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JPWO2008075402A1 - スパイラルタップ - Google Patents

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JPWO2008075402A1
JPWO2008075402A1 JP2008549997A JP2008549997A JPWO2008075402A1 JP WO2008075402 A1 JPWO2008075402 A1 JP WO2008075402A1 JP 2008549997 A JP2008549997 A JP 2008549997A JP 2008549997 A JP2008549997 A JP 2008549997A JP WO2008075402 A1 JPWO2008075402 A1 JP WO2008075402A1
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孝之 中嶋
敬之 松下
敬之 松下
二朗 大沢
二朗 大沢
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Abstract

図1に示すように、完全山部24のシャンク側山部24bの切れ刃26のすくい面には、ねじ山高さHnejiの15%〜100%の範囲内の面取り高さHmen で面取り30が設けられているため、面取り30に沿って切り屑が外周側へ押し出され易くなり、切り屑の噛み込みそのものが抑制されるとともに、面取り30によって切れ刃強度が高くなるため、切り屑の噛み込みによる刃欠けや折損が効果的に防止される。また、完全山部24のうち先端側の1山を越え且つ5山以下の食付き側山部24aは、元通りの完全な切れ刃形状を有するとともに、面取り30が設けられたシャンク側山部24bも切れ刃26部分以外は元のねじ山形状であるため、完全山部24の全域で優れた案内作用が得られ、高い加工精度でめねじを切削加工することができる。

Description

本発明はスパイラルタップに係り、特に、食付き部によって形成されたねじ穴に完全山部がねじ込まれる際に切り屑を噛み込んで刃欠けや折損が生じることを防止する技術に関するものである。
おねじを分断するように設けられたねじれ溝に沿って切れ刃が形成されているねじ部を有し、下穴内にそのねじ部がねじ込まれることにより、前記切れ刃によってその下穴の内周面にめねじを切削加工するとともに、前記ねじれ溝によって切り屑をシャンク側へ排出するスパイラルタップが、例えば特許文献1に記載されている。図4の(a) は、このようなスパイラルタップを用いたタップ立て加工の一例を示す断面図で、このスパイラルタップ100のねじ部102には右ねじれのねじれ溝104に沿って切れ刃が設けられており、シャンク106側から見て右まわりに回転駆動されることによりタップ立てを行う。被加工物110には、予め下穴112が設けられており、その下穴112内にスパイラルタップ100が先端側からねじ込まれることにより、その下穴112の内周面にめねじを切削加工する。その場合に、切り屑はねじれ溝104によって下穴112の外部に排出されるが、食付き部によって形成されたねじ穴114に完全山部がねじ込まれる際に、その切り屑を噛み込んで刃欠けが生じたりタップ100が折損したりすることがある。特に、水溶性切削油剤やMQL(Minimum Quantity Lubrication;最少量潤滑)などの使用で切れ味が悪くなると、切り屑がカールし難くなって長く伸び、不規則な動きをするようになるため、切り屑を噛み込み易くなって刃欠けや折損が顕著になる。
これに対し、特許文献2には、図4の(b) に示すように、上記ねじ部102の完全山部のうち、食付き部120に連続する先端側の2〜5山の食付き側山部122を残して、それよりもシャンク106側に位置するシャンク側山部124の頂部分を有効径付近から切除(山払い)することにより、切れ刃の先端部分の刃欠けを防止する技術が提案されている。
特開平4−75816号公報 特開平10−118844号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載のスパイラルタップは、有効径付近から先(外周側)の部分を切除しただけであるため、その切除後においても切れ刃側の先端が尖っており、依然として切り屑を噛み込み易いとともに刃欠けを生じ易く、必ずしも十分に満足できるものではなかった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、食付き部によって形成されたねじ穴に完全山部がねじ込まれる際に、切り屑を噛み込んで刃欠けや折損が生じることを一層効果的に防止することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、おねじを分断するように設けられたねじれ溝に沿って切れ刃が形成されているねじ部を有し、下穴内にそのねじ部がねじ込まれることにより、前記切れ刃によってその下穴の内周面にめねじを切削加工するとともに、前記ねじれ溝によって切り屑をシャンク側へ排出するスパイラルタップにおいて、(a) 前記ねじ部の完全山部には、食付き部に連続する先端側の1山を越え且つ5山以下の食付き側山部を残して、それよりもシャンク側に位置するシャンク側山部の切れ刃のすくい面に、ねじ山の頂へ向かうに従って周方向へ後退する面取りが設けられているとともに、(b) その面取りの面取り高さHmen は、前記完全山部におけるねじ山高さHnejiの15%〜100%の範囲内とされていることを特徴とする。
第2発明は、第1発明のスパイラルタップにおいて、前記面取りは、平坦な平面取りまたは円弧形状のR面取りであることを特徴とする。
このようなスパイラルタップにおいては、ねじ部の完全山部のうちシャンク側に位置するシャンク側山部の切れ刃のすくい面に、完全山部におけるねじ山高さHnejiの15%〜100%の範囲内の面取り高さHmen で面取りが設けられているため、その面取りに沿って切り屑が外周側へ押し出され易くなり、切り屑の噛み込みそのものが抑制されるとともに、面取りによって切れ刃強度が高くなるため、切り屑の噛み込みによる刃欠けや折損が効果的に防止される。また、ねじ部の完全山部のうち食付き部に連続する先端側の1山を越え且つ5山以下の食付き側山部は、元通りの完全なねじ山形状を有するとともに、上記面取りが設けられたシャンク側山部も切れ刃部分以外は元のねじ山形状を維持することができるため、有効径付近から頂部分を円筒形状に山払いする場合に比較して、完全山部の全域で優れた案内作用(リード送り)が得られるようにすることが可能で、高い加工精度でめねじを切削加工することができる。
本発明の一実施例であるスパイラルタップを示す図で、(a) は正面図、(b) は(a) におけるB−B断面の拡大図、(c) は(a) におけるC−C断面の拡大図である。 本発明の他の実施例を説明する図で、図1の(c) に対応する断面図である。 本発明品を含む10種類の試験品No1〜No10をそれぞれ2本ずつ用いて耐久性試験を行った結果を説明する図で、(a) は10種類の試験品の諸元を説明する図、(b) は耐久性試験の試験結果を示す図である。 従来のスパイラルタップを説明する図で、(a) は下穴内にねじ部がねじ込まれてタップ立てを行っている状態を示す断面図、(b) は切り屑の噛み込みを防止するために完全山部に円筒山払いが施されたスパイラルタップを示す正面図である。
符号の説明
10:スパイラルタップ 16:ねじ部 20:ねじれ溝 24:完全山部 24a:食付き側山部 24b:シャンク側山部 26:切れ刃 30:面取り(平面取り) 32:R面取り(面取り) O:軸心 Hmen :面取り高さ Hneji:ねじ山高さ θ:面取り角度
本発明のスパイラルタップは、切り屑がシャンク側へ排出されるもので、具体的には右ねじれのねじれ溝に沿って切れ刃が設けられたスパイラルタップをシャンク側から見て右まわりに回転駆動して切削加工する場合、および左ねじれのねじれ溝に沿って切れ刃が設けられたスパイラルタップをシャンク側から見て左まわりに回転駆動して切削加工する場合がある。
上記スパイラルタップは、例えば高速度工具鋼(ハイス)や超硬合金等の種々の工具材料を用いて構成することが可能で、必要に応じてTiAlNやTiN、TiCN等の硬質被膜をコーティングすることもできる。また、水溶性切削油剤やMQL(最少量潤滑)、或いは切削油剤無しのドライ加工など、切れ味が悪くて切り屑が伸び易く、不規則な動きをするような場合に、本発明のスパイラルタップは特に優れた効果を発揮するが、潤滑油剤を十分に供給しながらタップ立てを行うウェット加工で用いることも勿論可能である。
完全山部のうち、すくい面に面取りを設けない食付き側山部は、1山以下だとタップを高い精度で案内(リード送り)することができなくなる一方、5山を越えると切り屑を噛み込み易くなって刃欠けや折損が生じ易くなるため、1山を越え且つ5山以下とする必要がある。
面取り高さHmen は、面取り前の切れ刃の先端(外周縁)を基準とする径方向の寸法である。完全山部におけるねじ山高さHnejiは、ねじ山の谷底から頂までの径方向の寸法で、具体的には「(タップ外径−タップ谷径)/2」で表される。そして、面取り高さHmen がねじ山高さHnejiの15%未満であると、面取りによる切り屑の噛み込み抑制作用や切れ刃強度の向上効果が十分に得られない一方、100%を越えると下穴(ねじ穴)との間に隙間が生じて却って切り屑を噛み込み易くなるため、ねじ山高さHnejiの15%〜100%の範囲内とする必要がある。この面取り高さHmen は一定であっても良いが、所定の範囲内で軸方向において連続的または段階的に変化させたり、或いは複数の切れ刃毎に異なる寸法としたりすることも可能である。
面取り形状は、平坦な平面取りでも円弧形状のR面取りでも良い。平面取りの場合、切れ刃に対して直角な断面において、面取り前の切れ刃の先端(外周縁)とタップ軸心Oとを結ぶ基準線Lに対する面取り角度θは、小さ過ぎると面取りによる切り屑の噛み込み抑制作用や切れ刃強度の向上効果が適切に得られないため、例えば20°程度以上が望ましい。また、面取り角度θが大き過ぎると、面取りとすくい面との間の角度が小さくなって切り屑が引っ掛かり易くなるため、例えば60°程度以下とすることが望ましい。この面取り角度θは一定であっても良いが、所定の範囲内で軸方向において連続的または段階的に変化させたり、或いは複数の切れ刃毎に異なる角度としたりすることも可能である。
R面取りは、例えば切れ刃に対して直角な断面において、すくい面およびねじ山の頂に対して滑らかに接続される略一定の半径の円弧形状とされるが、加工の都合などで曲率が連続的に変化している円弧形状であっても良い。
完全山部のねじ山には、エキセントリックレリーフ等の逃げを設けることが望ましいが、逃げの無い一定の径寸法のねじ山を採用することも可能である。すなわち、本発明は完全山部のうちのシャンク側山部の切れ刃のすくい面に面取りが設けられておれば良く、ねじ山の逃げについては、その有無を含めて種々の態様が可能で、例えばねじ山の頂付近を円筒形状に山払いすることも可能である。
ねじ部に設けられるねじれ溝のねじれ角は、切り屑の排出性の点で、例えば15°〜50°程度の範囲内が望ましい。また、切れ刃の刃数は、被削材質やタップサイズにより例えば2枚〜6枚程度が適当である。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である3枚刃のスパイラルタップ10を示す図で、(a) は軸心Oと直角方向から見た正面図、(b) は(a) におけるB−B断面の拡大図、(c) は(a) におけるC−C断面の拡大図である。このスパイラルタップ10は、シャンク12、首部14、およびねじ部16を、その順番で同一の軸心O上に一体に備えており、ねじ部16には加工すべきめねじに対応するねじ溝形状のおねじが設けられているとともに、そのおねじを分断するように3本のねじれ溝20が設けられている。ねじ部16は、おねじのねじ山18が軸方向においてテーパ状に除去された先端側の食付き部22と、その食付き部22に連続して設けられた完全なねじ山18を有する完全山部24とを備えており、上記ねじれ溝20との稜線部分に切れ刃26が形成されている。ねじれ溝20は右ねじれで、そのねじれ角は15°〜50°程度の範囲内で例えば40°程度とされており、スパイラルタップ10は、シャンク12側から見て右まわりに回転駆動されつつ、例えば前記図4の被加工物110の下穴112内に先端側からねじ込まれることにより、その下穴112の内周面にめねじを切削加工するとともに、ねじれ溝20によって切り屑をシャンク12側へ排出する。
上記完全山部24には、食付き部22に連続する先端側の1山を越え且つ5山以下の食付き側山部24aを残して、それよりもシャンク12側に位置するシャンク側山部24bの切れ刃26のすくい面(ねじれ溝20の一部)に、ねじ山18の頂すなわち外周側へ向かうに従って周方向(ヒール側)へ後退する面取り30が設けられている。図1の(b) は、面取り30が設けられていない食付き側山部24aにおける断面図で、図1の(c) は、面取り30が設けられたシャンク側山部24bにおける断面図であり、面取り30の面取り高さHmen は、完全山部24におけるねじ山高さHnejiの15%〜100%の範囲内で例えば50%程度とされている。面取り高さHmen は、面取り前の切れ刃26の先端(外周縁)を基準とする径方向の寸法で、ねじ山高さHnejiは、ねじ山18の谷底から頂までの径方向の寸法、具体的には「(タップ外径−タップ谷径)/2」である。
また、上記面取り30は平坦な平面取りで、面取り前の切れ刃26の先端(外周縁)とタップ軸心Oとを結ぶ基準線Lに対する面取り角度θは、20°〜60°の範囲内で、例えば45°程度とされている。この面取り角度θは、図1の(c) では軸心Oに対して直角な断面に示されているが、厳密には、ねじれ溝20に沿って形成される切れ刃26に対して直角な断面における角度で、その面取り角度θが20°〜60°の範囲内で定められる。
なお、前記面取り高さHmen および面取り角度θは、本実施例では何れもシャンク側山部24bの全域において一定の寸法および一定の角度とされている。また、本実施例のスパイラルタップ10は高速度工具鋼(粉末ハイス)にて構成されているとともに、ねじ部16にはTiCNの硬質被膜がコーティングされている。また、完全山部24のねじ山18は、図1の(b) 、(c) ではヒールに至るまで径寸法が一定で逃げが無い場合であるが、必要に応じてエキセントリックレリーフ等の逃げが設けられる。食付き部22のねじ山18には、所定の逃げが設けられている。
このような本発明のスパイラルタップ10によれば、ねじ部16の完全山部24のうちシャンク12側に位置するシャンク側山部24bの切れ刃26のすくい面に、ねじ山高さHnejiの15%〜100%の範囲内の面取り高さHmen で面取り30が設けられているため、その面取り30に沿って切り屑が外周側へ押し出され易くなり、切り屑の噛み込みそのものが抑制されるとともに、面取り30によって切れ刃26の強度が高くなるため、切り屑の噛み込みによる刃欠けや折損が効果的に防止され、耐久性(寿命)が向上する。
また、ねじ部16の完全山部24のうち食付き部22に連続する先端側の1山を越え且つ5山以下の食付き側山部24aは、元通りの完全なねじ山形状を有するとともに、面取り30が設けられたシャンク側山部24bも切れ刃26部分以外は元のねじ山形状であるため、有効径付近から頂部分を円筒形状に山払いする場合に比較して、完全山部24の全域で優れた案内作用(リード送り)が得られ、高い加工精度でめねじを切削加工することができる。
また、本実施例では面取り30として平坦な平面取りが設けられているが、その面取り角度θが20°〜60°の範囲内であるため、面取り30による切り屑の噛み込み抑制作用や切れ刃強度の向上効果が適切に得られ、耐久性が向上する。
なお、上記実施例では面取り30として平坦な平面取りが設けられていたが、図2に示すようにR面取り32を設けるようにしても良い。このR面取り32は、ねじれ溝20に沿って形成される切れ刃26に対して直角な断面において、すくい面(ねじれ溝20)およびねじ山18の頂に対して何れも滑らかに接続されるように設けられており、例えば略一定の半径の円弧にて構成される。
図3は、本発明品を含む10種類の試験品No1〜No10をそれぞれ2本ずつ用意し、以下の加工条件でタップ立てを行って耐久性を調べた結果を説明する図で、(a) は10種類の試験品No1〜No10の諸元を説明する図である。また、(b) は、刃欠けまたは折損の有無で耐久性を調べた試験結果を示す図である。
(加工条件)
・サイズ:M8×1.25
・被削材:SUS304
・切削速度:8m/min
・下穴形状:通り穴、φ6.8×25mm
・ねじ有効長さ:16mm(工具径の2倍)
・切削油剤:水溶性切削油剤
・使用機械:横形マシニングセンタ
各試験品No1〜No10の基本形状は、前記実施例のスパイラルタップ10と同じで、図3の(a) において下線を付した部分は、本発明と相違する項目である。すなわち、試験品No1は、前記面取り30または32が設けられていない従来品である。試験品No2は、食付き側山部24aの山数が4山で、シャンク側山部24bでは有効径より頂側の部分が円筒形状に山払いされた前記特許文献2に記載の従来品である。試験品No3は、食付き側山部24aの山数が4山で、面取り角度θ=45°であるが、面取り高さHmen がねじ山高さHnejiの10%と小さ過ぎる比較品である。試験品No4〜No8は、何れも本発明品で、食付き側山部24aの山数は1.5山または4山で、面取り角度θは30°または45°、或いは円弧形状のR面取りで、面取り高さHmen はねじ山高さHnejiの20%、50%、或いは100%である。試験品No9は、食付き側山部24aの山数が4山で、面取り角度θ=45°であるが、面取り高さHmen がねじ山高さHnejiの1.2倍と大き過ぎる比較品である。試験品No10は、面取り角度θ=45°、面取り高さHmen がねじ山高さHnejiの50%であるが、食付き側山部24aの山数が6山と多過ぎる比較品である。
図3の(b) の試験結果から明らかなように、本発明品の試験品No4〜No8によれば、何れも900個以上のタップ立てが可能で、特に試験品No5〜No7は、1000個加工した段階においても、未だ継続してタップ立てを行うことが可能であった。これに対して、試験品No1の従来品は、多い方でも56個で折損した。有効径部分で円筒山払いした試験品No2は、多い方が598個で折損し、試験品No1より耐久性が大幅に向上しているものの、本発明品(試験品No5〜No8)に比べると半分程度である。また、試験品No3の比較品は、多い方でも108個で折損し、面取り30による耐久性向上効果が十分に得られない。試験品No9、No10の比較品は、それぞれ多い方が608個、750個で、一応の耐久性向上効果は得られるものの、試験品No2の従来品に比べて大きな差はない。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
本発明のスパイラルタップは、ねじ部の完全山部のうちシャンク側に位置するシャンク側山部の切れ刃のすくい面に、ねじ山高さHnejiの15%〜100%の範囲内の面取り高さHmen で面取りが設けられているため、その面取りに沿って切り屑が外周側へ押し出され易くなり、切り屑の噛み込みそのものが抑制されるとともに、面取りによって切れ刃強度が高くなるため、切り屑の噛み込みによる刃欠けや折損が効果的に防止され、優れた耐久性が得られるものであり、めねじのねじ立て加工に好適に用いられる。

Claims (5)

  1. おねじを分断するように設けられたねじれ溝に沿って切れ刃が形成されているねじ部を有し、下穴内に該ねじ部がねじ込まれることにより、前記切れ刃によって該下穴の内周面にめねじを切削加工するとともに、前記ねじれ溝によって切り屑をシャンク側へ排出するスパイラルタップにおいて、
    前記ねじ部の完全山部には、食付き部に連続する先端側の1山を越え且つ5山以下の食付き側山部を残して、それよりもシャンク側に位置するシャンク側山部の切れ刃のすくい面に、ねじ山の頂へ向かうに従って周方向へ後退する面取りが設けられているとともに、
    該面取りの面取り高さHmen は、前記完全山部におけるねじ山高さHnejiの15%〜100%の範囲内とされている
    ことを特徴とするスパイラルタップ。
  2. 前記面取りは、平坦な平面取りまたは円弧形状のR面取りである
    ことを特徴とする請求項1に記載のスパイラルタップ。
  3. 前記面取りは、前記ねじれ溝に沿って形成される切れ刃に対して垂直な断面における角度で20乃至60°の範囲内で形成される平面取りである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスパイラルタップ。
  4. 前記ねじれ溝のねじれ角は、15乃至50°である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスパイラルタップ。
  5. 前記切れ刃は、2乃至6枚である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスパイラルタップ。
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