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JPWO2006098430A1 - 細胞内物質導入装置、細胞クランプ装置及び流路の形成方法 - Google Patents

細胞内物質導入装置、細胞クランプ装置及び流路の形成方法 Download PDF

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JPWO2006098430A1
JPWO2006098430A1 JP2007508223A JP2007508223A JPWO2006098430A1 JP WO2006098430 A1 JPWO2006098430 A1 JP WO2006098430A1 JP 2007508223 A JP2007508223 A JP 2007508223A JP 2007508223 A JP2007508223 A JP 2007508223A JP WO2006098430 A1 JPWO2006098430 A1 JP WO2006098430A1
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秀俊 小寺
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伊策 神野
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孝明 鈴木
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正夫 鷲津
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Abstract

細胞の大きさに依存しないエレクトロポレーションにより、高効率の外来物質の導入を実現することができる細胞内物質導入装置、細胞を多くの部位でクランプすることが可能な細胞クランプ装置、流路を効率よく形成することができる流路の形成方法を提供する。細胞内物質導入装置10aは、小孔1を有する絶縁性薄膜2と、小孔1に対向して絶縁性薄膜2の両側に配置された一対の電極6,7とを備える。小孔1に細胞9を固定するとともに、空間5に細胞9内に導入したい物質4を含む流体を満たした状態で、電極6,7間にパルス電圧を印加することによって、小孔部分への電界集中を利用して細胞膜を破壊して、細胞9内に物質4を導入する。

Description

本発明は、細胞内物質導入装置、細胞クランプ装置及び流路の形成方法に関し、詳しくは、細胞の内部に外来物質を導入するための細胞内物質導入装置、細胞の機能を評価するための細胞クランプ装置及びそれらの装置の形成に特に好適な流路の形成方法に関する。
従来、細胞内に遺伝子等の外来物質を導入するための手法としては、ガラスキャピラリーにより細胞1つ1つに注入するマイクロインジェクション法や、細胞懸濁液に電界を印加して細胞膜を可逆的に破壊・透過化することによるエレクトロポレーション法が用いられる。
マイクロインジェクション法は、1つ1つの細胞に確実に外来物質を導入できるが、煩雑な微細操作を伴うため、大量の細胞を処理することは困難である。これに対し、エレクトロポレーション法は、大量の細胞を処理するのには向いている。例えば、特許文献1には、エレクトロポレーション法のための細胞用薬液注入器が開示されている。
また、細胞の持つ電気的特性や機械的特性や力学的刺激に対する応答を計測する手法として、パッチクランプ法が一般的である。例えば、ガラス管を熱間で引き抜いて作製したマイクロピペットを細胞表面に接触させて、細胞表面の電気特性の変化を計測する。
また、非特許文献2には、高アスペクト比の構造物を作製できるレジストSU−8(microhem社製)を用いて、網目状などのマイクロ構造を形成する技術が開示されている。
特開平10−337177号公報 U.Zimmermann, "Electrical breakdown, electropermeabilization and electrofusion", Rev. Physiol. Biochem. Pharmacol. 15, p.175-345 (1986) Hironobu Sato, Takayuki Kakinuma, Jeung Sang Go and Shuichi Shoji , "In-channel 3-D micromesh structures using maskless multi-angle exposures and their microfilter application", Sensors and Actuators A: Physical, Volume 111, Issue 1, 1 March 2004, Pages 87-92
エレクトロポレーション法には、以下のような問題点がある。
一様電界Eの中に置かれた半径aの細胞の細胞膜にかかる膜電圧V(θ)は、
(θ)=1.5×a×E×cosθ (1)
で与えられる。ただし、θは、電気力線と半径のなす角である。(非特許文献1参照)
式(1)は、細胞膜にかかる電圧の大きさは、電気力線の最上流側(北極:θ=0)の位置および最下流側(南極:θ=π)の位置で最大となり、その値は細胞の半径aに比例することを述べている。従って、細胞に一様な電界パルスを印加すると、北極および南極の位置での膜がまず破壊されることになる。
膜電圧が約1Vとなるような適度なパルス電圧が印加された場合は、この破壊はいわゆる可逆的破壊となり、膜は自復することが知られている。この可逆的破壊の過程で、膜の透過性が上昇するので、細胞周囲におかれた外来物質が細胞膜内へと取り込まれることになる。
しかしながら、過度の電圧が印加された場合は、膜の破壊は非可逆的で自復できず、破壊が膜全体に伝搬する結果、細胞自体が破壊され、細胞は死滅することになる。
ところで、この膜電圧は式(1)に示すように細胞の半径aに比例する。一方、細胞は、その直径は一様ではなく、ある広がりをもった分布を持つのが通常である。従って、多数の細胞の懸濁液に一様なパルス電界を印加した場合には、a)大きい細胞には過大な膜電圧が発生し細胞自体が破壊されてしまう、b)小さい細胞にかかる膜電圧は低すぎて膜の透過化が生じず、外来物質が導入されないということになる。すなわち、ある範囲の大きさの細胞のみにしか外来物質が導入できない。
本発明は、斯かる実情に鑑み、細胞の大きさに依存しないエレクトロポレーションにより、高効率の外来物質の導入を実現することができる細胞内物質導入装置を提供しようとするものである。
また、パッチクランプ法では、多くて2から3個のガラス管を細胞に接続することが限界であり、細胞内の物質移動や細胞間の物質移動およびより小さな細胞内・細胞間の作用を計測することは困難である。
本発明は、斯かる実情に鑑み、細胞を多くの部位でクランプすることが可能な細胞クランプ装置を提供しようとするものである。
さらに、細胞内物質導入装置や細胞クランプ装置では、流路を形成する必要がある。一般には、主面に溝を形成した基板に他の基板を接合する方法で流路が形成される。しかし、この方法では、基板の反りなどにより接合不良が生じやすく、流路を効率よく形成することが困難である。
本発明は、斯かる実情に鑑み、流路を効率よく形成することができる流路の形成方法を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した細胞内物質導入装置を提供する。
細胞内物質導入装置は、小孔を有する絶縁性薄膜と、前記小孔に対向して前記絶縁性薄膜の両側に配置された一対の電極とを備える。細胞内物質導入装置は、前記絶縁性薄膜に関して一方の領域において前記小孔に細胞を固定するとともに、前記絶縁性薄膜に関して他方の領域において前記小孔に連続する空間に前記細胞内に導入したい物質を含む流体を満たした状態で、前記一対の電極間にパルス電圧を印加することによって前記細胞の細胞膜を破壊して前記細胞内に前記物質を導入する。
上記構成において、一対の電極間にパルス電圧を印加すると、絶縁性薄膜に設けた小孔に電界が集中するので、小孔に接した細胞膜を可逆的あるいは非可逆的に破壊して、小孔に連続する空間に満たした流体中に含まれる物質を、細胞内に導入することができる。
エレクトロポレーションに実際に用いられるパルス幅の電圧に対して小孔部分に電界集中が生じるためには、絶縁性薄膜の厚さをd、誘電率をε、前記一対の電極の間隔をL、流体の抵抗率をρとした時、系の時定数τ=ερL/dが10ミリ秒以下となるように、前記絶縁性薄膜の厚さd、前記誘電率ε、前記一対の電極の間隔L、前記流体の抵抗率ρを選ぶことが、好ましい。
好ましくは、前記絶縁性薄膜の細胞が存在する側に置かれた電極が、前記小孔より、前記小孔直径の10倍以上離れた位置に置く。これにより、小孔に十分な電界を集中することができる。
好ましくは、前記小孔の直径が、前記細胞の直径の1/3以下である。この場合、細胞膜の小孔に接する部分に十分に電界を集中し、細胞膜の小孔に接する部分のみを透過化することができる。
好ましくは、前記一対の電極間に印加する前記パルス電圧が10V以下である。10V以下のパルス電圧を用いれば、細胞膜の他の部分にダメージを与えることなく、小孔に集中した電界を用いて、小孔部分の膜のみを透過化することができる。
小孔への細胞の固定は、吸引固定、もしくは重力による沈降、誘電泳動,電気泳動を利用することも可能である
好ましくは、前記絶縁性薄膜に関して前記他方の領域において、前記小孔に連続する前記空間が、前記小孔の部分を除いて密閉される。上記構成によれば、小孔に連続する空間が、前記小孔の部分を除いて密閉されているので、空間に満たされる流体を吸引することにより、小孔での細胞の固定を安定化することができる。
好ましくは、前記絶縁性薄膜の前記小孔周辺に、前記細胞に接着する表面修飾を施す。上記構成によれば、細胞膜の小孔部分で発生した破壊が周囲に伝搬することを、積極的に防止することができる。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した細胞クランプ装置を提供する。
細胞クランプ装置は、光硬化性樹脂からなる樹脂膜を備える。該樹脂膜は、該樹脂膜の一方の主面に形成された、細胞を固定するための開口と、該開口に連続する小孔と、該小孔に連通する連通孔とを複数組有する。
上記構成において、小孔及び連通孔を介して細胞を吸引することにより、細胞を開口に固定することができる。複数の開口を備えるので、細胞を多くの部位でクランプすることが可能である。細胞クランプ装置は、細胞をクランプした状態で、外来物質を細胞内に導入するなどの操作や、刺激に対する機械的、電気的、化学的な応答などの細胞機能の測定などに用いることができる。
好ましくは、前記樹脂膜を支持する基板を備える。該基板に、前記開口に対向する前記小孔の底面から前記連通孔に沿って延在する導電膜が形成される。
上記構成によれば、導電膜は、電極や電気配線として用いることができる。例えば、細胞内に導入したい物質を含む流体を小孔及び連通孔に満たした状態で、細胞側に配置した電極と導電膜との間にパルス電圧を印加し、細胞内に物質を導入するために用いることができる。また、細胞側に配置した電極と導電膜との間の電位や電流を計測するために用いることもできる。
好ましくは、柱状支持部材をさらに備える。前記柱状支持部材は、前記一方の主面に沿って配置されるベース部と、前記ベースを介して前記開口に対向し、前記ベース部から前記開口とは反対側に突出する突起部と、前記突起部の先端と前記開口との間を連通する貫通孔とを有する。
上記構成において、柱状支持部材の突起部の先端により、細胞を、柱状支持部材のベース部から浮いた状態で支持することができる。このとき、樹脂膜の貫通孔及び小孔と柱状支持部材の連通孔とを介して、細胞を吸引固定することができる。
上記構成によれば、柱状支持部材の突起部の先端から細胞内に外来物質を瞬時に導入したときの応答(細胞内濃度ジャンプ)以外に、細胞の周囲に、一定濃度の試薬や分子などを瞬時に導入したときの応答(細胞外濃度ジャンプ)を測定することができる。応答は、柱状支持部材の突起部ごとの電位や電流値のほか、応答に伴う突起部の撓み(変形、変位)を測定することができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した流路の形成方法を提供する。
流路の形成方法は、第1ないし第4のステップを備える。前記第1のステップにおいて、透明な基板の少なくとも一方の主面に、光の透過を阻止する遮光パターンを形成する。前記第2のステップにおいて、前記基板の前記一方の主面又は他方の主面に光硬化性樹脂を塗布する。前記第3のステップにおいて、前記基板に関して前記光硬化性樹脂とは反対側から、前記基板に対して異なる角度で光を照射し、前記光硬化性樹脂内において、前記遮光パターンに沿って延在する非透過領域以外の領域を前記光が透過するようにして、前記光硬化性樹脂の前記光が透過した部分を硬化させる。前記第4のステップにおいて、前記前記光硬化性樹脂の前記非透過領域を除去する。前記第1のステップにおいて、前記遮光パターンは、細長い第1部分と、該第1部分に連続しかつ該第1部分の延在方向に対して略直角方向に広がった第2部分との少なくとも一方を含む。前記第3のステップにおいて、前記非透過領域は、前記遮光パターンの前記第1部分に対応する第1領域と、前記遮光パターンの前記第2部分に対応する第2領域との少なくとも一方を含む。前記第1領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側に延在する。前記第2領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側から前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の主面まで延在する。前記第4のステップにおいて、前記非透過領域の前記第1領域を除去して、前記基板に沿って延在する横孔を形成し、前記非透過領域の前記第2領域を除去して、前記前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の前記主面に開口を有する縦孔を形成する。
上記方法において、遮光パターンは、第1部分のみ又は第2部分のみであっても、第1部分が複数であっても、第2部分が複数であってもよい。さらには、複数組の第1部分及び第2部分を備えてもよい。また、横孔又は縦孔のいずれか一方のみの流路を形成してもよい。上記方法によれば、主面に溝を形成した基板に他の基板を接合する場合に比べ、流路の形成が簡単である。
好ましくは、前記第1のステップにおいて、前記基板の一方の主面に、導電材料を用いて前記遮光パターンを形成する。前記第2のステップにおいて、前記基板の前記一方の主面に前記光硬化性樹脂を塗布する。この場合、小孔の開口に対向する部分から流路に沿って延在する導電パターンを同時に形成することができる。この導電パターンは、電極や電気配線として用いることができる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した流路の形成方法を提供する。
流路の形成方法は、第1ないし第4のステップを備える。前記第1のステップにおいて、透明な基板の一方の主面に光硬化性樹脂を塗布する。前記第2のステップにおいて、前記基板の他方の主面に沿って、遮光パターンを有するマスク部材を配置する。前記第3のステップにおいて、前記マスク部材側から、前記マスク部材に対して異なる角度で光を照射し、前記光硬化性樹脂内において、前記遮光パターンに沿って延在する非透過領域以外の領域を前記光が透過するようにして、前記光硬化性樹脂の前記光が透過した部分を硬化させる。前記第4のステップにおいて、前記前記光硬化性樹脂の前記非透過領域を除去する。前記第1のステップにおいて、前記遮光パターンは、細長い第1部分と、該第1部分に連続しかつ該第1部分の延在方向に対して略直角方向に広がった第2部分との少なくとも一方を含む。前記第3のステップにおいて、前記非透過領域は、前記遮光パターンの前記第1部分に対応する第1領域と、前記遮光パターンの前記第2部分に対応する第2領域との少なくとも一方を含む。前記第1領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側に延在する。前記第2領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側から前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の主面まで延在する。前記第4のステップにおいて、前記非透過領域の前記第1領域を除去して、前記基板に沿って延在する横孔を形成し、前記非透過領域の前記第2領域を除去して、前記前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の前記主面に開口を有する縦孔を形成する。
本発明の細胞内物質導入装置によれば、細胞の大きさに関係なくエレクトロポレーションが行えるため、高効率の外来物質の導入が実現される。また、絶縁性薄膜の上に多数の小孔を配列することにより、大量の細胞に同時並列的に外来物質を導入することができる。
また、本発明の細胞クランプ装置によれば、細胞を多くの部位でクランプすることが可能である。
さらに、本発明流路の形成方法によれば、流路を効率よく形成することができる。
細胞内物質導入装置の構成を示す断面図である。(実施例1) 細胞内物質導入装置の構成を示す断面図である。(実施例2) 細胞クランプ装置の最小構成単位を示す説明図である。(実施例3) 照射の説明図である。(実施例3) 細胞クランプ装置の構成を示す断面図である。(実施例4) 細胞クランプ装置の構成を示す平面図である。(実施例5) 柱状支持部材の構成を示す斜視図である。(実施例6) 細胞クランプ装置に柱状支持部材を用いたときの構成を示す要部断面である。(実施例6) 細胞クランプ装置に柱状支持部材を用いた計測の説明図である。(実施例6) 柱状支持部材の製作方法の説明面である。(実施例6)
符号の説明
1 小孔
2 絶縁性薄膜
6,7 電極
9 細胞
10a,10b 細胞内物質導入装置
11 絶縁性薄膜
12 小孔
14,15 電極
20 細胞クランプ装置
21 基板
22,22a,22b 導電膜
23 樹脂膜
24s 開口
24a,24b,24t 小孔(縦孔)
25a,25b,25t 連通孔(横孔)
30 細胞クランプ装置
32 基板
33 樹脂膜
34a〜34h 小孔(縦孔)
35a〜35h 連通孔(横孔)
50 柱状支持部材
52 ベース部
54 突起部
54a 先端
56 貫通孔
80 細胞
以下、本発明の実施の形態として実施例について図1〜図10を参照しながら説明する。
まず、細胞内物質導入装置について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、細胞内物質導入装置10aは、小孔1を持つ絶縁性薄膜2の両側に、バッファー(例えば生理食塩水)を満たしたチャンバー3および外来物質4の水溶液を満たしたチャンバー5があり、各々に電極6および7が接触している。8は電極を保持するためのスペーサで、電極とともにチャンバー壁を兼ねている。小孔1のバッファーを満たしたチャンバー3の側に、細胞9を吸引固定し、電極6と7の間にパルス電圧を印加する。なお、絶縁性薄膜2は、電極6,7間の流体を分離する必要があるが、特にチャンバー5が小孔1の部分を除いて密閉されている場合には、細胞9を小孔1に吸引固定することが容易になる上、チャンバー5からの液漏れもなくなる。
絶縁性薄膜2は、例えば、SiO膜である。具体的には、Si基板を熱酸化することにSiO膜を形成し、SiO膜にフォトレジストを塗布してマスクパターンを転写した後、現像を行い、SiO膜の小孔1となる部分をエッチングし、最後に、Si基板をエッチング等により除去することにより、SiO膜の絶縁性薄膜2が得られる。Si基板を全部除去するのではなく一部を残し、残したSi基板で絶縁性薄膜2を支持するようにしてもよい。
または、有機薄膜に、レーザーまたはフォトリソグラフィーによって小孔を開口したものを、絶縁性薄膜2として用いることも可能である。
図1において点線で示したように、絶縁性薄膜2の厚さをd、誘電率をε、一対の電極6,7の間隔をL、チャンバー3,5内の流体の抵抗率をρとした時、系の時定数τ=ερL/dが10ミリ秒以下となるように、絶縁性薄膜2の厚さd、誘電率ε、一対の電極6,7の間隔L、チャンバー3,5内の流体の抵抗率ρを選んだ条件下では、電気力線10は絶縁性薄膜2を通過することができないので、小孔1を通ることになる。すなわち、電気力線10が収束するため、小孔の位置での電界強度が、溶液中での電界強度に比べて極めて強くなる。これにより、細胞膜の小孔に接している部分にのみ、エレクトロポレーションすなわち膜の透過化が生じ、チャンバー5の中にある外来物質4が、拡散または電気泳動により、細胞内へと導入されることになる。
十分な電界の集中を得て、細胞膜の小孔に接する部分のみを透過化するためには、小孔が細胞直径に比して十分小さいこと、特に細胞直径の1/3以下であることが望ましい。この時、小孔に接する部分の細胞膜にかかる膜電圧は、小孔部分の電界集中によってのみ決まり、細胞の直径に依存しない。すなわち、本装置を用いれば、細胞の直径に依存しない外来物質の導入が可能になる。
ここで、一対の電極6,7間に10V以下の適度なパルス電圧を選択すれば、小孔1に接した部分の膜が可逆的に破壊され、自復するため、細胞に大きなダメージを与えることなく外来物質の導入が可能になる。溶液中に懸濁された細胞にパルス電圧を印加する通常のエレクトロポレーションの場合には、細胞膜の部分的破壊が細胞全体に伝搬して、細胞全体の破壊・死滅につながるが、本装置の場合には、細胞膜が絶縁性薄膜に固定されているので、小孔部分から発生する破壊の伝搬が生じにくい。さらに積極的にこの伝搬を防止するためには、小孔周辺の薄膜に細胞接着性の表面修飾を施すことが有効で、それを行うための物質としては、たとえば細胞付着性修飾剤BAM(Biocompatible Anchor for Membrane;日本油脂株式会社)、ポリ−D−リジン(poly−D−lysine)、リン酸塩(phosphates)、ウシ胎仔血清(FBS;fetal bovine serum)が例示される。このことにより、本法は、通常のエレクトロポレーションに比して、細胞を死滅させずに印加できる電圧の許容範囲が広く、ひいては高い効率での外来物質導入が行える。
なお、本発明の細胞内物質導入装置は図1に示した構造に限定されるものではなく、小孔を持つ絶縁性薄膜の両側に2つの電極と接するあるいは電極を浸漬した溶液がありさえすれば、スペーサ8や電極6,7によってチャンバー壁を構成する必要もなく、チャンバー3とチャンバー5が電気的に絶縁されていない構造でも、電気力線の集中は生ずるので、適用可能である。細胞の固定も吸引に限定されるものではなく、重力による沈降、電気泳動、誘電泳動を利用することも可能である。
図2は、本発明による、外来物質の細胞への同時並列導入の例である。絶縁性薄膜11多数の小孔12を設け、各々に細胞13を固定して、電極14と15の間にパルス電圧を印加することにより、外来物質16をすべての細胞内に同時に導入することができる。したがって、大量並列測定や、細胞膜電位の同時計測が可能である。
本発明の細胞内物質導入装置によれば、細胞の直径に依存しないエレクトロポレーションが実現されるので、細胞が広い粒径分布を持つ場合にも、高い効率での外来物質の導入が行える。また、細胞内外の溶液組成が任意にとれ、コンダクタンスが大きく、膜透過性がない物質や、caged物質(光などで励起・分離し発現する物質)以外の物質に対する測定が可能である。
次に、細胞クランプ装置について、図3〜図10を参照しながら説明する。
図3に、細胞クランプ装置の最小構成単位20sの要部構成を示す。
細胞クランプ装置は、透明な基板21の上面21aに、絶縁性の樹脂からなる樹脂膜23が配置されている。
基板21の上面21aには、光の透過を阻止するとともに導電性を有する導電膜22が形成されている。導電膜22は、細長い第1部分22yと、第1部分22yの両端に連続しかつ第1部分22yの延在方向に対して略直角方向に広がった略長円形状の第2部分22x,22zとを含む。導電膜22は、第1部分22y又は第2部分22x,22zに接続された他の部分を含んでもよい。
樹脂膜23の上面23aには、開口24s,26sが形成され、例えば、一方の開口24sに細胞を固定し、他方の開口26sからシリンジポンプや真空ポンプなどで吸引を行う。樹脂膜23には、開口24s,26sに連続する小孔24t,26tと、小孔24t,26tに連通する連通孔25tとが形成されている。小孔24t,26tは、それぞれ、導電膜22の第2部分22x,22zに対応して形成され、導電膜22の第2部分22x,22zは小孔24t,26tの底面となる。連通孔25tは、導電膜22の第1部分22yに対応して形成され、導電膜22の第1部分22yは連通孔25tの底面となる。
次に、製造方法について、図4を参照しながら説明する。図4は、大略、導電膜22の細長い第1部分22yが延在する方向に見た断面図である。
まず、透明な基板21の上面21aに、所定パターンの導電膜22を形成する。具体的には、基板21にはガラス基板を用いる。基板21にSi基板や樹脂基板を用いてもよい。導電膜22は、基板21にフォトレジストを塗布し、マスクパターンを転写した後、現像し、Alを蒸着することにより形成する。Pt、Au、Agなど、Al以外の金属を蒸着してもよい。また、蒸着以外の方法によってもよい。
次いで、基板21の上面21aに光硬化性の樹脂膜23(具体的には、microchem社製のネガレジストであるSU−8)を塗布する。
次いで、矢印44a,44bで示すように、基板21の下面21b側(すなわち、基板21に関して樹脂膜23とは反対側)から、基板21の下面21bに対して異なる角度で光を照射し、樹脂膜23の光が透過した部分を硬化させる。
このとき、光を照射する方向44a,44bは、導電膜22の細長い第1部分22yが延在する方向から見ると、基板21の下面21bに対して斜めに傾き、かつ、互いに略対称となる2方向である。矢印44aで示す方向から光を照射したとき、樹脂膜23内には、導電膜22によって影となり、光が透過しない領域44tが形成される。一方、矢印44bで示す方向から光を照射したとき、樹脂膜23内には、導電膜21sによって影となり、光が透過しない領域44sが形成される。2つの影の領域44s,44tが重なり合う領域44kは、光が全く透過しない非透過領域となる。樹脂膜23は、非透過領域44k以外の部分が硬化する。
具体的には、紫外線の照射方向に対して基板21を±45°傾けて配置した状態で、露光装置を用いて紫外線の平行光を、基板21側から樹脂膜23に照射した後、樹脂膜23のSU−8が硬化を開始する温度よりも高い温度(例えば、95℃)まで加熱する。
次いで、樹脂膜23の非透過領域44kを除去する。樹脂膜23がSU−8の場合には、現像液に浸して、樹脂膜23の非透過領域44kを溶出させる。
非透過領域44kは、導電膜22に沿って延在する。非透過領域44kは、導電膜22の第1部分22yに対応する第1領域と、導電膜22の第2部分22x,22zに対応する第2領域と含む。
導電膜22の第1部分22yの幅が狭いので、非透過領域44kの第1領域は、樹脂膜23内において断面三角形となり、樹脂膜23内のガラス基21板側にのみ延在する。そのため、非透過領域44kの第1領域に対応して断面三角形のトンネル状の連通孔(横孔)25tが形成される。
一方、導電膜22の第2部分22x,22zの幅が広いので、非透過領域44kの第2領域は、樹脂膜23内において樹脂膜23の上面23aにまで達する断面台形となり、樹脂膜23内の基板21側から反対側の上面23aまで延在する。そのため、樹脂膜23の上面23aに開口24s,26sが形成され、非透過領域44kの第2領域に対応して、大略、円錐台状の小孔(縦孔)24t,26tが形成される。
例えば、基板21にガラス基板を用い、樹脂膜23にSU−8を用い、導電膜22としてAlを蒸着することにより、樹脂膜23の膜厚が10μm、連通孔25tの幅が5μm、開口24sの直径が3μm、開口26sの直径が6μmとなる細胞クランプ装置を製作することができる。
上記の製造方法は、基板を化学的、物理的にエッチングしたり、溝を形成した基板を接合したりする一般的なマイクロチャネル(流路)の形成方法に比べ、大規模な製造装置が不要であり、製造工程が簡単であり、製造コストも少なくてすむ。したがって、流路を効率よく形成することができる。また、流路の形成と同時に、電極や電気配線も形成することができる。
細胞クランプ装置は、複数の小孔及び連通孔を備えることにより、細胞の複数の部位を小孔で固定した状態で、種々の用途に用いることができる。
図5に示すように、細胞クランプ装置20が、第1組の小孔24a,26a及び連通孔25aと、第2組の小孔24b,26b及び連通孔25bとを備える場合、小孔26a,26bに設けたシリンジポンプ28a,28bで矢印29a,29bで示すように吸引し、細胞80の2つの部位を小孔24a,24bに固定し、小孔24a,24bを通る電流を、導電膜22a,22b、外部端子22p,22qを介して電流計30a,30bで計測する。
細胞クランプ装置20は、細胞の上方に電極を配置すれば、細胞内物質導入装置として用いることもできる。例えば、細胞の一方の部位から外来物質を導入し、細胞の他方の部位での応答を検知すれば、ギャップ結合を有する物質輸送(イオン、小分子(cAMP,cGMP他)の通過)を測定することができる。
図6に、多数の小孔34a〜34hを設けた細胞クランプ装置30の構成を示す。
細胞クランプ装置30は、最小構成単位の細胞クランプ装置20sと同様に、透明なガラス基板32に、ガラス基板32より小さい絶縁性樹脂の樹脂膜33が配置されている。樹脂33には、複数組の細胞固定用の小孔34a〜34h、連通孔35a〜35h、吸引用の小孔36a〜36hが形成されている。ガラス基板32上に形成される導電膜は、細胞固定用の小孔34a〜34h、連通孔35a〜35h、吸引用の小孔36a〜36hを形成する部分のほか、これらの部分から延長された延長部分32a〜32hと、延長部分32a〜32hの端部に設けられた外部端子31a〜31hとを含む。
細胞クランプ装置30は、光硬化性樹脂の樹脂膜33に異なる角度で光を照射することによって、細胞固定用の小孔34a〜34h、連通孔35a〜35h、吸引用の小孔36a〜36hが形成されるが、同時に、ガラス基板32上に形成される導電膜の延長部分32a〜32hに対応して流路が形成される。そのため、延長部分32a〜32hはできるだけ幅を狭くすることが好ましい。また、延長部分32a〜32hに対応して形成される流路は、例えばクリップ等で樹脂膜33を押さえて塞ぐことが好ましい。
細胞クランプ装置30は、細胞80の複数の部位をクランプした状態で、種々の計測や細胞80に対する操作のために用いることができる。
細胞クランプ装置は、図7〜図10に示すように、柱状支持部材50とともに用いることもできる。
図7に示すように、柱状支持部材50は、板状のベース部52と、ベース部52の上面52aから突出した複数の柱状の突起部54と、各突起部54の先端54aからベース部52の下面52bまで貫通する貫通孔56とを有する。
柱状支持部材50は、例えば図10に示す方法で作製することができる。すなわち、図10(a)に示すように、透明なガラス基板60の一方の主面60aに、リング状の遮光パターン62を形成する。次いで、図10(b)に示すように、ガラス基板60の上面60aに光硬化性樹脂64(例えば、ネガレジストSU−8)をスピンコートした後、矢印61で示すように、ガラス基板60の下面60b側から、ガラス基板60の下面60bに垂直方向に、平行光を露光し、樹脂64内の光が透過した部分を硬化させる。次いで、図10(c)に示すように、樹脂64の未露光部分を除去し、筒状の空間65を形成する。次いで、図10(c)に示すように、樹脂64の上面64aに、所定厚さで樹脂66(例えば、PDMS;Polydimethylsiloxane)を塗布し、樹脂66を筒状の空間65に充填した後、樹脂66を硬化させる。そして、図10(d)に示すように、樹脂66を樹脂64から分離する。このとき、樹脂66には、筒状の突起部67が形成されるが、突起部67の中心孔68は非貫通の状態であるので、最後に、中心孔68底をレーザーで加工し、中心孔68を貫通させる。
図8に示すように、柱状支持部材50は、細胞クランプ装置30の樹脂膜33に沿って配置される。このとき、柱状支持部材50の各突起部54は、それぞれ、ベース部52を介して、樹脂膜33の上面に形成された小孔34の開口に対向し、柱状支持部材50の貫通孔56は、細胞クランプ装置30の小孔34と連通する。細胞クランプ装置30の小孔36からシリンジポンプ38により矢印39で示すように吸引し、連通孔35、小孔34、貫通孔56を介して、柱状支持部材50の突起部54の先端54aに、細胞を吸着することができる。
このとき、図9に示すように、細胞80は、柱状支持部材50のベース部52から浮いた状態で、複数の部位が柱状支持部材50の突起部54で支持される。柱状支持部材50の突起部54が適宜な剛性を有するように構成し、突起部54の先端の変位を、カメラ58で撮影し、撮影画像を分析することによって、細胞80の各部位の変位を計測する。あるいは、導電膜37、外部端子31を介して、細胞80の支持部位を通る電流を計測する。例えば、細胞80の周囲に一定濃度の試薬や分子などを瞬時に導入し、このときの細胞80の応答(細胞外濃度ジャンプ)を計測する。
柱状支持部材50と細胞クランプ装置30とを組み合わせることによって、細胞80の複数の部位を安定して支持することができる。また、柱状支持部材50の突起部54の先端54に細胞を吸着することにより、細胞80の支持部位がずれないように支持することができる。また、柱状支持部材50の突起部54のたわみによって、細胞80に対する拘束が少なく、細胞80は高い自由度で動くことができる。したがって、細胞80の各部位の状態を正確に計測することができる。
以上に説明したように、細胞内物質導入装置は、細胞の大きさに関係なくエレクトロポレーションが行えるため、高効率の外来物質の導入が実現される。また、絶縁性薄膜の上に多数の小孔を配列することにより、大量の細胞に同時並列的に外来物質を導入することができる。
また、細胞クランプ装置は、細胞を多くの部位でクランプすることが可能である。
さらに、細胞クランプ装置を製作する流路の形成方法は、流路を効率よく形成することができる。この流路の形成方法は、細胞クランプ装置に限らず、種々の分野に広く適用することができる。
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することができる。
例えば、光硬化性樹脂に、ネガレジストの代わりに、ポジレジストを用いてもよい。この場合、遮光パターンは反転すればよい。遮光パターンは、導電膜以外でもよく、流路形成後に除去するようにしてもよい。
また、流路の形成を行うための遮光パターンを、一方の主面に光硬化性樹脂を塗布した透明な基板の他方の主面に形成し、遮光パターンを介して光硬化性樹脂に異なる角度で光を照射してもよい。また、遮光パターンを有するマスク部材を、一方の主面に光硬化性樹脂を塗布した透明な基板の他方の主面に沿って配置し、マスク部材の遮光パターンを介して光硬化性樹脂に異なる角度で光を照射してもよい。いずれの場合も、照射した光が透過しない非透過領域は、遮光パターンから離れた状態で、遮光パターンに沿って延在する。
本発明の細胞内物質導入装置及び細胞クランプ装置は、分子生物学をはじめ、生理学・再生医科学・医療・創薬の分野の研究方法を一新するものであると同時に、ポイントオブケアーやテーラーメード医療をより簡便かつ低侵襲に行うことを可能にするデバイスである。また、本発明の流路の形成方法は、細胞クランプ装置、μTAS(Total Analysis Systems)など、MEMS技術を利用したマイクロデバイスやマイクロ構造物などの製作に用いることができる。
【0003】
より、高効率の外来物質の導入を実現することができる細胞内物質導入装置を提供しようとするものである。
[0014]
また、パッチクランプ法では、多くて2から3個のガラス管を細胞に接続することが限界であり、細胞内の物質移動や細胞間の物質移動およびより小さな細胞内・細胞間の作用を計測することは困難である。
[0015]
本発明は、斯かる実情に鑑み、細胞を多くの部位でクランプすることが可能な細胞クランプ装置を提供しようとするものである。
[0016]
さらに、細胞内物質導入装置や細胞クランプ装置では、流路を形成する必要がある。一般には、主面に溝を形成した基板に他の基板を接合する方法で流路が形成される。しかし、この方法では、基板の反りなどにより接合不良が生じやすく、流路を効率よく形成することが困難である。
[0017]
本発明は、斯かる実情に鑑み、流路を効率よく形成することができる流路の形成方法を提供しようとするものである。
課題を解決するための手段
[0018]
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した細胞内への物質導入方法を提供する。
[0019]
細胞内への物質導入方法は、(1)小孔を有する絶縁性薄膜の両側に一対の電極を配置し、前記絶縁性薄膜に関して一方の領域において前記小孔に細胞を固定するとともに、前記絶縁性薄膜に関して他方の領域において前記小孔に連続する空間に前記細胞内に導入したい物質を含む流体を満たす、第1のステップと、(2)前記一対の電極間に10V未満のパルス電圧を印加することによって生ずる前記小孔の部分への電界集中を利用して、前記小孔に固定されている前記細胞の細胞膜のうち前記小孔に接する部分のみを破壊して、前記小孔に連続する前記空間から前記細胞内に前記物質を導入する、第2のステップと、を備える。
[0020]
また、本発明は、上記課題を解決するために、上記方法に用いる、以下のように構成した細胞内物質導入装置を提供する。
【0004】
[0021]
細胞内物質導入装置は、上記の細胞内への物質導入方法に用いる細胞内物質導入装置であって、(a)小孔を有する絶縁性薄膜と、(b)前記絶縁性薄膜に関して一方の領域において前記小孔に連続し、細胞を含むバッファーを満たすための第1のチャンバーと、(c)前記絶縁性薄膜に関して他方の領域において前記小孔に連続し、前記細胞内に導入したい物質を含む流体を満たすための第2のチャンバーと、(d)前記小孔に対向して前記絶縁性薄膜の両側に、それぞれ前記第1のチャンバー内のバッファーと前記第2のチャンバー内の流体とに接するように配置された一対の電極とを備える。前記絶縁性薄膜は、次のように構成されている。すなわち、前記絶縁性薄膜に関して一方の領域において前記第1のチャンバー内の細胞を前記小孔に固定するとともに、前記絶縁性薄膜に関して他方の領域において前記小孔に連続する前記第2のチャンバーに前記細胞内に導入したい物質を含む流体を満たした状態で、前記一対の電極間に10V未満のパルス電圧を印加すると、前記小孔の位置での電界強度が、前記バッファー及び前記流体中での電界強度に比べて極めて強くなり、前記小孔に固定されている前記細胞の細胞膜のうち前記小孔に接する部分のみを破壊して、前記小孔に連続する前記第2のチャンバーから前記細胞内に前記物質を導入するのに十分な電界集中が生ずるように構成されている。
[0022]
上記構成において、一対の電極間にパルス電圧を印加すると、絶縁性薄膜に設けた小孔に電界が集中するので、小孔に接した細胞膜を可逆的あるいは非可逆的に破壊して、小孔に連続する第2のチャンバーに満たした流体中に含まれる物質を、細胞内に導入することができる。10V未満のパルス電圧を用いれば、細胞膜の他の部分にダメージを与えることなく、小孔に集中した電界を用いて、小孔部分の膜のみを透過化することができる。
[0023]
エレクトロポレーションに実際に用いられるパルス幅の電圧に対して小孔部分に電界集中が生じるためには、絶縁性薄膜の厚さをd、誘電率をε、前記一対の電極の間隔をし、流体の抵抗率をρとした時、系の時定数τ=ε ρL/dが10ミリ秒以下となるように、前記絶縁性薄膜の厚さd、前記誘電率ε、前記一対の電極の間隔し、前記流体の抵抗率ρを選ぶことが、好ましい。
[0024]
好ましくは、前記一対の電極のうち、前記細胞が存在する前記絶縁性薄膜に関して前記一方の領域側に置かれた電極が、前記小孔より、前記小孔直径の10倍以上離れた位置に置かれている。これにより、小孔に十分な電界を集中することができる。
[0025]
好ましくは、前記小孔の直径が、前記小孔に固定される前記細胞の直径の1/3以下である。この場合、細胞膜の小孔に接する部分に十分に電界を集中し、細胞膜の小孔に接する部分のみを透過化することができる。
[0026]
小孔への細胞の固定は、吸引固定、もしくは重力による沈降、誘電泳動,電気泳動を利用することも可能である。
[0027]
好ましくは、前記絶縁性薄膜に関して前記他方の領域において、前記小孔に連続する前記第2のチャンバーが、前記小孔の部分を除いて密閉される。上記構成によれば、小孔に連続する第2のチャンバーが、前記小孔の部分を除いて密閉されているので、第2のチャンバーに満たされる流体を吸引することにより、小孔での細胞の固定を安定化することができる。
[0028]
好ましくは、前記絶縁性薄膜の前記小孔周辺に、前記細胞に接着する表面修飾を施す。上記構成によれば、細胞膜の小孔部分で発生した破壊が周囲に伝搬することを、積極的に防止することができる。
【0005】
[0029]
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した細胞クランプ装置を提供する。すなわち、細胞クランプ装置は、光硬化性樹脂からなる樹脂膜と、前記樹脂膜を支持する基板と、を備える。前記樹脂膜は、(i)前記樹脂膜の一方の主面に形成された、細胞を固定するための開口と、(ii)前記開口に連続し、前記樹脂膜の他方の主面に達する小孔と、(iii)前記小孔に連通し、かつ、前記樹脂膜の前記他方の主面に隣接する連通孔と、を複数組有する。前記基板は、前記樹脂膜を支持する面に、前記小孔及び前記連通孔の底面となる導電膜が形成されている。
[0030]
上記構成において、小孔及び連通孔を介して細胞を吸引することにより、細胞を開口に固定することができる。複数の開口を備えるので、細胞を多くの部位でクランプすることが可能である。細胞クランプ装置は、細胞をクランプした状態で、外来物質を細胞内に導入するなどの操作や、刺激に対する機械的、電気的、化学的な応答などの細胞機能の測定などに用いることができる。
[0031]
上記構成によれば、導電膜は、電極や電気配線として用いることができる。例えば、細胞内に導入したい物質を含む流体を小孔及び連通孔に満たした状態で、細胞側に配置した電極と導電膜との間にパルス電圧を印加し、細胞内に物質を導入するために用いることができる。また、細胞側に配置した電極と導電膜との間の電位や電流を計測するために用いることもできる。
[0032]
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した他の細胞クランプ装置を提供する。すなわち、細胞クランプ装置は、光硬化性樹脂からなる樹脂膜と、前記樹脂膜を支持する基板と、柱状支持部材とを備える。光硬化性樹脂からなる前記樹脂膜は、前記樹脂膜の一方の主面に形成された、細胞を固定するための開口と、該開口に連続する小孔と、該小孔に連通する連通孔とを複数組有する。前記樹脂膜を支持する前記基板に、前記開口に対向する前記小孔の底面から前記連通孔に沿って延在する導電膜が形成されている。前記柱状支持部材は、前記樹脂膜の前記一方の主面に沿って配置されるベース部と、前記ベース部を介して前記樹脂膜の前記開口に対向し、前記ベース部から前記樹脂膜の前記開口とは反対側に突出する突起部と、前記突起部の先端と前記樹脂膜の前記開口との間を連通する貫通孔と、を有する。前記突起部の前記先端に細胞を吸着することにより、前記細胞の複数の部位が支持されたとき、前記突起部のたわみによって前記細胞が動くことができる。
[0033]
上記構成において、柱状支持部材の突起部の先端により、細胞を、柱状支持部材のベース部から浮いた状態で支持することができる。このとき、柱状支持部材の貫通孔を介して、細胞を吸引固定することができる。
【0006】
[0034]
上記構成によれば、柱状支持部材の突起部の先端から細胞内に外来物質を瞬時に導入したときの応答(細胞内濃度ジャンプ)以外に、細胞の周囲に、一定濃度の試薬や分子などを瞬時に導入したときの応答(細胞外濃度ジャンプ)を測定することができる。応答は、柱状支持部材の突起部ごとの電位や電流値のほか、応答に伴う突起部の撓み(変形、変位)を測定することができる。
[0035]
好ましくは、上記各構成の細胞クランプ装置において、前記連通孔は、前記連通孔に沿って前記小孔に向かう方向に直角な断面が前記導電膜を一辺とする三角形である。
[0036]
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した流路の形成方法を提供する。
[0037]
流路の形成方法は、第1ないし第4のステップを備える。前記第1のステップにおいて、透明な基板の少なくとも一方の主面に、光の透過を阻止する遮光パターンを形成する。前記第2のステップにおいて、前記基板の少なくとも前記一方の主面に光硬化性樹脂を塗布する。前記第3のステップにおいて、前記基板に関して前記光硬化性樹脂とは反対側から、前記基板に対して異なる角度で光を照射し、前記光硬化性樹脂内において、前記遮光パターンに沿って延在する非透過領域以外の領域を前記光が透過するようにして、前記光硬化性樹脂の前記光が透過した部分を硬化させる。前記第4のステップにおいて、前記光硬化性樹脂の前記非透過領域を除去する。前記第1のステップにおいて、前記遮光パターンは、その延在方向の長さがその延在方向に直角な方向の幅よりも大きい第1部分と、該第1部分に連続しかつ該第1部分の延在方向に対して略直角方向に広がった第2部分との少なくとも一方を含み、かつ、少なくとも前記第1部分を含む。前記第3のステップにおいて、a)前記非透過領域は、前記遮光パターンの前記第1部分に対応する第1領域と、前記遮光パターンの前記第2部分に対応する第2領域との少なくとも一方を含み、かつ、少なくとも前記第1領域を含み、b)前記遮光パターンの一つの前記第1部分に対応して一つの前記第1領域のみが形成され、c)前記第1領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側に延在し、前記第1部分の延在方向に直角な断面が前記遮光パターンを一辺とする三角形であり、d)前記第2領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側から前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の主面まで延在する。前記第4のステップにおいて、前記非透過領域の前記第1領域を除去して、前記基板に沿って延在し、かつ、内面に前記遮光パターンが露出する、断面三角形のトンネル状の横孔を形成し、前記非透過領域の前記第2領域を除去して、前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の前記主面に開口を有する縦孔を形成する。
【0007】
[0038]
上記方法において、遮光パターンは、第1部分のみであっても、第1部分と第2部分の両方を含んでいてもよい。また、第1部分が複数であっても、第2部分が複数であってもよい。さらには、複数組の第1部分及び第2部分を備えてもよい。また、横孔のみの流路を形成しても、横孔と縦孔が連通した流路を形成してもよい。上記方法によれば、主面に溝を形成した基板に他の基板を接合する場合に比べ、流路の形成が簡単である。
[0039]
好ましくは、前記第1のステップにおいて、前記基板の一方の主面に、導電材料を用いて前記遮光パターンを形成する。前記第2のステップにおいて、前記基板の前記一方の主面に前記光硬化性樹脂を塗布する。この場合、小孔の開口に対向する部分から流路に沿って延在する導電パターンを同時に形成することができる。この導電パターンは、電極や電気配線として用いることができる。
[0040]
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した流路の形成方法を提供する。
[0041]
流路の形成方法は、第1ないし第4のステップを備える。前記第1のステップにおいて、透明な基板の一方の主面に光硬化性樹脂を塗布する。前記第2のステップにおいて、前記基板の他方の主面に沿って、遮光パターンを有するマスク部材を配置する。前記第3のステップにおいて、前記マスク部材側から、前記マスク部材に対して異なる角度で光を照射し、前記光硬化性樹脂内において、前記遮光パターンに沿って延在する非透過領域以外の領域を前記光が透過するようにして、前記光硬化性樹脂の前記光が透過した部分を硬化させる。前記第4のステップにおいて、前記光硬化性樹脂の前記非透過領域を除去する。前記第1のステップにおいて、前記遮光パターンは、その延在方向の長さがその延在方向に直角な方向の幅よりも大きい第1部分と、該第1部分に連続しかつ該第1部分の延在方向に対して略直角方向に広がった第2部分との少なくとも一方を含み、かつ、少なくとも前記第1部分を含む。前記第3のステップにおいて、a)前記非透過領域は、前記遮光パターンの前記第1部分に対応する第1領域と、前記遮光パターンの前記第2部分に対応する第2領域との少なくとも一方を含み、かつ、少なくとも前記第1領域を含み、b)前記遮光パターンの一つの前記第1部分に対応して一つの前記第1領域のみが形成され、c)前記第1領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側に延在し、前記第1部分の延在方向に直角な断面が三角形であり、d)前記第2領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側から前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の主面まで延在する。前記第4のステップにおいて、前記非透過領域の前記第1領域を除去して、前記基板に沿って延在する、断面三角形のトンネル状の横孔を形成し、前記非透過領域の前記第2領域を除去して、前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の前記主面に開口を有する縦孔を形成する。
発明の効果
[0042]
本発明の細胞内物質導入装置によれば、細胞の大きさに関係なくエレクトロポレーションが行えるため、高効率の外来物質の導入が実現される。また、絶縁性薄膜の上に多数の小孔を配列することにより、大量の細胞に同時並列的に外来物質を導入することができる。
[0043]
また、本発明の細胞クランプ装置によれば、細胞を多くの部位でクランプすることが可能である。
[0044]
さらに、本発明の流路の形成方法によれば、トンネル状の細長い流路を効率よく形成することができる。
図面の簡単な説明
[0045]
[図1]細胞内物質導入装置の構成を示す断面図である。(実施例1)

Claims (13)

  1. 小孔を有する絶縁性薄膜と、
    前記小孔に対向して前記絶縁性薄膜の両側に配置された一対の電極とを備え、
    前記絶縁性薄膜に関して一方の領域において前記小孔に細胞を固定するとともに、前記絶縁性薄膜に関して他方の領域において前記小孔に連続する空間に前記細胞内に導入したい物質を含む流体を満たした状態で、前記一対の電極間にパルス電圧を印加することによって生ずる小孔部分への電界集中を利用して、前記細胞の細胞膜を破壊して前記細胞内に前記物質を導入することを特徴とする、細胞内物質導入装置。
  2. 前記絶縁性薄膜の厚さをd、誘電率をε、前記一対の電極の間隔をL、流体の抵抗率をρとした時、系の時定数τ=ερL/dが10ミリ秒以下となるように、前記絶縁性薄膜の厚さd、前記誘電率ε、前記一対の電極の間隔L、前記流体の抵抗率ρが選ばれたことを特徴とする、請求項2に記載の細胞内物質導入装置。
  3. 前記一対の電極のうち、前記絶縁性薄膜の細胞が存在する側に置かれた電極が、前記小孔より、前記小孔直径の10倍以上離れた位置に置かれていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の細胞内物質導入装置。
  4. 前記小孔の直径が、前記細胞の直径の1/3以下であることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の細胞内物質導入装置。
  5. 前記一対の電極間に印加する前記パルス電圧が10V以下であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一つに記載の細胞内物質導入装置。
  6. 前記絶縁性薄膜に関して前記他方の領域において、前記小孔に連続する前記空間が、前記小孔の部分を除いて密閉されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一つに記載の細胞内物質導入装置。
  7. 前記絶縁性薄膜の前記小孔周辺に、前記細胞に接着する表面修飾を施したことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一つに記載の細胞内物質導入装置。
  8. 光硬化性樹脂からなる樹脂膜を備え、
    該樹脂膜は、
    該樹脂膜の一方の主面に形成された、細胞を固定するための開口と、
    該開口に連続する小孔と、
    該小孔に連通する連通孔とを複数組有することを特徴とする、細胞クランプ装置。
  9. 前記樹脂膜を支持する基板を備え、
    該基板に、前記開口に対向する前記小孔の底面から前記連通孔に沿って延在する導電膜が形成されたことを特徴とする、請求項8に記載の細胞クランプ装置。
  10. 前記一方の主面に沿って配置されるベース部と、
    前記ベースを介して前記開口に対向し、前記ベース部から前記開口とは反対側に突出する突起部と、
    前記突起部の先端と前記開口との間を連通する貫通孔とを有する、柱状支持部材をさらに備えたことを特徴とする、請求項8又は9に記載の細胞クランプ装置。
  11. 透明な基板の少なくとも一方の主面に、光の透過を阻止する遮光パターンを形成する第1のステップと、
    前記基板の前記一方の主面又は他方の主面に光硬化性樹脂を塗布する第2のステップと、
    前記基板に関して前記光硬化性樹脂とは反対側から、前記基板に対して異なる角度で光を照射し、前記光硬化性樹脂内において、前記遮光パターンに沿って延在する非透過領域以外の領域を前記光が透過するようにして、前記光硬化性樹脂の前記光が透過した部分を硬化させる第3のステップと、
    前記前記光硬化性樹脂の前記非透過領域を除去する第4のステップとを備え、
    前記第1のステップにおいて、前記遮光パターンは、細長い第1部分と、該第1部分に連続しかつ該第1部分の延在方向に対して略直角方向に広がった第2部分との少なくとも一方を含み、
    前記第3のステップにおいて、前記非透過領域は、前記遮光パターンの前記第1部分に対応する第1領域と、前記遮光パターンの前記第2部分に対応する第2領域との少なくとも一方を含み、
    前記第1領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側に延在し、
    前記第2領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側から前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の主面まで延在し、
    前記第4のステップにおいて、
    前記非透過領域の前記第1領域を除去して、前記基板に沿って延在する横孔を形成し、
    前記非透過領域の前記第2領域を除去して、前記前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の前記主面に開口を有する縦孔を形成することを特徴とする、流路の形成方法。
  12. 前記第1のステップにおいて、前記基板の一方の主面に、導電材料を用いて前記遮光パターンを形成し、
    前記第2のステップにおいて、前記基板の前記一方の主面に前記光硬化性樹脂を塗布することを特徴とする、請求項11に記載の流路の形成方法。
  13. 透明な基板の一方の主面に光硬化性樹脂を塗布する第1のステップと、
    前記基板の他方の主面に沿って、遮光パターンを有するマスク部材を配置する第2のステップと、
    前記マスク部材側から、前記マスク部材に対して異なる角度で光を照射し、前記光硬化性樹脂内において、前記遮光パターンに沿って延在する非透過領域以外の領域を前記光が透過するようにして、前記光硬化性樹脂の前記光が透過した部分を硬化させる第3のステップと、
    前記前記光硬化性樹脂の前記非透過領域を除去する第4のステップとを備え、
    前記第1のステップにおいて、前記遮光パターンは、細長い第1部分と、該第1部分に連続しかつ該第1部分の延在方向に対して略直角方向に広がった第2部分との少なくとも一方を含み、
    前記第3のステップにおいて、前記非透過領域は、前記遮光パターンの前記第1部分に対応する第1領域と、前記遮光パターンの前記第2部分に対応する第2領域との少なくとも一方を含み、
    前記第1領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側に延在し、
    前記第2領域は、前記光硬化性樹脂内の前記基板側から前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の主面まで延在し、
    前記第4のステップにおいて、
    前記非透過領域の前記第1領域を除去して、前記基板に沿って延在する横孔を形成し、
    前記非透過領域の前記第2領域を除去して、前記前記光硬化性樹脂の前記基板とは反対側の前記主面に開口を有する縦孔を形成することを特徴とする、流路の形成方法。
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