JPWO2003036695A1 - 露光装置にパージガスを供給する方法、露光装置、及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
露光光の光路から吸光物質を高効率で経済的にパージする方法。光源11及び露光装置本体12の立ち上げ時に、パージガスを大流量で露光装置に供給する。光源11に比較的近い照明光学系20において露光光の照度を検出し、光源11から比較的遠い基板Wの近傍において露光光の照度を検出する。検出された両照度の比が所定の範囲になったとき、パージガスの供給モードを小流量に変更する。
Description
[技術分野]
本発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子及び薄膜磁気ヘッドのような各種マイクロデバイスの製造プロセス、特に、フォトリソグラフィー工程で使用される露光装置にパージガスを供給する方法に関する。
[背景技術]
従来の露光装置は、所定のパターンが形成されたレチクル、フォトマスク等のマスクを所定の露光光で照明し、前記所定のパターンの像を、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光性材料の塗布されたウエハ、ガラスプレート等の基板上に転写する。
近年では、回路パターンの微細化の要求が高まっている。この要求に対応すべく、遠紫外の波長を持つKrFエキシマレーザ光(λ=248nm)、真空紫外の波長を持つArFエキシマレーザ光(λ=193nm)やF2レーザ光(λ=157nm)のような、比較的波長の短い露光光を使用可能な露光装置が開発されている。
ところで、露光光の光路空間には、酸素、水蒸気、炭化水素ガス、及び、露光光と反応してレンズエレメント等の光学素子の表面に付着する曇り物質を生ずる有機物質ガス等の吸光物質が存在する。例えば、光学素子やステージを駆動する駆動機構が露光装置内に存在する場合、駆動機構への給電及び信号伝達のための電線を被覆する物質から極微量の吸光物質が発生する。また、光学素子の表面、あるいは、光学素子を収容する鏡筒の内壁に付着した付着物から揮散したガスが吸光物質となる。
露光光が遠紫外光や真空紫外光の場合、特に、F2レーザ光や、F2レーザ光より短い波長の光である場合、露光光は吸光物質に吸収されやすい。そのため、露光光のエネルギは光源から出射されて基板に到達するまでに著しく低下する。露光光のエネルギの低下は、製品の歩留まりを低下させる。
露光光のエネルギの低下を防止すべく、露光光の光路空間に存在する吸光物質を含むガスを、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスでパージする露光装置が開発された。しかしながら、パージガスの供給量が過少になると、光路空間内の吸光物質の濃度を所望の値にまで低下させるのに長時間を要し、露光装置の停止時間が長くなるという問題が生じる。一方、パージガスの供給量が過剰になると、パージガスの使用量の増加に伴い、ランニングコストが高騰するといった問題が生じる。
この問題を解決すべく、比較的多量の吸光物質が光路空間に存在する時には、光路空間に比較的大流量で不活性ガスを供給し、不純物がある程度排出された後には、比較的小流量で不活性ガスを供給するという方法が考えられる。
不活性ガスの供給量の切換えは、光路における酸素濃度を検出する酸素センサの検出結果に応じて行なわれる。しかしながら、酸素以外の吸光物質が光路に存在する可能性があるため、酸素濃度をモニタしても、酸素以外の吸光物質により露光光が吸収されてしまうおそれがある。従って、酸素濃度に基づいて不活性ガスの供給量を切り替えると、酸素以外の吸光物質が残り、露光処理が不十分となるという問題が生じる。
[発明の開示]
本発明の目的は、露光光の光路にパージガスを高効率かつ経済的に供給する方法を提供することにある。他の目的は、効率的に露光処理をすることができる露光装置を提供することにある。さらなる目的は、高集積度のデバイスを効率的に製造することのできるデバイスの製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、光源から出射された露光光で基板を露光させる露光装置で用いられるパージガスの供給方法を提供する。その方法は、前記露光光の光路の少なくとも一部を区画する室に、前記パージガスを供給し、前記室を通過した前記露光光のエネルギ情報に基づいて、前記室への前記パージガスの供給モードを変更する。
一実施形態では、前記室を通過した前記露光光のエネルギ情報を測定し、該測定結果に基づいて前記供給モードを変更する。
前記露光光のエネルギ情報は、前記露光光の照度分布を含むのが好ましい。
前記露光装置は、前記露光光でマスクを照明する照明光学系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記基板に投影する投影光学系とを有し、前記室は前記照明光学系内又は前記投影光学系内に設けられることが好ましい。
前記露光光のエネルギ情報は、前記照明光学系又は前記投影光学系を通過した前記露光光に基づいて測定される。
前記露光光のエネルギ情報は、更に、前記光源と前記マスクとの間における前記露光光に基づいて測定され、前記供給モードは、前記光源と前記マスクとの間で測定した前記露光光のエネルギ情報と、前記投影光学系の像面側で測定した前記露光光のエネルギ情報とに基づいて変更されるのが好ましい。
前記投影光学系の像面側で測定した前記露光光のエネルギ情報と、前記光源と前記マスクとの間で測定した前記露光光のエネルギ情報との比を求め、前記比が所定の範囲に入ったときに、前記パージガスの供給モードを第1の供給量から該第1の供給量より少ない第2の供給量に切り換えるのが好ましい。
一実施形態では、前記露光装置は、前記照明光学系内の光路を区画する第1の室と、前記照明光学系と前記投影光学系との間の光路を区画する第2の室と、前記投影光学系内の光路を区画する第3の室と、前記投影光学系の像面側における光路を区画する第4の室とを有し、前記第1の室において前記露光光の第1のエネルギ情報を測定し、前記第2の室において前記露光光の第2のエネルギ情報を測定し、前記第4の室において前記露光光の第3のエネルギ情報を測定し、前記第1のエネルギ情報と前記第2のエネルギ情報との比、及び、前記第3のエネルギ情報と前記第1のエネルギ情報との比に応じて、前記第1の室、第2の室、第3の室及び第4の室にそれぞれ対応する供給モードを決定し、決定された供給モードに従って、前記第1の室、第2の室、第3の室及び第4の室に前記パージガスを独立して供給する。
一実施形態では、前記パージガスを供給するに先立って、前記室のモデルに対して流体力学解析を行い、解析結果に従って前記パージガスの供給モードを変更する。
一実施形態では、前記解析結果に基づいて前記パージガスの供給モードの変更時期を予測し、予測された変更時期に前記パージガスの供給モードを変更する。
本発明は更に、光源から出射された露光光を用いて基板を露光する露光装置を提供する。露光装置は前記露光光の光路の少なくとも一部を区画する室にパージガスを供給するパージガス供給機構と、前記室を通過した前記露光光のエネルギ情報に応じて、前記室への前記パージガスの供給モードを制御する制御装置とを備える。
露光装置は更に、前記露光光でマスクを照明する照明光学系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記基板に投影する投影光学系と、前記投影光学系の像面側において前記露光光のエネルギ情報を検出する像面側センサとを備える。
露光装置は更に前記光源と前記マスクとの間において前記露光光のエネルギ情報を検出する光源側センサを備える。
一実施形態では、前記室は前記照明光学系内の光路を区画する第1の室と、前記照明光学系と前記投影光学系との間の光路を区画する第2の室と、前記投影光学系の像面側の光路を区画する第3の室とを含む複数の室の内の一つであり、前記パージガス供給機構は、前記パージガスの供給源と、前記供給源と前記複数の室とをそれぞれ連通させる複数の給気配管と、前記複数の室と前記露光装置の外部とを連通させる複数の排出管と、前記給気配管及び排出管に設けられた複数の弁とを含み、前記制御装置は前記複数の弁の開度を変更して前記供給モードを変更する。
一実施形態では、前記露光光のエネルギ情報は前記露光光の照度であり、前記制御装置は、前記第1の室において測定された前記露光光の第1の照度と、前記第2の室において測定された前記露光光の第2の照度と、前記第4の室において測定された前記露光光の第3の照度とを用いて、前記複数の室にそれぞれ対応する複数の供給モードを決定する。
本発明は更に、露光装置を用いて基板を露光させるリソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法を提供する。その方法は、露光光の光路にパージガスを供給し、前記基板の近傍における前記露光光のエネルギ情報に応じて、前記パージガスの供給モードを変更し、前記露光光の光路が所定のパージガス状態に達した後で、前記露光光で基板を露光させる。
さらに、露光光の光路の途中において前記露光光のエネルギ情報を検出することが好ましい。前記露光装置の起動後に前記パージガスを第1の供給量で供給し、前記所定のパージガス状態に達した後、前記パージガスを前記第1の供給量より少ない第2の供給量で供給する。
本発明は更に、露光装置の内部に区画され、基板を露光させる露光光が通過する室から吸光物質をパージする方法を提供する。その方法は前記室に第1の供給量でパージガスを供給する工程と、前記室において前記露光光の第1の強度を検出する工程と、前記基板の近傍において前記露光光の第2の強度を検出する工程と、前記第1の強度と第2の強度との比に応じて、前記パージガスの供給モードを変更する工程とを備える。
前記供給モードを変更する工程は、前記第1の強度と第2の強度との比が所定の範囲内に達した時に、前記室に前記第1の供給量より少ない第2の供給量でパージガスを供給することを含む。
[発明を実施するための最良の形態]
本発明の第1実施形態に従う半導体素子製造用の露光装置、その露光装置内へパージガスを供給する方法、及びその露光装置を用いた半導体素子の製造方法について以下に説明する。
図1に示すように、露光装置は、露光光源11、露光装置本体12、及び、ビーム・マッチング・ユニット(BMU)13から構成されている。露光光源11は、F2レーザ光(λ=157nm)のような露光光ELを出射するレーザ光源である。BMU13は複数の光学素子により構成され、BMU室28に収容される。BMU室28は、露光光源11と露光装置本体12とを光学的に接続する。露光光源11から出射された露光光ELはBMU13を介して露光装置本体12に導かれる。露光装置本体12は、露光光ELを照射して、マスクとしてのレチクルR上に形成されたパターンの像を基板(ウエハ)W上に転写する。
以下に、露光装置本体12について説明する。
露光装置本体12は、チャンバ14、照明系ユニット15、レチクル室16、投影系鏡筒17、及びウエハ室18を含む。照明系ユニット15、レチクル室16、投影系鏡筒17、及びウエハ室18はチャンバ14内において、露光光ELの光軸方向に沿って順次配列されて、露光光ELの光路を形成する。チャンバ14には空調装置(図示略)が設けられる。空調装置は露光装置本体12を制御する主制御装置50により制御され、チャンバ14の内部を所定の温度及び湿度に維持する。
照明系ユニット15内には、レチクルRを照明するための照明光学系20が収容されている。照明光学系20は、複数のミラー21、オプティカルインテグレータをなすフライアイレンズ(ロッドインテグレータでもよい)22、光路分割部材としての反射率が小さく透過率の大きなビームスプリッタ23、コンデンサレンズ24等の光学素子により形成される。フライアイレンズ22は、露光光ELを入射し、その射出面に多数の二次光源を形成する。ビームスプリッタ23の後方には、レチクルブラインド駆動部59(図2参照)により駆動され、露光光ELの形状を整形するためのレチクルブラインド25が配置されている。
照明系ユニット15は、複数の円板状の平行平板ガラス27により区画された複数(第1実施形態では5つ)の照明気密室29を有する。照明系ユニット15の前端すなわちBMU側開口部26a及び後端すなわちマスク側開口部26bにも平行平板ガラス27が配置されている。BMU側開口部26aに配置された平行平板ガラス27によって、BMU室28の内部空間と、照明系ユニット15の内部空間とが分離される。平行平板ガラス27は、露光光ELを透過する物質(合成石英、蛍石など)により形成される。各照明気密室29には、ミラー21、フライアイレンズ22、ビームスプリッタ23、コンデンサレンズ24、及び、レチクルブラインド25が単独であるいは組み合わされて収容されている。
投影系鏡筒17は、照明光学系20によって照明されるレチクルR上のパターンの像をウエハW上に投影するための投影光学系30を収容する。投影光学系30は複数(第1実施形態では2つ)のカバーガラス31と複数(第1実施形態では3つ)のレンズエレメント32とからなっている。投影系鏡筒17は、投影系鏡筒17の内壁、カバーガラス31、レンズエレメント32、及びレンズエレメント32を保持する保持部材33によって区画された複数(第1実施形態では4つ)の投影気密室34a〜34dを有する。
レチクルステージRSTはレチクル室16に配置される。レチクルステージRSTは、所定のパターンが形成されたレチクルRを、露光光ELの光軸と直交する面内で移動可能に保持する。
ウエハステージWSTは、ウエハ室18に配置される。ウエハステージWSTは露光光ELに感光するフォトレジストが塗布されたウエハWを、露光光ELの光軸と直交する面内においてX方向及びY方向に移動可能、かつその光軸に沿って微動可能に保持する。
図2に示すように、レチクルステージRSTの端部には、干渉計51からのレーザビームを反射する移動鏡52が固定されている。干渉計51によって、レチクルステージRSTの走査方向の位置が常時検出され、その位置情報はレチクルステージ制御部53に送られる。レチクルステージ制御部53は、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部54を制御し、レチクルステージRSTを移動させる。
ウエハステージWSTは、モータ等のウエハステージ駆動部55により、走査方向(Y方向)の移動のみならず、走査方向に垂直な方向(X方向)にも移動可能である。これにより、ウエハW上に区画されたショット領域毎に走査露光を繰り返すステップ・アンド・スキャン動作が可能である。また、ウエハステージWSTの端部には、干渉計56からのレーザビームを反射する移動鏡57が固定されている。ウエハステージWSTのX方向及びY方向の位置は干渉計56によって常時検出される。ウエハステージWSTの位置情報(または速度情報)はウエハステージ制御部58に送られ、ウエハステージ制御部58は位置情報(または速度情報)に基づいてウエハステージ駆動部55を制御する。
ステップ・アンド・スキャン方式によりレチクルR上の回路パターンをウエハW上のショット領域に走査露光する場合、レチクルR上の照明領域は、レチクルブラインド25により長方形に整形される。照明領域は、レチクルR側の走査方向(+Y方向)に対して垂直方向に長手方向を有する。レチクルRを露光時に所定の速度Vrで走査することにより、レチクルR上の回路パターンを長方形の照明領域で一端側から他端側に向かって順次照明する。これにより、照明領域内におけるレチクルR上の回路パターンが、投影光学系30を介してウエハW上に投影され、投影領域が形成される。
ウエハWはレチクルRとは倒立結像関係にあるため、レチクルRの走査方向とは反対方向(−Y方向)にレチクルRの走査に同期して所定の速度Vwで走査される。これにより、ウエハWのショット領域の全面が露光可能となる。走査速度の比Vw/Vrは投影光学系30の縮小倍率に応じて設定されている。レチクルR上の回路パターンがウエハW上の各ショット領域上に正確に縮小転写される。
照明系ユニット15のビームスプリッタ23により反射された露光光ELは集光レンズ60により集光される。光電変換素子よりなる光源側センサとしてのインテグレータセンサ61が集光レンズ60により集光された露光光ELを受光する。
インテグレータセンサ61は、露光光ELのエネルギ情報(例えば、光量、輝度、照度、強度、仕事率)を検出し、そのエネルギ情報の大きさに比例した光電変換信号を発生する。光電変換信号はピークホールド回路(図示略)及びA/D変換器(図示略)を介して主制御装置50に入力される。主制御装置50は光電変換信号を積算することによってウエハWに照射された露光光の積算量をモニタする。インテグレータセンサ61は、遠紫外域で感度があり、且つ高い応答周波数を有するPIN型のフォトダイオードであるのが好ましい。
レチクルステージRST上において、レチクルRの近傍に、露光光ELのエネルギ情報(例えば、光量、輝度、照度、強度、仕事率)を検出する物体面側センサ62が設けられている。物体面側センサ62はレチクルステージRSTと共に移動される。物体面側センサ62は主制御装置50に接続されており、露光光ELのエネルギ情報の大きさに応じた光電変換信号を主制御装置50に供給する。照明光学系20による照明領域内を走査する場合には、物体面側センサ62の受光面は、マスクのパターン面が形成された面と略同一面となるように、センサ62の内部に配置されることが望ましい。なお、物体面側センサ62の受光面が照明領域と同等の大きさを備える場合には、物体面側センサ62を走査する必要はない。露光光源11から露光光ELが出射されている状態でレチクルステージRSTを移動させて、物体面側センサ62を照明光学系20による照明領域内で走査させる。これにより、照明領域内における露光光ELのエネルギ分布が得られる。物体面側センサ62は照度センサであり、エネルギ分布は照度分布であるのが好ましい。
一方、ウエハステージWST上において、ウエハWの近傍には露光光ELのエネルギ情報(例えば、光量、輝度、照度、強度、仕事率)を検出する像面側センサ63が設けられている。像面側センサ63はウエハステージWSTと共に移動される。像面側センサ63は主制御装置50に接続されており、露光光ELのエネルギ情報の大きさに応じた光電変換信号を主制御装置50に供給する。投影光学系30による露光領域内を走査する場合には、像面側センサ63の受光面がウエハWの表面と略同一面となるように、センサ63の位置を調整することが望ましい。なお、像面側センサ63の受光面が露光領域を含む二次元センサであれば、像面側センサ63を走査する必要はない。露光光源11から露光光ELが出射されている状態でウエハステージWSTを移動させて、像面側センサ63をウエハステージWST上の露光領域内で走査させる。これにより、ウエハステージWST上の露光領域における露光光ELのエネルギ分布が得られる。像面側センサ63は照度センサであり、エネルギ分布は照度分布であるのが好ましい。
図3及び図4に示すように、各投影気密室34a〜34dの壁部には、その周方向において互いに離間し、かつ、露光光ELの光軸方向に離間する複数の開口47が形成されている。第1実施形態では、各投影気密室34a〜34dの壁部に10個の開口47が形成される。図3に示すように、5つの開口47が等角度間隔に設けられ、また、図4に示すように、5つの開口47は上部と下部の2段に形成される。
BMU室28及び照明気密室29の各壁部にも、周方向に互いに離間し、かつ、露光光ELの光軸方向にも互いに離間した複数の開口47が形成されている。
図1に示すように、BMU室28、照明気密室(第1の室)29、レチクル室(第2の室)16、各投影気密室(第3の室)34a〜34d及びウエハ室(第4の室)18は、パージガス供給機構40の給気配管42と接続される。パージガス供給機構40はパージガスの供給源すなわちタンク41から、不活性ガスからなるパージガスを室28,29,16,34a〜34d,18に供給する。タンク41は例えばマイクロデバイス工場のユーティリティプラント内に設置される。不活性ガスは、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンから選択された単体ガス、または、混合ガスである。
パージガス中には、ミラー21,フライアイレンズ22、ビームスプリッタ23、コンデンサレンズ24、平行平板ガラス27、カバーガラス31及びレンズエレメント32等の光学素子の表面上に、露光光EL照射下で堆積して曇り現象を生じせしめる汚染物質、あるいはF2レーザ光を強く吸収する酸素等の吸光物質が不純物として含まれることがある。
このため、給気配管42には、パージガス中に含まれる上記汚染物質や吸光物質を含む不純物を除去するためのフィルタ43及びパージガスを所定の温度に調整するとともにパージガス中の水分を除去する温調乾燥器44が介装されている。各室28,29,16,34a〜34d,18は、排出管45を介して半導体素子製造工場の排気ダクト46に接続されている。また、チャンバ14も排気ダクト46に接続されている。これにより、各室28,29,16,34a〜34d,18内に供給されたパージガスは、排気ダクト46を介して、工場の外部に排出される。
各室28,29,16,34a〜34d,18内に存在する汚染物質としては、例えば有機ケイ素化合物、アンモニウム塩、硫酸塩、ウエハW上のレジストからの揮散物、駆動部を有する構成部品に使用される摺動性改善剤からの揮散物、チャンバ14内の電気部品に給電あるいは信号供給するための配線の被覆層からの揮散物等がある。
図4に示すように、給気配管42及び排出管45には、切換弁48が設けられている。切換弁48は、主制御装置50に制御される駆動装置(図示略)により駆動される。これにより、各開口47はタンク41または排気ダクト46と連通または遮断される。各開口47の開度は調節可能である。各駆動装置は、主制御装置50からの駆動信号に基づいて個別に制御される。これにより、複数の開口47が、パージガスを供給するための開口47と、ガスを排出するための開口47とに適宜変更される。
次に、パージガスの供給方法について説明する。
各室28,29,16,34a〜34d,18を通過してウエハステージWSTの像面側センサ63に到達した露光光ELの照度に応じて、各室28,29,16,34a〜34d,18に対するパージガスの供給モードがパージガス供給機構40及び主制御装置50により変更される。
詳しくは、像面側センサ63の検出結果(検出値)とインテグレータセンサ61の検出結果(検出値)とに基づいて、パージガスの供給量を第1の供給量から第2の供給量に変更する。すなわち、第1の供給量と第2の供給量との関係は、第2の供給量が第1の供給量より少ない供給量である。なお、第1の供給量は大流量と称し、第2の供給量は小流量と称する。第1実施形態では、像面側センサ63の検出値とインテグレータセンサ61の検出値との比が所定の範囲内となったときに、パージガスの供給モードが切り替えられる。
大流量の供給モードでは、例えば100〜10L/minの範囲の流量のパージガスを供給し、小流量の供給モードでは、例えば10〜1L/minの範囲の流量のパージガスを供給する。なお、大流量の供給モードは、露光装置本体12の立ち上げ時や、照明系ユニット15を大気開放して、照明光学系30の一部の光学素子の交換などのメンテナンスを行った後に、光路空間内に存在する吸光物質の排気を目的とするものである。また、小流量の供給モードは、吸光物質の排気後、光路空間内に照明系ユニット15の隔壁や投影系鏡筒17の隔壁を介して光路空間に侵入する水分の排気を目的とするものである。当然、他の吸光物質が光路空間に徐々に侵入する場合には、これら吸光物質の排気を目的とするものである。
本実施形態における所定範囲内の比の値とは、像面側センサ63で検出できる露光光のエネルギ情報がレチクル上のパターンを基板上に転写する際に必要な範囲内の値を示す。
パージガスの供給モード切り替えに際して、物体面側センサ62の検出結果(検出値)とインテグレータセンサ61の検出値とから求まる値(例えば、各検出値の比等)を参照することも可能である。例えば、像面側センサ63とインテグレータセンサ61との検出結果の比が所定の範囲外にあり、物体面側センサ62の検出値とインテグレータセンサ61の検出値との比が所定の範囲内となった場合、BMU室28、照明気密室29及びレチクル室16内の吸光物質のパージがほぼ完了したと推定することができる。一方、投影気密室34及びウエハ室18内の吸光物質のパージは未だ完了していないと推定することができる。特に、上述したメンテナンス時には、投影系鏡筒17を大気開放せずに、照明系ユニット15のみを大気開放する場合が殆どである。従って、この場合、物体面側センサ62の検出結果とインテグレータセンサ61の検出結果から求まる値を参照することは有効である。
なお、BMU室28、照明気密室29及びレチクル室16、あるいは投影気密室34a〜34d及びウエハ室18に対するパージガスの供給モードの切り換えは、切換弁48の開度を小さくすることで行われる。
ただし、物体面側センサ62とインテグレータセンサ61との検出結果は、ビームスプリッタ23から物体面側センサ62(レチクルR)との間の光路を通過する露光光のエネルギの変化、すなわち、露光光の透過率を示す。露光光のエネルギ情報は、その光路内に存在する吸光物質による露光光の吸収、あるいは、光路内に配置された光学素子による吸収によって変化する。また、像面側センサ63とインテグレータセンサ61との検出結果は、ビームスプリッタ23から像面側センサ63(ウエハW)との間の光路を通過する露光光のエネルギ情報の変化、すなわち、露光光の透過率を示す。露光光のエネルギ情報は、その光路内に存在する吸光物質による露光光の吸収、あるいは、光路内に配置された光学素子による吸収によって変化する。
物体面側センサ62を照明光学系20による照明領域内で走査させ、インテグレータセンサ61及び物体面側センサ62の各検出結果から露光光ELのエネルギ情報として例えば照度の分布に不均一が生じていると判断された場合、あるいは、露光領域内を像面側センサ63で走査させ、インテグレータセンサ61及び像面側センサ63の各検出結果から露光光ELのエネルギ情報として例えば照度の分布に不均一が生じていると判断された場合には、その不均一を解消すべく、各室29,16,34a,18に対するパージガスの供給モードが変更される。例えば、投影系鏡筒17の投影気密室34bに対するパージガスの供給モードを変更する場合には、以下のような態様でパージガスの供給モードを変更することができる。
図4に示すように、例えば、投影気密室34bの開口47bよりその内部にパージガスを供給しつつ、開口47dよりパージガスを排出させる場合には、切換弁48e,48b,48dを開弁させ、切換弁48a,48f,48c,48g,48hを閉弁させる。また、投影気密室34bの開口47cよりその内部にパージガスを供給しつつ、開口47dよりパージガスを排出させる場合には、切換弁48f,48c,48dを開弁させ、切換弁48a,48b,48e,48g,48hを閉弁させる。このように主制御装置50により各切換弁48の開度を制御することで、例えば図3中に実線または破線の矢印にて示すような態様で、投影気密室34bに対するパージガスの供給及び排出が行われる。
露光装置の露光処理のための準備は、例えば以下の手順で行われる。
まず、露光光源11及び露光装置本体12の立ち上げ前に、パージガス供給機構40及び主制御装置50が各室28,29,16,34a〜34d,18内の気体をパージガスに置換するパージ処理を開始する。パージガス供給開始時には、各室28,29,16,34a〜34d,18内の吸光物質の濃度が比較的高い。例えば、パージガス供給開始時には、照明系ユニット15内はほとんど空気であり、投影系鏡筒17内は組み立て段階で封入された不活性ガスである。なお、投影系鏡筒17には不活性ガスが封入されているものの、空気の混入や、隔壁を介した水分の侵入などによって、不活性ガスの純度は極めて低下しているものと考えられる。そのため、パージガスの供給モードは大流量に設定される。
露光光源11及び露光装置本体12の立ち上げ完了後、連続的あるいは断続的に露光光ELを出射させながら、各センサ61〜63の検出結果をモニタする。例えば、物体面側センサ62の検出結果と、インテグレータセンサ61の検出結果とから求まる値に基づいて、照明系ユニット15内のガス置換の状態をモニタすることができる。また、インテグレータセンサ61の検出結果と、像面側センサ63の検出結果とから求まる値に基づいて、照明系ユニット15及び投影系鏡筒17内のガス置換の状態をモニタすることができる、その結果、吸光物質の濃度が基準値よりも小さくなったと判定された時、パージガスの供給モードが大流量モードから小流量モードに切り換えられる。小流量モードに切り換わった後、以下の手順で投影光学系30の結像特性を調整する。
まず、テストレチクルRtとテストウエハWtとを用いて、テスト露光を行う。テスト露光では、テストレチクルRtのパターンの像がテストウエハWt上に転写される。テストウエハWt上に転写されたパターンの像を現像する。現像されたパターンを顕微鏡で観察することにより、投影光学系30の収差情報を求める。
収差情報を主制御装置50に入力して記憶させる。主制御装置50は、収差情報に基づいて、結像特性制御部64に対し投影光学系30を構成する少なくとも一つのレンズエレメント32を駆動する駆動機構65の駆動を指令する。これにより、レンズエレメント32の相対位置が変更され、投影光学系30の結像特性が補正される。補正後、レチクルRのパターンの像をウエハW上に転写する実露光に移行する。
実露光に移行すると、所定期間毎あるいは所定回数露光する毎に各センサ61〜63による露光光ELの照度検出、あるいは、露光領域内の照度分布検出を行い、その検出結果から得られる露光光ELの照度分布に応じてパージガスの供給モードが変更される。
第1実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1) 露光装置におけるパージガスの供給方法では、像面側センサ63とインテグレータセンサ61の検出値が所定の範囲内になったとき、パージガスの供給モードが大流量から小流量に切り換えられる。このため、パージガスの供給不足及びパージガスの供給過剰が防止される、所望の照度の露光光ELで露光処理ができ、露光装置を稼動する際のコストが低減される。従って、各室28,29,16,34a〜34d,18に高効率で経済的にパージガスを供給して吸光物質を排出することができる。
(2) 各室28,29,16,34a〜34d,18は、吸光物質が少ない理想的なパージ状態に維持される。
(3) 露光装置は、レチクルステージRST上に設けられた物体面側センサ62と、ウエハステージWST上に設けられた像面側センサ63とを有する。このため、レチクルRに到達する露光光ELのエネルギ情報としての照度または照度分布を把握しながら、照明系ユニット15内にパージガスを供給することができる。
(4) 露光装置の結像性能を向上することができるとともに、露光精度の向上を図ることができる。
(5) 第1実施形態のパージガスの供給方法によれば、露光光ELの照度または照度分布に応じて切換弁48が個別に制御され、各室28,29,16,34a〜34d,18に対するパージガスの供給モードが変更される。このため、各室28,29,16,34a〜34d,18内で局所的な吸光物質を含む被パージガスの淀みが生じたとしても、その被パージガスの排出を促進することが可能となる。この結果、露光光ELの露光領域において露光ムラが生じることを抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第2実施形態では、第1実施形態と同様にBMU室28、照明気密室29、レチクル室16、投影気密室34a〜34d、ウエハ室18にパージガスが供給される。ただし、第2実施形態では、各室28,29,16,34a〜34d,18をモデルとする流体力学解析を行い、その解析結果を基にパージガスの供給モードを変更する点で第1実施形態とは異なる。
第2実施形態では、以下の態様でパージガスの供給モードが決定される。
予め、BMU室28、照明気密室29、レチクル室16、投影気密室34a〜34d及びウエハ室18をモデルとするとして、パージガスの供給量及び供給時間、被パージガスの排気量及び排気時間、各室の容積に基づいて、各室内に残存する吸光物質の量を計算するとともに、残存する吸光物質の量に基づいて、残存する吸光物質に吸収される露光光のエネルギ情報を流体力学解析で求める。流体力学解析の結果から、露光装置を用いて露光処理を行う場合の各室28,29,16,34a〜34d,18を通過する露光光ELの照度を算出する。算出結果から、所望の照度でもって露光処理のできる主制御装置50による各切換弁48の開度制御に関するプログラムデータを作成し、主制御装置50に記憶させる。
実際に露光処理を行う際には、記憶されたプログラムデータに従って主制御装置50が各切換弁48の開度を個別に制御することで、各室28,29,16,34a〜34d,18に対するパージガスの供給モードが変更される。
露光装置の露光処理のための準備は例えば以下の手順で行われる。
まず、露光光源11及び露光装置本体12を起動し、主制御装置50に記憶された前記データを実行させる。これにより、データに従った態様で各切換弁48の開度が主制御装置50により個別に制御されつつ、各室28,29,16,34a〜34d,18に対してパージガスが供給され、パージが行われる。そして、パージガスの供給モードが大流量から小流量に切り換わるまで待機する。次いで、パージガスの供給モードが切り換わった後、第1実施形態と同様のテスト露光及び結像特性の調整を行い、実露光に移行する。
第2実施形態によれば、上記の(2)及び(4)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(6) 露光装置におけるパージガスの供給方法では、各室28,29,16,34a〜34d,18をモデルとする流体力学解析の解析結果から露光光ELのエネルギ情報として照度を算出する。そして、その算出結果を基に作成された各切換弁48の制御プログラムに基づいてパージガスの供給モードが変更される。
このため、流体力学解析の解析結果により、どのような態様で各切換弁48の開度を制御すれば効率よく且つ経済的に露光処理を行うことができるかを把握することができる。従って、各室28,29,16,34a〜34d,18内で吸光物質を含んで淀みとなって残留する被パージガスの排出を促進することができる。また、露光光ELの露光領域における露光ムラを抑制しつつ、各室28,29,16,34a〜34d,18内をパージガスによる理想的なパージ状態に維持することができる。
次に、本発明の第3実施形態について、第1及び第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第3実施形態では、第1実施形態と第2実施形態とにおける両パージガスの供給方法を組み合わせた方法が採用されている。すなわち、予め第2実施形態と同様に、BMU室28、照明気密室29、レチクル室16、投影気密室34a〜34d、ウエハ室18をモデルとする流体力学解析を行う。そして、各室28,29,16,34a〜34d,18に対するパージガスの供給モードの変更時期を予測する。次いで、露光装置による露光処理を行う際には、この予測に基づいて、そのパージガスの供給モードを変更する。そして、第1実施形態と同様に、インテグレータセンサ61、物体面側センサ62及び像面側センサ63を用いて、レチクルR、ウエハWに到達している露光光ELの照度またはレチクルR及びウエハW上での露光光ELの照度分布を測定する。次に、この測定結果に応じてパージガスの供給モードを調整する。従って、第3実施形態では、図1及び図2に示した構成の露光装置がそのまま用いられる。
露光装置の露光処理のための準備は例えば以下の手順で行われる。
まず、露光光源11及び露光装置本体12を起動し、主制御装置50に記憶されたプログラムデータを実行させる。これにより、プログラムデータに従った態様で各切換弁48の開度が主制御装置50により個別に制御されつつ、各室28,29,16,34a〜34d,18に対してパージガスが供給され、パージが行われる。そして、露光光源11の起動工程が完了した後に連続的あるいは断続的に露光光ELを出射させ、各センサ61〜63の検出結果から各室28,29,16,34a〜34d,18内が所定のパージガス状態になるまで待機する。次いで、第1実施形態と同様のテスト露光及び結像特性の調整を行い、実露光に移行する。
そして、この実露光に移行すると、所定期間毎あるいは所定回数露光する毎に各センサ61〜63による露光光ELの照度検出、あるいは、露光領域内の照度分布検出を行い、その検出結果から得られる露光光ELの照度分布に応じてパージガスの供給モードを調整する。
第3実施形態によれば、上記の(1)〜(6)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(7) 第2実施形態のパージガスの供給方法に基づいてその供給モードの変更時期が予測され、第1実施形態のパージガスの供給方法に基づいて実際に露光光ELの照度または照度分布を検出しつつ、パージガスの供給モードが変更及び調整される。このため、実際に各センサ61〜63により露光光ELの照度を監視して、その露光光ELの照度または照度分布の変化をプログラムデータに基づいたパージガスの供給モードの変更にフィードバックすることができる。この結果、各室28,29,16,34a〜34d,18内を理想的なパージ状態により経済的にかつ精度よく維持することができる。
第1乃至第3実施形態を以下のように変更してもよい。
第1実施形態において、像面側センサ63とインテグレータセンサ61の検出値(またはその比)、及び物体面側センサ62とインテグレータセンサ61の検出値のいずれか一方の値のみを求めてもよい。この場合、その値が所定の範囲内になったときにパージガスの供給モードが変更される。
物体面側センサ62とインテグレータセンサ61の検出値(またはその比)が所定の範囲内に入っているときには、BMU室28、照明気密室29及びレチクル室16に対するパージガスの供給モードを大流量から小流量に切り替えてもよい。
検出結果の比に基づいてパージガスの供給モードを変更せずに、センサ61〜63の検出値が所定の範囲となったときにパージガスの供給モードを変更してもよい。
第2実施形態において、各室28,29,16,34a〜34d,18をモデルとする流体力学解析により得られた予測時期から更に所定時間遅らせてから、パージガスの供給モードを大流量から小流量へ切り換えてもよい。
レチクルステージRST上及びウエハステージWST上の少なくとも一方に複数の照度センサを設けてもよい。
インテグレータセンサ61、物体面側センサ62及び像面側センサ63を設ける位置及び数は、図1及び図2に示した位置及び数に限定されるものではなく任意に設定可能である。少なくとも一つのセンサを、投影光学系30の像面側に設けることが望ましい。
任意の開度に調節可能な切換弁48の替わりに、全開及び全閉に切り換え可能な切換弁を用いてもよい。
BMU室28、照明気密室29、レチクル室16、投影気密室34a〜34d、ウエハ室18に形成される開口47の位置及び数は、変更してもよい。
切換弁48の配設位置及び数も図1〜図4に示した態様には限定されるものではなく任意に設定可能である。
各実施形態では、パージガスの供給モードを大流量から小流量に切り換える構成とした。しかし、パージガスの供給モード切り換えは、2段階の切り換えに限定されるものではない。切り換えを3段階以上の複数の段数、あるいは無段階で行う構成としてもよい。
各実施形態では、BMU室28、照明気密室29、レチクル室16、投影気密室34a〜34d、ウエハ室18のそれぞれにパージガス供給機構40が接続される構成とした。しかし、パージガス供給機構40をこれら各室28,29,16,34a〜34d,18のうち少なくとも照明気密室29及び投影気密室34a〜34dのいずれか一方に設ける構成としてもよい。
なお、本実施形態の露光装置には、レチクル室16及びウエハ室18が設けられているが、レチクル室16及びウエハ室18を設けず、かつ、照明系ユニット15と投影系鏡筒17との間のうち、露光光の光路部分のみを局所的にパージする局所パージ機構を設けてもよい。また、投影系鏡筒17とウエハWとの間の光路部分のみを局所的にパージする局所パージ機構を設けても良い。
各実施形態では、露光光ELのエネルギ分布は照度分布に限定されず、例えば露光光ELの強度分布であってもよい。この場合、物体面側センサ62及び像面側センサ63に替えて、例えば光量、輝度、照度、仕事率のような露光光のエネルギ情報を測定するセンサが使用される。
露光光ELのエネルギ分布に替えて、露光光ELのエネルギに応じてパージガスの供給モードを変更する構成としてもよい。
投影光学系としては、屈折タイプに限らず、反射屈折タイプ、反射タイプであってもよい。また、露光装置として、投影光学系を用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも本発明を同様に適用することができる。なお、これら露光装置を用いる場合、パージガスは、光学素子が収容される照明光学系、及びマスクと基板とが収容されるマスク・基板室のいずれかに供給され、パージが行われる。
本発明の露光装置は、縮小露光型の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。
半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。
本発明は、液晶表示素子(LCD)のようなディスプレイの製造において、デバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造において、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCDのような撮像素子の製造に使用される露光装置にも適用することができる。
マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の一括露光型の露光装置にも適用することができる。
露光装置の光源としては、例えばg線(λ=436nm)、i線(λ=365nm)、Kr2レーザ(λ=146nm)、Ar2レーザ(λ=126nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
次に、本発明の露光装置の製造方法について説明する。
まず、投影光学系30を構成する複数のレンズエレメント32及びカバーガラス31を投影系鏡筒17に収容する。ミラー21、レンズ22,24及びビームスプリッタ23からなる照明光学系20を照明系ユニット15に収容する。照明光学系20及び投影光学系30を露光装置本体12に組み込み、光学調整を行う。多数の機械部品からなるウエハステージWST(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステージRSTも含む)を露光装置本体12に取り付けて配線を接続する。露光光ELの光路内にパージガスを供給するパージガス供給機構40の配管を接続した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認など)を行う。
鏡筒15,17の構成部品は、超音波洗浄などにより、加工油や、金属物質などの不純物を落としたうえで、組み上げられる。露光装置の製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
次に、リソグラフィ工程で上述した露光装置を使用したデバイスの製造方法について説明する。
図5は、デバイス(ICやLSI等の半導体素子、液晶表示素子、CCD等の撮像素子、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造方法のフローチャートである。
図5に示すように、まず、ステップS101(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レクチルR等)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜S103で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。ステップS105には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図6は、半導体デバイスの場合における、図5のステップS104の詳細なフローの一例を示す図である。図6において、ステップS111(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS111〜S114のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステム(露光装置)によってマスク(レチクルR)の回路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
本発明のデバイス製造方法によれば、真空紫外域の露光光ELにより解像力の向上された露光工程(ステップS116)が可能となり、露光量制御を高精度に行うことができる。最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の第1実施形態に従う露光装置の概略図。
図2は照明光学系及び投影光学系の概略構成図。
図3は図2の3刧3線に沿って破断した鏡筒の断面図。
図4は図3の4刧4線に沿って破断した鏡筒の断面図。
図5はデバイスの製造工程のフローチャート。
図6は半導体素子の製造工程のフローチャート。
本発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子及び薄膜磁気ヘッドのような各種マイクロデバイスの製造プロセス、特に、フォトリソグラフィー工程で使用される露光装置にパージガスを供給する方法に関する。
[背景技術]
従来の露光装置は、所定のパターンが形成されたレチクル、フォトマスク等のマスクを所定の露光光で照明し、前記所定のパターンの像を、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光性材料の塗布されたウエハ、ガラスプレート等の基板上に転写する。
近年では、回路パターンの微細化の要求が高まっている。この要求に対応すべく、遠紫外の波長を持つKrFエキシマレーザ光(λ=248nm)、真空紫外の波長を持つArFエキシマレーザ光(λ=193nm)やF2レーザ光(λ=157nm)のような、比較的波長の短い露光光を使用可能な露光装置が開発されている。
ところで、露光光の光路空間には、酸素、水蒸気、炭化水素ガス、及び、露光光と反応してレンズエレメント等の光学素子の表面に付着する曇り物質を生ずる有機物質ガス等の吸光物質が存在する。例えば、光学素子やステージを駆動する駆動機構が露光装置内に存在する場合、駆動機構への給電及び信号伝達のための電線を被覆する物質から極微量の吸光物質が発生する。また、光学素子の表面、あるいは、光学素子を収容する鏡筒の内壁に付着した付着物から揮散したガスが吸光物質となる。
露光光が遠紫外光や真空紫外光の場合、特に、F2レーザ光や、F2レーザ光より短い波長の光である場合、露光光は吸光物質に吸収されやすい。そのため、露光光のエネルギは光源から出射されて基板に到達するまでに著しく低下する。露光光のエネルギの低下は、製品の歩留まりを低下させる。
露光光のエネルギの低下を防止すべく、露光光の光路空間に存在する吸光物質を含むガスを、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスでパージする露光装置が開発された。しかしながら、パージガスの供給量が過少になると、光路空間内の吸光物質の濃度を所望の値にまで低下させるのに長時間を要し、露光装置の停止時間が長くなるという問題が生じる。一方、パージガスの供給量が過剰になると、パージガスの使用量の増加に伴い、ランニングコストが高騰するといった問題が生じる。
この問題を解決すべく、比較的多量の吸光物質が光路空間に存在する時には、光路空間に比較的大流量で不活性ガスを供給し、不純物がある程度排出された後には、比較的小流量で不活性ガスを供給するという方法が考えられる。
不活性ガスの供給量の切換えは、光路における酸素濃度を検出する酸素センサの検出結果に応じて行なわれる。しかしながら、酸素以外の吸光物質が光路に存在する可能性があるため、酸素濃度をモニタしても、酸素以外の吸光物質により露光光が吸収されてしまうおそれがある。従って、酸素濃度に基づいて不活性ガスの供給量を切り替えると、酸素以外の吸光物質が残り、露光処理が不十分となるという問題が生じる。
[発明の開示]
本発明の目的は、露光光の光路にパージガスを高効率かつ経済的に供給する方法を提供することにある。他の目的は、効率的に露光処理をすることができる露光装置を提供することにある。さらなる目的は、高集積度のデバイスを効率的に製造することのできるデバイスの製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、光源から出射された露光光で基板を露光させる露光装置で用いられるパージガスの供給方法を提供する。その方法は、前記露光光の光路の少なくとも一部を区画する室に、前記パージガスを供給し、前記室を通過した前記露光光のエネルギ情報に基づいて、前記室への前記パージガスの供給モードを変更する。
一実施形態では、前記室を通過した前記露光光のエネルギ情報を測定し、該測定結果に基づいて前記供給モードを変更する。
前記露光光のエネルギ情報は、前記露光光の照度分布を含むのが好ましい。
前記露光装置は、前記露光光でマスクを照明する照明光学系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記基板に投影する投影光学系とを有し、前記室は前記照明光学系内又は前記投影光学系内に設けられることが好ましい。
前記露光光のエネルギ情報は、前記照明光学系又は前記投影光学系を通過した前記露光光に基づいて測定される。
前記露光光のエネルギ情報は、更に、前記光源と前記マスクとの間における前記露光光に基づいて測定され、前記供給モードは、前記光源と前記マスクとの間で測定した前記露光光のエネルギ情報と、前記投影光学系の像面側で測定した前記露光光のエネルギ情報とに基づいて変更されるのが好ましい。
前記投影光学系の像面側で測定した前記露光光のエネルギ情報と、前記光源と前記マスクとの間で測定した前記露光光のエネルギ情報との比を求め、前記比が所定の範囲に入ったときに、前記パージガスの供給モードを第1の供給量から該第1の供給量より少ない第2の供給量に切り換えるのが好ましい。
一実施形態では、前記露光装置は、前記照明光学系内の光路を区画する第1の室と、前記照明光学系と前記投影光学系との間の光路を区画する第2の室と、前記投影光学系内の光路を区画する第3の室と、前記投影光学系の像面側における光路を区画する第4の室とを有し、前記第1の室において前記露光光の第1のエネルギ情報を測定し、前記第2の室において前記露光光の第2のエネルギ情報を測定し、前記第4の室において前記露光光の第3のエネルギ情報を測定し、前記第1のエネルギ情報と前記第2のエネルギ情報との比、及び、前記第3のエネルギ情報と前記第1のエネルギ情報との比に応じて、前記第1の室、第2の室、第3の室及び第4の室にそれぞれ対応する供給モードを決定し、決定された供給モードに従って、前記第1の室、第2の室、第3の室及び第4の室に前記パージガスを独立して供給する。
一実施形態では、前記パージガスを供給するに先立って、前記室のモデルに対して流体力学解析を行い、解析結果に従って前記パージガスの供給モードを変更する。
一実施形態では、前記解析結果に基づいて前記パージガスの供給モードの変更時期を予測し、予測された変更時期に前記パージガスの供給モードを変更する。
本発明は更に、光源から出射された露光光を用いて基板を露光する露光装置を提供する。露光装置は前記露光光の光路の少なくとも一部を区画する室にパージガスを供給するパージガス供給機構と、前記室を通過した前記露光光のエネルギ情報に応じて、前記室への前記パージガスの供給モードを制御する制御装置とを備える。
露光装置は更に、前記露光光でマスクを照明する照明光学系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記基板に投影する投影光学系と、前記投影光学系の像面側において前記露光光のエネルギ情報を検出する像面側センサとを備える。
露光装置は更に前記光源と前記マスクとの間において前記露光光のエネルギ情報を検出する光源側センサを備える。
一実施形態では、前記室は前記照明光学系内の光路を区画する第1の室と、前記照明光学系と前記投影光学系との間の光路を区画する第2の室と、前記投影光学系の像面側の光路を区画する第3の室とを含む複数の室の内の一つであり、前記パージガス供給機構は、前記パージガスの供給源と、前記供給源と前記複数の室とをそれぞれ連通させる複数の給気配管と、前記複数の室と前記露光装置の外部とを連通させる複数の排出管と、前記給気配管及び排出管に設けられた複数の弁とを含み、前記制御装置は前記複数の弁の開度を変更して前記供給モードを変更する。
一実施形態では、前記露光光のエネルギ情報は前記露光光の照度であり、前記制御装置は、前記第1の室において測定された前記露光光の第1の照度と、前記第2の室において測定された前記露光光の第2の照度と、前記第4の室において測定された前記露光光の第3の照度とを用いて、前記複数の室にそれぞれ対応する複数の供給モードを決定する。
本発明は更に、露光装置を用いて基板を露光させるリソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法を提供する。その方法は、露光光の光路にパージガスを供給し、前記基板の近傍における前記露光光のエネルギ情報に応じて、前記パージガスの供給モードを変更し、前記露光光の光路が所定のパージガス状態に達した後で、前記露光光で基板を露光させる。
さらに、露光光の光路の途中において前記露光光のエネルギ情報を検出することが好ましい。前記露光装置の起動後に前記パージガスを第1の供給量で供給し、前記所定のパージガス状態に達した後、前記パージガスを前記第1の供給量より少ない第2の供給量で供給する。
本発明は更に、露光装置の内部に区画され、基板を露光させる露光光が通過する室から吸光物質をパージする方法を提供する。その方法は前記室に第1の供給量でパージガスを供給する工程と、前記室において前記露光光の第1の強度を検出する工程と、前記基板の近傍において前記露光光の第2の強度を検出する工程と、前記第1の強度と第2の強度との比に応じて、前記パージガスの供給モードを変更する工程とを備える。
前記供給モードを変更する工程は、前記第1の強度と第2の強度との比が所定の範囲内に達した時に、前記室に前記第1の供給量より少ない第2の供給量でパージガスを供給することを含む。
[発明を実施するための最良の形態]
本発明の第1実施形態に従う半導体素子製造用の露光装置、その露光装置内へパージガスを供給する方法、及びその露光装置を用いた半導体素子の製造方法について以下に説明する。
図1に示すように、露光装置は、露光光源11、露光装置本体12、及び、ビーム・マッチング・ユニット(BMU)13から構成されている。露光光源11は、F2レーザ光(λ=157nm)のような露光光ELを出射するレーザ光源である。BMU13は複数の光学素子により構成され、BMU室28に収容される。BMU室28は、露光光源11と露光装置本体12とを光学的に接続する。露光光源11から出射された露光光ELはBMU13を介して露光装置本体12に導かれる。露光装置本体12は、露光光ELを照射して、マスクとしてのレチクルR上に形成されたパターンの像を基板(ウエハ)W上に転写する。
以下に、露光装置本体12について説明する。
露光装置本体12は、チャンバ14、照明系ユニット15、レチクル室16、投影系鏡筒17、及びウエハ室18を含む。照明系ユニット15、レチクル室16、投影系鏡筒17、及びウエハ室18はチャンバ14内において、露光光ELの光軸方向に沿って順次配列されて、露光光ELの光路を形成する。チャンバ14には空調装置(図示略)が設けられる。空調装置は露光装置本体12を制御する主制御装置50により制御され、チャンバ14の内部を所定の温度及び湿度に維持する。
照明系ユニット15内には、レチクルRを照明するための照明光学系20が収容されている。照明光学系20は、複数のミラー21、オプティカルインテグレータをなすフライアイレンズ(ロッドインテグレータでもよい)22、光路分割部材としての反射率が小さく透過率の大きなビームスプリッタ23、コンデンサレンズ24等の光学素子により形成される。フライアイレンズ22は、露光光ELを入射し、その射出面に多数の二次光源を形成する。ビームスプリッタ23の後方には、レチクルブラインド駆動部59(図2参照)により駆動され、露光光ELの形状を整形するためのレチクルブラインド25が配置されている。
照明系ユニット15は、複数の円板状の平行平板ガラス27により区画された複数(第1実施形態では5つ)の照明気密室29を有する。照明系ユニット15の前端すなわちBMU側開口部26a及び後端すなわちマスク側開口部26bにも平行平板ガラス27が配置されている。BMU側開口部26aに配置された平行平板ガラス27によって、BMU室28の内部空間と、照明系ユニット15の内部空間とが分離される。平行平板ガラス27は、露光光ELを透過する物質(合成石英、蛍石など)により形成される。各照明気密室29には、ミラー21、フライアイレンズ22、ビームスプリッタ23、コンデンサレンズ24、及び、レチクルブラインド25が単独であるいは組み合わされて収容されている。
投影系鏡筒17は、照明光学系20によって照明されるレチクルR上のパターンの像をウエハW上に投影するための投影光学系30を収容する。投影光学系30は複数(第1実施形態では2つ)のカバーガラス31と複数(第1実施形態では3つ)のレンズエレメント32とからなっている。投影系鏡筒17は、投影系鏡筒17の内壁、カバーガラス31、レンズエレメント32、及びレンズエレメント32を保持する保持部材33によって区画された複数(第1実施形態では4つ)の投影気密室34a〜34dを有する。
レチクルステージRSTはレチクル室16に配置される。レチクルステージRSTは、所定のパターンが形成されたレチクルRを、露光光ELの光軸と直交する面内で移動可能に保持する。
ウエハステージWSTは、ウエハ室18に配置される。ウエハステージWSTは露光光ELに感光するフォトレジストが塗布されたウエハWを、露光光ELの光軸と直交する面内においてX方向及びY方向に移動可能、かつその光軸に沿って微動可能に保持する。
図2に示すように、レチクルステージRSTの端部には、干渉計51からのレーザビームを反射する移動鏡52が固定されている。干渉計51によって、レチクルステージRSTの走査方向の位置が常時検出され、その位置情報はレチクルステージ制御部53に送られる。レチクルステージ制御部53は、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部54を制御し、レチクルステージRSTを移動させる。
ウエハステージWSTは、モータ等のウエハステージ駆動部55により、走査方向(Y方向)の移動のみならず、走査方向に垂直な方向(X方向)にも移動可能である。これにより、ウエハW上に区画されたショット領域毎に走査露光を繰り返すステップ・アンド・スキャン動作が可能である。また、ウエハステージWSTの端部には、干渉計56からのレーザビームを反射する移動鏡57が固定されている。ウエハステージWSTのX方向及びY方向の位置は干渉計56によって常時検出される。ウエハステージWSTの位置情報(または速度情報)はウエハステージ制御部58に送られ、ウエハステージ制御部58は位置情報(または速度情報)に基づいてウエハステージ駆動部55を制御する。
ステップ・アンド・スキャン方式によりレチクルR上の回路パターンをウエハW上のショット領域に走査露光する場合、レチクルR上の照明領域は、レチクルブラインド25により長方形に整形される。照明領域は、レチクルR側の走査方向(+Y方向)に対して垂直方向に長手方向を有する。レチクルRを露光時に所定の速度Vrで走査することにより、レチクルR上の回路パターンを長方形の照明領域で一端側から他端側に向かって順次照明する。これにより、照明領域内におけるレチクルR上の回路パターンが、投影光学系30を介してウエハW上に投影され、投影領域が形成される。
ウエハWはレチクルRとは倒立結像関係にあるため、レチクルRの走査方向とは反対方向(−Y方向)にレチクルRの走査に同期して所定の速度Vwで走査される。これにより、ウエハWのショット領域の全面が露光可能となる。走査速度の比Vw/Vrは投影光学系30の縮小倍率に応じて設定されている。レチクルR上の回路パターンがウエハW上の各ショット領域上に正確に縮小転写される。
照明系ユニット15のビームスプリッタ23により反射された露光光ELは集光レンズ60により集光される。光電変換素子よりなる光源側センサとしてのインテグレータセンサ61が集光レンズ60により集光された露光光ELを受光する。
インテグレータセンサ61は、露光光ELのエネルギ情報(例えば、光量、輝度、照度、強度、仕事率)を検出し、そのエネルギ情報の大きさに比例した光電変換信号を発生する。光電変換信号はピークホールド回路(図示略)及びA/D変換器(図示略)を介して主制御装置50に入力される。主制御装置50は光電変換信号を積算することによってウエハWに照射された露光光の積算量をモニタする。インテグレータセンサ61は、遠紫外域で感度があり、且つ高い応答周波数を有するPIN型のフォトダイオードであるのが好ましい。
レチクルステージRST上において、レチクルRの近傍に、露光光ELのエネルギ情報(例えば、光量、輝度、照度、強度、仕事率)を検出する物体面側センサ62が設けられている。物体面側センサ62はレチクルステージRSTと共に移動される。物体面側センサ62は主制御装置50に接続されており、露光光ELのエネルギ情報の大きさに応じた光電変換信号を主制御装置50に供給する。照明光学系20による照明領域内を走査する場合には、物体面側センサ62の受光面は、マスクのパターン面が形成された面と略同一面となるように、センサ62の内部に配置されることが望ましい。なお、物体面側センサ62の受光面が照明領域と同等の大きさを備える場合には、物体面側センサ62を走査する必要はない。露光光源11から露光光ELが出射されている状態でレチクルステージRSTを移動させて、物体面側センサ62を照明光学系20による照明領域内で走査させる。これにより、照明領域内における露光光ELのエネルギ分布が得られる。物体面側センサ62は照度センサであり、エネルギ分布は照度分布であるのが好ましい。
一方、ウエハステージWST上において、ウエハWの近傍には露光光ELのエネルギ情報(例えば、光量、輝度、照度、強度、仕事率)を検出する像面側センサ63が設けられている。像面側センサ63はウエハステージWSTと共に移動される。像面側センサ63は主制御装置50に接続されており、露光光ELのエネルギ情報の大きさに応じた光電変換信号を主制御装置50に供給する。投影光学系30による露光領域内を走査する場合には、像面側センサ63の受光面がウエハWの表面と略同一面となるように、センサ63の位置を調整することが望ましい。なお、像面側センサ63の受光面が露光領域を含む二次元センサであれば、像面側センサ63を走査する必要はない。露光光源11から露光光ELが出射されている状態でウエハステージWSTを移動させて、像面側センサ63をウエハステージWST上の露光領域内で走査させる。これにより、ウエハステージWST上の露光領域における露光光ELのエネルギ分布が得られる。像面側センサ63は照度センサであり、エネルギ分布は照度分布であるのが好ましい。
図3及び図4に示すように、各投影気密室34a〜34dの壁部には、その周方向において互いに離間し、かつ、露光光ELの光軸方向に離間する複数の開口47が形成されている。第1実施形態では、各投影気密室34a〜34dの壁部に10個の開口47が形成される。図3に示すように、5つの開口47が等角度間隔に設けられ、また、図4に示すように、5つの開口47は上部と下部の2段に形成される。
BMU室28及び照明気密室29の各壁部にも、周方向に互いに離間し、かつ、露光光ELの光軸方向にも互いに離間した複数の開口47が形成されている。
図1に示すように、BMU室28、照明気密室(第1の室)29、レチクル室(第2の室)16、各投影気密室(第3の室)34a〜34d及びウエハ室(第4の室)18は、パージガス供給機構40の給気配管42と接続される。パージガス供給機構40はパージガスの供給源すなわちタンク41から、不活性ガスからなるパージガスを室28,29,16,34a〜34d,18に供給する。タンク41は例えばマイクロデバイス工場のユーティリティプラント内に設置される。不活性ガスは、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンから選択された単体ガス、または、混合ガスである。
パージガス中には、ミラー21,フライアイレンズ22、ビームスプリッタ23、コンデンサレンズ24、平行平板ガラス27、カバーガラス31及びレンズエレメント32等の光学素子の表面上に、露光光EL照射下で堆積して曇り現象を生じせしめる汚染物質、あるいはF2レーザ光を強く吸収する酸素等の吸光物質が不純物として含まれることがある。
このため、給気配管42には、パージガス中に含まれる上記汚染物質や吸光物質を含む不純物を除去するためのフィルタ43及びパージガスを所定の温度に調整するとともにパージガス中の水分を除去する温調乾燥器44が介装されている。各室28,29,16,34a〜34d,18は、排出管45を介して半導体素子製造工場の排気ダクト46に接続されている。また、チャンバ14も排気ダクト46に接続されている。これにより、各室28,29,16,34a〜34d,18内に供給されたパージガスは、排気ダクト46を介して、工場の外部に排出される。
各室28,29,16,34a〜34d,18内に存在する汚染物質としては、例えば有機ケイ素化合物、アンモニウム塩、硫酸塩、ウエハW上のレジストからの揮散物、駆動部を有する構成部品に使用される摺動性改善剤からの揮散物、チャンバ14内の電気部品に給電あるいは信号供給するための配線の被覆層からの揮散物等がある。
図4に示すように、給気配管42及び排出管45には、切換弁48が設けられている。切換弁48は、主制御装置50に制御される駆動装置(図示略)により駆動される。これにより、各開口47はタンク41または排気ダクト46と連通または遮断される。各開口47の開度は調節可能である。各駆動装置は、主制御装置50からの駆動信号に基づいて個別に制御される。これにより、複数の開口47が、パージガスを供給するための開口47と、ガスを排出するための開口47とに適宜変更される。
次に、パージガスの供給方法について説明する。
各室28,29,16,34a〜34d,18を通過してウエハステージWSTの像面側センサ63に到達した露光光ELの照度に応じて、各室28,29,16,34a〜34d,18に対するパージガスの供給モードがパージガス供給機構40及び主制御装置50により変更される。
詳しくは、像面側センサ63の検出結果(検出値)とインテグレータセンサ61の検出結果(検出値)とに基づいて、パージガスの供給量を第1の供給量から第2の供給量に変更する。すなわち、第1の供給量と第2の供給量との関係は、第2の供給量が第1の供給量より少ない供給量である。なお、第1の供給量は大流量と称し、第2の供給量は小流量と称する。第1実施形態では、像面側センサ63の検出値とインテグレータセンサ61の検出値との比が所定の範囲内となったときに、パージガスの供給モードが切り替えられる。
大流量の供給モードでは、例えば100〜10L/minの範囲の流量のパージガスを供給し、小流量の供給モードでは、例えば10〜1L/minの範囲の流量のパージガスを供給する。なお、大流量の供給モードは、露光装置本体12の立ち上げ時や、照明系ユニット15を大気開放して、照明光学系30の一部の光学素子の交換などのメンテナンスを行った後に、光路空間内に存在する吸光物質の排気を目的とするものである。また、小流量の供給モードは、吸光物質の排気後、光路空間内に照明系ユニット15の隔壁や投影系鏡筒17の隔壁を介して光路空間に侵入する水分の排気を目的とするものである。当然、他の吸光物質が光路空間に徐々に侵入する場合には、これら吸光物質の排気を目的とするものである。
本実施形態における所定範囲内の比の値とは、像面側センサ63で検出できる露光光のエネルギ情報がレチクル上のパターンを基板上に転写する際に必要な範囲内の値を示す。
パージガスの供給モード切り替えに際して、物体面側センサ62の検出結果(検出値)とインテグレータセンサ61の検出値とから求まる値(例えば、各検出値の比等)を参照することも可能である。例えば、像面側センサ63とインテグレータセンサ61との検出結果の比が所定の範囲外にあり、物体面側センサ62の検出値とインテグレータセンサ61の検出値との比が所定の範囲内となった場合、BMU室28、照明気密室29及びレチクル室16内の吸光物質のパージがほぼ完了したと推定することができる。一方、投影気密室34及びウエハ室18内の吸光物質のパージは未だ完了していないと推定することができる。特に、上述したメンテナンス時には、投影系鏡筒17を大気開放せずに、照明系ユニット15のみを大気開放する場合が殆どである。従って、この場合、物体面側センサ62の検出結果とインテグレータセンサ61の検出結果から求まる値を参照することは有効である。
なお、BMU室28、照明気密室29及びレチクル室16、あるいは投影気密室34a〜34d及びウエハ室18に対するパージガスの供給モードの切り換えは、切換弁48の開度を小さくすることで行われる。
ただし、物体面側センサ62とインテグレータセンサ61との検出結果は、ビームスプリッタ23から物体面側センサ62(レチクルR)との間の光路を通過する露光光のエネルギの変化、すなわち、露光光の透過率を示す。露光光のエネルギ情報は、その光路内に存在する吸光物質による露光光の吸収、あるいは、光路内に配置された光学素子による吸収によって変化する。また、像面側センサ63とインテグレータセンサ61との検出結果は、ビームスプリッタ23から像面側センサ63(ウエハW)との間の光路を通過する露光光のエネルギ情報の変化、すなわち、露光光の透過率を示す。露光光のエネルギ情報は、その光路内に存在する吸光物質による露光光の吸収、あるいは、光路内に配置された光学素子による吸収によって変化する。
物体面側センサ62を照明光学系20による照明領域内で走査させ、インテグレータセンサ61及び物体面側センサ62の各検出結果から露光光ELのエネルギ情報として例えば照度の分布に不均一が生じていると判断された場合、あるいは、露光領域内を像面側センサ63で走査させ、インテグレータセンサ61及び像面側センサ63の各検出結果から露光光ELのエネルギ情報として例えば照度の分布に不均一が生じていると判断された場合には、その不均一を解消すべく、各室29,16,34a,18に対するパージガスの供給モードが変更される。例えば、投影系鏡筒17の投影気密室34bに対するパージガスの供給モードを変更する場合には、以下のような態様でパージガスの供給モードを変更することができる。
図4に示すように、例えば、投影気密室34bの開口47bよりその内部にパージガスを供給しつつ、開口47dよりパージガスを排出させる場合には、切換弁48e,48b,48dを開弁させ、切換弁48a,48f,48c,48g,48hを閉弁させる。また、投影気密室34bの開口47cよりその内部にパージガスを供給しつつ、開口47dよりパージガスを排出させる場合には、切換弁48f,48c,48dを開弁させ、切換弁48a,48b,48e,48g,48hを閉弁させる。このように主制御装置50により各切換弁48の開度を制御することで、例えば図3中に実線または破線の矢印にて示すような態様で、投影気密室34bに対するパージガスの供給及び排出が行われる。
露光装置の露光処理のための準備は、例えば以下の手順で行われる。
まず、露光光源11及び露光装置本体12の立ち上げ前に、パージガス供給機構40及び主制御装置50が各室28,29,16,34a〜34d,18内の気体をパージガスに置換するパージ処理を開始する。パージガス供給開始時には、各室28,29,16,34a〜34d,18内の吸光物質の濃度が比較的高い。例えば、パージガス供給開始時には、照明系ユニット15内はほとんど空気であり、投影系鏡筒17内は組み立て段階で封入された不活性ガスである。なお、投影系鏡筒17には不活性ガスが封入されているものの、空気の混入や、隔壁を介した水分の侵入などによって、不活性ガスの純度は極めて低下しているものと考えられる。そのため、パージガスの供給モードは大流量に設定される。
露光光源11及び露光装置本体12の立ち上げ完了後、連続的あるいは断続的に露光光ELを出射させながら、各センサ61〜63の検出結果をモニタする。例えば、物体面側センサ62の検出結果と、インテグレータセンサ61の検出結果とから求まる値に基づいて、照明系ユニット15内のガス置換の状態をモニタすることができる。また、インテグレータセンサ61の検出結果と、像面側センサ63の検出結果とから求まる値に基づいて、照明系ユニット15及び投影系鏡筒17内のガス置換の状態をモニタすることができる、その結果、吸光物質の濃度が基準値よりも小さくなったと判定された時、パージガスの供給モードが大流量モードから小流量モードに切り換えられる。小流量モードに切り換わった後、以下の手順で投影光学系30の結像特性を調整する。
まず、テストレチクルRtとテストウエハWtとを用いて、テスト露光を行う。テスト露光では、テストレチクルRtのパターンの像がテストウエハWt上に転写される。テストウエハWt上に転写されたパターンの像を現像する。現像されたパターンを顕微鏡で観察することにより、投影光学系30の収差情報を求める。
収差情報を主制御装置50に入力して記憶させる。主制御装置50は、収差情報に基づいて、結像特性制御部64に対し投影光学系30を構成する少なくとも一つのレンズエレメント32を駆動する駆動機構65の駆動を指令する。これにより、レンズエレメント32の相対位置が変更され、投影光学系30の結像特性が補正される。補正後、レチクルRのパターンの像をウエハW上に転写する実露光に移行する。
実露光に移行すると、所定期間毎あるいは所定回数露光する毎に各センサ61〜63による露光光ELの照度検出、あるいは、露光領域内の照度分布検出を行い、その検出結果から得られる露光光ELの照度分布に応じてパージガスの供給モードが変更される。
第1実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1) 露光装置におけるパージガスの供給方法では、像面側センサ63とインテグレータセンサ61の検出値が所定の範囲内になったとき、パージガスの供給モードが大流量から小流量に切り換えられる。このため、パージガスの供給不足及びパージガスの供給過剰が防止される、所望の照度の露光光ELで露光処理ができ、露光装置を稼動する際のコストが低減される。従って、各室28,29,16,34a〜34d,18に高効率で経済的にパージガスを供給して吸光物質を排出することができる。
(2) 各室28,29,16,34a〜34d,18は、吸光物質が少ない理想的なパージ状態に維持される。
(3) 露光装置は、レチクルステージRST上に設けられた物体面側センサ62と、ウエハステージWST上に設けられた像面側センサ63とを有する。このため、レチクルRに到達する露光光ELのエネルギ情報としての照度または照度分布を把握しながら、照明系ユニット15内にパージガスを供給することができる。
(4) 露光装置の結像性能を向上することができるとともに、露光精度の向上を図ることができる。
(5) 第1実施形態のパージガスの供給方法によれば、露光光ELの照度または照度分布に応じて切換弁48が個別に制御され、各室28,29,16,34a〜34d,18に対するパージガスの供給モードが変更される。このため、各室28,29,16,34a〜34d,18内で局所的な吸光物質を含む被パージガスの淀みが生じたとしても、その被パージガスの排出を促進することが可能となる。この結果、露光光ELの露光領域において露光ムラが生じることを抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第2実施形態では、第1実施形態と同様にBMU室28、照明気密室29、レチクル室16、投影気密室34a〜34d、ウエハ室18にパージガスが供給される。ただし、第2実施形態では、各室28,29,16,34a〜34d,18をモデルとする流体力学解析を行い、その解析結果を基にパージガスの供給モードを変更する点で第1実施形態とは異なる。
第2実施形態では、以下の態様でパージガスの供給モードが決定される。
予め、BMU室28、照明気密室29、レチクル室16、投影気密室34a〜34d及びウエハ室18をモデルとするとして、パージガスの供給量及び供給時間、被パージガスの排気量及び排気時間、各室の容積に基づいて、各室内に残存する吸光物質の量を計算するとともに、残存する吸光物質の量に基づいて、残存する吸光物質に吸収される露光光のエネルギ情報を流体力学解析で求める。流体力学解析の結果から、露光装置を用いて露光処理を行う場合の各室28,29,16,34a〜34d,18を通過する露光光ELの照度を算出する。算出結果から、所望の照度でもって露光処理のできる主制御装置50による各切換弁48の開度制御に関するプログラムデータを作成し、主制御装置50に記憶させる。
実際に露光処理を行う際には、記憶されたプログラムデータに従って主制御装置50が各切換弁48の開度を個別に制御することで、各室28,29,16,34a〜34d,18に対するパージガスの供給モードが変更される。
露光装置の露光処理のための準備は例えば以下の手順で行われる。
まず、露光光源11及び露光装置本体12を起動し、主制御装置50に記憶された前記データを実行させる。これにより、データに従った態様で各切換弁48の開度が主制御装置50により個別に制御されつつ、各室28,29,16,34a〜34d,18に対してパージガスが供給され、パージが行われる。そして、パージガスの供給モードが大流量から小流量に切り換わるまで待機する。次いで、パージガスの供給モードが切り換わった後、第1実施形態と同様のテスト露光及び結像特性の調整を行い、実露光に移行する。
第2実施形態によれば、上記の(2)及び(4)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(6) 露光装置におけるパージガスの供給方法では、各室28,29,16,34a〜34d,18をモデルとする流体力学解析の解析結果から露光光ELのエネルギ情報として照度を算出する。そして、その算出結果を基に作成された各切換弁48の制御プログラムに基づいてパージガスの供給モードが変更される。
このため、流体力学解析の解析結果により、どのような態様で各切換弁48の開度を制御すれば効率よく且つ経済的に露光処理を行うことができるかを把握することができる。従って、各室28,29,16,34a〜34d,18内で吸光物質を含んで淀みとなって残留する被パージガスの排出を促進することができる。また、露光光ELの露光領域における露光ムラを抑制しつつ、各室28,29,16,34a〜34d,18内をパージガスによる理想的なパージ状態に維持することができる。
次に、本発明の第3実施形態について、第1及び第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第3実施形態では、第1実施形態と第2実施形態とにおける両パージガスの供給方法を組み合わせた方法が採用されている。すなわち、予め第2実施形態と同様に、BMU室28、照明気密室29、レチクル室16、投影気密室34a〜34d、ウエハ室18をモデルとする流体力学解析を行う。そして、各室28,29,16,34a〜34d,18に対するパージガスの供給モードの変更時期を予測する。次いで、露光装置による露光処理を行う際には、この予測に基づいて、そのパージガスの供給モードを変更する。そして、第1実施形態と同様に、インテグレータセンサ61、物体面側センサ62及び像面側センサ63を用いて、レチクルR、ウエハWに到達している露光光ELの照度またはレチクルR及びウエハW上での露光光ELの照度分布を測定する。次に、この測定結果に応じてパージガスの供給モードを調整する。従って、第3実施形態では、図1及び図2に示した構成の露光装置がそのまま用いられる。
露光装置の露光処理のための準備は例えば以下の手順で行われる。
まず、露光光源11及び露光装置本体12を起動し、主制御装置50に記憶されたプログラムデータを実行させる。これにより、プログラムデータに従った態様で各切換弁48の開度が主制御装置50により個別に制御されつつ、各室28,29,16,34a〜34d,18に対してパージガスが供給され、パージが行われる。そして、露光光源11の起動工程が完了した後に連続的あるいは断続的に露光光ELを出射させ、各センサ61〜63の検出結果から各室28,29,16,34a〜34d,18内が所定のパージガス状態になるまで待機する。次いで、第1実施形態と同様のテスト露光及び結像特性の調整を行い、実露光に移行する。
そして、この実露光に移行すると、所定期間毎あるいは所定回数露光する毎に各センサ61〜63による露光光ELの照度検出、あるいは、露光領域内の照度分布検出を行い、その検出結果から得られる露光光ELの照度分布に応じてパージガスの供給モードを調整する。
第3実施形態によれば、上記の(1)〜(6)の効果に加えて、以下の効果が得られる。
(7) 第2実施形態のパージガスの供給方法に基づいてその供給モードの変更時期が予測され、第1実施形態のパージガスの供給方法に基づいて実際に露光光ELの照度または照度分布を検出しつつ、パージガスの供給モードが変更及び調整される。このため、実際に各センサ61〜63により露光光ELの照度を監視して、その露光光ELの照度または照度分布の変化をプログラムデータに基づいたパージガスの供給モードの変更にフィードバックすることができる。この結果、各室28,29,16,34a〜34d,18内を理想的なパージ状態により経済的にかつ精度よく維持することができる。
第1乃至第3実施形態を以下のように変更してもよい。
第1実施形態において、像面側センサ63とインテグレータセンサ61の検出値(またはその比)、及び物体面側センサ62とインテグレータセンサ61の検出値のいずれか一方の値のみを求めてもよい。この場合、その値が所定の範囲内になったときにパージガスの供給モードが変更される。
物体面側センサ62とインテグレータセンサ61の検出値(またはその比)が所定の範囲内に入っているときには、BMU室28、照明気密室29及びレチクル室16に対するパージガスの供給モードを大流量から小流量に切り替えてもよい。
検出結果の比に基づいてパージガスの供給モードを変更せずに、センサ61〜63の検出値が所定の範囲となったときにパージガスの供給モードを変更してもよい。
第2実施形態において、各室28,29,16,34a〜34d,18をモデルとする流体力学解析により得られた予測時期から更に所定時間遅らせてから、パージガスの供給モードを大流量から小流量へ切り換えてもよい。
レチクルステージRST上及びウエハステージWST上の少なくとも一方に複数の照度センサを設けてもよい。
インテグレータセンサ61、物体面側センサ62及び像面側センサ63を設ける位置及び数は、図1及び図2に示した位置及び数に限定されるものではなく任意に設定可能である。少なくとも一つのセンサを、投影光学系30の像面側に設けることが望ましい。
任意の開度に調節可能な切換弁48の替わりに、全開及び全閉に切り換え可能な切換弁を用いてもよい。
BMU室28、照明気密室29、レチクル室16、投影気密室34a〜34d、ウエハ室18に形成される開口47の位置及び数は、変更してもよい。
切換弁48の配設位置及び数も図1〜図4に示した態様には限定されるものではなく任意に設定可能である。
各実施形態では、パージガスの供給モードを大流量から小流量に切り換える構成とした。しかし、パージガスの供給モード切り換えは、2段階の切り換えに限定されるものではない。切り換えを3段階以上の複数の段数、あるいは無段階で行う構成としてもよい。
各実施形態では、BMU室28、照明気密室29、レチクル室16、投影気密室34a〜34d、ウエハ室18のそれぞれにパージガス供給機構40が接続される構成とした。しかし、パージガス供給機構40をこれら各室28,29,16,34a〜34d,18のうち少なくとも照明気密室29及び投影気密室34a〜34dのいずれか一方に設ける構成としてもよい。
なお、本実施形態の露光装置には、レチクル室16及びウエハ室18が設けられているが、レチクル室16及びウエハ室18を設けず、かつ、照明系ユニット15と投影系鏡筒17との間のうち、露光光の光路部分のみを局所的にパージする局所パージ機構を設けてもよい。また、投影系鏡筒17とウエハWとの間の光路部分のみを局所的にパージする局所パージ機構を設けても良い。
各実施形態では、露光光ELのエネルギ分布は照度分布に限定されず、例えば露光光ELの強度分布であってもよい。この場合、物体面側センサ62及び像面側センサ63に替えて、例えば光量、輝度、照度、仕事率のような露光光のエネルギ情報を測定するセンサが使用される。
露光光ELのエネルギ分布に替えて、露光光ELのエネルギに応じてパージガスの供給モードを変更する構成としてもよい。
投影光学系としては、屈折タイプに限らず、反射屈折タイプ、反射タイプであってもよい。また、露光装置として、投影光学系を用いることなく、マスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するコンタクト露光装置、マスクと基板とを近接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも本発明を同様に適用することができる。なお、これら露光装置を用いる場合、パージガスは、光学素子が収容される照明光学系、及びマスクと基板とが収容されるマスク・基板室のいずれかに供給され、パージが行われる。
本発明の露光装置は、縮小露光型の露光装置に限定されるものではなく、例えば等倍露光型、拡大露光型の露光装置であってもよい。
半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては、石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、または水晶などが用いられる。
本発明は、液晶表示素子(LCD)のようなディスプレイの製造において、デバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造において、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCDのような撮像素子の製造に使用される露光装置にも適用することができる。
マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の一括露光型の露光装置にも適用することができる。
露光装置の光源としては、例えばg線(λ=436nm)、i線(λ=365nm)、Kr2レーザ(λ=146nm)、Ar2レーザ(λ=126nm)等を用いてもよい。また、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
次に、本発明の露光装置の製造方法について説明する。
まず、投影光学系30を構成する複数のレンズエレメント32及びカバーガラス31を投影系鏡筒17に収容する。ミラー21、レンズ22,24及びビームスプリッタ23からなる照明光学系20を照明系ユニット15に収容する。照明光学系20及び投影光学系30を露光装置本体12に組み込み、光学調整を行う。多数の機械部品からなるウエハステージWST(スキャンタイプの露光装置の場合は、レチクルステージRSTも含む)を露光装置本体12に取り付けて配線を接続する。露光光ELの光路内にパージガスを供給するパージガス供給機構40の配管を接続した上で、さらに総合調整(電気調整、動作確認など)を行う。
鏡筒15,17の構成部品は、超音波洗浄などにより、加工油や、金属物質などの不純物を落としたうえで、組み上げられる。露光装置の製造は、温度、湿度や気圧が制御され、かつクリーン度が調整されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
次に、リソグラフィ工程で上述した露光装置を使用したデバイスの製造方法について説明する。
図5は、デバイス(ICやLSI等の半導体素子、液晶表示素子、CCD等の撮像素子、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造方法のフローチャートである。
図5に示すように、まず、ステップS101(設計ステップ)において、デバイス(マイクロデバイス)の機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レクチルR等)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラスプレート等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜S103で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。ステップS105には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入等)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図6は、半導体デバイスの場合における、図5のステップS104の詳細なフローの一例を示す図である。図6において、ステップS111(酸化ステップ)では、ウエハWの表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)では、ウエハW表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)では、ウエハW上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)では、ウエハWにイオンを打ち込む。以上のステップS111〜S114のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、ウエハWに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、先に説明したリソグラフィシステム(露光装置)によってマスク(レチクルR)の回路パターンをウエハW上に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)では露光されたウエハWを現像し、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハW上に多重に回路パターンが形成される。
本発明のデバイス製造方法によれば、真空紫外域の露光光ELにより解像力の向上された露光工程(ステップS116)が可能となり、露光量制御を高精度に行うことができる。最小線幅が0.1μm程度の高集積度のデバイスを歩留まりよく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の第1実施形態に従う露光装置の概略図。
図2は照明光学系及び投影光学系の概略構成図。
図3は図2の3刧3線に沿って破断した鏡筒の断面図。
図4は図3の4刧4線に沿って破断した鏡筒の断面図。
図5はデバイスの製造工程のフローチャート。
図6は半導体素子の製造工程のフローチャート。
Claims (20)
- 光源から出射された露光光で基板を露光させる露光装置で用いられるパージガスの供給方法であって、
前記露光光の光路の少なくとも一部を区画する室に、前記パージガスを供給し、
前記室を通過した前記露光光のエネルギ情報に基づいて、前記室への前記パージガスの供給モードを変更する、パージガスの供給方法。 - 請求の範囲第1項に記載のパージガスの供給方法において、前記室を通過した前記露光光のエネルギ情報を測定し、該測定結果に基づいて前記供給モードを変更する。
- 請求の範囲第2項に記載のパージガスの供給方法において、前記露光光のエネルギ情報は、前記露光光の照度分布を含む。
- 請求の範囲第1項または第2項に記載のパージガスの供給方法において、前記露光装置は、前記露光光でマスクを照明する照明光学系と、前記マスクに形成されたパターンの像を前記基板に投影する投影光学系とを有し、前記室は前記照明光学系内又は前記投影光学系内に設けられることを特徴とする。
- 請求の範囲第4項に記載のパージガスの供給方法において、前記露光光のエネルギ情報は、前記照明光学系又は前記投影光学系を通過した前記露光光に基づいて測定されることを特徴とする。
- 請求の範囲第5項に記載のパージガスの供給方法において、前記露光光のエネルギ情報は、更に、前記光源と前記マスクとの間における前記露光光に基づいて測定され、前記供給モードは、前記光源と前記マスクとの間で測定した前記露光光のエネルギ情報と、前記投影光学系の像面側で測定した前記露光光のエネルギ情報とに基づいて変更されることを特徴とする。
- 請求の範囲第6項に記載のパージガスの供給方法において、前記投影光学系の像面側で測定した前記露光光のエネルギ情報と、前記光源と前記マスクとの間で測定した前記露光光のエネルギ情報との比を求め、前記比が所定の範囲に入ったときに、前記パージガスの供給モードを第1の供給量から該第1の供給量より少ない第2の供給量に切り換えることを特徴とする。
- 請求の範囲第4項に記載のパージガスの供給方法において、前記露光装置は、前記照明光学系内の光路を区画する第1の室と、前記照明光学系と前記投影光学系との間の光路を区画する第2の室と、前記投影光学系内の光路を区画する第3の室と、前記投影光学系の像面側における光路を区画する第4の室とを有し、
前記第1の室において前記露光光の第1のエネルギ情報を測定し、
前記第2の室において前記露光光の第2のエネルギ情報を測定し、
前記第4の室において前記露光光の第3のエネルギ情報を測定し、
前記第1のエネルギ情報と前記第2のエネルギ情報との比、及び、前記第3のエネルギ情報と前記第1のエネルギ情報との比に応じて、前記第1の室、第2の室、第3の室及び第4の室にそれぞれ対応する供給モードを決定し、
決定された供給モードに従って、前記第1の室、第2の室、第3の室及び第4の室に前記パージガスを独立して供給する。 - 請求の範囲第1項に記載のパージガスの供給方法は、前記パージガスを供給するに先立って、前記室のモデルに対して流体力学解析を行い、解析結果に従って前記パージガスの供給モードを変更することを含む。
- 請求の範囲第9項に記載のパージガスの供給方法は、前記解析結果に基づいて前記パージガスの供給モードの変更時期を予測し、予測された変更時期に前記パージガスの供給モードを変更することを含む。
- 光源から出射された露光光を用いて基板を露光する露光装置であって、
前記露光光の光路の少なくとも一部を区画する室にパージガスを供給するパージガス供給機構と、
前記室を通過した前記露光光のエネルギ情報に応じて、前記室への前記パージガスの供給モードを制御する制御装置とを備える露光装置。 - 請求の範囲第11項に記載の露光装置において、前記露光光でマスクを照明する照明光学系と、
前記マスクに形成されたパターンの像を前記基板に投影する投影光学系と、
前記投影光学系の像面側において前記露光光のエネルギ情報を検出する像面側センサとを更に備える。 - 請求の範囲第12項に記載の露光装置は、前記光源と前記マスクとの間において前記露光光のエネルギ情報を検出する光源側センサを更に備える。
- 請求の範囲第12項に記載の露光装置において、前記室は前記照明光学系内の光路を区画する第1の室と、前記照明光学系と前記投影光学系との間の光路を区画する第2の室と、前記投影光学系の像面側の光路を区画する第3の室とを含む複数の室の内の一つであり、前記パージガス供給機構は、
前記パージガスの供給源と、
前記供給源と前記複数の室とをそれぞれ連通させる複数の給気配管と、
前記複数の室と前記露光装置の外部とを連通させる複数の排出管と、
前記給気配管及び排出管に設けられた複数の弁とを含み、前記制御装置は前記複数の弁の開度を変更して前記供給モードを変更する。 - 請求の範囲第14項に記載の露光装置において、前記露光光のエネルギ情報は前記露光光の照度であり、前記制御装置は、前記第1の室において測定された前記露光光の第1の照度と、前記第2の室において測定された前記露光光の第2の照度と、前記第4の室において測定された前記露光光の第3の照度とを用いて、前記複数の室にそれぞれ対応する複数の供給モードを決定する。
- 露光装置を用いて基板を露光させるリソグラフィ工程を含む、デバイスの製造方法であって、
露光光の光路にパージガスを供給し、
前記基板の近傍における前記露光光のエネルギ情報に応じて、前記パージガスの供給モードを変更し、
前記露光光の光路が所定のパージガス状態に達した後で、前記露光光で基板を露光させる、製造方法。 - 請求の範囲第16項に記載のデバイスの製造方法は、さらに、露光光の光路の途中において前記露光光のエネルギ情報を検出する。
- 請求の範囲第16項に記載のデバイスの製造方法において、前記露光装置の起動後に前記パージガスを第1の供給量で供給し、前記所定のパージガス状態に達した後、前記パージガスを前記第1の供給量より少ない第2の供給量で供給する。
- 露光装置の内部に区画され、基板を露光させる露光光が通過する室から吸光物質をパージする方法であって、
前記室に第1の供給量でパージガスを供給する工程と、
前記室において前記露光光の第1の強度を検出する工程と、
前記基板の近傍において前記露光光の第2の強度を検出する工程と、
前記第1の強度と第2の強度との比に応じて、前記パージガスの供給モードを変更する工程とを備える、吸光物質をパージする方法。 - 請求の範囲第19項に記載の吸光物質をパージする方法において、前記供給モードを変更する工程は、前記第1の強度と第2の強度との比が所定の範囲内に達した時に、前記室に前記第1の供給量より少ない第2の供給量でパージガスを供給することを含む。
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