JPWO2004017994A1 - 喘息の予防および/または治療剤 - Google Patents
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Abstract
GPR4のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤を提供する。また、式(I)[式中、R1は置換もしくは非置換の低級アルキル等を表し、R2は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル等を表し、R3およびR4は同一または異なって水素、低級アルキル等を表し、nは0または1を表し、Xは−(CH2)2−等を表し、Yは式(II)(式中、WはCHまたは窒素原子を表し、Z1およびZ2は同一または異なって水素、置換もしくは非置換の低級アルキル等を表し、Z3は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル等を表す)を表す]で表される含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤を提供する。
Description
本発明は、GPR4のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤に関する。また本発明は、含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤に関する。
気管支喘息は気道狭窄と気道過敏性亢進を主な特徴とする炎症性疾患である。現在、吸入ステロイド薬、β刺激薬やキサンチン系薬物等の気管支拡張薬、抗ロイコトリエン薬に代表される抗アレルギー薬の組み合わせにより、喘息の日常管理は十分行うことができるとされている。しかし、治療に主として使用されるステロイド薬には副作用があること、ステロイド抵抗性や難治性の患者も存在することから、新しい作用機序を有する副作用の少ない治療剤が求められている。
G蛋白質共役型レセプター蛋白質(以下、GPCRと略す)であるGPR4については、肺に高発現していることが知られている[ゲノミクス(Genomics)、30巻、84−88頁(1995年)]。また、GPR4は、脂質であるスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)やリゾホスファチジルコリン(LPC)と結合し、シグナルを伝達することが報告されている[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、276巻、41325−41335頁(2001年)]。SPCについては、TNF−α産生およびICAM−1発現を誘導することが報告され[ジャーナル・オブ・インベスティゲイティブ・ダーマトロジー(J.Invest.Dermatol.)、112巻、91−96頁(1999年)]、皮膚疾患等のアレルギー性疾患への関与が示唆されている。LPCについては、単球の遊走[サーキュレーション・リサーチ(Cir.Res.)、84巻、52−59頁(2000年)]や内皮細胞での接着分子の発現[ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(J.Clin.Invest.)、90巻、1138−1144頁(1992年)]、マクロファージ活性化[ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)、147巻、273−280頁(1991年)]等に関与し、炎症に関与していることが報告されている。また、LPCについては喘息患者の血漿中で増加していること[クリニカル・サイエンス(Clinic.Science)、97巻、595−601頁(1999年)]やアレルギー患者の抗原チャレンジ後の肺胞洗浄液中で増加すること[ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン(J.Exp.Med.)、183巻、2235−2245頁(1996年)]が報告されている。LPC産生を抑制するコリンの投与が喘息患者に効果を示したという報告もある[インディアン・ジャーナル・オブ・チェスト・ディジーズ・アンド・アライド・サイエンス(Indian J.Chest Dis.Allied Sci.)、39巻、149−156頁(1997年)]。しかし、SPC、LPCともにGPR4以外にOGR−1[ネイチャー・セル・バイオロジー(Nat.Cell Biol.)、2巻、261−267頁(2000年)]やG2A[サイエンス(Science)、293巻、702−705頁(2001年)]等にも結合することが知られており、これらの作用がGPR4を介した作用であるかどうかについては知られていない。
GPCRには、細胞内で過剰に発現すると、リガンドが存在しなくてもシグナルを流す、構成活性型GPCRと呼ばれるGPCRが知られている。リガンド非存在時に流れるシグナルは構成的活性と呼ばれる。構成活性型GPCRには、天然に存在するものと、アミノ酸の置換、欠失などの変異を導入することにより造成された変異GPCR[モレキュラー・ファルマコロジー(Mol.Pharmacol.)、57巻、890頁(2000年)、WO98/46995]がある。GPCRの構成的活性を抑制するアンタゴニストはインバースアゴニストと呼ばれる。
また、文献[ブレチン・デ・ラ・ソシエテ・シミック(Bulletin de la Societe Chimique)、185頁(1981年)およびヨーロピアン・ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Eur.J.Med.Chem.)、12巻、219頁(1977年)]に、後述の式(I)においてR1がモルホリノを表し、R2、R3およびR4が水素を表し、Yに相当する置換基がモルホリノであり、nが1であり、Xが−(CH2)2−を表す化合物が開示されている。
G蛋白質共役型レセプター蛋白質(以下、GPCRと略す)であるGPR4については、肺に高発現していることが知られている[ゲノミクス(Genomics)、30巻、84−88頁(1995年)]。また、GPR4は、脂質であるスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)やリゾホスファチジルコリン(LPC)と結合し、シグナルを伝達することが報告されている[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、276巻、41325−41335頁(2001年)]。SPCについては、TNF−α産生およびICAM−1発現を誘導することが報告され[ジャーナル・オブ・インベスティゲイティブ・ダーマトロジー(J.Invest.Dermatol.)、112巻、91−96頁(1999年)]、皮膚疾患等のアレルギー性疾患への関与が示唆されている。LPCについては、単球の遊走[サーキュレーション・リサーチ(Cir.Res.)、84巻、52−59頁(2000年)]や内皮細胞での接着分子の発現[ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(J.Clin.Invest.)、90巻、1138−1144頁(1992年)]、マクロファージ活性化[ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)、147巻、273−280頁(1991年)]等に関与し、炎症に関与していることが報告されている。また、LPCについては喘息患者の血漿中で増加していること[クリニカル・サイエンス(Clinic.Science)、97巻、595−601頁(1999年)]やアレルギー患者の抗原チャレンジ後の肺胞洗浄液中で増加すること[ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン(J.Exp.Med.)、183巻、2235−2245頁(1996年)]が報告されている。LPC産生を抑制するコリンの投与が喘息患者に効果を示したという報告もある[インディアン・ジャーナル・オブ・チェスト・ディジーズ・アンド・アライド・サイエンス(Indian J.Chest Dis.Allied Sci.)、39巻、149−156頁(1997年)]。しかし、SPC、LPCともにGPR4以外にOGR−1[ネイチャー・セル・バイオロジー(Nat.Cell Biol.)、2巻、261−267頁(2000年)]やG2A[サイエンス(Science)、293巻、702−705頁(2001年)]等にも結合することが知られており、これらの作用がGPR4を介した作用であるかどうかについては知られていない。
GPCRには、細胞内で過剰に発現すると、リガンドが存在しなくてもシグナルを流す、構成活性型GPCRと呼ばれるGPCRが知られている。リガンド非存在時に流れるシグナルは構成的活性と呼ばれる。構成活性型GPCRには、天然に存在するものと、アミノ酸の置換、欠失などの変異を導入することにより造成された変異GPCR[モレキュラー・ファルマコロジー(Mol.Pharmacol.)、57巻、890頁(2000年)、WO98/46995]がある。GPCRの構成的活性を抑制するアンタゴニストはインバースアゴニストと呼ばれる。
また、文献[ブレチン・デ・ラ・ソシエテ・シミック(Bulletin de la Societe Chimique)、185頁(1981年)およびヨーロピアン・ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Eur.J.Med.Chem.)、12巻、219頁(1977年)]に、後述の式(I)においてR1がモルホリノを表し、R2、R3およびR4が水素を表し、Yに相当する置換基がモルホリノであり、nが1であり、Xが−(CH2)2−を表す化合物が開示されている。
本発明の目的は、GPR4のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤を提供すること、および含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤を提供することである。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(8)に関する。
(1)配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。
(2)以下の1)〜4)
1)配列番号12記載の塩基配列から選ばれる連続した5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
2)配列番号14記載の塩基配列から選ばれる連続した5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
3)配列番号18記載の塩基配列から選ばれる連続した5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
4)配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
のいずれか一つを有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。
(3)以下の1)〜4)
1)配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質を認識する抗体、
2)配列番号13記載のアミノ酸配列を有する蛋白質を認識する抗体、
3)配列番号17記載のアミノ酸配列を有する蛋白質を認識する抗体、
4)配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸が欠失、置換または付加したアミノ酸配列を有し、かつ配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を有する蛋白質を認識する抗体、
のいずれか一つを有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。
(4)式(I)
[式中、R1は置換もしくは非置換の複素環基、−NR5R6(式中、R5およびR6は同一または異なって水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表すか、R5およびR6が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)、−OR7(式中、R7は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表す)、−SR7a(式中、R7aは前記R7と同義である)、−CONR5aR6a(式中、R5aおよびR6aはそれぞれ前記R5および前記R6と同義である)、−CO2R7b(式中、R7bは前記R7と同義である)、−N+R5bR6bR8(式中、R5bおよびR6bはそれぞれ前記R5および前記R6と同義であり、R8は低級アルキル、低級アルケニル、またはアラルキルを表す)、ホルミル、カルボキシ、またはシアノを表し、
R2は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表し、
R3およびR4は同一または異なって水素、低級アルキル、またはハロゲンを表し、
nは0または1を表し、
Xは−(CH2)2−または−CH=CH−を表し、
Yは式(II)
(式中、WはCHまたは窒素原子を表し、
Z1およびZ2は同一または異なって水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表すか、Z1およびZ2がそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香環または置換もしくは非置換の複素環を形成し、
Z3は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表す)を表す]で表される含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。
(5)R1が−NR5R6であり、R5およびR6が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する第(4)項に記載の喘息の予防および/または治療剤。
(6)R2が水素である第(4)項または第(5)項に記載の喘息の予防および/または治療剤。
(7)R3およびR4が水素である第(4)項〜第(6)項のいずれかに記載の喘息の予防および/または治療剤。
(8)Z1およびZ2がそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環を形成する第(4)項〜第(7)項のいずれかに記載の喘息の予防および/または治療剤。
(9)第(4)項〜第(8)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
(10)喘息の予防および/または治療剤の製造のための第(4)項〜第(8)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩の使用。
さらに本発明は以下の(11)〜(23)に関する。
(11)式(I)
(式中、n、R1、R2、R3、R4、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
で表される含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(12)R1が−NR5R6であり、R5およびR6が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する第(11)項に記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(13)R2が水素である第(11)項もしくは第(12)項に記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(14)R3およびR4が水素である第(11)項〜第(13)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(15)Z1およびZ2がそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環を形成する第(11)項〜第(14)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(16)第(11)項〜第(15)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(17)第(11)項〜第(15)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能の抑制剤。
(18)配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質の治療有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
(19)第(2)項に記載の1)〜4)のいずれか一つのオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体の治療有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
(20)第(3)項に記載の1)〜4)のいずれか一つの抗体の治療有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
(21)喘息の予防および/または治療剤の製造のための、配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質の使用。
(22)喘息の予防および/または治療剤の製造のための、第(2)項に記載の1)〜4)のいずれか一つのオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体の使用。
(23)喘息の予防および/または治療剤の製造のための、第(3)項に記載の1)〜4)のいずれか一つの抗体の使用。
すなわち、本発明により、第(11)項〜第(15)項に記載される新規な含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩が提供され、それらを有効成分として含有する医薬、および配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能の抑制剤が提供される。
本発明者らは、GPCRであるGPR4の有するシグナル伝達に関する機能を抑制する物質が、喘息の予防および/または治療に有効であるとの新知見を見い出し、本発明を完成するに至った。また、本発明者らは、構成活性型のGPCRであるGPR4の構成的活性を抑制する物質の探索を行い、GPR4の構成的活性を抑制する物質が、喘息の予防および/または治療に有効であることを見い出した。
GPR4の有するシグナル伝達に関する機能を抑制する物質としては、GPR4自身の発現を阻害または抑制する物質、リガンドのGPR4への結合を阻害する物質、GPR4へのリガンド結合により生ずるシグナル伝達[例えば、細胞内cAMP濃度の変化(上昇または低下)、細胞内Ca2+濃度の変化(上昇)、mitogen−activated protein(MAP)キナーゼのリン酸化等が含まれる]を抑制する物質、GPR4の構成的活性により生ずるシグナル伝達を抑制する物質(例えばGPR4のインバースアゴニスト等が含まれる)等が含まれる。上記物質は、これら機能を有する物質であれば、その構造は特に限定されず、公知の構造を有するものでもよい。GPR4としては、例えば配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列を有する蛋白質、あるいは配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸が欠失、置換または付加したアミノ酸配列を有し、かつ配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を有する蛋白質等が挙げられる。
配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸が欠失、置換または付加したアミノ酸配列を有し、かつ配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を有する蛋白質は、文献[Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989年)(以下、モレキュラー・クローニング第2版と略す)、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997年)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)、Nucleic Acids Research,10,6487(1982)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,6409(1982)、Gene,34,315(1985)、Nucleic Acids Research,13,4431(1985)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,488(1985)等]記載の部位特異的変異導入法を用いて、例えば配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNAに部位特異的変異を導入することにより、取得することができる。
欠失、置換または付加したアミノ酸の数は特に限定されないが、1個〜数十個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個である。
配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸残基が欠失、置換または付加したとは、該アミノ酸配列中の任意かつ1もしくは複数の位置において、1または複数のアミノ酸残基の欠失、置換または付加があることを意味し、欠失、置換または付加が同時に生じてもよく、欠失、置換または付加されるアミノ酸残基については、天然型と非天然型とを問わない。天然型アミノ酸残基としては、L−アラニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−アルギニン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリンおよびL−システインの各残基等が挙げられる。
以下に、相互に置換可能なアミノ酸残基の好ましい例を示す。同一群に含まれるアミノ酸残基は相互に置換可能である。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2−アミノブタン酸、メチオニン、O−メチルセリン、tert−ブチルグリシン、tert−ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸、2−アミノスベリン酸
C群:アスパラギン、グルタミン
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸
E群:プロリン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン
F群:セリン、スレオニン、ホモセリン
G群:フェニルアラニン、チロシン
また、配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸残基が欠失、置換または付加したアミノ酸配列を有する蛋白質が、配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を有するには、そのアミノ酸配列と配列番号11記載のアミノ酸配列とが、少なくとも75%以上、通常は80%以上、好ましくは90%以上、さらには95%以上の同一性を有していることが好ましい。
アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST[Pro.Natl.Acad.Sci.USA,90,5873(1993)]やFASTA[Methods Enzymol.,183,63(1990)]を用いて決定することができる。このアルゴリズムBLASTに基づいて、BLASTN(塩基対塩基データベース)やBLASTX(塩基対アミノ酸データベース)とよばれるプログラムが開発されている[J.Mol.Biol.,215,403(1990)]。BLASTに基づいたBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる[Gapped BLASTについては文献(Nuc.Acids Res.,25,3389−3402(1997))を参照]。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.参照)。
GPR4自身の発現を阻害または抑制する物質としては、例えば、配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列から選ばれる連続した15〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、アンチセンス・オリゴヌクレオチドともいう)、配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制するオリゴヌクレオチド、これらのオリゴヌクレオチドの誘導体(以下、オリゴヌクレオチド誘導体という)等が挙げられる。
上記アンチセンス・オリゴヌクレオチドとしては、配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列から選ばれる連続した15〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するアンチセンス・オリゴヌクレオチドであれば特に限定されないが、好ましくは17〜60塩基、より好ましくは20〜60塩基、さらに好ましくは30〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するアンチセンス・オリゴヌクレオチドが挙げられる。特に好ましくは上記オリゴヌクレオチドの翻訳開始領域の相補的配列を有するアンチセンス・オリゴヌクレオチドが挙げられる。該アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列またはその断片の塩基配列に関する情報に基づき、常法により、例えばDNA合成機を用いることにより調製することができる。
オリゴヌクレオチド誘導体としては、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がN3’−P5’ホスホアミデート結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースとリン酸ジエステルとの結合がペプチド核酸結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5プロピニルウラシルで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5チアゾリルウラシルで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のシトシンがC−5プロピニルシトシンで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のシトシンがフェノキサジン修飾シトシン(phenoxazine−modified cytosine)で置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’−0−プロピルリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’−メトキシエトキシリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体等をあげることができる〔細胞工学,16,1463(1997)〕。
上記アンチセンス・オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体を用い、アンチセンスRNA/DNA技術〔バイオサイエンスとインダストリー,50,322(1992)、化学,46,681(1991)、Biotechnology,9,358(1992)、Trends in Biotechnology,10,87(1992)、Trends in Biotechnology,10,152(1992)、細胞工学,16,1463(1997)〕、トリプル・ヘリックス技術〔Trends in Biotechnology,10,132(1992)〕、リボザイム技術〔Current Opinion in Chemical Biology,3,274(1999)、FEMS Microbiology Reviews,23,257(1999)、Frontiers in Bioscience,4,D497(1999)、Chemistry & Biology,6,R33(1999)、Nucleic Acids Research,26,5237(1998)、Trends in Biotechnology,16,438(1998)〕、あるいはデコイDNA法〔Nippon Rinsho−Japanese Journal of Clinical Medicine,56,563(1998)、Circulation Research,82,1023(1998)、Experimental Nephrology,5,429(1997)、Nippon Rinsho−Japanese Journal of Clinical Medicine,54,2583(1996)〕に準じて、GPR4自身の発現を阻害または抑制することができる。
配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチドとは、配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAの一部、または全部をプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、サザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味し、具体的には、コロニーまたはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0mol/lの塩化ナトリウム存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mmol/l塩化ナトリウム、15mmol/lクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNA等を挙げることができる。ハイブリダイゼーションは、モレキュラー・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNA Cloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second Edition,Oxford University(1995)等に記載されている方法に準じて行うことができる。ハイブリダイズするヌクレオチドとしては、例えば上記BLASTやFASTA等を用いて計算したときに12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAの相補的配列を有するDNAと少なくとも75%以上の相同性を有するDNAが好ましく、より好ましくは80%以上の相同性を有するDNA、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するDNAを挙げることができる。ヌクレオチドとしては、DNA、RNA等いずれも用いられるがDNAが好適に用いられる。
上記アンチセンス・オリゴヌクレオチドもしくは該アンチセンス・オリゴヌクレオチド誘導体、または配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチドもしくは該ヌクレオチド誘導体を単独でまたはレトロウィルスベクター、アデノウィルスベクター、アデノウィルスアソシエーテッドウィルスベクター等の遺伝子治療用ベクターに挿入した後、下記に記載した常法に従って製剤化したものを喘息の予防および/または治療剤として使用することもできる。
遺伝子治療用ベクターを該予防および/または治療剤として用いる場合には、該遺伝子治療用ベクターと遺伝子治療剤に用いる基剤を調合することにより製造することができる〔Nature Genet.,8,42(1994)〕。
上記基剤としては、通常注射剤に用いる基剤であればどのようなものでもよく、例えば蒸留水、塩化ナトリウムまたは塩化ナトリウムと無機塩との混合物等の塩溶液、マンニトール、乳糖、デキストラン、ブドウ糖等の糖溶液、グリシン、アルギニン等のアミノ酸溶液、有機酸溶液または塩溶液とグルコース溶液との混合溶液等が挙げられる。また常法に従い、これらの基剤に浸透圧調整剤、pH調整剤、ゴマ油、ダイズ油等の植物油またはレシチンもしくは非イオン界面活性剤等の界面活性剤等の助剤を加えて、溶液、懸濁液または分散液として注射剤を調製してもよい。これらの注射剤を、粉末化、凍結乾燥等の操作により用時溶解用製剤として調製することもできる。
該予防および/または治療剤は、液体の場合はそのままで、固体の場合は、投与直前に、必要により滅菌処理をした上記の基剤に溶解して使用することができる。
投与方法としては、例えば患者の治療部位に吸収されるように、局所的に投与する方法を挙げることができる。また、非ウイルス遺伝子移入法によっても目的とする治療部位にDNAを輸送することができる。
非ウイルス遺伝子移入法としては、リン酸カルシウム共沈法〔Virology,52,456−467(1973);Science,209,1414−1422(1980)〕、マイクロインジェクション法〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,5399−5403(1980);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,7380−7384(1980);Cell,27,223−231(1981);Nature,294,92−94(1981)〕、リポソームを介した膜融合−介在移入法〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,7413−7417(1987);Biochemistry,28,9508−9514(1989);J.Biol.Chem.,264,12126−12129(1989);Hum.Gene Ther.,3,267−275(1992);Science,249,1285−1288(1990);Circulation,83,2007−2011(1992)〕、直接DNA取り込みまたは受容体−媒介DNA移入法〔Science,247,1465−1468(1990);J.Biol.Chem.,266,14338−14342(1991);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,3655−3659(1991);J.Biol.Chem.,264,16985−16987(1989);BioTechniques,11,474−485(1991);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,3410−3414(1990);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88,4255−4259(1991);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,4033−4037(1990);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88,8850−8854(1991);Hum.Gene Ther.,3,147−154(1991)〕等をあげることができる。
リガンドのGPR4への結合を阻害する物質としては、例えば、GPR4を認識する抗体、GPR4に拮抗作用を有する化合物等をあげることができる。
上記抗体としては、GPR4を認識する抗体であればいずれも用いることができるが、GPR4を特異的に認識する抗体が好ましい。また該抗体はポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。このような抗体として、例えば、GPR4を認識する中和抗体等をあげることができる。また、ヒト型キメラ抗体、ヒト化抗体等も本発明の抗体として用いることができる。
上記抗体は、例えば、以下の方法に準じて調製することができる。
(1)ポリクローナル抗体の作製
GPR4またはその部分断片ポリペプチドの精製標品、あるいはGPR4の一部のアミノ酸配列を有するペプチドを抗原として用い、動物に投与することによりポリクローナル抗体を作製することができる。
投与する動物としては、ウザギ、ヤギ、ラット、マウス、ハムスター等を用いることができる。
該抗原の投与量は動物1匹当たり50〜100μgが好ましい。
ペプチドを用いる場合は、ペプチドをスカシガイヘモシアニン(keyhole limpet haemocyanin)や牛チログロブリン等のキャリア蛋白に共有結合させたものを抗原とするのが望ましい。抗原とするペプチドは、ペプチド合成機で合成することができる。
該抗原の投与は、1回目の投与の後1〜2週間おきに3〜10回行う。各投与後、3〜7日目に眼底静脈叢より採血し、該血清が免疫に用いた抗原と反応することを酵素免疫測定法〔酵素免疫測定法(ELISA法):医学書院刊(1976年)、Antibodies−A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory(1988)〕等で確認する。
免疫に用いた抗原に対し、その血清が充分な抗体価を示した非ヒト哺乳動物より血清を取得し、該血清を分離、精製することによりポリクローナル抗体を取得することができる。
分離、精製する方法としては、遠心分離、40〜50%飽和硫酸アンモニウムによる塩析、カプリル酸沈殿〔Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,(1988)〕、またはDEAE−セファロースカラム、陰イオン交換カラム、プロテインAまたはG−カラムあるいはゲル濾過カラム等を用いるクロマトグラフィー等を、単独でまたは組み合わせて処理する方法が挙げられる。
(2)モノクローナル抗体の作製
(a)抗体産生細胞の調製
免疫に用いたGPR4またはその部分断片ポリペプチドの精製標品、あるいはGPR4の一部のアミノ酸配列を有するペプチドに対し、その血清が十分な抗体価を示したラットを抗体産生細胞の供給源として供する。
該抗体価を示したラットに抗原物質を最終投与した後3〜7日目に、脾臓を摘出する。
該脾臓をMEM培地(日水製薬社製)中で細断し、ピンセットでほぐし、1,200rpmで5分間遠心分離した後、上清を捨てる。
得られた沈殿画分の脾細胞をトリス−塩化アンモニウム緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理し赤血球を除去した後、MEM培地で3回洗浄し、得られた脾細胞を抗体産生細胞として用いる。
(b)骨髄腫細胞の調製
骨髄腫細胞としては、マウスまたはラットから取得した株化細胞を使用する。例えば、8−アザグアニン耐性マウス(BALB/c由来)骨髄腫細胞株P3−X63Ag8−U1(以下、P3−U1と略す)〔Curr.Topics Microbiol.Immunol.,81,1(1978)、Eur.J.Immunol.,6,511(1976)〕、SP2/0−Ag14(SP−2)〔Nature,276,269(1978)〕、P3−X63−Ag8653(653)〔J.Immunol.,123,1548(1979)〕、P3−X63−Ag8(X63)〔Nature,256,495(1975)〕等を用いることができる。これらの細胞株は、8−アザグアニン培地〔RPMI−1640培地にグルタミン(1.5mmol/l)、2−メルカプトエタノール(5×10−5mol/l)、ジェンタマイシン(10μg/ml)および牛胎児血清(FCS)(CSL社製、10%)を加えた培地(以下、正常培地という)に、さらに8−アザグアニン(15μg/ml)を加えた培地〕で継代するが、細胞融合の3〜4日前に正常培地で培養し、融合には該細胞を2×107個以上用いる。
(c)ハイブリドーマの作製
(a)で取得した抗体産生細胞と(b)で取得した骨髄腫細胞をMEM培地またはPBS(リン酸二ナトリウム1.83g、リン酸一カリウム0.21g、食塩7.65g、蒸留水1リットル、pH7.2)でよく洗浄し、細胞数が、抗体産生細胞:骨髄腫細胞=5〜10:1になるよう混合し、1,200rpmで5分間遠心分離した後、上清を捨てる。
得られた沈殿画分の細胞群をよくほぐし、該細胞群に、攪拌しながら、37℃で、108抗体産生細胞あたり、ポリエチレングリコール−1000(PEG−1000)2g、MEM 2mlおよびジメチルスルホキシド(DMSO)0.7mlを混合した溶液を0.2〜1ml添加し、さらに1〜2分間毎にMEM培地1〜2mlを数回添加する。
添加後、MEM培地を加えて全量が50mlになるように調製する。該調製液を900rpmで5分間遠心分離後、上清を捨てる。得られた沈殿画分の細胞を、ゆるやかにほぐした後、メスピペットによる吸込み、吹出しでゆるやかにHAT培地〔正常培地にヒポキサンチン(10−4mol/l)、チミジン(1.5×10−5mol/l)およびアミノプテリン(4×10−7mol/l)を加えた培地〕100ml中に懸濁する。
該懸濁液を96穴培養用プレートに100μl/穴ずつ分注し、5%CO2インキュベーター中、37℃で7〜14日間培養する。
培養後、培養上清の一部をとリアンチボディイズ〔Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Chapter 14(1988)〕等に述べられている酵素免疫測定法により、本発明のポリペプチドの部分断片ポリペプチドに特異的に反応するハイブリドーマを選択する。
酵素免疫測定法の具体例として、以下の方法をあげることができる。
免疫の際、抗原に用いたGPR4またはその部分断片ポリペプチドの精製標品、あるいはGPR4の一部のアミノ酸配列を有するペプチドを適当なプレートにコートし、ハイブリドーマ培養上清もしくは後述の(d)で得られる精製抗体を第一抗体として反応させ、さらに第二抗体としてビオチン、酵素、化学発光物質あるいは放射線化合物等で標識した抗ラットまたは抗マウスイムノグロブリン抗体を反応させた後に標識物質に応じた反応を行い、抗原に用いたポリペプチドに特異的に反応するものを本発明で用いられるモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマとして選択する。
該ハイブリドーマを用いて、限界希釈法によりクローニングを2回繰り返し〔1回目は、HT培地(HAT培地からアミノプテリンを除いた培地)、2回目は、正常培地を使用する〕、安定して強い抗体価の認められたものを本発明で用いられるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ株として選択する。
(d)モノクローナル抗体の調製
プリスタン処理〔2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン(Pristane)0.5mlを腹腔内投与し、2週間飼育する〕した8〜10週令のマウスまたはヌードマウスに、(c)で取得した本発明で用いられるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞5〜20×106細胞/匹を腹腔内に注射する。10〜21日間でハイブリドーマは腹水癌化する。
該腹水癌化したマウスから腹水を採取し、3,000rpmで5分間遠心分離して固形分を除去する。
得られた上清より、ポリクローナル抗体で用いた方法と同様の方法でモノクローナル抗体を精製、取得することができる。
抗体のサブクラスの決定は、マウスモノクローナル抗体タイピングキットまたはラットモノクローナル抗体タイピングキットを用いて行う。ポリペプチド量は、ローリー法あるいは280nmでの吸光度より算出する。
上記、GPR4を認識する抗体を含有する喘息の予防および/または治療剤は以下のように調製することができる。
該抗体を有効成分として含有する医薬は、該有効成分を単独で投与することも可能ではあるが、通常は該有効成分を薬理学的に許容される一つあるいはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られる任意の方法により製造した医薬製剤として提供するのが望ましい。好ましくは水、あるいは食塩、グリシン、グルコース、ヒトアルブミン等の水溶液等の水性担体に溶解した無菌的な溶液が用いられる。また、製剤溶液を生理的条件に近づけるための緩衝化剤や等張化剤のような、薬理学的に許容される添加剤、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム等を添加することもできる。また、凍結乾燥して貯蔵し、使用時に適当な溶媒に溶解させて用いることもできる。
投与経路は、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口投与、または静脈内投与等の非経口投与をあげることができる。投与形態としては、錠剤、注射剤等が挙げられる。
経口投与に適当な製剤としては、錠剤等が挙げられる。錠剤等は、乳糖、マンニトール等の賦形剤、デンプン等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を添加剤として用いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤としては、注射剤等が挙げられる。例えば、注射剤は、塩溶液、ブドウ糖溶液または両者の混合物からなる担体等を用いて調製する。また、非経口剤においても経口剤で添加剤として例示した成分を添加することもできる。
投与量または投与回数は、目的とする治療効果、投与方法、治療期間、年齢、体重等により異なるが、通常成人1日当たり10μg/kg〜8mg/kgである。
GPR4の構成的活性により生じるシグナル伝達に関する機能を抑制する物質は、該構成的活性により生ずるシグナル伝達を抑制することのできる物質を探索することによっても取得することができる。
GPR4に拮抗作用を有する化合物としては、例えば、式(I)で表される化合物が挙げられる。以下、式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。
化合物(I)の各基の定義において、以下の例示が挙げられる。
(i)低級アルキルおよび低級アルカノイルの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキルが挙げられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル等が挙げられる。
(ii)シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキルが挙げられ、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。
(iii)低級アルケニルとしては、例えば直鎖、分岐または環状の炭素数2〜8のアルケニルが挙げられ、具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、シクロヘキセニル、2,6−オクタジエニル等が挙げられる。
(iv)低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜8のアルキニルが挙げられ、具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル等が挙げられる。
(v)ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の各原子を表す。
(vi)アリールおよびそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される芳香環から水素原子を一つ除いた基としては、例えば炭素数6〜14の単環性、二環性または三環式のアリールが挙げられ、具体的にはフェニル、ナフチル、インデニル、アントラニル等が挙げられる。
(vii)アラルキルおよび複素環アルキルのアルキレン部分は、前記の低級アルキル(i)の定義から水素原子を一つ除いたものと同義である。
(viii)アラルキルのアリール部分としては、前記アリール(vi)の定義で挙げた基に加え、例えば前記アリールがシクロアルキルと縮合した二環性縮合環基が挙げられ、具体的にはインダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプチル等が挙げられる。
(ix)複素環基および複素環アルキルの複素環基部分ならびにそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される複素環から水素原子を一つ除いた基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環式であって窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性複素環基等が挙げられ、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、2−オキソベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、プリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチルリジニル、キノキサリニル、ピロリル、ピラゾリル、キナゾリニル、シンノリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、フリル、ピロリジニル、2,5−ジオキソピロリジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジル、ピペリジノ、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジル、ホモピペリジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ピラニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル、インドリニル等が挙げられる。
(x)隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基としては、例えば少なくとも1個の窒素原子を含む5員または6員の単環性複素環基(該単環性複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)、3〜8員の環が縮合した二環または三環式で少なくとも1個の窒素原子を含む縮環性複素環基(該縮環性複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)等が挙げられ、具体的にはピリジル、テトラヒドロピリジル、インドリニル、イソインドリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジノ、ホモピペリジノ、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ペルヒドロアゼピニル、ペルヒドロアゾシニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、プリニル、ジヒドロインドリル、ピロリル、ジヒドロピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル等が挙げられる。
(xi)置換低級アルキルおよび置換低級アルカノイルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3の、シクロアルキル、低級アルカノイル、低級アルコキシ、アリールオキシ、置換アリールオキシ[該置換アリールオキシにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3の、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ等が挙げられる。ここで低級アルキルは前記低級アルキル(i)と同義であり、ハロゲンは前記ハロゲン(v)と同義であり、低級アルコキシおよび低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は前記低級アルキル(i)と同義である]、アラルキルオキシ、置換アラルキルオキシ[該置換アラルキルオキシにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3の、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ等が挙げられる。ここで低級アルキルは前記低級アルキル(i)と同義であり、ハロゲンは前記ハロゲン(v)と同義であり、低級アルコキシおよび低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は前記低級アルキル(i)と同義である]、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、低級アルキルチオ、置換低級アルキル[該置換低級アルキルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3のヒドロキシ、ハロゲン等が挙げられる]、置換低級アルカノイル[該置換低級アルカノイルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3のハロゲン等が挙げられる]、モノまたはジ低級アルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルカノイルアミノ、モノまたはジ低級アルキルアミノカルボニル、モノまたはジ低級アルキルアミノカルボニルオキシ、複素環基等が挙げられる。
ここで示したアリールオキシおよびアラルキルオキシのアリール部分、シクロアルキル、ハロゲン、複素環基、ならびに低級アルカノイル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルチオ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、低級アルコキシカルボニルアミノおよび低級アルカノイルアミノの低級アルキル部分は、それぞれ前記アリール(vi)、シクロアルキル(ii)、ハロゲン(v)、複素環基(ix)、および低級アルキル(i)と同義であり、アラルキルオキシのアルキレン部分は、前記低級アルキル(i)から水素原子を一つ除いたものと同義である。
モノまたはジ低級アルキルアミノ、モノまたはジ低級アルキルアミノカルボニルおよびモノまたはジ低級アルキルアミノカルボニルオキシの低級アルキル部分は、それぞれ前記低級アルキル(i)と同義であり、ジ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノカルボニルおよびジ低級アルキルアミノカルボニルオキシの2つの低級アルキル部分は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
(xii)置換アリール、置換アラルキル、置換シクロアルキル、置換低級アルケニル、置換低級アルキニル、置換複素環基、置換複素環アルキル、隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基、それぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される置換芳香環およびそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される置換複素環における置換基としては、前記置換低級アルキルにおける置換基(xi)の定義で挙げた基に加え、低級アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、複素環基、置換複素環基、複素環アルキル、置換複素環アルキル等が挙げられる。さらに、置換アリールおよび隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基は低級アルキル[該低級アルキルは前記低級アルキル(i)と同義である]または置換低級アルキル[該低級アルキルは前記低級アルキル(i)と同義であり、該置換低級アルキルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル等が挙げられる。ここでハロゲンは前記ハロゲン(v)と同義であり、低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は前記低級アルキル(i)と同義である]であってもよい。
ここで示した低級アルキル、アリール、複素環基および複素環アルキルの複素環基部分、アラルキルおよび複素環アルキルのアルキレン部分ならびにアラルキルのアリール部分は、それぞれ前記低級アルキル(i)、アリール(vi)、複素環基(ix)、アラルキルのアルキレン部分(vii)およびアラルキルのアリール部分(viii)と同義である。また、置換アリール、置換アラルキル、置換複素環基、置換複素環アルキルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3の、低級アルキル[該低級アルキルは前記低級アルキル(i)と同義である]、低級アルコキシ[該低級アルコキシの低級アルキル部分は前記低級アルキル(i)と同義である]、ハロゲン[該ハロゲンは前記ハロゲン(v)と同義である]等が挙げられる。
化合物(I)の四級アンモニウム塩としては、化合物(I)の塩基性部位にハロゲン化低級アルキル(該低級アルキルおよび該ハロゲンはそれぞれ前記と同義である)、ハロゲン化アラルキル(該ハロゲンおよび該アラルキルはそれぞれ前記と同義である)、ヒドロキシ低級アルキル(該低級アルキルは前記と同義である)等が付加した四級アンモニウム塩であれば特に限定されないが、例えばジメチルアミノ基を有する化合物(I)にヨウ化メチルを作用させて得られる四級アンモニウム塩、ピペリジノ基を有する化合物(I)にヨウ化メチルを作用させて得られる四級アンモニウム塩、ピロリジノ基を有する化合物(I)にヨウ化メチルを作用させて得られる四級アンモニウム塩、モルホリノ基を有する化合物(I)に臭化ベンジルを作用させて得られる四級アンモニウム塩、ピロリジノ基を有する化合物(I)にヨウ化エチルを反応させて得られる四級アンモニウム塩においてヨウ化物イオンと水酸化物イオンが交換されて得られる四級アンモニウム塩等が挙げられる。
化合物(I)の薬理学的に許容される塩としては、毒性のない、水溶性のものが好ましく、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩等の酸付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の金属塩、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等のアンモニウム塩、モルホリン付加塩、ピペリジン付加塩等の有機アミン付加塩、またはグリシン付加塩、フェニルアラニン付加塩、リジン付加塩、アスパラギン酸付加塩、グルタミン酸付加塩等のアミノ酸付加塩等が挙げられる。
次に化合物(I)の製造法について説明する。
なお、以下に示した製造法において、定義した基が反応条件下変化するか、または方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される方法、例えば官能基の保護、脱保護等[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス 第三版(Protective Groups in Organic Synthesis,the third edition)、グリーン(T.W.Greene)、ワッツ(Peter G.M.Wuts)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1999年)]の手段に付すことにより容易に製造を実施することができる。また、必要に応じて置換基導入等の反応工程の順序を変えることもできる。
化合物(I−a)は、以下に示す製造方法によって得ることができる。
製造法1
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、R9は低級アルキル、アリルまたはベンジルを表し、R10およびR11は同一または異なって低級アルキルまたはシクロアルキルを表すか、R10およびR11が隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成し、Uはハロゲン、アルコキシスルホニルオキシ、アリールオキシスルホニルオキシ、アルキルスルホニルオキシまたはアリールスルホニルオキシを表す)
上記の定義において、低級アルキル、シクロアルキルおよびハロゲンはそれぞれ前記と同義である。アルコキシスルホニルオキシおよびアルキルスルホニルオキシのアルキル部分、アリールオキシスルホニルオキシおよびアリールスルホニルオキシのアリール部分は、それぞれ前記低級アルキル、アリールと同義である。隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基は前記と同義である。
<工程1>
化合物(IIIa)を原料として用い、特開平7−61983に開示された方法に従い、1当量〜大過剰のYH(式中、Yは前記と同義である)と反応させることにより、化合物(IV)を得ることができる。なお、化合物(IIIa)は特開平7−61983に開示された方法またはそれに準じた方法により合成することができる。
<工程2>
化合物(IV)を不活性溶媒中、1当量〜大過剰のホルムアルデヒド水溶液存在下に、1当量〜大過剰のR5R6NH(式中、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)またはその塩酸塩と反応させることにより、化合物(I−a)を得ることができる。また、ホルムアルデヒド水溶液に代え、トリオキシメチレン、パラホルムアルデヒド等のホルムアルデヒド等価体を用いることもできる。
反応は通常、酸性条件下で良好に進行するので、必要に応じて塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の酸を反応系内に添加するのが好ましい。反応は通常、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温〜80℃の間の温度で行い、5分間から100時間で終了する。不活性溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、酢酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロエタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトン等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはクロロホルムと酢酸の混合溶媒が用いられる。
化合物(I−b)から、以下に示す方法によって化合物(I−c)を製造することができる。
製造法2
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、R5b、R6b、R8、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程3>
化合物(I−b)を不活性溶媒中、1当量〜大過剰のR8U(式中、R8およびUはそれぞれ前記と同義である)と、通常−10℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温で、1〜48時間反応させることにより、化合物(I−c)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ヘキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトン等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくは酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム等が用いられる。
化合物(I−c)から、以下に示す方法によって化合物(I−b)を製造することができる。
製造法3
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、R5b、R6b、R8、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程4>
化合物(I−c)を不活性溶媒中、1当量〜大過剰のR5R6NH(式中、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)と、通常−10℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは20℃〜100℃の間の温度で、1〜100時間反応させることにより、化合物(I−b)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ヘキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトン等が単独でまたは混合して用いられ、好ましくはクロロホルム、ジメチルホルムアミド等が用いられる。反応は通常、塩基性条件下で良好に進行するので、必要に応じて適当な塩基を反応系内に添加することが望ましい。塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン等を用いることができ、中でもトリエチルアミンが好ましい。
化合物(I−b)中、化合物(I−d)を用い、以下に示す方法によって化合物(I−e)を製造することができる。
製造法4
(式中、R2、R3、R4、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、R14およびR15は同一または異なって水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表すか、R14およびR15が隣接するCH(CH2)mNと一緒になって置換もしくは非置換の複素環を形成してもよい。R16は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換のアリールを表し、mは0〜3の整数を表す)
低級アルキル、シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アラルキル、複素環アルキル、およびアリールはそれぞれ前記と同義であり、それらの置換基もそれぞれ前記と同義である。
R14およびR15が隣接するCH(CH2)mNと一緒になって形成される置換もしくは非置換の複素環としては、テトラヒドロピリジン、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、ピペラジン、ホモピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ペルヒドロアゼピン、ペルヒドロアゾシン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン等があげられ、それらの置換基は前記の隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基の置換基と同義である。
<工程5>
化合物(I−d)を不活性溶媒中、通常−78℃〜40℃の間の温度で、2〜4当量の水素化アルミニウムリチウム、ジイソプロピル水素化アルミニウムリチウム等、好ましくはジイソプロピル水素化アルミニウムリチウム等の還元剤存在下で10分間〜24時間、好ましくは1〜3時間処理することにより化合物(I−e)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはジクロロメタンまたはトルエンが用いられる。
化合物(I−d)から以下に示す方法によって化合物(I−f)を製造することができる。
製造法5
(式中、R2、R3、R4、R14、R15、R16、n、X、Yおよびmはそれぞれ前記と同義である)
<工程6>
化合物(I−d)を不活性溶媒中、通常0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温〜100℃の間の温度で、1当量〜大過剰の適当な塩基存在下、1〜48時間、好ましくは1〜3時間処理することにより化合物(I−f)を得ることができる。
適当な塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド等が例示され、好ましくは水酸化ナトリウムが挙げられる。不活性溶媒としては、例えば水、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはテトラヒドロフランもしくはメタノール、またはそれらと水の混合溶媒が用いられる。
化合物(I−c)中、化合物(I−g)から以下に示す方法によって化合物(I−h)を製造することができる。
製造法6
(式中、R2、R3、R4、n、X、Yおよびmはそれぞれ前記と同義であり、R17およびR18aはそれぞれ前記R14および前記R15と同義であり、Tはアルカリ金属、アンモニウム、トリアルキルシリル、またはトリアルキルチンを表す)
上記の定義においてトリアルキルシリルおよびトリアルキルチンにおけるアルキルは前記低級アルキルと同義である。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等があげられる。
<工程7>
化合物(I−g)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度好ましくは室温〜200℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは2〜4当量のTN3(式中、Tは前記と同義である)と、通常反応を加速させるために触媒量〜大過剰、好ましくは0.5〜2当量の適当な添加剤の存在下、1〜200時間、好ましくは3〜48時間反応させることにより化合物(I−h)を得ることができる。
適当な添加剤としては、例えば四塩化けい素、塩化リチウム、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、塩化トリアルキルすず、酸化ジアルキルすず、トリアルキルアルミニウム、トリエチルアミン・塩酸塩、トリエチルアミン・臭化水素酸塩、水素化ナトリウム、カリウム tert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、臭化亜鉛等が例示され、好ましくは塩化アンモニウム、酸化ジアルキルすず等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば水、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、酢酸、氷酢酸、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはジメチルホルムアミドまたはトルエンが用いられる。
化合物(I−c)から以下に示す方法によって化合物(I−i)を製造することができる。
製造法7
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、R8、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、R18は置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、Qはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、Qがアルカリ金属の場合にはpは1を表し、Qがアルカリ土類金属の場合にはpは2を表す)
上記の定義においてアルカリ金属は前記アルカリ金属と同義であり、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム等が挙げられる。
<工程8>
化合物(I−c)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは70℃〜80℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは4〜8当量の(R18CO2)pQ(式中、R18、Qおよびpはそれぞれ前記と同義である)と、1〜100時間、好ましくは3〜72時間反応させることにより化合物(I−i)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えばジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはジメチルスルホキシドが用いられる。
化合物(I−c)から以下に示す方法によって化合物(I−j)を製造することができる。
製造法8
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、R7a、R8、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程9>
化合物(I−c)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは30℃〜80℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは2〜8当量のR7aSH(式中、R7aは前記と同義である)と、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量の適当な塩基存在下、1〜100時間、好ましくは3〜72時間反応させることにより化合物(I−j)を得ることができる。
適当な塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン等を用いることができ、中でも1,8−ジアザビシクロ[5.4,0]ウンデック−7−エンが好ましい。不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはクロロホルムが用いられる。
化合物(I−j)中、化合物(I−k)から以下に示す方法によって化合物(I−l)を製造することができる。
製造法9
(式中、R2、R3、R4、R15、R16、m、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程10>
化合物(I−k)を用いて製造法5の工程6と同様な反応を行うことにより化合物(I−l)を製造することができる。
化合物(I−i)から以下に示す方法によって化合物(I−m)を製造することができる。
製造法10
(式中、R2、R3、R4、R18、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程11>
化合物(I−i)を用いて製造法5の工程6と同様な反応を行うことにより化合物(I−m)を製造することができる。
化合物(I−m)から以下に示す方法によって化合物(I−n)を製造することができる。
製造法11
(式中、R2、R3、R4、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、R7cは前記R7の定義から水素を除いた基を表す)
<工程12>
化合物(I−m)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温から80℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量の適当な塩基存在下、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量のR7cU(式中、R7cおよびUはそれぞれ前記と同義である)と、1〜48時間、好ましくは3〜24時間反応させることにより化合物(I−n)を得ることができる。
適当な塩基としては、例えば炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、低級アルキルリチウム等が例示され、好ましくは、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはクロロホルムが用いられる。
化合物(I−m)においてn=1である化合物(I−ma)から以下に示す方法によって化合物(I−o)を製造することができる。
製造法12
(式中、R2、R3、R4、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程13>
化合物(I−ma)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温から60℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは3〜6当量の適当な酸化剤存在下、1〜48時間、好ましくは3〜24時間処理することにより化合物(I−o)を得ることができる。
適当な酸化剤としては、例えば二酸化マンガン、クロム酸、クロロクロム酸ピリジニウム、ニクロム酸ピリジニウム、過マンガン酸カリウム、三酸化硫黄−ピリジン、オキソン等が挙げられ、好ましくは二酸化マンガンが挙げられる。不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸、水、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等が用いられる。
化合物(I−o)から以下に示す方法によって化合物(I−p)を製造することができる。
製造法13
(式中、R2、R3、R4、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程14>
化合物(I−o)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温から90℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量のヒドロキシルアミンもしくはその塩酸塩、硫酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等、o−フェニルカーバミルヒドロキルアミンもしくはその塩酸塩、硫酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等、またはN−ヒドロキシベンズアミド、好ましくはヒドロキシルアミンと、1〜48時間、好ましくは3〜24時間反応させることにより化合物(I−p)を得ることができる。必要により、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量の適当な脱水剤の添加や、1当量〜大過剰、好ましくは2〜6当量の適当な塩基の添加、またはマイクロ波照射を行ってもよい。
適当な脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水フタル酸、硫酸水素ナトリウム、オキソン、ギ酸ナトリウム、酸化ジアルキルすず、アルミナ、シリカゲル、酢酸ナトリウム、ホルムアミド、五酸化二リン、塩化鉄(III)、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オキシ塩化リン、パラトルエンスルホン酸等が例示され、好ましくは無水酢酸、無水フタル酸等が挙げられる。適当な塩基としては、例えばトリエチルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が例示され、好ましくはトリエチルアミンまたはピリジンが挙げられる。
不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはアセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が用いられる。
化合物(I−p)から以下に示す方法によって化合物(I−q)を製造することができる。
製造法14
(式中、R2、R3、R4、T、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程15>
化合物(I−p)を用いて製造法6の工程7と同様な反応を行うことにより化合物(I−q)を製造することができる。
化合物(I−c)から以下に示す方法によって化合物(I−r)を製造することができる。
製造法15
(式中、R2、R3、R4、R5b、R6b、R8、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、Qaは前記と同義のアルカリ金属を表す)
<工程16>
化合物(I−c)を不活性溶媒中、室温から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは40℃〜80℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは2〜4当量のQaCN(式中、Qaは前記と同義である)、好ましくは青酸ナトリウムと、1〜48時間、好ましくは3〜24時間反応させることにより化合物(I−r)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはジメチルホルムアミド等が用いられる。
化合物(I−r)から以下に示す方法によって化合物(I−s)を製造することができる。
製造法16
(式中、R2、R3、R4、T、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程17>
化合物(I−r)を用いて製造法6の工程7と同様な反応を行うことにより化合物(I−s)を製造することができる。
化合物(I−r)から以下に示す方法によって化合物(I−t)を製造することができる。
製造法17
(式中、R2、R3、R4、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程18>
化合物(I−r)を用いて製造法5の工程6と同様な反応を行うことにより化合物(I−t)を製造することができる。
化合物(IIIb)から以下に示す方法によって化合物(I−u)を製造することができる。
製造法18
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、R5b、R6b、R7c、R8、R9、R10、R11、R18、Q、p、U、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程19>
化合物(IIIb)を用いて製造法7の工程8と同様な反応を行うことにより化合物(V)を製造することができる。
<工程20>
化合物(V)を用いて製造法5の工程6と同様な反応を行うことにより化合物(VI)を製造することができる。
<工程21>
化合物(VI)を用いて製造法12の工程13と同様な反応を行うことにより化合物(VII)を製造することができる。
<工程22>
化合物(VII)を不活性溶媒中、通常0℃〜80℃の間の温度で、2〜4当量の硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(II)、クロム酸、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロロクロム酸ピリジニウム、過マンガン酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、過酸化水素、亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤、好ましくは硝酸銀または過塩素酸ナトリウム存在下で、10分間〜24時間、好ましくは1〜4時間処理することにより化合物(VIII)を製造することができる。必要により、添加剤として、0.1〜4当量の酢酸等の有機物、または硫酸、リン酸二水素ナトリウム、スルファミン酸、酸化ルテミウム等の無機物を加えてもよい。
不活性溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸メチル、メチルエチルケトン、塩酸、酢酸、無水酢酸、硫酸、水等が挙げられ、好ましくはアセトニトリル、水等が挙げられ、これらは単独でまたは混合して用いることができる。
<工程23>
化合物(VIII)を不活性溶媒中、通常0℃〜80℃の間の温度、好ましくは室温で、1〜20当量のハロゲン化剤と10分間〜24時間反応させ、その後、1当量〜大過剰のR7cOH(式中、R7cは前記と同義である)と反応させることにより化合物(IX)を製造することができる。
ハロゲン化剤としては、例えば塩化チオニル、オキサリルクロリド、オキシ塩化リン等が挙げられ、好ましくは塩化チオニルが挙げられる。不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらは単独でまたは混合して用いることができる。不活性溶媒として好ましくはジクロロメタンが挙げられる。
<工程24>
化合物(IX)を用いて製造法1の工程2と同様な反応を行うことにより化合物(X)を製造することができる。
<工程25>
化合物(X)を用いて製造法2の工程3と同様な反応を行うことにより化合物(XI)を製造することができる。
<工程26>
化合物(XI)を用いて製造法1の工程1と同様な反応を行うことにより化合物(I−u)を製造することができる。
化合物(I−u)から以下に示す方法によって化合物(I−v)を製造することができる。
製造法19
(式中、R2、R3、R4、R7c、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程27>
化合物(I−u)を用いて製造法5の工程6と同様な反応を行うことにより化合物(I−v)を製造することができる。
化合物(I−v)から以下に示す方法によって化合物(I−w)を製造することができる。
製造法20
(式中、R2、R3、R4、R5a、R6a、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程28>
化合物(I−v)を不活性溶媒中、通常0℃〜80℃の間の温度、好ましくは室温で、1〜20当量のハロゲン化剤と10分間〜24時間反応させ、その後、1当量〜大過剰のR5aR6aNH(式中、R5aおよびR6aはそれぞれ前記と同義である)と反応させることにより化合物(I−w)を製造することができる。必要に応じて、1当量〜大過剰の適当な塩基を加えてもよい。
ハロゲン化剤としては、例えば塩化チオニル、オキサリルクロリド、オキシ塩化リン等が挙げられ、好ましくは塩化チオニルが挙げられる。適当な塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等が例示され、好ましくはトリエチルアミンが挙げられる。不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。不活性溶媒として好ましくはジクロロメタンが挙げられる。
化合物(I−w)の製造においては、ペプチド化学で常用される手法を用いることもできる。すなわち、化合物(I−v)に不活性溶媒中、0.5〜10当量の適当な縮合剤と共に1〜10当量のR5aR6aNH(式中、R5aおよびR6aはそれぞれ前記と同義である)を加え、通常、0℃〜50℃の間の温度で10分間〜70時間反応させることにより化合物(I−w)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、酢酸エチル、ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられ、好ましくはテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
適当な縮合剤としては、例えば1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド結合ポリスチレンレジン(EDCレジン)等が挙げられる。また、N−ヒドロキシこはく酸イミド、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等、好ましくは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等の添加剤を加えることもできる。
EDCレジンは、テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)、34巻、48号、7685頁(1993年)記載の方法で製造することができる。
化合物(I)中、化合物(I−x)から、以下に示す方法によって化合物(I−y)を製造することができる。
製造法21
(式中、R1、R3、R4、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、R22およびR23は同一または異なって水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表す)
上記の定義において低級アルキル、シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アラルキル、および複素環アルキルはそれぞれ前記と同義であり、それらの置換基もそれぞれ前記と同義である。
<工程29>
化合物(I−x)を不活性溶媒中、1当量〜大過剰の、好ましくは1〜10当量のR22R23CO(式中、R22およびR23はそれぞれ前記と同義である)と、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量の適当な還元剤の存在下、通常−78℃〜100℃の間の温度、好ましくは0℃〜50℃の間の温度で10分間〜48時間反応させることにより化合物(I−y)を得ることができる。
適当な還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられ、好ましくはシアノ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。必要により、触媒量〜溶媒量、好ましくは0.5当量〜溶媒量の適当な酸を添加してもよい。適当な酸としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、塩酸等が挙げられ、好ましくは酢酸が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ヘキサン、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、塩酸等が例示され、これらを単独でまたは混合して用いることができる。好ましくは、テトラヒドロフラン、酢酸等が挙げられる。
化合物(I)および原料化合物における各官能基の変換および置換基に含まれる官能基の変換は、公知の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ 第二版(Comprehensive Organic Transformations,the second edition)、R.C.ラロック(Larock)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレーティッド(John Wiley & Sons Inc.)(1999年)に記載の方法]等によって行うことができる。
上記の方法等を適宜組み合わせて実施することにより、所望の位置に所望の官能基を有する化合物(I)を得ることができる。
上記製造法における中間体および生成物の単離・精製は、通常の有機合成で用いられる方法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、各種クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて行うことができる。さらに一般的な並列合成法で常用される精製法、例えば、スカベンジャーレジン、イオン交換レジンを用いた精製法によっても行うことができる。また、中間体においては、特に精製することなく次の反応に供することもできる。
化合物(I)には、位置異性体、幾何異性体、光学異性体または互変異性体のような異性体が存在し得るものもあるが、これらを含め可能な全ての異性体および該異性体のいかなる比率における混合物も本発明の喘息の予防および/または治療剤に使用できる。
化合物(I)の塩を取得したい場合には、化合物(I)の塩が得られるときはそのまま精製すればよく、また化合物(I)が遊離の形で得られるときは化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて単離・精製すればよい。
また、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の喘息の予防および/または治療剤に使用できる。
以下、第1表〜第13表に本発明の喘息の予防および/または治療剤として用いられる化合物(I)の具体例を示すが、本発明の喘息の予防および/または治療剤として用いられる化合物範囲はこれらの化合物に限定されることはない。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(8)に関する。
(1)配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。
(2)以下の1)〜4)
1)配列番号12記載の塩基配列から選ばれる連続した5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
2)配列番号14記載の塩基配列から選ばれる連続した5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
3)配列番号18記載の塩基配列から選ばれる連続した5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
4)配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
のいずれか一つを有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。
(3)以下の1)〜4)
1)配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質を認識する抗体、
2)配列番号13記載のアミノ酸配列を有する蛋白質を認識する抗体、
3)配列番号17記載のアミノ酸配列を有する蛋白質を認識する抗体、
4)配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸が欠失、置換または付加したアミノ酸配列を有し、かつ配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を有する蛋白質を認識する抗体、
のいずれか一つを有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。
(4)式(I)
[式中、R1は置換もしくは非置換の複素環基、−NR5R6(式中、R5およびR6は同一または異なって水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表すか、R5およびR6が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)、−OR7(式中、R7は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表す)、−SR7a(式中、R7aは前記R7と同義である)、−CONR5aR6a(式中、R5aおよびR6aはそれぞれ前記R5および前記R6と同義である)、−CO2R7b(式中、R7bは前記R7と同義である)、−N+R5bR6bR8(式中、R5bおよびR6bはそれぞれ前記R5および前記R6と同義であり、R8は低級アルキル、低級アルケニル、またはアラルキルを表す)、ホルミル、カルボキシ、またはシアノを表し、
R2は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表し、
R3およびR4は同一または異なって水素、低級アルキル、またはハロゲンを表し、
nは0または1を表し、
Xは−(CH2)2−または−CH=CH−を表し、
Yは式(II)
(式中、WはCHまたは窒素原子を表し、
Z1およびZ2は同一または異なって水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表すか、Z1およびZ2がそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香環または置換もしくは非置換の複素環を形成し、
Z3は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表す)を表す]で表される含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。
(5)R1が−NR5R6であり、R5およびR6が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する第(4)項に記載の喘息の予防および/または治療剤。
(6)R2が水素である第(4)項または第(5)項に記載の喘息の予防および/または治療剤。
(7)R3およびR4が水素である第(4)項〜第(6)項のいずれかに記載の喘息の予防および/または治療剤。
(8)Z1およびZ2がそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環を形成する第(4)項〜第(7)項のいずれかに記載の喘息の予防および/または治療剤。
(9)第(4)項〜第(8)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
(10)喘息の予防および/または治療剤の製造のための第(4)項〜第(8)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩の使用。
さらに本発明は以下の(11)〜(23)に関する。
(11)式(I)
(式中、n、R1、R2、R3、R4、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
で表される含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(12)R1が−NR5R6であり、R5およびR6が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する第(11)項に記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(13)R2が水素である第(11)項もしくは第(12)項に記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(14)R3およびR4が水素である第(11)項〜第(13)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(15)Z1およびZ2がそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環を形成する第(11)項〜第(14)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩。
(16)第(11)項〜第(15)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(17)第(11)項〜第(15)項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能の抑制剤。
(18)配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質の治療有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
(19)第(2)項に記載の1)〜4)のいずれか一つのオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体の治療有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
(20)第(3)項に記載の1)〜4)のいずれか一つの抗体の治療有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
(21)喘息の予防および/または治療剤の製造のための、配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質の使用。
(22)喘息の予防および/または治療剤の製造のための、第(2)項に記載の1)〜4)のいずれか一つのオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体の使用。
(23)喘息の予防および/または治療剤の製造のための、第(3)項に記載の1)〜4)のいずれか一つの抗体の使用。
すなわち、本発明により、第(11)項〜第(15)項に記載される新規な含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩が提供され、それらを有効成分として含有する医薬、および配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能の抑制剤が提供される。
本発明者らは、GPCRであるGPR4の有するシグナル伝達に関する機能を抑制する物質が、喘息の予防および/または治療に有効であるとの新知見を見い出し、本発明を完成するに至った。また、本発明者らは、構成活性型のGPCRであるGPR4の構成的活性を抑制する物質の探索を行い、GPR4の構成的活性を抑制する物質が、喘息の予防および/または治療に有効であることを見い出した。
GPR4の有するシグナル伝達に関する機能を抑制する物質としては、GPR4自身の発現を阻害または抑制する物質、リガンドのGPR4への結合を阻害する物質、GPR4へのリガンド結合により生ずるシグナル伝達[例えば、細胞内cAMP濃度の変化(上昇または低下)、細胞内Ca2+濃度の変化(上昇)、mitogen−activated protein(MAP)キナーゼのリン酸化等が含まれる]を抑制する物質、GPR4の構成的活性により生ずるシグナル伝達を抑制する物質(例えばGPR4のインバースアゴニスト等が含まれる)等が含まれる。上記物質は、これら機能を有する物質であれば、その構造は特に限定されず、公知の構造を有するものでもよい。GPR4としては、例えば配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列を有する蛋白質、あるいは配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸が欠失、置換または付加したアミノ酸配列を有し、かつ配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を有する蛋白質等が挙げられる。
配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸が欠失、置換または付加したアミノ酸配列を有し、かつ配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を有する蛋白質は、文献[Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989年)(以下、モレキュラー・クローニング第2版と略す)、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997年)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)、Nucleic Acids Research,10,6487(1982)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,6409(1982)、Gene,34,315(1985)、Nucleic Acids Research,13,4431(1985)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,488(1985)等]記載の部位特異的変異導入法を用いて、例えば配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列を有する蛋白質をコードするDNAに部位特異的変異を導入することにより、取得することができる。
欠失、置換または付加したアミノ酸の数は特に限定されないが、1個〜数十個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個である。
配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸残基が欠失、置換または付加したとは、該アミノ酸配列中の任意かつ1もしくは複数の位置において、1または複数のアミノ酸残基の欠失、置換または付加があることを意味し、欠失、置換または付加が同時に生じてもよく、欠失、置換または付加されるアミノ酸残基については、天然型と非天然型とを問わない。天然型アミノ酸残基としては、L−アラニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−アルギニン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリンおよびL−システインの各残基等が挙げられる。
以下に、相互に置換可能なアミノ酸残基の好ましい例を示す。同一群に含まれるアミノ酸残基は相互に置換可能である。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2−アミノブタン酸、メチオニン、O−メチルセリン、tert−ブチルグリシン、tert−ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸、2−アミノスベリン酸
C群:アスパラギン、グルタミン
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸
E群:プロリン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン
F群:セリン、スレオニン、ホモセリン
G群:フェニルアラニン、チロシン
また、配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸残基が欠失、置換または付加したアミノ酸配列を有する蛋白質が、配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を有するには、そのアミノ酸配列と配列番号11記載のアミノ酸配列とが、少なくとも75%以上、通常は80%以上、好ましくは90%以上、さらには95%以上の同一性を有していることが好ましい。
アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST[Pro.Natl.Acad.Sci.USA,90,5873(1993)]やFASTA[Methods Enzymol.,183,63(1990)]を用いて決定することができる。このアルゴリズムBLASTに基づいて、BLASTN(塩基対塩基データベース)やBLASTX(塩基対アミノ酸データベース)とよばれるプログラムが開発されている[J.Mol.Biol.,215,403(1990)]。BLASTに基づいたBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる[Gapped BLASTについては文献(Nuc.Acids Res.,25,3389−3402(1997))を参照]。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.参照)。
GPR4自身の発現を阻害または抑制する物質としては、例えば、配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列から選ばれる連続した15〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、アンチセンス・オリゴヌクレオチドともいう)、配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制するオリゴヌクレオチド、これらのオリゴヌクレオチドの誘導体(以下、オリゴヌクレオチド誘導体という)等が挙げられる。
上記アンチセンス・オリゴヌクレオチドとしては、配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列から選ばれる連続した15〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するアンチセンス・オリゴヌクレオチドであれば特に限定されないが、好ましくは17〜60塩基、より好ましくは20〜60塩基、さらに好ましくは30〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するアンチセンス・オリゴヌクレオチドが挙げられる。特に好ましくは上記オリゴヌクレオチドの翻訳開始領域の相補的配列を有するアンチセンス・オリゴヌクレオチドが挙げられる。該アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列またはその断片の塩基配列に関する情報に基づき、常法により、例えばDNA合成機を用いることにより調製することができる。
オリゴヌクレオチド誘導体としては、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がN3’−P5’ホスホアミデート結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースとリン酸ジエステルとの結合がペプチド核酸結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5プロピニルウラシルで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5チアゾリルウラシルで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のシトシンがC−5プロピニルシトシンで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のシトシンがフェノキサジン修飾シトシン(phenoxazine−modified cytosine)で置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’−0−プロピルリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’−メトキシエトキシリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体等をあげることができる〔細胞工学,16,1463(1997)〕。
上記アンチセンス・オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体を用い、アンチセンスRNA/DNA技術〔バイオサイエンスとインダストリー,50,322(1992)、化学,46,681(1991)、Biotechnology,9,358(1992)、Trends in Biotechnology,10,87(1992)、Trends in Biotechnology,10,152(1992)、細胞工学,16,1463(1997)〕、トリプル・ヘリックス技術〔Trends in Biotechnology,10,132(1992)〕、リボザイム技術〔Current Opinion in Chemical Biology,3,274(1999)、FEMS Microbiology Reviews,23,257(1999)、Frontiers in Bioscience,4,D497(1999)、Chemistry & Biology,6,R33(1999)、Nucleic Acids Research,26,5237(1998)、Trends in Biotechnology,16,438(1998)〕、あるいはデコイDNA法〔Nippon Rinsho−Japanese Journal of Clinical Medicine,56,563(1998)、Circulation Research,82,1023(1998)、Experimental Nephrology,5,429(1997)、Nippon Rinsho−Japanese Journal of Clinical Medicine,54,2583(1996)〕に準じて、GPR4自身の発現を阻害または抑制することができる。
配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチドとは、配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAの一部、または全部をプローブとして、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、サザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることにより得られるDNAを意味し、具体的には、コロニーまたはプラーク由来のDNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0mol/lの塩化ナトリウム存在下、65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mmol/l塩化ナトリウム、15mmol/lクエン酸ナトリウムよりなる)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄することにより同定できるDNA等を挙げることができる。ハイブリダイゼーションは、モレキュラー・クローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、DNA Cloning 1:Core Techniques,A Practical Approach,Second Edition,Oxford University(1995)等に記載されている方法に準じて行うことができる。ハイブリダイズするヌクレオチドとしては、例えば上記BLASTやFASTA等を用いて計算したときに12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAの相補的配列を有するDNAと少なくとも75%以上の相同性を有するDNAが好ましく、より好ましくは80%以上の相同性を有するDNA、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するDNAを挙げることができる。ヌクレオチドとしては、DNA、RNA等いずれも用いられるがDNAが好適に用いられる。
上記アンチセンス・オリゴヌクレオチドもしくは該アンチセンス・オリゴヌクレオチド誘導体、または配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチドもしくは該ヌクレオチド誘導体を単独でまたはレトロウィルスベクター、アデノウィルスベクター、アデノウィルスアソシエーテッドウィルスベクター等の遺伝子治療用ベクターに挿入した後、下記に記載した常法に従って製剤化したものを喘息の予防および/または治療剤として使用することもできる。
遺伝子治療用ベクターを該予防および/または治療剤として用いる場合には、該遺伝子治療用ベクターと遺伝子治療剤に用いる基剤を調合することにより製造することができる〔Nature Genet.,8,42(1994)〕。
上記基剤としては、通常注射剤に用いる基剤であればどのようなものでもよく、例えば蒸留水、塩化ナトリウムまたは塩化ナトリウムと無機塩との混合物等の塩溶液、マンニトール、乳糖、デキストラン、ブドウ糖等の糖溶液、グリシン、アルギニン等のアミノ酸溶液、有機酸溶液または塩溶液とグルコース溶液との混合溶液等が挙げられる。また常法に従い、これらの基剤に浸透圧調整剤、pH調整剤、ゴマ油、ダイズ油等の植物油またはレシチンもしくは非イオン界面活性剤等の界面活性剤等の助剤を加えて、溶液、懸濁液または分散液として注射剤を調製してもよい。これらの注射剤を、粉末化、凍結乾燥等の操作により用時溶解用製剤として調製することもできる。
該予防および/または治療剤は、液体の場合はそのままで、固体の場合は、投与直前に、必要により滅菌処理をした上記の基剤に溶解して使用することができる。
投与方法としては、例えば患者の治療部位に吸収されるように、局所的に投与する方法を挙げることができる。また、非ウイルス遺伝子移入法によっても目的とする治療部位にDNAを輸送することができる。
非ウイルス遺伝子移入法としては、リン酸カルシウム共沈法〔Virology,52,456−467(1973);Science,209,1414−1422(1980)〕、マイクロインジェクション法〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,5399−5403(1980);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,7380−7384(1980);Cell,27,223−231(1981);Nature,294,92−94(1981)〕、リポソームを介した膜融合−介在移入法〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,7413−7417(1987);Biochemistry,28,9508−9514(1989);J.Biol.Chem.,264,12126−12129(1989);Hum.Gene Ther.,3,267−275(1992);Science,249,1285−1288(1990);Circulation,83,2007−2011(1992)〕、直接DNA取り込みまたは受容体−媒介DNA移入法〔Science,247,1465−1468(1990);J.Biol.Chem.,266,14338−14342(1991);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,3655−3659(1991);J.Biol.Chem.,264,16985−16987(1989);BioTechniques,11,474−485(1991);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,3410−3414(1990);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88,4255−4259(1991);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,4033−4037(1990);Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88,8850−8854(1991);Hum.Gene Ther.,3,147−154(1991)〕等をあげることができる。
リガンドのGPR4への結合を阻害する物質としては、例えば、GPR4を認識する抗体、GPR4に拮抗作用を有する化合物等をあげることができる。
上記抗体としては、GPR4を認識する抗体であればいずれも用いることができるが、GPR4を特異的に認識する抗体が好ましい。また該抗体はポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。このような抗体として、例えば、GPR4を認識する中和抗体等をあげることができる。また、ヒト型キメラ抗体、ヒト化抗体等も本発明の抗体として用いることができる。
上記抗体は、例えば、以下の方法に準じて調製することができる。
(1)ポリクローナル抗体の作製
GPR4またはその部分断片ポリペプチドの精製標品、あるいはGPR4の一部のアミノ酸配列を有するペプチドを抗原として用い、動物に投与することによりポリクローナル抗体を作製することができる。
投与する動物としては、ウザギ、ヤギ、ラット、マウス、ハムスター等を用いることができる。
該抗原の投与量は動物1匹当たり50〜100μgが好ましい。
ペプチドを用いる場合は、ペプチドをスカシガイヘモシアニン(keyhole limpet haemocyanin)や牛チログロブリン等のキャリア蛋白に共有結合させたものを抗原とするのが望ましい。抗原とするペプチドは、ペプチド合成機で合成することができる。
該抗原の投与は、1回目の投与の後1〜2週間おきに3〜10回行う。各投与後、3〜7日目に眼底静脈叢より採血し、該血清が免疫に用いた抗原と反応することを酵素免疫測定法〔酵素免疫測定法(ELISA法):医学書院刊(1976年)、Antibodies−A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory(1988)〕等で確認する。
免疫に用いた抗原に対し、その血清が充分な抗体価を示した非ヒト哺乳動物より血清を取得し、該血清を分離、精製することによりポリクローナル抗体を取得することができる。
分離、精製する方法としては、遠心分離、40〜50%飽和硫酸アンモニウムによる塩析、カプリル酸沈殿〔Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,(1988)〕、またはDEAE−セファロースカラム、陰イオン交換カラム、プロテインAまたはG−カラムあるいはゲル濾過カラム等を用いるクロマトグラフィー等を、単独でまたは組み合わせて処理する方法が挙げられる。
(2)モノクローナル抗体の作製
(a)抗体産生細胞の調製
免疫に用いたGPR4またはその部分断片ポリペプチドの精製標品、あるいはGPR4の一部のアミノ酸配列を有するペプチドに対し、その血清が十分な抗体価を示したラットを抗体産生細胞の供給源として供する。
該抗体価を示したラットに抗原物質を最終投与した後3〜7日目に、脾臓を摘出する。
該脾臓をMEM培地(日水製薬社製)中で細断し、ピンセットでほぐし、1,200rpmで5分間遠心分離した後、上清を捨てる。
得られた沈殿画分の脾細胞をトリス−塩化アンモニウム緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理し赤血球を除去した後、MEM培地で3回洗浄し、得られた脾細胞を抗体産生細胞として用いる。
(b)骨髄腫細胞の調製
骨髄腫細胞としては、マウスまたはラットから取得した株化細胞を使用する。例えば、8−アザグアニン耐性マウス(BALB/c由来)骨髄腫細胞株P3−X63Ag8−U1(以下、P3−U1と略す)〔Curr.Topics Microbiol.Immunol.,81,1(1978)、Eur.J.Immunol.,6,511(1976)〕、SP2/0−Ag14(SP−2)〔Nature,276,269(1978)〕、P3−X63−Ag8653(653)〔J.Immunol.,123,1548(1979)〕、P3−X63−Ag8(X63)〔Nature,256,495(1975)〕等を用いることができる。これらの細胞株は、8−アザグアニン培地〔RPMI−1640培地にグルタミン(1.5mmol/l)、2−メルカプトエタノール(5×10−5mol/l)、ジェンタマイシン(10μg/ml)および牛胎児血清(FCS)(CSL社製、10%)を加えた培地(以下、正常培地という)に、さらに8−アザグアニン(15μg/ml)を加えた培地〕で継代するが、細胞融合の3〜4日前に正常培地で培養し、融合には該細胞を2×107個以上用いる。
(c)ハイブリドーマの作製
(a)で取得した抗体産生細胞と(b)で取得した骨髄腫細胞をMEM培地またはPBS(リン酸二ナトリウム1.83g、リン酸一カリウム0.21g、食塩7.65g、蒸留水1リットル、pH7.2)でよく洗浄し、細胞数が、抗体産生細胞:骨髄腫細胞=5〜10:1になるよう混合し、1,200rpmで5分間遠心分離した後、上清を捨てる。
得られた沈殿画分の細胞群をよくほぐし、該細胞群に、攪拌しながら、37℃で、108抗体産生細胞あたり、ポリエチレングリコール−1000(PEG−1000)2g、MEM 2mlおよびジメチルスルホキシド(DMSO)0.7mlを混合した溶液を0.2〜1ml添加し、さらに1〜2分間毎にMEM培地1〜2mlを数回添加する。
添加後、MEM培地を加えて全量が50mlになるように調製する。該調製液を900rpmで5分間遠心分離後、上清を捨てる。得られた沈殿画分の細胞を、ゆるやかにほぐした後、メスピペットによる吸込み、吹出しでゆるやかにHAT培地〔正常培地にヒポキサンチン(10−4mol/l)、チミジン(1.5×10−5mol/l)およびアミノプテリン(4×10−7mol/l)を加えた培地〕100ml中に懸濁する。
該懸濁液を96穴培養用プレートに100μl/穴ずつ分注し、5%CO2インキュベーター中、37℃で7〜14日間培養する。
培養後、培養上清の一部をとリアンチボディイズ〔Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Chapter 14(1988)〕等に述べられている酵素免疫測定法により、本発明のポリペプチドの部分断片ポリペプチドに特異的に反応するハイブリドーマを選択する。
酵素免疫測定法の具体例として、以下の方法をあげることができる。
免疫の際、抗原に用いたGPR4またはその部分断片ポリペプチドの精製標品、あるいはGPR4の一部のアミノ酸配列を有するペプチドを適当なプレートにコートし、ハイブリドーマ培養上清もしくは後述の(d)で得られる精製抗体を第一抗体として反応させ、さらに第二抗体としてビオチン、酵素、化学発光物質あるいは放射線化合物等で標識した抗ラットまたは抗マウスイムノグロブリン抗体を反応させた後に標識物質に応じた反応を行い、抗原に用いたポリペプチドに特異的に反応するものを本発明で用いられるモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマとして選択する。
該ハイブリドーマを用いて、限界希釈法によりクローニングを2回繰り返し〔1回目は、HT培地(HAT培地からアミノプテリンを除いた培地)、2回目は、正常培地を使用する〕、安定して強い抗体価の認められたものを本発明で用いられるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ株として選択する。
(d)モノクローナル抗体の調製
プリスタン処理〔2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン(Pristane)0.5mlを腹腔内投与し、2週間飼育する〕した8〜10週令のマウスまたはヌードマウスに、(c)で取得した本発明で用いられるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞5〜20×106細胞/匹を腹腔内に注射する。10〜21日間でハイブリドーマは腹水癌化する。
該腹水癌化したマウスから腹水を採取し、3,000rpmで5分間遠心分離して固形分を除去する。
得られた上清より、ポリクローナル抗体で用いた方法と同様の方法でモノクローナル抗体を精製、取得することができる。
抗体のサブクラスの決定は、マウスモノクローナル抗体タイピングキットまたはラットモノクローナル抗体タイピングキットを用いて行う。ポリペプチド量は、ローリー法あるいは280nmでの吸光度より算出する。
上記、GPR4を認識する抗体を含有する喘息の予防および/または治療剤は以下のように調製することができる。
該抗体を有効成分として含有する医薬は、該有効成分を単独で投与することも可能ではあるが、通常は該有効成分を薬理学的に許容される一つあるいはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られる任意の方法により製造した医薬製剤として提供するのが望ましい。好ましくは水、あるいは食塩、グリシン、グルコース、ヒトアルブミン等の水溶液等の水性担体に溶解した無菌的な溶液が用いられる。また、製剤溶液を生理的条件に近づけるための緩衝化剤や等張化剤のような、薬理学的に許容される添加剤、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム等を添加することもできる。また、凍結乾燥して貯蔵し、使用時に適当な溶媒に溶解させて用いることもできる。
投与経路は、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口投与、または静脈内投与等の非経口投与をあげることができる。投与形態としては、錠剤、注射剤等が挙げられる。
経口投与に適当な製剤としては、錠剤等が挙げられる。錠剤等は、乳糖、マンニトール等の賦形剤、デンプン等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を添加剤として用いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤としては、注射剤等が挙げられる。例えば、注射剤は、塩溶液、ブドウ糖溶液または両者の混合物からなる担体等を用いて調製する。また、非経口剤においても経口剤で添加剤として例示した成分を添加することもできる。
投与量または投与回数は、目的とする治療効果、投与方法、治療期間、年齢、体重等により異なるが、通常成人1日当たり10μg/kg〜8mg/kgである。
GPR4の構成的活性により生じるシグナル伝達に関する機能を抑制する物質は、該構成的活性により生ずるシグナル伝達を抑制することのできる物質を探索することによっても取得することができる。
GPR4に拮抗作用を有する化合物としては、例えば、式(I)で表される化合物が挙げられる。以下、式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。
化合物(I)の各基の定義において、以下の例示が挙げられる。
(i)低級アルキルおよび低級アルカノイルの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキルが挙げられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル等が挙げられる。
(ii)シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキルが挙げられ、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。
(iii)低級アルケニルとしては、例えば直鎖、分岐または環状の炭素数2〜8のアルケニルが挙げられ、具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、シクロヘキセニル、2,6−オクタジエニル等が挙げられる。
(iv)低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜8のアルキニルが挙げられ、具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル等が挙げられる。
(v)ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の各原子を表す。
(vi)アリールおよびそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される芳香環から水素原子を一つ除いた基としては、例えば炭素数6〜14の単環性、二環性または三環式のアリールが挙げられ、具体的にはフェニル、ナフチル、インデニル、アントラニル等が挙げられる。
(vii)アラルキルおよび複素環アルキルのアルキレン部分は、前記の低級アルキル(i)の定義から水素原子を一つ除いたものと同義である。
(viii)アラルキルのアリール部分としては、前記アリール(vi)の定義で挙げた基に加え、例えば前記アリールがシクロアルキルと縮合した二環性縮合環基が挙げられ、具体的にはインダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプチル等が挙げられる。
(ix)複素環基および複素環アルキルの複素環基部分ならびにそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される複素環から水素原子を一つ除いた基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環式であって窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性複素環基等が挙げられ、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、2−オキソベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、プリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチルリジニル、キノキサリニル、ピロリル、ピラゾリル、キナゾリニル、シンノリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、フリル、ピロリジニル、2,5−ジオキソピロリジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジル、ピペリジノ、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジル、ホモピペリジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ピラニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル、インドリニル等が挙げられる。
(x)隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基としては、例えば少なくとも1個の窒素原子を含む5員または6員の単環性複素環基(該単環性複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)、3〜8員の環が縮合した二環または三環式で少なくとも1個の窒素原子を含む縮環性複素環基(該縮環性複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)等が挙げられ、具体的にはピリジル、テトラヒドロピリジル、インドリニル、イソインドリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジノ、ホモピペリジノ、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ペルヒドロアゼピニル、ペルヒドロアゾシニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、プリニル、ジヒドロインドリル、ピロリル、ジヒドロピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル等が挙げられる。
(xi)置換低級アルキルおよび置換低級アルカノイルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3の、シクロアルキル、低級アルカノイル、低級アルコキシ、アリールオキシ、置換アリールオキシ[該置換アリールオキシにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3の、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ等が挙げられる。ここで低級アルキルは前記低級アルキル(i)と同義であり、ハロゲンは前記ハロゲン(v)と同義であり、低級アルコキシおよび低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は前記低級アルキル(i)と同義である]、アラルキルオキシ、置換アラルキルオキシ[該置換アラルキルオキシにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3の、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ等が挙げられる。ここで低級アルキルは前記低級アルキル(i)と同義であり、ハロゲンは前記ハロゲン(v)と同義であり、低級アルコキシおよび低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は前記低級アルキル(i)と同義である]、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、低級アルキルチオ、置換低級アルキル[該置換低級アルキルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3のヒドロキシ、ハロゲン等が挙げられる]、置換低級アルカノイル[該置換低級アルカノイルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3のハロゲン等が挙げられる]、モノまたはジ低級アルキルアミノ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルカノイルアミノ、モノまたはジ低級アルキルアミノカルボニル、モノまたはジ低級アルキルアミノカルボニルオキシ、複素環基等が挙げられる。
ここで示したアリールオキシおよびアラルキルオキシのアリール部分、シクロアルキル、ハロゲン、複素環基、ならびに低級アルカノイル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルチオ、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、低級アルコキシカルボニルアミノおよび低級アルカノイルアミノの低級アルキル部分は、それぞれ前記アリール(vi)、シクロアルキル(ii)、ハロゲン(v)、複素環基(ix)、および低級アルキル(i)と同義であり、アラルキルオキシのアルキレン部分は、前記低級アルキル(i)から水素原子を一つ除いたものと同義である。
モノまたはジ低級アルキルアミノ、モノまたはジ低級アルキルアミノカルボニルおよびモノまたはジ低級アルキルアミノカルボニルオキシの低級アルキル部分は、それぞれ前記低級アルキル(i)と同義であり、ジ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノカルボニルおよびジ低級アルキルアミノカルボニルオキシの2つの低級アルキル部分は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
(xii)置換アリール、置換アラルキル、置換シクロアルキル、置換低級アルケニル、置換低級アルキニル、置換複素環基、置換複素環アルキル、隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基、それぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される置換芳香環およびそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される置換複素環における置換基としては、前記置換低級アルキルにおける置換基(xi)の定義で挙げた基に加え、低級アルキル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、複素環基、置換複素環基、複素環アルキル、置換複素環アルキル等が挙げられる。さらに、置換アリールおよび隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基は低級アルキル[該低級アルキルは前記低級アルキル(i)と同義である]または置換低級アルキル[該低級アルキルは前記低級アルキル(i)と同義であり、該置換低級アルキルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル等が挙げられる。ここでハロゲンは前記ハロゲン(v)と同義であり、低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は前記低級アルキル(i)と同義である]であってもよい。
ここで示した低級アルキル、アリール、複素環基および複素環アルキルの複素環基部分、アラルキルおよび複素環アルキルのアルキレン部分ならびにアラルキルのアリール部分は、それぞれ前記低級アルキル(i)、アリール(vi)、複素環基(ix)、アラルキルのアルキレン部分(vii)およびアラルキルのアリール部分(viii)と同義である。また、置換アリール、置換アラルキル、置換複素環基、置換複素環アルキルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば置換基数1〜3の、低級アルキル[該低級アルキルは前記低級アルキル(i)と同義である]、低級アルコキシ[該低級アルコキシの低級アルキル部分は前記低級アルキル(i)と同義である]、ハロゲン[該ハロゲンは前記ハロゲン(v)と同義である]等が挙げられる。
化合物(I)の四級アンモニウム塩としては、化合物(I)の塩基性部位にハロゲン化低級アルキル(該低級アルキルおよび該ハロゲンはそれぞれ前記と同義である)、ハロゲン化アラルキル(該ハロゲンおよび該アラルキルはそれぞれ前記と同義である)、ヒドロキシ低級アルキル(該低級アルキルは前記と同義である)等が付加した四級アンモニウム塩であれば特に限定されないが、例えばジメチルアミノ基を有する化合物(I)にヨウ化メチルを作用させて得られる四級アンモニウム塩、ピペリジノ基を有する化合物(I)にヨウ化メチルを作用させて得られる四級アンモニウム塩、ピロリジノ基を有する化合物(I)にヨウ化メチルを作用させて得られる四級アンモニウム塩、モルホリノ基を有する化合物(I)に臭化ベンジルを作用させて得られる四級アンモニウム塩、ピロリジノ基を有する化合物(I)にヨウ化エチルを反応させて得られる四級アンモニウム塩においてヨウ化物イオンと水酸化物イオンが交換されて得られる四級アンモニウム塩等が挙げられる。
化合物(I)の薬理学的に許容される塩としては、毒性のない、水溶性のものが好ましく、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩等の酸付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の金属塩、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等のアンモニウム塩、モルホリン付加塩、ピペリジン付加塩等の有機アミン付加塩、またはグリシン付加塩、フェニルアラニン付加塩、リジン付加塩、アスパラギン酸付加塩、グルタミン酸付加塩等のアミノ酸付加塩等が挙げられる。
次に化合物(I)の製造法について説明する。
なお、以下に示した製造法において、定義した基が反応条件下変化するか、または方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される方法、例えば官能基の保護、脱保護等[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス 第三版(Protective Groups in Organic Synthesis,the third edition)、グリーン(T.W.Greene)、ワッツ(Peter G.M.Wuts)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1999年)]の手段に付すことにより容易に製造を実施することができる。また、必要に応じて置換基導入等の反応工程の順序を変えることもできる。
化合物(I−a)は、以下に示す製造方法によって得ることができる。
製造法1
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、R9は低級アルキル、アリルまたはベンジルを表し、R10およびR11は同一または異なって低級アルキルまたはシクロアルキルを表すか、R10およびR11が隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成し、Uはハロゲン、アルコキシスルホニルオキシ、アリールオキシスルホニルオキシ、アルキルスルホニルオキシまたはアリールスルホニルオキシを表す)
上記の定義において、低級アルキル、シクロアルキルおよびハロゲンはそれぞれ前記と同義である。アルコキシスルホニルオキシおよびアルキルスルホニルオキシのアルキル部分、アリールオキシスルホニルオキシおよびアリールスルホニルオキシのアリール部分は、それぞれ前記低級アルキル、アリールと同義である。隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基は前記と同義である。
<工程1>
化合物(IIIa)を原料として用い、特開平7−61983に開示された方法に従い、1当量〜大過剰のYH(式中、Yは前記と同義である)と反応させることにより、化合物(IV)を得ることができる。なお、化合物(IIIa)は特開平7−61983に開示された方法またはそれに準じた方法により合成することができる。
<工程2>
化合物(IV)を不活性溶媒中、1当量〜大過剰のホルムアルデヒド水溶液存在下に、1当量〜大過剰のR5R6NH(式中、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)またはその塩酸塩と反応させることにより、化合物(I−a)を得ることができる。また、ホルムアルデヒド水溶液に代え、トリオキシメチレン、パラホルムアルデヒド等のホルムアルデヒド等価体を用いることもできる。
反応は通常、酸性条件下で良好に進行するので、必要に応じて塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の酸を反応系内に添加するのが好ましい。反応は通常、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温〜80℃の間の温度で行い、5分間から100時間で終了する。不活性溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、酢酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロエタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトン等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはクロロホルムと酢酸の混合溶媒が用いられる。
化合物(I−b)から、以下に示す方法によって化合物(I−c)を製造することができる。
製造法2
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、R5b、R6b、R8、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程3>
化合物(I−b)を不活性溶媒中、1当量〜大過剰のR8U(式中、R8およびUはそれぞれ前記と同義である)と、通常−10℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温で、1〜48時間反応させることにより、化合物(I−c)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ヘキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトン等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくは酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム等が用いられる。
化合物(I−c)から、以下に示す方法によって化合物(I−b)を製造することができる。
製造法3
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、R5b、R6b、R8、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程4>
化合物(I−c)を不活性溶媒中、1当量〜大過剰のR5R6NH(式中、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)と、通常−10℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは20℃〜100℃の間の温度で、1〜100時間反応させることにより、化合物(I−b)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ヘキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトン等が単独でまたは混合して用いられ、好ましくはクロロホルム、ジメチルホルムアミド等が用いられる。反応は通常、塩基性条件下で良好に進行するので、必要に応じて適当な塩基を反応系内に添加することが望ましい。塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン等を用いることができ、中でもトリエチルアミンが好ましい。
化合物(I−b)中、化合物(I−d)を用い、以下に示す方法によって化合物(I−e)を製造することができる。
製造法4
(式中、R2、R3、R4、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、R14およびR15は同一または異なって水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表すか、R14およびR15が隣接するCH(CH2)mNと一緒になって置換もしくは非置換の複素環を形成してもよい。R16は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換のアリールを表し、mは0〜3の整数を表す)
低級アルキル、シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アラルキル、複素環アルキル、およびアリールはそれぞれ前記と同義であり、それらの置換基もそれぞれ前記と同義である。
R14およびR15が隣接するCH(CH2)mNと一緒になって形成される置換もしくは非置換の複素環としては、テトラヒドロピリジン、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、ピペラジン、ホモピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ペルヒドロアゼピン、ペルヒドロアゾシン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン等があげられ、それらの置換基は前記の隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基の置換基と同義である。
<工程5>
化合物(I−d)を不活性溶媒中、通常−78℃〜40℃の間の温度で、2〜4当量の水素化アルミニウムリチウム、ジイソプロピル水素化アルミニウムリチウム等、好ましくはジイソプロピル水素化アルミニウムリチウム等の還元剤存在下で10分間〜24時間、好ましくは1〜3時間処理することにより化合物(I−e)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはジクロロメタンまたはトルエンが用いられる。
化合物(I−d)から以下に示す方法によって化合物(I−f)を製造することができる。
製造法5
(式中、R2、R3、R4、R14、R15、R16、n、X、Yおよびmはそれぞれ前記と同義である)
<工程6>
化合物(I−d)を不活性溶媒中、通常0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温〜100℃の間の温度で、1当量〜大過剰の適当な塩基存在下、1〜48時間、好ましくは1〜3時間処理することにより化合物(I−f)を得ることができる。
適当な塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド等が例示され、好ましくは水酸化ナトリウムが挙げられる。不活性溶媒としては、例えば水、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはテトラヒドロフランもしくはメタノール、またはそれらと水の混合溶媒が用いられる。
化合物(I−c)中、化合物(I−g)から以下に示す方法によって化合物(I−h)を製造することができる。
製造法6
(式中、R2、R3、R4、n、X、Yおよびmはそれぞれ前記と同義であり、R17およびR18aはそれぞれ前記R14および前記R15と同義であり、Tはアルカリ金属、アンモニウム、トリアルキルシリル、またはトリアルキルチンを表す)
上記の定義においてトリアルキルシリルおよびトリアルキルチンにおけるアルキルは前記低級アルキルと同義である。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等があげられる。
<工程7>
化合物(I−g)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度好ましくは室温〜200℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは2〜4当量のTN3(式中、Tは前記と同義である)と、通常反応を加速させるために触媒量〜大過剰、好ましくは0.5〜2当量の適当な添加剤の存在下、1〜200時間、好ましくは3〜48時間反応させることにより化合物(I−h)を得ることができる。
適当な添加剤としては、例えば四塩化けい素、塩化リチウム、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、塩化トリアルキルすず、酸化ジアルキルすず、トリアルキルアルミニウム、トリエチルアミン・塩酸塩、トリエチルアミン・臭化水素酸塩、水素化ナトリウム、カリウム tert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、臭化亜鉛等が例示され、好ましくは塩化アンモニウム、酸化ジアルキルすず等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えば水、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、酢酸、氷酢酸、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはジメチルホルムアミドまたはトルエンが用いられる。
化合物(I−c)から以下に示す方法によって化合物(I−i)を製造することができる。
製造法7
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、R8、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、R18は置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、Qはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、Qがアルカリ金属の場合にはpは1を表し、Qがアルカリ土類金属の場合にはpは2を表す)
上記の定義においてアルカリ金属は前記アルカリ金属と同義であり、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム等が挙げられる。
<工程8>
化合物(I−c)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは70℃〜80℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは4〜8当量の(R18CO2)pQ(式中、R18、Qおよびpはそれぞれ前記と同義である)と、1〜100時間、好ましくは3〜72時間反応させることにより化合物(I−i)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えばジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはジメチルスルホキシドが用いられる。
化合物(I−c)から以下に示す方法によって化合物(I−j)を製造することができる。
製造法8
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、R7a、R8、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程9>
化合物(I−c)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは30℃〜80℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは2〜8当量のR7aSH(式中、R7aは前記と同義である)と、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量の適当な塩基存在下、1〜100時間、好ましくは3〜72時間反応させることにより化合物(I−j)を得ることができる。
適当な塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン等を用いることができ、中でも1,8−ジアザビシクロ[5.4,0]ウンデック−7−エンが好ましい。不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはクロロホルムが用いられる。
化合物(I−j)中、化合物(I−k)から以下に示す方法によって化合物(I−l)を製造することができる。
製造法9
(式中、R2、R3、R4、R15、R16、m、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程10>
化合物(I−k)を用いて製造法5の工程6と同様な反応を行うことにより化合物(I−l)を製造することができる。
化合物(I−i)から以下に示す方法によって化合物(I−m)を製造することができる。
製造法10
(式中、R2、R3、R4、R18、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程11>
化合物(I−i)を用いて製造法5の工程6と同様な反応を行うことにより化合物(I−m)を製造することができる。
化合物(I−m)から以下に示す方法によって化合物(I−n)を製造することができる。
製造法11
(式中、R2、R3、R4、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、R7cは前記R7の定義から水素を除いた基を表す)
<工程12>
化合物(I−m)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温から80℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量の適当な塩基存在下、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量のR7cU(式中、R7cおよびUはそれぞれ前記と同義である)と、1〜48時間、好ましくは3〜24時間反応させることにより化合物(I−n)を得ることができる。
適当な塩基としては、例えば炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、低級アルキルリチウム等が例示され、好ましくは、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはクロロホルムが用いられる。
化合物(I−m)においてn=1である化合物(I−ma)から以下に示す方法によって化合物(I−o)を製造することができる。
製造法12
(式中、R2、R3、R4、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程13>
化合物(I−ma)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温から60℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは3〜6当量の適当な酸化剤存在下、1〜48時間、好ましくは3〜24時間処理することにより化合物(I−o)を得ることができる。
適当な酸化剤としては、例えば二酸化マンガン、クロム酸、クロロクロム酸ピリジニウム、ニクロム酸ピリジニウム、過マンガン酸カリウム、三酸化硫黄−ピリジン、オキソン等が挙げられ、好ましくは二酸化マンガンが挙げられる。不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸、水、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等が用いられる。
化合物(I−o)から以下に示す方法によって化合物(I−p)を製造することができる。
製造法13
(式中、R2、R3、R4、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程14>
化合物(I−o)を不活性溶媒中、0℃から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは室温から90℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量のヒドロキシルアミンもしくはその塩酸塩、硫酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等、o−フェニルカーバミルヒドロキルアミンもしくはその塩酸塩、硫酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等、またはN−ヒドロキシベンズアミド、好ましくはヒドロキシルアミンと、1〜48時間、好ましくは3〜24時間反応させることにより化合物(I−p)を得ることができる。必要により、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量の適当な脱水剤の添加や、1当量〜大過剰、好ましくは2〜6当量の適当な塩基の添加、またはマイクロ波照射を行ってもよい。
適当な脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水フタル酸、硫酸水素ナトリウム、オキソン、ギ酸ナトリウム、酸化ジアルキルすず、アルミナ、シリカゲル、酢酸ナトリウム、ホルムアミド、五酸化二リン、塩化鉄(III)、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オキシ塩化リン、パラトルエンスルホン酸等が例示され、好ましくは無水酢酸、無水フタル酸等が挙げられる。適当な塩基としては、例えばトリエチルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が例示され、好ましくはトリエチルアミンまたはピリジンが挙げられる。
不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはアセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が用いられる。
化合物(I−p)から以下に示す方法によって化合物(I−q)を製造することができる。
製造法14
(式中、R2、R3、R4、T、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程15>
化合物(I−p)を用いて製造法6の工程7と同様な反応を行うことにより化合物(I−q)を製造することができる。
化合物(I−c)から以下に示す方法によって化合物(I−r)を製造することができる。
製造法15
(式中、R2、R3、R4、R5b、R6b、R8、U、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、Qaは前記と同義のアルカリ金属を表す)
<工程16>
化合物(I−c)を不活性溶媒中、室温から反応に用いた溶媒の沸点の間の温度、好ましくは40℃〜80℃の間の温度で、1当量〜大過剰、好ましくは2〜4当量のQaCN(式中、Qaは前記と同義である)、好ましくは青酸ナトリウムと、1〜48時間、好ましくは3〜24時間反応させることにより化合物(I−r)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等を単独でまたは混合して用いることができ、好ましくはジメチルホルムアミド等が用いられる。
化合物(I−r)から以下に示す方法によって化合物(I−s)を製造することができる。
製造法16
(式中、R2、R3、R4、T、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程17>
化合物(I−r)を用いて製造法6の工程7と同様な反応を行うことにより化合物(I−s)を製造することができる。
化合物(I−r)から以下に示す方法によって化合物(I−t)を製造することができる。
製造法17
(式中、R2、R3、R4、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程18>
化合物(I−r)を用いて製造法5の工程6と同様な反応を行うことにより化合物(I−t)を製造することができる。
化合物(IIIb)から以下に示す方法によって化合物(I−u)を製造することができる。
製造法18
(式中、R2、R3、R4、R5、R6、R5b、R6b、R7c、R8、R9、R10、R11、R18、Q、p、U、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程19>
化合物(IIIb)を用いて製造法7の工程8と同様な反応を行うことにより化合物(V)を製造することができる。
<工程20>
化合物(V)を用いて製造法5の工程6と同様な反応を行うことにより化合物(VI)を製造することができる。
<工程21>
化合物(VI)を用いて製造法12の工程13と同様な反応を行うことにより化合物(VII)を製造することができる。
<工程22>
化合物(VII)を不活性溶媒中、通常0℃〜80℃の間の温度で、2〜4当量の硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(II)、クロム酸、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロロクロム酸ピリジニウム、過マンガン酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、過酸化水素、亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤、好ましくは硝酸銀または過塩素酸ナトリウム存在下で、10分間〜24時間、好ましくは1〜4時間処理することにより化合物(VIII)を製造することができる。必要により、添加剤として、0.1〜4当量の酢酸等の有機物、または硫酸、リン酸二水素ナトリウム、スルファミン酸、酸化ルテミウム等の無機物を加えてもよい。
不活性溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸メチル、メチルエチルケトン、塩酸、酢酸、無水酢酸、硫酸、水等が挙げられ、好ましくはアセトニトリル、水等が挙げられ、これらは単独でまたは混合して用いることができる。
<工程23>
化合物(VIII)を不活性溶媒中、通常0℃〜80℃の間の温度、好ましくは室温で、1〜20当量のハロゲン化剤と10分間〜24時間反応させ、その後、1当量〜大過剰のR7cOH(式中、R7cは前記と同義である)と反応させることにより化合物(IX)を製造することができる。
ハロゲン化剤としては、例えば塩化チオニル、オキサリルクロリド、オキシ塩化リン等が挙げられ、好ましくは塩化チオニルが挙げられる。不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらは単独でまたは混合して用いることができる。不活性溶媒として好ましくはジクロロメタンが挙げられる。
<工程24>
化合物(IX)を用いて製造法1の工程2と同様な反応を行うことにより化合物(X)を製造することができる。
<工程25>
化合物(X)を用いて製造法2の工程3と同様な反応を行うことにより化合物(XI)を製造することができる。
<工程26>
化合物(XI)を用いて製造法1の工程1と同様な反応を行うことにより化合物(I−u)を製造することができる。
化合物(I−u)から以下に示す方法によって化合物(I−v)を製造することができる。
製造法19
(式中、R2、R3、R4、R7c、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程27>
化合物(I−u)を用いて製造法5の工程6と同様な反応を行うことにより化合物(I−v)を製造することができる。
化合物(I−v)から以下に示す方法によって化合物(I−w)を製造することができる。
製造法20
(式中、R2、R3、R4、R5a、R6a、XおよびYはそれぞれ前記と同義である)
<工程28>
化合物(I−v)を不活性溶媒中、通常0℃〜80℃の間の温度、好ましくは室温で、1〜20当量のハロゲン化剤と10分間〜24時間反応させ、その後、1当量〜大過剰のR5aR6aNH(式中、R5aおよびR6aはそれぞれ前記と同義である)と反応させることにより化合物(I−w)を製造することができる。必要に応じて、1当量〜大過剰の適当な塩基を加えてもよい。
ハロゲン化剤としては、例えば塩化チオニル、オキサリルクロリド、オキシ塩化リン等が挙げられ、好ましくは塩化チオニルが挙げられる。適当な塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等が例示され、好ましくはトリエチルアミンが挙げられる。不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。不活性溶媒として好ましくはジクロロメタンが挙げられる。
化合物(I−w)の製造においては、ペプチド化学で常用される手法を用いることもできる。すなわち、化合物(I−v)に不活性溶媒中、0.5〜10当量の適当な縮合剤と共に1〜10当量のR5aR6aNH(式中、R5aおよびR6aはそれぞれ前記と同義である)を加え、通常、0℃〜50℃の間の温度で10分間〜70時間反応させることにより化合物(I−w)を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、酢酸エチル、ピリジン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられ、好ましくはテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
適当な縮合剤としては、例えば1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド結合ポリスチレンレジン(EDCレジン)等が挙げられる。また、N−ヒドロキシこはく酸イミド、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等、好ましくは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等の添加剤を加えることもできる。
EDCレジンは、テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)、34巻、48号、7685頁(1993年)記載の方法で製造することができる。
化合物(I)中、化合物(I−x)から、以下に示す方法によって化合物(I−y)を製造することができる。
製造法21
(式中、R1、R3、R4、n、XおよびYはそれぞれ前記と同義であり、R22およびR23は同一または異なって水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表す)
上記の定義において低級アルキル、シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アラルキル、および複素環アルキルはそれぞれ前記と同義であり、それらの置換基もそれぞれ前記と同義である。
<工程29>
化合物(I−x)を不活性溶媒中、1当量〜大過剰の、好ましくは1〜10当量のR22R23CO(式中、R22およびR23はそれぞれ前記と同義である)と、1当量〜大過剰、好ましくは1〜3当量の適当な還元剤の存在下、通常−78℃〜100℃の間の温度、好ましくは0℃〜50℃の間の温度で10分間〜48時間反応させることにより化合物(I−y)を得ることができる。
適当な還元剤としては、例えば水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられ、好ましくはシアノ水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。必要により、触媒量〜溶媒量、好ましくは0.5当量〜溶媒量の適当な酸を添加してもよい。適当な酸としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、塩酸等が挙げられ、好ましくは酢酸が挙げられる。
不活性溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ヘキサン、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、塩酸等が例示され、これらを単独でまたは混合して用いることができる。好ましくは、テトラヒドロフラン、酢酸等が挙げられる。
化合物(I)および原料化合物における各官能基の変換および置換基に含まれる官能基の変換は、公知の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ 第二版(Comprehensive Organic Transformations,the second edition)、R.C.ラロック(Larock)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレーティッド(John Wiley & Sons Inc.)(1999年)に記載の方法]等によって行うことができる。
上記の方法等を適宜組み合わせて実施することにより、所望の位置に所望の官能基を有する化合物(I)を得ることができる。
上記製造法における中間体および生成物の単離・精製は、通常の有機合成で用いられる方法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、各種クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて行うことができる。さらに一般的な並列合成法で常用される精製法、例えば、スカベンジャーレジン、イオン交換レジンを用いた精製法によっても行うことができる。また、中間体においては、特に精製することなく次の反応に供することもできる。
化合物(I)には、位置異性体、幾何異性体、光学異性体または互変異性体のような異性体が存在し得るものもあるが、これらを含め可能な全ての異性体および該異性体のいかなる比率における混合物も本発明の喘息の予防および/または治療剤に使用できる。
化合物(I)の塩を取得したい場合には、化合物(I)の塩が得られるときはそのまま精製すればよく、また化合物(I)が遊離の形で得られるときは化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて単離・精製すればよい。
また、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の喘息の予防および/または治療剤に使用できる。
以下、第1表〜第13表に本発明の喘息の予防および/または治療剤として用いられる化合物(I)の具体例を示すが、本発明の喘息の予防および/または治療剤として用いられる化合物範囲はこれらの化合物に限定されることはない。
第1図は化合物1(腹腔内投与)の抗原誘発気道収縮に対する抑制作用を示す。第1図において符号(##、**)は各々下記の意味を表す。
##:p=0.0043(陽性対照群の陰性対照群対比;student’s t−test)
**:p=0.0047(化合物1腹腔内投与群の陽性対照群対比;student’s t−test)
第2図は化合物1(経口投与)の抗原誘発気道収縮に対する抑制作用を示す。第2図において符号(###、*)は各々下記の意味を表す。
###:p〈0.0001(陽性対照群の陰性対照群対比;student’s t−test)
*:p=0.0248(化合物1経口投与群の陽性対照群対比;student’s t−test)
第3図は化合物1の抗原誘発気道過敏性に対する抑制作用を示す。第3図において符号(#)は下記の意味を表す。
#:p=0.0182(陽性対照群の陰性対照群対比;student’s t−test)
第4図は化合物1の抗原誘発気道内好酸球浸潤に対する抑制作用を示す。第4図において符号(###、***)は各々下記の意味を表す。
###:p=0.0009(陽性対照群の陰性対照群対比;Aspin−Welch test)
***:p=0.0030(化合物1投与群の陽性対照群対比;student’s t−test)
****:p=0.0015(比較対照群の陽性対照群対比;student’s t−test)
次に化合物の薬理作用について試験例で説明する。
試験例1:GPR4拮抗作用
参考例61で得られたGPR4のアッセイ細胞(該アッセイ細胞は17β−エストラジオールの刺激によりGPR4を発現する)を白色プレートに1ウェル当たり105個播種し、反応液中10nmol/Lになるように17β−エストラジオール(17β−estradiol、シグマ社製)を培地で希釈したものと試験化合物を加え、37℃、5%CO2インキュベーター中で6時間反応させた。その後、Steady Glo Luciferase Assay System(Promega社製)溶液を加えて反応を停止し、トップカウント(Packard,Meriden,CT,USA)で1秒間の発光量を測定した。
試験化合物の活性(拮抗作用)は、下の式に示す通り17β−エストラジオール添加時と非添加時のカウント数(count per second)をもとに算出した阻害率で表した。IC50値は、阻害率からLogit−Log変換法の線形近似解析法によって算出した。
式中、A、B、Cはそれぞれ以下の意味を表す。
A:17β−エストラジオールおよび試験化合物を添加時のカウント数
B:17β−エストラジオールおよび試験化合物の両方とも非添加時のカウント数
C:17β−エストラジオールのみ添加時のカウント数
阻害率(%)=[1−{(A−B)/(C−B)}]X100
結果を第15表に示す。
以上の結果より、化合物(I)が、GPR4に拮抗することが示された。
試験例2:抗原誘発気道収縮、気道過敏性および気道内好酸球浸潤に対する抑制作用
BALB/c雄性マウス(7週齢)に50μg卵白アルブミンおよび1mg水酸化アルミニウムを生理食塩液(大塚生食注、大塚製薬)に混合させて得られた混合液を1週間の間隔をあけて2回腹腔内投与して感作し、最終感作14日、18日および22日後に1%卵白アルブミン生理食塩溶液または生理食塩液(陰性対照群)をそれぞれ30分間吸入させ抗原抗体反応を惹起した。気道収縮反応測定の場合は、0.5%メチルセルロース水溶液(溶媒)に化合物1を懸濁し、最終感作14日後の抗原吸入1時間前に100mg/kgを経口投与、または5分前に30mg/kgを腹腔内投与した。気道過敏性または気道内好酸球浸潤を測定する際には、化合物1を上記と同様に懸濁し、最終感作14日、18日および22日後の各抗原吸入1時間前と6時間後に100mg/kgで経口投与し、比較対照として、喘息治療に用いられているステロイド類であるプレドニゾロンを最終感作14日、18日および22日後の各抗原吸入1時間前に30mg/kg(0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁させた溶液として)で1回ずつ経口投与した。陽性対照群には試験化合物懸濁液の代わりに溶媒を投与した(気道収縮反応測定の場合、経口投与では最終感作14日後の抗原吸入1時間前に1回、腹腔内投与では最終感作14日後の抗原吸入30分前に1回、溶媒を投与した。気道過敏性および気道内好酸球浸潤を測定する場合は、最終感作14日、18日および22日後の各抗原吸入の1時間前と6時間後にそれぞれ溶媒を投与した)。
気道収縮反応は最終感作14日後の抗原吸入直後から30分間の気道抵抗(penh)をマウス呼吸機能測定装置(BioSystem XA;Buxco Electronics,Inc.,Sharon,CT,USA)で測定し、30分間の曲線下面積(AUC0−30min)を算出して評価した。また、最終抗原吸入の24時間後に気道過敏性および気管支肺胞洗浄液中の好酸球浸潤を評価した。
気道過敏性試験は1.5−25mg/mLのメサコリンを3分間吸入(最終感作22日後の24時間後に吸入)させた後の気道反応をマウス呼吸機能測定装置(BioSystem XA;Buxco Electronics,Inc.,Sharon,CT,USA)で測定し、メサコリン用量−気道反応曲線から曲線下面積(AUC)を算出して評価した。好酸球浸潤は回収した肺胞洗浄液中の総細胞数を自動血球数測定装置(Celltac α MEK−6158;日本光電、東京)で測定した後、塗沫標本をCytospin3(Shandon,Inc.,Pittsburgh,PA,USA)で作製し、顕微鏡下、形態学的に分類して評価した。好酸球数は総細胞数に好酸球の細胞の百分率を乗じて算出した。試験は一群10匹で実施した。
気道収縮に関する結果を第1図(腹腔内投与)と第2図(経口投与)、気道過敏性に関する結果を第3図、気道内好酸球浸潤に関する結果を第4図に示す。
第1図に示すように、陽性対照群の気道収縮反応のAUC0−30min(18.22±1.02,平均±標準誤差)は陰性対照群のAUC0−30min(14.77±0.27)と比べ有意に増加(P=0.0043、student’s t−test)した。化合物1腹腔内投与群のAUC0−30minは14.60±0.46であり、陽性対照群と比べ、気道収縮反応を105%有意に抑制した(P=0.0047、student’s t−test)。
第2図に示すように、陽性対照群の気道収縮反応のAUC0−30min(19.61±0.75,平均±標準誤差)は陰性対照群のAUC0−30min(13.37±0.20)と比べ有意に増加(P〈0.0001、student’s t−test)した。化合物1経口投与群のAUC0−30minは16.85±0.84であり、陽性対照群と比べ、気道収縮反応を44%有意に抑制した(P=0.0248、student’s t−test)。
第3図に示すように、陽性対照群の気道過敏性のAUC(335.13±52.6,平均±標準誤差)は陰性対照群のAUC(184.7±27.5)と比べ有意に増加(P=0.0182、student’s t−test)した。化合物1投与群のAUCは243.23±48.7であり、陽性対照群と比べ、気道過敏性を60%抑制した。プレドニゾロン投与群のAUCは269.12±46.7であり、陽性対照群と比べ、気道過敏性を43%抑制した。
第4図に示すように、陰性対照群の気管支肺胞洗浄液中の好酸球数は一個体あたり0.00±0.00x105個であり、陽性対照群では2.77±0.46x105個と顕著な増加が認められた(P=0.0009、Aspin−Welch test)。化合物1投与群およびプレドニゾロン投与群での好酸球数は一個体あたりそれぞれ0.92±0.26x105個、0.76±0.25x105個であった。陽性対照群と比べ、化合物1投与群では、好酸球数を67%有意に減少させた(P=0.0030、student’s t−test)。プレドニゾロン投与群では、好酸球数を73%有意に減少させた(P=0.0015、student’s t−test)。
以上の結果から、配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質は掻痒治療剤として有用であることが示唆された。
本発明に係る医薬は、式(I)で表される含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩、ならびにそれらの水和物および溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含むことを特徴とする。本発明に係る医薬としては、有効成分である上記物質をそのまま投与してもよいが、一般的には、有効成分である上記の物質と1または2以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態で投与することが望ましい。このような医薬組成物は、それ自体製剤学の分野で周知または慣用の方法に従って製造することが可能である。また、医薬組成物の形態である本発明に係る医薬には、他の医薬の有効成分が1または2以上含まれていてもよい。なお、本発明の医薬は、ヒトを含む哺乳類動物に適用可能である。
本発明の医薬の投与経路は特に限定されず、経口投与または静脈内投与等の非経口投与のいずれかから治療および/または予防のために最も効果的な投与経路を適宜選択することができる。経口投与に適する製剤の例としては、例えば、錠剤等を挙げることができ、非経口投与に適する製剤の例としては、例えば、注射剤等を挙げることができる。
錠剤等の固形製剤の製造には、例えば、乳糖、マンニット等の賦形剤;デンプン等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤;脂肪酸エステル等の界面活性剤;グリセリン等の可塑剤等を用いることができる。
非経口投与に適する製剤のうち注射剤等の血管内投与用製剤は、好ましくはヒト血液と等張の水性媒体を用いて調製することができる。例えば、注射剤は、塩溶液、ブドウ糖溶液、塩水とブドウ糖溶液の混合物等から選ばれる水性媒体を用い、常法に従って適当な助剤とともに溶液、懸濁液、または分散液として調製することができる。非経口用の製剤の製造には、例えば、希釈剤、香料、防腐剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤等から選択される1または2以上の製剤用添加物を用いることもできる。
本発明の医薬の投与量および投与頻度は特に限定されず、有効成分である上記物質の種類、投与経路、治療および/または予防の目的、患者の年齢および体重、症状の性質および重篤度等の種々の条件に応じて適宜選択することが可能である。例えば、成人1日当り0.1〜100mg/kgを3〜4回に分けて投与するのが好ましい。しかしながら、これら投与量および投与回数は前述の種々の条件等により変動する。
##:p=0.0043(陽性対照群の陰性対照群対比;student’s t−test)
**:p=0.0047(化合物1腹腔内投与群の陽性対照群対比;student’s t−test)
第2図は化合物1(経口投与)の抗原誘発気道収縮に対する抑制作用を示す。第2図において符号(###、*)は各々下記の意味を表す。
###:p〈0.0001(陽性対照群の陰性対照群対比;student’s t−test)
*:p=0.0248(化合物1経口投与群の陽性対照群対比;student’s t−test)
第3図は化合物1の抗原誘発気道過敏性に対する抑制作用を示す。第3図において符号(#)は下記の意味を表す。
#:p=0.0182(陽性対照群の陰性対照群対比;student’s t−test)
第4図は化合物1の抗原誘発気道内好酸球浸潤に対する抑制作用を示す。第4図において符号(###、***)は各々下記の意味を表す。
###:p=0.0009(陽性対照群の陰性対照群対比;Aspin−Welch test)
***:p=0.0030(化合物1投与群の陽性対照群対比;student’s t−test)
****:p=0.0015(比較対照群の陽性対照群対比;student’s t−test)
次に化合物の薬理作用について試験例で説明する。
試験例1:GPR4拮抗作用
参考例61で得られたGPR4のアッセイ細胞(該アッセイ細胞は17β−エストラジオールの刺激によりGPR4を発現する)を白色プレートに1ウェル当たり105個播種し、反応液中10nmol/Lになるように17β−エストラジオール(17β−estradiol、シグマ社製)を培地で希釈したものと試験化合物を加え、37℃、5%CO2インキュベーター中で6時間反応させた。その後、Steady Glo Luciferase Assay System(Promega社製)溶液を加えて反応を停止し、トップカウント(Packard,Meriden,CT,USA)で1秒間の発光量を測定した。
試験化合物の活性(拮抗作用)は、下の式に示す通り17β−エストラジオール添加時と非添加時のカウント数(count per second)をもとに算出した阻害率で表した。IC50値は、阻害率からLogit−Log変換法の線形近似解析法によって算出した。
式中、A、B、Cはそれぞれ以下の意味を表す。
A:17β−エストラジオールおよび試験化合物を添加時のカウント数
B:17β−エストラジオールおよび試験化合物の両方とも非添加時のカウント数
C:17β−エストラジオールのみ添加時のカウント数
阻害率(%)=[1−{(A−B)/(C−B)}]X100
結果を第15表に示す。
以上の結果より、化合物(I)が、GPR4に拮抗することが示された。
試験例2:抗原誘発気道収縮、気道過敏性および気道内好酸球浸潤に対する抑制作用
BALB/c雄性マウス(7週齢)に50μg卵白アルブミンおよび1mg水酸化アルミニウムを生理食塩液(大塚生食注、大塚製薬)に混合させて得られた混合液を1週間の間隔をあけて2回腹腔内投与して感作し、最終感作14日、18日および22日後に1%卵白アルブミン生理食塩溶液または生理食塩液(陰性対照群)をそれぞれ30分間吸入させ抗原抗体反応を惹起した。気道収縮反応測定の場合は、0.5%メチルセルロース水溶液(溶媒)に化合物1を懸濁し、最終感作14日後の抗原吸入1時間前に100mg/kgを経口投与、または5分前に30mg/kgを腹腔内投与した。気道過敏性または気道内好酸球浸潤を測定する際には、化合物1を上記と同様に懸濁し、最終感作14日、18日および22日後の各抗原吸入1時間前と6時間後に100mg/kgで経口投与し、比較対照として、喘息治療に用いられているステロイド類であるプレドニゾロンを最終感作14日、18日および22日後の各抗原吸入1時間前に30mg/kg(0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁させた溶液として)で1回ずつ経口投与した。陽性対照群には試験化合物懸濁液の代わりに溶媒を投与した(気道収縮反応測定の場合、経口投与では最終感作14日後の抗原吸入1時間前に1回、腹腔内投与では最終感作14日後の抗原吸入30分前に1回、溶媒を投与した。気道過敏性および気道内好酸球浸潤を測定する場合は、最終感作14日、18日および22日後の各抗原吸入の1時間前と6時間後にそれぞれ溶媒を投与した)。
気道収縮反応は最終感作14日後の抗原吸入直後から30分間の気道抵抗(penh)をマウス呼吸機能測定装置(BioSystem XA;Buxco Electronics,Inc.,Sharon,CT,USA)で測定し、30分間の曲線下面積(AUC0−30min)を算出して評価した。また、最終抗原吸入の24時間後に気道過敏性および気管支肺胞洗浄液中の好酸球浸潤を評価した。
気道過敏性試験は1.5−25mg/mLのメサコリンを3分間吸入(最終感作22日後の24時間後に吸入)させた後の気道反応をマウス呼吸機能測定装置(BioSystem XA;Buxco Electronics,Inc.,Sharon,CT,USA)で測定し、メサコリン用量−気道反応曲線から曲線下面積(AUC)を算出して評価した。好酸球浸潤は回収した肺胞洗浄液中の総細胞数を自動血球数測定装置(Celltac α MEK−6158;日本光電、東京)で測定した後、塗沫標本をCytospin3(Shandon,Inc.,Pittsburgh,PA,USA)で作製し、顕微鏡下、形態学的に分類して評価した。好酸球数は総細胞数に好酸球の細胞の百分率を乗じて算出した。試験は一群10匹で実施した。
気道収縮に関する結果を第1図(腹腔内投与)と第2図(経口投与)、気道過敏性に関する結果を第3図、気道内好酸球浸潤に関する結果を第4図に示す。
第1図に示すように、陽性対照群の気道収縮反応のAUC0−30min(18.22±1.02,平均±標準誤差)は陰性対照群のAUC0−30min(14.77±0.27)と比べ有意に増加(P=0.0043、student’s t−test)した。化合物1腹腔内投与群のAUC0−30minは14.60±0.46であり、陽性対照群と比べ、気道収縮反応を105%有意に抑制した(P=0.0047、student’s t−test)。
第2図に示すように、陽性対照群の気道収縮反応のAUC0−30min(19.61±0.75,平均±標準誤差)は陰性対照群のAUC0−30min(13.37±0.20)と比べ有意に増加(P〈0.0001、student’s t−test)した。化合物1経口投与群のAUC0−30minは16.85±0.84であり、陽性対照群と比べ、気道収縮反応を44%有意に抑制した(P=0.0248、student’s t−test)。
第3図に示すように、陽性対照群の気道過敏性のAUC(335.13±52.6,平均±標準誤差)は陰性対照群のAUC(184.7±27.5)と比べ有意に増加(P=0.0182、student’s t−test)した。化合物1投与群のAUCは243.23±48.7であり、陽性対照群と比べ、気道過敏性を60%抑制した。プレドニゾロン投与群のAUCは269.12±46.7であり、陽性対照群と比べ、気道過敏性を43%抑制した。
第4図に示すように、陰性対照群の気管支肺胞洗浄液中の好酸球数は一個体あたり0.00±0.00x105個であり、陽性対照群では2.77±0.46x105個と顕著な増加が認められた(P=0.0009、Aspin−Welch test)。化合物1投与群およびプレドニゾロン投与群での好酸球数は一個体あたりそれぞれ0.92±0.26x105個、0.76±0.25x105個であった。陽性対照群と比べ、化合物1投与群では、好酸球数を67%有意に減少させた(P=0.0030、student’s t−test)。プレドニゾロン投与群では、好酸球数を73%有意に減少させた(P=0.0015、student’s t−test)。
以上の結果から、配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質は掻痒治療剤として有用であることが示唆された。
本発明に係る医薬は、式(I)で表される含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩、ならびにそれらの水和物および溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含むことを特徴とする。本発明に係る医薬としては、有効成分である上記物質をそのまま投与してもよいが、一般的には、有効成分である上記の物質と1または2以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態で投与することが望ましい。このような医薬組成物は、それ自体製剤学の分野で周知または慣用の方法に従って製造することが可能である。また、医薬組成物の形態である本発明に係る医薬には、他の医薬の有効成分が1または2以上含まれていてもよい。なお、本発明の医薬は、ヒトを含む哺乳類動物に適用可能である。
本発明の医薬の投与経路は特に限定されず、経口投与または静脈内投与等の非経口投与のいずれかから治療および/または予防のために最も効果的な投与経路を適宜選択することができる。経口投与に適する製剤の例としては、例えば、錠剤等を挙げることができ、非経口投与に適する製剤の例としては、例えば、注射剤等を挙げることができる。
錠剤等の固形製剤の製造には、例えば、乳糖、マンニット等の賦形剤;デンプン等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤;脂肪酸エステル等の界面活性剤;グリセリン等の可塑剤等を用いることができる。
非経口投与に適する製剤のうち注射剤等の血管内投与用製剤は、好ましくはヒト血液と等張の水性媒体を用いて調製することができる。例えば、注射剤は、塩溶液、ブドウ糖溶液、塩水とブドウ糖溶液の混合物等から選ばれる水性媒体を用い、常法に従って適当な助剤とともに溶液、懸濁液、または分散液として調製することができる。非経口用の製剤の製造には、例えば、希釈剤、香料、防腐剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤等から選択される1または2以上の製剤用添加物を用いることもできる。
本発明の医薬の投与量および投与頻度は特に限定されず、有効成分である上記物質の種類、投与経路、治療および/または予防の目的、患者の年齢および体重、症状の性質および重篤度等の種々の条件に応じて適宜選択することが可能である。例えば、成人1日当り0.1〜100mg/kgを3〜4回に分けて投与するのが好ましい。しかしながら、これら投与量および投与回数は前述の種々の条件等により変動する。
以下に、本発明を参考例および実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等により限定されることはない。
下記参考例中の各化合物の物理化学的データは、以下の機器類によって測定した。
1H NMR:JEOL JNM−EX270(270MHz)またはJEOL JNM−GX270(270MHz)
MS:Micromass LCTまたはMicromass Quatro(APCI法により測定)
参考例1:化合物1{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
特開平7−61983に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン(30.0g,78.4mmol)をクロロホルム(300mL)と酢酸(300mL)の混合溶媒に溶解し、1−メチルピペラジン(23.6g,236mmol)およびホルムアルデヒド(37%水溶液、7.64g,94.1mmol)を加え、60℃に加熱し、18時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、氷冷下に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。析出した結晶を酢酸エチルでトリチュレーションし、化合物1(27.4g,55.4mmol,収率71%)を得た。
APCI−MS:m/z495([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),2.27(s,3H),2.45(m,8H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),3.38(s,2H),5.34(s,2H),6.00(s,1H),6.57−6.66(m,2H),6.79−7.00(m,5H).
また、対応するフマル酸塩を以下の方法に従って調製した。
上記の化合物1(15g)をメタノール(110mL)に溶解し、フマル酸7.0g(2.0当量)を加えた。結晶の析出した懸濁液を一旦濃縮乾固し、アセトニトリル(100mL)を加え懸濁液を1時間以上攪拌した。その後、結晶を濾取して、減圧下、乾燥することによりにより化合物1の2フマル酸塩を得た(20.1g,収率91%)。
参考例2:化合物2{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
1−メチルピペラジンの代わりに1,2,3,6−テトラヒドロピリジンを用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率20%で化合物2を得た。
APCI−MS:m/z478([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.04(m,2H),2.53(t,J=5.7Hz,2H),2.60(s,3H),2.62(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.86−3.02(m,6H),3.45(s,2H),5.33(s,2H),5.64(m,1H),5.74(m,1H),6.02(s,1H),6.57−6.70(m,2H),6.78−6.82(m,2H),6.88(s,1H),6.95−7.00(m,2H).
参考例3:化合物3{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
1−メチルピペラジンの代わりにピロリジンを用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率20%で化合物3を得た。
APCI−MS:m/z466([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),1.78(m,4H),2.50(m,4H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.50(s,2H),5.34(s,2H),6.02(s,1H),6.58−6.66(m,2H),6.79−6.81(m,2H),6.88(s,1H),6.98−7.02(m,2H).
参考例4:化合物4{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−モルホリノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
1−メチルピペラジンの代わりにモルホリンを用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率46%で化合物4を得た。
APCI−MS:m/z482([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.43(m,4H),2.60(m,3H),2.63(m,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.38(s,2H),3.69(m,4H),5.34(s,2H),6.07(s,1H),6.58−6.67(m,2H),6.78−6.81(m,2H),6.88(s,1H),6.96−7.01(m,2H).
参考例5:化合物5〜化合物12の合成
特開平7−61983に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン(19mg,0.050mmol)をクロロホルム(0.30mL)と酢酸(0.30mL)の混合溶媒に溶解し、対応するR5R6NHのクロロホルム溶液(1.0mol/L,0.15mL)およびホルムアルデヒド(37%水溶液、0.005mL)を加え、60℃に加熱し、20時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、溶媒を留去し、残渣をクロロホルムに溶解させ、水洗を2回施した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、残渣にクロロホルム(0.50mL)およびN−メチルイサト酸無水物 ポリスチレン(N−Methylisatoicanhydride polystylene、ノババイオケム社製、0.15mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物中のレジンを濾別し、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(ボンデシルSCX、バリアン社製、2mol/Lアンモニア−メタノール溶液で溶出)で精製し、目的物である化合物5〜化合物12を得た。
化合物の構造を第1表に、分析値(APCI−MS)を第14表に記した。
参考例6:化合物13{ヨウ化 1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−1−メチルピロリジニウム}の合成
参考例3で得られた化合物3(11.4g,24.5mmol)をジクロロメタン(200mL)に溶解し、ヨウ化メチル(1.98mL,31.8mmol)を加え、室温で10時間撹拌した。反応溶液を減圧下、濃縮した後、酢酸エチルを加えた。得られた懸濁液を60℃に加熱し0.5時間撹拌し、その後室温で1時間撹拌した。析出した固体を濾取して、化合物13(13.7g,22.5mmol,収率92%)を得た。
APCI−MS:m/z480([M−I]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.6Hz,3H),2.13(br s,2H),2.25(br s,2H),2.58(s,3H),2.62(s,2H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.85(m,4H),3.06(s,3H),3.52(br s,2H),3.83(br s,2H),4.74(s,2H),5.32(s,2H),6.76(m,2H),6.88(s,1H),6.95−7.18(m,4H),7.43(s,1H).
参考例7:化合物14{2−(2,5−ジヒドロピロール−1−イルメチル)−8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
1−メチルピペラジンの代わりに2,5−ジヒドロピロールを用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983号に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率82%で化合物14を得た。
APCI−MS:m/z464([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.59(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.9−3.1(m,4H),3.45(s,4H),3.70(s,2H),5.34(s,2H),5.87(s,2H),6.07(s,1H),6.59(d,J=8.7Hz,2H),6.63(d,J=8.7Hz,2H),6.75−6.85(m,2H),6.88(s,1H),7.00−7.05(m,2H).
参考例8:化合物15〈{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−メチルアミノ}酢酸メチルエステル〉の合成
1−メチルピペラジンの代わりにサルコシンメチルエステル塩酸塩を用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983号に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率31%で化合物15を得た。
APCI−MS:m/z498([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),2.36(s,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),3.23(s,2H),3.53(s,2H),3.70(s,3H),5.34(s,2H),5.98(s,1H),6.59−6.67(m,2H),6.82(m,2H),6.88(s,1H),6.97−7.02(m,2H).
参考例9:化合物16{1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル}の合成
1−メチルピペラジンの代わりにイソニペコチン酸エチルエステルを用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983号に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率60%で化合物16を得た。
APCI−MS:m/z552([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.23(t,J=7.0Hz,3H),1.30(t,J=7.6Hz,3H),1.68−1.90(m,6H),1.97(td,J=11.3,2.7Hz,2H),2.26(m,1H),2.60(s,3H),2.62(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.83(m,2H),2.98(m,4H),3.36(s,2H),4.11(q,J=7.0Hz,2H),5.33(s,2H),6.03(s,1H),6.57−6.66(m,2H),6.78−6.82(m,2H),6.88(s,1H),6.94−6.99(m,2H).
参考例10:化合物17〈2−{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−メチルアミノ}エタノール〉の合成
水素化アルミニウムリチウム(15.7mg,0.38mmol)をテトラヒドロフラン(0.3mL)に懸濁させ、氷冷下、攪拌しながら、テトラヒドロフラン(0.9mL)に溶解した、参考例8で得られた化合物15(126mg,0.253mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、撹拌しながら水(0.016mL)、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.016mL)、水(0.048mL)を順次滴下した。析出物を濾別し、濾液を濃縮した残渣をNH−シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製して、化合物17(47.6mg,0.101mmol,収率40%)を得た。
APCI−MS:m/z470([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),1.7(br s,1H),2.21(s,3H),2.57(t,J=5.5Hz,2H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.44(s,2H),3.61(t,J=5.5Hz,2H),5.34(s,2H),5.99(s,1H),6.59−6.67(m,2H),6.81(m,2H),6.88(s,1H),6.91−6.98(m,2H).
参考例11:化合物18〈{1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−イル}メタノール〉の合成
化合物15の代わりに化合物16を用い、参考例10と同様にして、収率50%で化合物18を得た。
APCI−MS:m/z510([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),1.24−1.74(m,6H),1.91(m,2H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.86−3.02(m,6H),3.37(s,2H),3.48(d,J=6.3Hz,2H),5.34(s,2H),5.98(s,1H),6.58−6.67(m,2H),6.82(m,2H),6.89(s,1H),6.94−7.00(m,2H).
参考例12:化合物19〈{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−メチルアミノ}酢酸〉の合成
参考例8で得られた化合物15(151mg,0.303mmol)をメタノール(3.0mL)に溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム/メタノール溶液(1.5mL)を加え、60℃に加熱し、9時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、室温に冷却し、4mol/L塩酸を加え、pHを6.0に調整した。析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥した。この結晶をエチルエーテルに懸濁させ、加熱還流条件下、1時間撹拌し、さらに室温で1時間撹拌した。結晶を濾取し、減圧下で乾燥させて、化合物19(119mg,0.246mmol,収率81%)を得た。
APCI−MS:m/z483([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),2.34(s,3H),2.48−2.52(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.78(q,J=7.4Hz,2H),2.89(m,4H),3.11(s,2H),3.66(s,2H),5.29(s,2H),6.75−7.02(m,7H),8.36(s,1H).
参考例13:化合物20{1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸}の合成
化合物15の代わりに化合物16を用い、参考例12と同様にして、収率70%で化合物20を得た。
APCI−MS:m/z524([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),1.52(m,2H),1.75(m,2H),1.97(m,2H),2.18(m,1H),2.48−2.54(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.71−2.92(m,8H),3.32(s,2H),5.29(s,2H),6.75−6.94(m,7H),8.23(s,1H).
参考例14:化合物21〈{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−メチルアミノ}アセトニトリル〉の合成
参考例6で得られた化合物13(700mg,1.15mmol)をクロロホルム(1.2mL)に溶解し、メチルアミノアセトニトリル(368mg,3.46mmol)およびトリエチルアミン(0.561mL,4.03mmol)を加え、加熱還流条件下、終夜撹拌した。反応液を室温まで冷却し、飽和重曹水を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:メタノール/クロロホルム=1/99)で精製した。目的物を含む画分の濃縮残渣にエタノールを加え、得られた懸濁液を60℃で0.5時間撹拌し、その後室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させることにより、化合物21(415mg,0.893mmol,収率78%)を得た。
APCI−MS:m/z465([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.42(s,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.43(s,2H),3.48(s,2H),5.34(s,2H),6.10(s,1H),6.58−6.69(m,2H),6.78−6.83(m,2H),6.88(s,1H),6.95−7.02(m,2H).
参考例15:化合物22{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]アミン・2フマル酸塩}の合成
工程1
後記の参考例24で得られた化合物93(1.25g,3.03mmol)をクロロホルム(54mL)およびアセトン(6mL)の混合溶媒に溶解し、二酸化マンガン(2.7g,31mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、固形物をセライトを通じて濾別し、濾液を濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて得られる懸濁液を加熱還流条件下0.5時間撹拌し、その後室温に冷却してさらに0.5時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥させることにより8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボアルデヒド(1.02g,2.48mmol,収率82%)を得た。
APCI−MS:m/z411([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.64(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.99(m,2H),3.06(m,2H),5.37(s,2H),6.60−6.91(m,6H),7.52−7.61(m,2H),9.77(s,1H).
工程2
工程1で得られた8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボアルデヒド(0.300g,0.73mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)およびクロロホルム(6mL)の混合溶媒に懸濁させ、これに2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミン(139μL,1.10mmol)を加えて10分間、加熱還流した。その後、反応溶液を室温まで冷却してトリアセトキシホウ素化ナトリウム(464mg,2.19mmol)を加えて12時間、室温で攪拌した。反応溶液に酢酸エチルと1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、有機層を無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。その後、溶液を減圧下、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/2mol/Lアンモニア・メタノール溶液=20/1)で精製して、N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]アミン(0.301g,0.592mmol,収率81%)を得た。これを参考例1と同様な方法でフマル酸塩として化合物22を得た。
APCI−MS:m/z509([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),1.65−1.85(m,4H),2.50(s,3H),2.51(s,3H),2.6−2.7(m,4H),2.7−3.0(m,8H),3.86(s,2H),5.29(s,2H),6.55(s,4H),6.75−6.95(m,6H),7.0−7.15(m,2H),8.43(s,1H).
参考例16:化合物23{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−(2−メトキシエチル)アミン・1フマル酸塩}の合成
2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミンの代わりに2−メトキシエチルアミンを用い、参考例15の工程2と同様にして、収率78%でN−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−(2−メトキシエチル)アミンを得た。これを参考例1と同様な方法でフマル酸塩として化合物23を得た。
APCI−MS:m/z470([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),2.50(s,3H),2.51(s,3H),2.80(q,J=7.4Hz,2H),2.8−3.0(m,6H),3.24(s,3H),3.49(t,J=6.5Hz,2H),3.80(s,2H),5.29(s,2H),6.48(s,2H),6.84(d,J=8.1Hz,1H),6.85−7.0(m,4H),7.0−7.1(m,2H),8.43(s,1H).
参考例17:化合物24〈2−{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]アミノ}エタノール・0.5フマル酸塩〉の合成
2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミンの代わりに2−エタノールアミンを用い、参考例15の工程2と同様にして、収率39%で2−{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]アミノ}エタノールを得た。
これを参考例1と同様な方法でフマル酸塩として化合物24を得た。
APCI−MS:m/z456([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),2.50(s,3H),2.51(s,3H),2.70−2.75(m,2H),2.77(q,J=7.4Hz,2H),2.85−2.9(m,4H),3.55(t,J=5.5Hz,2H),3.78(s,2H),5.29(s,2H),6.44(s,1H),6.79(dd,J=1.5Hz,8.3Hz,1H),6.85−6.95(m,4H),7.0−7.1(m,2H),8.39(s,1H).
参考例18:化合物25〈{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]メチル}アミン・1フマル酸塩〉の合成
参考例6で得られた化合物13(0.300g,0.516mmol)を7mol/Lアンモニアメタノール溶液(5mL)に溶解し、封管して80℃で48時間加熱した。その後、反応溶液を減圧下、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/2mol/Lアンモニア・メタノール溶液=20/1)で精製して、{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]メチル}アミン(0.135g,0.329mmol,収率64%)を得た。
これを参考例1と同様な方法でフマル酸塩として化合物25を得た。
APCI−MS:m/z412([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),2.50(s,3H),2.51(s,3H),2.77(q,J=7.4Hz,2H),2.85−2.9(m,4H),3.81(s,2H),5.29(s,2H),6.42(s,2H),6.8−7.0(m,5H),7.0−7.15(m,2H),8.46(s,1H).
参考例19:化合物26{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−メチル−N−(2H−テトラゾール−5−イルメチル)アミン}の合成
参考例6で得られた化合物13(667mg,1.10mmol)をクロロホルム(11mL)に溶解し、後記の参考例22で得られたN−メチル−N−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イルメチル)アミン(390mg,1.10mmol)およびトリエチルアミン(0.31mL,2.3mmol)を加えて60℃で終夜撹拌した。反応液を室温まで冷却し、飽和重曹水を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(溶出溶媒:メタノール/クロロホルム=2/98)に通じて原点成分を除去し、濃縮した。残渣にアセトン(1.9mL)、水(1.9mL)および酢酸(1.9mL)を加え、60℃で1.5時間撹拌した。反応液を0℃まで冷却し、析出物を濾別し、濾液を濃縮した。残渣をエタノールから再結晶して、化合物26(66.7mg,0.131mmol,収率12%)を得た。
APCI−MS:m/z508([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.32(t,J=5.0Hz,3H),2.58(s,3H),2.63(s,3H),2.75−2.79(m,7H),2.81(q,J=5.0Hz,2H),4.08(s,2H),4.28(s,2H),5.34(s,2H),6.37(s,1H),6.46(d,J=8.1Hz,1H),6.58(d,J=8.1Hz,1H),6.72−6.80(m,2H),6.84−6.94(m,3H).
参考例20:化合物27{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−[4−(2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−イルメチル]−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メチルアミノアセトニトリルの代わりにピペリジン−4−カルボニトリルを用い、参考例14と同様にして、収率58%で1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボニトリルを得た。
得られた1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボニトリル(0.252g,0.500mmol)をトルエン(4mL)に溶解し、トリメチルシリルアジド(0.13mL,1.00mmol)および酸化ジブチルすず(12.4mg,0.05mmol)を加え、110℃で22時間、加熱攪拌した。反応溶液を減圧下、濃縮した後、残渣にエタノールを加えた。得られた懸濁液を0.5時間、加熱還流した後、固体を濾取して、化合物27(0.110g、0.200mmol,収率40%)を得た。
APCI−MS:m/z548([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.22(t,J=7.4Hz,3H),1.65−1.85(m,2H),1.9−2.05(m,2H),2.2−2.35(m,2H),2.48(s,3H),2.58(s,3H),2.77(q,J=7.4Hz,2H),2.85−3.05(m,7H),3.52(s,2H),5.29(s,2H),6.85−7.05(m,8H),8.36(s,1H).
参考例21:化合物28〜化合物90の合成
工程1
ヨウ化 1−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)−1−メチルピペリジニウム(0.015g,0.050mmol)をジメチルホルムアミド(0.50mL)に溶解し、対応するYH(式中、Yは前記と同義である)のクロロホルム溶液(1.0mmol/L,0.060mL)および水酸化リチウム・1水和物(0.070g)を加え、室温で20時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、溶媒を留去し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、得られた溶液を水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、残渣にクロロホルム(0.60mL)およびN−メチルイサト酸無水物 ポリスチレン(N−Methylisatoic anhydride polystylene、ノババイオケム社製、0.15mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物中のレジンを濾別し、濾液を濃縮した後、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(ボンデシルSCX、バリアン社製、2mol/Lアンモニア−メタノール溶液で溶出)で精製し、製造法1における化合物(IV)に相当する各種中間体を得た。
工程2
参考例5と同様にして、工程1で得られた製造法1における化合物(IV)に相当する各種中間体と相当するR5R6NH(式中、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)から、目的物である化合物28〜化合物90を得た。なお、化合物41、42、48および89はシュウ酸塩として単離した。
化合物28〜化合物87の構造と分析値(APCI−MS)を第2表〜第6表に記した。また、化合物29、30、36、41、42、48、53、54、60、65、66、72、77、78および84の分析値(1H NMR)を以下に示した。
化合物29{2−(ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.0−2.1(m,2H),2.44(t,J=5.6Hz,2H),2.75−2.85(m,2H),2.9−3.0(m,4H),3.32(s,2H),5.31(s,2H),5.5−5.8(m,2H),6.8−7.1(m,6H),7.1−7.3(m,2H),7.56(d,J=7.1Hz,1H),7.62(d,J=7.4Hz,1H),8.28(s,1H),8.35(s,1H).
化合物30{2−(ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.5−1.7(m,4H),2.3−2.5(m,4H),2.8−3.0(m,4H),3.39(s,2H),5.31(s,2H),6.8−6.95(m,4H),6.95−7.0(m,2H),7.1−7.3(m,2H),7.55(d,J=8.9Hz,1H),7.63(d,J=8.4Hz,1H),8.26(s,1H),8.34(s,1H).
化合物36{2−(ベンゾイミダゾ−1−イルメチル)−8−モルホリノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.2−2.4(m,4H),2.8−3.0(m,4H),3.27(s,2H),3.5−3.6(m,4H),5.30(s,2H),6.7−7.1(m,6H),7.1−7.25(m,2H),7.54(d,J=7.6Hz,1H),7.62(d,J=7.6Hz,1H),8.28(s,1H),8.34(s,1H).
化合物41{2−(2−フェニルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン・1シュウ酸塩}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.2−2.5(m,2H),2.7−3.0(m,4H),3.0−3.2(m,2H),3.4−3.6(m,2H),4.05(s,2H),5.45(s,2H),5.69(m,1H),5.85(m,1H),6.6−6.8(m,2H),6.88(d,J=8.3Hz,1H),6.97(d,J=7.9Hz,1H),7.05−7.2(m,2H),7.2−7.5(m,2H),7.5−7.7(m,4H),7.7−7.85(m,3H),8.54(s,1H).
化合物42{2−(2−フェニルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン・1シュウ酸塩}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.8−2.0(m,4H),2.8−3.0(m,4H),3.0−3.2(m,4H),4.12(s,2H),5.45(s,2H),6.6−6.7(m,2H),6.88(d,J=8.1Hz,1H),6.96(d,J=7.8Hz,1H),7.1−7.2(m,2H),7.2−7.3(m,2H),7.4−7.6(m,4H),7.6−7.8(m,3H),8.53(s,1H).
化合物48{2−モルホリノメチル−8−(2−フェニルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン・1シュウ酸塩}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.7−3.0(m,8H),3.6−3.8(m,4H),3.83(s,2H),5.42(s,2H),6.65−6.7(m,2H),6.85(d,J=8.2Hz,1H),6.92(d,J=8.1Hz,1H),7.0−7.1(m,2H),7.2−7.3(m,2H),7.4−7.6(m,4H),7.65−7.8(m,3H),8.44(s,1H).
化合物53{2−(2−メチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.0−2.1(m,2H),2.45(t,J=5.6Hz,2H),2.54(s,3H),2.75−2.85(m,2H),2.85−3.0(m,4H),3.35(s,2H),5.28(s,2H),5.55−5.75(m,2H),6.8−7.0(m,6H),7.1−7.2(m,2H),7.4−7.6(m,2H),8.28(s,1H).
化合物54{2−(2−メチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.5−1.8(m,4H),2.3−2.5(m,4H),2.54(s,3H),2.8−3.0(m,4H),3.39(s,2H),5.28(s,2H),6.7−6.9(m,6H),7.1−7.2(m,2H),7.3−7.5(m,2H),8.25(s,1H).
化合物60{2−(2−メチルベンゾイミダゾ−1−イルメチル)−8−モルホリノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.2−2.4(m,4H),2.49(s,3H),2.8−3.0(m,4H),3.28(s,2H),3.5−3.6(m,4H),5.28(s,2H),6.8−7.0(m,6H),7.1−7.2(m,2H),7.5−7.6(m,2H),8.28(s,1H).
化合物65{2−(5,6−ジメチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.0−2.1(m,2H),2.2−2.4(m,6H),2.45(t,J=5.2Hz,2H),2.75−2.85(m,2H),2.85−3.05(m,4H),3.30(s,2H),5.24(s,2H),5.6−5.7(m,2H),6.8−7.0(m,6H),7.31(s,1H),7.40(s,1H),8.17(s,1H),8.27(s,1H).
化合物66{2−(5,6−ジメチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.5−1.8(m,4H),2.27(s,3H),2.28(s,3H),2.3−2.4(m,4H),2.8−3.0(m,4H),3.39(s,2H),5.24(s,2H),6.8−7.0(m,6H),7.30(s,1H),7.40(s,1H),8.16(s,1H),8.24(s,1H).
化合物72{2−(5,6−ジメチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−モルホリノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.2−2.4(m,10H),2.8−3.0(m,4H),3.28(s,2H),3.5−3.6(m,4H),5.24(s,2H),6.8−7.0(m,6H),7.30(s,1H),7.39(s,1H),8.16(s,1H),8.28(s,1H).
化合物77{2−(2−エチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.28(t,J=7.4Hz,3H),1.95−2.05(m,2H),2.43(t,J=5.4Hz,2H),2.6−3.0(m,8H),3.32(s,2H),5.28(s,2H),5.1−5.5(m,2H),6.75−7.0(m,6H),7.1−7.25(m,2H),7.47(m,1H),7.55(m,1H),8.26(s,1H).
化合物78{2−(2−エチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.28(t,J=7.4Hz,3H),1.6−1.8(m,4H),2.3−2.4(m,4H),2.8−3.0(m,6H),3.32(s,2H),5.28(s,2H),6.7−7.0(m,6H),7.0−7.2(m,2H),7.46(m,1H),7.54(m,1H),8.23(s,1H).
化合物84{2−(2−エチルベンゾイミダゾ−1−イルメチル)−8−モルホリノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.28(t,J=7.4Hz,3H),2.2−2.4(m,4H),2.8−3.0(m,6H),3.27(s,2H),3.5−3.6(m,4H),5.27(s,2H),6.7−7.0(m,6H),7.1−7.2(m,2H),7.47(m,1H),7.55(m,1H),8.26(s,1H).
化合物88〜化合物90の構造を第7表に、分析値(APCI−MS、1H NMR)を以下に示した。
化合物88{2−(イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
APCI−MS:m/z422([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.0−2.1(m,2H),2.44(t,J=5.4Hz,2H),2.75−2.8(m,2H),2.8−3.0(m,4H),3.30(s,2H),5.33(s,2H),5.5−5.6(m,2H),6.8−7.0(m,4H),7.0−7.05(m,2H),7.27(dd,J=4.7Hz,8.0Hz,1H),8.06(d,J=8.0Hz,1H),8.27(s,1H),8.37(d,J=4.7Hz,1H),8.54(s,1H).
化合物89{2−(イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン・1シュウ酸塩}
APCI−MS:m/z422([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.2−2.3(m,2H),2.9−3.0(m,4H),3.4−3.5(m,2H),3.60(t,J=6.8Hz,2H),4.05(s,2H),5.37(s,2H),5.67(d,J=10.8Hz,1H),5.85(d,J=10.8Hz,1H),6.9−7.0(m,2H),7.0−7.1(m,4H),7.25(dd,J=5.4,8.1Hz,1H),8.01(d,J=8.1Hz,1H),8.40(d,J=5.4Hz,1H),8.55(s,1H),8.62(s,1H).
化合物90{2−(イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
APCI−MS:m/z422([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):2.1−2.2(m,2H),2.56(t,J=5.7Hz,2H),2.8−2.9(m,2H),3.0−3.1(m,4H),3.48(s,2H),5.30(s,2H),5.67(d,J=10.5Hz,1H),5.73(d,J=10.5Hz,1H),6.08(s,1H),6.65−6.75(m,2H),6.95−7.0(m,2H),7.0−7.05(m,2H),7.71(d,J=5.4Hz,1H),8.02(s,1H),8.45(d,J=5.4Hz,1H),8.78(s,1H).
参考例22 N−メチル−N−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イルメチル)アミンの合成
2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イルメタノール(2.00g,5.84mmol)、N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(1.64g,7.59mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.53g,5.84mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)およびトルエン(20mL)の混合溶媒に溶解し、アゾジカルボン酸ジエチルトルエン溶液(40%,2.65mL,5.84mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。シリカゲルを通過(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=40/60)させて原点成分を除去した後、減圧下濃縮し、残渣にアセトン(5mL)とアセトニトリル(25mL)を加えた。
得られた懸濁液にメルカプト酢酸(0.73mL,11mmol)と1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデック−7−エン(3.1mL,21mmol)を加えて60℃で7時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。得られた溶液を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:トリエチルアミン/酢酸エチル=1/99)で精製し、N−メチル−N−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イルメチル)アミン(396mg,1.11mmol,収率19.0%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):2.45(s,3H),4.07(s,2H),7.07−7.36(m,15H).
参考例23:化合物92{酢酸[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]エステル}の合成
参考例6で得られた化合物13(7.98g,13.1mmol)をジメチルスルホキシド(87mL)に溶解し、酢酸リチウム(4.33g,65.7mL)を加えて70℃で2日間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水(3回)、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製し、目的物を含む画分を濃縮し、残渣にエタノールを加えて得られる懸濁液を室温で0.5時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、化合物92(2.87g,6.31mmol,収率48%)を得た。
APCI−MS:m/z455([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.06(s,3H),2.60(s,3H),2.62(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),4.98(s,2H),5.34(s,2H),6.13(s,1H),6.58−6.83(m,4H),6.88(s,1H),7.01−7.07(m,2H).
参考例24:化合物93{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]メタノール}の合成
参考例23で得られた化合物92(2.79g,6.14mmol)をテトラヒドロフラン(61mL)に懸濁させ、ナトリウムメトキシド/メタノール溶液(28%,6.2mL,31mmol)を加えて室温で3.5時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応液に水を加えて室温にて0.5時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥させた後、エタノールに懸濁させ、加熱還流条件下、1時間撹拌し、さらに室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物93(2.04g,4.95mmol,収率81%)を得た。
APCI−MS:m/z413([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),1.56(t,J=5.6Hz,1H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),4.55(d,J=5.6Hz,2H),5.34(s,2H),6.03(s,1H),6.59−6.85(m,3H),6.88(s,1H),7.03(m,2H).
参考例25:化合物94{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−メトキシメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
水素化ナトリウム(55%,11mg,0.25mmol)のテトラヒドロフラン(0.40mL)懸濁液にメタノール(20μL,0.50mmol)を加えて室温で20分間攪拌した。その後、反応液をテトラヒドロフラン(0.20mL)に懸濁した参考例6で得られた化合物13(30mg,0.050mmol)に加え、60℃で3.5時間反応させた。反応液を濃縮した後、残渣をクロロホルムに溶解し、得られた溶液を水と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン/トリエチルアミン=45/50/5)で精製して、化合物94(6.5mg,15mmol,収率30%)を得た。
APCI−MS:m/z427([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),3.36(s,3H),4.32(s,2H),5.34(s,2H),6.09(s,1H),6.58−6.82(m,4H),6.88(s,1H),7.01(m,2H).
参考例26:化合物95{2−アリルオキシメチル−8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりにアリルアルコールを用い、参考例25と同様にして、収率34%で化合物95を得た。
APCI−MS:m/z453([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),4.00(dt,J=5.6,1.5Hz,2H),4.39(s,2H),5.19(dq,J=10.2,1.5Hz,1H),5.29(dq,J=17.0,1.5Hz,1H),5.34(s,2H),5.95(m,1H),6.10(s,1H),6.58−6.83(m,4H),6.88(s,1H),7.03(m,2H).
参考例27:化合物96{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2−メトキシエトキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりに2−メトキシエタノールを用い、参考例25と同様にして、収率9.3%で化合物96を得た。
APCI−MS:m/z495([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.38(s,3H),3.57(m,4H),4.44(s,2H),5.34(s,2H),6.01(s,1H),6.62(d,J=8.6Hz,1H),6.67(d,J=8.1Hz,1H),6.82(m,2H),6.88(s,1H),7.00−7.06(m,2H).
参考例28:化合物97{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりに2,2,2−トリフルオロエタノールを用い、参考例25と同様にして、収率64%で化合物97を得た。
APCI−MS:m/z495([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),3.78(q,J=8.7Hz,2H),4.54(s,2H),5.34(s,2H),6.24(s,1H),6.60(d,J=7.8Hz,1H),6.71(d,J=8.1Hz,1H),6.76−6.82(m,2H),6.89(s,1H),6.98−7.04(m,2H).
参考例29:化合物98{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2−メチルプロポキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりに2−メチル−1−プロパノールを用い、参考例25と同様にして、収率11%で化合物98を得た。
APCI−MS:m/z469([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):0.91(d,J=6.7Hz,6H),1.30(t,J=7.4Hz,3H),1.89(m,1H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.4Hz,2H),2.99(m,4H),3.20(d,J=6.5Hz,2H),4.37(s,2H),5.34(s,2H),6.01(s,1H),6.60(d,J=8.9Hz,1H),6.67(d,J=7.8Hz,1H),6.81(m,2H),6.88(s,1H),6.98−7.05(m,2H).
参考例30:化合物99{2−ベンジルオキシメチル−8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりにベンジルアルコールを用い、参考例25と同様にして、収率78%で化合物99を得た。
APCI−MS:m/z503([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.62(s,2H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.97(m,4H),4.42(s,2H),4.53(s,2H),5.33(s,2H),6.20(s,1H),6.59(d,J=7.9Hz,1H),6.69(d,J=7.9Hz,1H),6.78(m,2H),6.88(s,1H),7.02(m,2H),7.26−7.36(m,5H).
参考例31:化合物100{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2−フェニルエトキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりに2−フェニルエタノールを用い、参考例25と同様にして、収率38%で化合物100を得た。
APCI−MS:m/z517([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.91(t,J=7.2Hz,2H),2.97(m,4H),3.66(t,J=7.2Hz,2H),4.39(s,2H),5.34(s,2H),6.08(s,1H),6.60(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.1Hz,1H),6.80(m,2H),6.88(s,1H),6.94−7.01(m,2H),7.19−7.30(m,5H).
参考例32:化合物101{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(ピリジン−2−イルメトキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりにピリジン−2−イルメタノールを用い、参考例25と同様にして、収率65%で化合物101を得た。
APCI−MS:m/z504([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),4.52(s,2H),4.66(s,2H),5.34(s,2H),6.25(s,1H),6.60(d,J=7.9Hz,1H),6.70(d,J=7.9Hz,1H),6.76−6.81(m,2H),6.88(s,1H),7.03−7.08(m,2H),7.18(br dd,J=7.6,4.8Hz,1H),7.47(d,J=7.9Hz,1H),7.68(td,J=7.7,1.8Hz,1H),8.54(br d,J=4.8Hz,1H).
参考例33:化合物102{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(フラン−2−イルメトキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりにフラン−2−イルメタノールを用い、参考例25と同様にして、収率77%で化合物102を得た。
APCI−MS:m/z493([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.62(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.97(m,4H),4.41(s,2H),4.45(s,2H),5.33(s,2H),6.21(br s,1H),6.31(dd,J=3.1,0.8Hz,1H),6.33(dd,J=3.1,1.8Hz,1H),6.58(d,J=8.1Hz,1H),6.69(d,J=7.9Hz,1H),6.75−6.80(m,2H),6.88(s,1H),7.00−7.04(m,2H),7.40(dd,J=1.8,0.8Hz,1H).
参考例34:化合物103{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボニトリル}の合成
参考例15の工程1で得られた8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボアルデヒド(650mg,1.58mmol)をアセトニトリル(16mL)に懸濁させ、ヒドロキシルアミン塩酸塩(153mg,2.38mmol)、トリエチルアミン(0.331mL,2.38mmol)およびフタル酸無水物(328mg,2.21mmol)を加えて80℃で終夜撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をクロロホルムに溶解し、得られた溶液をアンモニア水(3%)と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:メタノール/クロロホルム=1/99)で精製し、目的物を含む画分を濃縮した。残渣にエタノールを加え、得られた懸濁液を60℃で0.5時間撹拌し、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥して、化合物103(440mg,1.08mmol,収率68%)を得た。
APCI−MS:m/z408([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.6Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),5.36(s,2H),6.48(s,1H),6.63−6.90(m,5H),7.28−7.33(m,2H).
参考例35:化合物104{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2H−テトラゾール−5−イル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
参考例34で得られた化合物103を用い、参考例20の後段と同様にして、収率72%で化合物104を得た。
APCI−MS:m/z451([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.24(t,J=7.4Hz,3H),2.48−2.53(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.80(q,J=7.4Hz,2H),2.86−3.02(m,4H),5.32(s,2H),6.83(dd,J=8.1,2.1Hz,1H),6.91−6.98(m,3H),7.10(d,J=9.0Hz,1H),7.65−7.70(m,2H),8.20(s,1H).
参考例36:化合物105{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]アセトニトリル}の合成
参考例6で得られた化合物13(2.04g,3.36mmol)をジメチルホルムアミド(17mL)に溶解して、青酸ナトリウム(361mg,7.37mmol)を加え、50℃で10時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液、水(2回)、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をエタノールから再結晶し、化合物105(751mg,1.78mmol,収率53%)を得た。
APCI−MS:m/z422([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.99(m,4H),3.62(s,2H),5.34(s,2H),6.01(s,1H),6.59−6.71(m,2H),6.80−6.84(m,2H),6.88(s,1H),6.95−7.01(m,2H).
参考例37:化合物106{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2H−テトラゾール−5−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
参考例36で得られた化合物105を用い、参考例20の後段と同様にして、収率76%で化合物106を得た。
APCI−MS:m/z465([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.22(t,J=7.6Hz,3H),2.48−2.52(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.78(q,J=7.6Hz,2H),2.86(m,4H),4.11(s,2H),5.28(s,2H),6.75−6.94(m,7H),8.32(br s,1H).
参考例38:化合物107{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]酢酸}の合成
参考例36で得られた化合物105(247mg,0.586mmol)をエタノール(12mL)に懸濁し、水酸化ナトリウム(938mg,23.5mmol)を加えて、加熱還流条件下、3時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応液を室温まで冷却し、1mol/L塩酸でpHを5に調整した。析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥した後、エタノールに懸濁し、60℃で0.5時間撹拌し、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥して、化合物107(122mg,0.243mmol,収率41%)を得た。
APCI−MS:m/z441([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.5Hz,3H),2.48−2.53(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.78(q,J=7.5Hz,2H),2.87(br s,4H),3.38(s,2H),5.38(s,2H),6.74−6.94(m,7H),8.27(s,1H),12.15(br s,1H).
参考例39:化合物108{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチルスルファニル]酢酸メチルエステル}の合成
参考例6で得られた化合物13(1.04g,1.71mmol)をクロロホルム(17mL)に溶解して、メルカプト酢酸メチルエステル(0.199mL,2.23mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデック−7−エン(0.384mL,2.57mmol)を加え、40℃で7時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:メタノール/クロロホルム=1/99)で精製し、化合物を含む画分を濃縮した。残渣にエタノールを加え、得られた懸濁液を60℃で0.5時間、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取して、化合物108(628mg,1.25mmol,収率73%)を得た。
APCI−MS:m/z501([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.09(s,2H),3.72(s,3H),3.73(s,2H),5.34(s,2H),6.01(s,1H),6.59−6.67(m,2H),6.82(m,2H),6.88(s,1H),6.96−7.03(m,2H)
参考例40:化合物109{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチルスルファニル]酢酸}の合成
参考例39で得られた化合物108(350mg,0.699mmol)を用い、参考例12と同様にして、収率38%で化合物109を得た。
APCI−MS:m/z487([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.16(t,J=7.4Hz,3H),2.42−2.50(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.81(q,J=7.4Hz,2H),2.88(m,6H),3.49(s,2H),5.22(s,2H),6.67−6.89(m,7H),8.18(s,1H).
参考例41:化合物110{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸エチルエステル}の合成
工程1
ヨウ化 1−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)−1−メチルピペリジニウム(6.68g,15.4mmol)をジメチルスルホキシド(110mL)に溶解し、酢酸リチウム(5.07g,76.9mmol)を加えて、70℃で2日間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水(3回)と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=30/70)で精製して、酢酸(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)エステル(2.85g,10.7mmol,収率69%)を得た。
APCI−MS:m/z268([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):2.07(s,3H),3.07(br s,4H),4.99(s,2H),6.05(br s,1H),6.66−6.85(m,3H),7.02−7.11(m,4H).
工程2
工程1で得られた酢酸(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)エステル(2.85g,10.7mmol)をメタノール(110mL)に懸濁して、ナトリウムメトキシド/メタノール溶液(38%,1.14mL,5.36mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、残渣に飽和食塩水とクロロホルムを加え、3回クロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルから再結晶して、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメタノール(1.73g,7.68mmol,収率72%)を得た。
APCI−MS:m/z226([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.49(t,J=5.8Hz,1H),3.08(br s,4H),4.57(d,J=5.8Hz,2H),6.02(br s,1H),6.66−6.87(m,3H),7.02−7.11(m,4H).
工程3
工程2で得られた10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメタノール(6.1g,70mmol)をクロロホルム(77mL)に溶解して、二酸化マンガン(4.55g,46.1mmol)を加え、室温で8時間攪拌した。反応溶液をセライトを通じて濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=20/80)で精製して、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボアルデヒド(1.15g,5.15mmol,収率67%)を得た。
APCI−MS:m/z224([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):3.11(m,4H),6.49(br s,1H),6.87−6.91(m,3H),7.07−7.17(m,2H),7.55−7.62(m,2H),9.88(s,1H).
工程4
工程3で得られた10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボアルデヒド(665mg,2.98mmol)をアセトニトリル(18mL)および水(18mL)の混合溶媒に溶解して、ジメチルスルホキシド(2.1mL,30mmol)、リン酸2水素ナトリウム(1.43g,11.9mmol)および亜塩素酸ナトリウム(404mg,4.47mmol)を加え、50℃で4時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチルと水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣に酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒(3:1)を加え、得られる懸濁液を60℃で0.5時間撹拌し、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取して、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸(598mg,2.50mmol,収率84%)を得た。
APCI−MS:m/z240([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):3.11(m,4H),6.39(br s,1H),6.77−6.80(m,3H),7.06−7.16(m,2H),7.79−7.84(m,2H).
工程5
工程4で得られた10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸(426mg,1.78mmol)をエタノール(8.9mL)に溶解して、塩化チオニル(0.26mL,3.6mmol)を加え、加熱還流条件下、5時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、クロロホルムと飽和重曹水を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=10/90)で精製して、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸エチルエステル(383mg,1.43mmol,収率81%)を得た。
APCI−MS:m/z268([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.37(t,J=7.0Hz,3H),3.09(m,4H),4.33(q,J=7.0Hz,2H),6.34(br s,1H),6.69−6.86(m,3H),7.04−7.14(m,2H),6.72−6.78(m,2H).
工程6
工程5で得られた10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸エチルエステル(443mg,1.66mmol)をクロロホルム(8.3mL)および酢酸(8.3mL)の混合溶媒に溶解し、ピペリジン(0.573mL,5.80mmol)およびパラホルムアルデヒド(149mg,4.97mmol)を加え、60℃に加熱し、1.5日間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣に酢酸エチルと飽和重曹水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン/トリエチルアミン=70/25/5)で精製し、目的物を含む画分を濃縮した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレーションし、8−ピペリジノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸エチルエステル(249mg,0.683mmol,収率41%)を得た。
APCI−MS:m/z365([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.34−1.46(m,5H),1.67(m,4H),2.36(br s,4H),3.08(m,4H),3.38(s,2H),4.33(q,J=7.1Hz,2H),6.32(s,1H),6.67−6.74(m,2H),6.99−7.06(m,2H),7.72−7.76(m,2H).
工程7
工程6で得られた8−ピペリジノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸エチルエステル(231mg,0.634mmol)をジクロロメタン(3.2mL)に溶解して、ヨウ化メチル(59.2μL,0.951mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮して、ヨウ化1−(8−エトキシカルボニル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)−1−メチルピペリジニウム(321mg,0.634mmol,収率100%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.37(t,J=7.1Hz,3H),1.75−1.95(m,6H),2.96(br s,4H),3.11(s,3H),3.50(m,2H),3.70(m,2H),4.32(q,J=7.1Hz,2H),4.90(s,2H),7.14−7.35(m,4H),7.49(s,1H),7.71(m,2H).
工程8
2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(180mg,1.03mmol)をジメチルホルムアミド(0.60mL)に溶解し、攪拌しながら水素化ナトリウム(55%,33.6mg,0.770mmol)を数回に分けて加えた後、50℃で0.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、ジメチルホルムアミド(1.2mL)に溶解した工程7で得られたヨウ化1−(8−エトキシカルボニル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)−1−メチルピペリジニウム(130mg,0.256mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:メタノール/クロロホルム=1/99)で精製し、目的物を含む画分を濃縮した。残渣にジエチルエーテルを加え、加熱還流条件で0.5時間撹拌し、その後室温で1時間で撹拌した。析出した結晶を濾取して、化合物110(76.7mg,0.169mmol,収率66%)を得た。
APCI−MS:m/z455([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.6Hz,3H),1.36(t,J=7.1Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.6Hz,2H),2.97(m,2H),3.40(m,2H),4.32(q,J=7.1Hz,2H),5.36(s,2H),6.35(s,1H),6.64−6.71(m,2H),6.82−6.90(m,3H),7.70−7.74(m,2H).
参考例42:化合物111{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸}の合成
参考例41で得られた化合物110(900mg,1.98mmol)を用い、参考例12と同様にして、収率97%で化合物111を得た。
APCI−MS:m/z427([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.24(t,J=7.5Hz,3H),2.51−2.54(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.82−2.99(m,6H),5.37(s,2H),6.84−7.03(m,5H),7.58(m,2H),8.87(br s,1H),12.25(br s,1H).
参考例43:化合物112{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル](4−メチルピペラジン−1−イル)メタノン}の合成
参考例42で得られた化合物111(100mg,0.234mmol)をジメチルホルムアミド(2.3mL)およびテトラヒドロフラン(4.6mL)の混合溶媒に溶解し、これに4−メチルピペラジン(39μL,0.352mmol)、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・1塩酸塩(89.7mg,0.468mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(35.8mg,0.234mmol)を加えて室温で8時間攪拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応液を濃縮した。残渣をクロロホルムに溶解し、得られた溶液を水(2回)、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣にジエチルエーテルを加え、得られる懸濁液を室温で1時間撹拌した後、固体を濾取して、化合物112(47.7mg,0.0938mmol,収率40%)を得た。
APCI−MS:m/z509([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),2.33(s,3H),2.43(br s,4H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.99(m,4H),3.66(br s,4H),5.35(s,2H),6.18(s,1H),6.62−6.69(m,2H),6.83(m,2H),6.85(s,1H),7.10−7.15(m,2H).
参考例44:化合物113{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル](ピロリジン−1−イル)メタノン}の合成
4−メチルピペラジンの代わりにピロリジンを用い、参考例43と同様にして、収率90%で化合物113を得た。
APCI−MS:m/z480([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),1.88(br s,4H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.99(m,4H),3.56(m,4H),5.35(s,2H),6.19(s,1H),6.62−6.69(m,2H),6.81−6.86(m,2H),6.89(s,1H),7.24−7.29(m,2H).
参考例45:化合物114{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル](4−ヒドロキシピペリジノ)メタノン}の合成
4−メチルピペラジンの代わりに4−ピペリジノールを用い、参考例43と同様にして、収率62%で化合物114を得た。
APCI−MS:m/z510([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.0Hz,3H),1.48−1.58(m,2H),1.86−1.97(m,2H),2.60(s,3H),2.63(s,2H),2.80(q,J=7.0Hz,2H),2.99(m,4H),3.22−3.33(m,2H),3.91−4.00(m,3H),5.36(s,2H),6.21(s,1H),6.62−6.70(m,2H),6.81−6.85(m,2H),6.89(s,1H),7.08−7.14(m,2H).
参考例46:化合物115{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシエチル)アミド}の合成
4−メチルピペラジンの代わりにエタノールアミンを用い、参考例43と同様にして、収率82%で化合物115を得た。
APCI−MS:m/z470([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),1.71(br s,1H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.97(m,4H),3.59(m,2H),3.81(t,J=9.6Hz,2H),5.35(s,2H),6.41(s,1H),6.54(t,J=5.6Hz,1H),6.63−6.71(m,2H),6.80−6.84(m,2H),6.99(s,1H),7.44−7.48(m,2H).
参考例47:化合物116{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]アミド}の合成
4−メチルピペラジンの代わりに2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミンを用い、参考例43と同様にして、収率92%で化合物116を得た。
APCI−MS:m/z523([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.6Hz,3H),1.78(m,4H),1.57(m,4H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.70(t,J=5.9Hz,2H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.97(m,2H),3.04(m,2H),3.53(q,J=5.7Hz,2H),5.35(s,2H),6.30(s,1H),6.63−6.72(m,3H),6.83(m,2H),6.89(s,1H),7.45−7.52(m,2H).
参考例48:化合物117{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル](モルホリノ)メタノン}の合成
4−メチルピペラジンの代わりにモルホリンを用い、参考例43と同様にして、収率98%で化合物117を得た。
APCI−MS:m/z496([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.99(m,4H),3.66(m,8H),5.35(s,2H),6.22(s,1H),6.62−6.71(m,2H),6.81−6.86(m,2H),6.89(s,1H),7.10−7.16(m,2H).
参考例49:化合物118{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸[ビス(2−ヒドロキシエチル)]アミド}の合成
4−メチルピペラジンの代わりに2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エタノールを用い、参考例43と同様にして、収率38%で化合物118を得た。
APCI−MS:m/z514([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.21(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.23(br s,2H),3.63(br s,4H),3.87(br s,4H),5.35(s,2H),6.20(s,1H),6.62−6.69(m,2H),6.83(m,2H),6.89(s,1H),7.24−7.29(m,2H).
参考例50:化合物119{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸アミド}の合成
4−メチルピペラジンの代わりにアンモニアを用い、参考例43と同様にして、収率57%で化合物119を得た。
APCI−MS:m/z426([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),2.48−2.52(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.78(q,J=7.4Hz,2H),2.92(br q,J=7.3Hz,4H),5.31(s,2H),6.78−7.00(m,6H),7.52−7.65(m,3H),8.68(s,1H).
参考例51:化合物120{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
参考例3で得られた化合物3(400mg,0.876mmol)を酢酸(8.8mL)に溶解し、パラホルムアルデヒド(0.47g,16mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.2g,10mmol)を加えて室温で5時間撹拌した。反応溶液にクロロホルムと飽和重曹水を加え、水層をクロロホルムで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をNH−シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/ヘキサン=50/50)で精製して、化合物120(342mg,0.713mmol,収率81%)を得た。
APCI−MS:m/z480([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),1.76(m,4H),2.47(m,4H),2.58(s,3H),2.62(s,3H),2.78(q,J=7.5Hz,2H),3.06(m,4H),3.29(s,3H),3.50(s,2H),5.35(s,2H),6.83−6.98(m,5H),7.02−7.08(m,2H).
参考例52:化合物121{1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸}の合成
工程1
参考例9で得られた化合物16(1.20g,2.18mmol)を酢酸(10mL)に溶解し、パラホルムアルデヒド(0.73g,21.8mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.58g,8.70mmol)を加えて室温で15時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチルと1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル混合溶媒)で精製して、1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル(1.25g,2.18mmol,収率100%)を得た。
APCI−MS:m/z566([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),1.31(t,J=7.6Hz,3H),1.6−2.0(m,6H),2.23(m,1H),2.58(s,3H),2.62(s,3H),2.73(q,J=7.4Hz,2H),2.75−2.9(m,2H),3.0−3.15(m,4H),3.28(s,3H),3.36(s,2H),4.10(q,J=7.6Hz,2H),5.34(s,2H),6.8−7.1(m,7H).
工程2
工程1で得られた1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステルを用い、参考例12と同様にして、収率42%で化合物121を得た。
APCI−MS:m/z538([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),1.5−1.8(m,2H),1.8−2.0(m,2H),2.2−2.4(m,2H),2.49(s,3H),2.50(s,3H),2.78(q,J=7.4Hz,2H),2.8−3.05(m,8H),3.22(s,2H),3.5−3.9(m,2H),5.34(s,2H),6.85(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.93(s,1H),6.94(d,J=2.0Hz,1H),7.0−7.2(m,4H).
参考例53:化合物122{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−8−[4−(2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジノメチル]−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン・1塩酸塩}の合成
参考例20で得られた1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−ピペリジン−4−カルボニトリルを用い、参考例52の工程1と同様にして、収率92%で1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボニトリルを得た。これを用い、参考例20の後段と同様にして、収率10%で2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−8−[4−(2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジノメチル]−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンを得た。これをクロロホルムに溶解し、4mol/L塩化水素・酢酸エチル溶液を加えて析出した固体を濾取することで、化合物122を得た。
APCI−MS:m/z562([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.28(t,J=7.6Hz,3H),2.0−2.5(m,4H),2.58(s,3H),2.63(s,3H),2.9−3.2(m,8H),3.2−3.3(m,4H),3.4−3.6(m,2H),4.17(s,2H),5.56(s,2H),7.0−7.2(m,4H),7.2−7.4(m,3H),10.79(s,1H).
参考例54:化合物123{{1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−イルメタノール}の合成
参考例52の工程1で得られた1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル(0.61g,1.08mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解して、−78℃に冷却し攪拌した。この反応溶液に同温度で1mol/L水素化ジイソプロピルアルミニウム/トルエン溶液(3.20mL,3.20mmol)を加え、同温度で3時間、その後室温で10分間攪拌した。反応溶液に飽和ロッシェル塩水溶液と酢酸エチルを加え、30分間攪拌した。水層を酢酸エチルで抽出後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を酢酸エチルを用いて再結晶に付し、化合物123(0.26g,0.50mmol,収率46%)を得た。
APCI−MS:m/z524([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.0−1.15(m,2H),1.23(t,J=7.5Hz,3H),1.25−1.3(m,1H),1.5−1.65(m,2H),1.7−1.9(m,2H),2.49(s,3H),2.50(s,3H),2.75(q,J=7.5Hz,2H),2.95−3.05(m,4H),3.15−3.25(m,5H),3.25−3.50(m,4H),5.32(s,2H),6.81(dd,J=2.0,8.5Hz,1H),6.90−7.05(m,6H).
参考例55:化合物124[2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−8−(2H−テトラゾール−5−イル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン]の合成
参考例34で得られた化合物103を用い、参考例52の工程1と同様にして、収率83%で8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボニトリルを得た。
これを用い、参考例20の後段と同様にして、収率20%で化合物124を得た。
APCI−MS:m/z465([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.24(t,J=7.7Hz,3H),2.50(s,3H),2.51(s,3H),2.80(q,J=7.7Hz,2H),3.0−3.1(m,2H),3.3−3.35(m,2H),3.40(s,3H),5.38(s,2H),6.90(dd,J=2.2,8.4Hz,1H),6.95(s,1H),7.02(d,J=2.2Hz,1H),7.10(d,J=8.4Hz,1H),7.24(d,J=8.4Hz,2H),7.75(d,J=2.2Hz,1H),7.79(dd,J=2.2,8.4Hz,1H).
参考例56:化合物125{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]酢酸}の合成
参考例36で得られた化合物105を用い、参考例52の工程1と同様にして、収率94%で[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]アセトニトリルを得た。
これを用い、参考例38と同様にして、収率86%で化合物125を得た。
APCI−MS:m/z455([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.22(t,J=7.3Hz,3H),2.49(s,3H),2.50(s,3H),2.75(q,J=7.3Hz,2H),2.9−3.1(m,4H),3.19(s,3H),3.42(s,2H),5.32(s,2H),6.81(d,J=8.1Hz,1H),6.9−7.05(m,6H).
参考例57:化合物91{1,4−ビス[4−(3−クロロベンジルアミノ)−6−シクロプロピルカルボニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−2−イル]ピペラジン}の合成
化合物91は、以下の工程1〜工程8に従って合成した。
工程1
市販の化合物(A)(100g,0.335mol)をエタノール(1,500mL)に溶解し、尿素(100g,1.67mol)およびナトリウムメトキシド(227g,1.18mol)を加え、加熱還流条件下、24時間反応を行った。薄層クロマトグラフィーで反応の進行を確認し、冷却後、析出した結晶を濾取した。この結晶を水に懸濁させ、その中へ塩酸(6mol/L)を加え、pH6.0に調整した。さらに1時間室温で撹拌し、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物(B)(60g,収率70%)を得た。
工程2
工程1で得られた化合物(B)(30.0g,0.116mol)にオキシ塩化リン(300mL)を加え、加熱条件下で5時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーで反応の進行を確認後、減圧下で過剰のオキシ塩化リンを留去した。その後、残渣に2−プロパノール(300mL)を加え、析出した結晶を含む懸濁液を加熱還流条件下、1時間撹拌し、さらに室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物(C)(33g,収率85%)を得た。
工程3
工程2で得られた化合物(C)(35.0g,0.106mol)を1,2−ジクロロエタン(850mL)に溶解し、そこへトリエチルアミン(14.9mL,0.107mol)およびクロロ蟻酸 1−クロロエチル(34.1mL,0.316mol)を加え、加熱還流条件下、5時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーで反応の進行を確認後、反応混合物を冷却し、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。生成物をメタノール(850mL)に溶解し、加熱還流条件下、1時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーで反応の進行を確認した後、濃縮乾固させることにより、化合物(D)(23.5g,収率95%)を得た。
工程4
工程3で得られた化合物(D)(11.8g,49.1mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、シクロプロパンカルボニルクロリド(5.4mL,1.2当量)とトリエチルアミン(20.4mL,3.0当量)を加え、室温で1時間攪拌した。得られた反応溶液を水、飽和重曹水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣にジイソプロピルエーテルを加え、懸濁液を1時間以上攪拌した。その後、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させることにより、化合物(E)(12.5g,収率94%)を得た。
工程5
工程4で得られた化合物(E)(12.5g,45.9mmol)をテトラヒドロフラン(400mL)に溶解し、トリエチルアミン(19.2mL,3当量)および3−クロロベンジルアミン(11.2mL,2当量)を加えた後、40℃で20時間攪拌した。析出した塩を濾過により除去後、溶媒を留去した。残渣をクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1→40:1)で精製し、目的物を含む画分の濃縮残渣にヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(3:1)を加え、結晶を析出させた。結晶を含む懸濁液を1時間攪拌後、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物(F)(11.9g,収率69%)を得た。
工程6
工程5で得られた化合物(F)(5.0g,13.3mmol)をジオキサン(100mL)に溶解し、tert−ブチル 1−ピペラジンカルボキシレート(4.9g,2当量)と炭酸ナトリウム(14.0g,10当量)を加え、90℃で3日間攪拌した。得られた反応溶液を濾過し、炭酸ナトリウムを除去後、濾液に水およびクロロホルムを加えて抽出を行い、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣にヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(3:1)を加え、懸濁液を1時間攪拌した。その後、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物(G)(6.4g,収率92%)を得た。
工程7
工程6で得られた化合物(G)(6.3g,12.0mmol)に20%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(50mL)を加え、室温で一時間攪拌した。反応溶液から溶媒を留去した後、残渣にジイソプロピルエーテルを加え、生成した懸濁液を1時間攪拌した。その後、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物(H)を得た(4.9g,収率97%)。
工程8
工程7で得られた化合物(H)(3.8g,8.90mmol)と、工程5で得られた化合物(F)(4.5g,1.05当量)をジオキサン(100mL)に溶解し、炭酸ナトリウム(10.6g,10当量)を加え、90℃で1週間攪拌した。得られた反応溶液を濾過し、炭酸ナトリウムを除去後、濾液に水を加えクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:トリエチルアミン=10:1)で精製した。目的物を含む画分の濃縮残渣にヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(3:1)を加え、生成した懸濁液を1時間攪拌した。その後、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させることにより、化合物91を得た(1.0g,収率23%)。
APCI−MS:m/z767([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):0.7−0.9(m,4H),1.0−1.1(m,4H),1.7−1.9(m,2H),2.6−2.8(m,4H),3.75(s,8H),3.8−4.0(m,4H),4.3−4.4(m,4H),4.6−4.7(m,4H),4.8−4.9(m,2H),7.1−7.3(m,8H).
参考例58:宿主・ベクター系の構築
(1)Gal4−ER発現プラスミドpGERbsrR2の造成
pSV2bsr(科研製薬社製)をPvuIIとEcoRIで切断後、Klenow処理して2.6kbのPvuII(平滑末端)−EcoRI(平滑末端)断片を取得した。
Gal4−ERキメラ遺伝子[セル(Cell)、54巻、199頁(1988年)、プロシィーデングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、90巻、1657頁(1993年)]を含有するERαAF2 in pM(東京大学の加藤茂明先生より分与)をAatIIとNdeIで切断後、Klenow処理して、AatII(平滑末端)−NdeI(平滑末端)断片を取得した。
上記のpSV2bsr由来のPvuII(平滑末端)−EcoRI(平滑末端)断片、およびERαAF2 in pM由来のAatII(平滑末端)−NdeI(平滑末端)断片を結合することにより、プラスミドpGERbsrR2を造成した。pGERbsrR2は、酵母(Saccharomyces cerevisiae)由来の転写因子Gal4pのDNA結合領域とエストロジェン受容体のリガンド結合領域のキメラ蛋白質(Gal4−ER)を発現することができる。
(2)ホタル・ルシフェラーゼの誘導発現プラスミドの造成
pcDNA3(インビトロジェン社)をXhoIで切断後、Klenow処理して、XhoI(平滑末端)断片を取得した。該断片を結合することにより、XhoI切断部位を消失させたpcDNA3を造成した。XhoI切断部位を消失させたpcDNA3をKpnIで切断後、Klenow処理して、KpnI(平滑末端)断片を取得した。該断片を結合することにより、XhoIおよびKpnI切断部位を消失させたpcDNA3を造成した。該プラスミドをBglIIで切断後、Klenow処理し、BglII(平滑末端)断片を取得した。
pAMoERC3Sc(特開平05−336963)をXhoIとNsiIで切断後、Klenow処理し、oriP配列を含む2.2kbのXhoI(平滑末端)−NsiI(平滑末端)断片を取得した。
上記のXhoI切断部位とKpnI切断部位を消失させたpcDNA3由来のBglII(平滑末端)断片、およびpAMoERC3Sc由来のXhoI(平滑末端)−NsiI(平滑末端)断片を結合することにより、プラスミドpcDNA3−oriPを造成した。pcDNA3−oriPをXhoIとHindIIIで切断し、XhoI−HindIII断片を取得した。
pSEOluc2(WO98/14474)をXhoIとNcoIで切断後、Klenow処理して、アンピシリン耐性遺伝子を含むXhoI(平滑末端)−NcoI(平滑末端)断片を取得した。該断片を結合することにより、プラスミドpASd1−luc1を造成した。pASd1−luc1をXhoIとHindIIIで切断後、0.11kbのXhoI−HindIII断片を取得した。
上記pcDNA3−oriP由来のXhoI−HindIII断片、およびpASd1−luc1由来のXhoI−HindIII断片を結合し、プラスミドpcDNA3−oriP−Sd1を造成した。pcDNA3−oriP−Sd1をXhoIとKpnIで切断し、XhoI−KpnI断片を取得した。
配列番号1、2、3、および4で表される塩基配列を有する4種のDNAをDNA合成機で合成した。該合成DNAは混合してアニールすることによりポリA付加シグナルをもつ2本鎖DNAを形成する。該合成DNAをそれぞれT4 polynucleotide kinaseを用いてリン酸化後、混合してアニールさせることにより、二本鎖DNAとした。
該二本鎖DNAとpcDNA3−oriP−Sd1由来のXhoI−KpnI断片を結合することにより、プラスミドpcDNA3−oriP−Sd1−pAを造成した。pcDNA3−oriP−Sd1−pAをXhoIで切断後、Klenow処理して、XhoI(平滑末端)断片を取得した。
pFR−luc(ストラタジーン社製)をHindIIIとBamHIで切断後、Klenow処理し、0.14kbのHindIII(平滑末端)−BamHI(平滑末端)断片を取得した。
上記のpcDNA3−oriP−Sd1−pA由来のXhoI(平滑末端)断片、およびpFR−luc由来のHindIII−BamHI断片を結合し、プラスミドpAGalSd1を作製した。pAGalSd1は、Gal4p応答配列(UASG)を5回繰り返した配列を有するプロモーターを含有している。pAGalSd1をEcoRIで切断後、Klenow処理し、EcoRI(平滑末端)断片を取得した。
pSEOluc2(WO98/14474)をHindIIIとSacIで切断後、Klenow処理することにより、ホタル・ルシフェラーゼ遺伝子を含む1.7kbのHindIII(平滑末端)−SacI(平滑末端)断片を取得した。
上記のpSEOluc2由来のHindIII(平滑末端)−SacI(平滑末端)断片、およびpAGalSd1由来のEcoRI(平滑末端)断片を結合することにより、プラスミドpAGalSd1−lucを造成した。
pAGalSd1−luc内に存在する二つのHindIIIサイトのうち、ホタル・ルシフェラーゼ遺伝子からより離れたHindIIIサイトのみをKlenow処理により消失させることにより、pAGalSd4−lucを造成した。
pAGalSd4−lucをAsp718で切断後、StuIで部分消化しpAGalSd4−luc由来の9.5kbのAsp718−StuI断片を取得した。該DNA断片をKlenow処理し、自己結合させることによりプラスミドpAGal9−lucを造成した。
(3)誘導発現ベクターpAGal9−dおよびpAGal9−ndの造成
エプスタイン・バー・ウイルスのoriPを有する発現プラスミドpAGal9−lucをHindIIIとSacIで切断し、oriPを含む6.9kbのHindIII−SacI断片を取得した。
pAMo−d(特開2001−211885)をHindIIIとSacIで切断し、テトラサイクリン耐性遺伝子(TcR)を含むHindIII−SacI断片を取得した。
上記のpAGal9−luc由来のHindIII−SacI断片、およびpAMo−d由来のHindIII−SacI断片を結合することにより、pAGal9−luc中のホタル・ルシフェラーゼ遺伝子部分をpAMo−dのStuffer配列と置き換えたプラスミドpAGal9−dを造成した。pAGal9−lucをHindIIIとSacIで切断し、6.9kbのHindIII−SacI断片を取得した。
pAMo−nd(特開2001−211885)をHindIIIとSacIで切断し、テトラサイクリン耐性遺伝子を含むHindIII−SacI断片を取得した。
上記のpAGal9−luc由来のHindIII−SacI断片、およびpAMo−nd由来のHindIII−SacI断片を結合することにより、pAGal9−luc中のホタル・ルシフェラーゼ遺伝子部分をpAMo−ndのStuffer配列と置き換えたプラスミドpAGal9−ndを造成した。
(4)Gal4−ER発現プラスミドpGERbsrR2をNamalwa KJM−1細胞の染色体DNAに組み込んだ細胞株KJMGER8の造成
Gal4−ERキメラ転写因子発現プラスミドpGERbsrR2を、1μg/μlになるようにTE緩衝液〔10mmol/L Tris−HCl(pH8.0)、1mmol/Lエチレンジアミン4酢酸〕に溶解した後、エレクトロポレーション法[サイトテクノロジー(Cytotechnology)、3巻、133頁(1990年)]により、該プラスミドをNamalwa KJM−1細胞[サイトテクノロジー(Cytotechnology)、1巻、151頁(1988年)]に、6×106細胞あたり4μg導入し、形質転換細胞を得た。Namalwa KJM−1細胞は、EBNA−1遺伝子を発現する無血清馴化したB細胞株である。
該形質転換細胞を、8mlのRPMI1640・ITPSG培地〔RPMI1640培地(日水製薬社製)に、1/40量の7.5%NaHCO3、3%200mmol/L L−グルタミン溶液(インビトロジェン社製)、0.5%ペニシリン・ストレプトマイシン溶液(インビトロジェン社製、5,000units/mlペニシリン、5,000μg/mlストレプトマイシン)、10mmol/L N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(N−2−hydroxyethylpiperazine−N’−2−ethanesulfonic acid;HEPES)、3μg/mlインシュリン、5μg/mlトランスフェリン、5mmol/Lピルビン酸ナトリウム、125nmol/L亜セレン酸ナトリウム、1mg/mlガラクトースを添加した培地〕に懸濁し、CO2インキュベーター中で37℃で24時間培養した。
培養後、ブラストサイジンS(Blasticidin S)(KK−400:科研製薬社製)を2.0μg/mlになるように添加し、96穴プレートに分注(500〜2000細胞/穴)して培養を行い、pGERbsrR2が染色体DNAに組み込まれた安定形質転換株(シングルクローン)を多数取得した。各形質転換株は、2.0μg/mlのブラストサイジンSを含むRPMI1640・ITPSG培地で継代した。
下記に示す方法により上記安定形質転換株から、誘導倍率が高く、かつ非誘導時のバックグラウンドが低い優れた安定形質転換株KJMGER8細胞を選択した。
各形質転換株にホタル・ルシフェラーゼの誘導発現プラスミドpAGalSd1−lucをエレクトロポレーション法により導入し、2日間培養した。
培養後、17β−エストラジオール(E8875:シグマ社製)(終濃度10nmol/L)を添加し、さらに24時間培養後、ホタル・ルシフェラーゼ活性の測定を行った。活性の測定には、ルミノメーターLB953(ベルトールド社製)を用い、細胞溶解用緩衝液〔1%トリトンX−100、100mmol/L KH2PO4(pH7.8)、1mmol/Lジチオスレイトール〕100μlを、上記培養液に自動注入後、基質溶液〔25mmol/Lグリシルグリシン(pH7.8)、15mmol/L MgSO4、5mmol/L ATP、0.33mmol/Lルシフェリン〕300μlを自動注入し、10秒間の発光量を測定し、ルシフェラーゼ活性とした。比較のために、17β−エストラジオール無添加条件下でのルシフェラーゼ活性も測定した。
17β−エストラジオール添加条件下でのルシフェラーゼ活性と17β−エストラジオール無添加条件下でのルシフェラーゼ活性を比較することにより、遺伝子発現の誘導倍率を算出し、該誘導倍率が高く、かつ17β−エストラジオール無添加条件下のルシフェラーゼ活性が低いクローンとして、KJMGER8細胞を選択した。
参考例59:ホタル・ルシフェラーゼをレポーターとするレポータープラスミドpACREplucの造成
cAMP応答配列(CRE)の制御下にホタル・ルシフェラーゼ遺伝子を発現することのできるレポータープラスミドであるpACREplucを以下の方法で造成した。pACREplucは、ハイグロマイシン耐性遺伝子およびエプスタイン・バー・ウィルスのoriPを有している。
pAMo[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、268巻、22782頁(1993年)、別名pAMoPRC3Sc(特開平5−336963)]をClaIで部分消化し、一カ所切断されたDNA断片を取得した。該DNA断片をMluIで部分消化し、9.5kbのClaI−MluI断片を取得した。pAGE248[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、269巻、14730頁(1994年)]をClaIおよびMluIで切断し、ハイグロマイシン耐性遺伝子を含む1.5kbのClaI−MluI断片を取得した。pAMo由来のClaI−MluI断片、およびpAGE248由来のClaI−MluI断片を結合し、プラスミドpAMohを造成した。
pAMohをXhoIとHindIIIで切断後、ハイグロマイシン耐性遺伝子を含むXhoI−HindIII断片を取得した。pAGal9−lucをSalIとHindIIIで切断し、oriP、Gal4UASを含むSalI−HindIII断片を取得した。pAGal9−luc由来のSalI−HindIII断片、および上記pAMoh由来のXhoI−HindIII断片を結合することにより、プラスミドpAGal9hを造成した。
pBluescriptII KS+(東洋紡績社製)をSalIおよびXhoIで切断した後、ホスファターゼ(Alkaline Phosphatase E.coli C75、宝酒造社製)を用いて脱リン酸化処理し、アンピシリン耐性遺伝子を含むSalI−XhoI断片を取得した。配列番号5および6で表される塩基配列を有する合成オリゴヌクレオチドをアニールさせることにより、CRE配列を2つ含む二本鎖DNAを調製した。該二本鎖DNAとpBluescriptII KS+由来のSalI−XhoI断片を結合し、CRE配列を2つ含むプラスミドpBS−CREIを造成した。pBS−CREIは、該二本鎖DNAが、SalI切断部位およびXhoI切断部位が再生する方向に組み込まれたプラスミドであり、上記切断部位をそれぞれ1つ有している。
pBS−CREIをScaIおよびXhoIで切断しファージflのoriを含むScaI−XhoI断片を取得した。pBS−CREIをScaIおよびSalIで切断しColE1 oriを含むScaI−SalI断片を取得した。pBS−CREI由来のScaI−XhoI断片およびScaI−SalI断片を結合し、CRE配列を4つ含むpBS−CREIIを造成した。
pBS−CREIIをScaIおよびXhoIで切断しファージflのoriを含むScaI−XhoI断片を取得した。pBS−CREIIをScaIおよびSalIで切断しColE1oriを含むScaI−SalI断片を取得した。pBS−CREII由来のScaI−XhoI断片およびScaI−SalI断片を結合しCRE配列を8つ含むpBS−CREIVを造成した。
pBS−CREIVをScaIおよびXhoIで切断しファージflのoriを含むScaI−XhoI断片を取得した。pBS−CREIVをScaIおよびSalIで切断しColE1oriを含むScaI−SalI断片を取得した。pBS−CREIV由来のScaI−XhoI断片およびScaI−SalI断片を結合しCRE配列を16含むpBS−CREVIIIを造成した。
pBS−CREVIIIをXhoIで切断後、Klenow処理し、さらにHindIIIで切断することにより、16個のCREを含むHindIII−XhoI(平滑末端)断片を取得した。pAGalSd1をMluIとHindIIIで切断し、1.4kbのMluI−HindIII断片を取得した。pAGal9hをXbaIで切断後、Klenow処理し、さらにMluIで切断することによりXbaI(平滑末端)−MluI断片を取得した。pBS−CREVIII由来のHindIII−XhoI(平滑末端)断片、pAGalSd1由来のMluI−HindIII断片、およびpAGal9h由来のXbaI(平滑末端)−MluI断片を結合し、プラスミドpACREhを造成した。
pAGal9−lucをXhoIとNotIで切断し、ホタル・ルシフェラーゼ遺伝子を含むXhoI−NotI断片を取得した。pACREhをXhoIとNotIで切断し、CRE配列を含むXhoI−NotI断片を取得した。pAGal9−luc由来のXhoI−NotI断片、およびpACREh由来のXhoI−NotI断片を結合することによりプラスミドpACRElucを造成した。
pACRElucをHindIIIで切断後、Klenow処理し、さらにXhoIで切断することによりCREを含むHindIII(平滑末端)−XhoI断片、およびホタル・ルシフェラーゼ遺伝子を含むHindIII(平滑末端)−XhoI断片をそれぞれ取得した。pACREluc由来の上記2種のHindIII(平滑末端)−XhoI断片を結合することにより、pACREluc中のCRE配列上流のHindIIIサイトが消失したプラスミドpACRElucHを造成した。
pGL3−Enhancer vector〔プロメガ(Promega)社製〕をHindIIIとHpaIで切断し、luc+遺伝子(改変型のホタル・ルシフェラーゼ遺伝子)を含むHindIII−HpaI断片を取得した。pACRElucHをNotIで切断後、Klenow処理し、さらにHindIIIで切断することにより、CREを含むHindIII−NotI(平滑末端)断片を取得した。pGL3−Enhancer vector由来のHindIII−HpaI断片、およびpACRElucH由来のHindIII−NotI(平滑末端)断片を結合することによりプラスミドpACREplucを造成した。
参考例60:GPR4誘導発現プラスミドの造成
ヒト肺由来のmRNA(クロンテック社製)を1μg用い、SUPERSCRIPT First−Strand Synthesis System for RT−PCR(ギブコ社製)により一本鎖cDNAを合成した。該一本鎖cDNAを水で250倍希釈した溶液5μlを鋳型として、配列番号7および8に示した配列を有する合成DNAをGPR4遺伝子特異的プライマーとして用い、PCRによりGPR4 cDNAを取得した。GPR4遺伝子特異的プライマーの配列は、GPR4遺伝子の配列情報(GenBank受入番号:U21051)に基いて設計した。酵素としては、PfuTurbo DNA Polymerase(Stratagene社製)を用いた。PCRを行う際の緩衝液としては、使用する酵素に付加された10倍濃度の緩衝液を使用した。PCRは、サーマルサイクラーDNA engine(MJ Research社製)を用い、95℃で5分間の処理後、94℃で1分間、60℃で1分間、72℃で1分間からなる反応を30サイクル行うことにより実施した。
増幅されたGPR4 cDNA断片をプライマー上に設計された配列を切断するHindIIIおよびNotIで切断した。GPR4 cDNAを含む断片をアガロースゲル電気泳動法により回収した。
該切断断片を、プラスミドpAGal9−ndのHindIII−NotI間へ組み込むことにより、GPR4誘導発現プラスミドpAGal9−GPR4を構築した。
pAGal9−nd中の配列に特異的なプライマー(配列番号9および10に示した配列を有する合成DNA)を用いて、該cDNAの5’側および3’側の配列を決定した。決定された配列に特異的な合成DNAを調製し、それをプライマーとして用い、さらに先の塩基配列を決定した。該操作を繰り返すことにより、該cDNAの全塩基配列を決定しGPR4をコードしていることを確認した。塩基配列の決定には、パーキン・エルマー社のDNAシークエンサー377と反応キット(ABI PrismTM BigDyeTM Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit:アプライド・バイオシステムズ社)を使用した。
プラスミドに組み込んだDNA断片の配列を決定し、GPR4をコードしていることを確認した。
参考例61:GPR4のアッセイ細胞の構築
GPR4誘導発現プラスミドpAGal9−GPR4(2μg)およびレポータープラスミドpACREpluc(2μg)を、上記エレクトロポレーション法により、6×106細胞のKJMGER8に共導入した。該形質転換株を8mlのRPMI1640・ITPSG培地に懸濁し、CO2インキュベーター中、37℃で24時間培養した。培養後、ブラストサイジンS(2.0μg/ml)、ハイグロマイシンB(300μg/ml)およびジェネティシン(500μg/ml)を添加し、さらに14日間培養して安定形質転換株(GPR4アッセイ細胞と呼ぶ)を取得した。該形質転換株を、ブラストサイジンS(2.0μg/ml)、ハイグロマイシンB(300μg/ml)およびジェネティシン(500μg/ml)を含むRPMI1640・ITPSG培地で継代した。
同様にして、コントロールプラスミドpAGal9−nd(2μg)およびレポータープラスミドpACREpluc(2μg)をKJMGER8に共導入し、安定形質転換株(コントロール細胞と呼ぶ)を取得した。
参考例62:マウス由来のヒトGPR4ホモログをコードするDNAのクローニング
ヒトGPR4遺伝子の塩基配列情報[Accession(AC)No.U21051]を基に、NCBIのデータベースを対象として検索を行った。その結果、相同性の高い配列として、マウスゲノム配列(AC073784)および複数のExpression sequence tag(EST)配列(BF178464、AA968193、AA798732、AI840893、AI851037)が選択された。該マウスゲノム配列とESTから構築された遺伝子の塩基配列を配列番号14に、該遺伝子によりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号13に示した。該アミノ酸配列を、解析プログラム[GENETYX WIN ver.5.0(ソフトウェア社製)]を用いてヒトGPR4のアミノ酸配列と比較したところ、92.7%の一致が認められた。
よって、配列番号13で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドは、マウスのヒトGPR4ホモログ(マウスGPR4)であることが推定された。
従って、マウスGPR4をコードするDNAは、市販、または公知の方法で調製することができるマウスcDNAライブラリーを鋳型にし、配列番号14で表される塩基配列に基づき設計、合成できるオリゴヌクレオチドをプライマーセットに用いたPCRにより取得することができる。
参考例63:ラット由来のヒトGPR4ホモログをコードするDNAのクローニング
ヒトGPR4遺伝子の塩基配列情報(AC No.U21051)を基に、NCBIのデータベースを対象として検索を行った。その結果、相同性の高い配列として2つのラットゲノム配列(AC119447.2およびAC096180.2)および複数のラットEST配列(BF544182、AI170948、AI008858、AI235374、AI502871、BQ194515)が選択された。これらの配列と、配列番号14で示したマウスの塩基配列情報を基に配列番号15および配列番号16に記載の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを作製した。
該オリゴヌクレオチド各々1.0μmol/Lをプライマーセットとして用い、ラット肺由来mRNAから作製したcDNA 2μLを鋳型に用い、後記の各成分の濃度が200μmol/LとなるようdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)、Taq Gold(パーキンエルマー社製)2.5単位および1×Taq Gold(Mg plus)緩衝液(パーキンエルマー社)を含む反応溶液40μLを調製し、下記条件下でPCRを行った。
すなわち、サーマルサイクラーPTC−200(MJリサーチ社製)を用い、95℃で10分間加熱後、94℃で1分間、55℃で1分間、72℃で1分間の工程を1サイクルとして30サイクル行い、さらに72℃で5分間加熱した。
得られたPCR反応液より5μLを分取し、アガロースゲル電気泳動によりGPR4をコードするDNAと予想される約1.1kbのDNA断片が増幅されたことを確認後、QIAEX II Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて、該製品に添付されたマニュアルに従い、DNA断片を溶出し回収した。
上記で回収したDNA断片50ngとpT7Blue T−Vector(Novagen社製)50ngとをDNA Ligation kit ver.2(宝酒造社製)を用いて該製品に添付されたマニュアルに従って連結し、組換えプラスミドDNAを得た。得られた組換えプラスミドDNAを用いて大腸菌JM109株を形質転換して得られる形質転換株から、常法によりプラスミドpT7RGを得た。プラスミドpT7RGの全塩基配列を決定した結果、pT7RGには配列番号18で表される塩基配列を有する約1.1kbのcDNAが含まれていた。配列番号18で表される塩基配列からなるDNAにコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号17に示した。該アミノ酸配列を、解析プログラム[GENETYX WIN ver.5.0(ソフトウェア社製)]を用いてヒト、およびマウスGPR4のアミノ酸配列と比較したところ、それぞれ93.0%、99.2%の一致が認められた。
よって、配列番号17で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドは、ラットのヒトGPR4ホモログ(ラットGPR4)であることが推定された。
実施例1:錠剤
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。
処方 化合物1 20mg
乳糖 143.4mg
馬鈴薯デンプン 30mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
200mg
実施例2:注射剤
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。
処方 化合物5 2mg
精製ダイズ油 200mg
精製卵黄レシチン 24mg
注射用グリセリン 50mg
注射用蒸留水 1.72ml
2.00ml
下記参考例中の各化合物の物理化学的データは、以下の機器類によって測定した。
1H NMR:JEOL JNM−EX270(270MHz)またはJEOL JNM−GX270(270MHz)
MS:Micromass LCTまたはMicromass Quatro(APCI法により測定)
参考例1:化合物1{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(4−メチルピペラジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
特開平7−61983に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン(30.0g,78.4mmol)をクロロホルム(300mL)と酢酸(300mL)の混合溶媒に溶解し、1−メチルピペラジン(23.6g,236mmol)およびホルムアルデヒド(37%水溶液、7.64g,94.1mmol)を加え、60℃に加熱し、18時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、氷冷下に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。析出した結晶を酢酸エチルでトリチュレーションし、化合物1(27.4g,55.4mmol,収率71%)を得た。
APCI−MS:m/z495([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),2.27(s,3H),2.45(m,8H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),3.38(s,2H),5.34(s,2H),6.00(s,1H),6.57−6.66(m,2H),6.79−7.00(m,5H).
また、対応するフマル酸塩を以下の方法に従って調製した。
上記の化合物1(15g)をメタノール(110mL)に溶解し、フマル酸7.0g(2.0当量)を加えた。結晶の析出した懸濁液を一旦濃縮乾固し、アセトニトリル(100mL)を加え懸濁液を1時間以上攪拌した。その後、結晶を濾取して、減圧下、乾燥することによりにより化合物1の2フマル酸塩を得た(20.1g,収率91%)。
参考例2:化合物2{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
1−メチルピペラジンの代わりに1,2,3,6−テトラヒドロピリジンを用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率20%で化合物2を得た。
APCI−MS:m/z478([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.04(m,2H),2.53(t,J=5.7Hz,2H),2.60(s,3H),2.62(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.86−3.02(m,6H),3.45(s,2H),5.33(s,2H),5.64(m,1H),5.74(m,1H),6.02(s,1H),6.57−6.70(m,2H),6.78−6.82(m,2H),6.88(s,1H),6.95−7.00(m,2H).
参考例3:化合物3{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
1−メチルピペラジンの代わりにピロリジンを用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率20%で化合物3を得た。
APCI−MS:m/z466([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),1.78(m,4H),2.50(m,4H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.50(s,2H),5.34(s,2H),6.02(s,1H),6.58−6.66(m,2H),6.79−6.81(m,2H),6.88(s,1H),6.98−7.02(m,2H).
参考例4:化合物4{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−モルホリノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
1−メチルピペラジンの代わりにモルホリンを用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率46%で化合物4を得た。
APCI−MS:m/z482([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.43(m,4H),2.60(m,3H),2.63(m,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.38(s,2H),3.69(m,4H),5.34(s,2H),6.07(s,1H),6.58−6.67(m,2H),6.78−6.81(m,2H),6.88(s,1H),6.96−7.01(m,2H).
参考例5:化合物5〜化合物12の合成
特開平7−61983に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン(19mg,0.050mmol)をクロロホルム(0.30mL)と酢酸(0.30mL)の混合溶媒に溶解し、対応するR5R6NHのクロロホルム溶液(1.0mol/L,0.15mL)およびホルムアルデヒド(37%水溶液、0.005mL)を加え、60℃に加熱し、20時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、溶媒を留去し、残渣をクロロホルムに溶解させ、水洗を2回施した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、残渣にクロロホルム(0.50mL)およびN−メチルイサト酸無水物 ポリスチレン(N−Methylisatoicanhydride polystylene、ノババイオケム社製、0.15mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物中のレジンを濾別し、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(ボンデシルSCX、バリアン社製、2mol/Lアンモニア−メタノール溶液で溶出)で精製し、目的物である化合物5〜化合物12を得た。
化合物の構造を第1表に、分析値(APCI−MS)を第14表に記した。
参考例6:化合物13{ヨウ化 1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−1−メチルピロリジニウム}の合成
参考例3で得られた化合物3(11.4g,24.5mmol)をジクロロメタン(200mL)に溶解し、ヨウ化メチル(1.98mL,31.8mmol)を加え、室温で10時間撹拌した。反応溶液を減圧下、濃縮した後、酢酸エチルを加えた。得られた懸濁液を60℃に加熱し0.5時間撹拌し、その後室温で1時間撹拌した。析出した固体を濾取して、化合物13(13.7g,22.5mmol,収率92%)を得た。
APCI−MS:m/z480([M−I]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.6Hz,3H),2.13(br s,2H),2.25(br s,2H),2.58(s,3H),2.62(s,2H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.85(m,4H),3.06(s,3H),3.52(br s,2H),3.83(br s,2H),4.74(s,2H),5.32(s,2H),6.76(m,2H),6.88(s,1H),6.95−7.18(m,4H),7.43(s,1H).
参考例7:化合物14{2−(2,5−ジヒドロピロール−1−イルメチル)−8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
1−メチルピペラジンの代わりに2,5−ジヒドロピロールを用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983号に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率82%で化合物14を得た。
APCI−MS:m/z464([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.59(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.9−3.1(m,4H),3.45(s,4H),3.70(s,2H),5.34(s,2H),5.87(s,2H),6.07(s,1H),6.59(d,J=8.7Hz,2H),6.63(d,J=8.7Hz,2H),6.75−6.85(m,2H),6.88(s,1H),7.00−7.05(m,2H).
参考例8:化合物15〈{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−メチルアミノ}酢酸メチルエステル〉の合成
1−メチルピペラジンの代わりにサルコシンメチルエステル塩酸塩を用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983号に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率31%で化合物15を得た。
APCI−MS:m/z498([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),2.36(s,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),3.23(s,2H),3.53(s,2H),3.70(s,3H),5.34(s,2H),5.98(s,1H),6.59−6.67(m,2H),6.82(m,2H),6.88(s,1H),6.97−7.02(m,2H).
参考例9:化合物16{1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル}の合成
1−メチルピペラジンの代わりにイソニペコチン酸エチルエステルを用い、参考例1と同様にして、特開平7−61983号に記載された2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンから収率60%で化合物16を得た。
APCI−MS:m/z552([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.23(t,J=7.0Hz,3H),1.30(t,J=7.6Hz,3H),1.68−1.90(m,6H),1.97(td,J=11.3,2.7Hz,2H),2.26(m,1H),2.60(s,3H),2.62(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.83(m,2H),2.98(m,4H),3.36(s,2H),4.11(q,J=7.0Hz,2H),5.33(s,2H),6.03(s,1H),6.57−6.66(m,2H),6.78−6.82(m,2H),6.88(s,1H),6.94−6.99(m,2H).
参考例10:化合物17〈2−{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−メチルアミノ}エタノール〉の合成
水素化アルミニウムリチウム(15.7mg,0.38mmol)をテトラヒドロフラン(0.3mL)に懸濁させ、氷冷下、攪拌しながら、テトラヒドロフラン(0.9mL)に溶解した、参考例8で得られた化合物15(126mg,0.253mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、撹拌しながら水(0.016mL)、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.016mL)、水(0.048mL)を順次滴下した。析出物を濾別し、濾液を濃縮した残渣をNH−シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製して、化合物17(47.6mg,0.101mmol,収率40%)を得た。
APCI−MS:m/z470([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),1.7(br s,1H),2.21(s,3H),2.57(t,J=5.5Hz,2H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.44(s,2H),3.61(t,J=5.5Hz,2H),5.34(s,2H),5.99(s,1H),6.59−6.67(m,2H),6.81(m,2H),6.88(s,1H),6.91−6.98(m,2H).
参考例11:化合物18〈{1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−イル}メタノール〉の合成
化合物15の代わりに化合物16を用い、参考例10と同様にして、収率50%で化合物18を得た。
APCI−MS:m/z510([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),1.24−1.74(m,6H),1.91(m,2H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.86−3.02(m,6H),3.37(s,2H),3.48(d,J=6.3Hz,2H),5.34(s,2H),5.98(s,1H),6.58−6.67(m,2H),6.82(m,2H),6.89(s,1H),6.94−7.00(m,2H).
参考例12:化合物19〈{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−メチルアミノ}酢酸〉の合成
参考例8で得られた化合物15(151mg,0.303mmol)をメタノール(3.0mL)に溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム/メタノール溶液(1.5mL)を加え、60℃に加熱し、9時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、室温に冷却し、4mol/L塩酸を加え、pHを6.0に調整した。析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥した。この結晶をエチルエーテルに懸濁させ、加熱還流条件下、1時間撹拌し、さらに室温で1時間撹拌した。結晶を濾取し、減圧下で乾燥させて、化合物19(119mg,0.246mmol,収率81%)を得た。
APCI−MS:m/z483([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),2.34(s,3H),2.48−2.52(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.78(q,J=7.4Hz,2H),2.89(m,4H),3.11(s,2H),3.66(s,2H),5.29(s,2H),6.75−7.02(m,7H),8.36(s,1H).
参考例13:化合物20{1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸}の合成
化合物15の代わりに化合物16を用い、参考例12と同様にして、収率70%で化合物20を得た。
APCI−MS:m/z524([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),1.52(m,2H),1.75(m,2H),1.97(m,2H),2.18(m,1H),2.48−2.54(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.71−2.92(m,8H),3.32(s,2H),5.29(s,2H),6.75−6.94(m,7H),8.23(s,1H).
参考例14:化合物21〈{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−メチルアミノ}アセトニトリル〉の合成
参考例6で得られた化合物13(700mg,1.15mmol)をクロロホルム(1.2mL)に溶解し、メチルアミノアセトニトリル(368mg,3.46mmol)およびトリエチルアミン(0.561mL,4.03mmol)を加え、加熱還流条件下、終夜撹拌した。反応液を室温まで冷却し、飽和重曹水を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:メタノール/クロロホルム=1/99)で精製した。目的物を含む画分の濃縮残渣にエタノールを加え、得られた懸濁液を60℃で0.5時間撹拌し、その後室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させることにより、化合物21(415mg,0.893mmol,収率78%)を得た。
APCI−MS:m/z465([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.42(s,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.43(s,2H),3.48(s,2H),5.34(s,2H),6.10(s,1H),6.58−6.69(m,2H),6.78−6.83(m,2H),6.88(s,1H),6.95−7.02(m,2H).
参考例15:化合物22{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]アミン・2フマル酸塩}の合成
工程1
後記の参考例24で得られた化合物93(1.25g,3.03mmol)をクロロホルム(54mL)およびアセトン(6mL)の混合溶媒に溶解し、二酸化マンガン(2.7g,31mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、固形物をセライトを通じて濾別し、濾液を濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えて得られる懸濁液を加熱還流条件下0.5時間撹拌し、その後室温に冷却してさらに0.5時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥させることにより8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボアルデヒド(1.02g,2.48mmol,収率82%)を得た。
APCI−MS:m/z411([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.64(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.99(m,2H),3.06(m,2H),5.37(s,2H),6.60−6.91(m,6H),7.52−7.61(m,2H),9.77(s,1H).
工程2
工程1で得られた8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボアルデヒド(0.300g,0.73mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)およびクロロホルム(6mL)の混合溶媒に懸濁させ、これに2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミン(139μL,1.10mmol)を加えて10分間、加熱還流した。その後、反応溶液を室温まで冷却してトリアセトキシホウ素化ナトリウム(464mg,2.19mmol)を加えて12時間、室温で攪拌した。反応溶液に酢酸エチルと1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、有機層を無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。その後、溶液を減圧下、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/2mol/Lアンモニア・メタノール溶液=20/1)で精製して、N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]アミン(0.301g,0.592mmol,収率81%)を得た。これを参考例1と同様な方法でフマル酸塩として化合物22を得た。
APCI−MS:m/z509([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),1.65−1.85(m,4H),2.50(s,3H),2.51(s,3H),2.6−2.7(m,4H),2.7−3.0(m,8H),3.86(s,2H),5.29(s,2H),6.55(s,4H),6.75−6.95(m,6H),7.0−7.15(m,2H),8.43(s,1H).
参考例16:化合物23{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−(2−メトキシエチル)アミン・1フマル酸塩}の合成
2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミンの代わりに2−メトキシエチルアミンを用い、参考例15の工程2と同様にして、収率78%でN−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−(2−メトキシエチル)アミンを得た。これを参考例1と同様な方法でフマル酸塩として化合物23を得た。
APCI−MS:m/z470([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),2.50(s,3H),2.51(s,3H),2.80(q,J=7.4Hz,2H),2.8−3.0(m,6H),3.24(s,3H),3.49(t,J=6.5Hz,2H),3.80(s,2H),5.29(s,2H),6.48(s,2H),6.84(d,J=8.1Hz,1H),6.85−7.0(m,4H),7.0−7.1(m,2H),8.43(s,1H).
参考例17:化合物24〈2−{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]アミノ}エタノール・0.5フマル酸塩〉の合成
2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミンの代わりに2−エタノールアミンを用い、参考例15の工程2と同様にして、収率39%で2−{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]アミノ}エタノールを得た。
これを参考例1と同様な方法でフマル酸塩として化合物24を得た。
APCI−MS:m/z456([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),2.50(s,3H),2.51(s,3H),2.70−2.75(m,2H),2.77(q,J=7.4Hz,2H),2.85−2.9(m,4H),3.55(t,J=5.5Hz,2H),3.78(s,2H),5.29(s,2H),6.44(s,1H),6.79(dd,J=1.5Hz,8.3Hz,1H),6.85−6.95(m,4H),7.0−7.1(m,2H),8.39(s,1H).
参考例18:化合物25〈{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]メチル}アミン・1フマル酸塩〉の合成
参考例6で得られた化合物13(0.300g,0.516mmol)を7mol/Lアンモニアメタノール溶液(5mL)に溶解し、封管して80℃で48時間加熱した。その後、反応溶液を減圧下、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/2mol/Lアンモニア・メタノール溶液=20/1)で精製して、{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]メチル}アミン(0.135g,0.329mmol,収率64%)を得た。
これを参考例1と同様な方法でフマル酸塩として化合物25を得た。
APCI−MS:m/z412([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),2.50(s,3H),2.51(s,3H),2.77(q,J=7.4Hz,2H),2.85−2.9(m,4H),3.81(s,2H),5.29(s,2H),6.42(s,2H),6.8−7.0(m,5H),7.0−7.15(m,2H),8.46(s,1H).
参考例19:化合物26{N−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−N−メチル−N−(2H−テトラゾール−5−イルメチル)アミン}の合成
参考例6で得られた化合物13(667mg,1.10mmol)をクロロホルム(11mL)に溶解し、後記の参考例22で得られたN−メチル−N−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イルメチル)アミン(390mg,1.10mmol)およびトリエチルアミン(0.31mL,2.3mmol)を加えて60℃で終夜撹拌した。反応液を室温まで冷却し、飽和重曹水を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(溶出溶媒:メタノール/クロロホルム=2/98)に通じて原点成分を除去し、濃縮した。残渣にアセトン(1.9mL)、水(1.9mL)および酢酸(1.9mL)を加え、60℃で1.5時間撹拌した。反応液を0℃まで冷却し、析出物を濾別し、濾液を濃縮した。残渣をエタノールから再結晶して、化合物26(66.7mg,0.131mmol,収率12%)を得た。
APCI−MS:m/z508([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.32(t,J=5.0Hz,3H),2.58(s,3H),2.63(s,3H),2.75−2.79(m,7H),2.81(q,J=5.0Hz,2H),4.08(s,2H),4.28(s,2H),5.34(s,2H),6.37(s,1H),6.46(d,J=8.1Hz,1H),6.58(d,J=8.1Hz,1H),6.72−6.80(m,2H),6.84−6.94(m,3H).
参考例20:化合物27{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−[4−(2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−イルメチル]−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メチルアミノアセトニトリルの代わりにピペリジン−4−カルボニトリルを用い、参考例14と同様にして、収率58%で1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボニトリルを得た。
得られた1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボニトリル(0.252g,0.500mmol)をトルエン(4mL)に溶解し、トリメチルシリルアジド(0.13mL,1.00mmol)および酸化ジブチルすず(12.4mg,0.05mmol)を加え、110℃で22時間、加熱攪拌した。反応溶液を減圧下、濃縮した後、残渣にエタノールを加えた。得られた懸濁液を0.5時間、加熱還流した後、固体を濾取して、化合物27(0.110g、0.200mmol,収率40%)を得た。
APCI−MS:m/z548([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.22(t,J=7.4Hz,3H),1.65−1.85(m,2H),1.9−2.05(m,2H),2.2−2.35(m,2H),2.48(s,3H),2.58(s,3H),2.77(q,J=7.4Hz,2H),2.85−3.05(m,7H),3.52(s,2H),5.29(s,2H),6.85−7.05(m,8H),8.36(s,1H).
参考例21:化合物28〜化合物90の合成
工程1
ヨウ化 1−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)−1−メチルピペリジニウム(0.015g,0.050mmol)をジメチルホルムアミド(0.50mL)に溶解し、対応するYH(式中、Yは前記と同義である)のクロロホルム溶液(1.0mmol/L,0.060mL)および水酸化リチウム・1水和物(0.070g)を加え、室温で20時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、溶媒を留去し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、得られた溶液を水で3回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、残渣にクロロホルム(0.60mL)およびN−メチルイサト酸無水物 ポリスチレン(N−Methylisatoic anhydride polystylene、ノババイオケム社製、0.15mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物中のレジンを濾別し、濾液を濃縮した後、残渣をイオン交換クロマトグラフィー(ボンデシルSCX、バリアン社製、2mol/Lアンモニア−メタノール溶液で溶出)で精製し、製造法1における化合物(IV)に相当する各種中間体を得た。
工程2
参考例5と同様にして、工程1で得られた製造法1における化合物(IV)に相当する各種中間体と相当するR5R6NH(式中、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)から、目的物である化合物28〜化合物90を得た。なお、化合物41、42、48および89はシュウ酸塩として単離した。
化合物28〜化合物87の構造と分析値(APCI−MS)を第2表〜第6表に記した。また、化合物29、30、36、41、42、48、53、54、60、65、66、72、77、78および84の分析値(1H NMR)を以下に示した。
化合物29{2−(ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.0−2.1(m,2H),2.44(t,J=5.6Hz,2H),2.75−2.85(m,2H),2.9−3.0(m,4H),3.32(s,2H),5.31(s,2H),5.5−5.8(m,2H),6.8−7.1(m,6H),7.1−7.3(m,2H),7.56(d,J=7.1Hz,1H),7.62(d,J=7.4Hz,1H),8.28(s,1H),8.35(s,1H).
化合物30{2−(ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.5−1.7(m,4H),2.3−2.5(m,4H),2.8−3.0(m,4H),3.39(s,2H),5.31(s,2H),6.8−6.95(m,4H),6.95−7.0(m,2H),7.1−7.3(m,2H),7.55(d,J=8.9Hz,1H),7.63(d,J=8.4Hz,1H),8.26(s,1H),8.34(s,1H).
化合物36{2−(ベンゾイミダゾ−1−イルメチル)−8−モルホリノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.2−2.4(m,4H),2.8−3.0(m,4H),3.27(s,2H),3.5−3.6(m,4H),5.30(s,2H),6.7−7.1(m,6H),7.1−7.25(m,2H),7.54(d,J=7.6Hz,1H),7.62(d,J=7.6Hz,1H),8.28(s,1H),8.34(s,1H).
化合物41{2−(2−フェニルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン・1シュウ酸塩}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.2−2.5(m,2H),2.7−3.0(m,4H),3.0−3.2(m,2H),3.4−3.6(m,2H),4.05(s,2H),5.45(s,2H),5.69(m,1H),5.85(m,1H),6.6−6.8(m,2H),6.88(d,J=8.3Hz,1H),6.97(d,J=7.9Hz,1H),7.05−7.2(m,2H),7.2−7.5(m,2H),7.5−7.7(m,4H),7.7−7.85(m,3H),8.54(s,1H).
化合物42{2−(2−フェニルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン・1シュウ酸塩}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.8−2.0(m,4H),2.8−3.0(m,4H),3.0−3.2(m,4H),4.12(s,2H),5.45(s,2H),6.6−6.7(m,2H),6.88(d,J=8.1Hz,1H),6.96(d,J=7.8Hz,1H),7.1−7.2(m,2H),7.2−7.3(m,2H),7.4−7.6(m,4H),7.6−7.8(m,3H),8.53(s,1H).
化合物48{2−モルホリノメチル−8−(2−フェニルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン・1シュウ酸塩}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.7−3.0(m,8H),3.6−3.8(m,4H),3.83(s,2H),5.42(s,2H),6.65−6.7(m,2H),6.85(d,J=8.2Hz,1H),6.92(d,J=8.1Hz,1H),7.0−7.1(m,2H),7.2−7.3(m,2H),7.4−7.6(m,4H),7.65−7.8(m,3H),8.44(s,1H).
化合物53{2−(2−メチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.0−2.1(m,2H),2.45(t,J=5.6Hz,2H),2.54(s,3H),2.75−2.85(m,2H),2.85−3.0(m,4H),3.35(s,2H),5.28(s,2H),5.55−5.75(m,2H),6.8−7.0(m,6H),7.1−7.2(m,2H),7.4−7.6(m,2H),8.28(s,1H).
化合物54{2−(2−メチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.5−1.8(m,4H),2.3−2.5(m,4H),2.54(s,3H),2.8−3.0(m,4H),3.39(s,2H),5.28(s,2H),6.7−6.9(m,6H),7.1−7.2(m,2H),7.3−7.5(m,2H),8.25(s,1H).
化合物60{2−(2−メチルベンゾイミダゾ−1−イルメチル)−8−モルホリノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.2−2.4(m,4H),2.49(s,3H),2.8−3.0(m,4H),3.28(s,2H),3.5−3.6(m,4H),5.28(s,2H),6.8−7.0(m,6H),7.1−7.2(m,2H),7.5−7.6(m,2H),8.28(s,1H).
化合物65{2−(5,6−ジメチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.0−2.1(m,2H),2.2−2.4(m,6H),2.45(t,J=5.2Hz,2H),2.75−2.85(m,2H),2.85−3.05(m,4H),3.30(s,2H),5.24(s,2H),5.6−5.7(m,2H),6.8−7.0(m,6H),7.31(s,1H),7.40(s,1H),8.17(s,1H),8.27(s,1H).
化合物66{2−(5,6−ジメチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.5−1.8(m,4H),2.27(s,3H),2.28(s,3H),2.3−2.4(m,4H),2.8−3.0(m,4H),3.39(s,2H),5.24(s,2H),6.8−7.0(m,6H),7.30(s,1H),7.40(s,1H),8.16(s,1H),8.24(s,1H).
化合物72{2−(5,6−ジメチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−モルホリノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.2−2.4(m,10H),2.8−3.0(m,4H),3.28(s,2H),3.5−3.6(m,4H),5.24(s,2H),6.8−7.0(m,6H),7.30(s,1H),7.39(s,1H),8.16(s,1H),8.28(s,1H).
化合物77{2−(2−エチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.28(t,J=7.4Hz,3H),1.95−2.05(m,2H),2.43(t,J=5.4Hz,2H),2.6−3.0(m,8H),3.32(s,2H),5.28(s,2H),5.1−5.5(m,2H),6.75−7.0(m,6H),7.1−7.25(m,2H),7.47(m,1H),7.55(m,1H),8.26(s,1H).
化合物78{2−(2−エチルベンゾイミダゾール−1−イルメチル)−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.28(t,J=7.4Hz,3H),1.6−1.8(m,4H),2.3−2.4(m,4H),2.8−3.0(m,6H),3.32(s,2H),5.28(s,2H),6.7−7.0(m,6H),7.0−7.2(m,2H),7.46(m,1H),7.54(m,1H),8.23(s,1H).
化合物84{2−(2−エチルベンゾイミダゾ−1−イルメチル)−8−モルホリノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.28(t,J=7.4Hz,3H),2.2−2.4(m,4H),2.8−3.0(m,6H),3.27(s,2H),3.5−3.6(m,4H),5.27(s,2H),6.7−7.0(m,6H),7.1−7.2(m,2H),7.47(m,1H),7.55(m,1H),8.26(s,1H).
化合物88〜化合物90の構造を第7表に、分析値(APCI−MS、1H NMR)を以下に示した。
化合物88{2−(イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
APCI−MS:m/z422([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.0−2.1(m,2H),2.44(t,J=5.4Hz,2H),2.75−2.8(m,2H),2.8−3.0(m,4H),3.30(s,2H),5.33(s,2H),5.5−5.6(m,2H),6.8−7.0(m,4H),7.0−7.05(m,2H),7.27(dd,J=4.7Hz,8.0Hz,1H),8.06(d,J=8.0Hz,1H),8.27(s,1H),8.37(d,J=4.7Hz,1H),8.54(s,1H).
化合物89{2−(イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン・1シュウ酸塩}
APCI−MS:m/z422([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.2−2.3(m,2H),2.9−3.0(m,4H),3.4−3.5(m,2H),3.60(t,J=6.8Hz,2H),4.05(s,2H),5.37(s,2H),5.67(d,J=10.8Hz,1H),5.85(d,J=10.8Hz,1H),6.9−7.0(m,2H),7.0−7.1(m,4H),7.25(dd,J=5.4,8.1Hz,1H),8.01(d,J=8.1Hz,1H),8.40(d,J=5.4Hz,1H),8.55(s,1H),8.62(s,1H).
化合物90{2−(イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イルメチル)−8−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}
APCI−MS:m/z422([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):2.1−2.2(m,2H),2.56(t,J=5.7Hz,2H),2.8−2.9(m,2H),3.0−3.1(m,4H),3.48(s,2H),5.30(s,2H),5.67(d,J=10.5Hz,1H),5.73(d,J=10.5Hz,1H),6.08(s,1H),6.65−6.75(m,2H),6.95−7.0(m,2H),7.0−7.05(m,2H),7.71(d,J=5.4Hz,1H),8.02(s,1H),8.45(d,J=5.4Hz,1H),8.78(s,1H).
参考例22 N−メチル−N−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イルメチル)アミンの合成
2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イルメタノール(2.00g,5.84mmol)、N−メチル−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(1.64g,7.59mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.53g,5.84mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)およびトルエン(20mL)の混合溶媒に溶解し、アゾジカルボン酸ジエチルトルエン溶液(40%,2.65mL,5.84mmol)を加えて室温で終夜撹拌した。シリカゲルを通過(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=40/60)させて原点成分を除去した後、減圧下濃縮し、残渣にアセトン(5mL)とアセトニトリル(25mL)を加えた。
得られた懸濁液にメルカプト酢酸(0.73mL,11mmol)と1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデック−7−エン(3.1mL,21mmol)を加えて60℃で7時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。得られた溶液を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:トリエチルアミン/酢酸エチル=1/99)で精製し、N−メチル−N−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イルメチル)アミン(396mg,1.11mmol,収率19.0%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):2.45(s,3H),4.07(s,2H),7.07−7.36(m,15H).
参考例23:化合物92{酢酸[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]エステル}の合成
参考例6で得られた化合物13(7.98g,13.1mmol)をジメチルスルホキシド(87mL)に溶解し、酢酸リチウム(4.33g,65.7mL)を加えて70℃で2日間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水(3回)、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製し、目的物を含む画分を濃縮し、残渣にエタノールを加えて得られる懸濁液を室温で0.5時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、化合物92(2.87g,6.31mmol,収率48%)を得た。
APCI−MS:m/z455([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.06(s,3H),2.60(s,3H),2.62(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),4.98(s,2H),5.34(s,2H),6.13(s,1H),6.58−6.83(m,4H),6.88(s,1H),7.01−7.07(m,2H).
参考例24:化合物93{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]メタノール}の合成
参考例23で得られた化合物92(2.79g,6.14mmol)をテトラヒドロフラン(61mL)に懸濁させ、ナトリウムメトキシド/メタノール溶液(28%,6.2mL,31mmol)を加えて室温で3.5時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応液に水を加えて室温にて0.5時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥させた後、エタノールに懸濁させ、加熱還流条件下、1時間撹拌し、さらに室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物93(2.04g,4.95mmol,収率81%)を得た。
APCI−MS:m/z413([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),1.56(t,J=5.6Hz,1H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),4.55(d,J=5.6Hz,2H),5.34(s,2H),6.03(s,1H),6.59−6.85(m,3H),6.88(s,1H),7.03(m,2H).
参考例25:化合物94{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−メトキシメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
水素化ナトリウム(55%,11mg,0.25mmol)のテトラヒドロフラン(0.40mL)懸濁液にメタノール(20μL,0.50mmol)を加えて室温で20分間攪拌した。その後、反応液をテトラヒドロフラン(0.20mL)に懸濁した参考例6で得られた化合物13(30mg,0.050mmol)に加え、60℃で3.5時間反応させた。反応液を濃縮した後、残渣をクロロホルムに溶解し、得られた溶液を水と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン/トリエチルアミン=45/50/5)で精製して、化合物94(6.5mg,15mmol,収率30%)を得た。
APCI−MS:m/z427([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),3.36(s,3H),4.32(s,2H),5.34(s,2H),6.09(s,1H),6.58−6.82(m,4H),6.88(s,1H),7.01(m,2H).
参考例26:化合物95{2−アリルオキシメチル−8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりにアリルアルコールを用い、参考例25と同様にして、収率34%で化合物95を得た。
APCI−MS:m/z453([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),4.00(dt,J=5.6,1.5Hz,2H),4.39(s,2H),5.19(dq,J=10.2,1.5Hz,1H),5.29(dq,J=17.0,1.5Hz,1H),5.34(s,2H),5.95(m,1H),6.10(s,1H),6.58−6.83(m,4H),6.88(s,1H),7.03(m,2H).
参考例27:化合物96{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2−メトキシエトキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりに2−メトキシエタノールを用い、参考例25と同様にして、収率9.3%で化合物96を得た。
APCI−MS:m/z495([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.38(s,3H),3.57(m,4H),4.44(s,2H),5.34(s,2H),6.01(s,1H),6.62(d,J=8.6Hz,1H),6.67(d,J=8.1Hz,1H),6.82(m,2H),6.88(s,1H),7.00−7.06(m,2H).
参考例28:化合物97{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりに2,2,2−トリフルオロエタノールを用い、参考例25と同様にして、収率64%で化合物97を得た。
APCI−MS:m/z495([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.6Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),3.78(q,J=8.7Hz,2H),4.54(s,2H),5.34(s,2H),6.24(s,1H),6.60(d,J=7.8Hz,1H),6.71(d,J=8.1Hz,1H),6.76−6.82(m,2H),6.89(s,1H),6.98−7.04(m,2H).
参考例29:化合物98{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2−メチルプロポキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりに2−メチル−1−プロパノールを用い、参考例25と同様にして、収率11%で化合物98を得た。
APCI−MS:m/z469([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):0.91(d,J=6.7Hz,6H),1.30(t,J=7.4Hz,3H),1.89(m,1H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.4Hz,2H),2.99(m,4H),3.20(d,J=6.5Hz,2H),4.37(s,2H),5.34(s,2H),6.01(s,1H),6.60(d,J=8.9Hz,1H),6.67(d,J=7.8Hz,1H),6.81(m,2H),6.88(s,1H),6.98−7.05(m,2H).
参考例30:化合物99{2−ベンジルオキシメチル−8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりにベンジルアルコールを用い、参考例25と同様にして、収率78%で化合物99を得た。
APCI−MS:m/z503([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.62(s,2H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.97(m,4H),4.42(s,2H),4.53(s,2H),5.33(s,2H),6.20(s,1H),6.59(d,J=7.9Hz,1H),6.69(d,J=7.9Hz,1H),6.78(m,2H),6.88(s,1H),7.02(m,2H),7.26−7.36(m,5H).
参考例31:化合物100{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2−フェニルエトキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりに2−フェニルエタノールを用い、参考例25と同様にして、収率38%で化合物100を得た。
APCI−MS:m/z517([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.91(t,J=7.2Hz,2H),2.97(m,4H),3.66(t,J=7.2Hz,2H),4.39(s,2H),5.34(s,2H),6.08(s,1H),6.60(d,J=8.7Hz,1H),6.66(d,J=8.1Hz,1H),6.80(m,2H),6.88(s,1H),6.94−7.01(m,2H),7.19−7.30(m,5H).
参考例32:化合物101{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(ピリジン−2−イルメトキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりにピリジン−2−イルメタノールを用い、参考例25と同様にして、収率65%で化合物101を得た。
APCI−MS:m/z504([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),4.52(s,2H),4.66(s,2H),5.34(s,2H),6.25(s,1H),6.60(d,J=7.9Hz,1H),6.70(d,J=7.9Hz,1H),6.76−6.81(m,2H),6.88(s,1H),7.03−7.08(m,2H),7.18(br dd,J=7.6,4.8Hz,1H),7.47(d,J=7.9Hz,1H),7.68(td,J=7.7,1.8Hz,1H),8.54(br d,J=4.8Hz,1H).
参考例33:化合物102{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(フラン−2−イルメトキシメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
メタノールの代わりにフラン−2−イルメタノールを用い、参考例25と同様にして、収率77%で化合物102を得た。
APCI−MS:m/z493([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.62(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.97(m,4H),4.41(s,2H),4.45(s,2H),5.33(s,2H),6.21(br s,1H),6.31(dd,J=3.1,0.8Hz,1H),6.33(dd,J=3.1,1.8Hz,1H),6.58(d,J=8.1Hz,1H),6.69(d,J=7.9Hz,1H),6.75−6.80(m,2H),6.88(s,1H),7.00−7.04(m,2H),7.40(dd,J=1.8,0.8Hz,1H).
参考例34:化合物103{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボニトリル}の合成
参考例15の工程1で得られた8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボアルデヒド(650mg,1.58mmol)をアセトニトリル(16mL)に懸濁させ、ヒドロキシルアミン塩酸塩(153mg,2.38mmol)、トリエチルアミン(0.331mL,2.38mmol)およびフタル酸無水物(328mg,2.21mmol)を加えて80℃で終夜撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をクロロホルムに溶解し、得られた溶液をアンモニア水(3%)と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:メタノール/クロロホルム=1/99)で精製し、目的物を含む画分を濃縮した。残渣にエタノールを加え、得られた懸濁液を60℃で0.5時間撹拌し、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥して、化合物103(440mg,1.08mmol,収率68%)を得た。
APCI−MS:m/z408([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.6Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.98(m,4H),5.36(s,2H),6.48(s,1H),6.63−6.90(m,5H),7.28−7.33(m,2H).
参考例35:化合物104{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2H−テトラゾール−5−イル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
参考例34で得られた化合物103を用い、参考例20の後段と同様にして、収率72%で化合物104を得た。
APCI−MS:m/z451([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.24(t,J=7.4Hz,3H),2.48−2.53(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.80(q,J=7.4Hz,2H),2.86−3.02(m,4H),5.32(s,2H),6.83(dd,J=8.1,2.1Hz,1H),6.91−6.98(m,3H),7.10(d,J=9.0Hz,1H),7.65−7.70(m,2H),8.20(s,1H).
参考例36:化合物105{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]アセトニトリル}の合成
参考例6で得られた化合物13(2.04g,3.36mmol)をジメチルホルムアミド(17mL)に溶解して、青酸ナトリウム(361mg,7.37mmol)を加え、50℃で10時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液、水(2回)、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をエタノールから再結晶し、化合物105(751mg,1.78mmol,収率53%)を得た。
APCI−MS:m/z422([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.99(m,4H),3.62(s,2H),5.34(s,2H),6.01(s,1H),6.59−6.71(m,2H),6.80−6.84(m,2H),6.88(s,1H),6.95−7.01(m,2H).
参考例37:化合物106{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−8−(2H−テトラゾール−5−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
参考例36で得られた化合物105を用い、参考例20の後段と同様にして、収率76%で化合物106を得た。
APCI−MS:m/z465([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.22(t,J=7.6Hz,3H),2.48−2.52(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.78(q,J=7.6Hz,2H),2.86(m,4H),4.11(s,2H),5.28(s,2H),6.75−6.94(m,7H),8.32(br s,1H).
参考例38:化合物107{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]酢酸}の合成
参考例36で得られた化合物105(247mg,0.586mmol)をエタノール(12mL)に懸濁し、水酸化ナトリウム(938mg,23.5mmol)を加えて、加熱還流条件下、3時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応液を室温まで冷却し、1mol/L塩酸でpHを5に調整した。析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥した後、エタノールに懸濁し、60℃で0.5時間撹拌し、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下乾燥して、化合物107(122mg,0.243mmol,収率41%)を得た。
APCI−MS:m/z441([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.5Hz,3H),2.48−2.53(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.78(q,J=7.5Hz,2H),2.87(br s,4H),3.38(s,2H),5.38(s,2H),6.74−6.94(m,7H),8.27(s,1H),12.15(br s,1H).
参考例39:化合物108{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチルスルファニル]酢酸メチルエステル}の合成
参考例6で得られた化合物13(1.04g,1.71mmol)をクロロホルム(17mL)に溶解して、メルカプト酢酸メチルエステル(0.199mL,2.23mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデック−7−エン(0.384mL,2.57mmol)を加え、40℃で7時間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:メタノール/クロロホルム=1/99)で精製し、化合物を含む画分を濃縮した。残渣にエタノールを加え、得られた懸濁液を60℃で0.5時間、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取して、化合物108(628mg,1.25mmol,収率73%)を得た。
APCI−MS:m/z501([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.09(s,2H),3.72(s,3H),3.73(s,2H),5.34(s,2H),6.01(s,1H),6.59−6.67(m,2H),6.82(m,2H),6.88(s,1H),6.96−7.03(m,2H)
参考例40:化合物109{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチルスルファニル]酢酸}の合成
参考例39で得られた化合物108(350mg,0.699mmol)を用い、参考例12と同様にして、収率38%で化合物109を得た。
APCI−MS:m/z487([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.16(t,J=7.4Hz,3H),2.42−2.50(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.81(q,J=7.4Hz,2H),2.88(m,6H),3.49(s,2H),5.22(s,2H),6.67−6.89(m,7H),8.18(s,1H).
参考例41:化合物110{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸エチルエステル}の合成
工程1
ヨウ化 1−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)−1−メチルピペリジニウム(6.68g,15.4mmol)をジメチルスルホキシド(110mL)に溶解し、酢酸リチウム(5.07g,76.9mmol)を加えて、70℃で2日間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水(3回)と飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=30/70)で精製して、酢酸(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)エステル(2.85g,10.7mmol,収率69%)を得た。
APCI−MS:m/z268([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):2.07(s,3H),3.07(br s,4H),4.99(s,2H),6.05(br s,1H),6.66−6.85(m,3H),7.02−7.11(m,4H).
工程2
工程1で得られた酢酸(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)エステル(2.85g,10.7mmol)をメタノール(110mL)に懸濁して、ナトリウムメトキシド/メタノール溶液(38%,1.14mL,5.36mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、残渣に飽和食塩水とクロロホルムを加え、3回クロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルから再結晶して、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメタノール(1.73g,7.68mmol,収率72%)を得た。
APCI−MS:m/z226([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.49(t,J=5.8Hz,1H),3.08(br s,4H),4.57(d,J=5.8Hz,2H),6.02(br s,1H),6.66−6.87(m,3H),7.02−7.11(m,4H).
工程3
工程2で得られた10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメタノール(6.1g,70mmol)をクロロホルム(77mL)に溶解して、二酸化マンガン(4.55g,46.1mmol)を加え、室温で8時間攪拌した。反応溶液をセライトを通じて濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=20/80)で精製して、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボアルデヒド(1.15g,5.15mmol,収率67%)を得た。
APCI−MS:m/z224([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):3.11(m,4H),6.49(br s,1H),6.87−6.91(m,3H),7.07−7.17(m,2H),7.55−7.62(m,2H),9.88(s,1H).
工程4
工程3で得られた10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボアルデヒド(665mg,2.98mmol)をアセトニトリル(18mL)および水(18mL)の混合溶媒に溶解して、ジメチルスルホキシド(2.1mL,30mmol)、リン酸2水素ナトリウム(1.43g,11.9mmol)および亜塩素酸ナトリウム(404mg,4.47mmol)を加え、50℃で4時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチルと水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣に酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒(3:1)を加え、得られる懸濁液を60℃で0.5時間撹拌し、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取して、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸(598mg,2.50mmol,収率84%)を得た。
APCI−MS:m/z240([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):3.11(m,4H),6.39(br s,1H),6.77−6.80(m,3H),7.06−7.16(m,2H),7.79−7.84(m,2H).
工程5
工程4で得られた10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸(426mg,1.78mmol)をエタノール(8.9mL)に溶解して、塩化チオニル(0.26mL,3.6mmol)を加え、加熱還流条件下、5時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、クロロホルムと飽和重曹水を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=10/90)で精製して、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸エチルエステル(383mg,1.43mmol,収率81%)を得た。
APCI−MS:m/z268([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.37(t,J=7.0Hz,3H),3.09(m,4H),4.33(q,J=7.0Hz,2H),6.34(br s,1H),6.69−6.86(m,3H),7.04−7.14(m,2H),6.72−6.78(m,2H).
工程6
工程5で得られた10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸エチルエステル(443mg,1.66mmol)をクロロホルム(8.3mL)および酢酸(8.3mL)の混合溶媒に溶解し、ピペリジン(0.573mL,5.80mmol)およびパラホルムアルデヒド(149mg,4.97mmol)を加え、60℃に加熱し、1.5日間撹拌した。反応液を濃縮し、残渣に酢酸エチルと飽和重曹水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/ヘキサン/トリエチルアミン=70/25/5)で精製し、目的物を含む画分を濃縮した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレーションし、8−ピペリジノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸エチルエステル(249mg,0.683mmol,収率41%)を得た。
APCI−MS:m/z365([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.34−1.46(m,5H),1.67(m,4H),2.36(br s,4H),3.08(m,4H),3.38(s,2H),4.33(q,J=7.1Hz,2H),6.32(s,1H),6.67−6.74(m,2H),6.99−7.06(m,2H),7.72−7.76(m,2H).
工程7
工程6で得られた8−ピペリジノメチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸エチルエステル(231mg,0.634mmol)をジクロロメタン(3.2mL)に溶解して、ヨウ化メチル(59.2μL,0.951mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮して、ヨウ化1−(8−エトキシカルボニル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)−1−メチルピペリジニウム(321mg,0.634mmol,収率100%)を得た。
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.37(t,J=7.1Hz,3H),1.75−1.95(m,6H),2.96(br s,4H),3.11(s,3H),3.50(m,2H),3.70(m,2H),4.32(q,J=7.1Hz,2H),4.90(s,2H),7.14−7.35(m,4H),7.49(s,1H),7.71(m,2H).
工程8
2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(180mg,1.03mmol)をジメチルホルムアミド(0.60mL)に溶解し、攪拌しながら水素化ナトリウム(55%,33.6mg,0.770mmol)を数回に分けて加えた後、50℃で0.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、ジメチルホルムアミド(1.2mL)に溶解した工程7で得られたヨウ化1−(8−エトキシカルボニル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル)−1−メチルピペリジニウム(130mg,0.256mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:メタノール/クロロホルム=1/99)で精製し、目的物を含む画分を濃縮した。残渣にジエチルエーテルを加え、加熱還流条件で0.5時間撹拌し、その後室温で1時間で撹拌した。析出した結晶を濾取して、化合物110(76.7mg,0.169mmol,収率66%)を得た。
APCI−MS:m/z455([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.6Hz,3H),1.36(t,J=7.1Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.6Hz,2H),2.97(m,2H),3.40(m,2H),4.32(q,J=7.1Hz,2H),5.36(s,2H),6.35(s,1H),6.64−6.71(m,2H),6.82−6.90(m,3H),7.70−7.74(m,2H).
参考例42:化合物111{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸}の合成
参考例41で得られた化合物110(900mg,1.98mmol)を用い、参考例12と同様にして、収率97%で化合物111を得た。
APCI−MS:m/z427([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.24(t,J=7.5Hz,3H),2.51−2.54(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.82−2.99(m,6H),5.37(s,2H),6.84−7.03(m,5H),7.58(m,2H),8.87(br s,1H),12.25(br s,1H).
参考例43:化合物112{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル](4−メチルピペラジン−1−イル)メタノン}の合成
参考例42で得られた化合物111(100mg,0.234mmol)をジメチルホルムアミド(2.3mL)およびテトラヒドロフラン(4.6mL)の混合溶媒に溶解し、これに4−メチルピペラジン(39μL,0.352mmol)、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・1塩酸塩(89.7mg,0.468mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(35.8mg,0.234mmol)を加えて室温で8時間攪拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィーで確認した後、反応液を濃縮した。残渣をクロロホルムに溶解し、得られた溶液を水(2回)、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣にジエチルエーテルを加え、得られる懸濁液を室温で1時間撹拌した後、固体を濾取して、化合物112(47.7mg,0.0938mmol,収率40%)を得た。
APCI−MS:m/z509([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),2.33(s,3H),2.43(br s,4H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.99(m,4H),3.66(br s,4H),5.35(s,2H),6.18(s,1H),6.62−6.69(m,2H),6.83(m,2H),6.85(s,1H),7.10−7.15(m,2H).
参考例44:化合物113{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル](ピロリジン−1−イル)メタノン}の合成
4−メチルピペラジンの代わりにピロリジンを用い、参考例43と同様にして、収率90%で化合物113を得た。
APCI−MS:m/z480([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),1.88(br s,4H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.99(m,4H),3.56(m,4H),5.35(s,2H),6.19(s,1H),6.62−6.69(m,2H),6.81−6.86(m,2H),6.89(s,1H),7.24−7.29(m,2H).
参考例45:化合物114{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル](4−ヒドロキシピペリジノ)メタノン}の合成
4−メチルピペラジンの代わりに4−ピペリジノールを用い、参考例43と同様にして、収率62%で化合物114を得た。
APCI−MS:m/z510([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.0Hz,3H),1.48−1.58(m,2H),1.86−1.97(m,2H),2.60(s,3H),2.63(s,2H),2.80(q,J=7.0Hz,2H),2.99(m,4H),3.22−3.33(m,2H),3.91−4.00(m,3H),5.36(s,2H),6.21(s,1H),6.62−6.70(m,2H),6.81−6.85(m,2H),6.89(s,1H),7.08−7.14(m,2H).
参考例46:化合物115{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシエチル)アミド}の合成
4−メチルピペラジンの代わりにエタノールアミンを用い、参考例43と同様にして、収率82%で化合物115を得た。
APCI−MS:m/z470([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),1.71(br s,1H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.79(q,J=7.5Hz,2H),2.97(m,4H),3.59(m,2H),3.81(t,J=9.6Hz,2H),5.35(s,2H),6.41(s,1H),6.54(t,J=5.6Hz,1H),6.63−6.71(m,2H),6.80−6.84(m,2H),6.99(s,1H),7.44−7.48(m,2H).
参考例47:化合物116{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸[2−(ピロリジン−1−イル)エチル]アミド}の合成
4−メチルピペラジンの代わりに2−(ピロリジン−1−イル)エチルアミンを用い、参考例43と同様にして、収率92%で化合物116を得た。
APCI−MS:m/z523([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.6Hz,3H),1.78(m,4H),1.57(m,4H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.70(t,J=5.9Hz,2H),2.79(q,J=7.6Hz,2H),2.97(m,2H),3.04(m,2H),3.53(q,J=5.7Hz,2H),5.35(s,2H),6.30(s,1H),6.63−6.72(m,3H),6.83(m,2H),6.89(s,1H),7.45−7.52(m,2H).
参考例48:化合物117{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル](モルホリノ)メタノン}の合成
4−メチルピペラジンの代わりにモルホリンを用い、参考例43と同様にして、収率98%で化合物117を得た。
APCI−MS:m/z496([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.99(m,4H),3.66(m,8H),5.35(s,2H),6.22(s,1H),6.62−6.71(m,2H),6.81−6.86(m,2H),6.89(s,1H),7.10−7.16(m,2H).
参考例49:化合物118{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸[ビス(2−ヒドロキシエチル)]アミド}の合成
4−メチルピペラジンの代わりに2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エタノールを用い、参考例43と同様にして、収率38%で化合物118を得た。
APCI−MS:m/z514([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.21(t,J=7.5Hz,3H),2.60(s,3H),2.63(s,3H),2.80(q,J=7.5Hz,2H),2.98(m,4H),3.23(br s,2H),3.63(br s,4H),3.87(br s,4H),5.35(s,2H),6.20(s,1H),6.62−6.69(m,2H),6.83(m,2H),6.89(s,1H),7.24−7.29(m,2H).
参考例50:化合物119{8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボン酸アミド}の合成
4−メチルピペラジンの代わりにアンモニアを用い、参考例43と同様にして、収率57%で化合物119を得た。
APCI−MS:m/z426([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),2.48−2.52(s x2,6H,DMSOとオーバーラップ),2.78(q,J=7.4Hz,2H),2.92(br q,J=7.3Hz,4H),5.31(s,2H),6.78−7.00(m,6H),7.52−7.65(m,3H),8.68(s,1H).
参考例51:化合物120{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−8−(ピロリジン−1−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン}の合成
参考例3で得られた化合物3(400mg,0.876mmol)を酢酸(8.8mL)に溶解し、パラホルムアルデヒド(0.47g,16mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.2g,10mmol)を加えて室温で5時間撹拌した。反応溶液にクロロホルムと飽和重曹水を加え、水層をクロロホルムで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をNH−シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/ヘキサン=50/50)で精製して、化合物120(342mg,0.713mmol,収率81%)を得た。
APCI−MS:m/z480([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.31(t,J=7.5Hz,3H),1.76(m,4H),2.47(m,4H),2.58(s,3H),2.62(s,3H),2.78(q,J=7.5Hz,2H),3.06(m,4H),3.29(s,3H),3.50(s,2H),5.35(s,2H),6.83−6.98(m,5H),7.02−7.08(m,2H).
参考例52:化合物121{1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸}の合成
工程1
参考例9で得られた化合物16(1.20g,2.18mmol)を酢酸(10mL)に溶解し、パラホルムアルデヒド(0.73g,21.8mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.58g,8.70mmol)を加えて室温で15時間攪拌した。反応溶液に酢酸エチルと1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル混合溶媒)で精製して、1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル(1.25g,2.18mmol,収率100%)を得た。
APCI−MS:m/z566([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),1.31(t,J=7.6Hz,3H),1.6−2.0(m,6H),2.23(m,1H),2.58(s,3H),2.62(s,3H),2.73(q,J=7.4Hz,2H),2.75−2.9(m,2H),3.0−3.15(m,4H),3.28(s,3H),3.36(s,2H),4.10(q,J=7.6Hz,2H),5.34(s,2H),6.8−7.1(m,7H).
工程2
工程1で得られた1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステルを用い、参考例12と同様にして、収率42%で化合物121を得た。
APCI−MS:m/z538([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.23(t,J=7.4Hz,3H),1.5−1.8(m,2H),1.8−2.0(m,2H),2.2−2.4(m,2H),2.49(s,3H),2.50(s,3H),2.78(q,J=7.4Hz,2H),2.8−3.05(m,8H),3.22(s,2H),3.5−3.9(m,2H),5.34(s,2H),6.85(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),6.93(s,1H),6.94(d,J=2.0Hz,1H),7.0−7.2(m,4H).
参考例53:化合物122{2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−8−[4−(2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジノメチル]−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン・1塩酸塩}の合成
参考例20で得られた1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]−ピペリジン−4−カルボニトリルを用い、参考例52の工程1と同様にして、収率92%で1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボニトリルを得た。これを用い、参考例20の後段と同様にして、収率10%で2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−8−[4−(2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジノメチル]−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピンを得た。これをクロロホルムに溶解し、4mol/L塩化水素・酢酸エチル溶液を加えて析出した固体を濾取することで、化合物122を得た。
APCI−MS:m/z562([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.28(t,J=7.6Hz,3H),2.0−2.5(m,4H),2.58(s,3H),2.63(s,3H),2.9−3.2(m,8H),3.2−3.3(m,4H),3.4−3.6(m,2H),4.17(s,2H),5.56(s,2H),7.0−7.2(m,4H),7.2−7.4(m,3H),10.79(s,1H).
参考例54:化合物123{{1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−イルメタノール}の合成
参考例52の工程1で得られた1−[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イルメチル]ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル(0.61g,1.08mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解して、−78℃に冷却し攪拌した。この反応溶液に同温度で1mol/L水素化ジイソプロピルアルミニウム/トルエン溶液(3.20mL,3.20mmol)を加え、同温度で3時間、その後室温で10分間攪拌した。反応溶液に飽和ロッシェル塩水溶液と酢酸エチルを加え、30分間攪拌した。水層を酢酸エチルで抽出後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣を酢酸エチルを用いて再結晶に付し、化合物123(0.26g,0.50mmol,収率46%)を得た。
APCI−MS:m/z524([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.0−1.15(m,2H),1.23(t,J=7.5Hz,3H),1.25−1.3(m,1H),1.5−1.65(m,2H),1.7−1.9(m,2H),2.49(s,3H),2.50(s,3H),2.75(q,J=7.5Hz,2H),2.95−3.05(m,4H),3.15−3.25(m,5H),3.25−3.50(m,4H),5.32(s,2H),6.81(dd,J=2.0,8.5Hz,1H),6.90−7.05(m,6H).
参考例55:化合物124[2−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−8−(2H−テトラゾール−5−イル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン]の合成
参考例34で得られた化合物103を用い、参考例52の工程1と同様にして、収率83%で8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−カルボニトリルを得た。
これを用い、参考例20の後段と同様にして、収率20%で化合物124を得た。
APCI−MS:m/z465([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.24(t,J=7.7Hz,3H),2.50(s,3H),2.51(s,3H),2.80(q,J=7.7Hz,2H),3.0−3.1(m,2H),3.3−3.35(m,2H),3.40(s,3H),5.38(s,2H),6.90(dd,J=2.2,8.4Hz,1H),6.95(s,1H),7.02(d,J=2.2Hz,1H),7.10(d,J=8.4Hz,1H),7.24(d,J=8.4Hz,2H),7.75(d,J=2.2Hz,1H),7.79(dd,J=2.2,8.4Hz,1H).
参考例56:化合物125{[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]酢酸}の合成
参考例36で得られた化合物105を用い、参考例52の工程1と同様にして、収率94%で[8−(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イルメチル)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル]アセトニトリルを得た。
これを用い、参考例38と同様にして、収率86%で化合物125を得た。
APCI−MS:m/z455([M+H]+)
1H NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.22(t,J=7.3Hz,3H),2.49(s,3H),2.50(s,3H),2.75(q,J=7.3Hz,2H),2.9−3.1(m,4H),3.19(s,3H),3.42(s,2H),5.32(s,2H),6.81(d,J=8.1Hz,1H),6.9−7.05(m,6H).
参考例57:化合物91{1,4−ビス[4−(3−クロロベンジルアミノ)−6−シクロプロピルカルボニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−2−イル]ピペラジン}の合成
化合物91は、以下の工程1〜工程8に従って合成した。
工程1
市販の化合物(A)(100g,0.335mol)をエタノール(1,500mL)に溶解し、尿素(100g,1.67mol)およびナトリウムメトキシド(227g,1.18mol)を加え、加熱還流条件下、24時間反応を行った。薄層クロマトグラフィーで反応の進行を確認し、冷却後、析出した結晶を濾取した。この結晶を水に懸濁させ、その中へ塩酸(6mol/L)を加え、pH6.0に調整した。さらに1時間室温で撹拌し、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物(B)(60g,収率70%)を得た。
工程2
工程1で得られた化合物(B)(30.0g,0.116mol)にオキシ塩化リン(300mL)を加え、加熱条件下で5時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーで反応の進行を確認後、減圧下で過剰のオキシ塩化リンを留去した。その後、残渣に2−プロパノール(300mL)を加え、析出した結晶を含む懸濁液を加熱還流条件下、1時間撹拌し、さらに室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物(C)(33g,収率85%)を得た。
工程3
工程2で得られた化合物(C)(35.0g,0.106mol)を1,2−ジクロロエタン(850mL)に溶解し、そこへトリエチルアミン(14.9mL,0.107mol)およびクロロ蟻酸 1−クロロエチル(34.1mL,0.316mol)を加え、加熱還流条件下、5時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーで反応の進行を確認後、反応混合物を冷却し、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた溶液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。生成物をメタノール(850mL)に溶解し、加熱還流条件下、1時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーで反応の進行を確認した後、濃縮乾固させることにより、化合物(D)(23.5g,収率95%)を得た。
工程4
工程3で得られた化合物(D)(11.8g,49.1mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、シクロプロパンカルボニルクロリド(5.4mL,1.2当量)とトリエチルアミン(20.4mL,3.0当量)を加え、室温で1時間攪拌した。得られた反応溶液を水、飽和重曹水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣にジイソプロピルエーテルを加え、懸濁液を1時間以上攪拌した。その後、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させることにより、化合物(E)(12.5g,収率94%)を得た。
工程5
工程4で得られた化合物(E)(12.5g,45.9mmol)をテトラヒドロフラン(400mL)に溶解し、トリエチルアミン(19.2mL,3当量)および3−クロロベンジルアミン(11.2mL,2当量)を加えた後、40℃で20時間攪拌した。析出した塩を濾過により除去後、溶媒を留去した。残渣をクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1→40:1)で精製し、目的物を含む画分の濃縮残渣にヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(3:1)を加え、結晶を析出させた。結晶を含む懸濁液を1時間攪拌後、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物(F)(11.9g,収率69%)を得た。
工程6
工程5で得られた化合物(F)(5.0g,13.3mmol)をジオキサン(100mL)に溶解し、tert−ブチル 1−ピペラジンカルボキシレート(4.9g,2当量)と炭酸ナトリウム(14.0g,10当量)を加え、90℃で3日間攪拌した。得られた反応溶液を濾過し、炭酸ナトリウムを除去後、濾液に水およびクロロホルムを加えて抽出を行い、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣にヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(3:1)を加え、懸濁液を1時間攪拌した。その後、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物(G)(6.4g,収率92%)を得た。
工程7
工程6で得られた化合物(G)(6.3g,12.0mmol)に20%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(50mL)を加え、室温で一時間攪拌した。反応溶液から溶媒を留去した後、残渣にジイソプロピルエーテルを加え、生成した懸濁液を1時間攪拌した。その後、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させ、化合物(H)を得た(4.9g,収率97%)。
工程8
工程7で得られた化合物(H)(3.8g,8.90mmol)と、工程5で得られた化合物(F)(4.5g,1.05当量)をジオキサン(100mL)に溶解し、炭酸ナトリウム(10.6g,10当量)を加え、90℃で1週間攪拌した。得られた反応溶液を濾過し、炭酸ナトリウムを除去後、濾液に水を加えクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:トリエチルアミン=10:1)で精製した。目的物を含む画分の濃縮残渣にヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(3:1)を加え、生成した懸濁液を1時間攪拌した。その後、析出した結晶を濾取し、減圧下で乾燥させることにより、化合物91を得た(1.0g,収率23%)。
APCI−MS:m/z767([M+H]+)
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):0.7−0.9(m,4H),1.0−1.1(m,4H),1.7−1.9(m,2H),2.6−2.8(m,4H),3.75(s,8H),3.8−4.0(m,4H),4.3−4.4(m,4H),4.6−4.7(m,4H),4.8−4.9(m,2H),7.1−7.3(m,8H).
参考例58:宿主・ベクター系の構築
(1)Gal4−ER発現プラスミドpGERbsrR2の造成
pSV2bsr(科研製薬社製)をPvuIIとEcoRIで切断後、Klenow処理して2.6kbのPvuII(平滑末端)−EcoRI(平滑末端)断片を取得した。
Gal4−ERキメラ遺伝子[セル(Cell)、54巻、199頁(1988年)、プロシィーデングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、90巻、1657頁(1993年)]を含有するERαAF2 in pM(東京大学の加藤茂明先生より分与)をAatIIとNdeIで切断後、Klenow処理して、AatII(平滑末端)−NdeI(平滑末端)断片を取得した。
上記のpSV2bsr由来のPvuII(平滑末端)−EcoRI(平滑末端)断片、およびERαAF2 in pM由来のAatII(平滑末端)−NdeI(平滑末端)断片を結合することにより、プラスミドpGERbsrR2を造成した。pGERbsrR2は、酵母(Saccharomyces cerevisiae)由来の転写因子Gal4pのDNA結合領域とエストロジェン受容体のリガンド結合領域のキメラ蛋白質(Gal4−ER)を発現することができる。
(2)ホタル・ルシフェラーゼの誘導発現プラスミドの造成
pcDNA3(インビトロジェン社)をXhoIで切断後、Klenow処理して、XhoI(平滑末端)断片を取得した。該断片を結合することにより、XhoI切断部位を消失させたpcDNA3を造成した。XhoI切断部位を消失させたpcDNA3をKpnIで切断後、Klenow処理して、KpnI(平滑末端)断片を取得した。該断片を結合することにより、XhoIおよびKpnI切断部位を消失させたpcDNA3を造成した。該プラスミドをBglIIで切断後、Klenow処理し、BglII(平滑末端)断片を取得した。
pAMoERC3Sc(特開平05−336963)をXhoIとNsiIで切断後、Klenow処理し、oriP配列を含む2.2kbのXhoI(平滑末端)−NsiI(平滑末端)断片を取得した。
上記のXhoI切断部位とKpnI切断部位を消失させたpcDNA3由来のBglII(平滑末端)断片、およびpAMoERC3Sc由来のXhoI(平滑末端)−NsiI(平滑末端)断片を結合することにより、プラスミドpcDNA3−oriPを造成した。pcDNA3−oriPをXhoIとHindIIIで切断し、XhoI−HindIII断片を取得した。
pSEOluc2(WO98/14474)をXhoIとNcoIで切断後、Klenow処理して、アンピシリン耐性遺伝子を含むXhoI(平滑末端)−NcoI(平滑末端)断片を取得した。該断片を結合することにより、プラスミドpASd1−luc1を造成した。pASd1−luc1をXhoIとHindIIIで切断後、0.11kbのXhoI−HindIII断片を取得した。
上記pcDNA3−oriP由来のXhoI−HindIII断片、およびpASd1−luc1由来のXhoI−HindIII断片を結合し、プラスミドpcDNA3−oriP−Sd1を造成した。pcDNA3−oriP−Sd1をXhoIとKpnIで切断し、XhoI−KpnI断片を取得した。
配列番号1、2、3、および4で表される塩基配列を有する4種のDNAをDNA合成機で合成した。該合成DNAは混合してアニールすることによりポリA付加シグナルをもつ2本鎖DNAを形成する。該合成DNAをそれぞれT4 polynucleotide kinaseを用いてリン酸化後、混合してアニールさせることにより、二本鎖DNAとした。
該二本鎖DNAとpcDNA3−oriP−Sd1由来のXhoI−KpnI断片を結合することにより、プラスミドpcDNA3−oriP−Sd1−pAを造成した。pcDNA3−oriP−Sd1−pAをXhoIで切断後、Klenow処理して、XhoI(平滑末端)断片を取得した。
pFR−luc(ストラタジーン社製)をHindIIIとBamHIで切断後、Klenow処理し、0.14kbのHindIII(平滑末端)−BamHI(平滑末端)断片を取得した。
上記のpcDNA3−oriP−Sd1−pA由来のXhoI(平滑末端)断片、およびpFR−luc由来のHindIII−BamHI断片を結合し、プラスミドpAGalSd1を作製した。pAGalSd1は、Gal4p応答配列(UASG)を5回繰り返した配列を有するプロモーターを含有している。pAGalSd1をEcoRIで切断後、Klenow処理し、EcoRI(平滑末端)断片を取得した。
pSEOluc2(WO98/14474)をHindIIIとSacIで切断後、Klenow処理することにより、ホタル・ルシフェラーゼ遺伝子を含む1.7kbのHindIII(平滑末端)−SacI(平滑末端)断片を取得した。
上記のpSEOluc2由来のHindIII(平滑末端)−SacI(平滑末端)断片、およびpAGalSd1由来のEcoRI(平滑末端)断片を結合することにより、プラスミドpAGalSd1−lucを造成した。
pAGalSd1−luc内に存在する二つのHindIIIサイトのうち、ホタル・ルシフェラーゼ遺伝子からより離れたHindIIIサイトのみをKlenow処理により消失させることにより、pAGalSd4−lucを造成した。
pAGalSd4−lucをAsp718で切断後、StuIで部分消化しpAGalSd4−luc由来の9.5kbのAsp718−StuI断片を取得した。該DNA断片をKlenow処理し、自己結合させることによりプラスミドpAGal9−lucを造成した。
(3)誘導発現ベクターpAGal9−dおよびpAGal9−ndの造成
エプスタイン・バー・ウイルスのoriPを有する発現プラスミドpAGal9−lucをHindIIIとSacIで切断し、oriPを含む6.9kbのHindIII−SacI断片を取得した。
pAMo−d(特開2001−211885)をHindIIIとSacIで切断し、テトラサイクリン耐性遺伝子(TcR)を含むHindIII−SacI断片を取得した。
上記のpAGal9−luc由来のHindIII−SacI断片、およびpAMo−d由来のHindIII−SacI断片を結合することにより、pAGal9−luc中のホタル・ルシフェラーゼ遺伝子部分をpAMo−dのStuffer配列と置き換えたプラスミドpAGal9−dを造成した。pAGal9−lucをHindIIIとSacIで切断し、6.9kbのHindIII−SacI断片を取得した。
pAMo−nd(特開2001−211885)をHindIIIとSacIで切断し、テトラサイクリン耐性遺伝子を含むHindIII−SacI断片を取得した。
上記のpAGal9−luc由来のHindIII−SacI断片、およびpAMo−nd由来のHindIII−SacI断片を結合することにより、pAGal9−luc中のホタル・ルシフェラーゼ遺伝子部分をpAMo−ndのStuffer配列と置き換えたプラスミドpAGal9−ndを造成した。
(4)Gal4−ER発現プラスミドpGERbsrR2をNamalwa KJM−1細胞の染色体DNAに組み込んだ細胞株KJMGER8の造成
Gal4−ERキメラ転写因子発現プラスミドpGERbsrR2を、1μg/μlになるようにTE緩衝液〔10mmol/L Tris−HCl(pH8.0)、1mmol/Lエチレンジアミン4酢酸〕に溶解した後、エレクトロポレーション法[サイトテクノロジー(Cytotechnology)、3巻、133頁(1990年)]により、該プラスミドをNamalwa KJM−1細胞[サイトテクノロジー(Cytotechnology)、1巻、151頁(1988年)]に、6×106細胞あたり4μg導入し、形質転換細胞を得た。Namalwa KJM−1細胞は、EBNA−1遺伝子を発現する無血清馴化したB細胞株である。
該形質転換細胞を、8mlのRPMI1640・ITPSG培地〔RPMI1640培地(日水製薬社製)に、1/40量の7.5%NaHCO3、3%200mmol/L L−グルタミン溶液(インビトロジェン社製)、0.5%ペニシリン・ストレプトマイシン溶液(インビトロジェン社製、5,000units/mlペニシリン、5,000μg/mlストレプトマイシン)、10mmol/L N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(N−2−hydroxyethylpiperazine−N’−2−ethanesulfonic acid;HEPES)、3μg/mlインシュリン、5μg/mlトランスフェリン、5mmol/Lピルビン酸ナトリウム、125nmol/L亜セレン酸ナトリウム、1mg/mlガラクトースを添加した培地〕に懸濁し、CO2インキュベーター中で37℃で24時間培養した。
培養後、ブラストサイジンS(Blasticidin S)(KK−400:科研製薬社製)を2.0μg/mlになるように添加し、96穴プレートに分注(500〜2000細胞/穴)して培養を行い、pGERbsrR2が染色体DNAに組み込まれた安定形質転換株(シングルクローン)を多数取得した。各形質転換株は、2.0μg/mlのブラストサイジンSを含むRPMI1640・ITPSG培地で継代した。
下記に示す方法により上記安定形質転換株から、誘導倍率が高く、かつ非誘導時のバックグラウンドが低い優れた安定形質転換株KJMGER8細胞を選択した。
各形質転換株にホタル・ルシフェラーゼの誘導発現プラスミドpAGalSd1−lucをエレクトロポレーション法により導入し、2日間培養した。
培養後、17β−エストラジオール(E8875:シグマ社製)(終濃度10nmol/L)を添加し、さらに24時間培養後、ホタル・ルシフェラーゼ活性の測定を行った。活性の測定には、ルミノメーターLB953(ベルトールド社製)を用い、細胞溶解用緩衝液〔1%トリトンX−100、100mmol/L KH2PO4(pH7.8)、1mmol/Lジチオスレイトール〕100μlを、上記培養液に自動注入後、基質溶液〔25mmol/Lグリシルグリシン(pH7.8)、15mmol/L MgSO4、5mmol/L ATP、0.33mmol/Lルシフェリン〕300μlを自動注入し、10秒間の発光量を測定し、ルシフェラーゼ活性とした。比較のために、17β−エストラジオール無添加条件下でのルシフェラーゼ活性も測定した。
17β−エストラジオール添加条件下でのルシフェラーゼ活性と17β−エストラジオール無添加条件下でのルシフェラーゼ活性を比較することにより、遺伝子発現の誘導倍率を算出し、該誘導倍率が高く、かつ17β−エストラジオール無添加条件下のルシフェラーゼ活性が低いクローンとして、KJMGER8細胞を選択した。
参考例59:ホタル・ルシフェラーゼをレポーターとするレポータープラスミドpACREplucの造成
cAMP応答配列(CRE)の制御下にホタル・ルシフェラーゼ遺伝子を発現することのできるレポータープラスミドであるpACREplucを以下の方法で造成した。pACREplucは、ハイグロマイシン耐性遺伝子およびエプスタイン・バー・ウィルスのoriPを有している。
pAMo[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、268巻、22782頁(1993年)、別名pAMoPRC3Sc(特開平5−336963)]をClaIで部分消化し、一カ所切断されたDNA断片を取得した。該DNA断片をMluIで部分消化し、9.5kbのClaI−MluI断片を取得した。pAGE248[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、269巻、14730頁(1994年)]をClaIおよびMluIで切断し、ハイグロマイシン耐性遺伝子を含む1.5kbのClaI−MluI断片を取得した。pAMo由来のClaI−MluI断片、およびpAGE248由来のClaI−MluI断片を結合し、プラスミドpAMohを造成した。
pAMohをXhoIとHindIIIで切断後、ハイグロマイシン耐性遺伝子を含むXhoI−HindIII断片を取得した。pAGal9−lucをSalIとHindIIIで切断し、oriP、Gal4UASを含むSalI−HindIII断片を取得した。pAGal9−luc由来のSalI−HindIII断片、および上記pAMoh由来のXhoI−HindIII断片を結合することにより、プラスミドpAGal9hを造成した。
pBluescriptII KS+(東洋紡績社製)をSalIおよびXhoIで切断した後、ホスファターゼ(Alkaline Phosphatase E.coli C75、宝酒造社製)を用いて脱リン酸化処理し、アンピシリン耐性遺伝子を含むSalI−XhoI断片を取得した。配列番号5および6で表される塩基配列を有する合成オリゴヌクレオチドをアニールさせることにより、CRE配列を2つ含む二本鎖DNAを調製した。該二本鎖DNAとpBluescriptII KS+由来のSalI−XhoI断片を結合し、CRE配列を2つ含むプラスミドpBS−CREIを造成した。pBS−CREIは、該二本鎖DNAが、SalI切断部位およびXhoI切断部位が再生する方向に組み込まれたプラスミドであり、上記切断部位をそれぞれ1つ有している。
pBS−CREIをScaIおよびXhoIで切断しファージflのoriを含むScaI−XhoI断片を取得した。pBS−CREIをScaIおよびSalIで切断しColE1 oriを含むScaI−SalI断片を取得した。pBS−CREI由来のScaI−XhoI断片およびScaI−SalI断片を結合し、CRE配列を4つ含むpBS−CREIIを造成した。
pBS−CREIIをScaIおよびXhoIで切断しファージflのoriを含むScaI−XhoI断片を取得した。pBS−CREIIをScaIおよびSalIで切断しColE1oriを含むScaI−SalI断片を取得した。pBS−CREII由来のScaI−XhoI断片およびScaI−SalI断片を結合しCRE配列を8つ含むpBS−CREIVを造成した。
pBS−CREIVをScaIおよびXhoIで切断しファージflのoriを含むScaI−XhoI断片を取得した。pBS−CREIVをScaIおよびSalIで切断しColE1oriを含むScaI−SalI断片を取得した。pBS−CREIV由来のScaI−XhoI断片およびScaI−SalI断片を結合しCRE配列を16含むpBS−CREVIIIを造成した。
pBS−CREVIIIをXhoIで切断後、Klenow処理し、さらにHindIIIで切断することにより、16個のCREを含むHindIII−XhoI(平滑末端)断片を取得した。pAGalSd1をMluIとHindIIIで切断し、1.4kbのMluI−HindIII断片を取得した。pAGal9hをXbaIで切断後、Klenow処理し、さらにMluIで切断することによりXbaI(平滑末端)−MluI断片を取得した。pBS−CREVIII由来のHindIII−XhoI(平滑末端)断片、pAGalSd1由来のMluI−HindIII断片、およびpAGal9h由来のXbaI(平滑末端)−MluI断片を結合し、プラスミドpACREhを造成した。
pAGal9−lucをXhoIとNotIで切断し、ホタル・ルシフェラーゼ遺伝子を含むXhoI−NotI断片を取得した。pACREhをXhoIとNotIで切断し、CRE配列を含むXhoI−NotI断片を取得した。pAGal9−luc由来のXhoI−NotI断片、およびpACREh由来のXhoI−NotI断片を結合することによりプラスミドpACRElucを造成した。
pACRElucをHindIIIで切断後、Klenow処理し、さらにXhoIで切断することによりCREを含むHindIII(平滑末端)−XhoI断片、およびホタル・ルシフェラーゼ遺伝子を含むHindIII(平滑末端)−XhoI断片をそれぞれ取得した。pACREluc由来の上記2種のHindIII(平滑末端)−XhoI断片を結合することにより、pACREluc中のCRE配列上流のHindIIIサイトが消失したプラスミドpACRElucHを造成した。
pGL3−Enhancer vector〔プロメガ(Promega)社製〕をHindIIIとHpaIで切断し、luc+遺伝子(改変型のホタル・ルシフェラーゼ遺伝子)を含むHindIII−HpaI断片を取得した。pACRElucHをNotIで切断後、Klenow処理し、さらにHindIIIで切断することにより、CREを含むHindIII−NotI(平滑末端)断片を取得した。pGL3−Enhancer vector由来のHindIII−HpaI断片、およびpACRElucH由来のHindIII−NotI(平滑末端)断片を結合することによりプラスミドpACREplucを造成した。
参考例60:GPR4誘導発現プラスミドの造成
ヒト肺由来のmRNA(クロンテック社製)を1μg用い、SUPERSCRIPT First−Strand Synthesis System for RT−PCR(ギブコ社製)により一本鎖cDNAを合成した。該一本鎖cDNAを水で250倍希釈した溶液5μlを鋳型として、配列番号7および8に示した配列を有する合成DNAをGPR4遺伝子特異的プライマーとして用い、PCRによりGPR4 cDNAを取得した。GPR4遺伝子特異的プライマーの配列は、GPR4遺伝子の配列情報(GenBank受入番号:U21051)に基いて設計した。酵素としては、PfuTurbo DNA Polymerase(Stratagene社製)を用いた。PCRを行う際の緩衝液としては、使用する酵素に付加された10倍濃度の緩衝液を使用した。PCRは、サーマルサイクラーDNA engine(MJ Research社製)を用い、95℃で5分間の処理後、94℃で1分間、60℃で1分間、72℃で1分間からなる反応を30サイクル行うことにより実施した。
増幅されたGPR4 cDNA断片をプライマー上に設計された配列を切断するHindIIIおよびNotIで切断した。GPR4 cDNAを含む断片をアガロースゲル電気泳動法により回収した。
該切断断片を、プラスミドpAGal9−ndのHindIII−NotI間へ組み込むことにより、GPR4誘導発現プラスミドpAGal9−GPR4を構築した。
pAGal9−nd中の配列に特異的なプライマー(配列番号9および10に示した配列を有する合成DNA)を用いて、該cDNAの5’側および3’側の配列を決定した。決定された配列に特異的な合成DNAを調製し、それをプライマーとして用い、さらに先の塩基配列を決定した。該操作を繰り返すことにより、該cDNAの全塩基配列を決定しGPR4をコードしていることを確認した。塩基配列の決定には、パーキン・エルマー社のDNAシークエンサー377と反応キット(ABI PrismTM BigDyeTM Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction kit:アプライド・バイオシステムズ社)を使用した。
プラスミドに組み込んだDNA断片の配列を決定し、GPR4をコードしていることを確認した。
参考例61:GPR4のアッセイ細胞の構築
GPR4誘導発現プラスミドpAGal9−GPR4(2μg)およびレポータープラスミドpACREpluc(2μg)を、上記エレクトロポレーション法により、6×106細胞のKJMGER8に共導入した。該形質転換株を8mlのRPMI1640・ITPSG培地に懸濁し、CO2インキュベーター中、37℃で24時間培養した。培養後、ブラストサイジンS(2.0μg/ml)、ハイグロマイシンB(300μg/ml)およびジェネティシン(500μg/ml)を添加し、さらに14日間培養して安定形質転換株(GPR4アッセイ細胞と呼ぶ)を取得した。該形質転換株を、ブラストサイジンS(2.0μg/ml)、ハイグロマイシンB(300μg/ml)およびジェネティシン(500μg/ml)を含むRPMI1640・ITPSG培地で継代した。
同様にして、コントロールプラスミドpAGal9−nd(2μg)およびレポータープラスミドpACREpluc(2μg)をKJMGER8に共導入し、安定形質転換株(コントロール細胞と呼ぶ)を取得した。
参考例62:マウス由来のヒトGPR4ホモログをコードするDNAのクローニング
ヒトGPR4遺伝子の塩基配列情報[Accession(AC)No.U21051]を基に、NCBIのデータベースを対象として検索を行った。その結果、相同性の高い配列として、マウスゲノム配列(AC073784)および複数のExpression sequence tag(EST)配列(BF178464、AA968193、AA798732、AI840893、AI851037)が選択された。該マウスゲノム配列とESTから構築された遺伝子の塩基配列を配列番号14に、該遺伝子によりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号13に示した。該アミノ酸配列を、解析プログラム[GENETYX WIN ver.5.0(ソフトウェア社製)]を用いてヒトGPR4のアミノ酸配列と比較したところ、92.7%の一致が認められた。
よって、配列番号13で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドは、マウスのヒトGPR4ホモログ(マウスGPR4)であることが推定された。
従って、マウスGPR4をコードするDNAは、市販、または公知の方法で調製することができるマウスcDNAライブラリーを鋳型にし、配列番号14で表される塩基配列に基づき設計、合成できるオリゴヌクレオチドをプライマーセットに用いたPCRにより取得することができる。
参考例63:ラット由来のヒトGPR4ホモログをコードするDNAのクローニング
ヒトGPR4遺伝子の塩基配列情報(AC No.U21051)を基に、NCBIのデータベースを対象として検索を行った。その結果、相同性の高い配列として2つのラットゲノム配列(AC119447.2およびAC096180.2)および複数のラットEST配列(BF544182、AI170948、AI008858、AI235374、AI502871、BQ194515)が選択された。これらの配列と、配列番号14で示したマウスの塩基配列情報を基に配列番号15および配列番号16に記載の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを作製した。
該オリゴヌクレオチド各々1.0μmol/Lをプライマーセットとして用い、ラット肺由来mRNAから作製したcDNA 2μLを鋳型に用い、後記の各成分の濃度が200μmol/LとなるようdNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)、Taq Gold(パーキンエルマー社製)2.5単位および1×Taq Gold(Mg plus)緩衝液(パーキンエルマー社)を含む反応溶液40μLを調製し、下記条件下でPCRを行った。
すなわち、サーマルサイクラーPTC−200(MJリサーチ社製)を用い、95℃で10分間加熱後、94℃で1分間、55℃で1分間、72℃で1分間の工程を1サイクルとして30サイクル行い、さらに72℃で5分間加熱した。
得られたPCR反応液より5μLを分取し、アガロースゲル電気泳動によりGPR4をコードするDNAと予想される約1.1kbのDNA断片が増幅されたことを確認後、QIAEX II Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いて、該製品に添付されたマニュアルに従い、DNA断片を溶出し回収した。
上記で回収したDNA断片50ngとpT7Blue T−Vector(Novagen社製)50ngとをDNA Ligation kit ver.2(宝酒造社製)を用いて該製品に添付されたマニュアルに従って連結し、組換えプラスミドDNAを得た。得られた組換えプラスミドDNAを用いて大腸菌JM109株を形質転換して得られる形質転換株から、常法によりプラスミドpT7RGを得た。プラスミドpT7RGの全塩基配列を決定した結果、pT7RGには配列番号18で表される塩基配列を有する約1.1kbのcDNAが含まれていた。配列番号18で表される塩基配列からなるDNAにコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号17に示した。該アミノ酸配列を、解析プログラム[GENETYX WIN ver.5.0(ソフトウェア社製)]を用いてヒト、およびマウスGPR4のアミノ酸配列と比較したところ、それぞれ93.0%、99.2%の一致が認められた。
よって、配列番号17で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドは、ラットのヒトGPR4ホモログ(ラットGPR4)であることが推定された。
実施例1:錠剤
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。
処方 化合物1 20mg
乳糖 143.4mg
馬鈴薯デンプン 30mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
200mg
実施例2:注射剤
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。
処方 化合物5 2mg
精製ダイズ油 200mg
精製卵黄レシチン 24mg
注射用グリセリン 50mg
注射用蒸留水 1.72ml
2.00ml
本発明により、GPR4のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤、および含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤が提供される。
配列番号1−人工配列の説明:合成DNA
配列番号2−人工配列の説明:合成DNA
配列番号3−人工配列の説明:合成DNA
配列番号4−人工配列の説明:合成DNA
配列番号5−人工配列の説明:合成DNA
配列番号6−人工配列の説明:合成DNA
配列番号7−人工配列の説明:合成DNA
配列番号8−人工配列の説明:合成DNA
配列番号9−人工配列の説明:合成DNA
配列番号10−人工配列の説明:合成DNA
配列番号15−人工配列の説明:合成DNA
配列番号16−人工配列の説明:合成DNA
配列番号2−人工配列の説明:合成DNA
配列番号3−人工配列の説明:合成DNA
配列番号4−人工配列の説明:合成DNA
配列番号5−人工配列の説明:合成DNA
配列番号6−人工配列の説明:合成DNA
配列番号7−人工配列の説明:合成DNA
配列番号8−人工配列の説明:合成DNA
配列番号9−人工配列の説明:合成DNA
配列番号10−人工配列の説明:合成DNA
配列番号15−人工配列の説明:合成DNA
配列番号16−人工配列の説明:合成DNA
Claims (16)
- 配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。
- 以下の1)〜4)
1)配列番号12記載の塩基配列から選ばれる連続した5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
2)配列番号14記載の塩基配列から選ばれる連続した5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
3)配列番号18記載の塩基配列から選ばれる連続した5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドの相補的配列を有するオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
4)配列番号12、14および18から選ばれるいずれか一つに記載の塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する5〜60塩基からなるオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体、
のいずれか一つを有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。 - 以下の1)〜4)
1)配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質を認識する抗体、
2)配列番号13記載のアミノ酸配列を有する蛋白質を認識する抗体、
3)配列番号17記載のアミノ酸配列を有する蛋白質を認識する抗体、
4)配列番号11、13および17から選ばれるいずれか一つに記載のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸が欠失、置換または付加したアミノ酸配列を有し、かつ配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を有する蛋白質を認識する抗体、
のいずれか一つを有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。 - 式(I)
[式中、R1は置換もしくは非置換の複素環基、−NR5R6(式中、R5およびR6は同一または異なって水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表すか、R5およびR6が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する)、−OR7(式中、R7は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表す)、−SR7a(式中、R7aは前記R7と同義である)、−CONR5aR6a(式中、R5aおよびR6aはそれぞれ前記R5および前記R6と同義である)、−CO2R7b(式中、R7bは前記R7と同義である)、−N+R5bR6bR8(式中、R5bおよびR6bはそれぞれ前記R5および前記R6と同義であり、R8は低級アルキル、低級アルケニル、またはアラルキルを表す)、ホルミル、カルボキシ、またはシアノを表し、
R2は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表し、
R3およびR4は同一または異なって水素、低級アルキル、またはハロゲンを表し、
nは0または1を表し、
Xは−(CH2)2−または−CH=CH−を表し、
Yは式(II)
(式中、WはCHまたは窒素原子を表し、
Z1およびZ2は同一または異なって水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表すか、Z1およびZ2がそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の芳香環または置換もしくは非置換の複素環を形成し、
Z3は水素、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換の複素環アルキルを表す)を表す]で表される含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する喘息の予防および/または治療剤。 - R1が−NR5R6であり、R5およびR6が隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環基を形成する請求の範囲第4項に記載の喘息の予防および/または治療剤。
- R2が水素である請求の範囲第4項または第5項に記載の喘息の予防および/または治療剤。
- R3およびR4が水素である請求の範囲第4項〜第6項のいずれかに記載の喘息の予防および/または治療剤。
- Z1およびZ2がそれぞれ隣接する2つの炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の複素環を形成する請求の範囲第4項〜第7項のいずれかに記載の喘息の予防および/または治療剤。
- 請求の範囲第4項〜第8項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
- 喘息の予防および/または治療剤の製造のための請求の範囲第4項〜第8項のいずれかに記載の含窒素三環式化合物もしくはその四級アンモニウム塩またはそれらの薬理学的に許容される塩の使用。
- 配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質の治療有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
- 請求の範囲第2項に記載の1)〜4)のいずれか一つのオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体の治療有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
- 請求の範囲第3項に記載の1)〜4)のいずれか一つの抗体の治療有効量を投与することを特徴とする、喘息の予防および/または治療方法。
- 喘息の予防および/または治療剤の製造のための、配列番号11記載のアミノ酸配列を有する蛋白質のシグナル伝達に関する機能を抑制する物質の使用。
- 喘息の予防および/または治療剤の製造のための、請求の範囲第2項に記載の1)〜4)のいずれか一つのオリゴヌクレオチドまたは該オリゴヌクレオチド誘導体の使用。
- 喘息の予防および/または治療剤の製造のための、請求の範囲第3項に記載の1)〜4)のいずれか一つの抗体の使用。
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