物キットの第一成分と第二成分を混合して混練し、最終的に骨セメント組成物の硬化体を得るまでの過程において、メチルメタクリレートが重合反応することにより、硬化体を構成するポリメタクリレート系ポリマーよりなる基材が形成される。
第一成分及び第二成分を下記表5に示すように変化させて、実施例6〜8及び比較例11〜23を行い、実施例6〜8及び比較例11〜23の硬化体を得た。第一成分及び第二成分を変化させたことを除き、実施例5の手法に従った。
表中、複合粒子Aは複合粒子の製造例1で示した同時中和法による複合粒子Aである。
また、BaSO(メジアン径2.5μm)は、噴霧コーティング法で使用した粒子を、TiO(メジアン径4.0μm)は石原産業(株)製のものを使用した。
Figure 2013129292
(四点曲げ強度の測定)
実施例5〜実施例8の硬化体及び比較例11〜23の硬化体を強度試験機にセットして、四点曲げ強度を測定した。
結果を下記表6に示す。表6には、複合粒子、硫酸バリウム及び酸化チタンに関し、その含有割合もあわせて示した。
Figure 2013129292
実施例5〜8の硬化体は、同程度のフィラーを含む比較例11〜23の硬化体と比較して、優れた、又は同等の四点曲げ強度を示した。
(実施例9)
複合粒子A2.10gと、ポリメチルメタクリレート/スチレン共重合体粉末(平均粒子径:40μm、平均分子量:150,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)11.17gと、微粒子ポリメチルメタクリレート(平均粒子径:0.5μm、平均分子量:300,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)1.89g及び過酸化ベンゾイル(SIGMA−ALDRICH製)0.315gを、ターブラーシェーカーミキサー((株)シンマルエンタープライゼス製)を用いて10分間にわたって混合することによって混合粉末成分を得た。
一方、メチルメタクリレート(SIGMA−ALDRICH製)51.7gにN,N−ジメチル−p−トルイジン(東京化成工業(株)製)0.597gを添加し、スターラーを用いて5分間にわたって混合することによって混合液体成分を得た。
そして、このようにして得られた混合粉末成分及び混合液体成分により、当該混合粉末成分14.81gよりなる第一成分と、当該混合液体成分5.64gよりなる第二成分とにより構成されてなる骨セメント組成物キットを作製した。
次いで、ポリテトラフルオロエチレン製の混練容器に、骨セメント組成物キットのうちの第一成分(混合粉末成14.81g)を入れた後、当該骨セメント組成物キットの第二成分(混合液体成分5.64g)を投入し、常圧下において30秒間にわたって混練した後、更に脱気雰囲気下において1分間にわたって混練することによって混練物(以下、「骨セメント組成物」ともいう)を得た。
骨セメント組成物をポリテトラフルオロエチレン製の生体活性用試験片作製治具に入れ、蓋をして、温度23℃の環境下において40時間以上静置して養生することにより、直径15mm、厚さ5mmの円盤状の骨セメント組成物硬化体を得た。
このような骨セメント組成物キットの第一成分と第二成分を混合して混練し、最終的に骨セメント組成物の硬化体を得るまでの過程において、メチルメタクリレートが重合反応することにより、硬化体を構成するメタクリレート系ポリマーよりなる基材が形成される。
(実施例10〜11及び比較例24〜29)
第一成分(混合粉末成分)を下記表7に記載するように変化させて実施例10〜11及び比較例24〜29を行い、実施例10〜11及び比較例24〜29の硬化体を得た。第一成分を変化させたことを除き、実施例9の手法に従った。
表中、複合粒子Aは複合粒子の製造例1で示した同時中和法による複合粒子Aであり、BaSO(メジアン径2.5μm)は、噴霧コーティング法で使用した粒子を、TiO(メジアン径4.0μm)は石原産業(株)製のものを使用した。
Figure 2013129292
(X線造影性の観察)
作成した硬化体(直径15mm、厚さ5mmの試験片)を小動物専用X線撮影装置VPX−40B(東芝医療用品(株)製)を用い、管電圧42kV撮影電流時間積1.60mAsの条件で撮影した。撮影したメディカルフィルムSRD(コニカミノルタ(株)製)は、自動現像機AP500(ダイトー(株)製)を用いて現像した。その結果、硫酸バリウムのみの試験片と酸化チタン被覆を有する硫酸バリウム試験片でほぼ同等の造影性が観察された。
X線造影図を図5に示す。図5中の(1)〜(9)は、下記表8に示したとおりである。表8には、複合粒子、硫酸バリウム及び酸化チタンに関し、その含有割合もあわせて示した。
Figure 2013129292
本願の実施例9〜11の複合粒子(酸化チタンで被覆された硫酸バリウム)を含む本願発明の試験片は、酸化チタンで被覆され、そのため、硫酸バリウムの量は酸化チタンの被覆分だけ少ないにもかかわらず、比較例24〜比較例26の硫酸バリウムを含む試験片とほぼ同等の造影性を示した。
表3、表6及び表8の結果から明らかなように、本願発明の(a)X線造影性を有する粒子と、前記粒子を覆う酸化チタン被覆とを有する複合粒子、及び(b)ポリメタクリレート系ポリマーを含む基材形成成分を含有する骨セメント組成物によれば、生体活性能、四点曲げ強度及び造影性のいずれについても優れた結果が得られた。
(実施例12)
複合粒子C2.10gと、ポリメチルメタクリレート/スチレン共重合体粉末(平均粒子径:40μm、平均分子量:150,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)11.17gと、微粒子ポリメチルメタクリレート(平均粒子径:0.5μm、平均分子量:300,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)1.89g及び過酸化ベンゾイル(ナカライテスク(株)製)0.32gを、ターブラーシェーカーミキサー((株)シンマルエンタープライゼス製)を用いて10分間にわたって混合することによって混合粉末成分を得た。
一方、メチルメタクリレート(三菱ガス化学(株)製)およびN,N−ジメチル−p−トルイジン(東京化成工業(株)製)を98.93重量%:1.07重量%となるように秤量し、スターラーを用いて5分間にわたって混合することによって混合液体成分を得た。
そして、このようにして得られた混合粉末成分及び混合液体成分により、当該混合粉末成分14.81gよりなる第一成分と、当該混合液体成分5.64gよりなる第二成分とにより構成されてなる骨セメント組成物キットを作製した。
次いで、ポリテトラフルオロエチレン製の混練容器に、骨セメント組成物キットのうちの第一成分(混合粉末成分、14.81g)を入れた後、当該骨セメント組成物キットの第二成分(混合液体成分、5.64g)を投入し、常圧下において30秒間にわたって混練した後、更に脱気雰囲気下において1分間にわたって混練することによって混練物(以下、「骨セメント組成物」ともいう)を得た。
骨セメント組成物をポリテトラフルオロエチレン製の生体活性用試験片作製治具に入れ、蓋をして、温度23℃の環境下において40時間以上静置して養生することにより、直径15mm、厚さ5mmの円盤状の骨セメント組成物硬化体を得た。
このような骨セメント組成物キットの第一成分と第二成分を混合して混練し、最終的に骨セメント組成物の硬化体を得るまでの過程において、メチルメタクリレートが重合反応することにより、硬化体を構成するメタクリレート系ポリマーよりなる基材が形成される。
(実施例13)
第一成分(混合粉末成分)を下記表9のように変化させて、実施例13を行い、実施例13の硬化体を得た。第一成分を変化させたことを除き、実施例12の手法に従った。
表中、複合粒子Cは複合粒子の製造例3で示した機械的乾式処理法による複合粒子Cである。
Figure 2013129292
(電子顕微鏡による観察(生体活性能の観察))
作製した硬化体を、温度36.5℃の条件下において、擬似体液(SBF;Simulated Body Fluid)に14日間浸漬した後、その表面を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した。
結果を下記表10に示す。表10には、複合粒子Cの含有割合もあわせて示した。表10中の生体活性能の評価基準は表4の通りである。実施例12及び13の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を図6として示した。
Figure 2013129292
この電子顕微鏡による観察の結果から、実施例12及び13の硬化体では良好なアパタイトの形成が観察され、高い生体活性能が得られることが確認された。
(実施例14)
複合粒子C14.20g及びポリメチルメタクリレート/スチレン共重合体粉末(平均粒子径:40μm、平均分子量:150,000、粒子形状:球状;積水化成品工業(株)製)75.55gを、ヘンシェルミキサー((株)井元製作所製)を用いて1,000rpmの回転数で5分間にわたり混合した。そこへ微粒子ポリメチルメタクリレート(平均粒子径:0.5μm、平均分子量:300,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)12.81gおよび過酸化ベンゾイル(SIGMA ALDRICH製)2.13gを加え、ヘンシェルミキサー((株)井元製作所製)を用いて1,000rpmの回転数で5分間にわたり混合することによって混合粉末成分を得た。
一方、メチルメタクリレート(SIGMA ALDRICH製)39.43gにN,N−ジメチル−p−トルイジン(東京化成工業(株)製)0.426gを添加し、スターラーを用いて5分間にわたって混合することによって混合液体成分を得た。
そして、このようにして得られた混合粉末成分及び混合液体成分により、当該混合粉末成分41.97gよりなる第一成分と、当該混合液体成分15.98gよりなる第二成分とにより構成されてなる骨セメント組成物キットを作製した。
次いで、ポリテトラフルオロエチレン製の混練容器に、骨セメント組成物キットのうちの第一成分(混合粉末成分41.97g)を入れた後、当該骨セメント組成物キットの第二成分(混合液体成分15.98g)を投入し、常圧下において30秒間にわたって混練した後、更に脱気雰囲気下において1分間にわたって混練することによって混練物(以下、「骨セメント組成物」ともいう。)を得た。
骨セメント組成物をポリテトラフルオロエチレン製の四点曲げ強度用試験片作製治具に入れ、蓋をして、温度23℃の環境下において40時間以上静置して養生することにより、幅及び長さ90mm、厚さ4mmの板状硬化体を得た。この板状硬化体を切断し、幅10mm、長さ75mm、厚さ3.3mmの骨セメント組成物硬化体(以下「硬化体」という)を得た。
このような骨セメント組成物キットの第一成分と第二成分を混合して混練し、最終的に骨セメント組成物の硬化体を得るまでの過程において、メチルメタクリレートが重合反応することにより、硬化体(1)を構成するポリメタクリレート系ポリマーよりなる基材が形成される。
(実施例15及び16)
第一成分及び第二成分を下記表11に示すように変化させて、実施例15及び16を行い、実施例15及び16の硬化体を得た。第一成分及び第二成分を変化させたことを除き、実施例14の手法に従った。表中、複合粒子Cは複合粒子の製造例3で示した機械的乾式処理法による複合粒子Cである。
(四点曲げ強度の測定)
実施例14〜16の硬化体を強度試験機にセットして、四点曲げ強度を測定した。結果を下記表11に示す。表11には、複合粒子Cの含有割合もあわせて示した。
Figure 2013129292
実施例14〜16の硬化体は、同程度のフィラーを含む比較例11〜23の硬化体と比較して、優れた、又は同等の四点曲げ強度を示した。
(実施例17)
複合粒子C2.10gと、ポリメチルメタクリレート/スチレン共重合体粉末(平均粒子径:40μm、平均分子量:150,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)11.17gと、微粒子ポリメチルメタクリレート(平均粒子径:0.5μm、平均分子量:300,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)1.89g及び過酸化ベンゾイル(SIGMA−ALDRICH製)0.315gを、ターブラーシェーカーミキサー((株)シンマルエンタープライゼス製)を用いて10分間にわたって混合することによって混合粉末成分を得た。
一方、メチルメタクリレート(SIGMA−ALDRICH製)およびN,N−ジメチル−p−トルイジン(東京化成工業(株)製)を98.93重量%:1.07重量%となるように秤量し、スターラーを用いて5分間にわたって混合することによって混合液体成分を得た。
そして、このようにして得られた混合粉末成分及び混合液体成分により、当該混合粉末成分14.81gよりなる第一成分と、当該混合液体成分5.64gよりなる第二成分とにより構成されてなる骨セメント組成物キットを作製した。
次いで、ポリテトラフルオロエチレン製の混練容器に、骨セメント組成物キットのうちの第一成分(混合粉末成14.81g)を入れた後、当該骨セメント組成物キットの第二成分(混合液体成分5.64g)を投入し、常圧下において30秒間にわたって混練した後、更に脱気雰囲気下において1分間にわたって混練することによって混練物(以下、「骨セメント組成物」ともいう)を得た。
骨セメント組成物をポリテトラフルオロエチレン製の生体活性用試験片作製治具に入れ、蓋をして、温度23℃の環境下において40時間以上静置して養生することにより、直径15mm、厚さ5mmの円盤状の骨セメント組成物硬化体を得た。
このような骨セメント組成物キットの第一成分と第二成分を混合して混練し、最終的に骨セメント組成物の硬化体を得るまでの過程において、メチルメタクリレートが重合反応することにより、硬化体を構成するメタクリレート系ポリマーよりなる基材が形成される。
(実施例18及び19)
第一成分(混合粉末成分)を下記表12に記載するように変化させて実施例18及び19を行い、実施例18及び19の硬化体を得た。第一成分を変化させたことを除き、実施例17の手法に従った。表中、複合粒子Cは複合粒子の製造例3で示した機械的乾式処理法による複合粒子Cである。
(X線造影性の観察)
作成した硬化体(直径15mm、厚さ5mmの試験片)を小動物専用X線撮影装置VPX−40B(東芝医療用品(株)製)を用い、管電圧42kV撮影電流時間積1.60mAsの条件で撮影した。撮影したメディカルフィルムSRD(コニカミノルタ(株)製)は、自動現像機AP500(ダイトー(株)製)を用いて現像した。その結果、硫酸バリウムのみの試験片と酸化チタン被覆を有する硫酸バリウム試験片でほぼ同等の造影性が観察された。
X線造影図を図9に示す。図9中の(1)〜(3)は、下記表12に示したとおりである。表12には、複合粒子Cの含有割合もあわせて示した。
Figure 2013129292
本願の実施例17〜19の複合粒子(酸化チタンで被覆された硫酸バリウム)を含む本願発明の試験片は、酸化チタンで被覆され、そのため、硫酸バリウムの量は酸化チタンの被覆分だけ少ないにもかかわらず、比較例24〜比較例26の硫酸バリウムを含む試験片(図5(4)〜(6))とほぼ同等の造影性を示した。
(実施例20)
複合粒子C5.5gと、ポリメチルメタクリレート/スチレン共重合体粉末(平均粒子径:40μm、平均分子量:150,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)8.88gと、微粒子ポリメチルメタクリレート(平均粒子径:0.5μm、平均分子量:300,000、粒子形状:球状、積水化成品工業(株)製)1.51g及び過酸化ベンゾイル(SIGMA−ALDRICH製)0.33gを、ターブラーシェーカーミキサー((株)シンマルエンタープライゼス製)を用いて10分間にわたって混合することによって混合粉末成分を得た。
一方、メチルメタクリレート(SIGMA−ALDRICH製)19.0gにN,N−ジメチル−p−トルイジン(東京化成工業(株)製)0.206gを添加し、スターラーを用いて5分間にわたって混合することによって混合液体成分を得た。
そして、このようにして得られた混合粉末成分及び混合液体成分により、当該混合粉末成分4.94gよりなる第一成分と、当該混合液体成分1.88gよりなる第二成分とにより構成されてなる骨セメント組成物キットを作製した。
次いで、ポリテトラフルオロエチレン製の混練容器に、骨セメント組成物キットのうちの第一成分(混合粉末成分、4.94g)を入れた後、当該骨セメント組成物キットの第二成分(混合液体成分、1.88g)を投入し、常圧下において1分30秒間にわたって混練することによって混練物(以下、「骨セメント組成物」ともいう)を得た。
ペントバルビタールナトリウム(ソムノペンチル、共立製薬株式会社)の腹腔内投与による全身麻酔下のラット(Slc:Wistar系統、8週齡、雄、日本エスエルシー(株))に以下の手術を行った。両膝関節周囲を剃毛し、手術台に仰臥位に固定し、術野をエタノールにて消毒した。内側の脛骨稜に平行な皮膚切開を約5mm行った。骨膜も同様に切開、ドリルを用いて骨髄腔に達する長さ5mmの骨溝を作製した。生理食塩水でよく洗浄した後、混練した上記の骨セメント組成物を骨溝から骨髄腔に埋入した。骨髄腔から出血が無いことを確認した後、皮下組織および皮膚を縫合した。
(実施例21)
第一成分(混合粉末成分)及び第二成分(混合液体成分)を下記表13のように変化させて実施例21を行った。第一成分を変化させたことを除き実施例20の手法に従った。
(比較例30)
第一成分(混合粉末成分)及び第二成分(混合液体成分)として、前記比較例3を用いたことを除き、実施例20の手法に従って比較例30を行った。
Figure 2013129292
(骨結合能の評価)
手術から6週間後、安楽殺し、脛骨を取り出した。マイクロフォーカスX線CT装置(SMX-100CT、(株)島津製作所)を用いて断層撮影を行った。得られた画像を元に画像解析を行いAffinity indexを算出した。Affinity indexは、骨と骨セメントの直接結合する長さを骨セメント周囲の長さで除した値を%で表したものである。結果を表14に示した。
Figure 2013129292

骨結合能の評価結果から、実施例20は比較例30とほぼ同等の、実施例21では比較例30より良好な骨結合能が得られた。
X線造影性を有する粒子に酸化チタン被覆を形成した複合粒子を用いた本願発明の骨セメント組成物は、骨欠損部への充填、人工関節の周りの骨との結合、経皮的椎体形成術への使用に好適に使用され、本願発明の骨セメント組成物によれば、硬化体の強度を維持しつつ、所望の生体活性能及び所望のX線造影性を発揮することができる。

Claims (12)

  1. (a)X線造影性を有する粒子と、前記粒子を覆う酸化チタン被覆とを有する複合粒子、及び
    (b)メタクリレート系ポリマーを含む基材形成成分、
    を含有する骨セメント組成物。
  2. X線造影性を有する粒子の形状が粒状である、請求項1に記載の骨セメント組成物。
  3. 複合粒子のメジアン径が0.2〜7μmである、請求項1に記載の骨セメント組成物。
  4. 複合粒子のBET比表面積が1〜30m/gである、請求項1に記載の骨セメント組成物。
  5. 酸化チタン被覆の酸化チタンがルチル型である、請求項1に記載の骨セメント組成物。
  6. 複合粒子が、さらにシリカの被覆を有する、請求項1に記載の骨セメント組成物。
  7. X線造影性を有する粒子が硫酸バリウム又は酸化ジルコニウムである、請求項1に記載の骨セメント組成物。
  8. 酸化チタンの被覆量が、複合粒子に対して1〜30重量%である、請求項1に記載の骨セメント組成物。
  9. 酸化チタンの被覆量が、複合粒子に対して2〜20重量%である、請求項1に記載の骨セメント組成物。
  10. 重合開始剤を含む第一成分と、メタクリレート系モノマーを含む第二成分とを備える骨セメント組成物キットであって、第一成分及び/又は第二成分が、X線造影性を有する粒子と、前記粒子を覆う酸化チタン被覆とを有する複合粒子を含む、骨セメント組成物キット。
  11. 請求項10に記載の骨セメント組成物キットにおいて、メタクリレート系モノマーを重合させる、骨セメント組成物の製造方法。
  12. 請求項1又は11に記載の骨セメント組成物を硬化して得られた、骨セメント組成物硬化体。
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