JPWO2006123445A1 - タンパク質の表示方法 - Google Patents
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Abstract
細胞抽出液を用いてサンプル中のmRNAを翻訳し、このとき、少なくとも1種の終止コドンを読み飛ばして、mRNAとそれが翻訳されて生じるタンパク質との結合体を含む複合体を得る工程を含むタンパク質の表示方法。細胞抽出液を用いてサンプル中のmRNAを翻訳するに際して、アミノ酸のtRNAのアンチコドンを終止コドンに対応するアンチコドンに置換した少なくとも1種の変異tRNAを加えることにより、少なくとも1種の終止コドンを読み飛ばすことができる。
Description
本発明は、タンパク質の表示方法、及びそれに用いるキットに関する。
リボソームディスプレイは、mRNAとリボソームとの複合体において合成されるポリペプチドをmRNAと結合させておくことにより、各ポリペプチドにmRNAのタグが付いた状態とし、mRNAによりポリペプチドを表示する方法である。これは、mRNAは、ポリペプチドと異なりシークエンサーなどを用いて容易に配列を決定できること、及び核酸は増幅が容易であるため微量しか存在しなくても配列を決定し易いことを利用したものである。
例えば、ヒトサンプルに含まれる全タンパク質にmRNAのタグを付したものを被験タンパク質又は被験物質と反応させると、被験タンパク質又は被験物質とサンプル中の特定タンパク質とが結合して、分離される。このとき、タンパク質の同定は手間がかかるが、それに結合したmRNAの塩基配列を読み取ることにより、対応するタンパク質を簡単に同定できる。このようにして、被験タンパク質又は被験物質と特異的に結合するタンパク質をスクリーニングすることができる。
このような目的タンパク質の表示ないしはスクリーニング方法として、特許文献1は、
(a) RNAポリメラーゼ結合部位、リボソーム結合部位、及び翻訳開始シグナルを含む5'非翻訳領域を含むin vitro発現ユニットであってmRNAを合成できるものを構築し、
(b) ランダムな核酸配列をこの発現ユニットに付着させ、
(c) この発現ユニット及びランダムな核酸配列と関連した配列を転写又は複製してRNAを生産し、
(d) このRNAを翻訳して、ポリソームを維持できる条件下でポリソームを生産し、
(e) このポリソームに被験物質を結合させ、
(f) 被験物質に結合したポリソームを単離し、
(g) 単離したポリソームを破壊し、
(h) mRNAを回収し、
(i) 回収したmRNAからcDNAを構築し、
(j) cDNAを発現させて新規ポリペプチドを生産する
方法を開示している。
(a) RNAポリメラーゼ結合部位、リボソーム結合部位、及び翻訳開始シグナルを含む5'非翻訳領域を含むin vitro発現ユニットであってmRNAを合成できるものを構築し、
(b) ランダムな核酸配列をこの発現ユニットに付着させ、
(c) この発現ユニット及びランダムな核酸配列と関連した配列を転写又は複製してRNAを生産し、
(d) このRNAを翻訳して、ポリソームを維持できる条件下でポリソームを生産し、
(e) このポリソームに被験物質を結合させ、
(f) 被験物質に結合したポリソームを単離し、
(g) 単離したポリソームを破壊し、
(h) mRNAを回収し、
(i) 回収したmRNAからcDNAを構築し、
(j) cDNAを発現させて新規ポリペプチドを生産する
方法を開示している。
しかし、特許文献1の方法では、様々な長さのポリペプチドが提示されたポリソームが単離できるが、全長ポリペプチドが表示されるわけではない。
また、非特許文献1は、
(a) 抗体のscFvをコードするDNAライブラリーをPCRで増幅して、T7プロモーター、リボソーム結合部位、ステム-ループ、及び3末端人工リンカーを有し、かつ、終止コドンを含まないDNAテンプレートを生産し、それをRNAに転写する工程と、
(b) mRNAをin vitroでリボソーム複合体を安定化させる因子の存在下に翻訳し、リボソーム上でのscFv抗体の折り畳みを改善する工程と、
(c) 天然scFvを固定化抗原に結合させることにより、翻訳混合物から所望のリボソーム複合体を選択する工程と、
(d) EDTAで結合したリボソーム複合体を乖離させ、全複合体を抗原で特異的に溶出する工程と、
(e) 複合体からRNAを単離する工程と、
(f) 単離したmRNAを逆転写してcDNAとし、cDNAをPCRで増幅する工程と
を含む方法を開示している。この方法は、スクリーニングの対象が、抗体のscFvをコードするDNAライブラリーに限定され、ヒトの全タンパク質をスクリーニングできるものではない。また、3'末端に人工のリンカーを添加し、さらに終止コドンを除去する必要があるため、天然のmRNAを直接利用することができない。
(a) 抗体のscFvをコードするDNAライブラリーをPCRで増幅して、T7プロモーター、リボソーム結合部位、ステム-ループ、及び3末端人工リンカーを有し、かつ、終止コドンを含まないDNAテンプレートを生産し、それをRNAに転写する工程と、
(b) mRNAをin vitroでリボソーム複合体を安定化させる因子の存在下に翻訳し、リボソーム上でのscFv抗体の折り畳みを改善する工程と、
(c) 天然scFvを固定化抗原に結合させることにより、翻訳混合物から所望のリボソーム複合体を選択する工程と、
(d) EDTAで結合したリボソーム複合体を乖離させ、全複合体を抗原で特異的に溶出する工程と、
(e) 複合体からRNAを単離する工程と、
(f) 単離したmRNAを逆転写してcDNAとし、cDNAをPCRで増幅する工程と
を含む方法を開示している。この方法は、スクリーニングの対象が、抗体のscFvをコードするDNAライブラリーに限定され、ヒトの全タンパク質をスクリーニングできるものではない。また、3'末端に人工のリンカーを添加し、さらに終止コドンを除去する必要があるため、天然のmRNAを直接利用することができない。
また、非特許文献2は、
(a) ランダムNNKコドン領域を含む合成DNAライブラリーをin vitroで転写・翻訳する工程と、
(b) クロラムフェニコールでタンパク合成を停止させて、ポリソームを分離する工程と、
(c) アフィニティ選択できる固定化されたレセプターが存在するウェルにポリソームを入れる工程と、
(d) 結合したポリソームをEDTAで乖離させて、mRNAを回収する工程と、
(f) mRNAをcDNAに逆転写する工程と、
(g) cDNAをPCRで増幅する工程と
を含む方法を開示している。しかし、この方法では、終止コドンに到達する前にクロラムフェニコールでタンパク合成を停止させるため、全長タンパク質が表示されず、全長タンパク質についてアフィニティ選択を行えない。
(a) ランダムNNKコドン領域を含む合成DNAライブラリーをin vitroで転写・翻訳する工程と、
(b) クロラムフェニコールでタンパク合成を停止させて、ポリソームを分離する工程と、
(c) アフィニティ選択できる固定化されたレセプターが存在するウェルにポリソームを入れる工程と、
(d) 結合したポリソームをEDTAで乖離させて、mRNAを回収する工程と、
(f) mRNAをcDNAに逆転写する工程と、
(g) cDNAをPCRで増幅する工程と
を含む方法を開示している。しかし、この方法では、終止コドンに到達する前にクロラムフェニコールでタンパク合成を停止させるため、全長タンパク質が表示されず、全長タンパク質についてアフィニティ選択を行えない。
また、非特許文献3は、アリサイクロバチルス・アシドカルダリウス由来のエステラーゼをコードするmRNAのセリンコドンを終止コドンのUAGに置換したmRNAを用いて、翻訳システムの抑制メカニズムを解明する方法を開示している。さらに、リボソームとポリペプチド鎖とを分離させる開放因子RF1に対する抗体を用いてRF1を失活させることにより、mRNAの翻訳を一層効果的に抑制できることを教えている。
しかし、非特許文献3では、翻訳システムの抑制メカニズムの解明を行っているにすぎず、全長ポリペプチドと対応するmRNAとが連結したものが得られたことは記載されていない。
WO 91/05058
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.94,4937-4942,1997
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.91,9022-9026,1994
FEBS Letters,Vol.579,2156-2160,2005
本発明は、サンプル中に含まれるタンパク質をそれらをコードするmRNAと物理的に連結した状態にすることにより表示する方法、及びそれに用いるキットを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らは研究を重ね、以下の知見を得た。
(i) サンプル中のmRNAを、細胞抽出液を用いてin vitroで翻訳するに際して、アミノ酸のtRNAのアンチコドンを終止コドンに対応するアンチコドンに置換した変異tRNAを翻訳系に加えることにより、終止コドンが読み飛ばされて、合成されたタンパク質がmRNAから離れない。これにより、mRNAと対応タンパク質との結合物が得られる。
(ii) サンプルから抽出されたmRNAを、細胞抽出液を用いてin vitroで翻訳するに際して、終結因子が機能しない細胞抽出液を用いることにより、終止コドンが読み飛ばされて、合成されたタンパク質がmRNAから離れない。これにより、mRNAと対応タンパク質との結合物が得られる。
(iii) mRNAはリボソームと複合した状態でポリペプチド鎖を伸長するため、ポリペプチド鎖の伸長途中の部分、及びmRNAのポリペプチド鎖伸長途中の部分はリボソームトンネルに覆われていて、外部に表示されない。終止コドンを読み飛ばすことにより、コード配列を越えて終止コドン及び3’−UTRに対してペプチド鎖が伸長するため、天然mRNAの少なくともコード配列に対応するタンパク質の全長がリボソームトンネルから押し出されるようにして外部に表示される。このようにして、タンパク質とmRNAとの結合物からリボソームを分離しなくても、少なくとも天然mRNAのコード配列に対応するタンパク質の全長を表示することができる。
(i) サンプル中のmRNAを、細胞抽出液を用いてin vitroで翻訳するに際して、アミノ酸のtRNAのアンチコドンを終止コドンに対応するアンチコドンに置換した変異tRNAを翻訳系に加えることにより、終止コドンが読み飛ばされて、合成されたタンパク質がmRNAから離れない。これにより、mRNAと対応タンパク質との結合物が得られる。
(ii) サンプルから抽出されたmRNAを、細胞抽出液を用いてin vitroで翻訳するに際して、終結因子が機能しない細胞抽出液を用いることにより、終止コドンが読み飛ばされて、合成されたタンパク質がmRNAから離れない。これにより、mRNAと対応タンパク質との結合物が得られる。
(iii) mRNAはリボソームと複合した状態でポリペプチド鎖を伸長するため、ポリペプチド鎖の伸長途中の部分、及びmRNAのポリペプチド鎖伸長途中の部分はリボソームトンネルに覆われていて、外部に表示されない。終止コドンを読み飛ばすことにより、コード配列を越えて終止コドン及び3’−UTRに対してペプチド鎖が伸長するため、天然mRNAの少なくともコード配列に対応するタンパク質の全長がリボソームトンネルから押し出されるようにして外部に表示される。このようにして、タンパク質とmRNAとの結合物からリボソームを分離しなくても、少なくとも天然mRNAのコード配列に対応するタンパク質の全長を表示することができる。
本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、下記のタンパク質の表示方法及びキットを提供する。
項1. 細胞抽出液を用いてサンプル中のmRNAを翻訳し、このとき、少なくとも1種の終止コドンを読み飛ばして、mRNAとそれが翻訳されて生じるタンパク質との結合体を含む複合体を得る工程を含むタンパク質の表示方法。
項2. 細胞抽出液を用いてサンプル中のmRNAを翻訳するに際して、アミノ酸のtRNAのアンチコドンを終止コドンに対応するアンチコドンに置換した少なくとも1種の変異tRNAを加えることにより、少なくとも1種の終止コドンを読み飛ばす項1に記載の方法。
項3. 全ての終止コドンに対応するように変異tRNAを加えることにより、全ての終止コドンを読み飛ばす項2に記載の方法。
項4. 変異tRNAが、アミノアシル−tRNA合成酵素によりアミノアシル化されるものである項2又は3に記載の方法。
項5. 変異tRNAは、アンチコドン部位を認識サイトとしないアミノアシル−tRNA合成酵素と対をなすものである項4に記載の方法。
項6. 変異tRNAとして、ロイシンtRNAのアンチコドンを終止コドンに対するアンチコドンに置換した変異tRNA、セリンtRNAのアンチコドンを終止コドンに対するアンチコドンに置換した変異tRNA、システインtRNAのアンチコドンを終止コドンに対するアンチコドンに置換した変異tRNA、及びアラニンtRNAのアンチコドンを終止コドンに対するアンチコドンに置換した変異tRNAからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる項2〜5のいずれかに記載の方法。
項7. 細胞抽出液として、少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液を用いる項2〜6のいずれかに記載の方法。
項8. 少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液が、少なくとも1種の終結因子を含まない再構築された細胞抽出液、少なくとも1種の終結因子が不活性化された細胞抽出液、又は過剰量のtRNAを含む細胞抽出液である項7に記載の方法。
項9. 細胞抽出液を用いてサンプル中のmRNAを翻訳するに際して、細胞抽出液として、少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液を用いることにより、少なくとも1種の終止コドンを読み飛ばす項1に記載の方法。
項10. 少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液が、少なくとも1種の終結因子を含まない再構築された細胞抽出液、少なくとも1種の終結因子を不活性化した細胞抽出液、又は過剰量のtRNAを含む細胞抽出液である項9に記載の方法。
項11. 全ての終結因子が機能しない細胞抽出液を用いる項9又は10に記載の方法。
項12. mRNA翻訳工程の前に、さらに、サンプルからmRNAを抽出する工程を含む項1〜11のいずれかに記載の方法。
項13. mRNA抽出工程の後であってmRNA翻訳工程の前に、さらに、抽出されたmRNAの3’末端に任意の核酸配列を付加する工程を含む項12に記載の方法。
項14. 細胞抽出液と、アミノ酸のtRNAのアンチコドンを終止コドンに対応するアンチコドンに置換した少なくとも1種の変異tRNAとを備えるタンパク質表示用キット。
項15. さらに、少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液を備える項14に記載のキット。
項16. 少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液を備えるタンパク質表示用キット。
項17. 以下の(1)、(2)、又は(3)の変異tRNA
(1) セリンtRNAのアンチコドンをCUAに置換した終止コドンUAG読み飛ばし用の変異tRNA。
(2) セリンtRNAのアンチコドンをUCAに置換した終止コドンUGA読み飛ばし用の変異tRNA。
(3) セリンtRNAのアンチコドンをUUAに置換した終止コドンUAA読み飛ばし用の変異tRNA。
(1) セリンtRNAのアンチコドンをCUAに置換した終止コドンUAG読み飛ばし用の変異tRNA。
(2) セリンtRNAのアンチコドンをUCAに置換した終止コドンUGA読み飛ばし用の変異tRNA。
(3) セリンtRNAのアンチコドンをUUAに置換した終止コドンUAA読み飛ばし用の変異tRNA。
本発明の方法によれば、サンプル中のmRNAをin vitroで翻訳するに際して終止コドンを読み飛ばすことによりさらなるポリペプチドの伸長が進行し、天然mRNAの少なくともコード配列に対応するタンパク質の全長をリボソームトンネルから露出させることができる。さらに、合成された全長タンパク質がmRNAから離脱せず、タンパク質とそれをコードするmRNAとの結合物が得られる。
タンパク質がリボソームトンネルから外部に全長表示されることにより、リボソームの除去などの特別な操作を行うことなく、所望の性質を有するタンパク質をスクリーニングすることができる。例えば、特定化合物や特定タンパク質と相互作用するタンパク質をスクリーニングすることができるようになる。また、特定化合物と相互作用するタンパク質を検出することにより、その化合物による副作用の原因となる蛋白質を予測できる可能性がある。
また、mRNAのタンパク質コード領域の塩基配列を読み取ることにより、対応タンパク質のアミノ酸配列を読み取ることができる。mRNAは塩基配列の読み取りが簡単であり、またRT−PCRなどの方法で簡単に増幅できるため読み取り感度が高い。
このように、本発明方法では、タンパク質にそれをコードするmRNAのタグを結合することによりタンパク質を表示する。3種の終止コドンを全て読み飛ばすことにより、サンプル中に含まれる全てのタンパク質を表示することができる。
タンパク質とmRNAとの結合物は、通常リボソームとの複合体として得られる。従って、mRNAの少なくともコード配列に対応するタンパク質の全長を提示するためには、コード配列を越えてペプチド鎖を伸長するか、又は、タンパク質とmRNAとの結合物からリボソームを分離する操作が必要になる。本発明のように終止コドンを読み飛ばすことにより複雑かつ特別な操作をすることなく、少なくとも天然mRNAのコード配列に対応するタンパク質の全長を表示することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(I)タンパク質の表示方法
(I)タンパク質の表示方法
本発明のタンパク質の表示方法は、細胞抽出液を用いてサンプル中のmRNAを翻訳し、このとき、少なくとも1種の終止コドンを読み飛ばして、mRNAとそれが翻訳されて生じるタンパク質との結合体を含む複合体を得る第2工程とを含む方法である。
mRNAの抽出
mRNAの抽出
mRNAは、血液のような被験サンプルに含まれたままで翻訳に供することもできるが、被験サンプルから抽出したmRNAを用いることが好ましい。mRNAの抽出方法は周知であり、例えばQiagen社RNeasy Kitにより抽出することができる。また、mRNAを、その他のRNAを含むtotalRNAとして抽出し、そのまま第2工程でのin vitro翻訳に供することもできるが、夾雑RNAが翻訳を阻害する可能性を避けるため、mRNAのみ抽出することが好ましく、mRNAを精製することがより好ましい。totalRNAの抽出方法は周知であり、例えばNucleic Acids Res. 1997 Sep 1;25(17):3465-70.に記載の方法に従えばよい。
後述する実施例において示されるように、原核細胞のリボソームは、細胞種によって異なるが、mRNAのタンパク質コード領域の3’隣接領域の長さが75塩基以上であれば、タンパク質コード配列の全領域がリボソームトンネルから外に出る。原核細胞の3’−UTRは、通常100〜300塩基程度であるため、天然のmRNAをそのまま用いても、ほとんどは、少なくとも天然mRNAのコード配列に対応するタンパク質の全長がリボソームトンネルから外部に出る。
また、真核細胞のリボソームは、細胞種によって異なるが、mRNAのタンパク質コード領域の3’隣接領域の長さが70〜80塩基以上であれば、タンパク質コード領域の全長がリボソームトンネルから外に出ると考えられる。真核細胞の3’−UTRは、通常200〜1000塩基程度であるため、天然のmRNAをそのまま用いても、通常は、少なくとも天然mRNAのコード配列に対応するタンパク質の全長がリボソームトンネルから外部に出る。
従って、抽出したmRNAをそのままin vitro翻訳に供してもよいが、抽出したmRNAの3’末端にさらに任意のヌクレオチド配列を付加してもよく、これにより一層確実に、mRNAの全長タンパク質コード領域をリボソームの外部に押し出すことができる。付加するヌクレオチド配列としては、例えばポリアデニル化酵素によるポリAなどが挙げられる。
in vitro翻訳
細胞抽出液を用いてmRNAを翻訳するに当たっては、mRNAと細胞抽出液とを混合し、細胞抽出液に含まれる翻訳系によりmRNAをタンパク質に翻訳する。本発明では、mRNA上の終止コドンを読み飛ばすことにより、合成されたタンパク質が終止コドンの位置でmRNAから離脱しないようにする。
in vitro翻訳
細胞抽出液を用いてmRNAを翻訳するに当たっては、mRNAと細胞抽出液とを混合し、細胞抽出液に含まれる翻訳系によりmRNAをタンパク質に翻訳する。本発明では、mRNA上の終止コドンを読み飛ばすことにより、合成されたタンパク質が終止コドンの位置でmRNAから離脱しないようにする。
通常のタンパク質合成においては、伸長しつつあるポリペプチド鎖の終止コドンに対応する位置にアミノ酸が導入されず、さらに終結因子の働きによりタンパク質がリボソームとmRNAとの複合体から離脱する。
本発明において「終止コドンを読み飛ばす」とは、終止コドンの位置でポリペプチドの伸長が終止せず引き続き伸長することにより全長タンパク質がリボソームトンネルから押し出されるとともに、終止コドンのシグナルによりタンパク質(ポリペプチド鎖)がmRNAとリボソームとの複合体から離脱しないことをいう。例えば、mRNA上で伸長しているポリペプチド鎖の終止コドンに対応する位置にアミノ酸又は修飾されたアミノ酸を導入すること、又は終結因子が機能しないことにより、ポリペプチド合成の停止、及びmRNAとリボソームとの複合体からのポリペプチド鎖の離脱が妨げられる。
本発明では、終止コドンのシグナルによるポリペプチド合成の停止、及びポリペプチド鎖の脱離が完全に妨げられる場合だけでなく、概ね50%以上妨げられる場合に、「終止コドンが読み飛ばされた」と判断する。
真核細胞及び原核細胞の双方において、UAA、UAG、及びUGAの3種のコドンが終止コドンとして機能する。3種全ての終止コドンを読み飛ばすことができるようにして、各3’UTRに存在する終止コドンを読み飛ばすことにより、サンプル中の総タンパク質にmRNAのタグを付けて表示することができる。
細胞抽出液は、サンプルmRNAが真核細胞由来のものであれば真核細胞の抽出液を用いればよく、サンプルmRNAが原核細胞由来のものであれば原核細胞の抽出液を用いればよい。サンプルmRNAが由来する生物種と近縁の生物種、特に同じ生物種の細胞抽出液を用いることが好ましい。
変異tRNA
変異tRNA
例えば、アミノ酸を結合して運搬するtRNAのアンチコドンを終止コドンに対応するアンチコドンに置換した変異tRNAを、mRNAと細胞抽出液との混合物に加えれば、伸長しているポリペプチド鎖の終止コドンに対応する位置にこの変異tRNAがアミノ酸を結合する。これにより、終結因子が機能せず、ポリペプチド鎖はmRNAから離れない。この変異tRNAは、内在性若しくは人為的に変異させたアミノアシル−tRNA合成酵素によりアミノアシル化されるものであればよい。例えば、アンチコドン部位を認識サイトとしないアミノアシル−tRNA合成酵素と対をなすtRNAを用いることができる。この場合、アンチコドン変異した変異tRNAもアミノアシル−tRNA合成酵素に効率よくアシル化されることが可能である。具体的にはロイシンtRNA合成酵素(中でも、ロイシン5tRNA合成酵素)、セリンtRNA合成酵素(中でも、セリン3tRNA合成酵素)、システインtRNA合成酵素、アラニンtRNA合成酵素等が挙げられる。
本発明方法では、変異tRNAとして、アミノ酸を結合するtRNAにおいて、アンチコドンがUUA(終止コドンUAAのアンチコドン)であるもの、アンチコドンがCUA(終止コドンUAGのアンチコドン)であるもの、及びアンチコドンがUCA(終止コドンUGAのアンチコドン)ものの1種以上を使用すればよい。また、アンチコドンがUUAであるもの、CUAであるもの、及びUCAであるものの全てを用いることにより、全ての終止コドンを読み飛ばすことができる。
変異tRNAは、いずれのアミノ酸を結合するものであってもよい。中でも、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミンのような電荷を有さないアミノ酸を運搬するものを用いることにより、終止コドンを効率的に読み飛ばすことができる。特に、ロイシンtRNA(中でも、ロイシン5tRNA)、セリンtRNA(中でも、セリン3tRNA)、システインtRNA、アラニンtRNAのアンチコドンを改変した変異tRNAが、読み飛ばし効率の点で好ましい。
変異tRNAは、1種のアミノ酸を運ぶもののみを使用してもよく、複数種のアミノ酸を運ぶものを混合して用いてもよい。
変異tRNAは、例えばラン−オフin vitro転写法により作製することができ、具体的には実施例に記載の方法に準じて作製することができる。
また、変異tRNAは、アミノ酸を運搬する天然tRNAの変異体に限らず、アミノ酸のホモログを運搬するものであってもよい。ミスアシル化tRNAとして、例えば、3’末端にナフチルアラニンが結合したtRNAが挙げられる。但し、天然のアミノ酸を運搬する変異tRNAは、そのアミノ酸をペプチド鎖に移した後は再利用できるというメリットがある。
終結因子が機能しない細胞抽出液
終結因子が機能しない細胞抽出液
細胞抽出液として、終結因子が機能しないものを用いることによっても、終止コドンを読み飛ばすことができる。
終結因子が機能しない細胞抽出液としては、例えば、再構築細胞抽出液が挙げられる。終結因子を除去し翻訳に必要なその他の成分を添加した再構築細胞抽出液は例えばポストゲノム社(Post Genome Institute)から市販されている。
また、終結因子に対するアプタマー又は抗体等を加えて終結因子を失活させた細胞抽出液を用いることもできる。終結因子に結合するアプタマーは、例えばAnnu Rev Biochem. 1999;68:611-47.に記載のin vitroセレクション法により作製することができる。また、終結因子に対する抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。これらは、周知の方法で作製することができる(例えばCurrent protocols in Molecular Biology edit. Ausubel et al.(1987) Publish. John Wiley and Sons. Section 11.12〜11.13;Current protocols in Molecular Biology edit. Ausubel et al.(1987) Publish. John Wiley and Sons. Section 11.4〜11.11)。
さらに、終結因子が欠損又は変異した細胞株の細胞抽出液を用いることもできる。原核細胞では、例えばE.coli XAC30株が、終結因子1(RF1)欠損株として知られている。
また、終結因子が少ない細胞抽出液にさらにtRNAを添加して終結因子に対して過剰量のtRNAを含むようにすれば、ミスリーディングが起こり、結果として終結因子が機能しない細胞抽出液となる。
本発明方法では、終結因子の1種以上が機能しない細胞抽出液を用いればよいが、全ての種類の終結因子が機能しない細胞抽出液を用いることにより、全ての終止コドンを読み飛ばすことができる。
終結因子は、原核細胞の代表例としての大腸菌(E.coli)では、RF1、RF2、及びRF3の3種が知られている。RF1は終止コドンのUAG及びUAAを認識し、RF2は終止コドンのUGA及びUAAを認識する。従って、RF1が機能しない細胞抽出液を用いればUAGを読み飛ばすことができ、RF2が機能しない細胞抽出液を用いれば、UGAを読み飛ばすことができ、双方が機能しない細胞抽出液を用いれば、全ての終止コドンを読み飛ばすことができる。なお、RF3の機能は解明されていない。
また、真核細胞では、eRFと呼ばれる終結因子が、3種全ての終止コドンを認識する。従って、eRFが機能しない細胞抽出液を用いれば、全ての終止コドンが読み飛ばされる。
終止コドンを読み飛ばすために、少なくとも1種の変異tRNAを用いるとともに、少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液を用いることもでき、これにより一層確実に終止コドンを読み飛ばすことができる。この場合、特定の終止コドンを読み飛ばす変異tRNAを用いるとともに、その終止コドンを認識する終結因子が機能しない細胞抽出液を用いることが望ましい。
翻訳工程
翻訳工程
mRNAの翻訳は、mRNAと細胞抽出液とタンパク質を構成するアミノ酸とを混合してインキュベートすることにより行う。アミノ酸としては、通常タンパク質を構成する20種のアミノ酸を用いればよいが、市販の細胞抽出液には通常これらのアミノ酸が添加されている。前述したように、この混合物にさらに変異tRNAを添加する方法、終結因子が機能しない細胞抽出液を用いる方法などにより、終止コドンを読み飛ばすことができる。
インキュベートは、例えば25〜50℃程度で、10〜240分間程度行えばよい。これにより、通常、全てのタンパク質の全長が合成される。
mRNAの読み取り
mRNAの読み取り
本発明方法により、通常、ポリソームを構成するリボソームの一部又は全部にタンパク質が結合したものが得られる。これを、EDTA処理することにより、ポリソーム中の各タンパク質−mRNA−リボソーム複合体を互いに分離し、mRNAの配列をシークエンサーを用いて読み取ればよい。複合体を分離した場合には全長配列を読み取ることも可能である。なお、mRNAの部分配列の読み取りによりそれがコードするタンパク質を同定できる場合は、必ずしもポリソームからmRNAを分離しなくてよい。
実施例
実施例
以下、本発明を実施例を示してより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<試薬・酵素・細胞抽出液>
<試薬・酵素・細胞抽出液>
以下の実施例において、ゲル電気泳動はMini Protein SPR300 system(Bio-Rad)を用い、ブロッティングはTrans-Blot SD system (Bio-Rad)を用いた。酵素は市販品を購入した。
再構築された2種の原核生物の細胞フリーの翻訳システムClassic 1は、Post Genome Instituteから購入した。RF1(+)細胞抽出液は、十分量のRF1を含み、RF2量が少ないものである。RF1(Δ)細胞抽出液はRF1 及びRF2の双方が少ないものである。
<鋳型DNAの調製>
実施例1の鋳型DNAの調製
<鋳型DNAの調製>
実施例1の鋳型DNAの調製
E. coli DHFRをコードするpDHFRは、Post Genome InstituteのドクターY.Shimizuから分与された。1回目のPCRは、4pmolのフォワードプライマー及びリバースプライマー、20ngのpDHFR、1.25UのPfu Ultra HF DNAポリメラーゼ(Stratagene)の4nmol、各dNTPs (TOYOBO)の4nmol、及び10× Pfu Ultra HF反応バッファーの2μLを含む20μLの反応混合物を用いて行った。PCR反応の後、増幅産物のアガロースゲル電気泳動を行った。
2回目のPCRを、4 pmolのT7プロモーター(下線部)を有するプライマー(5’-d(GAA ATT AAT ACG ACT CAC TAT AGG GAG ACC ACA ACG GTT TCC CTC TAG AAA TAA TTT TGT TTA ACT TTA AGA AGG AGA TAT ACC A)-3’:配列番号3)、 4 pmolのリバースプライマー、20 fmol以下の1回目のPCR産物、1.25 UのPfu Ultra HF DNAポリメラーゼ, 4 nmolの各dNTPs、2μLの10× Pfu Ultra HF反応バッファーを含む20μLの反応混合物を用いて行った。これらのPCRに用いたプライマーを以下に示す。
T7(+)UAG(+)Stop(-)テンプレート
1回目のPCR
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2回目の PCR
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UAG(+)T7(+)Stop(-)テンプレート
1回目のPCR
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2回目の PCR
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T7(+)UAG(+)UAA(+)テンプレート
1回目の PCR
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2回目の PCR
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UAG(+)T7(+)UAA(+)テンプレート
1回目のPCR
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2回目のPCR
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T7(+)UAG(-)UAA(+)テンプレート
1回目のPCR
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2回目のPCR
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実施例2の鋳型DNAの調製
T7(+)UAG(+)Stop(-)テンプレート
1回目のPCR
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2回目の PCR
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1回目のPCR
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2回目の PCR
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1回目の PCR
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2回目の PCR
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UAG(+)T7(+)UAA(+)テンプレート
1回目のPCR
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2回目のPCR
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T7(+)UAG(-)UAA(+)テンプレート
1回目のPCR
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2回目のPCR
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実施例2の鋳型DNAの調製
実施例2で用いた天然に存在する配列の3’-UTRを含むmRNAの合成のためのDNAの鋳型は、さらに3回目のPCR( 75ヌクレオチドのため)、4回目のPCR (147ヌクレオチドのため)、又は5回目のPCR(219ヌクレオチドのため)で増幅した。これらのPCRに用いたプライマーを以下に示す。
T7(+)UAG(+)UAG(+)テンプレート
1回目のPCR
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リバースプライマー: 5'-CCGCCGCTCCAGAATCTC-3'(配列番号22)
2回目のPCR
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3回目のPCR
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リバースプライマー: 5'-AACACAGCCTGATATAGGAAGGCCGGATAAGACGCGACCGGCGTCGCATCCGGCGCTAGCCGTAAATTC-3'(配列番号26)
4回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号27)
リバースプライマー: 5'-CTGGGAAGATAAACAGTATTTTGTCCAGCCGTCGAACCGGCATAAGGATTTGGGCGAAGCGGCGGCGTCCTAAACACAGCCTGATATAGGAAG-3'(配列番号28)
5回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号29)
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T7(+)UAG(-)Leu(+)テンプレート
1回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-AAGGAGATATACCAATGATCAGTCTGATTG-3'(配列番号31)
リバースプライマー: 5'-CCGCCGCTCCAGAATCTC-3'(配列番号32)
2回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3'(配列番号33)
リバースプライマー: 5'-GCATCCGGCGCTAGCCGTAAATTCTATACAAAAACCCATTTGCTGTCCACCAGTCATGCTAGCCATCCGCCGCTCCAGAATCTCAAAGC-3'(配列番号34)
3回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号35)
リバースプライマー: 5'-AACACAGCCTGATATAGGAAGGCCGGATAAGACGCGACCGGCGTCGCATCCGGCGCTAGCCGTAAATTC-3'(配列番号36)
4回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号37)
リバースプライマー: 5'-CTGGGAAGATAAACAGTATTTTGTCCAGCCGTCGAACCGGCATAAGGATTTGGGCGAAGCGGCGGCGTCTAAAACACAGCCTGATATAGGAAG-3'(配列番号38)
5回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号39)
リバースプライマー: 5'-CAAAGGTACGCCGGAAGGTATATACGCGCTGGATACCGGCTGCTGCTGGGGTGGTACATTAACCTGCCTGCGCTGGGAAGATAAACAGTATTTTGTC-3'(配列番号40)
実施例3の鋳型DNAの調製
実施例3で用いた鋳型DNAを調製するために用いたPCRプライマーを以下に示す。T7プロモーター及びT7タグ配列には下線を付している。また、アンチコドン配列には2重下線を付している。
T7(+)UAA(+)UAA(+)(222)テンプレート
1回目のPCR
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リバースプライマー: 5'-CCGCCGCTCCAGAATCTC-3'(配列番号42)
2回目のPCR
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3回目のPCR
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4回目のPCR
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5回目のPCR
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T7(+)UGA(+)UGA(+)(222) テンプレート
1回目のPCR
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2回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3'(配列番号53)
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3回目のPCR
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4回目のPCR
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5回目のPCR
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T7(+)UAG(+)UAG(+)(222) テンプレート
1回目のPCR
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リバースプライマー: 5'-CCGCCGCTCCAGAATCTC-3'(配列番号62)
2回目のPCR
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3回目のPCR
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4回目のPCR
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5回目のPCR
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リバースプライマー: 5'-CAAAGGTACGCCGGAAGGTATATACGCGCTGGATACCGGCTGCTGCTGGGGTGGTACATTAACCTGCCTGCGCTGGGAAGATAAACAGTATTTTGTC-3'(配列番号70)
<鋳型mRNAのIn vitro転写>
T7(+)UAG(+)UAG(+)テンプレート
1回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-AAGGAGATATACCAATGATCAGTCTGATTG-3'(配列番号21)
リバースプライマー: 5'-CCGCCGCTCCAGAATCTC-3'(配列番号22)
2回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3'(配列番号23)
リバースプライマー: 5'-GCATCCGGCGCTAGCCGTAAATTCTATACAAAACTAACCCATTTGCTGTCCACCAGTCATGCTAGCCATCCGCCGCTCCAGAATCTCAAAGC-3'(配列番号24)
3回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号25)
リバースプライマー: 5'-AACACAGCCTGATATAGGAAGGCCGGATAAGACGCGACCGGCGTCGCATCCGGCGCTAGCCGTAAATTC-3'(配列番号26)
4回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号27)
リバースプライマー: 5'-CTGGGAAGATAAACAGTATTTTGTCCAGCCGTCGAACCGGCATAAGGATTTGGGCGAAGCGGCGGCGTCCTAAACACAGCCTGATATAGGAAG-3'(配列番号28)
5回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号29)
リバースプライマー: 5'-CAAAGGTACGCCGGAAGGTATATACGCGCTGGATACCGGCTGCTGCTGGGGTGGTACATTAACCTGCCTGCGCTGGGAAGATAAACAGTATTTTGTC-3'(配列番号30)
T7(+)UAG(-)Leu(+)テンプレート
1回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-AAGGAGATATACCAATGATCAGTCTGATTG-3'(配列番号31)
リバースプライマー: 5'-CCGCCGCTCCAGAATCTC-3'(配列番号32)
2回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3'(配列番号33)
リバースプライマー: 5'-GCATCCGGCGCTAGCCGTAAATTCTATACAAAAACCCATTTGCTGTCCACCAGTCATGCTAGCCATCCGCCGCTCCAGAATCTCAAAGC-3'(配列番号34)
3回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号35)
リバースプライマー: 5'-AACACAGCCTGATATAGGAAGGCCGGATAAGACGCGACCGGCGTCGCATCCGGCGCTAGCCGTAAATTC-3'(配列番号36)
4回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号37)
リバースプライマー: 5'-CTGGGAAGATAAACAGTATTTTGTCCAGCCGTCGAACCGGCATAAGGATTTGGGCGAAGCGGCGGCGTCTAAAACACAGCCTGATATAGGAAG-3'(配列番号38)
5回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号39)
リバースプライマー: 5'-CAAAGGTACGCCGGAAGGTATATACGCGCTGGATACCGGCTGCTGCTGGGGTGGTACATTAACCTGCCTGCGCTGGGAAGATAAACAGTATTTTGTC-3'(配列番号40)
実施例3の鋳型DNAの調製
実施例3で用いた鋳型DNAを調製するために用いたPCRプライマーを以下に示す。T7プロモーター及びT7タグ配列には下線を付している。また、アンチコドン配列には2重下線を付している。
T7(+)UAA(+)UAA(+)(222)テンプレート
1回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-AAGGAGATATACCAATGATCAGTCTGATTG-3'(配列番号41)
リバースプライマー: 5'-CCGCCGCTCCAGAATCTC-3'(配列番号42)
2回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3'(配列番号43)
リバースプライマー: 5'-GCATCCGGCGCTAGCCGTAAATTCTATACAAAATTAACCCATTTGCTGTCCACCAGTCATGCTAGCCATCCGCCGCTCCAGAATCTCAAAGC-3'(配列番号44)
3回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号45)
リバースプライマー: 5'-AACACAGCCTGATATAGGAAGGCCGGATAAGACGCGACCGGCGTCGCATCCGGCGCTAGCCGTAAATTC-3'(配列番号46)
4回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号47)
リバースプライマー: 5'-CTGGGAAGATAAACAGTATTTTGTCCAGCCGTCGAACCGGCATAAGGATTTGGGCGAAGCGGCGGCGTCTTAAACACAGCCTGATATAGGAAG-3'(配列番号48)
5回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号49)
リバースプライマー: 5'-CAAAGGTACGCCGGAAGGTATATACGCGCTGGATACCGGCTGCTGCTGGGGTGGTACATTAACCTGCCTGCGCTGGGAAGATAAACAGTATTTTGTC-3'(配列番号50)
T7(+)UGA(+)UGA(+)(222) テンプレート
1回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-AAGGAGATATACCAATGATCAGTCTGATTG-3'(配列番号51)
リバースプライマー: 5'-CCGCCGCTCCAGAATCTC-3'(配列番号52)
2回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3'(配列番号53)
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3回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号55)
リバースプライマー: 5'-AACACAGCCTGATATAGGAAGGCCGGATAAGACGCGACCGGCGTCGCATCCGGCGCTAGCCGTAAATTC-3'(配列番号56)
4回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号57)
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5回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号59)
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T7(+)UAG(+)UAG(+)(222) テンプレート
1回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-AAGGAGATATACCAATGATCAGTCTGATTG-3'(配列番号61)
リバースプライマー: 5'-CCGCCGCTCCAGAATCTC-3'(配列番号62)
2回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3'(配列番号63)
リバースプライマー: 5'-GCATCCGGCGCTAGCCGTAAATTCTATACAAAACTAACCCATTTGCTGTCCACCAGTCATGCTAGCCATCCGCCGCTCCAGAATCTCAAAGC-3'(配列番号64)
3回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号65)
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4回目のPCR
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5回目のPCR
フォワードプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAG-3'(配列番号69)
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<鋳型mRNAのIn vitro転写>
鋳型mRNAsを、T7-MEGAshortscript Kit (Ambion)を用いて、鋳型DNAのラン−オフ転写により得た。簡単に説明すると、3 μL の最終PCR産物を含む溶液をT7-転写混合物10μLに加え、これを37 ℃で2時間インキュベートした。この反応混合物に1 Uの DNase Iを加え、混合物をさらに15分間インキュベートした。 Poly A tailing kit (Ambion)を用いたポリアデニル化を行ったmRNAs及びこのようなアデニル化を行わなかったmRNAsをRNeasy MinElute Cleanup Kit (QIAGEN)を用いて精製した。
精製したmRNAsの濃度を260nmの吸収を測定することにより決定した。
<mRNA鋳型の翻訳・ウェスタンブロッティング解析>
<実施例1>
<mRNA鋳型の翻訳・ウェスタンブロッティング解析>
<実施例1>
T7(+)UAG(+)UAA(+), UAG(+)T7(+)UAA(+), 又は T7(+)UAG(-)UAA(+)の1μgの翻訳を、2.5 μgのtRNAを含む12.5μLのRF1(+) 翻訳システム又はRF1(Δ)翻訳システムを用いて37 ℃で10分間行った。反応溶液の1μLを2.5 μLのサンプルローディングバッファー(125 mM Tris-HCl (pH 6.8)、 4% (w/v) SDS、 20% (w/v)グリセロール、0.002% (w/v)ブロモフェノールブルー、10% (v/v) 2-メルカプトエタノール、及び1.5μLの水と混合した。混合溶液を95℃で5分間インキュベートし、15% SDS-PAGEに供した。
ウェスタンブロッティングをPVDFメンブレン(HybondTM-P, Amersham)を用いて行った。T7タグを結合したタンパク質は、抗T7-HRP 複合体抗体 (Novagen)、及びECL PlusTM Western Blotting Detection Reagent (Amersham)を用いて可視化した
サプレッション、即ち読み飛ばし(リードスルー)効率は、T7(+)UAG(-)UAA(+) 鋳型の全長DHFRの段階希釈物(10, 20, 40, 60, 80, 100%) を内部標準とし、 Image J software (NIH)を用いてバンドの濃さを評価することにより行った。
<PRM(ポリソーム)複合体の形成・T7タグによる選択>
<PRM(ポリソーム)複合体の形成・T7タグによる選択>
鋳型mRNAの2μgの翻訳を、上記のようにして、25μLのRF1(+)翻訳システム又はRF1(Δ)翻訳システムを用い、サプレッサーtRNAの5μgとともに、37 ℃で10分間行った。この溶液に、92.2 mM のK+、 300 mM の Na+、50 mM のMg2+、0.05 % のTween20 (WAKO)、及び 2% のBlock Ace (大日本製薬社)を含む455μLの氷冷した選択バッファー (リン酸カリウム、 pH 7.3) を加え、次いで20μLの抗T7-タグ抗体(Novagen)を添加した。この混合物を4 ℃で30分間穏やかに上下反転させ、空のフィルターカラム(Microspin Columns, Amersham)に移し、遠心によりろ過した。フィルター上に残ったアガロースを200 μLの氷冷選択バッファー(合計1,000μL)で5回洗い、最後に、92.2 mMのK+、 300 mM のNa+、 30 mMのEDTA、 0.05 % のTween20、及び2% のBlock Aceを含む 200μLの溶出バッファー (Phosphate-K, pH 7.2) に再懸濁した。得られた懸濁液を穏やかに、室温で10分間上下反転させた。PRM複合体又はポリソームから脱離したmRNAsを遠心により溶出させた。
溶出したmRNAsをRNeasy MinElute Cleanup Kitを用いて精製した。収率は260nmにおけるUV吸光度を測定することにより決定した。これらの回収したmRNAのRT-PCRによる増幅はQIAGEN One-Step RT-PCR キット(QIAGEN)を用いて行った。プライマーは下記のものを用いた。
フォワードプライマー:
5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3'(ユニバーサル)(配列番号71)
リバースプライマー:5'-CCGCCGCTCCAGAATCTC-3'(配列番号72)
<tRNA Leu5 CUA の調製>
フォワードプライマー:
5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3'(ユニバーサル)(配列番号71)
リバースプライマー:5'-CCGCCGCTCCAGAATCTC-3'(配列番号72)
<tRNA Leu5 CUA の調製>
E. coli のサプレッサーtRNALeu5 CUAは、ラン−オフin vitro 転写により調製した。鋳型DNAは、20 pmol のフォワードプライマー(5’-d(TAA TAC GAC TCA CTA TAG CCC GGA TGG TGG AAT CGG TAG ACA)-3’ (配列番号73))、20 pmolのリバースプライマー(5’-d(TGG TAC CCG GAG CGG GAC TTG AAC CCG CAC AGC GCG AAC)-3’(配列番号74))、100 fmolの鋳型DNA(5’-d(TG GTA CCC GGA GCG GGA CTT GAA CCC GCA CAG CGC GAA CGC CGA GGG ATT TAG AAT CCC TTG TGT CTA CCG ATT CCA CCA TCC GGG C)-3’(配列番号75))、1.25 U のPfu Ultra HF DNAポリメラーゼ(Stratagene)、10 nmol の各dNTPs (TOYOBO)、及び2μLの10× Pfu Ultra HF 反応バッファーを含む20 μLの反応混合物を用いたPCRにより行った。得られたPCR 溶液は精製せずに転写反応に用いた。
In vitro 転写は、2,500 UのT7 RNAポリメラーゼ(TOYOBO)、2μmol の各NTPs (Fermentas)、5μmolのGMP (Sigma)、1Uの無機ピロフォスフェイト(Calbiochem-Novabiochem)、80 UのRNase阻害剤(TOYOBO)、鋳型DNAの18μLのPCR溶液、及び50μLの10×反応バッファー (37 ℃で18時間)を含む500μLの反応混合物を用いて行った。転写されたtRNAを変性PAGE (8%)を用いて精製し、次いでエタノール沈殿を行い、500μLの水に溶解させた。得られたtRNAをさらに連続的にMicrocon YM-30 (Millipore)及びG-25 Microspin Columns (Amersham)に通すことにより精製した。
<tRNA SerU UUA の調製>
<tRNA SerU UUA の調製>
前述したtRNALeu5 CUAの調製方法において、フォワードプライマーとして、5’-G TAA TAC GAC TCA CTA TA GGA GAG ATG CCG GAG CGG CTG AAC-3’(配列番号76),リバースプライマーとして5’-TGG CGG AGA GAG GGG GAT TTG AAC CCC CGG TAG AGT TGC C-3’(配列番号77),鋳型DNAとして5’-GGA GAG ATG CCG GAG CGG CTG AAC GGA CCG GTC TTT AAA ACC GGA GTA GGG GCA ACT CTA CCG GGG GTT CAA ATC CCC CTC TCT CCG CCA-3’(配列番号78)を用いた他は、tRNALeu5 CUAの調製と同様にして, E.coliサプレッサーtRNASerU UUAを調製した。
<tRNA SerU UCA の調製>
<tRNA SerU UCA の調製>
前述したtRNALeu5 CUAの調製方法において、フォワードプライマーとして、5’-G TAA TAC GAC TCA CTA TA GGA GAG ATG CCG GAG CGG CTG AAC-3’(配列番号79),リバースプライマーとして5’-TGG CGG AGA GAG GGG GAT TTG AAC CCC CGG TAG AGT TGC C-3’(配列番号80),鋳型DNAとして5’-GGA GAG ATG CCG GAG CGG CTG AAC GGA CCG GTC TTC AAA ACC GGA GTA GGG GCA ACT CTA CCG GGG GTT CAA ATC CCC CTC TCT CCG CCA-3’(配列番号81)を用いた他は、tRNALeu5 CUAの調製と同様にして, E.coliサプレッサーtRNASerU UCAを調製した。
<tRNA SerU CUA の調製>
<tRNA SerU CUA の調製>
前述したtRNALeu5 CUAの調製方法において、フォワードプライマーとして、5’-G TAA TAC GAC TCA CTA TA GGA GAG ATG CCG GAG CGG CTG AAC-3’(配列番号82),リバースプライマーとして5’-TGG CGG AGA GAG GGG GAT TTG AAC CCC CGG TAG AGT TGC C-3’(配列番号83),鋳型DNAとして5’-GGA GAG ATG CCG GAG CGG CTG AAC GGA CCG GTC TCT AAA ACC GGA GTA GGG GCA ACT CTA CCG GGG GTT CAA ATC CCC CTC TCT CCG CCA-3’(配列番号84)を用いた他は、tRNALeu5 CUAの調製と同様にして, E.coliサプレッサーtRNASerU CUAを調製した。
<Napでミスアシル化された酵母tRNA Phe CUA の調製>
<Napでミスアシル化された酵母tRNA Phe CUA の調製>
酵母のtRNAPhe CUA-CAをコードするプラスミドは、大阪大学のドクターM. Endoから分与された。110μLの1×反応バッファーに溶解した30μgのプラスミドに20 unitsのFokI (NEB)を添加した。この反応溶液を37 ℃で6時間インキュベートし、次いで65 ℃で20分間インキュベートした。翻訳反応は、55μLのFokI 直線化プラスミドの溶液、2μmolの各NTPs (Fermentas)、5μmolのGMP (Sigma)、80 Uの RNase阻害剤 (TOYOBO)、1 Uの無機ピロフォスフェイト(Calbiochem-Novabiochem)、 2,200 UのT7 RNA ポリメラーゼ (TOYOBO)、及び10μLの10×反応バッファー (400 mM Tris-HCl (pH 8.0)、200 mM MgCl2、50 mM DTTを含む、500μLの反応溶液を用いて行った。混合物を37 ℃で8時間インキュベートし、転写された酵母tRNAPhe CUA-CAをQIAGEN DNA/RNA キットを用いて精製した。連結反応は、10μgのtRNAPhe CUA-CA、12 pmolのLナフチルアラニルpdCpA(DMSOに溶解させたもの)、及び50 UのT4 RNAリガーゼ (Takara)を含む20μLの反応溶液 (55 mM Hepes-Na (pH 7.5)、15 mM MgCl2、3.3 mM DTT、1 mM ATP) を用いて行った。混合物を4 ℃で2時間インキュベートし、次いで40μLの0.45 M 酢酸カリウム水溶液 (pH 5.0)で希釈した。この溶液をフェノール/クロロフォルム/イソアミリアルコール (25/24/1)で抽出し、再度クロロフォルムで抽出し、さらにエタノール沈殿した。精製したNap-tRNAPhe CUAを、使用するまで、1 mM酢酸カリウム水溶液 (pH 5.0)に懸濁した。
サプレッサーtRNALeu5 CUA(図1b)、サプレッサーtRNAPhe CUA(図1b)、及び3種のサプレッサーtRNASer(図3b)の塩基配列を、それぞれ配列番号85、86、及び87に示す。
実施例1(tRNA Leu5 CUA を用いた終止コドンの読み飛ばし)
実施例1(tRNA Leu5 CUA を用いた終止コドンの読み飛ばし)
大腸菌のジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)をコードする天然mRNAから、以下の5つの変異mRNAを作製した。この天然mRNAの終止コドンは、UAAである。
第1、第2の変異mRNAは、開始コドンとDHFRコード領域との間にT7タグを挿入し、さらにその前、又は後に終止コドンのUAGを挿入したものである。UAGは、終結因子のRF1により認識される。DHFRの後の終止コドンは削除した(図1aの上から1番目、2番目)。
第3、第4の変異mRNAは、開始コドンとDHFRコード領域との間にT7タグを挿入し、さらにその前、又は後に終止コドンのUAGを挿入し、DHFRコード領域の後ろの終止コドンUAAはそのまま存在させたものである(図1aの上から3番目、4番目)。UAAは、終結因子RF2により認識される。
第5の変異mRNAは、DHFRの天然mRNAの開始コドンとDHFRコード領域との間にT7タグを挿入したものである(図1aの上から5番目)。DHFRコード領域の後ろの終止コドンUAAはそのまま存在する。
これらの鋳型mRNAを、RF1を含む細胞抽出液(RF+)、及びRF1が減少した再構築細胞抽出液(RFΔ)をそれぞれ用いてin vitro翻訳を行った。
また、翻訳系に、E.coli由来のロイシン5tRNA(tRNALeu5 CUA)、又は酵母由来のtRNAであって、フェニルアラニンに代えてナフチルアラニンが結合したもの(Nap−yeast−tRNAPhe CUA)を添加した。これらは、アンチコドンを、終止コドンのUAGに対合できるCUAに置換した変異tRNAである。これらのtRNAを図1bに示す。
終止コドンの読み飛ばし効率は、終止コドン位置に導入されるアミノ酸の種類と終結因子のレベルに依存すると考えられる。また、疎水性のナフチルアラニンを運搬するtRNAを用いることにより読み飛ばし効率が向上すると考えられる。
得られたタンパク質溶液からT7抗体を用いてタンパク質を単離し、ウェスタンブロットを行った結果を図1cに示す。レーン10及び14は、変異tRNAであるNap−tRNAPhe CUAを用い、レーン11及び15は変異tRNAのtRNALeu5 CUAを用いた結果である。その他のレーンは、このような変異tRNAを用いない場合の結果である。
RF1が減少した細胞抽出液を用いた場合、DHFRの上流に終止コドンUAGが存在せず、DHFRの下流に終止コドンUAAが存在する鋳型mRNA(T7(+)UAG(−)UAA(+)では、鋳型mRNAの用量依存的にタンパク質量が増大しており、DHFRが生成している(レーン1〜7)。また、この鋳型mRNAでは、終結因子RF1の有無(量の多少)にかかわらず同様にDHFRが生成した(レーン7と17とを比較)。このことは、UAA終止コドンを認識してタンパク質合成を終結させるのに十分な量のRF1及びRF2が細胞抽出液中に存在することを示している。
また、終止コドンのUAGがDHFRコード領域の上流に存在するT7(+)UAG(+)UAA(+)及びUAG(+)T7(+)UAA(+)では、RF1(+)の細胞抽出液を用いた場合は、DHFRは合成されていない(レーン18,19)。このように、RF1(+)の条件下では、終止コドンUAGが認識されている。
また、DHFRの上流に終止コドンUAGが存在する場合は、RF1が減少した細胞抽出液を用い、かつ変異tRNAを用いることにより、終止コドンUAGが効率良く読み飛ばされて、DHFR合成量が増大した(レーン9とレーン10,11との比較;レーン13とレーン14,15との比較)。
全長タンパク質量の回復は、Nap−tRNAPhe CUAの存在下で、T7(+)UAG(+)UAA(+)では34%(レーン10)、UAG(+)T7(+)UAA(+)では35%(レーン14)である。また、ロイシンを運搬するtRNALeu5 CUAの存在下では、T7(+)UAG(+)UAA(+)では61%(レーン11)、UAG(+)T7(+)UAA(+)では86%(レーン15)である。
このように、これらのサプレッサーtRNAは、UAG終止コドンを読み飛ばし、その下流のDHFR配列が翻訳された。
次に、末端にUAA終止コドンが存在しない鋳型を用いた翻訳について説明する。図1dは、翻訳の際に形成したポリソームをT7タグ抗体を用いてセレクション後、回収したmRNA量を示す図である。T7(+)UAG(+)STOP(−)及びUAG(+)T7(+)STOP(−)の鋳型では、サプレッサーtRNAのtRNALeu5 CUAを用いたとき、RF1(Δ)の条件下で、T7タグの付いたDHFRmRNAが回収された。
これらの回収量は、全mRNA量に対して、T7(+)UAG(+)STOP(−)では約28%、UAG(+)T7(+)STOP(−)では約26%であった(レーン4,6)。DHFRの上流にUAGが存在せず、通常の細胞抽出液を用い、かつ変異tRNAを用いないポシティブコントロール(レーン1)では収量約35%であった。この対照に対して、T7(+)UAG(+)STOP(−)の読み飛ばし効率は約80%、UAG(+)T7(+)STOP(−)の読み飛ばし効率は約71%であった。
RF(Δ)の細胞抽出液を用い、かつサプレッサーtRNAを用いることにより、UAG読み飛ばしが極めて効率的に行われたことが分かる。
上記の結果は、UAG終止コドンの読み飛ばしによりT7タグは、抗体がアクセスできる程度にリボソームトンネルから押し出されたこと、及びDHFRタンパク質とmRNA鋳型とは共に存在したことを示している。
実施例2
(tRNA Leu5 CUA、 を用いた擬天然mRNAを鋳型とする全長タンパク質の表示)
上記の結果は、UAG終止コドンの読み飛ばしによりT7タグは、抗体がアクセスできる程度にリボソームトンネルから押し出されたこと、及びDHFRタンパク質とmRNA鋳型とは共に存在したことを示している。
実施例2
(tRNA Leu5 CUA、 を用いた擬天然mRNAを鋳型とする全長タンパク質の表示)
図2aに示すように、大腸菌のジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)をコードする天然mRNAから、2種の擬天然mRNAを作製した。
図2aの上段は天然のDHFRmRNAである。これは、終止コドンがUAAであり、3’−UTR中にもUAA配列が存在する。
図2aの中段に示すのが、第1の擬天然mRNAであり、T7タグ配列を、DHFRコード領域の直後であって終止コドンの直前に挿入した。T7タグにアクセス可能なときは、先行するDHFRにもアクセス可能であり、即ち表示されていることを示す。また、読み飛ばしを容易にするために、2つある終止コドン配列をUAAからUAGに置き換えた。3’−UTRの長さは219ntである。
図2aの下段に示すのが第2の擬天然mRNAであり、第1の終止コドン配列を削除し、3’−UTR中に存在する第2の終止コドン配列UAAをロイシンをコードするUUAに置き換えた。これは、変異tRNAを用いなくても終止コドンがないため、mRNAとDHFRタンパク質との結合物が得られるポジティブコントロールである。
さらに、第2の擬天然mRNAについて、3’−UTRの長さを75nt(ヌクレオチド)(25アミノ酸に対応)、147nt(49アミノ酸に対応)、及び219nt(73アミノ酸に対応)に変化させたものをそれぞれ作製した。これは、リボソームトンネルから外部にDHFRコード領域を表示するために必要なスペーサーである3’−UTRの長さを調べるためである。
さらに、第2の擬天然mRNAのうち、3’−UTRの長さが219ntであるものに代えて、ポリAを付加することにより219nt以上の長さにしたものを作製した。ポリAの付加は、E.coliのポリAポリメラーゼを使用して行った。
これらの鋳型mRNAについて、サプレッサーtRNAの非存在下、及びtRNALeu5 CUAの存在下のそれぞれで翻訳を行った。また、RF(+)及びRF(Δ)細胞抽出液をそれぞれ用いた翻訳を行った。
T7タグに対する抗体でmRNA鋳型を単離し、電気泳動した後、UV照射によりmRNAを定量した。結果を図2bに示す。
T7(+)UAG(−)LEU(+)では終止コドンが存在しないため、RF1(+)の条件下でもDHFRは生成する。DHFRコード領域の3’−UTRの長さが75ntの場合は、DHFRは検出されなかった(レーン1)。これは、T7タグがリボソームトンネルから外に押し出されておらず、T7抗体によって鋳型mRNAが釣り上げられなかったためと考えられる。T7抗体がリボソームトンネルから押し出されていないため、その上流のDHFRがリボソームトンネルから押し出されているか否かは不明である。
これに対して、3’−UTRの長さが147nt以上の場合は、DHFRは検出された(レーン3,5,7)。これはT7タグがリボソームトンネルから外に押し出されているからと考えられる。このことは、T7タグの上流に存在するDHFRの全長がリボソームトンネルから外に押し出されていることを示している。
mRNAの収量は、全添加mRNA量に対して、3’−UTRの長さが147ntの場合は1.5%、219ntの場合は4%、ポリAの219ntの場合は2.5%であった。
次に、T7(+)UAG(+)UAG(+)(219nt)は、終止コドンを2個有するが、この鋳型は、サプレッサーtRNAであるtRNALeu5 CUAの存在下で、かつRF1(Δ)の条件下で、終止コドンを読み飛ばした(図2bのレーン10)。鋳型mRNAの収率は4.3%であった。3’−UTRの219ntの長さは、2個の終止コドンが存在する場合にも十分な長さであることが分かる。
実施例3
(tRNA SerU UUA 、tRNA SerU UCA 、及びtRNA SerU CUA を用いた終止コドンの読み飛ばし)
実施例3
(tRNA SerU UUA 、tRNA SerU UCA 、及びtRNA SerU CUA を用いた終止コドンの読み飛ばし)
E.coliの天然DHFRのmRNA上の終止コドンはUAA(オーカー)である。また、DHFRの3'−UTR中には、さらにもう一つのUAAが存在する。本実施例では、図3aに示す3種の鋳型mRNAを用いて、tRNASerUのアンチコドンを終止コドンに対応するものに置換したサプレッサーtRNAが、UAA 、UGA(オパール)、及びUAG(アンバー)の全ての終止コドンを読み飛ばすことが可能であること、また、天然DHFR mRNAの3'−UTRを利用した全長蛋白質ディスプレーが可能であることを示した。
図3a中のT7(+)UAA(+)UAA(+)(222)は、野生型のDHFRにT7プロモーターとT7タグを挿入したものである。また、T7(+)UGA(+)UGA(+)(222)は、このT7(+)UAA(+)UAA(+)(222)において、2つの終止コドンUAAをUGAに置換したものである。また、T7(+)UAG(+)UAG(+)(222)は、このT7(+)UAA(+)UAA(+)(222)において、2つの終止コドンUAAをUGAに置換したものである。いずれの鋳型mRNAも5’−UTRの長さは222ヌクレオチド(nt)である。
また、鋳型T7(+)UAA(+)UAA(+)(222)の翻訳はサプレッサーtRNASer UUAの存在下で行い、鋳型T7(+)UGA(+)UGA(+)(222)の翻訳はサプレッサーtRNASer UCAの存在下で行い、鋳型T7(+)UAG(+)UAG(+)(222)の翻訳はサプレッサーtRNASer CUAの存在下で行った。
図3cに示すように、mRNAに対するタンパク質の回収率は、終止コドンUAAでは2.6%、終止コドンUGAでは3.7%、終止コドンUAGでは3.1%であった(図3c、レーン2,4,6)。
また、対照として、E.coli DHFRにT7プロモーター、T7タグを挿入し、かつ2つの終止コドンUAAを欠失させた鋳型mRNAを構築し、このmRNAに対して、RF1及びRF2を含む再構築された翻訳システムを用いて、上記と同様にして翻訳を行った。この終止コドンを有さない鋳型T7(+)Stop(-)の3'-UTRの長さは222ヌクレオチドである。mRNAの回収率は、図3dに示すように4%であった。
このように、サプレッサーtRNASerの、3種の終止コドンの読み飛ばし効率は、終止コドンがない場合とほぼ同程度であった。また、ターミネーターとして機能する第1の終止コドンだけでなく、第2の終止コドンも効率的に読み飛ばされたと考えられる。これは、両者の間が81ヌクレオチド(27アミノ酸に相当)離れているところ、26アミノ酸の長さではORF領域に続いてT7タグの全体が十分に表示されないからである。
一方、サプレッサーtRNAの非存在下では、RF1及びRF2の減少下においても、いずれの鋳型も回収されなかった(図3d、レーン2)。
Claims (17)
- 細胞抽出液を用いてサンプル中のmRNAを翻訳し、このとき、少なくとも1種の終止コドンを読み飛ばして、mRNAとそれが翻訳されて生じるタンパク質との結合体を含む複合体を得る工程を含むタンパク質の表示方法。
- 細胞抽出液を用いてサンプル中のmRNAを翻訳するに際して、アミノ酸のtRNAのアンチコドンを終止コドンに対応するアンチコドンに置換した少なくとも1種の変異tRNAを加えることにより、少なくとも1種の終止コドンを読み飛ばす請求項1に記載の方法。
- 全ての終止コドンに対応するように変異tRNAを加えることにより、全ての終止コドンを読み飛ばす請求項2に記載の方法。
- 変異tRNAが、アミノアシル−tRNA合成酵素によりアミノアシル化されるものである請求項2に記載の方法。
- 変異tRNAは、アンチコドン部位を認識サイトとしないアミノアシル−tRNA合成酵素と対をなすものである請求項4に記載の方法。
- 変異tRNAとして、ロイシンtRNAのアンチコドンを終止コドンに対するアンチコドンに置換した変異tRNA、セリンtRNAのアンチコドンを終止コドンに対するアンチコドンに置換した変異tRNA、システインtRNAのアンチコドンを終止コドンに対するアンチコドンに置換した変異tRNA、及びアラニンtRNAのアンチコドンを終止コドンに対するアンチコドンに置換した変異tRNAからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
- 細胞抽出液として、少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液を用いる請求項2に記載の方法。
- 少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液が、少なくとも1種の終結因子を含まない再構築された細胞抽出液、少なくとも1種の終結因子が不活性化された細胞抽出液、又は過剰量のtRNAを含む細胞抽出液である請求項7に記載の方法。
- 細胞抽出液を用いてサンプル中のmRNAを翻訳するに際して、細胞抽出液として、少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液を用いることにより、少なくとも1種の終止コドンを読み飛ばす請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液が、少なくとも1種の終結因子を含まない再構築された細胞抽出液、少なくとも1種の終結因子を不活性化した細胞抽出液、又は過剰量のtRNAを含む細胞抽出液である請求項9に記載の方法。
- 全ての終結因子が機能しない細胞抽出液を用いる請求項9に記載の方法。
- mRNA翻訳工程の前に、さらに、サンプルからmRNAを抽出する工程を含む請求項1に記載の方法。
- mRNA抽出工程の後であってmRNA翻訳工程の前に、さらに、抽出されたmRNAの3’末端に任意の核酸配列を付加する工程を含む請求項12に記載の方法。
- 細胞抽出液と、アミノ酸のtRNAのアンチコドンを終止コドンに対応するアンチコドンに置換した少なくとも1種の変異tRNAとを備えるタンパク質表示用キット。
- さらに、少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液を備える請求項14に記載のキット。
- 少なくとも1種の終結因子が機能しない細胞抽出液を備えるタンパク質表示用キット。
- 以下の(1)、(2)、又は(3)の変異tRNA
(1) セリンtRNAのアンチコドンをCUAに置換した終止コドンUAG読み飛ばし用の変異tRNA。
(2) セリンtRNAのアンチコドンをUCAに置換した終止コドンUGA読み飛ばし用の変異tRNA。
(3) セリンtRNAのアンチコドンをUUAに置換した終止コドンUAA読み飛ばし用の変異tRNA。
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JPN6009053781, J. Am. Chem. Soc., 2002, Vol.124, p.9972−9973 * |
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Publication number | Publication date |
---|---|
WO2006123445A1 (ja) | 2006-11-23 |
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