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JPWO2007026521A1 - 光ピックアップ装置及びホログラム記録再生システム - Google Patents

光ピックアップ装置及びホログラム記録再生システム Download PDF

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JPWO2007026521A1
JPWO2007026521A1 JP2007533157A JP2007533157A JPWO2007026521A1 JP WO2007026521 A1 JPWO2007026521 A1 JP WO2007026521A1 JP 2007533157 A JP2007533157 A JP 2007533157A JP 2007533157 A JP2007533157 A JP 2007533157A JP WO2007026521 A1 JPWO2007026521 A1 JP WO2007026521A1
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Abstract

光ピックアップ装置は、可干渉性光を発生する光源と、可干渉性光の光軸上に配置された中央領域と中央領域を囲むように配置された環状領域とからなり、可干渉性光の中央領域の通過成分と環状領域の通過成分とを空間的に分離して参照光と信号光とを生成して共軸に同一方向に伝搬させる空間光変調器と、光軸上に配置されかつ信号光及び参照光をホログラム記録層へ向け共軸に照射するとともに、参照光及び信号光を互いに異なる焦点に集光させる対物レンズ光学系と、光軸上に配置されかつ参照光がホログラム記録層に照射された際にホログラム記録層から対物レンズ光学系を介して戻る光を受光する像検出手段と、光軸上に配置された中央偏光領域と中央偏光領域を囲むように配置された環状偏光領域とからなりかつ中央偏光領域及び環状偏光領域の通過成分の偏光面の回転角度を互いに異ならしめる偏光面回転装置と、を含む。

Description

本発明は光ディスク、光カードなどの光学的に情報記録又は情報再生が行われる記録担体に関し、特に光束の照射により情報の記録又は再生可能なホログラム記録層を有するホログラム記録担体のための光ピックアップ装置及びホログラム記録再生システムに関する。
高密度情報記録のために、2次元データを高密度記録できるホログラムが注目されている。このホログラムの特徴は、記録情報を担持する光の波面を、フォトリフラクティブ材料などの光感応材料からなる記録媒体に体積的に屈折率の変化として記録することにある。ホログラム記録担体に多重記録を行うことによって記録容量を飛躍的に増大させることができる。構造としては、基板、情報記録層及び反射層がこの順番で形成された記録媒体が知られている。
例えば、従来、薄膜記録層上に書込用の短波長の物体光及び参照光を同軸に照射し干渉を発生させホログラムを記録する情報記録装置において、互いに回転方向の異なる円偏光の物体光と参照光を同一のレンズで記録媒体に集光させて、偏光ホログラム記録を行う技術(特表2002−513981号公報、参照)がある。かかる偏光ホログラフィ記録は、相互に直交する偏光を有する2つの平面波の物体光と参照光を1/4波長板を用いて右回り円偏光と左回り円偏光とし、それらの記録媒体内での干渉で偏光ホログラムが1つ記録される。再生時には、記録時よりも長い波長の読出用の参照光を用い、別個の再生光学系で再生する。再生光学系では中心開口を有する特殊な1/2波長板を設け、中心の参照光照射で偏光ホログラムから再生光を得る。そして、長波長の参照光に起因して再生光は広がりをもつため、開口周囲の1/2波長板部分を透過するので偏光方向が変わり、偏光ビームスプリッタで分離され、透過再生光が検出される。よって、特表2002−513981号公報の技術では記録時及び再生時に書込用及び読出用波長光源と光学系を切り替える必要があり、記録時には反射光が記録媒体から戻らないため、照射光と記録媒体との位置決めサーボ制御を行う別の光学系が必要である。また、特表2002−513981号公報の技術では参照光が記録媒体中で平行光であるのでシフト多重記録を行うことができない。
さらに、従来では、情報光は記録媒体のホログラム記録層と保護層の境界面上で最も小径となるように収束照射され反射層で反射され、同時に、記録用参照光はホログラム記録層と保護層の境界面よりも手前側で最も小径となるように収束して発散光として照射して、干渉させることでホログラム記録層に記録を行っていた(特開平11−311938号公報、参照)。
またさらに、記録光学系において、情報光を反射層上に収束させ、記録用参照光が反射層上ではデフォーカスするとともに、記録用参照光の共役焦点が基板と情報記録層との境界面よりも基板側に位置するように、記録用参照光を照射する技術もある(特開2004−171611号公報、参照)。
従来技術、例えば特開平11−311938号公報及び特開2004−171611号公報に開示された技術における記録層の片側から記録再生される態様の対物レンズ構成例をそれぞれ図1及び図2に示す。
いずれの技術においても、記録時には、図に示すように、参照光と信号光は同軸で互いに重なるように対物レンズOBに導かれる。対物レンズOB通過後の参照光と信号光は焦点距離が異なるように設定されている。
図1(a)では、信号光は反射層が配置されるべき位置に集光(焦点P)され、参照光は焦点Pより手前に集光(焦点P1)されている。図2(a)では、信号光は反射層が配置されるべき位置に集光(焦点P)され、参照光は焦点Pより先に集光(焦点P2)されている。いずれの場合でも、対物レンズOBで集光される参照光と信号光は光軸上で常に干渉する状態にある。よって、図1(b)及び図2(b)に示すように、信号光の焦点Pの位置に反射層を配置して記録媒体を対物レンズ及び反射層の間に配置した場合、参照光及び信号光は記録媒体を往復で通過してホログラム記録が行われる。再生時にも、参照光は記録媒体を往復で通過して、反射した参照光が再生光とともに対物レンズOBへ戻ることとなる。
図3に示すように、具体的に記録されるホログラムは、いずれの技術においても、ホログラム記録A(反射する参照光と反射する信号光)、ホログラム記録B(入射する参照光と反射する信号光)、ホログラム記録C(反射する参照光と入射する信号光)、ホログラム記録D(入射する参照光と入射する信号光)の4種類である。また、再生されるホログラムも、ホログラム記録A(反射する参照光で読み出される)、ホログラム記録B(入射する参照光で読み出される)、ホログラム記録C(反射する参照光で読み出される)、ホログラム記録D(入射する参照光で読み出される)の4種類である。
したがって、これらの従来技術においては、記録層中の全ての光線(参照光の入射光及び反射光と情報光の入射光及び反射光)が干渉するので、複数のホログラムが記録され再生されてしまう。このことは、例えば特開2004−171611号公報の段落(0096)(0097)に記載されているとおり、である。
従来方法では、反射面を有するホログラム記録担体にホログラムを記録する場合、入射する参照光と信号光と反射する参照光と信号光の4光束の干渉によって4つのホログラムが記録されてしまうためにホログラム記録層の性能を無用に使用していた。よって、情報の再生時において、参照光がホログラム記録担体の反射層で反射されてしまうため、再現されたホログラムからの再生光との分離が必要である。そのため再生信号の読み取り性能が劣化してしまう。
また、従来方法では、参照光と信号光の生成及び合流のために多くの光学部品を要していたので、装置の小型化が望まれている。
そこで、本発明の解決しようとする課題には、安定的に記録又は再生を行うことを可能にするホログラム記録再生のための光ピックアップ装置及びホログラム記録再生システムを提供することが一例として挙げられる。
本発明の光ピックアップ装置は、参照光及び信号光の光学干渉パターンを回折格子として内部に保存するホログラム記録層を有するホログラム記録担体へ情報を記録又は再生する光ピックアップ装置であって、
可干渉性光を発生する光源と、
前記可干渉性光の光軸上に配置された中央領域と前記中央領域を囲むように配置された環状領域とからなり、前記可干渉性光の前記中央領域の通過成分と前記環状領域の通過成分とを空間的に分離して参照光と信号光とを生成して共軸に同一方向に伝搬させる空間光変調器と、
光軸上に配置されかつ前記信号光及び前記参照光を前記ホログラム記録層へ向け共軸に照射するとともに、前記参照光及び前記信号光を互いに異なる焦点に集光させる対物レンズ光学系と、
光軸上に配置されかつ前記参照光が前記ホログラム記録層に照射された際に前記ホログラム記録層から前記対物レンズ光学系を介して戻る光を受光する像検出手段と、
光軸上に配置された中央偏光領域と前記中央偏光領域を囲むように配置された環状偏光領域とからなりかつ前記中央偏光領域及び前記環状偏光領域の通過成分の偏光面の回転角度を互いに異ならしめる偏光面回転装置と、を含むことを特徴とする。
本発明のホログラム記録再生システムは、参照光及び信号光の光学干渉パターンを回折格子として内部に保存するホログラム記録担体へ情報を記録又は再生するホログラム記録再生システムであって、
可干渉性光から、参照光と、記録情報に応じて前記可干渉性光を変調した信号光と、を生成する光生成手段と、
前記参照光及び前記信号光のいずれか一方を光軸上に、他方を前記一方の周囲に環状に、互いに空間的に分離して同軸に同一方向に伝搬させ、対物レンズ光学系を介して、前記参照光及び前記信号光を互いに光軸上の異なる焦点に集光させ、前記参照光及び信号光を干渉させる干渉手段と、
前記異なる焦点のうち前記対物レンズ光学系に近い焦点側に位置するホログラム記録層を有するホログラム記録担体と、
前記異なる焦点のうち前記対物レンズ光学系に遠い焦点側に位置する反射層と、
光軸上に配置されかつ前記参照光が前記ホログラム記録層に照射された際に前記ホログラム記録層から前記対物レンズ光学系を介して戻る光を受光する像検出手段と、
光軸上に配置された中央偏光領域と前記中央偏光領域を囲むように配置された環状偏光領域とからなりかつ前記中央偏光領域及び前記環状偏光領域の通過成分の偏光面を回転する偏光面回転装置と、
前記偏光面回転装置に対して、情報の記録又は再生の際に前記偏光面の回転角度を互いに異ならしめる制御をなす偏光液晶駆動回路と、を含むことを特徴とする。
図1〜図3は、従来のホログラム記録を説明するホログラム記録担体を示す概略部分断面図である。
図4は、本発明による実施形態のホログラム記録担体の情報を記録再生するホログラム装置のピックアップの概略を示す構成図である。
図5は、本発明による実施形態のピックアップの空間光変調器の光軸から見た正面図である。
図6は、本発明による他の実施形態のピックアップの空間光変調器の光軸から見た正面図である。
図7は、本発明による実施形態のピックアップの対物レンズモジュールを示す概略断面図である。
図8は、本発明による実施形態のホログラム記録を説明するホログラム記録担体及び対物レンズモジュールを示す概略断面図である。
図9は、本発明による実施形態のホログラム記録を説明するホログラム記録担体を示す概略部分断面図である。
図10は、本発明による実施形態のホログラム再生を説明するホログラム記録担体及び対物レンズを示す概略断面図である。
図11は、本発明による他の実施形態のホログラム記録を説明するホログラム記録担体及び対物レンズモジュールを示す概略断面図である。
図12は、本発明による他の実施形態のホログラム記録を説明するホログラム記録担体を示す概略部分断面図である。
図13は、本発明による他の実施形態のピックアップの対物レンズモジュールを示す概略断面図である。
図14及び図15は、本発明による他の実施形態のピックアップの対物レンズの2焦点レンズを示す概略断面図である。
図16は、本発明による他の実施形態のピックアップの対物レンズモジュールを示す概略断面図である。
図17は、本発明による他の実施形態のホログラム記録を説明するホログラム記録担体及び対物レンズモジュールを示す概略断面図である。
図18は、本発明による他の実施形態のホログラム記録を説明するホログラム記録担体を示す概略部分断面図である。
図19は、本発明による他の実施形態のホログラム再生を説明するホログラム記録担体及び対物レンズを示す概略断面図である。
図20は、本発明による他の実施形態のホログラム記録を説明するホログラム記録担体及び対物レンズモジュールを示す概略断面図である。
図21は、本発明による他の実施形態のホログラム記録を説明するホログラム記録担体を示す概略部分断面図である。
図22は、本発明による他の実施形態のピックアップの対物レンズモジュールを示す概略断面図である。
図23及び図24は、本発明による他の実施形態のピックアップの対物レンズの2焦点レンズを示す概略断面図である。
図25は、本発明による実施形態のピックアップの偏光面回転装置の偏光液晶パネルの斜視図である。
図26は、図25の線XXにおける部分断面図である。
図27は、本発明による他の実施形態のピックアップの偏光面回転装置の偏光液晶パネルの斜視図である。
図28は、本発明による他の実施形態のピックアップの偏光面回転装置の部分切欠斜視図である。
図29は、本発明による実施形態のホログラム記録担体を示す概略部分断面図である。
図30は、本発明による他の実施形態のピックアップの空間光変調器の光軸から見た正面図である。
図31は、偏光状態を説明する図26の線XXにおける部分断面図である。
図32は、本発明による他の実施形態のホログラム記録担体の情報を記録再生するホログラム装置のピックアップの概略を示す構成図である。
図33は、本発明による実施形態のホログラム装置の概略構成を示すブロック図である。
図34は、本発明による他の実施形態のホログラム記録担体の情報を記録再生するホログラム装置のピックアップの概略を示す構成図である。
図35及び図36は、本発明による他の実施形態のホログラム記録担体の情報を記録再生するホログラム装置のピックアップにおけるホログラム記録担体及び対物レンズモジュールを示す概略断面図である。
図37は、本発明による他の実施形態のホログラム記録担体の情報を記録再生するホログラム装置のピックアップの概略を示す構成図である。
図38は、本発明による他の実施形態のピックアップの偏光空間光変調器の光軸から見た正面図である。
発明の詳細な説明
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図4はホログラム記録担体2の記録又は再生のためのピックアップ23の概略構成を示す。
ピックアップ23は、ホログラムの記録及び再生用のレーザ光源LD、コリメータレンズCL、透過型の空間光変調器SLM、偏光ビームスプリッタPBS、結像レンズML、像センサIS及びその駆動系(図示せず)、透過型の偏光液晶パネルLCP、並びに対物レンズモジュールOBMを含む。対物レンズモジュールOBMなどは筐体内(図示せず)にてレーザ光源LDからの光束の光軸上に配置されている。レーザ光源LDの波長は、ホログラム記録担体2の光学干渉パターンを保存できる透光性の光感応材料が反応する波長である。コリメータレンズCLはレーザ光源LDからの発散する可干渉光を平行光に変換する。
<空間光変調器>
図5は平行光束径内で照射される空間光変調器SLMを光軸から見た正面である。空間光変調器SLMは光軸近傍で光軸を含む中央領域LCCRとその周囲の光軸を含まない環状領域LCPRとに分割されている。中央領域LCCRは貫通開口又は透明材料からなり、ここを透過する光束には変調が与えられない。透過型の環状領域LCPRは、マトリクス状に分割された複数の画素電極を有する検光子付きの液晶パネルなどで電気的に入射光の一部を画素毎に遮光する機能、又はすべて透過して無変調状態とする機能を有する。図4に示すように、環状領域LCPRは、コリメータレンズCLからの平行光を記録情報に応じて変調する。すなわち空間光変調器SLMを透過した時点で光束は空間変調された信号光SBと空間変調されない参照光RBに同心円状に分離される。
この空間光変調器SLMは空間光変調器駆動回路26に接続され、これからの記録すべきページデータ(平面上の明暗ドットパターンなどの2次元データの情報パターン)に基づいた分布を有するように光束を変調かつ透過して、信号光SBを生成する。
さらに、図6に示すように、空間光変調器SLM全体を透過型マトリクス液晶表示装置として、その制御回路26により、記録すべきページデータの所定パターンを表示する環状領域LCPRとその内部に中央領域LCCRの無変調の光透過領域とを表示するように、構成することもできる。なお、中央領域LCCRを位相変調の光透過領域として用いることもでき、位相変調参照光を生成してもよい。
以上のように、空間光変調器SLMは可干渉性光の光軸上に配置された中央領域LCCRとこれを囲むように配置された環状領域LCPRとからなり、可干渉性光の中央領域の通過成分と環状領域の通過成分とを空間的に分離して参照光と信号光とを生成して共軸に伝搬させる。なお、中央領域LCCRと環状領域LCPRで参照光と信号光とを生成するが、中央領域LCCRで信号光を、環状領域LCPRで参照光を生成することも可能である。
空間光変調器の例として透過型のものの他に反射型の液晶パネルやDMDを用いることもでき、反射型の空間光変調器においても、透過型と同様で中央領域LCCRとその周囲の光軸を含まない環状領域LCPRとを備え、その作用は中央領域と環状領域の光束の分離を行う。
<対物レンズ光学系>
図4の対物レンズモジュールOBMは、信号光及び参照光をホログラム記録担体2へ向け共軸に照射するとともに、参照光RB及び信号光SBを互いに異なる焦点に集光させる対物レンズ光学系に属する。
図7は対物レンズモジュールOBMの一例の概略断面図である。対物レンズモジュールOBMは、中空ホルダ(図示せず)などにより固定されかつ光軸を共軸とする凸レンズの対物レンズOB及び対物レンズOBより径の小なる凸レンズを共軸に配置した凸レンズ光学素子CVXからなる。凸レンズ光学素子CVXは、光軸を含む中央領域CR(凸レンズ)とその周囲の環状領域PR(透過平行平板)からなる。図8(a)に示すように、対物レンズモジュールOBMは、中央領域CRの通過光を手前の近距離焦点nPに集光させ、環状領域PRの通過光を遠方の遠距離焦点fPに集光させる。近距離焦点nPは対物レンズOB及び凸レンズ光学素子CVXの合成焦点であり、遠距離焦点fPは対物レンズOBの焦点である。
ホログラム記録時において、図8(a)に示すように、空間光変調器SLMからの光軸周りに参照光RB及びその周りに信号光SBは、それぞれ同軸で互いに空間的に離れた状態で対物レンズモジュールOBMに導かれる。空間光変調器は参照光RBを光軸上にて中央領域CRへ、環状断面の信号光SBを参照光RBの周囲の環状領域PRへ、互いに空間的に分離して同軸に伝搬させている。対物レンズモジュールOBMは、参照光RB及び信号光SBをそれぞれ中央領域CR及び環状領域PRで屈折する。よって、対物レンズ通過後も参照光RBと信号光SBは空間的に分離され、参照光RBは対物レンズOBに近い近距離焦点nPに集光され、信号光SBは近距離焦点より遠い遠距離焦点に集光されるので、近距離焦点nPより遠方で、干渉が生じる。
図8(b)に示すように、参照光RBの近距離焦点nPの位置に反射層5を配置し、記録媒体としてホログラム記録層7を対物レンズモジュールOBM及び反射層5の間に配置する。環状断面の信号光SBは反射層5で反射され遠距離焦点fPの対称位置に集光され、参照光RBは遠距離焦点fPより手前(近距離焦点nP)の反射層5で反射される。よって、互いに反対向きの伝搬方向の反射され収束する信号光SBと参照光RBとで光軸近傍の環状領域で干渉する状態になる。近距雕焦点nP及び遠距離焦点fPの間に位置するホログラム記録層を有するホログラム記録担体を用いれば、参照光RBと信号光SBが互いに対向する方向に伝搬する球面波であるので、それらの交差角度を比較的大きくとれるため、多重間隔を小さくできる光学干渉パターンがホログラムHGとして記録される。よって、ホログラム記録層7は、反射した信号光と参照光が交差し干渉して光学干渉パターンを生成するに足りる膜厚を有する必要がある。
図9に示すように、具体的に記録されるホログラムは、ホログラム記録A(反射して発散する参照光と反射して収束する信号光)、ホログラム記録B(入射収束する参照光と反射して収束する信号光)の2種類である。また、再生されるホログラムも、ホログラム記録A(反射する参照光で読み出される)、ホログラム記録B(入射する参照光で読み出される)の2種類である。
したがって、かかるホログラム記録担体から情報を再生するホログラム再生システムでは、図10に示すように、参照光RBのみを対物レンズモジュールOBMの中央領域CRに供給し、参照光RBを近距雕焦点nP(反射層5)に収束させつつホログラム記録層のホログラムHGを透過させると、ホログラムHGから通常の再生光と位相共役波の再生光が生成できる。検出手段の一部でもある対物レンズOBにより、再生光及び位相共役波を光検出器へ導くことができる。
他のホログラム記録再生システムにおいては、参照光RBの近距離焦点nPの位置に反射層5を配置するのではなく、図11に示すように、信号光SBの遠距離焦点fPの位置に反射層5を配置して、ホログラム記録担体2はホログラム記録層7が対物レンズモジュールOBM及び反射層5の間にあるように配置する。環状断面の信号光SBは反射層5で合焦して反射され、参照光RBは反射層5より手前(近距離焦点nP)で集光して発散しつつ反射層5で反射される。この場合、反射層5では参照光RBがデフォーカス状態で信号光SBが合焦となる。よって、反射後の参照光RBのみと信号光SBとが交差する範囲となるように反射層5から離れてホログラム記録層7を配置すれば、互いに反対向きの伝搬方向の信号光SB及び参照光RB成分で光軸近傍の環状領域で干渉する状態になる。図12に示すように、具体的に記録されるホログラムは、ホログラム記録A(反射して発散する参照光と反射して発散する信号光)、ホログラム記録C(反射して発散する参照光と入射収束する信号光)の2種類である。また、再生されるホログラムも同様に2種類である。この場合のホログラム再生システムでは、参照光RBのみを対物レンズモジュールOBMの中央領域CRに供給し、参照光RBを記録時と同様のデフォーカス状態で反射層5へ照射して、ホログラム記録層のホログラムHGを透過させると、ホログラムHGから通常の再生光と位相共役波の再生光が同一の光路で生成できる。
なお、他の変形例の対物レンズモジュールOBMは、凸レンズ光学素子に代えて、図13に示すように光軸上に凸レンズ機能を有する透過型の回折光学素子DOEを対物レンズOBの直前に同軸に配置することでも、構成できる。また、図14に示すように対物レンズOBと凸レンズ機能を有する透過型の回折光学素子DOEとを一体とすることもできる。その屈折面(中央領域CR)に同軸に形成された凸レンズ作用を有するフレネルレンズ面若しくは回折格子DOEを有する2焦点レンズOB2として対物レンズモジュールOBMを構成することより、参照光RBと信号光SBの焦点距離を互いに異なるようにすることもできる。さらに、図15に示すように凸レンズ部CVXを対物レンズと一体として中央領域CR及び環状領域PRの境に段差を設け互いに曲率の異なるに非球面レンズの2焦点レンズOB2として対物レンズモジュールOBMを構成してもよい。さらに、2焦点レンズの変形例は中央領域CRに円環状の回折格子を設けその周囲に凸レンズ部を残すものでも、逆に、環状領域PRに円環状の回折格子を設けその中央領域に凸レンズ部を残すものでもよい。
上記実施形態においては、参照光の周りの信号光を反射層上でデフォーカス状態となるように照射する態様を、信号光の焦点が参照光の焦点よりも対物レンズよりも遠くにある場合にて説明したが、信号光の焦点が参照光の焦点の手前にある場合でも、かかるデフォーカス状態を達成できる。例えば、図16は、他の実施形態の対物レンズ光学系の構成例を示す。
図16の対物レンズモジュールOBMは、中空ホルダ(図示せず)などにより固定されかつ光軸を共軸とする凸レンズの対物レンズOB及び対物レンズOBより径の小なる凹レンズを共軸に配置した凹レンズ光学素子CCVからなる。凹レンズ光学素子CCVは、光軸を含む中央領域CR(凹レンズ)とその周囲の環状領域PR(透過平行平板)からなる。対物レンズモジュールOBMは、図17(a)に示すように、中央領域CRの通過光を遠方の遠距離焦点fPに集光させ、環状領域PRの通過光を手前の近距離焦点nPに集光させる。遠距離焦点fPは対物レンズOB及び凹レンズ光学素子CCVの合成焦点であり、近距離焦点nPは対物レンズOBの焦点である。
ホログラム記録時には、まず、対物レンズモジュールOBMに共軸な上記の空間光変調器などにより、光軸周りに可干渉性の参照光RBを、その周りに記録情報に応じて参照光RBを変調して得られた信号光SBを生成する。そして、図17(a)に示すように、参照光RB及び信号光SBはそれぞれ同軸で互いに空間的に離れた状態で対物レンズモジュールOBMに導かれる。対物レンズモジュールOBMは、参照光RB及び信号光SBをそれぞれ中央領域CR及び環状領域PRで屈折する。よって、対物レンズ通過後も参照光RBと信号光SBは空間的に分離され、信号光SBは対物レンズOBに近い近距離焦点nPに集光され、参照光RBは近距離焦点より遠い遠距離焦点に集光される。
ホログラム記録時には、まず、可干渉性の参照光RBと記録情報に応じて参照光RBを変調して得られた信号光SBとを生成する。
そして、参照光RB及び信号光SBは同軸で互いに空間的に離れるように対物レンズモジュールOBMに導かれる。すなわち、図17(a)に示すように、参照光RBを光軸上にて中央領域CRへ、信号光SBを参照光RBの周囲の環状領域PRへ、互いに空間的に分離して同軸に伝搬させる。対物レンズ通過後も参照光RBと信号光SBは空間的に分離され、信号光SBは対物レンズモジュールOBMに近い近距離焦点nPに集光され、参照光RBは近距離焦点より遠い遠距離焦点fPに集光される。
図17(b)に示すように、参照光RBの遠距離焦点fPの位置に反射層5を配置し、ホログラム記録層7を対物レンズモジュールOBM及び反射層5の間に配置する。環状断面の信号光SBはは反射層5より手前(近距離焦点nP)で集光して発散しつつ反射層5で反射され、参照光RBは反射層5で合焦して反射される。よって、環状断面の信号光SBは反射層5より手前に集光するので反射層5でデフォーカスとなり、反射された信号光SBは参照光RBと交差せず干渉する状態ではなくなる。入射する信号光SB及び参照光RBの交差角度を比較的大きくとれるため、多重間隔を小さくすることができる。
図18に示すように、具体的に記録されるホログラムは、ホログラム記録C(反射して発散する参照光と入射収束する信号光)、ホログラム記録D(入射収束する参照光と入射収束する信号光)の2種類である。また、再生されるホログラムも、同様の2種類である。
したがって、かかるホログラム記録担体から情報を再生するホログラム再生システムでは、図19に示すように、参照光RBのみを対物レンズモジュールOBMの中央領域CRに供給し、参照光RBを反射層5(遠距離焦点fP)に収束させつつホログラム記録層のホログラムHGを透過させると、ホログラムHGから再通常の再生光と位相共役波の再生光が生成できる。検出手段の一部でもある対物レンズモジュールOBMにより、再生光及び位相共役波を光検出器へ導くことができる。
他のホログラム記録再生システムにおいては、参照光RBの遠距離焦点fPの位置に反射層5を配置し、ホログラム記録層7を対物レンズモジュールOBM及び反射層5の間に配置するのではなく、図20に示すように、環状領域PR通過の信号光SBの近距離焦点nPの位置に反射層5を配置して、ホログラム記録担体2はホログラム記録層7が対物レンズモジュールOBM及び反射層5の間にあるように配置する。環状断面の信号光SBは反射層5で合焦して反射され、参照光RBは反射層5で反射され遠距離焦点fPの対称位置に集光される。この場合、反射層5では参照光RBがデフォーカス状態で信号光SBが合焦となる。図21に示すように、具体的に記録されるホログラムは、ホログラム記録B(入射する参照光と反射する信号光)、ホログラム記録C(入射する参照光と入射する信号光)の2種類である。また、再生されるホログラムも同様に2種類である。この場合のホログラム再生システムでは、参照光RBのみを対物レンズモジュールOBMの中央領域CRに供給し、参照光RBを記録時と同様のデフォーカス状態で反射層5へ照射して、ホログラム記録層のホログラムHGを透過させると、ホログラムHGから通常の再生光と位相共役波の再生光が同一の光路で生成できる。
さらに、2焦点の対物レンズモジュールOBMの他の変形例は、図22に示すように中央に凹レンズ機能を有する透過型の回折光学素子DOEを、対物レンズOBの直前に配置してなる対物レンズモジュールとすることにより、参照光RBと信号光SBの焦点距離を互いに異なるようにすることもできる。また、図23に示すように対物レンズOB及び透過型の回折光学素子DOEを一体として(その屈折面の中央領域CRに同軸に形成された凹レンズ作用を有するフレネルレンズ面若しくは回折格子DOEを有する)2焦点レンズOB2とすることより、参照光RBと信号光SBの焦点距離を互いに異なるようにすることもできる。また、レンズ一体型の回折格子に代えて、図24に示すように凹レンズ部CCVを一体として中央領域CR及び環状領域PRの境に段差を設け互いに曲率の異なるに非球面レンズの2焦点レンズOB2として対物レンズモジュールOBMを構成してもよい。
以上の参照光と信号光のいずれか一方の周り共軸で他方を分離して囲むように伝搬させ照射する構成によれば、入射時には参照光と信号光の重なりが或る程度制限できる。
また、図8及び図17に示す実施形態では、反射層で合焦する参照光をサーボエラー検出用の光束として用いることができる。さらに、図11及び図20に示す実施形態では中央で参照光をと外周の環状領域で信号光とを生成するが、これを変形して中央領域で信号光を、外周の環状領域で参照光を生成するようにすれば、反射層で合焦する環状断面の参照光をサーボエラー検出用の光束として用いることが可能である。
以上の実施形態及び変形例によれば、ホログラム記録時には、干渉する信号光及び参照光が制限されるため余分なホログラムが記録再生されることがない。また、参照光RBと信号光SBが互いに対向する方向に伝搬する球面波であるので、それらの交差角度を比較的大きくとれるため、シフト多重が可能となり、多重間隔を小さくすることができる。
<像検出手段>
図4の光軸上に配置された偏光ビームスプリッタPBS、結像レンズML、像センサISは、参照光がホログラム記録層に照射された際にホログラム記録担体2から対物レンズモジュールOBMを介して戻る光を受光する像検出手段として機能する。像センサISはCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体装置)などのアレイからなる光電変換素子である。
<偏光液晶パネル>
図4の透過型の偏光液晶パネルLCPは、光軸上に配置された中央偏光領域PLCCRとこれを囲むように配置された環状偏光領域PLCPRとを含みかつ、中央偏光領域PLCCR及び環状偏光領域PLCPRの通過成分の偏光面の回転角度を互いに異ならしめる液晶装置である。
偏光液晶パネルLCPは、偏光液晶駆動回路LCPDに接続され、環状領域を透過する信号光及びその内部の中央領域を透過する参照光の偏光面を回転し、その回転角度をホログラム記録時から再生時にて切り替えるように、同回路により制御される。偏光液晶駆動回路LCPD及び偏光液晶パネルLCPは、レーザ光源から射出した光束の環状領域光束部分とその内部の中央領域光束部分の偏光方向を所定角度、例えば90度回転ができるシステムである。
図25に示すように、偏光液晶パネルLCPは、偏光液晶駆動回路LCPDに接続された透過型液晶装置である。偏光液晶駆動回路LCPDは、環状偏光領域PLCPRとその内部に中央偏光領域PLCCRとを含む。偏光液晶パネルLCPは、偏光液晶駆動回路LCPDにより、ホログラム記録時に両領域の同一の偏光付与の透光状態として、再生時に両領域において異なる偏光作用状態とされる。このように中央偏光領域PLCCRは参照光RBのみが通過する領域として、環状偏光領域PLCPRは信号光SBのみが通過する領域として分離して構成される。
図26に示すように、偏光液晶パネルLCPにおいては、流動状の透明な液晶組成物11が2枚のガラス基板12a,12b間に挟持され、該基板周りが封止された構造を有している。両ガラス基板12a,12bの内面には、インジウムスズ酸化物などからなる液晶に電圧を印加する透明電極13aa,13a,13bと、近接する液晶分子の軸の向き(配向)を規定する配向膜14a,14bと、が順に積層されている。透明電極13bは共通電極であるが、環状偏光領域PLCPRとその内部に中央偏光領域PLCCRとではそれぞれ別個の透明電極13a,13aaが配置され、それらは偏光液晶駆動回路LCPDにより独立して電圧が印加される。このように透明電極13a,13aaは、環状偏光領域PLCPR及び中央偏光領域PLCCRを画定する。
液晶はその分子が細長く、その位置及びその軸の方向が規則性及び不規則性の両面を有する固体及び液体の中間の相を示す物質である。一般に自然状態(無印加電界)において複数の液晶分子はその長軸方向にゆるやかな規則性を持って並んでいる。ラビングなどにより一定方向の複数の微小溝を刻んだ配向膜に液晶分子を接触させると、液晶分子の分子軸が溝に沿って並び方を変える性質がある。よって、TN(Twisted Nematic)型液晶において、それぞれの微小溝の向きが90度となるように所定間隔で平行に配置された2枚の配向膜間に液晶が充填されていると、液晶分子は一方の配向膜から他方の配向膜へと徐々にねじれて90度回転するように配列(螺旋配列)される。この液晶分子がツイスト状に配向する状態で、一方の配向膜から他方の配向膜へ光を液晶中を通過させると、液晶分子の並ぶ隙間に沿って、光が透過する。例えば一方の配向膜近傍の液晶分子軸に平行な直線偏光の光は、他方の配向膜近傍の液晶分子軸に平行な直線偏光となって、その振動面(偏光面)が90度ねじれて透過する(電圧を印加をしないオフ状態)。
一方、液晶を挟む対向透明電極間に電圧を印加すると、液晶分子は配向膜に沿った方向からその軸が垂直方向に変化し電界に沿って並ぶ。液晶分子が配向膜から直立して液晶分子の配向が変化するので、図26に示すように、例えば直線偏光の透過光の偏光面(紙面平行)が回転せずにそのまま無偏光で透過する(同一電圧を印加したオン状態)。
偏光液晶パネルLCPの変形例としては、図27に示すように、偏光液晶パネルLCPの環状偏光領域PLCPRに囲まれた中央偏光領域PLCCRを透過する光束の偏光方向の切り替えを必要としない場合、中央偏光領域PLCCRをのみを物理的な貫通開口又はこれに充填された透明材料から構成することもできる。
偏光液晶パネルLCPは偏光面回転装置すなわち偏光スイッチを利用したものの一例である。偏光液晶パネルLCP以外のレーザ光源から射出した光束の環状領域光束部分とその内部の中央領域光束部分の偏光方向を90度回転ができるシステムのその他の実施形態としては、1/2波長板を用いた偏光面回転装置がある。この偏光面回転装置の一例を図28に示す。偏光面回転装置は、光軸とその主面の法線を一致させた環状領域光束部分透過用の環状1/2波長板1/2λとその内部の光軸を含む中央領域光束部分透過用の貫通開口又はこれに充填された透明材料部TCRからなる。この偏光面回転装置は環状1/2波長板1/2λを中央の光軸周りに回転させる保持機構RTを備え、保持機構を電磁気アクチュエータなどで電気的に制御することにより、光軸周りで45度回動させることによりホログラム記録再生時の偏光面の切り替えを行うことができる。また、環状1/2波長板1/2λの光軸上への出し入れによってもログラム記録再生時の偏光面の切り替えを行うことができる。
<ホログラム記録担体>
図4のホログラム記録担体2の一例を図29に示す。ホログラム記録担体2は、基板3上にその膜厚方向に積層された、反射層5、分離層6、ホログラム記録層7及び保護層8からなる。
ホログラム記録層7は、記録用の可干渉性の参照光RB及び信号光SBによる光学干渉パターンを、回折格子(ホログラム)として内部に保存する。ホログラム記録層7には、例えば、フォトポリマや、光異方性材料や、フォトリフラクティブ材料や、ホールバーニング材料、フォトクロミック材料など光学干渉パターンを保存できる透光性の光感応材料が用いられる。
上記の各膜を担持する基板3は、例えば、ガラス、或いはポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、ポリイミド、PET、PEN、PESなどのプラスチック、紫外線硬化型アクリル樹脂などからなる。
分離層6及び保護層8は光透過性材料からなり、積層構造の平坦化や、ホログラム記録層などの保護の機能を担う。
基板3が円板の場合、トラックを、円基板の中心に関してその上に螺旋状又は同心円状、或いは複数の分断された螺旋弧状に形成され得る。なお、基板3がカード状であった場合トラックが基板上に平行に形成されていてもよい。また、矩形カード基板3であってもトラックは基板の例えば重心に関してその上に螺旋状もしくは螺旋弧状又は同心円状に形成されもよい。
<記録再生動作>
図4の本実施形態の記録再生動作を説明する。
記録動作において、図4(a)に示すように、紙面に平行な偏光のレーザ光源LDからのレーザ光はコリメータレンズCLにより平行光束に変換された後、空間光変調器SLMを通過し、これで光軸を含む光束とそれを取り囲む環状断面光束とに分割されて、光軸を含む光束を参照光RBと環状断面光束を信号光SBとして生成される。参照光RBと信号光SBは共軸で偏光ビームスプリッタPBS及び偏光液晶パネルLCPを経て、対物レンズモジュールOBMによってホログラム記録担体2に集光される。ホログラム記録時、偏光液晶パネルLCPの参照光RBのみが通過する領域(中央偏光領域PLCCR)と信号光SBのみが通過する領域(環状偏光領域PLCPR)はすべてオン状態として、信号光SBと参照光RBの偏光状態が同一(紙面平行方向)になるように設定される。よって、信号光SB及び参照光RBの干渉によりホログラム記録担体2のホログラム記録層7に記録される。
再生動作において、図4(b)に示すように、紙面に平行な偏光方向の光束から空間光変調器SLMで光軸を含む光束(参照光RB)のみが生成され、かかる参照光RBが偏光ビームスプリッタPBS及び偏光液晶パネルLCPを経て対物レンズモジュールOBMを介してホログラム記録担体2に集光されると、紙面に平行な偏光の再生光が再構築される。再生時には、偏光液晶パネルLCPの中央偏光領域PLCCRをオン状態とし、環状偏光領域PLCPRをオフ状態として、環状偏光領域PLCPRを透過する通過光と中央偏光領域PLCCRを透過する透過光の偏光状態が略90°異なるように設定する。参照光RBで再生される再生光は記録時の信号光と同じ発散及び収束する光束でかつ紙面平行の偏光方向であるが、再生光は偏光液晶パネルLCPの環状偏光領域PLCPRを透過するので偏光液晶パネルLCPによる偏光作用を受け、その偏光方向が紙面垂直となる。一方、参照光RBは紙面平行のまま反射層5で反射され偏光液晶パネルLCPでの偏光作用を受けない。よって再生時に反射層5で反射する参照光RBと再生される再生光の偏光方向が異なるため偏光ビームスプリッタPBSとで分離することが可能となり、再生光を受光する検出器上に参照光RBが入射しないため再生SNが向上する。
偏光液晶パネルLCPで紙面に垂直な偏光とされ(偏光液晶パネルLCPにより透過光束の偏光方向を90度回転させる)、偏光ビームスプリッタPBSで反射された成分が像センサISに入射する。像センサISは再生光で結像された像に対応する出力を再生信号検出処理回路(図示せず)に送出して、処理を施してぺージデータが再生される。
このように、ホログラム記録に用いるピックアップにおいて、ホログラム記録光束は光軸近傍の光軸を含む光束(参照光)とそれを取り囲む環状断面光束(信号光)とに分割されており、ピックアップは信号光と参照光とで焦点距離の異なる対物レンズ光学系(レンズ群)を有し、さらに、空間光変調器SLMと対物レンズOBの間に配置された偏光液晶パネルLCPを有する。そして、偏光液晶パネルLCPは中央偏光領域PLCCRと環状偏光領域PLCPRを有し、その分割形状はそれぞれ透過すべき光軸を含む光束(参照光)とそれを取り囲む環状断面光束(信号光)の横断面形状に略一致している。
<変形例>
TN型の偏光液晶パネルLCPは、その電圧印加状態によって中央偏光領域PLCCRと環状偏光領域PLCPRごとに透過する光束の偏光方向を変えることができる。偏光液晶パネルLCPにより、ホログラム記録時には信号光SBと参照光RBの偏光状態がホログラム記録層7中で同一になるようにし、再生時には互いに略90°異なるようにする。したがって、変形例としては、偏光液晶パネルLCP及び空間光変調器SLMの構成によって、参照光を光軸でかつ信号光をその周囲で伝搬させるのではなく、逆に信号光を光軸で参照光をその周囲で生成して伝搬させることもできる。この場合、図30に示すように、空間光変調器SLM全体を透過型マトリクス液晶表示装置として、その制御回路26により、記録すべきページデータの所定パターンを表示する中央領域LCCRとその周囲に環状領域LCPRの無変調の光透過領域とを表示するように、構成することもできる。なお、環状領域LCPRの無変調の光透過領域を透明材料から形成できる。さらに、偏光液晶パネルLCPは、偏光液晶駆動回路LCPDにより、ホログラム記録時に両領域の同一の偏光付与の透光状態として、図31に示すように、再生時に偏光液晶パネルLCPの中央偏光領域PLCCR(オフ状態)及び環状偏光領域PLCPR(オン状態)を異なる偏光作用状態とされる。この場合、図32(a)に示すように空間光変調器SLMを通過した平行光束は、信号光SB(光軸を含む光束)とそれを取り囲む環状断面光束の参照光RBとに分割、生成されて、偏光ビームスプリッタPBS及び偏光液晶パネルLCPを通過する。記録動作(図32(a))及び再生動作(図32(b))は参照光及び信号光が内外で伝搬位置が異なる以外上記例と同様である。この変形例の場合でも図8〜図24に示すような対物レンズモジュールOBMの構成を適用できる。
以上の本実施形態によれば、再生時に反射した参照光RBが分離され、又は結像しないので、参照光RBが像センサISに至らないために信号再生に必要なホログラムからの再生光のみを受光できる。その結果、再生SNが向上し安定な再生を行うことができる。
サーボ制御は、図示しないが、例えば反射層5上にトラックを設け、参照光RBを当該トラックにスポットとして集光させ、その反射光を光検出器へ導く対物レンズを含むサーボ光学系を用いて、検出されたサーボエラー信号に応じて対物レンズ光学系をアクチュエータで駆動することにより、可能である。すなわち、対物レンズから照射される参照光RB光束は、そのビームウエストの位置に反射層5が位置するときに合焦となるように、使用される。
<ホログラム装置>
他の本実施形態としてディスク形状のホログラム記録担体の情報を記録及び再生する本発明のホログラム記録再生システムとしてホログラム装置を説明する。
図33はホログラム装置の一例のブロック図である。
ホログラム装置は、ホログラム記録担体2のディスクをターンテーブルで回転させるスピンドルモータ22、ホログラム記録担体2から光束によって信号を読み出すピックアップ23、該ピックアップを保持し半径方向(x方向)に移動させるピックアップ駆動部24、光源駆動回路25、空間光変調器駆動回路26、再生光信号検出回路27、サーボ信号処理回路28、フォーカスサーボ回路29、xy方向移動サーボ回路30、ピックアップ駆動部24に接続されピックアップの位置信号を検出するピックアップ位置検出回路31、ピックアップ駆動部24に接続されこれに所定信号を供給するスライダサーボ回路32、スピンドルモータ22に接続されスピンドルモータの回転数信号を検出する回転数検出部33、該回転数検出部に接続されホログラム記録担体2の回転位置信号を生成する回転位置検出回路34、偏光液晶駆動回路LCPD並びにスピンドルモータ22に接続されこれに所定信号を供給するスピンドルサーボ回路35を備えている。
ホログラム装置は制御回路37を有しており、制御回路37は光源駆動回路25、空間光変調器駆動回路26、再生光信号検出回路27、サーボ信号処理回路28、フォーカスサーボ回路29、xy方向移動サーボ回路30、ピックアップ位置検出回路31、スライダサーボ回路32、回転数検出部33、回転位置検出回路34、偏光液晶駆動回路LCPD並びにスピンドルサーボ回路35に接続されている。制御回路37はこれら回路からの信号に基づいて、これら駆動回路を介してピックアップに関するフォーカスサーボ制御、x及びy方向移動サーボ制御、再生位置(x及びy方向の位置)の制御などを行う。制御回路37は、各種メモリを搭載したマイクロコンピュータからなり装置全体の制御をなすものであり、操作部(図示せず)からの使用者による操作入力及び現在の装置の動作状況に応じて各種の制御信号を生成するとともに、使用者に動作状況などを表示する表示部(図示せず)に接続されている。
ホログラム記録再生用レーザ光源LD1に接続された光源駆動回路25は、射出する両光束の強度をホログラム記録時には強く再生時には弱くするように、レーザ光源LD1の出力調整を行う。
また、制御回路37は外部から入力されたホログラム記録すべきデータの符号化などの処理を実行し、所定信号を空間光変調器駆動回路26に供給してホログラムの記録シーケンスを制御する。制御回路37は、像センサISに接続された再生光信号検出回路27からの信号に基づいて復調及び誤り訂正処理をなすことにより、ホログラム記録担体に記録されていたデータを復元する。更に、制御回路37は、復元したデータに対して復号処理を施すことにより、情報データの再生を行い、これを再生情報データとして出力する。
更にまた、制御回路37は、記録すべきホログラムを所定間隔(多重間隔)で記録できるようにホログラムを所定間隔で形成するように制御する。
サーボ信号処理回路28においては、フォーカスエラー信号からフォーカシング駆動信号が生成され、これが制御回路37を介してフォーカスサーボ回路29に供給される。フォーカスサーボ回路29は駆動信号に応じて、ピックアップ23に搭載されている対物レンズ駆動部36(図35参照)のフォーカシング部分を駆動し、そのフォーカシング部分はホログラム記録担体に照射される光スポットの焦点位置を調整するように動作する。
更に、サーボ信号処理回路28においては、x及びy方向移動駆動信号が発生され、これらがxy方向移動サーボ回路30に供給される。xy方向移動サーボ回路30は、x及びy方向移動駆動信号に応じてピックアップ23に搭載されている対物レンズ駆動部36(図35参照)を駆動する。よって、対物レンズはx、y及びz方向の駆動信号による駆動電流に応じた分だけ駆動され、ホログラム記録担体に照射される光スポットの位置が変位する。これにより、記録時の運動しているホログラム記録担体に対する光スポットの相対位置を一定としてホログラムの形成時間を確保できる。
制御回路37は、操作部又はピックアップ位置検出回路31からの位置信号及びサーボ信号処理回路28からのx方向移動エラー信号に基づいてスライダ駆動信号を生成し、これをスライダサーボ回路32に供給する。スライダサーボ回路32はピックアップ駆動部24を介して、そのスライダ駆動信号による駆動電流に応じピックアップ23をディスク半径方向に移送せしめる。
回転数検出部33は、ホログラム記録担体2をターンテーブルで回転させるスピンドルモータ22の現回転周波数を示す周波数信号を検出し、これに対応するスピンドル回転数を示す回転数信号を生成し、回転位置検出回路34に供給する。回転位置検出回路34は回転位置信号を生成し、それを制御回路37に供給する。制御回路37はスピンドル駆動信号を生成し、それをスピンドルサーボ回路35に供給し、スピンドルモータ22を制御して、ホログラム記録担体2を回転駆動する。
<光ピックアップ>
図34はピックアップ23の概略構成を示す。
ピックアップ23は、ホログラム記録光学系、ホログラム再生光学系、サーボ制御系を含む。これらの系は対物レンズモジュールOBM及びその駆動系を除いて筐体内(図示せず)に配置されている。ホログラム記録再生用レーザ光源LD1、コリメータレンズCL1、空間光変調器SLM、偏光ビームスプリッタPBS、4fレンズfd及びfe及び像センサISが直線上に配置され、ミラーMR、1/4波長板1/4λ、4fレンズfc、偏光ビームスプリッタPBS、偏光液晶パネルLCP、対物レンズモジュールOBMが直線上に配置され、これら直線状配列部品は偏光ビームスプリッタPBSで直交して配列されている。
<ホログラム記録光学系>
ホログラム記録光学系は、ホログラム記録再生用レーザ光源LD1、コリメータレンズCL1、透過型の空間光変調器SLM、偏光ビームスプリッタPBS、偏光液晶パネルLCP、4fレンズfc、ミラーMR、1/4波長板1/4λ、並びに、対物レンズモジュールOBMを含む。
レーザ光源LD1の射出光がコリメータレンズCL1により平行光に変換され、これが空間光変調器SLM、偏光ビームスプリッタPBSに順に入射する。平行光の偏光方向は紙面垂直な方向とする。記録したいページデータを中央領域に表示する空間光変調器SLMは、光軸を含む中央領域を透過する光束を無変調の参照光RBとし、この周囲の環状光束を信号光SBとする。偏光ビームスプリッタPBSは、入射する空間的に分離された参照光RBと信号光SBをともその偏光膜により反射して(S偏光)、4fレンズfcに入射するように、配置されている。この4fレンズfcは、対物レンズOBの焦点位置(光軸上の焦点距離fob)に像を結像させるためのレンズである。空間光変調器SLMを対物レンズOBの焦点位置に配置するのが困難であるため、空間光変調器SLMから4fレンズfcまでの距離はこの4fレンズfcの焦点距離とする。4fレンズfcは、これに入射した光束が1/4波長板1/4λを透過し円偏光に変換された後、ミラーMRで反射し再び1/4波長板1/4λに入射するように、配置されている。その結果、1/4波長板1/4λからの参照光RBと信号光SBは、偏光方向が紙面平行となり再び偏光ビームスプリッタPBSに入射するが、偏光方向が紙面水平になっているので(P偏光)、偏光ビームスプリッタPBSを透過する。参照光RB及び信号光SBは4fレンズfcの焦点位置に再び結像し、この結像位置に空間光変調器SLMが存在するのと等価となる。この焦点位置に、偏光液晶パネルLCPを配置し、さらに対物レンズモジュールOBMの対物レンズOBの焦点位置を一致させる。偏光液晶パネルLCPは偏光液晶パネルLCPの配向方向はTN型になっている。
図35に示すように、対物レンズモジュールOBMにおいて、凹レンズ光学素子CCVが参照光RBにのみ凹レンズ作用が働くように配置されており、参照光RBが対物レンズOBの作用と組み合わせて本来の対物レンズOBの焦点よりも遠方に焦点を結び、かつ信号光SBがレンズ作用を受けず対物レンズOBの焦点に集光するように設定されている。信号光SBの対物レンズOBの焦点がホログラム記録担体2の波長選択性反射層5上に位置するように、ホログラム記録担体2に対する対物レンズモジュールOBMの相対位置が制御される。
<ホログラム再生光学系>
ホログラム再生光学系は、図34に示すように、ホログラム記録再生用レーザ光源LD1、コリメータレンズCL1、空間光変調器SLM、偏光ビームスプリッタPBS、偏光液晶パネルLCP、対物レンズモジュールOBM、4fレンズfc、fd及びfe、ミラーMR、1/4波長板1/4λ、並びに像センサISを含む。この光学系において、4fレンズfd及びfe並びに像センサISを除く光学部品は上記ホログラム記録光学系と共通である。
図34に示すように、ホログラム再生光学系の4fレンズfdは偏光ビームスプリッタPBSを介して対物レンズOBの焦点位置にその焦点が一致する位置に配置されている。さらに4fレンズfdからその焦点の2倍の距離の光軸上位置に、4fレンズfdと同様の焦点距離を有する4fレンズfeが配置され、これらは、いわゆる4f系光学系を構成している。ホログラム記録担体2からの再生光による再生像が結像する対物レンズOBの焦点の位置に像センサISを配置することが困難なため、再生光を受光する像センサISは、その受光面が4fレンズfeの焦点に位置するように配置され、再生像が像センサISの受光面で結像して、再生信号が得られる。これを再生することで記録信号を再生することができる。
<ホログラム記録担体>
ホログラム記録担体2は、図35に示すように、参照光の入射側から見て保護層8、ホログラム記録層7、分離層6、波長選択性反射層5、第2分離層4、サーボガイド層9及びアドレスやトラック構造が転写された基板3からなる。この波長選択性反射層5は、サーボビームSVBを透過しかつ参照光及び信号光の波長を含む反射波長帯域のみ反射する誘電体積層体などからなる。サーボガイド層9には、離れて交わることなく延在する複数のトラックなどのサーボマークTとしてサーボ用グルーブ又はピットが形成されている。また、サーボガイド層9のサーボマークTのピッチPx(いわゆるトラックピッチ)は、信号光及び参照光のスポット上方に記録されるホログラムHGの多重度から決まる所定距離として設定される。サーボマークTの幅は、サーボビームSVBの光スポットからの反射光を受光する光検出器の出力、例えばプッシュプル信号に応じて適宜設定される。図35に示すホログラム記録担体2のサーボガイド層9のサーボマークT上へのサーボビームSVBの追従によって、ホログラム記録再生を行うためのホログラム記録担体2上の位置決め(フォーカスサーボ、xy方向サーボ)を行う。フォーカスサーボや予め記録されたグループやピットなどのガイドトラック信号を再生することでトラッキングサーボなどを行うことができる。
<サーボ制御系>
サーボ制御系はホログラム記録担体2に対する対物レンズモジュールOBMの位置をサーボ制御(xyz方向移動)するためのもので、図34に示すように、サーボビームSVBを発する第2レーザ光源LD2、調節レンズCL2、ハーフミラーMR、ダイクロイックプリズムDP、偏光ビームスプリッタPBS、対物レンズモジュールOBM、カップリングレンズAS、並びに光検出器PDを含む。
第2レーザ光源LD2は記録再生レーザの波長とは異なる波長(サーボビームSVB)とする。サーボビームSVBは、信号光及び参照光の感応波長帯域以外のホログラム記録層7に非感応な波長の光である。
サーボ制御系は、4f系光学系中の4fレンズfc、fe間に配置したダイクロイックプリズムDPによりホログラム再生光学系に結合される。すなわち、第2レーザ光源LD2からのサーボビームSVBがハーフミラーMRにより反射され、ダイクロイックプリズムDPにより反射されて、再生光学系の光束に合成されるように、第2レーザ光源LD2、調節レンズCL2、ハーフミラーMR、ダイクロイックプリズムDPは配置されている。調節レンズCL2は検出系4fレンズ4fdと合成することでサーボビームSVBが対物レンズモジュールOBM前には平行光となるように、設定されている。
図35に示すように、対物レンズモジュールOBMにおいて、サーボビームSVBの径(da)は参照光RBの光束の径(db)径以下に設定されている。したがって、信号光SBの外径(dc)及び内径(dd)とこれらの径の関係はdc>dd>db≧daとなる。ここで記録間隔(多重間隔)やトラックピッチなど記録ガイドとなる構造が通常の光ディスクのそれらよりも広い(大きい)構成とした場合、サーボビームSVBの収差や、サーボビームSVBの光束径は小さくなり開口数NAが低くなることは、読み取りにあまり影響を及ぼさない。
図34に示すように、サーボビームSVBの偏光方向は紙面垂直に設定されているため、サーボビームSVBは偏光液晶パネルLCPの作用を受けることなく対物レンズモジュールOBMに入射する。
図35に示すように、対物レンズモジュールOBMは、凹レンズ光学素子CCV及び対物レンズOBと組み合わせてサーボビームSVBがホログラム記録担体2の波長選択性反射層5よりも遠方に集光、すなわち、波長選択性反射層5を透過しサーボマークTを形成したサーボガイド層9に集光するように、ホログラム記録担体2とともに、設定されている。ここで、凹レンズ光学素子CCVは、対物レンズOBと組み合わせてサーボビームSVBがその波長で収差無く、サーボガイド層9上に焦点を結ぶように、設定されている。
サーボビームSVBは波長選択性反射層5を透過し、サーボガイド層9に到達して、サーボガイド層9により反射される。
サーボガイド層9で反射され対物レンズモジュールOBMを介して戻るサーボビームSVBの反射光は、34に示すように、偏光ビームスプリッタPBSからダイクロイックプリズムDPへと往路と同一の光路によりハーフミラーMRに到達し、サーボ信号生成光学系を経て光検出器PDに入射する。
光検出器PDにおいては例えばシリンドリカルレンズなどによる非点収差法によりフォーカスサーボ信号を得ることができ、またサーボガイド層9上に形成されたサーボマークTを読み取ることによってプッシュプル方式のトラッキングエラー信号などを得ることもできる。また、ピット列などで形成されたアドレス信号なども読み取ることができる。
このように、サーボ制御は、対物レンズモジュールOBMを介して、サーボビームSVBをサーボガイド層9上のトラックに光スポットとして集光させ、かつ、その反射光を光検出器PDへ導き、そこで検出された信号に応じて対物レンズモジュールOBMを対物レンズ駆動部36のアクチュエータで駆動することにより、行われる。
図35に示すように、波長選択性反射層5がサーボガイド層9よりも対物レンズOB側(光照射側)にあるため信号光及び参照光が反射されるので、サーボガイド層9のサーボ構造(サーボマークT)による信号光及び参照光の回折光が生じないため、これにより回折光の影響が低減され、SNのよいホログラム再生が可能である。
<記録再生動作>
図34の本実施形態の記録再生動作を説明する。
レーザ光源LD1の射出光がコリメータレンズCL1により平行光に変換され、これが空間光変調器SLM、偏光ビームスプリッタPBSに順に入射する。記録時には環状領域で記録すべきページデータを表示し中央領域で無変調とした空間光変調器SLMで分割され参照光RB及び信号光SBとなった平行光は、それぞれ偏光ビームスプリッタPBSで反射され1/4波長板1/4λ及びミラーMRで反射され、再び偏光ビームスプリッタPBSに戻りこれを透過する。透過した参照光RB及び信号光SBは偏光液晶パネルLCPへ入射する。
記録時には、図35に示す偏光液晶パネルLCPの中央偏光領域PLCCR及び環状偏光領域PLCPの透明電極に同一電圧を印加することで、ともにをオン状態とする。よって偏光液晶パネルLCPでの偏光作用が発生せず、透過する信号光SB及び参照光RBは偏光作用を受けず、それらの偏光方向(紙面平行)は変わらない。
偏光液晶パネルLCPを透過した信号光SB及び参照光RBは互いに偏光方向が同一のまま対物レンズモジュールOBMに入射する。信号光SBは凹レンズ光学素子CCVの作用を受けないために本来の対物レンズOBの焦点に集光し、参照光RBは凹レンズ作用を受け当該焦点より更に遠方に集光する。
ホログラム記録担体2の波長選択性反射層5は記録再生用レーザの波長の光線を反射するように設定されているので、信号光SBは波長選択性反射層5上に集光して反射される。一方、参照光RBはデフォーカスした状態にて波長選択性反射層5で反射される。信号光SBと入射する参照光RBとで重なる領域が生じ、この領域で参照光RBと信号光SBの干渉が発生する。この領域(信号光SBの焦点より対物レンズ側でかつ、入射する参照光RBと信号光SBとがオーバーラップしている領域)にホログラム記録層7を配置することで、ホログラム記録層7にホログラムが記録される。
再生時には図36に示すように、レーザ光源LD1の射出光を、空間光変調器SLMの環状領域で遮光し中央領域で光軸を含む光束のみ無変調で透過させ、参照光RBを生成する。記録時と同様の光路をたどって参照光RBを偏光液晶パネルLCPの中央偏光領域PLCCRに到達せしめる。ここで偏光液晶パネルLCPの環状偏光領域PLCPRをオフ状態(電圧印加をしない)とし、中央偏光領域PLCCをオン状態のままにする。参照光RBは偏光方向が紙面平行のままホログラム記録層7に入射するので、再生される再生光も記録時の信号光と同じ発散及び収束する光束でかつ紙面平行の偏光方向となる。よって、再生光は偏光液晶パネルLCPの環状偏光領域PLCPRを透過するため偏光作用を受け偏光方向が紙面垂直となる。一方、参照光RBは紙面平行のまま波長選択性反射層5で反射されるが液晶での偏光作用がないので再生光とは偏光方向が異なることになる。よって再生された再生光は紙面垂直なため偏光ビームスプリッタPBSで反射されるが、信号光SBはこれを透過される。分離された再生光は検出系の4fレンズfd及びfeを介して像センサISの受光面で結像して、再生像が得られ、像センサISが再生信号を出力する。
以上のように、再生時に波長選択性反射層5で反射する参照光RBと再生される再生光の偏光方向が異なるため偏光ビームスプリッタPBSなどで分離することが可能となり、再生光を受光する検出器上に参照光RBが入射しないため再生SNが向上する。
このように、先行技術ではホログラム記録用の参照光は平行光束であるが、本実施形態では、特定の対物レンズモジュールにより信号光及び参照光をそれら焦点位置を異ならすように発散又は収束光とするとともに、偏光液晶パネルなどの特定の偏光面回転装置を用いて記録時と再生時に行う偏光状態の切り替える構成としている。また、この対物レンズモジュールにおいては対物レンズとの組み合わせる特定光学素子により、記録再生のレーザ波長とは異なる波長を用いるサーボビームにおいて、ホログラム記録担体のサーボガイド層上で収差無く集光するように設定されている。
さらに、従来技術では記録再生で光学系を変更する必要があったが、本実施形態では偏光液晶パネルに印加する電圧をコントロールすることで同一の効果を得ることができる。
また従来技術では参照光が平行光であるため、シフト多重記録が不可能であり記録容量が少なかった。しかしながら本実施形態では参照光RBを収束光にしてシフト多重可能にしたことで高品位な再生信号を得ることができる。このことは、記録後にホログラム記録層の収縮や屈折率変化などによって記録時の参照光の波面と再生時の参照光の波面が異なってしまう場合などに特に有効である。また、サーボビームSVBの波長において光学素子と対物レンズの組み合わせによって収差が除去されているので、サーボ信号の再生が良好に行える。
さらに、サーボビームの合成光路を検出系の4f系内に配置することで省スぺース化を実現でき、集光系中に合成プリズムを配置できるのでプリズムなどの有効径を小さくすることができる。
<他のピックアップ変形例>
図37に他のピックアップの構成を示す。
このピックアップは、図34に示すピックアップにおけるミラーMR、1/4波長板1/4λ及び4fレンズfcを取り除き、これらの光軸位置に、透過型の空間光変調器SLMに代えて、反射型の偏光空間光変調器PSLMを配置して、ホログラム記録再生用レーザ光源LD1からの光束を偏光ビームスプリッタPBSを経て偏光空間光変調器PSLMへ入射してその反射光を用いる以外、上記ピックアップ23と同一である。よって、記録再生動作も上記ピックアップ23と同様に行われる。
偏光空間光変調器PSLMは、図38に示すように、光軸近傍で光軸を含む中央領域Aとその周囲の光軸を含まない空間光変調領域Bとに分割されているいわゆるLCOS(Liquid Crystal On Silicon)装置である。反射される光束に90度回転する偏光の変調が与えられ、偏光空間光変調器PSLMが光束を反射した時点で光束は空間光変調領域Bの空間変調された信号光SBと中央領域Aの空間変調されない参照光RBに同軸上にて分離される。
偏光空間光変調器PSLMは、マトリクス状に分割された複数の画素電極を有する液晶パネルなどで電気的に入射光の一部を画素毎に偏光する機能を有する。この偏光空間光変調器PSLMは空間光変調器駆動回路26に接続され、これからの記録すべきページデータに基づいた分布を有するように光束偏光を変調して、環状断面の信号光SBを生成する。また、偏光空間光変調器PSLMは入射及び反射で同一偏光を維持することもできるので、空間光変調領域Bのみで変調状態を維持したまま反射状態とする制御を行えば、偏光ビームスプリッタPBSとの組み合わせでシャッタとして機能して、中央領域Aの空間変調されない参照光のみを対物レンズモジュールOBMへ供給できる。

Claims (15)

  1. 参照光及び信号光の光学干渉パターンを回折格子として内部に保存するホログラム記録層を有するホログラム記録担体へ情報を記録又は再生する光ピックアップ装置であって、
    可干渉性光を発生する光源と、
    前記可干渉性光の光軸上に配置された中央領域と前記中央領域を囲むように配置された環状領域とからなり、前記可干渉性光の前記中央領域の通過成分と前記環状領域の通過成分とを空間的に分離して参照光と信号光とを生成して共軸に同一方向に伝搬させる空間光変調器と、
    光軸上に配置されかつ前記信号光及び前記参照光を前記ホログラム記録層へ向け共軸に照射するとともに、前記参照光及び前記信号光を互いに異なる焦点に集光させる対物レンズ光学系と、
    光軸上に配置されかつ前記参照光が前記ホログラム記録層に照射された際に前記ホログラム記録層から前記対物レンズ光学系を介して戻る光を受光する像検出手段と、
    光軸上に配置された中央偏光領域と前記中央偏光領域を囲むように配置された環状偏光領域とからなりかつ前記中央偏光領域及び前記環状偏光領域の通過成分の偏光面の回転角度を互いに異ならしめる偏光面回転装置と、を含むことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記空間光変調器が透過型のマトリクス液晶表示装置からなり、前記中央領域は貫通開口又は透明材料からなることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記空間光変調器が透過型のマトリクス液晶表示装置からなり、前記中央領域も透過型のマトリクス液晶表示装置からなり、記録時に前記中央領域が透光状態であることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記偏光面回転装置が透過型の液晶装置からなり、前記中央偏光領域は貫通開口又は透明材料からなることを特徴とする請求項2〜3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記偏光面回転装置が透過型の液晶装置からなり、前記中央偏光領域も透過型の液晶装置からなり、記録時及び再生時に前記中央偏光領域が無変調の透光状態であることを特徴とする請求項2〜3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記空間光変調器が透過型のマトリクス液晶表示装置からなり、前記環状領域は貫通開口又は透明材料からなることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記空間光変調器が透過型のマトリクス液晶表示装置からなり、前記環状領域も透過型のマトリクス液晶表示装置からなり、記録時に前記環状領域が透光状態であることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記偏光面回転装置が透過型の液晶装置からなり、前記環状偏光領域は貫通開口又は透明材料からなることを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記偏光面回転装置が透過型の液晶装置からなり、前記環状偏光領域も透過型の液晶装置からなり、記録時及び再生時に前記環状偏光領域が無変調の透光状態であることを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記対物レンズ光学系は、集光レンズに一体となってその屈折面に同軸に形成された凸若しくは凹レンズ又は凸若しくは凹レンズ作用を有するフレネルレンズ面若しくは回折格子を有する2焦点レンズであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記対物レンズ光学系は、集光レンズと前記集光レンズと同軸に配置された凸若しくは凹レンズ又は凸若しくは凹レンズ作用を有するフレネルレンズ面若しくは回折格子を有する透過型の光学素子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  12. 参照光及び信号光の光学干渉パターンを回折格子として内部に保存するホログラム記録担体へ情報を記録又は再生するホログラム記録再生システムであって、
    可干渉性光から、参照光と、記録情報に応じて前記可干渉性光を変調した信号光と、を生成する光生成手段と、
    前記参照光及び前記信号光のいずれか一方を光軸上に、他方を前記一方の周囲に環状に、互いに空間的に分離して同軸に同一方向に伝搬させ、対物レンズ光学系を介して、前記参照光及び前記信号光を互いに光軸上の異なる焦点に集光させ、前記参照光及び信号光を干渉させる干渉手段と、
    前記異なる焦点のうち前記対物レンズ光学系に近い焦点側に位置するホログラム記録層を有するホログラム記録担体と、
    前記異なる焦点のうち前記対物レンズ光学系に遠い焦点側に位置する反射層と、
    光軸上に配置されかつ前記参照光が前記ホログラム記録層に照射された際に前記ホログラム記録層から前記対物レンズ光学系を介して戻る光を受光する像検出手段と、
    光軸上に配置された中央偏光領域と前記中央偏光領域を囲むように配置された環状偏光領域とからなりかつ前記中央偏光領域及び前記環状偏光領域の通過成分の偏光面を回転する偏光面回転装置と、
    前記偏光面回転装置に対して、情報の記録又は再生の際に前記偏光面の回転角度を互いに異ならしめる制御をなす偏光液晶駆動回路と、を含むことを特徴とするホログラム記録再生システム。
  13. 前記ホログラム記録層は、前記参照光及び前記信号光のいずれか一方が前記反射層上でデフォーカス状態となりかつ反射されて前記他方と交差し干渉して回折格子を生成するに足りる膜厚を、有することを特徴とする請求項12記載のホログラム記録再生システム。
  14. 前記ホログラム記録担体は、前記ホログラム記録層及び前記反射層の間に分離層を積層した一体物として形成されたことを特徴とする請求項12〜13のいずれかに記載のホログラム記録再生システム。
  15. 前記ホログラム記録層からなる前記ホログラム記録担体は、前記反射層とは別体物として形成されたことを特徴とする請求項12〜13のいずれかに記載のホログラム記録再生システム。
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