[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPWO2013046312A1 - 車両および車両の制御方法 - Google Patents

車両および車両の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2013046312A1
JPWO2013046312A1 JP2013535671A JP2013535671A JPWO2013046312A1 JP WO2013046312 A1 JPWO2013046312 A1 JP WO2013046312A1 JP 2013535671 A JP2013535671 A JP 2013535671A JP 2013535671 A JP2013535671 A JP 2013535671A JP WO2013046312 A1 JPWO2013046312 A1 JP WO2013046312A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driving force
vehicle
driving
state
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013535671A
Other languages
English (en)
Inventor
貴士 天野
貴士 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013535671A priority Critical patent/JPWO2013046312A1/ja
Publication of JPWO2013046312A1 publication Critical patent/JPWO2013046312A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)

Abstract

車両(100)は、走行駆動力を発生するエンジン(160)およびモータジェネレータ(135)と、エンジン(160)およびモータジェネレータ(135)を制御するためのECU(300)とを備える。ECU(300)は、ユーザにより慣性走行制御が選択されている場合に、ユーザ要求パワーおよび車速がほぼ一定であるときには、エンジン(160)については一定の駆動力を連続的に発生するように駆動する連続駆動力運転を実行するとともに、モータジェネレータ(135)については、駆動力について低出力状態と高出力状態とを交互に切換える駆動力変更運転を実行して車両(100)を走行させる。これによって車両走行中のエネルギ効率を向上させることができる。

Description

本発明は、車両および車両の制御方法に関し、より特定的には、車両の慣性力を利用して走行する車両の走行制御に関する。
近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池やキャパシタなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力から生じる駆動力を用いて走行する車両が注目されている。このような車両には、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などが含まれる。
そして、これらの車両において、さらなる環境負荷の削減のために、燃費,電費を低減することによってエネルギ効率を向上することが求められている。
特表2008−520485号公報(特許文献1)は、内燃機関とモータジェネレータとを備えたハイブリッド車両において、モータジェネレータが発電機モードの際に、車両電気系統の実消費電力よりも大きい高出力で動作するようにモータジェネレータを駆動する第1のインターバルと、モータジェネレータをスイッチオフする第2のインターバルとを交互に繰り返すように、モータジェネレータを制御する構成を開示する。
特表2008−520485号公報(特許文献1)によれば、モータジェネレータが発電機として動作する際に、第1のインターバルにおいては効率の高い動作点でモータジェネレータを駆動し、第2のインターバルにおいてはモータジェネレータが停止される。これによって、発電動作時に効率の低い状態でモータジェネレータの運転が継続されることが抑制されるので、発電動作における車両のエネルギ効率を向上することができる。
また、特開2010−6309号公報(特許文献2)は、内燃機関とモータジェネレータとを備えたハイブリッド車両において、内燃機関の発生する駆動力を用いた走行と、内燃機関を停止した惰性状態での走行とを交互に繰り返す構成を開示する。これにより、内燃機関を高効率の動作点で駆動することができるので、燃費を向上させることができる。
特表2008−520485号公報 特開2010−6309号公報 特開2009−298232号公報 特開2007−187090号公報
しかしながら、上記の特表2008−520485号公報(特許文献1)においては、モータジェネレータで発電を行なう場合に、モータジェネレータの駆動と停止とを繰り返す構成であり、車両の走行のための駆動力を変化させるものではなかった。
また、特開2010−6309号公報(特許文献2)は、ハイブリッド車両において、内燃機関であるエンジンの駆動と停止とを繰り返す構成を開示するものであった。
上記のように駆動源の駆動と停止を繰り返す場合には、停止状態から駆動状態への移行時(始動時)にロスが生じる場合が起こり得る。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、エンジンおよびモータジェネレータからの駆動力を用いて走行が可能な車両において、車両走行時のエネルギ効率を向上させることである。
本発明による車両は、車両の走行駆動力を発生する第1の駆動源および第2の駆動源と、第1および第2の駆動源を制御するための制御装置とを備える。制御装置は、第1の駆動源については駆動力を連続的に発生するように駆動する連続駆動力運転を実行するとともに、第2の駆動源については、第1のレベルの駆動力を発生する第1の状態と、第1のレベルよりも低いレベルの駆動力である第2の状態とを交互に切換える駆動力変更運転を実行して車両を走行させる。
好ましくは、制御装置は、ユーザからの要求駆動力の変化が所定範囲内の場合に、第2の駆動源において駆動力変更運転を実行する。
好ましくは、制御装置は、第2の駆動源において駆動力変更運転を実行している間は、車両の速度が許容範囲内に維持されるように、第2の駆動源について第1および第2の状態を切換える。
好ましくは、制御装置は、車両の速度が許容範囲の上限まで上昇したことに応答して第2の駆動源を第2の状態に切換え、車両の速度が許容範囲の下限まで低下したことに応答して第2の駆動源を第1の状態に切換える。
好ましくは、第1の駆動源が発生する駆動力と第2の駆動源が第2の状態における駆動力との和は、車両の速度を維持することが可能な一定出力の基準駆動力よりも小さく設定される。第1の駆動源が発生する駆動力と第2の駆動源が第1の状態における駆動力との和は、基準駆動力よりも大きく設定される。
好ましくは、車両は、第2の駆動源が第2の状態のときには、主に車両の慣性力によって走行する。
好ましくは、第1の駆動源が発生する駆動力は、予め定められた所定の駆動力に設定される。
好ましくは、制御装置は、第2の駆動源が第2の状態のときには、第2の駆動源からの駆動力の発生を停止する。
好ましくは、第1の駆動源はエンジンであり、第2の駆動源は回転電機である。
好ましくは、第1の駆動源は回転電機であり、第2の駆動源はエンジンである。
好ましくは、車両は、回転電機に電力を供給するための蓄電装置をさらに備える。制御装置は、エンジンが駆動力変更運転を実行中に、蓄電装置の充電状態が予め定められたしきい値を下回ったときは、回転電機について、連続駆動力運転を中止し、第2のレベルの駆動力を発生する第3の状態と、第2のレベルよりも低いレベルの駆動力を発生する第4の状態とを交互に切換えるように運転する。
好ましくは、制御装置は、エンジンが駆動力変更運転を実行中に、蓄電装置の充電状態が予め定められたしきい値を下回ったときは、エンジンが第1の状態の期間に回転電機を第3の状態に切換え、エンジンが第2の状態の期間に回転電機を第4の状態に切換える。
好ましくは、制御装置は、回転電機が第4の状態ときには、回転電機からの駆動力の発生を停止する。
好ましくは、第1および第2の駆動源の各々は回転電機である。
本発明による車両の制御方法は、第1の駆動源および第2の駆動源を含む車両についての制御方法である。制御方法は、連続的な駆動力が発生するように第1の駆動源を駆動するステップと、第1のレベルの駆動力を発生する第1の状態と第1のレベルよりも低いレベルの駆動力である第2の状態とを交互に切換えるように第2の駆動源を駆動するステップと、第1および第2の駆動源からの駆動力を用いて車両を走行させるステップとを備える。
本発明によれば、エンジンおよびモータジェネレータからの駆動力を用いて走行が可能な車両において、車両走行時のエネルギ効率を向上させることができる。
本実施の形態に従うハイブリッド車両の全体ブロック図である。 実施の形態1における慣性走行制御の第1の例についての概要を説明するための第1のタイムチャートである。 実施の形態1における慣性走行制御の第2の例についての概要を説明するための第1のタイムチャートである。 慣性走行制御における加速時の動作を説明するためのタイムチャートである。 慣性走行制御における減速時の動作を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態1において、ECUで実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2における慣性走行制御の第1の例についての概要を説明するための第1のタイムチャートである。 実施の形態2における慣性走行制御の第2の例についての概要を説明するための第1のタイムチャートである。 実施の形態2において、ECUで実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。 2つのモータジェネレータを駆動源とする実施の形態3の車両の全体ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の本実施の形態に従う車両100の全体ブロック図である。以下で詳細に説明されるように、車両100は、駆動源として回転電機およびエンジンを有するハイブリッド車両である。
図1を参照して、車両100は、蓄電装置110と、システムメインリレー(System Main Relay:SMR)115と、駆動装置であるPCU(Power Control Unit)120と、モータジェネレータ130,135と、動力伝達ギヤ140と、駆動輪150と、内燃機関であるエンジン160と、制御装置であるECU(Electronic Control Unit)300とを備える。PCU120は、コンバータ121と、インバータ122,123と、電圧センサ180,185と、コンデンサC1,C2とを含む。
蓄電装置110は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置110は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池または鉛蓄電池などの二次電池、あるいは電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
蓄電装置110は、電力線PL1およびNL1を介してPCU120に接続される。そして、蓄電装置110は、車両100の駆動力を発生させるための電力をPCU120に供給する。また、蓄電装置110は、モータジェネレータ130で発電された電力を蓄電する。蓄電装置110の出力はたとえば200V程度である。
蓄電装置110には、電圧センサ170および電流センサ175が設けられる。電圧センサ170は、蓄電装置110の電圧VBを検出し、その検出結果をECU300へ出力する。電流センサ175は、蓄電装置に入出力される電流IBを検出し、その検出値をECU300へ出力する。
SMR115に含まれるリレーは、その一方端が蓄電装置110の正極端子および負極端子に接続され、他方端がPCU120に接続される電力線PL1,NL1に接続される。そして、SMR115は、ECU300からの制御信号SE1に基づいて、蓄電装置110とPCU120との間における電力の供給と遮断とを切換える。
コンバータ121は、ECU300からの制御信号PWCに基づいて、電力線PL1,NL1と電力線PL2,NL1との間で電圧変換を行なう。
インバータ122,123は、電力線PL2,NL1を介して、コンバータ121に並列に接続される。
インバータ122は、ECU300からの制御信号PWI1により制御され、コンバータ121からの直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータ130(以下、「MG1」とも称する。)を駆動する。また、インバータ122は、モータジェネレータ130で発電された交流電力を直流電力に変換し、コンバータ121を介して蓄電装置110を充電する。
インバータ123は、ECU300からの制御信号PWI2により制御され、コンバータ121からの直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータ135(以下、「MG2」とも称する。)を駆動する。また、インバータ123は、モータジェネレータ135で発電された交流電力を直流電力に変換し、コンバータ121を介して蓄電装置110を充電する。
モータジェネレータ130,135は交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。
モータジェネレータ130,135の各出力軸は、たとえばプラネタリギヤのような動力分割機構を含んで構成される動力伝達ギヤ140に結合される。そして、モータジェネレータ130,135からの駆動力が駆動輪150に伝達される。
また、モータジェネレータ130,135は、動力伝達ギヤ140を介して、エンジン160とも結合される。エンジン160は、ECU300からの制御信号DRVによって制御される。エンジン160から発生される駆動力は、動力伝達ギヤ140を介して駆動輪150およびモータジェネレータ130に伝達される。ECU300は、モータジェネレータ130,135およびエンジン160で発生される駆動力を協調的に制御して、車両を走行させる。
また、モータジェネレータ130,135は、車両100の回生制動動作時には、駆動輪150により回転されることによって発電することができる。そして、その発電電力は、PCU120によって蓄電装置110の充電電力に変換される。
なお、本実施の形態においては、モータジェネレータ130は、エンジン160を始動する際のスタータモータとして用いられるとともに、エンジン160により駆動されて発電を行なう発電機として専ら用いられるものとする。また、モータジェネレータ135は、蓄電装置110からの電力を用いて駆動輪150を駆動するための電動機として専ら用いられるものとする。
また、図1においては、2台のモータジェネレータと1台のエンジンが備えられる構成の例が示されるが、モータジェネレータの数はこれに限定されず、たとえば、モータジェネレータが1台であってもよい。あるいは、2台より多くのモータジェネレータが備えられる場合であってもよい。
コンデンサC1は、電力線PL1およびNL1の間に設けられ、電力線PL1およびNL1間の電圧変動を減少させる。また、コンデンサC2は、電力線PL2およびNL1の間に設けられ、電力線PL2およびNL1間の電圧変動を減少させる。
電圧センサ180および185は、それぞれコンデンサC1およびC2の両端にかかる電圧VLおよびVHを検出し、その検出値をECU300へ出力する。
車両100の速度(車速)を検出するために、速度センサ190が駆動輪150の近傍に設けられる。速度センサ190は、駆動輪150の回転速度に基づいて車速SPDを検出し、その検出値をECU300に出力する。また、速度センサとして、モータジェネレータ135の回転角を検出するための回転角センサ(図示せず)を用いてもよい。この場合には、ECU300は、モータジェネレータ135の回転角の時間的変化および減速比などに基づいて、間接的に車速SPDを演算する。
ECU300は、いずれも図1には図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、蓄電装置110および車両100の各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
ECU300は、PCU120、SMR115などを制御するための制御信号を生成して出力する。なお、図1においては、ECU300として1つの制御装置を設ける構成としているが、たとえば、PCU120用の制御装置や蓄電装置110用の制御装置などのように、機能ごとまたは制御対象機器ごとに個別の制御装置を設ける構成としてもよい。
ECU300は、蓄電装置110に備えられる電圧センサ170,電流センサ175からの電圧VBおよび電流IBの検出値に基づいて、蓄電装置110の充電状態SOC(State of Charge)を演算する。
ECU300は、ユーザによるアクセルペダル(図示せず)の操作に基づいて定められる要求トルクTRを、上位ECU(図示せず)から受ける。ECU300は、ユーザからの要求トルクTRに基づいて、コンバータ121およびインバータ122,123の制御信号PWC,PWI1,PWI2をそれぞれ生成し、モータジェネレータ130,135を駆動する。
また、ECU300は、ユーザにより設定されるモード信号MODを受ける。このモード信号MODは、以下に後述する慣性走行制御を実行するか否かを指示するための信号である。モード信号MODは、ユーザにより、特定のスイッチや操作画面における設定などによって切換えられる。あるいは、特定の条件が成立したことに応答して、モード信号MODが自動的に設定されるようにしてもよい。
ECU300は、たとえば、モード信号MODがオンに設定されている場合には、慣性走行制御を行なうように動作し、モード信号MODがオフに設定されている場合には、慣性走行制御を行なわない通常の走行を行なうように動作する。
このようなハイブリッド車両においては、車両走行時の全体のエネルギ効率を向上させるために、エンジンの燃費およびモータジェネレータの電費を改善することが必要とされる。
車両の走行中には車両には慣性力がはたらいているため、走行中にモータジェネレータおよびエンジンによって発生される駆動力を、車速を維持するために必要な駆動力よりも低くした場合は、徐々に車速は低下するものの、しばらくの間は車両の慣性力を用いた走行(以下、「慣性走行」とも称する。)が継続される。
この慣性走行中は、車速を維持するために一定の駆動力を出力する場合よりも、モータジェネレータおよびエンジンから出力されるトータルの駆動力が小さいので、蓄電装置からの電力消費およびエンジンによる燃料消費が低減される。そのため、慣性走行を活用して走行を行なうことができれば、車両走行時のエネルギ効率を改善することが可能となり得る。
そこで、実施の形態1においては、駆動源としてモータジェネレータおよびエンジンを有するハイブリッド車両において、ユーザからの要求トルクがほぼ一定であり、それによって車速がほぼ一定に維持されるような走行がされている場合に、エンジンについては連続的に一定の駆動力を出力する連続駆動力運転を実行しながら、モータジェネレータについては駆動力を高出力状態である場合と低出力状態である場合とを切換える駆動力変更運転を行なって走行する慣性走行制御を実行する。これにより、車両走行中におけるエネルギ効率の向上を図る。
次に、図2〜図4を用いて、実施の形態1における慣性走行制御の概要を説明する。図2は、実施の形態1における慣性走行制御の基本的な走行パターンを説明するためのタイムチャートである。図2および後述する図3においては、横軸には時間が示され、縦軸には車速SPD、モータジェネレータの出力、エンジンの出力、ユーザからの要求パワー、蓄電装置の充放電電力、および蓄電装置のSOCが示される。なお、蓄電装置の充放電電力については、放電電力を正値で表わし、充電電力を負値で表わしている。
図1および図2を参照して、たとえば、車両100が、平坦な道路を一定の車速V1で走行する場合を考える。この場合、図2のように、ユーザから要求されるパワーは、ほぼ一定の値として与えられる。なお、「ユーザから要求されるパワーがほぼ一定の値である」とは、多少の変動はあるものの、ある所定時間内において、ユーザ要求パワーが予め定められた所定範囲内(たとえば、±3km/h)に維持される状態を意味する。
実施の形態1の慣性走行制御を適用しない比較例においては、たとえば、図2中の破線W13のように、モータジェネレータ135からの、ほぼ一定の大きさ(PM0)で連続した出力を用いてEV走行が行なわれる。これにより、車速SPDは、図2中の破線W11のように、ほぼ一定に維持される。
このとき、蓄電装置110からは、図2中の破線W16のように一定の電力が連続して出力されるために、蓄電装置110のSOCは、図2中の破線W18のように、直線的に減少する。
これに対して、実施の形態1の慣性走行制御を適用した場合には、エンジン160を一定の駆動力で運転しつつ、モータジェネレータ135を駆動する加速走行とモータジェネレータ135を停止した慣性走行とを交互に繰り返す駆動力変更運転を行なう。
具体的には、時刻t1までは、実施の形態1の慣性走行制御が適用されていない状態であり、たとえば、連続的なモータ出力PM0によりEV走行が実行されている。
時刻t1において、ユーザにより慣性走行制御の実行が指示されると、まずモータジェネレータ135が停止される(図2中の実線W12)。
また、慣性走行制御の実行に応答して、時刻t1〜t2の間に、モータジェネレータ130(MG1)によってクランキングされてエンジン160が始動される。エンジン160は、自立運転完了後、出力PE1の一定出力で運転される。この一定出力PE1は、たとえば、現在の車速V1を維持することができる駆動力よりも小さく、かつエンジン160が高効率運転(すなわち低燃費)となるような出力に設定される。
そうすると、モータジェネレータ135が停止している時刻t1〜t3は、図2中の実線W10のように、慣性力による走行が開始されて徐々に車速SPDが低下する。
このとき、蓄電装置110からの充放電電力がゼロとなるので(図2中の実線W15)、実施の形態1を適用しない場合と比べてSOCの減少量が抑制される(図2中の実線W17)。
そして、車速SPDが、目標とする車速V1に対して予め定められた許容範囲の下限値LLまで低下すると(図2中の時刻t3)、モータジェネレータ135が駆動される。このときのモータ出力とエンジン出力の和(PM1+PE1)が、車速V1を維持するために必要とされる出力PM0よりも大きくなるように、モータジェネレータ135の出力が設定される。これによって車両100が加速する。
そして、車速SPDが予め定められた上記の許容範囲の上限値ULまで上昇すると、再びモータジェネレータ135が停止され(図2中の時刻t4)、慣性走行が実行される。
その後、同様に、車速SPDが下限値LLまで低下するとモータジェネレータ135が駆動され、さらに車速SPDが上限値ULまで上昇するとモータジェネレータ135が停止される。
このようにモータジェネレータについての駆動力変更運転を繰り返すことによって、車速SPDは上記の許容範囲内では変動するものの、平均速度をほぼV1に維持することができる。そして、モータジェネレータが停止されている期間は蓄電装置のSOCの減少が抑制されるので、電費を向上させることができる。また、このとき、エンジンが高効率運転領域で運転されるように、エンジン出力を調整することで、エンジンの燃費も向上することができる。その結果、全体として走行時のエネルギ効率を向上することができる。
なお、加速走行が実行される際に必要とされるトータル出力(モータ出力+エンジン出力)および加速時間については、任意に設定可能である。たとえば、加速時間を所定の時間に設定し、その期間内に車速SPDを下限値LLから上限値ULまで増加できるようなトータル出力とするようにしてもよい。あるいは、加速に用いるトータル出力を所定の出力に固定して、加速時間については成り行きとするようにしてもよい。ただし、加速時間が短すぎると、大きなパワーが必要となるので、トルクショックが生じる可能性がある。逆にトータル出力が小さすぎると、加速時間、すなわちモータジェネレータ135およびエンジン160の駆動時間が長くなり慣性走行が実施されにくくなる。したがって、加速時間と加速時のトータル出力は、ドライバビリティおよびエネルギ効率を勘案して適切に設定される。
また、上記の例においては、モータジェネレータ135が駆動と停止とを繰り返すように運転する場合について説明したが、たとえば、ユーザ要求パワーが比較的大きいような場合には、エンジン160の駆動力だけでは慣性走行期間の減速度が大きく、加速走行と慣性走行との間で大きなトルクショックが生じる可能性がある。そのため、このようなときには、図3に示すように、慣性走行中にモータジェネレータ135を停止させるのではなく、加速走行期間の駆動力よりも小さい駆動力をモータジェネレータ135から出力するようにさせてもよい。このようにモータジェネレータの駆動力を高出力状態と低出力状態との間で切換えることによって、加速走行と慣性走行との間のトルクショックが緩和でき、ドライバビリティを向上させることができる。
また、一定出力で運転されるエンジン160の駆動力を上述のような高効率運転領域内にするために、慣性走行期間にモータジェネレータ135を低出力状態で運転するようにしてもよい。
なお、各加速走行期間での高出力状態におけるトータル出力は、必ずしも一定となることは必要ではなく、同じ大きさとしてもよいし、異なる大きさにしてもよい。また、低出力状態におけるトータル出力についても、同じ大きさとしてもよいし、異なる大きさにしてもよい。
実施の形態1の慣性走行制御においては、上述のように、ユーザからの要求パワーがほぼ一定である場合に、図2および図3で示したようなモータジェネレータの駆動力変更運転が実行される。すなわち、ユーザからの要求パワーが変動する加速時および減速時には、モータジェネレータの駆動力変更運転は実行されない。
図4および図5は、慣性走行制御が適用されている際の、加速時および減速時の動作をそれぞれ説明するための図である。図4および図5においては、横軸には時間が示され、縦軸には車速SPD、モータジェネレータの出力、エンジンの出力、ユーザからの要求パワー、および蓄電装置の充放電電力が示される。
図1および図4を参照して、時刻t21においてユーザにより慣性走行制御の実行が指示されると、図2での説明と同様に、時刻t24までは車速V1を維持するように、エンジン160の連続駆動力運転とモータジェネレータ135の駆動力変更運転が実行される。
そして、慣性走行中の時刻t25において、ユーザからの要求パワーが増加されて加速要求を受けると(図4中の実線W35)、ユーザ要求パワーが変動している間(時刻t25〜t26)は、モータジェネレータ135の駆動力変更運転が中断される。そして、加速のためにモータ出力およびエンジン出力が増加される(図4中の実線W32、W34)。
そして、時刻t26において、ユーザによる加速動作が終了し、車速SPDがV2(V2>V1)で一定になったことに応答して、モータジェネレータ135が再び低出力状態に切換えられるとともにエンジン160が一定出力状態に切換えられ、車速V2を維持するようにモータジェネレータ135の駆動力変更運転が再開される(図4中の実線W30)。
なお、車速変更後のエンジン160の出力PE6Bは、車速変更前の出力PE1Bと同じであってもよいし異なっていてもよい。
次に、図5を用いて減速時の動作を説明する。図1および図5を参照して、時刻t34までは、図4の時刻t24までと同様に、車速V1を維持するようにモータジェネレータ135の駆動力変更運転が実行される。
そして、慣性走行中の時刻t35において、ユーザからの要求パワーが低減されて減速要求を受けると(図5中の実線W46)、ユーザ要求パワーが変動している間(時刻t35〜t36)は、駆動力変更運転が中断される。このとき、モータ出力およびエンジン出力は低出力状態にされ、慣性走行状態を継続しながら減速を行なう(図5中の実線W41,W44)。なお、図5には示されないが、加速走行中に減速要求を受けた場合には、加速動作を中止して慣性走行へ移行する。
あるいは、より迅速に減速を行なうことが必要な場合には、減速要求を受けている期間、モータジェネレータ135で回生制動を行なうようにしてもよい。この場合には、モータジェネレータ135は、回生発電により負のモータ出力PM6Bを出力する(図5中の一点鎖線W43)。しして、その発電電力によって蓄電装置110が充電され(図5中の一点鎖線W49)、これによってSOCが増加する。
そして、時刻t36にてユーザによる減速要求が解除されて車速SPDがV3(V1>V3)で一定になると、エンジン160が再び一定出力で運転される。その後、車速SPDが下限値LLまで低下すると(図5中の時刻t37)、モータジェネレータ135が高出力状態に切換えられ、駆動力変更運転が再開される。
このように、慣性走行制御が適用されている間に、ユーザ要求パワーの変化に対応して車両の加減速が行なわれる場合は、エンジン160の駆動力一定運転およびモータジェネレータ135の駆動力変更運転が中断される。
なお、図5の破線W47で示されるように、減速が行なわれる際、ユーザ操作による減速要求によってユーザ要求パワーが十分に低くされたような場合には、エンジン160から一定の駆動力を出力すると慣性走行ができなくなる場合が生じ得る。このように、ユーザ要求パワーが予め定められたしきい値Pthを下回るような場合に慣性走行制御を行なうときは、エンジン160についてもモータジェネレータ135と同じように、加速走行期間に高出力状態とし、慣性走行期間に低出力状態とするような駆動力変更運転をするようにしてもよい。あるいは、エンジン160についてはアイドリング状態としたまま、モータジェネレータ135の駆動力変更運転によって、加速走行と慣性走行とを繰り返すようにしてもよい。
また、図4および図5の説明においては、慣性走行期間にモータジェネレータ135の出力がゼロではない状態のタイムチャートを示したが、トルクショック等のドライバビリティの影響が小さい場合には、図2のように、低出力状態のモータジェネレータ135の駆動力をゼロとし、モータジェネレータ135を停止するようにしてもよい。
図6は、実施の形態1において、ECU300で実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。図6に示されるフローチャート中の各ステップについては、ECU300に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図1および図6を参照して、ECU300は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ユーザによって設定されるモード信号MODに基づいて、慣性走行制御が選択されているか否かを判定する。
モード信号MODがオフに設定されており、慣性走行制御が選択されていない場合(S100にてNO)は、以降の処理がスキップされ、ECU300は処理をメインルーチンに戻す。
モード信号MODがオンに設定されており、慣性走行制御が選択されている場合(S100にてYES)は、処理がS110に進められ、ECU300は、次に、要求トルクTRに基づいて、ユーザからの要求パワーがほぼ一定であるか否かを判定する。
ユーザ要求パワーがほぼ一定である場合(S110にてYES)は、処理がS120に進められて、ECU300は、ユーザ要求パワーが予め定められたしきい値Pthより大きいか否かを判定する。
ユーザ要求パワーがしきい値Pthより大きい場合(S120にてYES)、処理がS130に進められ、ECU300は、エンジン160を始動して、所定のエンジン出力による駆動力一定運転を行なうとともに、モータジェネレータ135について駆動力変更運転を実行するように選択する。なお、図6には示されていないが、駆動力変更運転の開始直後は、図2〜図5に示されるように、モータジェネレータ135が低出力状態とされて慣性走行が開始される。なお、低出力状態には、図2のように駆動力がゼロの場合も含まれる。
そして、ECU300は、S140にて、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULまで上昇したか否かを判定する。
上記のように、駆動力変更運転の開始直後は、まずモータジェネレータ135が低出力状態にされて慣性走行が実行されるので、車速SPDは上限値ULよりも低く、かつ徐々に車速SPDは低下する。
すなわち、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULまで上昇していないので(S140にてNO)、処理がS145に進められて、次に、ECU300は、車速SPDが速度許容範囲の下限値LLまで低下したか否かを判定する。
車速SPDが速度許容範囲内で低下中(LL<SPD<UL)の場合、すなわち、車速SPDが速度許容範囲の下限値LLまで低下していない場合(S145にてNO)は、処理がS154に進められ、ECU300は、現在のモータジェネレータ135の状態を保持し、低出力状態で慣性走行を継続する。その後、メインルーチンに処理が戻され、次回の制御周期において再びS100から処理が実行される。
その後、慣性走行が継続されている間に、車速SPDが速度許容範囲の下限値LLまで低下した場合(SPD≦LL)(S145にてYES)は、処理がS152に進められ、ECU300は、モータジェネレータ135を高出力状態に切換えて加速走行を実行する。これにより、車速SPDが上昇する。
加速走行が実行されて速度許容範囲内で車速が上昇している間は、S140およびS145でNOが選択されて、ECU300は、S154にて、モータジェネレータ135を高出力状態に維持して、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULに到達するまで加速走行を継続する。
そして、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULまで上昇すると(S140にてYES)、処理がS140に進められて、ECU300は、モータジェネレータ135を低出力状態に切換えて慣性走行を実行する。
ユーザ要求パワーがほぼ一定に保持されている間は、車速SPDが速度許容範囲内に維持されるように、上記のような駆動力変更運転が実行される。
一方、加速または減速のために、ユーザからの要求パワーが変動した場合(S110にてNO)は、処理がS190に進められて、ECU300は、モータジェネレータ135の駆動力変更運転を中断する。
そして、ECU300は、ユーザ要求パワーによって加速が指示されている場合(S200にてYES)は、エンジン160および/またはモータジェネレータ135の駆動力を増加して、車両100を加速する(S210)。
ユーザから減速が指示されている場合(S200にてNO)は、処理がS215に進められ、ECU300は、モータジェネレータ135およびエンジン160を低出力状態にした慣性走行による減速、および、エンジン160を低出力状態にするとともにモータジェネレータ135を回生状態で駆動することによる回生制動を伴う減速のいずれかを実行する。あるいは、慣性走行による減速と回生制動を伴う減速とを切換えながら減速するようにしてもよい。
その後、ユーザによる加速または減速動作が終了して、ユーザ要求パワーがほぼ一定である状態になると(S110にてYES)、駆動力変更運転が再開される。
そして、ユーザからの減速要求によって、ユーザ要求パワーがしきい値Pth以下となった場合(120にてNO)、処理がS160に進められる。そして、ECU300は、エンジン160およびモータジェネレータ135の双方について駆動力変更運転を実行するように選択する。
そして、上記のS140〜S154までの処理と同様に、車速SPDが上限値ULまで上昇すると(S170にてYES)は、ECU300は、モータジェネレータ135およびエンジン160の双方を低出力状態に切換えて慣性走行を実行する(S180)。
慣性走行で減速している間(S170にてNO、かつS175にてNO)は、処理がS184に進められて、ECU300は、モータジェネレータ135およびエンジン160の双方を低出力状態に維持する。
車速SPDが下限値LLまで低下すると(S175にてYES)、ECU300は、モータジェネレータ135およびエンジン160を高出力状態に切換えて加速走行を実行する(S182)。そして、車速SPDが上限値ULに到達するまでは、ECU300は、モータジェネレータ135およびエンジン160を高出力状態に維持して加速走行を継続する(S184)。
そして、車速SPDが上限値ULまで上昇すると(S170にてYES)、再びモータジェネレータ135およびエンジン160が低出力状態に切換えられる(S180)。
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、エンジンとモータジェネレータとを備えるハイブリッド車両において、ユーザ要求パワーがほぼ一定である場合に、エンジンを一定出力で連続駆動力運転を実行しつつ、モータジェネレータついて駆動力変更運転を実行し、それによって慣性走行を伴った走行を行なうことができる。これによって、車両走行時のエネルギ効率を向上させることが可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態1においては、慣性走行制御において、エンジン出力を一定とするとともにモータジェネレータを駆動力変更運転とする構成について説明した。
実施の形態2においては、実施の形態1とは反対に、モータジェネレータを一定出力で連続駆動力運転し、エンジンについて駆動力変更運転とする構成について説明する。このような運転状態は、たとえば、蓄電装置のSOCが比較的高い場合に実行される。
図7および図8は、実施の形態2における慣性走行制御の概要を説明するためのタイムチャートである。図7および図8においては、図2および図3と同様に横軸には時間が示され、縦軸には車速SPD、モータジェネレータの出力、エンジンの出力、ユーザからの要求パワー、蓄電装置の充放電電力、および蓄電装置のSOCが示される。
図1および図7を参照して、図2と同様に、車両100が、モータジェネレータ135からの一定出力PM0Dによって、一定の車速V1でEV走行している状態を考える。
時刻t41にて、ユーザによって慣性走行制御が選択されると、モータジェネレータ135の出力が、一定出力PM1Dに低下される。このときエンジン160は停止状態である。この状態においては、モータジェネレータ135の出力PM1Dは、車速V1を維持することができる出力PM0Dよりも小さいため、車両100は慣性走行を行ない、徐々に車速SPDが低下する。
そして、車速SPDが許容範囲の下限値LLに低下する直前に、エンジン160がモータジェネレータ130によりクランキングされて始動する。その後、時刻t42にて、車速SPDが許容範囲の下限値LLまで低下すると、エンジン160が高出力状態に切換えられ、モータジェネレータ135からの出力PM1Dとエンジン160からの出力PE1Dとによって加速走行が実行される。
車速SPDが許容範囲の上限値ULまで上昇すると(図7中の時刻t43)、エンジン160が停止され、再び慣性走行が実行される。そして、車速SPDが許容範囲の下限値LLに低下する直前にエンジン160が再始動され、車速SPDが許容範囲の下限値LLまで低下すると(図7中の時刻t44)、再びエンジン160が高出力状態に切換えられて加速走行が実行される。
このように、エンジン160の駆動力変更運転によって、慣性走行と加速走行とが繰り返し実行されるが、この実施の形態2においては、モータジェネレータ135が一定出力で運転されるため、SOCは図7中の実線W55のように直線的に減少する。
そして、たとえば、SOCが、走行中におけるSOCの制御目標値のような基準値Sthを下回った場合(図7中の時刻t47)には、次の慣性走行開始のときに、モータジェネレータ135が停止される(図7中の時刻t48)。これにより、慣性走行期間の電力消費が抑制される。
その後、車速SPDが許容範囲の下限値LLの直前にエンジン160が駆動され、車速SPDが下限値LLまで低下すると(図7中の時刻t49)、モータジェネレータ135およびエンジン160の駆動力が増加されて加速運転が実行される。
このように、ハイブリッド車両において、モータジェネレータを一定出力で連続駆動力運転しつつエンジンを駆動力変更運転して、慣性走行を利用して走行することによって、車両走行時のエネルギ効率を向上させることが可能となる。そして、SOCが所定の基準値を下回った場合に、モータジェネレータについても駆動と停止とを切換えるような駆動力変更運転を行なうことで、SOCの減少度合いを小さくすることができる。
なお、実施の形態1でも同様であるが、充電を行なうことが必要であるレベルまでSOCが低下した場合には、加速走行期間において、エンジン160の駆動力を増加することによってモータジェネレータ130(MG1)が駆動され、MG1の発電電力によって所定のレベルまで蓄電装置110が充電される。
図7で示した手法によれば、加速運転を実行するたびにエンジン160を始動することが必要である。しかしながら、エンジン160を始動する際には、モータジェネレータ130を駆動することが必要であり、さらにエンジン160の自立運転確立までに無駄な燃料が消費され得る。また、エンジン160や排気を浄化するための触媒(図示せず)の温度が低い場合には、エンジンの燃焼効率が低下したりエミッションが悪化したりするおそれがある。
そのため、図8に示すように、慣性走行期間にエンジン160を停止せず、たとえば、エンジン160をアイドル運転のような低出力状態とするようにしてもよい。この場合、慣性走行期間でもエンジン160が運転状態となり燃料が消費されることになるが、エンジン始動時のエネルギロスよりもアイドル運転によるロスのほうが小さい場合には、エンジン160を停止せずに低出力状態とするほうがトータルのエネルギ効率としては良くなる場合がある。そのため、エンジン160の駆動力変更運転における低出力状態については、総合的なエネルギ効率を考慮して、駆動力の大きさが決定される。
さらに、SOCが基準値以下となった場合の、モータジェネレータ135の駆動力変更運転における慣性走行期間の駆動力についても、減速度の変化によるトルクショックの有無等を考慮して、図7および図8に示されるように出力をゼロとするか、あるいは小さい駆動力を出力するかが適宜選択される。
図9は、実施の形態2において、ECU300で実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。図9は、実施の形態1における図6のフローチャートのステップS120,S130,S150,S152,S154,S190が、S120A,S130A,S150A,S152A,S154A,S190Aに置き換わったものになっている。図9において、図6と重複するステップの説明は繰り返さない。
図9を参照して、ユーザにより慣性走行制御が選択され(S100にてYES)、ユーザ要求パワーがほぼ一定である場合(S110にてYES)は、処理がS120Aに進められ、ECU300は、現在のSOCが予め定められた基準値Sthより大きいか否かを判定する。
SOCが予め定められた基準値Sthより大きい場合(S120AにてYES)は、処理がS130Aに進められ、ECU300は、モータジェネレータ135を、現在の車速SPDを維持することができる駆動力よりも小さい駆動力で一定出力の連続駆動力運転するとともに、エンジン160について駆動力変更運転を実行するように選択する。
車両100が加速走行をしている間に、車速SPDが上限値ULまで上昇すると(S140にてYES)は、ECU300は、エンジン160を低出力状態に切換えて慣性走行を実行する(S150A)。
車両100が慣性走行で減速している間(S140にてNO、かつS145にてNO)は、処理がS154Aに進められて、ECU300は、車速SPDが下限値LLに低下するまで、エンジン160を低出力状態に維持して慣性走行を継続する。
車速SPDが下限値LLまで低下すると(S145にてYES)、ECU300は、エンジン160を高出力状態に切換えて加速走行を実行する(S152A)。そして、車速SPDが上限値ULに到達するまでは、ECU300は、エンジン160を高出力状態に維持して加速走行を継続する(S154A)。
そして、車速SPDが上限値ULまで上昇すると(S140にてYES)、ECU300は、再びエンジン160を低出力状態に切換えて、慣性走行を実行する。
一方、S120Aにて、SOCが予め定められた基準値Sth以下となった場合(S120AにてNO)は、処理がS160に進められ、ECU300は、モータジェネレータ135およびエンジン160の双方について駆動力変更運転を実行するように選択する。
以降の処理は、実施の形態1におけるステップS170〜S184までの処理と同様であり、その説明は繰り返さない。
また、加速または減速のために、ユーザからの要求パワーが変動した場合(S110にてNO)は、処理がS190Aに進められて、ECU300は、エンジン160の駆動力変更運転を中断する。
そして、ECU300は、ユーザ要求パワーによって加速が指示されている場合(S200にてYES)は、エンジン160および/またはモータジェネレータ135の駆動力を増加して、車両100を加速する(S210)。
ユーザから減速が指示されている場合(S200にてNO)は、処理がS215に進められ、ECU300は、慣性走行による減速または回生制動を伴う減速、あるいはそれらの減速の切換えによって減速動作を実行する。
なお、実施の形態2においても、駆動力変更運転における低出力状態は、駆動力がゼロである場合を含むことが意図される。そして、図7および図8において説明したように、車両100の運転状態およびエネルギ効率を勘案して、駆動力の大きさが適宜設定される。
また、図9においては示されていないが、図8のように、慣性走行期間においてもエンジン160が停止されない場合には、図9のステップS130Aにおいて、エンジン160が始動される。
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、エンジンとモータジェネレータとを備えるハイブリッド車両において、ユーザ要求パワーがほぼ一定である場合に、モータジェネレータを一定出力で連続駆動力運転を実行しつつ、エンジンについて駆動力変更運転を実行し、それによって慣性走行を伴った走行を行なうことができる。これによって、車両走行時のエネルギ効率を向上させることが可能となる。
[実施の形態3]
上記の実施の形態1および実施の形態2においては、複数の駆動源としてエンジンとモータジェネレータとが備えられるハイブリッド車両を例として説明したが、本発明は、複数の駆動源として、たとえば、図10に示されるような、2つのモータジェネレータからの駆動力を用いて走行することが可能なツインモータ構成の電気自動車などの、他の構成を有する車両にも適用可能である。
図10の車両100Aは、図1の車両100においてエンジン160が装備されていない構成であり、車両100Aは、モータジェネレータ130(MG1)およびモータジェネレータ135(MG2)の両方の駆動力を用いて走行する。
この場合には、上述のように蓄電装置110を充電することはできないが、図2等のタイムチャートにおいて、エンジン160の駆動力をモータジェネレータ130で出力するように置き換えることで、同様の制御を行なうことが可能である。
また、図1の構成において、MG1についても発電機ではなく電動機として用い、モータジェネレータ130,135およびエンジン160の3つの駆動源で発生される駆動力を用いて走行する場合においても、本発明の適用が可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100,100A 車両、110 蓄電装置、115 SMR、120 PCU、121 コンバータ、122,123 インバータ、130,135 モータジェネレータ、140 動力伝達ギヤ、150 駆動輪、160 エンジン、170,180,185 電圧センサ、175 電流センサ、190 速度センサ、300 ECU、C1,C2 コンデンサ、PL1,PL2,NL1 電力線。

Claims (15)

  1. 車両であって、
    前記車両(100)の走行駆動力を発生する第1の駆動源および第2の駆動源(130,135,160)と、
    前記第1および第2の駆動源(130,135,160)を制御するための制御装置(300)とを備え、
    前記制御装置(300)は、前記第1の駆動源については駆動力を連続的に発生するように駆動する連続駆動力運転を実行するとともに、前記第2の駆動源については、第1のレベルの駆動力を発生する第1の状態と、前記第1のレベルよりも低いレベルの駆動力である第2の状態とを交互に切換える駆動力変更運転を実行して前記車両(100)を走行させる、車両。
  2. 前記制御装置(300)は、ユーザからの要求駆動力の変化が所定範囲内の場合に、前記第2の駆動源において前記駆動力変更運転を実行する、請求項1に記載の車両。
  3. 前記制御装置(300)は、前記第2の駆動源において前記駆動力変更運転を実行している間は、前記車両(100)の速度が許容範囲内に維持されるように、前記第2の駆動源について前記第1および第2の状態を切換える、請求項2に記載の車両。
  4. 前記制御装置(300)は、前記車両(100)の速度が前記許容範囲の上限まで上昇したことに応答して前記第2の駆動源を前記第2の状態に切換え、前記車両(100)の速度が前記許容範囲の下限まで低下したことに応答して前記第2の駆動源を前記第1の状態に切換える、請求項3に記載の車両。
  5. 前記第1の駆動源が発生する駆動力と、前記第2の駆動源が前記第2の状態における駆動力との和は、前記車両(100)の速度を維持することが可能な一定出力の基準駆動力よりも小さく設定され、
    前記第1の駆動源が発生する駆動力と、前記第2の駆動源が前記第1の状態における駆動力との和は、前記基準駆動力よりも大きく設定される、請求項1に記載の車両。
  6. 前記車両(100)は、前記第2の駆動源が前記第2の状態のときには、主に前記車両(100)の慣性力によって走行する、請求項5に記載の車両。
  7. 前記第1の駆動源が発生する駆動力は、予め定められた所定の駆動力に設定される、請求項1に記載の車両。
  8. 前記制御装置(300)は、前記第2の駆動源が前記第2の状態のときには、前記第2の駆動源からの駆動力の発生を停止する、請求項7に記載の車両。
  9. 前記第1の駆動源は、エンジン(160)であり、
    前記第2の駆動源は、回転電機(135)である、請求項1に記載の車両。
  10. 前記第1の駆動源は、回転電機(135)であり、
    前記第2の駆動源は、エンジン(160)である、請求項1に記載の車両。
  11. 前記回転電機に電力を供給するための蓄電装置(110)をさらに備え、
    前記制御装置(300)は、前記エンジン(160)が前記駆動力変更運転を実行中に、前記蓄電装置(110)の充電状態が予め定められたしきい値を下回ったときは、前記回転電機(135)について、前記連続駆動力運転を中止し、第2のレベルの駆動力を発生する第3の状態と、前記第2のレベルよりも低いレベルの駆動力を発生する第4の状態とを交互に切換えるように運転する、請求項10に記載の車両。
  12. 前記制御装置(300)は、前記エンジン(160)が前記駆動力変更運転を実行中に、前記蓄電装置(110)の充電状態が前記予め定められたしきい値を下回ったときは、前記エンジン(160)が前記第1の状態の期間に前記回転電機(135)を前記第3の状態に切換え、前記エンジン(160)が前記第2の状態の期間に前記回転電機(135)を前記第4の状態に切換える、請求項11に記載の車両。
  13. 前記制御装置(300)は、前記回転電機(135)が前記第4の状態ときには、前記回転電機(135)からの駆動力の発生を停止する、請求項12に記載の車両。
  14. 前記第1および第2の駆動源の各々は、回転電機(130,135)である、請求項1に記載の車両。
  15. 第1の駆動源および第2の駆動源(130,135,160)を含む車両の制御方法であって、
    連続的な駆動力が発生するように、前記第1の駆動源を駆動するステップと、
    第1のレベルの駆動力を発生する第1の状態と、前記第1のレベルよりも低いレベルの駆動力である第2の状態とを交互に切換えるように、前記第2の駆動源を駆動するステップと、
    前記第1および第2の駆動源からの駆動力を用いて前記車両(100)を走行させるステップとを備える、車両の制御方法。
JP2013535671A 2011-09-27 2011-09-27 車両および車両の制御方法 Pending JPWO2013046312A1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013535671A JPWO2013046312A1 (ja) 2011-09-27 2011-09-27 車両および車両の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013535671A JPWO2013046312A1 (ja) 2011-09-27 2011-09-27 車両および車両の制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2013046312A1 true JPWO2013046312A1 (ja) 2015-03-26

Family

ID=52815933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013535671A Pending JPWO2013046312A1 (ja) 2011-09-27 2011-09-27 車両および車両の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPWO2013046312A1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5090020A (ja) * 1973-12-18 1975-07-18
JPH11150807A (ja) * 1997-09-14 1999-06-02 Honda Motor Co Ltd ハイブリッド車用電動機制御装置
JP2000008902A (ja) * 1998-06-17 2000-01-11 Nissan Motor Co Ltd 車両用定速走行制御システム
JP2001157305A (ja) * 1999-11-25 2001-06-08 Honda Motor Co Ltd ハイブリッド車両のオートクルーズ制御装置
JP2007296976A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Honda Motor Co Ltd 車両用走行制御装置
JP2010006309A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Toyota Motor Corp 車両用制御装置
WO2013046312A1 (ja) * 2011-09-27 2013-04-04 トヨタ自動車株式会社 車両および車両の制御方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5090020A (ja) * 1973-12-18 1975-07-18
JPH11150807A (ja) * 1997-09-14 1999-06-02 Honda Motor Co Ltd ハイブリッド車用電動機制御装置
JP2000008902A (ja) * 1998-06-17 2000-01-11 Nissan Motor Co Ltd 車両用定速走行制御システム
JP2001157305A (ja) * 1999-11-25 2001-06-08 Honda Motor Co Ltd ハイブリッド車両のオートクルーズ制御装置
JP2007296976A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Honda Motor Co Ltd 車両用走行制御装置
JP2010006309A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Toyota Motor Corp 車両用制御装置
WO2013046312A1 (ja) * 2011-09-27 2013-04-04 トヨタ自動車株式会社 車両および車両の制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5692405B2 (ja) 車両および車両の制御方法
JP5804074B2 (ja) 車両および車両の制御方法
JP6003943B2 (ja) ハイブリッド車両およびハイブリッド車両の制御方法
JP6100690B2 (ja) 車両
JP5696791B2 (ja) 車両および車両の制御方法
WO2012098658A1 (ja) ハイブリッド車両およびその制御方法
JP5811181B2 (ja) 車両および車両の制御方法
JP5825287B2 (ja) ハイブリッド車両
JP5696790B2 (ja) 車両および車両の制御方法
JP2016155484A (ja) ハイブリッド車両
WO2013046310A1 (ja) 車両および車両の制御方法
WO2013046312A1 (ja) 車両および車両の制御方法
JP6149814B2 (ja) ハイブリッド車両
WO2013061414A1 (ja) 車両および車両の制御方法
JPWO2013061413A1 (ja) 車両および車両の制御方法
JPWO2013046312A1 (ja) 車両および車両の制御方法
JP2014073788A (ja) ハイブリッド車両およびハイブリッド車両の制御方法
JPWO2013046310A1 (ja) 車両および車両の制御方法
JPWO2013061414A1 (ja) 車両および車両の制御方法
JP5765192B2 (ja) 車両および車両の制御方法
JP2016155486A (ja) ハイブリッド車両
JP2013086725A (ja) 車両および車両の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160215

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160524