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JPWO2016157459A1 - 揮散部材に吸液させて揮散させる揮散液 - Google Patents

揮散部材に吸液させて揮散させる揮散液 Download PDF

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JPWO2016157459A1
JPWO2016157459A1 JP2017508965A JP2017508965A JPWO2016157459A1 JP WO2016157459 A1 JPWO2016157459 A1 JP WO2016157459A1 JP 2017508965 A JP2017508965 A JP 2017508965A JP 2017508965 A JP2017508965 A JP 2017508965A JP WO2016157459 A1 JPWO2016157459 A1 JP WO2016157459A1
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Abstract

発明は、揮散部材に吸液させて揮散させる揮散液であって、揮散性薬剤が安定に可溶化されており、しかも使用中期及び後期における揮散性薬剤の揮散速度の低下を抑制でき、効果の持続性に優れる揮散液を提供することを目的とする。揮散性薬剤、界面活性剤、及び水を含有する、揮散部材に吸液させて揮散させる揮散液において、界面活性剤として、少なくともアニオン性界面活性剤を使用し、且つ揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部当たりのアニオン性界面活性剤の比率を40重量部以上に設定することにより、揮散性薬剤を可溶化でき、しかも使用中期及び後期の揮散速度の低下を抑制し、揮散性薬剤の効果の持続性が良好になる。

Description

本発明は、揮散部材に吸液させて揮散させる揮散液に関する。より具体的には、本発明は、揮散部材に吸液させて揮散させる揮散液であって、揮散性薬剤が可溶化されており、しかも使用後期の揮散速度の低下を抑制でき、揮散性薬剤の効果の持続性に優れる揮散液に関する。更に、本発明は、当該揮散液を利用した揮散器に関する。
従来、室内、自動車等の空間に、芳香を付与したり、蚊、ユスリカ、蚋、ハエ等の飛翔害虫を忌避したりするために、香料や害虫忌避剤等の揮散性薬剤を配合した揮散液が広く使用されている。このような芳香や害虫忌避作用を発揮できる揮散性薬剤は、通常、油性であるため、揮散液中で可溶化させることが必要になる。
従来、揮散性薬剤の可溶化には、主としてノニオン性界面活性剤が使用されている。ノニオン性界面活性剤は、アニオン性界面剤やカチオン活性性界面剤のようにイオン性を示さないため、他の添加成分と反応して沈殿したり変色を生じさせたりしないため、揮散性薬剤の可溶化には、最も適していると考えられており、揮散性薬剤の可溶化において中心的な役割を果たしている(例えば、特許文献1参照)。また、従来技術では、揮散性薬剤を可溶化するには比較的多量のノニオン性界面活性剤が必要とされるところ、界面活性剤は揮散しないため、従来の揮散液では、揮散性薬剤の揮散終了時にも比較的多量に添加されているノニオン性界面活性剤が残存するという欠点がある。このような欠点は、揮散終了時における外観の悪化を招くことがあり、使用者に不快感を与えかねない。
一方、アニオン性界面剤は、揮散液に添加されることはあるものの、あくまで曇点の上昇を目的とする助剤として使用されており、その添加量も僅かに過ぎず、揮散性薬剤の可溶化の役割を担うものではなかった。
また、揮散液を効率的に揮散させるために、繊維質材料、木質材料等の吸水性材料からなる揮散部材に含浸させた状態で揮散させるように設計された揮散器が使用されている。このような揮散器は、効率的な揮散液の揮散が可能になるものの、使用中期及び後期では、揮散性薬剤の揮散速度が低下し、揮散性薬剤の効果が減弱するという欠点がある。このような使用中期及び後期における揮散速度が低下の要因については解明されておらず、従来技術では、使用中期及び後期における揮散性薬剤の揮散速度の低下抑制に有効な手段は講じることができていないのが現状である。
特許第5594979号公報
本発明者は、従来の揮散液における使用中期及び後期における揮散性薬剤の揮散速度の低下原因を究明すべく鋭意検討を行ったところ、意外にも、揮散性薬剤を可溶化するために添加されている多量のノニオン性界面活性剤が使用中期及び後期における揮散性薬剤の揮散速度の要因になっていることを明らかにした。具体的には、従来の揮散液では、使用時間の経過と共に、多量に含まれるノニオン性界面活性剤が揮散部材に集積し、揮散部材に目詰まりを起こし、その結果、使用中期及び後期の揮散速度の低下の一因になっていることを突き止めた。しかしながら、従来技術では、揮散性薬剤の可溶化には、十分量のノニオン性界面活性剤が不可欠で、ノニオン界面活性剤の添加量の減量は、揮散性薬剤の不溶化又は可溶化安定性の低下をきたすと考えられており、ノニオン性界面活性剤が揮散部材に集積することが一因となって生じる使用中期及び後期の揮散速度の低下を回避する術は、従来技術の知見からは見出すことができない。
このような背景の下、本発明は、揮散部材に吸液させて揮散させる揮散液であって、揮散性薬剤が安定に可溶化されており、しかも使用中期及び後期における揮散性薬剤の揮散速度の低下を抑制でき、効果の持続性に優れる揮散液を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、意外なことに、揮散性薬剤を可溶化させるための主剤としてアニオン性界面活性剤を使用することによって、揮散性薬剤を十分に可溶化でき、しかも使用中期及び後期における揮散性薬剤の揮散速度の低下を抑制し、効果の持続性に優れる揮散液を調製可能になることを見出した。より具体的には、揮散性薬剤、界面活性剤、及び水を含有する、揮散部材に吸液させて揮散させる揮散液において、界面活性剤として、少なくともアニオン性界面活性剤を使用し、且つ揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部当たりのアニオン性界面活性剤の比率を40重量部以上に設定することにより、揮散性薬剤を可溶化でき、しかも使用中期及び後期の揮散速度の低下を抑制し、揮散性薬剤の効果の持続性が良好になることを見出した。更に、前記揮散液では、界面活性剤の総含有量を減らしても揮散性薬剤の可溶化が可能で、揮散性薬剤の揮散終了時に残存する界面活性剤量を低減できることをも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 揮散部材に吸液させて揮散させる揮散液であって、
揮散性薬剤、界面活性剤、及び水を含有し、
前記界面活性剤として、少なくともアニオン性界面活性剤を含み、揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部当たりのアニオン性界面活性剤の比率が40重量部以上である、揮散液。
項2. 揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部当たりのアニオン性界面活性剤の比率が50重量部以上である、項1に記載の揮散液。
項3. 揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部当たりのアニオン性界面活性剤の比率が50〜90重量部である、項1又は2に記載の揮散液。
項4. 界面活性剤として、更にノニオン性界面活性剤を含む、項1〜3のいずれかに記載の揮散液。
項5. 揮散性薬剤100重量部当たり、界面活性剤が総量で50〜1000重量部含まれる、項1〜4のいずれかに記載の揮散液。
項6. 前記揮散性薬剤が、香料及び/又は害虫忌避剤成分である、項1〜5のいずれかに記載の揮散液。
項7. 前記アニオン性界面活性剤が、ジアルキルスルホコハク酸塩、及び/又はポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、項1〜6のいずれかに記載の揮散液。
項8. 揮散液における界面活性剤の総含有量が0.1〜75重量%である、項1〜7のいずれかに記載の揮散液。
項9. 開口部を有する容器と、前記容器に収容された項1〜8のいずれかに記載の揮散液と、前記揮散液を吸液して揮散させる揮散部材とを備え、
前記揮散部材の少なくとも一部が前記開口部から容器外に露出するように設置されている、揮散器。
本発明によれば、所定の比率でアニオン性界面活性剤を使用することによって、揮散性薬剤を十分に可溶化し、更に使用中期及び後期における揮散性薬剤の揮散速度の低下を抑制できるので、効果の持続性に優れる揮散液の提供が可能になる。更に、本発明によれば、従来の揮散液に比べて界面活性剤の総含有量を減らしても、揮散性薬剤の可溶化が可能であるので、揮散性薬剤の揮散終了時に残存する界面活性剤量を低減させることもできる。
試験例1及び2で使用した揮散部材の形状(平面図)を示す図である。 試験例1において各揮散液(芳香液)の香気の持続性を評価した結果を示す図である。 試験例2において各揮散液(芳香液)の香気の持続性を評価した結果を示す図である。
1.揮散液
本発明の揮散液は、揮散部材に吸液させて揮散させる揮散液であって、揮散性薬剤、界面活性剤、及び水を含有し、当該界面活性剤として、少なくともアニオン性界面活性剤を含み、揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部当たりのアニオン性界面活性剤の比率が40重量部以上であることを特徴とする。以下、本発明の揮散液について説明する。
(揮散性薬剤)
本発明の揮散液は、揮散させる空間に備えさせるべき機能において、揮散性薬剤を含む。揮散性薬剤は、油性であり、単独では、水に可溶化できないが、本発明では、アニオン界面活性剤を所定の比率で含むことにより、揮散性薬剤を安定に可溶化することができる。
本発明で使用される揮散性薬剤の種類については、室温で揮散可能であることを限度として特に制限されず、揮散された空間に備えさせるべき機能に応じて適宜選定すればよい。揮散性薬剤として、具体的には、香料、害虫忌避剤成分、消臭剤成分、殺虫剤成分、抗菌剤成分等が挙げられる。
香料については、天然香料、天然香料から分離された単品香料、合成された単品香料、及びこれらの調合香料のいずれであってもよく、従来公知の香料を使用することができる。具体的には、単品香料として、d-リモネン、カリオフィレン、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、ターピノレン、オシメン、γ-ターピネン、α-フェランドレン、p−サイメン、β-カリオフィレン、β-ファルネセン、1,3,5−ウンデカトリエン、ジフェニルメタン等の炭化水素系香料;シス-3-ヘキセノール、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、トランス-2-ヘキセノール、シス-3-ヘキセノール、3-オクタノール、1-オクテン-3-オール、2、6-ジメチル-2-ヘプタノール、9-デセノール、4-メチル-3-デセン-5-オール、10-ウンデセノール、トランス-2-シス-6-ノナジエタノール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ロジノール、ミルセノール、ラバンジュロール、テオラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、ヒドロキシシトロネロール、ジヒドロミルセノール、アロオキシメノール、ターピネオール、α-ターピネオール、ターピネン-4-オール、メントール、ボルネオール、イソプレゴール、ノポール、ファルネソール、ネロリドール、セドロール、パチュリアルコール、ベチベロール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-メタノール、4-イソプロピルシクロヘキサノール、4-イソプロピルシクロヘキサンメタノール、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)-エタノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパノール、p−t-ブチルシクロヘキサノール、o-t-ブチルシクロヘキサノール、アンブリノール、1-(2-t-ブチルシクロヘキシルオキシ)-2-ブタノール、ペンタメチルシクロヘキシルプロパノール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)-3-ヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエチルアルコール、スチラリルアルコール、アニスアルコール、シンナミックアルコール、フェニルプロピルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルフェニルエチルカルビノール、フェニルエチルメチルエチルカルビノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、チモール、カルバクロール、オルシノールモノメチルエーテル、オイゲノール、イソオイゲノール、プロペニルグアエトール、サンタロール、イソボルニルシクロヘキサノール、サンダロア、バグダノール、サンダルマイソルコア、ブラマノール、エバノール、ポリサントール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール等のアルコール系香料;ジフェニルオキシド、p-クレジルエチルエーテル、dl-ローズオキシド、(ネロールオキサイド、ミロキサイド、1,8-シネオール、ローズオキサイド、リメトール、メントフラン、リナロールオキサイド、ブチルジメチルジヒドロキシピラン、アセトキシアミルテトラヒドロピラン、セドリルメチルエーテル、メトキシシクロドデカン、1-メチル-1-メトキシシクロドデカン、エトキシメチルシクロドデシルエーテル、トリクロデセニルメチルエーテル、ルボフィックス、セドロキサイド、アンブロキサン、グリサルバ、ボワジリス、アニソール、ジメチルハイドロキノン、パラクレジルメチルエーテル、アセトアニソール、アネトール、ジヒドロアネトール、エストラゴール、ジフェニルオキサイド、メチルオイゲノール、フェニルエチルイソアミルエーテル、β-ナフチルメチルエーテル、β-ナフチルイソブチルエーテル)等のエーテル系香料;ヘキサナール、シトラール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、ドデシルアルデヒド、トリデシルアルデヒド、トリメチルヘキシルアルデヒド、メチルオクチルアセチルアルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール、シス-4-ヘプテナール、2,6-ノナジエナール、シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、ウンデシレンアルデヒド、トランス-2-ドデセナール、トリメチルウンデセナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、ペリラルデヒド、メトキシジヒドロシトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、2,4-ジメチル-3-氏クロヘキセニルカルボキシアルデヒド、イソシクロシトラール、センテナール、マイラックアルデヒド、リラール、ベルンアルデヒド、デュピカール、マセアール、ボロナール、セトナール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヒドロトロピックアルデヒド、アニスアルデヒド、p-メチルフェニルアセトアルデヒド、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、3-(p-t-ブチルフェニル)-プロピルアルデヒド、p-エチル-2,2-ジメチルヒドロシンナムアルデヒド、2-メチル-3-(p-メトキシフェニル)-プロピルアルデヒド、p-t-ブチル-α-メチルヒドロシンナミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、ヘリオトロピン、ヘリオナール、バニリン、エチルバニリン、メチルバニリン等のアルデヒド系香料;オクチルアルデヒドグリコールアセタール、アセトアルデヒドエチルシス-3-ヘキセニルアセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、アセトアルデヒドエチルリナリルアセタール、アセトアルデヒドエチルリナリルアセタール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、ヒドラトロピックアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドヒドグリセリルアセタール、アセトアルデヒドエチルフェニルアセタール、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、フェニルプロピルアルデヒドプロピレングリコールアセタール、4,4,6-トリメチル-2-ベンジル-1,3-ジオキサン、2,4,6-トリメチル-2-フェニル-1,3-ジオキサン、2-ブチル-4,4,6-トリメチル-1,3-ジオキサン、テトラヒドロインデノ-m-ジオキシン、ジメチルテトラヒドロインデノ-m-ジオキシン、カラナール等のアセタール系香料;エチルブチレート、スチラリルアセテート、o-t-ブチルシクロへキシルアセテート、蟻酸エチル、蟻酸シス-3-ヘキセニル、蟻酸リナリル、蟻酸シトロネリル、蟻酸ゲラニル、蟻酸ベンジル、蟻酸フェニルエチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、シクロペンチリデン酢酸メチル、酢酸ヘキシル、酢酸シス-3-ヘキセニル、酢酸トランス-3-ヘキセニル、酢酸イソノニル、酢酸シトロネリル、酢酸ラバンジュリル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸ミルセニル、酢酸ターピニル、酢酸メンチル、酢酸メンタニル、酢酸ノピル、酢酸n-ボルニル、酢酸イソボルニル、酢酸p-t-ブチルシクロヘキシル、酢酸o-t-ブチルシクロヘキシル、酢酸トリシクロデセニル、酢酸 2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-メタニル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸スチラリル、酢酸シンナミル、酢酸アニシル、酢酸パラクレジル、酢酸ヘリオトロピル、アセチルオイゲノール、アセチルイソオイゲノール、酢酸グアイル、酢酸セドリル、酢酸ベチベリル、酢酸デカヒドロβナフチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸シロネリル、プロピオン酸シロネリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸リナリル、プロピオン酸ターピニル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸シンアミル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸トリシクロデセニル、酪酸エチル、2-メチル酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、酪酸ヘキシル、酪酸リナリル、酪酸ゲラニル、酪酸シトロネリル、酪酸ベンジル、イソ酪酸シス-3-ヘキセニル、イソ酪酸シトロネリル、イソ酪酸ゲラニル、イソ酪酸リナリル、イソ酪酸ベンジル、イソ酪酸フェニルエチル、イソ酪酸フェノキシエチル、イソ酪酸トリシクロデセニル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸シトロネリル、イソ吉草酸ゲラニル、イソ吉草酸シンアミル、イソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸フェニルエチル、カプロン酸エチル、カプロン酸アリル、エナント酸エチル、エナント酸アリル、カプリン酸エチル、チグリン酸シトロネリル、オクチンカルンボン酸メチル、2-ペンチロキシグリコール酸アリル、シス-3-ヘキセニルメチルカーボネート、ケト酸エチル、ピルビン酸イソアミル、アセト酸エチル、レブリン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸イソブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸ゲラニル、安息香酸リナリル、安息香酸ベンジル、安息香酸フェニルエチル、安息香酸フェニルエチル、ジヒドロキシメチル安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸ベンジル、フェニル酢酸フェニルエチル、フェニル酢酸p-クレジル、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸シンアミル、桂皮酸フェニルエチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス-3-ヘキセニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、アンスラニル酸エチル、メチルアンスラニル酸メチル、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、メチルフェミルグリシド酸エチル、フェニルグリシド酸エチル、グリコメル、フラクトン、フレイストン、フルテート、ジベスコン、エチル2-メチル-6-ペンチル-4-オキサ-2-シクロヘキセンカーボネート等のエステル系香料;2-オクタノン、δ-ダマスコン、アセトイン、ジアセチル、ミチルアミルケトン、エチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メチルヘプテノン、コアボン、カンファー、カルボン、メントン、d-プレゴン、ピペリトン、フェンチョン、ゲラニルアセトン、セドリルメチルケトン、ヌートカトン、イオノン、α-イオノン、β-イオノン、メチルイオノン、α-n-メチルイオノン、β-n-メチルイオノン、α-イソイオノン、β-イソイオノン、アリルイオノン、イロン、α-イロン、β-イロン、γ-イロン、ダマスコン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、ダイナスコン、α-ダイナスコン、β-ダイナスコン、マルトール、エチルマルトール、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフランノン、シュガーラクトン、p-t-ブチルシクロヘキサノン、アミルシクロペンタノン、ヘプチルシクロペンタノン、ジヒドロジャスモン、シスージャスモン、フロレックス、プリカトン、4-シクロヘキシル-4-メチル-2-ペンタノン、p-メンテン-6-イルプロパノン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、エトキシビニルテトラシクロヘキサノン、ジヒドロペンタメチルインダノン、イソ・イー・スーパー、トリモフィックス、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、ベンジルアセトン、カローン、ラズベリーケトン、アニシルアセトン、4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-ブタノン、メチルナフチルケトン、4-フェニル-4-メチル-2-ペンタノン、ベンゾフェノン等のケトン系香料;ゲラニル酸、シトロネリル酸、安息香酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、桂皮酸、2-メチル-2-ペンテノ酸等のカルボン酸系香料;γ-オクタラクトン、γーノナラクトン、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、δ-デカラクトン、クマリン、ジヒドロクマリン、ジャスモラクトン、ジャスミンラクトン等のラクトン系香料;ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、12-ケトシクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、シクロヘキサデセノリド、12-オキサ-16-ヘキサデカノリド、11-ヘキサ-16-ヘキサデカノリド、10-オキサ-16-ヘキサデカノリド、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、ムスクケトン、ムスクキシロール、ムスクアンブレット、ムスクチベテン、ムスクモスケン、6-アセチルヘキサメチルインダン、4-アセチルジメチル-t-ブチルインダン、5-アセチルテトラメチルイソプロプルインダン、6−アセチルヘキサテトラリン、ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタンベンゾピラン等のム
スク系香料;アセチルピロール、インドール、スカトール、インドレン、2-アセチルピリジン、マリティマ、6-メチルキノリン、6-イソプロピルキノリン、イソブチルキノリン、2-アセチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、2-イソプロピル-3-メトキシピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジン、2-セカンダリーブチル-3-メトキシピラジン、トリメチルピラジン、5-メチル-3-ヘプタンオキシム等の窒素含有香料;ゲラニルニトリル、シトロネリルニトリル、5-フェニル-2,6-ノナジエンニトリル、シナモンニトリル、クミンニトリル、ドデカンニトリル、トリデセン-2-ニトリルと等のニトリル系香料;ジメチルスルフィド、2-メチル-4-プロピル-1,3-オキサチアン、イソオシアン酸アリル、p-メンタン-8-チオール-3-オン、p-メンテン-8-チオール、p-メンチルチオプロピオン酸メチル等の硫黄含有香料等が例示される。また、天然香料としては、チュベローズ油、ムスクチンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリスチンキ、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、しょう脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パチュリ油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、アニス油、ベイ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ベチバー油、ベルガモット油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油、シナモン油、レモンユーカリ油、ホワイトタイム油、樟脳油等が挙げられる。これらの香料は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて調香して使用することもできる。
また、前述する香料には、香気を付与すると共に、飛翔昆虫、ゴキブリ、ダニ等の害虫に対する忌避作用を発揮し得るものが含まれている。このような忌避作用を有する香料としては、例えば、シトロネラール、シトラール等のアルデヒド系香料;シトロネロール、ゲラニオール、テルピネオール、メントール、p−メンタン−3,8−ジオール、ボルネオール等のアルコール系香料;メンタン、カンフェン、ピネン等の炭化水素系香料;メチルサリシレート、ゲラニルフォーメート等のエステル系香料;シトロネラ油、シナモン油、ユーカリ油、レモンユーカリ油、ヒバ油、ラベンダー油、オレンジ油、グレープフルーツ油、シダーウッド油、ゼラニウム油、ホワイトタイム油、ハッカ油、レモングラス油、樟脳油等の天然香料;これらの調合香料等が挙げられる。
害虫忌避剤成分としては、飛翔昆虫(蚊、ユスリカ、蚋、ハエ等)、ゴキブリ、ダニ等の害虫を忌避できるものであればよいが、例えば、前述する忌避作用を有する香料の他、ピレスロイド系化合物、ナフタレン系化合物、パラジクロロベンゼン系化合物、樟脳、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、p−メンタン−3,8−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、p−ジクロロベンゼン、ジ−n−ブチルサクシネート、カラン−3,4−ジオール、1−メチルプロピル−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシレート、イソチオシアン酸アリル、植物抽出物(カラシ、ワサビ等)、木酢液等が挙げられる。これらの害虫忌避剤成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
消臭剤成分としては、例えば、安定化二酸化塩素;アルデヒド化合物;グリコールエーテル化合物;フィトンチッド系香料;低級脂肪族アルデヒド系香料等が挙げられる。
これらの消臭剤成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
殺虫剤成分としては、例えば、ヒノキチオール、ヒバ油、アリルイソチオシアネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エタノール、プロパノール、1.8―シネオール等が挙げられる。これらの防虫剤成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
抗菌剤成分としては、例えば、アリルイソチオシアネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。これらの抗菌剤成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
これらの揮散性薬剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの揮散性薬剤の中でも、香料及び害虫忌避剤成分、とりわけ害虫忌避剤成分は、長期間に亘って使用されることが多く、使用中期と後期における効果の持続性が強く要求される薬剤であるので、本発明において特に好適に使用される。
本発明の揮散液において、揮散性薬剤の含有量については、当該揮散性薬剤の種類、揮散させる空間に備えさせるべき効果の程度等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは0.1〜10重量%が挙げられる。
(界面活性剤)
本発明の揮散液は、界面活性剤として、少なくともアニオン性界面活性剤を含有する。本願発明では、アニオン性界面活性剤を後述する特定の比率で含有させることにより、揮散性薬剤を安定に可溶化でき、しかも使用中期及び後期における揮散性薬剤の揮散速度の低下を抑制し、効果の持続性を向上させることが可能になる。
本発明で使用されるアニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩エステル、N−アシルアミン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
より具体的には、アニオン性界面活性剤として、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム等の炭素数7〜22の脂肪酸塩;POEラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム、POP・POEミリスチルエーテルカルボン酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が7〜22のポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩等の炭素数7〜22のアルキル硫酸エステル塩;POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEトリデシルエーテル硫酸アンモニウム等のアルキル基の炭素数が7〜22のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム等のアシル基の炭素数が7〜22のN−アシルアミン酸塩;アルカンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等の炭素数7〜22のアルキルスルホン酸塩;N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ脂肪酸メチルタウリンナトリウム等の脂肪酸の炭素数が7〜22の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩;POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が7〜22のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が7〜22のジアルキルスルホコハク酸塩;POEラウリルエーテルスルホコハク酸2ナトリウム等のアルキル基の炭素数が7〜22のポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン塩等のアルキル基の炭素数が7〜22のアルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。これらの内、ポリオキシアルキレン基を含むアニオン性界面活性剤については、そのポリオキシアルキレンの付加モル数は、特に制限されないが、例えば10〜100程度、好ましくは10〜80程度が挙げられる。なお、本明細書において、「POE」とはポリオキシエチレンの略記であり、「POP」とはポリオキシプロピレンの略記である。
これらのアニオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのアニオン性界面活性剤の中でも、揮散性薬剤の可溶化効果、使用中期及び後期における揮散性薬剤の揮散速度の低下抑制効果をより一層向上させるという観点から、好ましくは、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;更に好ましくはアルキル基の炭素数が7〜22のジアルキルスルホコハク酸塩、アルキル基の炭素数が7〜22のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;特に好ましくはジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる
本発明の揮散液では、含有する界面活性剤の総量(全ての界面活性剤の合計量)100重量部に対してアニオン性界面活性剤が占める比率が40〜100重量部となるように設定する。このような比率を充足させることにより、揮散性薬剤を可溶化させつつ、使用中期及び後期における揮散性薬剤の揮散速度の低下を抑制し、効果の持続性を向上させることが可能になる。揮散性薬剤の可溶化効果、使用中期及び後期における揮散性薬剤の揮散速度の低下抑制効果をより一層向上させるという観点から、本発明の揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部に対するアニオン性界面活性剤の比率として、好ましくは50〜100重量部、更に好ましくは50〜90重量部が挙げられる。
本発明の揮散液におけるアニオン性界面活性剤の含有量については、使用する揮散性薬剤の種類や含有量、必要に応じて添加される他の界面活性剤の含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1〜30重量%、好ましくは0.25〜20重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%が挙げられる。
また、本発明の本発明の揮散液は、アニオン性界面活性剤以外に、ノニオン性界面活性剤が含まれていてもよい。前述するアニオン性界面活性剤の比率を充足しつつ、ノニオン性界面活性剤が含まれていると、より一層効果的に揮散性薬剤を可溶化させることが可能になる。
本発明で使用されるノニオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、ポリオキシアルキレンヒマシ油;ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキル多価アルコールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、脂肪酸アルカノールアミド、アシルメチルグルカミド、ポリオキシアルキレンアセチレングリコール;ポリオキシアルキレンラノリン;アルキルポリグルコシド等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤として、より具体的には、POEヒマシ油等のポリオキシアルキレンヒマシ油;POE硬化ヒマシ油等のポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油;POEラウリルエーテル、POEイソデシルエーテル、POEトリデシルエーテル、POE・POPデシルエーテル、POE・POPラウリルエーテル等のアルキル基の炭素数が8〜18のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル等の、脂肪酸の炭素数が8〜18のグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸POEグリセリル、モノオレイン酸POEグリセリル等の、脂肪酸の炭素数が8〜18のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン等の、脂肪酸の炭素数が8〜18のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノラウリン酸エステル等の、脂肪酸の炭素数が8〜18のポリアルキレングリコール脂肪酸エステル;グリセリンモノドデシルエーテル、ペンタエリスリトールモノドデシルエーテル等の、アルキル基の炭素数が8〜18のアルキル多価アルコールエーテル;POEステアリルアミン、POEオレイルアミン等の、アルキル基の炭素数が8〜18のポリオキシアルキレンアルキルアミン;ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド等の、脂肪酸の炭素数が8〜18の脂肪酸アルカノールアミド;ラウリン酸メチルグルカミド、ヤシ脂肪酸メチルグルカミド等の、アシル基の炭素数が8〜18のアシルメチルグルカミド;POEアセチレングリコール等のポリオキシアルキレンアセチレングリコール;POEラノリン等のポリオキシアルキレンラノリン;アルキルポリグルコシド等が挙げられる。これらの内、ポリオキシアルキレン基を含むノニオン性界面活性剤については、そのポリオキシアルキレンの付加モル数は、特に制限されないが、例えば10〜100程度、好ましくは10〜80程度が挙げられる。
これらのノニオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのノニオン性界面活性剤の中でも、揮散性薬剤の可溶化効果をより一層向上させるという観点から、好ましくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、更に好ましくはアルキル基の炭素数が8〜18のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、特に好ましくはアルキル基の炭素数が10〜18のポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。
本発明の揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部に対するノニオン性界面活性剤の比率については、前述するアニオン性界面活性剤を充足させる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、0〜60重量部が挙げられる。揮散性薬剤の安定な可溶化効果をより一層向上させるという観点から、本発明の揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部に対するノニオン性界面活性剤の比率として、好ましくは0〜50重量部、更に好ましくは10〜50重量部が挙げられる。
本発明の揮散液におけるノニオン性界面活性剤の含有量については、前記比率を充足する範囲内で適宜設定すればよいが、例えば0.1〜30重量%、好ましくは0.25〜20重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%が挙げられる。
更に、本発明の揮散液は、必要に応じて、両イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。
両イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、ベタイン型両イオン性界面活性剤(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等);アミノ酸型両イオン性界面活性剤(β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム等);アミンオキサイド型(デシルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ミリスチルジメチルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチル油アルキルジメチルアミンオキサイド、オクチルジメチルアミンオキサイド等)等が挙げられる。これらの両イオン性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の揮散液において、揮散性薬剤に対する界面活性剤の比率については、揮散性薬剤を可溶化できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、揮散性薬剤100重量部当たり、界面活性剤が総量で50〜1000重量部が挙げられる。従来の揮散液では、揮散性薬剤を可溶化させるには、揮散性薬剤100重量部当たり界面活性剤が総量で240重量部程度以上が必要とされていたが、本発明では、揮散性薬剤の可溶化に要する界面活性剤を従来技術よりも減量させることもできる。具体的には、揮散性薬剤100重量部当たり界面活性剤が総量で200重量部以下、好ましくは50〜200重量部、更に好ましくは50〜160重量部に設定しても、揮散性薬剤を安定に可溶化することができる。つまり、本発明は、本発明の揮散液における界面活性剤の総量を低減できるので、揮散性薬剤の揮散終了時に残存する液量を低減できるという利点もある。
本発明の揮散液における界面活性剤の総含有量(含有する全ての界面活性剤の合計量)については、前述する各界面活性剤の比率等を充足する範囲内で、使用する揮散性薬剤の種類や含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1〜75重量%、好ましくは0.25〜50重量%、更に好ましくは0.5〜25重量%が挙げられる。
(水)
本発明の揮散液には、揮散性薬剤を可溶化させる基材として水を含む。本発明の揮散液における水の含有量については、揮散性薬剤の含有量、界面活性剤の含有量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば20〜99重量%、好ましくは40〜97重量%、更に好ましくは70〜95重量%が挙げられる。
(その他の成分)
本発明の揮散液には、前述する成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、溶解剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、着色剤、消臭剤、キレート剤、消泡剤、不揮発性の消臭剤、不揮発性の抗菌剤等の添加剤が含まれていてもよい。
溶解剤としては、具体的には、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルエーテル化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;及びエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カラギナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
防腐剤としては、具体的には、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2n-オクチル-イソチアゾリン-3-オン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸塩、α−トコフェロール等が挙げられる。
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、リン酸、炭酸、それらのカ塩、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
着色剤としては、具体的には、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色220号、赤色221号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、赤色404号、赤色405号、黄色401号、青色404号等の有機顔料;青色1号、青色2号、青色3号、青色205号、黄色3号、黄色4号、黄色202号の(1)、黄色203号、赤色105号、赤色106号、赤色2号、赤色3号等の有機染料が挙げられる。
キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、及びこれらの塩等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシリコン、ステアリン酸マグネシウム、1,2,3−プロパントリオール等が挙げられる。
不揮発性の消臭剤としては、例えば、ジクロロイソシアヌル酸塩;イネ、松、ヒノキ、笹、柿、茶等の植物の抽出物;脱塩型ベタイン化合物;変性有機酸化合物;アルカノールアミン等が挙げられる。
不揮発性の抗菌剤成分としては、例えば、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムグルコン酸、クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン等が挙げられる。
2.揮散器
前記揮散液を揮散させる揮散器については、前記揮散液が揮散部材に吸液されて揮散するように構成されていればよく、その構成については、特に制限されないが、好適な一例として、開口部を有する容器と、当該容器に収容された前記揮散液と、当該揮散液を吸液して揮散させる揮散部材とを備え、且つ前記揮散部材の少なくとも一部が前記開口部から容器外に露出するように設置されている揮散器が挙げられる。
前記揮散部材は、例えば、容器内の揮散液を吸上げる機能と揮散させる機能を一体として含み、容器に収容された前記揮散液に直接接液するように構成されていてもよい。また、例えば、前記揮散部材は、容器内の揮散液を吸上げる機能を有する吸上部材が連結され、当該吸上部材を介して容器内の揮散液が供給されて吸液し、前記揮散液を揮散するように構成されていてもよい。
前記揮散部材の素材については、前記揮散液を吸液して揮散できることを限度として特に制限されないが、例えば、綿、植物繊維、パルプ等の天然繊維、レーヨン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成繊維、又はそれらの混合繊維等の繊維質材料;木片、籐、竹、ソラ等の木質材料;発泡ウレタンの樹脂製スポンジ材料等が挙げられる。また、揮散部材が繊維質材料で形成されている場合、不織布であることが好ましいが、織物、編物等であってもよい。揮散部材の形状については、特に制限されず、シート状、棒状、帯状、紐状等のいずれであってもよい。
前記揮散部材に容器内の揮散液を吸上げる機能を備えさせず、前記吸上部材を連結する場合、吸上部材の素材や形状等についても、特に制限されず、前記揮散部材と同様の素材や形状のものを使用すればよい。
前記容器の素材についても、特に制限されず、プラスチック製、ガラス製、陶器製等のいずれであってもよく、また、透明、不透明、半透明等のいずれであってもよく、芳香器に備えさせるべきインテリア性等を考慮して適宜設定される
以下に実施例及び比較例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
なお、以下の実施例及び比較例において使用した各界面活性剤の具体的構造は以下の通りである。
アニオン性界面活性剤1:ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム
アニオン性界面活性剤2:POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム
ノニオン性界面活性剤1:POEアルキル(炭素数12〜18)エーテル
ノニオン性界面活性剤2:POEイソデシルエーテル
試験例1:シトロネラ調香料の可溶化及び揮散持続性の評価
表1及び2に示す組成の揮散液(芳香液)を調製した。具体的には、先ず、シトロネラ調香料と界面活性剤以外の成分を水に所定量添加して溶解させた水溶液を調製した。次いで、シトロネラ調香料と界面活性剤を所定量混合した混合液を調製し、当該混合液を前記水溶液に撹拌しながら徐々に添加し、添加終了後から5分間(100回転/分)の条件で撹拌を行うことにより、揮散液を調製した。
なお、揮散液の調製の全ての工程は室温で行った。
得られた各揮散液の外観を目視にて確認し、以下の判定基準に従って、シトロネラ調香料の可溶化の程度を評価した。
<可溶化の程度の判定基準>
◎:透明である。
○:僅かにだけ白濁している。
△:白濁している。
×:香料が分離している。
また、得られた各揮散液の香気の持続性を評価するために、以下の試験を行った。各揮散液275mlを容積365ml(開口部12.6cm2、底面積46.3cm2、高さ7cm)に収容した。次に、容器内の揮散液を吸い上げて容器外に揮散させるための揮散部材を、揮散液が入れられた容器に差し込んだ。使用した揮散部材は、図1のAに示す形状(平面図)のレーヨン製不織布(厚さ0.5cm)のXの領域部分を二つ折りにして、図1のBに示す状態にしたものを使用した。なお、使用した揮散部材は、図1のBに示すXの領域が容器外部に露出し、図1のBに示すYの領域が容器内に挿入され、容器内の揮散液に浸漬されるように設置した。
斯して調製した、揮散液が揮散可能な状態になった揮散器を室内に静置し、揮散液の揮散を開始させた。開始直後、容器内の揮散液が45〜55%程度減量した時点(使用中期)、及び容器内の揮散液が75〜85%程度減量した時点(使用後期)において、6名のパネラーによって、以下の判定基準に従って、香りの強さ、香りの嗜好性と質、及び香りの総合評価(香りの強さ、嗜好性、及び質の総合評価)について評点化した。なお、本試験では、公益社団法人におい・かおり環境協会の嗅覚検査に合格しており、香りの官能評価実務経験を2年以上の有している者6名をパネラーとして選定し、6名のパネラーによって判定された評点の平均値を算出した。
<香りの強さの判定基準>
評点:内容
0 :弱い
2 :やや弱い
4 :丁度よい
6 :やや強い
8 :強い
<香りの嗜好性と質の判定基準>
評点:内容
−2:悪い
−1:やや悪い
0:どちらともいえない
1:やや良い。
2:良い
<香りの総合評価の判定基準>
評点:内容
−2:不適
−1:やや不適
0:どちらともいえない
1:やや適
2:適
香料の可溶化の程度を評価した結果を表1及び2に示し、香気の持続性を評価した結果を図2に示す。この結果から、揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部当たり、アニオン性界面活性剤が40重量部以上を占めている場合には、香料を可溶化できており、とりわけアニオン性界面活性剤が50重量部以上、特に50〜90重量部の場合には、香料が十分に可溶化され、透明性が極めて高い外観性状になっていた。また、前記比率でアニオン性界面活性剤を含む揮散液では、香料100重量部当たり界面活性剤の総量が160重量部という少量であっても、香料を十分に可溶化できていた。更に、前記比率でアニオン性界面活性剤を含む揮散液では、使用開始直後、中期、及び後期において、香りの強さ、香りの嗜好性と質、及び香りの総合評価がほぼ一定であり、使用中期及び後期でも香料の揮散性が持続できていた。
一方、界面活性剤の総量100重量部当たり、ノニオン性界面活性剤が70重量部以上含まれている揮散液(従来の揮散液)では、香料100重量部当たり界面活性剤の総量が240重量部の場合には、香料を可溶化できていたが、香料100重量部当たり界面活性剤の総量を160重量部に減量すると、香料が十分に可溶化できなかった。更に、このような比率でノニオン性界面活性剤を含む揮散液では、中期、及び後期において、香りの強さ、香りの嗜好性と質、及び香りの総合評価が低下しており、香料の揮散性が経時的に低下していた。

試験例2:カモミール調香料の可溶化及び揮散持続性の評価
表3に示す組成の揮散液(芳香液)を調製し、香料の可溶化の程度、及び揮散持続性の評価を行った。本試験例2おける揮散液の調製、香料の可溶化の程度の評価、及び揮散持続性の評価は、前記実施例1と同様の方法で行った。
香料の可溶化の程度を評価した結果を表3に示し、香気の持続性を評価した結果を図3に示す。この結果から、カモミール調香料を使用した場合でも、揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部当たり、アニオン性界面活性剤が40重量部以上を占めている場合には、香料を可溶化できることが確認された。更に、本試験結果からも、前記比率でアニオン性界面活性剤を含む揮散液では、香料100重量部当たり界面活性剤の総量が160重量部という少量であっても、カモミール調香料を十分に可溶化でき、更に、使用後期及び中期でも香料の揮散性が持続できることが確認された。

Claims (9)

  1. 揮散部材に吸液させて揮散させる揮散液であって、
    揮散性薬剤、界面活性剤、及び水を含有し、
    前記界面活性剤として、少なくともアニオン性界面活性剤を含み、揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部当たりのアニオン性界面活性剤の比率が40重量部以上である、揮散液。
  2. 揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部当たりのアニオン性界面活性剤の比率が50重量部以上である、請求項1に記載の揮散液。
  3. 揮散液に含まれる界面活性剤の総量100重量部当たりのアニオン性界面活性剤の比率が50〜90重量部である、請求項1又は2に記載の揮散液。
  4. 界面活性剤として、更にノニオン性界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の揮散液。
  5. 揮散性薬剤100重量部当たり、界面活性剤が総量で50〜1000重量部含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の揮散液。
  6. 前記揮散性薬剤が、香料及び/又は害虫忌避剤成分である、請求項1〜5のいずれかに記載の揮散液。
  7. 前記アニオン性界面活性剤が、ジアルキルスルホコハク酸塩、及び/又はポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩である、請求項1〜6のいずれかに記載の揮散液。
  8. 揮散液における界面活性剤の総含有量が0.1〜75重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の揮散液。
  9. 開口部を有する容器と、前記容器に収容された請求項1〜8のいずれかに記載の揮散液と、前記揮散液を吸液して揮散させる揮散部材とを備え、
    前記揮散部材の少なくとも一部が前記開口部から容器外に露出するように設置されている、揮散器。
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