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JPWO2019097609A1 - ドハティ増幅器及びドハティ増幅回路 - Google Patents

ドハティ増幅器及びドハティ増幅回路 Download PDF

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Abstract

一端が第1の出力回路(7)の他端及び第2の出力回路(8)の他端と接続されて、他端が接地されており、第1の動作周波数で90度の電気長を有し、第1の動作周波数の2分の1の周波数である第2の動作周波数で45度の電気長を有する補償回路(9)を備えるように構成する。

Description

この発明は、第1及び第2の増幅素子を備えるドハティ増幅器と、複数のドハティ増幅器を備えるドハティ増幅回路に関するものである。
例えば、無線通信用の増幅器としてドハティ増幅器が用いられることがある。
ドハティ増幅器は、キャリアアンプとピークアンプとを備え、キャリアアンプの出力信号とピークアンプの出力信号との合成信号を出力する増幅器である。
キャリアアンプは、入力信号の電力に関わらず、入力信号を増幅する増幅器であり、ピークアンプは、入力信号の電力が所定の電力以上であるときだけ、入力信号を増幅する増幅器である。
以下の特許文献1には、広帯域に亘って信号を増幅することができるようにするために、適用可能な動作周波数が異なる複数のドハティ増幅器を備えるドハティ増幅回路が開示されている。
このドハティ増幅回路は、複数のドハティ増幅器のうち、入力信号の動作周波数に応じて、入力信号を与えるドハティ増幅器を切り替えるスイッチを備えている。
特開2012−029239号公報
従来のドハティ増幅器は、適用可能な動作周波数が1つに限られ、2つの動作周波数の信号を増幅することができないという課題があった。
従来のドハティ増幅回路は、広帯域に亘って信号を増幅することができるようにするには、適用可能な動作周波数が互いに異なる複数のドハティ増幅器を備える必要があり、また、複数のドハティ増幅器のうち、入力信号の動作周波数に応じて、入力信号を与えるドハティ増幅器を切り替えるスイッチを備える必要がある。このため、回路の大型化を招いてしまうという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、2つの動作周波数の信号を増幅することができるドハティ増幅器を得ることを目的とする。
また、この発明は、適用可能な動作周波数が互いに異なる複数のドハティ増幅器と、複数のドハティ増幅器のうち、入力信号を与えるドハティ増幅器を切り替えるスイッチとを備えることなく、2つの動作周波数の信号を増幅することができるドハティ増幅回路を得ることを目的とする。
この発明に係るドハティ増幅器は、増幅対象の信号である第1及び第2の信号の第1の動作周波数で180×n(nは1以上の整数)度の電気長を有する第1の入力回路と、第1の動作周波数で90度の電気長を有する第2の入力回路と、第1の入力回路を通過してきた第1の信号を増幅する第1の増幅素子と、第2の入力回路を通過してきた第2の信号を増幅する第2の増幅素子と、一端が第1の増幅素子の出力端子と接続されており、第1の動作周波数で90度の電気長を有する第1の出力回路と、一端が第2の増幅素子の出力端子と接続されて、他端が第1の出力回路の他端と接続されており、第1の動作周波数で180×n度の電気長を有する第2の出力回路と、一端が第1及び第2の出力回路の他端と接続されて、他端が接地されており、第1の動作周波数で90度の電気長を有し、第1の動作周波数の2分の1の周波数である第2の動作周波数で45度の電気長を有する補償回路とを備えるようにしたものである。
この発明によれば、一端が第1及び第2の出力回路の他端と接続されて、他端が接地されており、第1の動作周波数で90度の電気長を有し、第1の動作周波数の2分の1の周波数である第2の動作周波数で45度の電気長を有する補償回路を備えるように構成したので、2つの動作周波数の信号を増幅することができる効果がある。
この発明の実施の形態1によるドハティ増幅器を示す構成図である。 図1のドハティ増幅器において、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであるときのバックオフ動作時の等価回路である。 図1のドハティ増幅器において、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2であるときのバックオフ動作時の等価回路である。 図1のドハティ増幅器におけるバックオフ動作時の周波数に対する電力効率を示す説明図である。 図5Aは、補償回路9が、一端が接続点12と接続されて、他端が接地されている伝送線路21である例を示す構成図、図5Bは、補償回路9が、一端が接続点12と接続されて、他端が接地されているインダクタ22である例を示す構成図、図5Cは、補償回路9が、インダクタ23及びコンデンサ24,25を備えている例を示す構成図、図5Dは、補償回路9が、伝送線路26及びコンデンサ27,28を備えている例を示す構成図である。 この発明の実施の形態2によるドハティ増幅器を示す構成図である。 この発明の実施の形態3によるドハティ増幅回路を示す構成図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるドハティ増幅器を示す構成図である。
図1において、入力端子1は、増幅対象の信号(以下、入力信号と称する)が入力される端子である。
分配器2は、例えば、ウィルキンソン電力分配器で実現され、入力端子1から入力された入力信号を2つに分配する回路である。
分配器2は、第1の出力端子2aから、分配した一方の信号を第1の分配信号(第1の信号)として第1の入力回路3に出力し、第2の出力端子2bから、分配した他方の信号を第2の分配信号(第2の信号)として第2の入力回路4に出力する。
この実施の形態1では、分配器2から第1の入力回路3に出力される第1の分配信号の振幅と、分配器2から第2の入力回路4に出力される第2の分配信号の振幅とが同じであるものを想定しているが、第1の分配信号の振幅と、第2の分配信号の振幅とが異なっていてもよい。
第1の入力回路3は、一端が分配器2における第1の出力端子2aと接続されて、他端が第1の増幅素子5の入力端子5aと接続されており、入力信号の第1の動作周波数Fで180×n(nは1以上の整数)度の電気長を有する回路である。
第1の入力回路3は、分配器2における第1の出力端子2aから出力された第1の分配信号を損失無く第1の増幅素子5に与えるための回路であり、例えば、集中定数素子、分布定数素子、π型の回路、T型の回路、もしくは、それらの素子又は回路の組み合わせで実現される。
この実施の形態1では、説明の便宜上、n=1であるとして、第1の入力回路3が、第1の動作周波数Fで180度の電気長を有しているものとする。
第2の入力回路4は、一端が分配器2における第2の出力端子2bと接続されて、他端が第2の増幅素子6の入力端子6aと接続されており、入力信号の第1の動作周波数Fで90度の電気長を有する回路である。
第2の入力回路4は、分配器2における第2の出力端子2bから出力された第2の分配信号を損失無く第2の増幅素子6に与えるための回路であり、例えば、集中定数素子、分布定数素子、π型の回路、T型の回路、もしくは、それらの素子又は回路の組み合わせで実現される。
第1の増幅素子5は、第1の入力回路3を通過してきた第1の分配信号を増幅する増幅素子である。
第1の増幅素子5は、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであれば、例えば、AB級で動作するキャリアンプとして作用し、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fの2分の1の周波数である第2の動作周波数F/2であれば、例えば、C級で動作するピークアンプとして作用する。
第1の増幅素子5は、例えば、FET(FIELD−EFFECT TRANSISTOR)、あるいは、FETとインピーダンス変換回路とを含む増幅回路で実現される。
第2の増幅素子6は、第2の入力回路4を通過してきた第2の分配信号を増幅する増幅素子である。
第2の増幅素子6は、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであれば、例えば、C級で動作するピークアンプとして作用し、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2であれば、例えば、AB級で動作するキャリアンプとして作用する。
第2の増幅素子6は、例えば、FET、あるいは、FETとインピーダンス変換回路とを含む増幅回路で実現される。
第1の出力回路7は、一端が第1の増幅素子5の出力端子5bと接続されて、他端が合成点10と接続されており、入力信号の第1の動作周波数Fで90度の電気長を有する回路である。
第1の出力回路7は、第1の増幅素子5の出力端子5bから出力された増幅後の第1の分配信号を合成点10に伝達するための回路であり、例えば、集中定数素子、分布定数素子、π型の回路、T型の回路、もしくは、それらの素子又は回路の組み合わせで実現される。
第2の出力回路8は、一端が第2の増幅素子6の出力端子6bと接続されて、他端が合成点10と接続されており、入力信号の第1の動作周波数Fで180×n(nは1以上の整数)度の電気長を有する回路である。
第2の出力回路8は、第2の増幅素子6の出力端子6bから出力された増幅後の第2の分配信号を合成点10に伝達するための回路であり、例えば、集中定数素子、分布定数素子、π型の回路、T型の回路、もしくは、それらの素子又は回路の組み合わせで実現される。
この実施の形態1では、説明の便宜上、n=1であるとして、第2の出力回路8が、第1の動作周波数Fで180度の電気長を有しているものとする。
補償回路9は、一端が第1の出力回路7の他端及び第2の出力回路8の他端と接続されて、他端が接地されており、入力信号の第1の動作周波数Fで90度の電気長を有し、入力信号の第2の動作周波数F/2で45度の電気長を有している回路である。
補償回路9は、例えば、集中定数素子、分布定数素子、π型の回路、T型の回路、もしくは、それらの素子又は回路の組み合わせで実現される。
この実施の形態1では、補償回路9が、入力信号の第2の動作周波数F/2で45度の電気長を有する例を説明するが、補償回路9が有する電気長は、第2の動作周波数F/2で厳密に45度である必要はなく、概ね45度であればよい。このため、補償回路9が有する電気長は、第2の動作周波数F/2で45度付近も含まれる。
合成点10は、第1の出力回路7を通過してきた第1の増幅素子5による増幅後の第1の分配信号と、第2の出力回路8を通過してきた第2の増幅素子6による増幅後の第2の分配信号とが合成される点である。
合成点10の後段には、図示せぬ負荷へ信号を伝達するための整合回路などが接続される。
制御部11は、第1の増幅素子5の制御端子5c及び第2の増幅素子6の制御端子6cと接続されている。
制御部11は、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであるときの第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6の動作級と、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2であるときの第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6の動作級とを切り替える回路である。
例えば、制御部11は、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであれば、第1の増幅素子5がAB級で動作するキャリアンプとなって、第2の増幅素子6がC級で動作するピークアンプとなるように、第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6を制御する。
また、制御部11は、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2であれば、第1の増幅素子5がC級で動作するピークアンプとなって、第2の増幅素子6がAB級で動作するキャリアンプとなるように、第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6を制御する。
接続点12は、第1の出力回路7と補償回路9とが接続されている点である。
次に動作について説明する。
制御部11は、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fである場合、第1の増幅素子5がAB級で動作するキャリアンプとなって、第2の増幅素子6がC級で動作するピークアンプとなるように、第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6を制御する。
図2は、図1のドハティ増幅器において、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであるときのバックオフ動作時の等価回路である。
補償回路9は、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fである場合、90度の電気長を有するショートスタブとなるため、接続点12に対して開放端となる。
したがって、補償回路9は、ドハティ増幅器に影響を与えない回路となる。
図2では、補償回路9が、接続点12に対して開放端となることを明示するため、補償回路9と接続点12との間を破線で表している。
ピークアンプとして作用する第2の増幅素子6の後段は、バックオフ動作時に高インピーダンスとなるため、第2の増幅素子6と第2の出力回路8との間が、等価的に開放端となる。
図2では、第2の増幅素子6と第2の出力回路8との間が等価的に開放端となることを明示するため、第2の増幅素子6と第2の出力回路8との間を破線で表している。
第2の出力回路8は、第1の動作周波数Fで180度の電気長を有するため、合成点10に対するインピーダンス変成に影響を与えない回路となる。
入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fである場合、第1の入力回路3は、180度の電気長を有し、第2の入力回路4は、90度の電気長を有しているため、バックオフ動作時の位相関係と飽和時の位相関係とがドハティ増幅器として動作する条件を満足している。ドハティ増幅器として動作する条件自体は、公知であるため詳細な説明を省略する。
したがって、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fである場合、図1のドハティ増幅器によって入力信号が増幅される。
制御部11は、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2である場合、第1の増幅素子5がC級で動作するピークアンプとなって、第2の増幅素子6がAB級で動作するキャリアンプとなるように、第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6を制御する。
図3は、図1のドハティ増幅器において、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2であるときのバックオフ動作時の等価回路である。
補償回路9は、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2である場合、45度の電気長を有するショートスタブと等価となる。
ピークアンプとして作用する第1の増幅素子5の後段は、バックオフ動作時に高インピーダンスとなるため、第1の増幅素子5と第1の出力回路7との間は、等価的に開放端となる。
図3では、第1の増幅素子5と第1の出力回路7との間が等価的に開放端となることを明示するため、第1の増幅素子5と第1の出力回路7との間を破線で表している。
これにより、第1の出力回路7と補償回路9は、共振するため、補償回路9は、第1の出力回路7の電気長をキャンセルする。
その結果、第1の出力回路7における容量性インピーダンスと、補償回路9における誘導性インピーダンスとが、互いに打ち消される。そのため、合成点10に対して、第1の出力回路7と補償回路9とが等価的に接続されていない構成となる。
図3では、合成点10に対して、第1の出力回路7と補償回路9とが等価的に接続されていない構成となることを明示するため、接続点12と合成点10との間を破線で表している。
入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2である場合、第2の出力回路8は、90度の電気長を有するため、バックオフ動作時の位相関係と飽和時の位相関係とがドハティ増幅器として動作する条件を満足している。
したがって、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2である場合、図1のドハティ増幅器によって入力信号が増幅される。
以上より、図1のドハティ増幅器は、入力信号の周波数が、第1の動作周波数Fでも、第2の動作周波数F/2でも増幅することが可能なデュアルバンド動作を実現することができる。
図4は、図1のドハティ増幅器におけるバックオフ動作時の周波数に対する電力効率を示す説明図である。
図4は、第1の動作周波数Fでの電力効率Aと、第2の動作周波数F/2での電力効率Bとを例示している。
図1のドハティ増幅器は、図4に示すように、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであっても、第2の動作周波数F/2であっても、高効率な特性が得られていることがわかる。
ここで、図5は、この発明の実施の形態1によるドハティ増幅器の補償回路9の構成例を示している。
図5Aは、補償回路9が、一端が接続点12と接続されて、他端が接地されている伝送線路21である例を示す構成図である。
図5Bは、補償回路9が、一端が接続点12と接続されて、他端が接地されているインダクタ22である例を示す構成図である。
図5Cは、補償回路9が、インダクタ23及びコンデンサ24,25を備えている例を示す構成図である。
図5Cにおいて、インダクタ23は、一端が接続点12と接続されて、他端が接地されている。
コンデンサ24は、一端が接続点12と接続されて、他端が接地されている。
コンデンサ25は、一端がインダクタ23の他端と接続されて、他端が接地されている。
図5Dは、補償回路9が、伝送線路26及びコンデンサ27,28を備えている例を示す構成図である。
図5Dにおいて、伝送線路26は、一端が接続点12と接続されて、他端が接地されている。
コンデンサ27は、一端が接続点12と接続されて、他端が接地されている。
コンデンサ28は、一端が伝送線路26の他端と接続されて、他端が接地されている。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、一端が第1の出力回路7の他端及び第2の出力回路8の他端と接続されて、他端が接地されており、第1の動作周波数で90度の電気長を有し、第1の動作周波数の2分の1の周波数である第2の動作周波数で45度の電気長を有する補償回路9を備えるように構成したので、2つの動作周波数の信号を増幅することができる効果を奏する。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、第1の入力回路3及び第2の入力回路4を備えるドハティ増幅器について示したが、この実施の形態2では、第1の入力回路3の代わりに第1の整合回路33を備え、第2の入力回路4の代わりに第2の整合回路34を備えるドハティ増幅器について説明する。
図6は、この発明の実施の形態2によるドハティ増幅器を示す構成図である。図6において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
入力端子31は、増幅対象の信号である第1の信号が入力される端子であり、入力端子31から入力された第1の信号は、第1の入力回路3に入力される。第1の信号は、上記実施の形態1における第1の分配信号に相当する。
入力端子32は、増幅対象の信号である第2の信号が入力される端子であり、入力端子32から入力された第2の信号は、第2の入力回路4に入力される。第2の信号は、上記実施の形態1における第2の分配信号に相当する。
この実施の形態2では、入力端子31から入力される第1の信号の位相が、入力端子32から入力される第2の信号の位相よりも、第1の動作周波数Fで90度遅れ、第2の動作周波数F/2で45度遅れている。
また、この実施の形態2では、入力端子31から入力される第1の信号の振幅と、入力端子32から入力される第2の信号の振幅とが同じであるものを想定しているが、第1の信号の振幅と、第2の信号の振幅とが異なっていてもよい。
第1の整合回路33は、入力端子31と第1の増幅素子5の入力端子5aとの間に挿入され、第1の増幅素子5の入力インピーダンスを変性する回路である。
第2の整合回路34は、入力端子32と第2の増幅素子6の入力端子6aとの間に挿入され、第2の増幅素子6の入力インピーダンスを変性する回路である。
次に動作について説明する。
第1の整合回路33が、入力端子31と第1の増幅素子5の入力端子5aとの間に挿入されているため、入力端子31から入力された第1の信号は、第1の増幅素子5の入力端子5aまで伝送される。
また、第2の整合回路34が、入力端子32と第2の増幅素子6の入力端子6aとの間に挿入されているため、入力端子32から入力された第2の信号は、第2の増幅素子6の入力端子6aまで伝送される。
この実施の形態2では、入力端子31から入力される第1の信号の位相は、入力端子32から入力される第2の信号の位相よりも、第1の動作周波数Fで90度遅れ、第2の動作周波数F/2で45度遅れている。
このため、第1の増幅素子5の入力端子5aから入力される第1の信号の位相は、上記実施の形態1と同様に、第2の増幅素子6の入力端子6aから入力される第2の信号の位相よりも、第1の動作周波数Fで90度遅れ、第2の動作周波数F/2で45度遅れている。
その他の動作は、上記実施の形態1と同様であるため詳細な説明を省略する。
以上で明らかなように、第1の入力回路3の代わりに第1の整合回路33を備え、第2の入力回路4の代わりに第2の整合回路34を備える場合、入力端子31から入力される第1の信号の位相が、入力端子32から入力される第2の信号の位相よりも、第1の動作周波数で90度遅れ、第2の動作周波数で45度遅れている場合、上記実施の形態1と同様に、2つの動作周波数の信号を増幅することができる効果を奏する。
実施の形態3.
この実施の形態3では、複数のドハティ増幅器が並列に接続されているドハティ増幅回路について説明する。
図7は、この発明の実施の形態3によるドハティ増幅回路を示す構成図である。図7において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
ドハティ増幅器41,42は、図1のドハティ増幅器と同じ構成の増幅器であり、適用可能な動作周波数が同じである。
この実施の形態3では、ドハティ増幅回路が、2つのドハティ増幅器41,42を備える例を説明するが、3つ以上のドハティ増幅器を備えるようにしてもよい。
適用可能な動作周波数が同じ複数のドハティ増幅器が並列に接続されることで、増幅率を高めることができる。
分配回路51は、例えば、ウィルキンソン電力分配器で実現され、入力信号を2つに分配する回路である。
分配回路51は、分配した一方の入力信号を増幅対象の信号として、ドハティ増幅器41に出力し、分配した他方の入力信号を増幅対象の信号として、ドハティ増幅器42に出力する。
合成回路52は、例えば、ウィルキンソン電力合成器で実現され、ドハティ増幅器41から出力された信号とドハティ増幅器42から出力された信号とを合成し、合成した信号を出力する回路である。
次に動作について説明する。
分配回路51は、入力信号を2つに分配し、分配した一方の入力信号を増幅対象の信号として、ドハティ増幅器41に出力し、分配した他方の入力信号を増幅対象の信号として、ドハティ増幅器42に出力する。
ドハティ増幅器41,42の動作は、上記実施の形態1と同様であるため詳細な説明を省略する。
合成回路52は、ドハティ増幅器41の合成点10から出力された信号と、ドハティ増幅器42の合成点10から出力された信号とを合成し、合成した信号を外部に出力する。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、入力信号を複数に分配して、分配した入力信号である各々の分配信号を増幅対象の信号として、複数のドハティ増幅器にそれぞれ出力する分配回路51と、複数のドハティ増幅器から出力された信号を合成する合成回路52とを備えるように構成したので、上記実施の形態1と同様に、適用可能な動作周波数が互いに異なる複数のドハティ増幅器と、複数のドハティ増幅器のうち、入力信号を与えるドハティ増幅器を切り替えるスイッチとを備えることなく、2つの動作周波数の信号を増幅することができる効果を奏する。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明は、第1及び第2の増幅素子を備えるドハティ増幅器に適しており、また、複数のドハティ増幅器を備えるドハティ増幅回路に適している。
1 入力端子、2 分配器、2a 第1の出力端子、2b 第2の出力端子、3 第1の入力回路、4 第2の入力回路、5 第1の増幅素子、5a 入力端子、5b 出力端子、5c 制御端子、6 第2の増幅素子、6a 入力端子、6b 出力端子、6c 制御端子、7 第1の出力回路、8 第2の出力回路、9 補償回路、10 合成点、11 制御部、12 接続点、21 伝送線路、22 インダクタ、23 インダクタ、24,25 コンデンサ、26 伝送線路、27,28 コンデンサ、31,32 入力端子、33 第1の整合回路、34 第2の整合回路、41,42 ドハティ増幅器、51 分配回路、52 合成回路。
第1の増幅素子5は、第1の入力回路3を通過してきた第1の分配信号を増幅する増幅素子である。
第1の増幅素子5は、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであれば、例えば、AB級で動作するキャリアンプとして作用し、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fの2分の1の周波数である第2の動作周波数F/2であれば、例えば、C級で動作するピークアンプとして作用する。
第1の増幅素子5は、例えば、FET(FIELD−EFFECT TRANSISTOR)、あるいは、FETとインピーダンス変換回路とを含む増幅回路で実現される。
第2の増幅素子6は、第2の入力回路4を通過してきた第2の分配信号を増幅する増幅素子である。
第2の増幅素子6は、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであれば、例えば、C級で動作するピークアンプとして作用し、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2であれば、例えば、AB級で動作するキャリアンプとして作用する。
第2の増幅素子6は、例えば、FET、あるいは、FETとインピーダンス変換回路とを含む増幅回路で実現される。
制御部11は、第1の増幅素子5の制御端子5c及び第2の増幅素子6の制御端子6cと接続されている。
制御部11は、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであるときの第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6の動作級と、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2であるときの第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6の動作級とを切り替える回路である。
例えば、制御部11は、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであれば、第1の増幅素子5がAB級で動作するキャリアンプとなって、第2の増幅素子6がC級で動作するピークアンプとなるように、第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6を制御する。
また、制御部11は、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2であれば、第1の増幅素子5がC級で動作するピークアンプとなって、第2の増幅素子6がAB級で動作するキャリアンプとなるように、第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6を制御する。
接続点12は、第1の出力回路7と補償回路9とが接続されている点である。
次に動作について説明する。
制御部11は、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fである場合、第1の増幅素子5がAB級で動作するキャリアンプとなって、第2の増幅素子6がC級で動作するピークアンプとなるように、第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6を制御する。
図2は、図1のドハティ増幅器において、入力信号の動作周波数が第1の動作周波数Fであるときのバックオフ動作時の等価回路である。
制御部11は、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2である場合、第1の増幅素子5がC級で動作するピークアンプとなって、第2の増幅素子6がAB級で動作するキャリアンプとなるように、第1の増幅素子5及び第2の増幅素子6を制御する。
図3は、図1のドハティ増幅器において、入力信号の動作周波数が第2の動作周波数F/2であるときのバックオフ動作時の等価回路である。

Claims (6)

  1. 増幅対象の信号である第1及び第2の信号の第1の動作周波数で180×n(nは1以上の整数)度の電気長を有する第1の入力回路と、
    前記第1の動作周波数で90度の電気長を有する第2の入力回路と、
    前記第1の入力回路を通過してきた前記第1の信号を増幅する第1の増幅素子と、
    前記第2の入力回路を通過してきた前記第2の信号を増幅する第2の増幅素子と、
    一端が前記第1の増幅素子の出力端子と接続されており、前記第1の動作周波数で90度の電気長を有する第1の出力回路と、
    一端が前記第2の増幅素子の出力端子と接続されて、他端が前記第1の出力回路の他端と接続されており、前記第1の動作周波数で180×n度の電気長を有する第2の出力回路と、
    一端が前記第1及び第2の出力回路の他端と接続されて、他端が接地されており、前記第1の動作周波数で90度の電気長を有し、前記第1の動作周波数の2分の1の周波数である第2の動作周波数で45度の電気長を有する補償回路と
    を備えたドハティ増幅器。
  2. 前記第1及び第2の信号の動作周波数が前記第1の動作周波数であるときの前記第1及び第2の増幅素子の動作級と、前記第1及び第2の信号の動作周波数が前記第2の動作周波数であるときの前記第1及び第2の増幅素子の動作級とを切り替える制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載のドハティ増幅器。
  3. 増幅対象の信号を2つに分配して、分配した一方の信号を前記第1の信号として前記第1の入力回路に出力し、分配した他方の信号を前記第2の信号として前記第2の入力回路に出力する分配器を備えたことを特徴とする請求項1記載のドハティ増幅器。
  4. 前記補償回路の一端は、前記第1の動作周波数で開放端となり、
    前記補償回路は、前記第2の動作周波数で前記第1の出力回路と共振して、前記第1の出力回路の電気長をキャンセルすることを特徴とする請求項1記載のドハティ増幅器。
  5. 前記第1の動作周波数で180×n度の電気長を有する前記第1の入力回路の代わりに、前記第1の増幅素子の入力インピーダンスを変性する第1の整合回路と、
    前記第2の動作周波数で90度の電気長を有する前記第2の入力回路の代わりに、前記第2の増幅素子の入力インピーダンスを変性する第2の整合回路とを備え、
    前記第1の整合回路に入力される第1の信号の位相が、前記第2の整合回路に入力される第2の信号の位相よりも、前記第1の動作周波数で90度遅れ、前記第2の動作周波数で45度遅れていることを特徴とする請求項1記載のドハティ増幅器。
  6. 増幅対象の信号である第1及び第2の信号の第1の動作周波数で180×n(nは1以上の整数)度の電気長を有する第1の入力回路と、
    前記第1の動作周波数で90度の電気長を有する第2の入力回路と、
    前記第1の入力回路を通過してきた前記第1の信号を増幅する第1の増幅素子と、
    前記第2の入力回路を通過してきた前記第2の信号を増幅する第2の増幅素子と、
    一端が前記第1の増幅素子の出力端子と接続されており、前記第1の動作周波数で90度の電気長を有する第1の出力回路と、
    一端が前記第2の増幅素子の出力端子と接続されて、他端が前記第1の出力回路の他端と接続されており、前記第1の動作周波数で180×n度の電気長を有する第2の出力回路と、
    一端が前記第1及び第2の出力回路の他端と接続されて、他端が接地されており、前記第1の動作周波数で90度の電気長を有し、前記第1の動作周波数の2分の1の周波数である第2の動作周波数で45度の電気長を有する補償回路とを備えたドハティ増幅器が、複数並列に接続されており、
    入力信号を複数に分配して、分配した入力信号である各々の分配信号を増幅対象の信号として、前記複数のドハティ増幅器にそれぞれ出力する分配回路と、
    前記複数のドハティ増幅器から出力された信号を合成する合成回路とを備えたことを特徴とするドハティ増幅回路。
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