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JPWO2005092438A1 - トリートメント装置 - Google Patents

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JPWO2005092438A1
JPWO2005092438A1 JP2006511477A JP2006511477A JPWO2005092438A1 JP WO2005092438 A1 JPWO2005092438 A1 JP WO2005092438A1 JP 2006511477 A JP2006511477 A JP 2006511477A JP 2006511477 A JP2006511477 A JP 2006511477A JP WO2005092438 A1 JPWO2005092438 A1 JP WO2005092438A1
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Abstract

本発明のトリートメント装置は、トリートメント対象の皮膚面にレーザ光をレーザ照射口より照射するためのレーザ駆動回路、レーザダイオード、及び導光レンズなどからなるレーザ光照射機構と、皮膚面とレーザ照射口との離間距離に基づいてレーザ照射口を開閉するための遮蔽部材(シャッタ)と、レーザ照射口を包囲するとともに、遮蔽部材を動作させる進退移動自在な筒状部材等とを備える。さらに、筒状部材の内側のレーザ照射口を包囲する位置には、タッチセンサ機能を実現するための三つの接触子が配置されている。

Description

本発明は、レーザ光などの光を皮膚面に照射して美容処理を施すためのトリートメント装置に関する。
一般に、エネルギ密度の高いレーザ光を皮膚面に照射して皮膚の生体組織を加温することなどで、皮膚の細胞組織の活性化を図り、美肌や育毛などのトリートメントを行えるレーザ光照射型のトリートメント装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種のトリートメント装置では、皮膚面へ照射されるレーザ光のパワーや照射時間などを適宜設定することで、上記美肌処理や育毛に加え、脱毛や痩身などのトリートメントを行うことも可能である。
ところで、このようなレーザ光照射型のトリートメント装置では、身体における意図しない部位にエネルギ密度の高いレーザ光が誤って照射されることを防止するために、タッチセンサ機能を備える装置も利用されている。すなわち、このタッチセンサ機能は、例えばレーザ光の照射口の近傍からレーザ光の照射方向に突設された例えば単一又は二つの接触子と、トリートメント対象の皮膚面との接触/非接触を検出し、レーザ光源からのレーザ光の放射/非放射を制御するものである。
しかしながら、上記した構成のタッチセンサ機構では、レーザ光の誤照射を防止するための安全装置としては、必ずしも十分であるとはいえず、安全性の面でのさらなる向上が求められている。
特開2002−355320
そこで本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、意図しない光の照射をより確実に防止することで、トリートメントを行う際の安全性を高めることができるトリートメント装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るトリートメント装置は、トリートメント対象の皮膚面に向けて照射口より光を照射する光照射機構と、前記皮膚面と前記照射口との離間距離に基づいて前記照射口を開閉する照射口開閉機構とを具備することを特徴とする。
すなわち、この発明では、前記皮膚面と前記照射口との離間距離に基づいて、照射口が開閉されるので、例えば皮膚面に照射口が近接した場合に照射口を開放し、一方、皮膚面から照射口が比較的遠くに離間した場合に照射口を閉塞させることなどが可能である。これにより、トリートメントを行うべき所望の皮膚面と光の照射口とが所定の距離内に近接してはじめて光の照射が可能となる。したがって、本発明によれば、意図しない光の照射をより確実に防止できるので、照射口より放出される光が、例えばエネルギ密度の高いレーザ光などである場合でも、トリートメントを行う際の安全性を高めることができる。
また、本発明に係るトリートメント装置は、前記照射口開閉機構が、前記照射口を周縁から包囲するとともに先端部が前記照射口から突出する前進位置と前記前進位置から後退する所定の後退位置との間を進退移動自在に設けられた筒状部材と、前記筒状部材の進退移動に連動し前記筒状部材が前記前進位置に移動した場合に前記照射口を閉塞し、前記筒状部材が前記後退位置に移動した場合に前記照射口を開放する遮蔽部材と、前記筒状部材を前記前進位置に付勢する付勢部材とを具備することを特徴とする。
すなわち、この発明では、筒状部材の先端部を皮膚面に押圧して、付勢部材の付勢力に抗しつつこの筒状部材が後退位置に後退した場合にのみ遮蔽部材が移動して照射口が開放し、光が皮膚面に照射される。一方、筒状部材の先端部を皮膚面に押圧していない場合、付勢部材の付勢力によって筒状部材が前進位置に定位し遮蔽部材も移動しないことになるから、照射口の閉塞状態が維持され皮膚面への光の照射が阻止される。したがって、この発明においても、トリートメントを行うべき皮膚面と光の照射口とが所定の距離内に近接してはじめて光の照射が可能となるので、意図しない光の照射を防止することができる。
さらに、本発明に係るトリートメント装置は、前記筒状部材の内側から前記照射口を包囲するように配置された少なくとも3つ以上の接触子と、前記各接触子と前記皮膚面との接触を検出して前記光照射機構を作動させるタッチセンサ機構とを具備することを特徴とする。
この発明では、上記した筒状部材が前進位置に位置する場合、つまり筒状部材の先端部が皮膚面に押圧されていない非トリートメント時では、遮蔽部材が照射口を閉塞し、しかも各接触子も筒状部材に覆われるので、トリートメント時以外に誤って光が放射されてしまうことが抑制される。つまり、この発明では、筒状部材の後退動作と、各接触子の皮膚面への接触動作との二つの動作が共に行われてはじめて光が照射される二重のプロテクト機能を備えているので、トリートメントを行う際の安全性をより高めることができる。また、このような安全性の高い光照射の防止機能は、光照射機構によって照射される光が、エネルギ密度の高いレーザ光などである場合に有用である。
また、この発明では、皮膚面との接触状態/非接触状態の直接的検出部分である接触子が、三つ以上設けられ、しかも光の照射口を包囲する位置に実質的に分散されたかたちで配置されることになるので、光の照射口の向きが確実に定まり、トリートメントを行うべき所望の皮膚面と光の照射口とが完全に対向してはじめて光が照射されることになる。
さらに、本発明に係るトリートメント装置は、前記光照射機構が、光源と、前記光源から放出された光を集光する光学系とを備え、さらに、前記光学系により集光される光の焦点位置が、前記各接触子の前記皮膚面との接触部分よりも、前記光源側に位置することを特徴とする。
この発明では、光の焦点位置が、皮膚面上に重なるおそれがなく、皮膚面上には焦点位置を越えて、再び放散されるエネルギ密度の低下した光が照射されるので、トリートメントを行う際の安全性が確保される。
また、本発明のトリートメント装置は、前記筒状部材が前記後退位置に移動したことを検出する検出手段と、前記検出手段により前記筒状部材の前記後退位置への移動が検出されない状態では、前記光照射機構の駆動を阻止する光照射阻止手段と、をさらに具備することを特徴とする。
さらに、本発明のトリートメント装置は、前記光源から放出された光を入射しこの入射した光の断面形状の縦横比を変化させつつ当該光を出射するレンズを備えることを特徴とする。また、前記レーザ照射口は、前記レンズを通過した光の断面形状の縦横比に対応させた例えば矩形状の穴により形成されていることが好ましい。また、前記レンズにおける光の入射面及び出射面となる部位は、例えば、縦横の曲率が異なるように膨出させた形状で形成される。
本発明の実施形態に係るトリートメント装置を示す斜視図。 図1のトリートメント装置が備えるレーザ照射装置を示す正面図。 図2のレーザ照射装置を側面からみた断面図。 図2のレーザ照射装置のヘッド部を示す斜視図。 図4のヘッド部のレーザ光の非照射時の状態を側面からみた断面図。 図4のヘッド部のレーザ光の照射時の状態を側面からみた断面図。 図1のトリートメント装置の制御系を機能的に示すブロック図。 図7の制御系の一部を構成するタッチセンサ回路を機能的に示すブロック図。 図6のヘッド部と構造の異なる他のヘッド部を示す図。 図6、図9のヘッド部と構造の異なる他のヘッド部を示す図。 図6、図9、図10のヘッド部と構造の異なる他のヘッド部を示す斜視図。 図11のヘッド部を示す平面図。 図11のヘッド部に内蔵された光学系を模式的に示す斜視図。 図6、図9、図10、図11のヘッド部と構造の異なる他のヘッド部を示す斜視図。 図14のヘッド部を示す平面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るトリートメント装置を示す斜視図、図2は、このトリートメント装置が備えるレーザ照射装置を示す正面図である。また、図3は、図2のレーザ照射装置を側面からみた断面図、図4は、このレーザ照射装置のヘッド部を示す斜視図である。さらに、図5は、図4のヘッド部のレーザ光の非照射時の状態を側面からみた断面図、図6は、図4のヘッド部のレーザ光の照射時の状態を側面からみた断面図である。また、図7は、図1のトリートメント装置の制御系を機能的に示すブロック図、図8は、図7の制御系の一部を構成するタッチセンサ回路を機能的に示すブロック図である。
図1に示すように、このトリートメント装置1は、ユーザが自身で操作する美容処理装置であって、コントローラ兼器具収容ボックス(以下、「コントロールボックス」と称する)2と、このコントロールボックス2に接続ケーブル3を通じて接続されたレーザ照射装置5とから構成される。
コントロールボックス2の前面には、トリートメント装置本体を操作するための案内情報や装置の動作状態などが視覚的に表示される表示パネル6と、接続ケーブル3の接続端子(プラグ)を取り付けるソケット7などが設けられている。また、コントロールボックス2には、レーザ照射装置5へ電力を供給するための電源や、レーザ照射装置5からのレーザ光の照射を制御する制御回路が内蔵されている。
さらに、このコントロールボックス2の前面には、この美容処理装置本体の電源のオン/オフを行う電源スイッチ8と、電源のオン/オフの状態を示すLED9と、各種設定を行う設定スイッチ10と、各設定状態を視覚的に示すLED11とが設けられている。
また、図2及び図3に示すように、レーザ照射装置5は、ユーザが手で持ってトリートメントを行うハンディタイプの装置である。すなわち、レーザ照射装置5は、装置の外郭を形成するケース12と、このケース12の内部に基板15を介して搭載された制御チップ16と、ケース12の全面に設けられた設定スイッチ19と、レーザ光を放射する光源としてのレーザダイオード20と(図5、図6参照)、レーザダイオード20の熱を除去するヒートシンクと、ヒートシンクを冷却する冷却ファン17と、レーザダイオードから出射されたレーザ光を導光しつつレーザ照射口23からレーザ光を身体の皮膚面に照射する棒状の導光レンズ24とから主に構成されている。
設定スイッチ19は、図2に示すように、トリートメント装置本体の電源をレーザ照射装置5側でオン/オフし、LEDランプ18の点灯/非点灯によりこれをユーザに報知する。また、設定スイッチ19は、本体側の設定スイッチ10とほぼ同様の機能を有しており、間欠(パルス)照射されるレーザ光のオンタイム(照射時間及びその照射サイクル)を設定するためのものである。すなわち、設定スイッチ19を1回押す度に電源オン、オンタイムの切換え、電源オフの順にモードが切換わる。この際、LEDランプ18は、設定レベル1〜6に対応して緑色点灯から緑色点滅、橙色点灯、橙色点滅、赤色点灯、赤色点滅の順に表示が切換わる。また、最後に、設定スイッチ19を例えば1.5秒以上押し続けると、電源がオフとなる。
上記したヒートシンクは、レーザダイオード20の動作時の発熱を熱伝導によって拡散させて性能の低下を抑える。このため、ヒートシンクは、熱伝導率のよいアルミニウム又はその合金等で鋳造され、また、表面積を増やすために複数の貫通孔を備え放熱効果が高められている。
レーザダイオードは、GaAs(ガリウムアルセナイド)などの化合物半導体を用いたPN接合ダイオードに直接電流を流して励起し、レーザ発振を得る。このレーザダイオード20としては、例えば波長700〜900nm、光出力5mW〜5Wのレーザ光を放射することが可能な半導体素子が適用されている。
このようなレーザ光は、光電気反応、光磁気反応、光力学反応、光化学反応、光免疫反応、光酵素反応等を誘起させる効果があり、光生物学的活性化により生体組織の新陳代謝を促して皮膚血行を高め、また、水分や血液に吸収され難いため、優れた皮膚深部への到達性を有する。
ここで、トリートメント装置1により実現可能な各種トリーメントについて簡単に説明する。
レーザ光は、他の光に比べてエネルギ密度が高いため、生体組織に照射した場合、照射部分の温度を比較的容易に上昇させることができる。これにより、レーザ光は、生体組織の所望の部位の蛋白質の変成等を意図的に引き起こさせる光熱反応や、また、代謝機能を促進するための、いわゆる非熱反応(40℃を超えない程度の比較的低い温度で起こる光化学反応、光磁気反応、イオン化反応などの生体反応)を誘起させることが可能である。
すなわちトリートメント装置1は、レーザパワーや照射時間等を適宜設定して人体の皮膚面へレーザ光を照射することで、育毛、脱毛、美肌、痩身などのトリートメントを実現する。
育毛トリートメントは、エネルギ密度を比較的低く設定したレーザ光を頭皮表面に照射することで行われる。これにより、頭皮の血行が促進されて毛穴が開き、毛穴に詰まった皮脂や汚れが洗浄されることで育毛効果が得られる。一方、脱毛トリートメントは、エネルギ密度を比較的高く設定したレーザ光を体毛等の毛根に照射することで実現される。この場合、体毛等の毛母細胞の蛋白質の変成が促進されることにより、毛の成長が抑制され脱毛効果が得られる。
また、美肌トリートメントを行う場合においては、皮膚の表皮や真皮に散在するメラニンが比較的高い温度に昇温されるようにレーザ光を照射し、光熱作用によって熱変性を引き起こさせ、アザ、シミ、ソバカスなどを除去する。また、痩身トリートメントを行う場合においては、交感神経と関連の深い特定のツボに比較的エネルギ密度の低いレーザ光を供給し、光化学反応、光磁気反応、イオン化反応等による非熱作用によってツボを刺激して血行を促し、これにより、細胞組織を活性化して代謝機能を高め余分な脂肪を燃焼させる。ここで、ヘッド部22から皮膚面に照射される対象の光をレーザ光から例えばUV光に変更してもよい。殺菌作用を有するUV光を皮膚面に照射すること等で肌の清浄化を図る殺菌トリートメントを行うことができる。
次に、トリートメント装置1の制御系について説明する。
すなわち、トリートメント装置1の制御系37は、図7に示すように、各接触子25a、25b、25cの皮膚面への接触を検出しレーザダイオードからのレーザ光の放射/非放射を実質的に制御する後述のタッチセンサ回路28と、レーザ光の照射パターンが記憶されたメモリ29と、設定スイッチ10や設定スイッチ19による設定内容に応じてトリートメントのモードを切り替えるためのモード切替回路38と、レーザダイオード20を駆動してレーザ光を放射させるレーザ駆動回路30と、これらの回路を統括的に制御するCPU31と、タッチセンサ回路28及びレーザ駆動回路30とCPU31とを接続するインタフェース32等とから構成されている。
メモリ29には、レーザダイオード20から所定の照射時間で間欠的に照射されるレーザ光の照射タイミングの設定値などを含む各種プログラムが記憶されている。レーザ駆動回路30は、CPU31の制御下でレーザダイオード20に所定の駆動電流電圧を供給し、レーザダイオード20よりレーザ光を放射させる。
ここで、本実施形態のトリートメント装置1が備えるタッチセンサ機構について主に図3ないし図8に基づき詳述する。
すなわち、レーザ照射装置5を有するトリートメント装置1は、図3〜図6に示すように、トリートメント対象の皮膚面Sにレーザ光をレーザ照射口23より照射するためのレーザ駆動回路30、レーザダイオード20、及び導光レンズ24などからなるレーザ光照射機構48と、皮膚面Sとレーザ照射口23との離間距離に基づいてレーザ照射口23を開閉する照射口開閉機構49と、を備えている。ここで、この照射口開閉機構49は、レーザ照射口23を周縁から包囲するとともに、先端部がレーザ照射口23から(矢印Z1方向に)突出する前進位置(図5参照)と前記前進位置から(矢印Z2方向に)後退する所定の後退位置(図6参照)との間を進退移動自在に設けられた筒状部材52と、筒状部材52の進退移動に連動し筒状部材52が前進位置に移動した場合にレーザ照射口23を閉塞し(図5参照)、筒状部材52が後退位置に移動した場合にレーザ照射口23を開放する(図6参照)板バネ等で形成された遮蔽部材(シャッタ)55と、筒状部材52を前進位置に付勢する付勢部材としてのコイルスプリング51とを備える。
また、ヘッド部22には、レーザダイオード20、導光レンズ24、遮蔽部材(シャッタ)55が内蔵された内側筒体53が設けられている。つまり、レーザ照射口23は、内側筒体53の先端側に設けられている。筒状部材52は、内側筒体53の外径部分と摺動するかたちで(矢印Z1−Z2方向に)進退移動する。コイルスプリング51は、自身の内径部分が内側筒体の外形部分にはめ込まれており、筒状部材52の段差部を通じてこの筒状部材52を(矢印Z1方向に)付勢する。筒状部材52及び内側筒体53は、台座54を通じてケースに固定される。また、上記した接触子25a、25b、25cは、レーザ照射口23からレーザ光の照射方向に突出し、且つ筒状部材52の内側からレーザ照射口23を包囲するように少なくとも三つ以上(本実施形態では三つ)配置されている。タッチセンサ回路28は、これらの各接触子(全ての接触子)25a、25b、25cと皮膚面Sとの接触を検出して、CPU31の制御下で上記レーザ光照射機構48(レーザ駆動回路30)を作動させる。
つまり、この実施形態のトリートメント装置1では、筒状部材52の先端部を皮膚面Sに押圧して、コイルスプリング51の付勢力に抗しつつこの筒状部材52が、図6に示すように、後退位置に後退した場合にのみ遮蔽部材55が((矢印Z2方向に)移動してレーザ照射口23が開放し、レーザ光が皮膚面Sに照射される。一方、筒状部材52の先端部を皮膚面Sに押圧していない場合、コイルスプリング51の付勢力によって筒状部材52が前進位置に定位し(とどまり)、遮蔽部材55も移動しないことになるから、レーザ照射口23の閉塞状態が維持され皮膚面Sへのレーザ光の照射が阻止される。したがって、トリートメント装置1によれば、トリートメントを行うべき皮膚面Sとレーザ光のレーザ照射口23とが所定の距離内に近接してはじめてレーザ光が照射可能となるので、意図しないレーザ光の照射を防止することができる。また、トリートメント装置1では、筒状部材52の後退動作と、各接触子25a、25b、25cの皮膚面Sへの接触動作との二つの動作が共に行われてはじめてレーザ光が照射される二重のプロテクト機能を備えているので、トリートメントを行う際の安全性をより高めることができる。
ここで、各接触子25a、25b、25cは、図2、図4及び図5に示すように、トリートメント対象の皮膚面とレーザ照射口23とを確実に対向させた状態で、レーザ光の照射を開始させるための好ましいレイアウトで配置されている。すなわち、これらの接触子25a、25b、25cは、レーザ照射口23のほぼ外周縁上に設けられ、且つこの外周縁を周回する方向にほぼ等しい間隔を空けてそれぞれ配置されている。詳細には、円形状に穿孔されたレーザ照射口23の外周縁を内接させ得る正三角形の三つの頂点部分に各接触子25a、25b、25cがそれぞれ配置されている。
タッチセンサ回路28は、図7及び図8に示すように、各接触子25a、25b、25cが皮膚に接触したときに発生する微弱な交流電圧を、それぞれ帯域フィルタ33、整流回路34、増幅器35を介して直流電圧に変換し、これを波形整形、レベル調整、オフセット調整した後、A/D変換器36、インタフェース32を介してCPU31に入力するように構成されている。なお、タッチセンサ回路28は、接点式の他、静電容量や抵抗などのインピーダンス変化を検知するものや、圧電素子によって圧力変化を検知するものでもよい。
タッチセンサ回路28は、以上のような構成で、各接触子25a、25b、25cの電圧値を読み込んで所定の交流電圧が発生しているか否かを判定し、各接触子25a、25b、25cの両方に所定の交流電圧が発生しているとき、レーザダイオード20のレーザ駆動回路30にオン信号を出力する。すなわち、レーザ照射装置5は、各接触子25a、25b、25cを全て皮膚面に接触させてはじめてレーザ光が照射されるように構成されている。これにより、意図しない生体部分に誤ってレーザ光が照射されてしまうおそれがなく装置の安全性が高められている。このようなタッチセンサ回路28は、レーザ照射装置5に内蔵された例えば前記制御チップ16によって実現されている。
このように、本実施形態に係るトリートメント装置1によれば、筒状部材52の先端部を皮膚面Sに押圧し筒状部材52を後退させることより連動する遮蔽部材(シャッタ)55の開放動作と、各接触子25a、25b、25cの皮膚面Sへの接触動作と、の二つの動作が共に行われてはじめてレーザ光が照射されるので、レーザ光の誤った照射を防止する二重のプロテクト機能を実質的に備えていることになり、これにより、トリートメントを行う際の安全性をより高めることができる。
また、レーザ照射装置5が備えるレーザダイオード20は、発光部断面積が、数μm〜数十μmオーダの非常に小さい面積となるので、He−Neレーザなどのように高指向性を持つ平行な細い直線ビームにはならず、30°〜45°の角度で放射状に広がりつつ出射される。すなわち、レーザ照射装置5では、レーザ光を集光する集光レンズなどを用いていないため、レーザの焦点位置が存在せず、安全性に対する配慮がなされている。
以上、本発明を実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこの実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、トリートメント装置1のヘッド部22にCCD(Charge Coupled Device)などを搭載させるとともに、このCCDによって撮像された皮膚面上の被照射部分やその周辺部分の画像を表示させる液晶ディスプレイなどをレーザ照射装置5の筐体部分などに設けてもよい。
また、図9に示すように、レーザダイオード20から放出されたレーザ光を集光する光学系として凸レンズ24aを付加してもよい。このような凸レンズ24aを付加する場合、この凸レンズ24aにより集光されるレーザ光の焦点位置R2が、各接触子25a、25b、25cにおける皮膚面Sとの接触部位の位置R1よりも、レーザダイオード20側(矢印Z2方向側)になるように、これら接触子、凸レンズ及びレーザダイオードのレイアウトを考慮して、それぞれを設置することが望ましい。図9に示すレイアウトを適用することで、レーザ光の焦点位置R2が、皮膚面S上に重なるおそれがなく、さらに言えば、皮膚面S上には焦点位置R2を越えて、再び放散されるエネルギ密度の低下したレーザ光が照射されることになり、トリートメントを行う際の安全性が確保される。
また、図10に示すように、コイルスプリング51の付勢力に抗しつつ筒状部材52が、矢印Z2方向に後退し、当該筒状部材52が後退位置まで移動したことを検出する検出スイッチ56を設けてもよい。この検出スイッチ56としては、後退位置まで移動した筒状部材52の例えば後端部と接触する位置に配置されたプッシュスイッチなどが例示される。さらに、この場合、検出スイッチ56により筒状部材52の後退位置への移動が検出されない状態において、レーザ光照射機構を構成する例えばレーザダイオード20の駆動を阻止する光照射阻止手段としてCPU31及びレーザ駆動回路30(図7参照)を機能させるようにしてもよい。また、この検出スイッチ56による検出結果、つまり筒状部材52が後退位置まで後退したか否かにに応じて、遮蔽部材55aを移動制御する機構を追加し、これにより、レーザ照射口23の開閉を制御するようにしてもよい。このような形態で検出スイッチ56を用いることで、ユーザが意図しないレーザ光の照射をより確実に防止するこができる。
さらに、図4などに示した円筒型のヘッド部22に代えて、図11の斜視図及び図12の平面図に示すように、上記筒状部材52と同様の機能を有する角型の管状部材62、台座64などからなる断面矩形(長方形)の管状のヘッド部61を適用してもよい。このヘッド部61には、例えば矩形状の穴(角型の長穴)がレーザ照射口63として設けられている。また、ヘッド部61には、レーザ照射口63を周縁から囲うように、タッチセンサ機能を実現させる少なくとも三つ以上の接触子65a、65b、65cが配置されている。
ここで、ヘッド部61の内部の構造について、図11及び図12に加え、図13に基づきその説明を行う。なお、図13は、ヘッド部61に内蔵された光学系を模式的に示す斜視図である。
すなわち、ヘッド部61に内蔵されるレーザダイオード20とヘッド部61の先端のレーザ照射口63との間(レーザダイオード20から放出されるレーザ光の光路上)には、縦横比の異なるレーザスポットQを皮膚面S上に形成するための樽型形状のレンズ24bが配置されている。このレンズ24bにおけるレーザ光の入射面及び出射面の形状は、縦横の曲率が異なるように膨出させて形成されている。詳細には、図13において、矢印Y1−Y2方向に沿って起立した姿勢で図示されるレンズ24bは、レーザ光の入射部分及び出射部分の水平断面の曲率が、その垂直断面の曲率よりも大きくなるように形成されている。すなわち、レンズ24bは、レーザダイオード20側から入射したレーザ光の断面形状の縦横比を変化させつつ当該レーザ光をレーザ照射口63側に出射する。
また、上記したレーザ照射口63は、レンズ24bを通過したレーザ光の断面形状の縦横比に対応させた形状(レーザ光を遮ることなく、その全ての光束を通過させることのできる形状及びサイズを有する長細い矩形穴)で形成されている。すなわち、レーザ光がレンズ24b及びレーザ照射口63を通過して皮膚面S上に形成するレーザスポットQは、図11〜図13に示すように、レーザ照射口63の長手方向(矢印Y1−Y2方向)が長軸となり、一方、レーザ照射口63の短手方向(矢印X1−X2方向)が短軸となる長細い照射スポットになる。
したがって、皮膚面S上に形成されるレーザスポットQの短軸方向(矢印X1−X2方向)に、ヘッド部61をユーザが移動させることで、皮膚面Sに対するトリートメント(レーザ光の照射による熱的作用の付与)を効率的に行うことができる。また、長細いレーザスポットを形成するためのレンズ24bを配置することに代えて、例えば、複数のレーザダイオードを配置するようにしてもよい。この場合、複数のレーザダイオードは、レーザ照射口63と対向する位置に設けられ、且つこのレーザ照射口63の長手方向に沿った方向に並べて配置されることが望ましい。さらに、図11、図12などに示したヘッド部61に代えて、図14の斜視図及び図15の平面図に示すように、断面がほぼ正方形の管状部材72及び台座74、並びに、矩形状のレーザ照射口73、樽型形状のレンズ24c、及び接触子75a、75b、75cを備えるヘッド部71を適用してトリートメント装置を構成してもよい。このヘッド部71によっても、上記したヘッド部61とほぼ同様の効果を期待できる。
本発明は、電子・電機機器製造業などにおいて広く利用することができる。

【0002】
[0007]
上記目的を達成するために、本発明に係るトリートメント装置は、トリートメント対象の皮膚面に向けて照射口より光を照射する光照射機構と、前記光照射機構による前記光の誤った照射を少なくとも二重に防止する誤照射防止機構とを備え、前記誤照射防止機構が、前記照射口を周縁から包囲するとともに、先端部が前記照射口から突出する前進位置と前記前進位置から後退する所定の後退位置との間を進退移動自在に設けられた筒状部材と、前記筒状部材の進退移動に連動し前記筒状部材が前記前進位置に移動した場合に前記照射口を閉塞し、前記筒状部材が前記後退位置に移動した場合に前記照射口を開放する遮蔽部材と、前記筒状部材を前記前進位置に付勢する付勢部材と、を有する第1のプロテクト機構と、前記照射口の周縁を包囲する位置に配置されているとともに前記筒状部材が前進位置にある状態でこの筒状部材に覆われ、且つ前記筒状部材が後退位置にある状態でこの筒状部材の先端側の開口部を通じて前記皮膚面と各々接触可能な位置に配置された少なくとも三つ以上の接触子と、前記後退位置にある前記筒状部材の先端側の前記開口部を通じての全ての前記接触子と前記皮膚面との接触を検出して前記光照射機構を作動させるタッチセンサ機構と、を有する第2のプロテクト機構と、を具備することを特徴とする。
[0008]
このように本発明では、前記皮膚面と前記照射口との離間距離に基づいて、照射口が開閉されるので、例えば皮膚面に照射口が近接した場合に照射口を開放し、一方、皮膚面から照射口が比較的遠くに離間した場合に照射口を閉塞させることなどが可能である。これにより、トリートメントを行うべき所望の皮膚面と光の照射口とが所定の距離内に近接してはじめて光の照射が可能となる。したがって、本発明によれば意図しない光の照射をより確実に防止できるので、照射口より放出される光が、例えばエネルギ密度の高いレーザ光などである場合でも、トリートメントを行う際の安全性を高めることができる。
[0009]
また、本発明では、筒状部材の先端部を皮膚面に押圧して、付勢部材の付勢力に抗しつつこの筒状部材が後退位置に後退した場合にのみ遮蔽部材が移動して照射口が開放し、光が皮膚面に照射される。一方、筒状部材の先端部を皮膚面に押圧していない場合、付勢部材の付勢力によって筒状部材が前進位置に定位し遮蔽部材
【0003】
も移動しないことになるから、照射口の閉塞状態が維持され皮膚面への光の照射が阻止される。したがって、この発明においても、トリートメントを行うべき皮膚面と光の照射口とが所定の距離内に近接してはじめて光の照射が可能となるので、意図しない光の照射を防止することができる。
[0010]
さらに、本発明では、上記した筒状部材が前進位置に位置する場合、つまり筒状部材の先端部が皮膚面に押圧されていない非トリートメント時では、遮蔽部材が照射口を閉塞し、しかも各接触子も筒状部材に覆われるので、トリートメント時以外に誤って光が放射されてしまうことが抑制される。つまり、この発明では、筒状部材の後退動作と、各接触子の皮膚面への接触動作との二つの動作が共に行われてはじめて光が照射される二重のプロテクト機能を備えているので、トリートメントを行う際の安全性をより高めることができる。また、このような安全性の高い光照射の防止機能は、光照射機構によって照射される光が、エネルギ密度の高いレーザ光などである場合に有用である。
[0011]
また、この発明では、皮膚面との接触状態/非接触状態の直接的検出部分である接触子が、三つ以上設けられ、しかも光の照射口を包囲する位置に実質的に分散されたかたちで配置されることになるので、光の照射口の向きが確実に定まり、トリートメントを行うべき所望の皮膚面と光の照射口とが完全に対向してはじめて光が照射されることになる。
[0012]
さらに、本発明に係るトリートメント装置は、前記光照射機構が、光源と、前記光源から放出された光を集光する光学系とを備え、さらに、前記光学系により集光される光の焦点位置が、前記接触子における前記皮膚面との接触部分の位置よりも、前記光源側にあることを特徴とする。
[0013]
この発明では、光の焦点位置が、皮膚面上に重なるおそれがなく、皮膚面上には焦点位置を越えて、再び放散されるエネルギ密度の低下した光が照射されるので、トリートメントを行う際の安全性が確保される。
[0014]
また、本発明に係るトリートメント装置は、前記誤照射防止機構が、前記筒状部材が前記後退位置に移動したことを検出する検出手段と、前記検出手段により前記筒状部材の前記後退位置への移動が検出されない状態では、前記光照射機構の駆動を阻止する光照射阻止手段と、を備えた第3のプロテクト機構をさらに有することを特徴とする。
[0015]
さらに、本発明に係るトリートメント装置は、前記照射口が、円形状に穿孔され、さらに、前記少なくとも三つ以上の接触子が、前記照射口の外周縁を周回する方向にほぼ等しい間隔を空けてそれぞれ配置されていることを特徴とする。
[0016]
また、本発明に係るトリートメント装置は、前記接触子が、三つ設けられており、これら三つの接触子は、前記円形状に穿孔された前記照射口の外周縁を内接させ得る正三角形の三つの頂点部分にそれぞれ配置されていることを特徴とする。
【0004】
[0017]
さらに、本発明のトリートメント装置は、前記光源から放出された光を入射しこの入射した光の断面形状の縦横比を変化させつつ当該光を出射するレンズを備えることを特徴とする。また、前記照射口は、前記レンズを通過した光の断面形状の縦横比に対応させた例えば矩形状の穴により形成されていることが好ましい。また、前記レンズにおける光の入射面及び出射面となる部位は、例えば、縦横の曲率が異なるように膨出させた形状で形成される。
【図面の簡単な説明】
[0018]
[図1]本発明の実施形態に係るトリートメント装置を示す斜視図。
[図2]図1のトリートメント装置が備えるレーザ照射装置を示す正面図。
[図3]図2のレーザ照射装置を側面からみた断面図。
[図4]図2のレーザ照射装置のヘッド部を示す斜視図。
[図5]図4のヘッド部のレーザ光の非照射時の状態を側面からみた断面図。
[図6]図4のヘッド部のレーザ光の照射時の状態を側面からみた断面図。
[図7]図1のトリートメント装置の制御系を機能的に示すブロック図。
[図8]図7の制御系の一部を構成するタッチセンサ回路を機能的に示すブロック図。
[図9]図6のヘッド部と構造の異なる他のヘッド部を示す図。
[図10]図6、図9のヘッド部と構造の異なる他のヘッド部を示す図。
[図11]図6、図9、図10のヘッド部と構造の異なる他のヘッド部を示す斜視図。
[図12]図11のヘッド部を示す平面図。
[図13]図11のヘッド部に内蔵された光学系を模式的に示す斜視図。
[図14]図6、図9、図10、図11のヘッド部と構造の異なる他のヘッド部を示す斜視図。
[図15]図14のヘッド部を示す平面図。
【発明を実施するための最良の形態】
[0019]
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
[0020]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るトリートメント装置を示す斜視図、図2は、このトリートメント装置が備えるレーザ照射装置を示す正面図である。また、図3は、図2のレーザ照射装置を側面からみた断面図、図4は、このレーザ照射装置のヘッド部を

Claims (9)

  1. トリートメント対象の皮膚面に向けて照射口より光を照射する光照射機構と、
    前記皮膚面と前記照射口との離間距離に基づいて前記照射口を開閉する照射口開閉機構と、
    を具備することを特徴とするトリートメント装置。
  2. 前記照射口開閉機構が、
    前記照射口を周縁から包囲するとともに、先端部が前記照射口から突出する前進位置と前記前進位置から後退する所定の後退位置との間を進退移動自在に設けられた筒状部材と、
    前記筒状部材の進退移動に連動し前記筒状部材が前記前進位置に移動した場合に前記照射口を閉塞し、前記筒状部材が前記後退位置に移動した場合に前記照射口を開放する遮蔽部材と、
    前記筒状部材を前記前進位置に付勢する付勢部材と、
    を具備することを特徴とする請求項1記載のトリートメント装置。
  3. 前記筒状部材の内側から前記照射口の周縁を包囲するように配置された少なくとも三つ以上の接触子と、
    前記皮膚面に対する全ての前記接触子の接触を検出して前記光照射機構を作動させるタッチセンサ機構と、
    をさらに具備することを特徴とする請求項2記載のトリートメント装置。
  4. 前記光照射機構によって照射される光は、レーザ光であることを特徴とする請求項2記載のトリートメント装置。
  5. 前記光照射機構が、
    光源と、
    前記光源から放出された光を集光する光学系とを備え、
    さらに、前記光学系により集光される光の焦点位置が、前記接触子における前記皮膚面との接触部分の位置よりも、前記光源側にあることを特徴とする請求項3記載のトリートメント装置。
  6. 前記筒状部材が前記後退位置に移動したことを検出する検出手段と、
    前記検出手段により前記筒状部材の前記後退位置への移動が検出されない状態では、前記光照射機構の駆動を阻止する光照射阻止手段と、
    を具備することを特徴とする請求項2記載のトリートメント装置。
  7. 前記光源から放出された光を入射しこの入射した光の断面形状の縦横比を変化させつつ当該光を出射するレンズを備えることを特徴とする請求項1記載のトリートメント装置。
  8. 前記レーザ照射口は、前記レンズを通過した光の断面形状の縦横比に対応させた矩形状の穴により形成されていることを特徴とする請求項7記載のトリートメント装置。
  9. 前記レンズにおける光の入射面及び出射面となる部位は、縦横の曲率が異なるように膨出させた形状で形成されていることを特徴とする請求項7記載のトリートメント装置。

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