JPS6330605B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、光合分波器の改良に関するものであ
る。

（従来技術） 従来、このような分野に１本の光フアイバ中に
異なる波長の光信号を結合または分離する機能を
持つ光合分波器は数多く報告されている。例え
ば、昭和58年度電子通信学会総合全国大会の
「2267光合分波器における色収差低減方法の検討」
に記載されている。

第１図は、従来の４波用光合分波器の一構成例
を示すもので、３つの光学研磨面を持つガラス体
１の一面１ａに異種の干渉膜フイルタ２ａ，２
ｂ，２ｃ，２ｄが並列配置されている。又、ガラ
ス体１の他の二面１ｂおよび１ｃにはロツドレン
ズ３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄおよび３ｅが密着接合
されており、対応する光フアイバ４ａ，４ｂ，４
ｃ，４ｄおよび４ｅからの光信号を平行ビームに
変換している。一方、前記ガラス体１の一面１ａ
には、反射膜５を形成した平行ガラス体６が、前
記干渉膜フイルタ２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄを介し
て密着接合している。なお、前記ガラス体１の一
面１ｂにはロツドレンズ３ｄが干渉膜フイルタ２
ｅを介して密着接合されている。

以上の如き構成の光合分波器では、光フアイバ
４ｅを共通ポートとし、その他の光フアイバ４
ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを送信または受信ポートと
して作用する。すなわち、光フアイバ４ｅからの
光信号はロツドレンズ３ｅで平行ビーム化され、
ガラス体１の干渉膜フイルタ２ｄであらかじめ設
定した特定の波長を持つ光のみが反射され、干渉
膜フイルタ２ｅを経て光フアイバ４ｄへ結合され
る。一方、干渉膜フイルタ２ｄを通過したその他
の波長を持つ光は、平行ガラス体６の反射膜５で
反射し、干渉膜フイルタ２ｃへと進み、以下、上
述と同様の作様を繰り返して特定の光フアイバ４
ｃ，４ｂ，４ａと順に結合され、光合分波器とし
ての機能が得られるのである。

なお、前記作用は、光の進行方向が逆であつて
も同様に行なわれることは説明するまでもない。

しかしながら、上記構成の光合分波器では以下
の如き問題点が生じるのである。すなわち、 (1) 共通ポート用の光フアイバ４ｅとその他のポ
ート用の光フアイバ４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄが
平行に配置されていないので形状が大きくなる
とともに、光合分波器としての取り付け実装条
件の制約が厳しくなる。

(2) ガラス体１の形状が複雑で、かつ反射膜５を
形成した平行ガラス体６を別部品として用意
し、しかも組立てに際して干渉膜フイルタ２ａ
〜２ｄを同時にはさんで貼り合せる複雑な作業
を伴なう。

特に、干渉膜フイルタ２ａ〜２ｄの厚さにバ
ラツキがある場合には、それらの一部に接着剤
による空隙が出来、したがつて光透過率が低下
し、例えば光結合損失が増大する等、信頼性に
乏しいものとなる。

(3) ロツドレンズ３とガラス体１との間には光学
用の接着剤で固定されており、両者間に生じる
光の反射は前記接着剤の屈折率の効果によつて
ある程度は避けることは出来るのであるが、少
なくともロツドレンズの材質とガラス体の材質
の屈折率の差異による不整合反射は避けること
が出来ない。

等の問題点が生じるのである。

（発明の目的） 本発明はこのような問題点を除去する為になさ
れたものであつて、取り付け実装条件の自由度が
得られ、シンプルな構成で、しかも反射光の影響
を受けない光合分波器を提供することを目的とす
るものである。

（発明の構成） すなわち、本発明は、異なる波長通過域を持つ
複数の干渉膜フイルタを配置した第１の面と、該
第１の面と平行に対向して全反射面を有する第２
の面と、第１と第２の面に直交する光学研磨面を
有する第３の面とを備えるガラス体と、互いに平
行して配した複数のポートとを用い、しかも、こ
の複数のポートを前記ガラス体の第１の面に対向
させて配置して構成したもので、これにより前記
目的を達成するものである。以下、図面を用いて
本発明を説明する。

（発明の実施例） 第２図は本発明に係る光合分波器の一実施例を
示す構成図であつて、コリメータ、ここではボー
ルレンズ１１と光フアイバ１２を一体化した複数
のコリメータ１３、ここでは５本のコリメータ１
３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄおよび１３ｅを平
行に配置している。又、ガラス体１４は互いに平
行な二面１４ａ，１４ｂと、これに直交する面１
４ｃの３つの平滑面を形成して成る。そして、前
記面１４ａには異つた波長通過域を持つ複数の干
渉膜フイルタ１５ａ，１５ｂ，１５ｃ，１５ｄが
並列に配置され、該面１４ａに対向し、平行に形
成する面１４ｂには反射ミラー１６が密着あるい
は蒸着処理等が設けられている。又、面１４ｃは
平滑研磨が施されているのみである。そして、前
記の如く成るコリメータ１３とガラス体１４の位
置関係は、共通ポート用のコリメータ１３ａから
の平行ビームは一旦空気中に露出し、次いで、ガ
ラス体１４の面１４ａの一部に干渉膜フイルタ１
５を経ず、しかも斜めに入射する如く設定、配置
されている。この時、空気とガラスの屈折率の違
いによつて生ずる反射光は、入射ビームの方向と
は異なるのでコリメータ１３ａ〜１３ｅ内の光フ
アイバ１２へは結合しない。すなわち、反射光の
影響は受けない構成となつているのである。

以上の構成において、共通ポートであるコリメ
ータ１３ａを経た光フアイバ１２ａからの光ビー
ムは、先ず、ガラス体１４の第１の面１４ａを経
て第３の面１４ｃで全反射し、更に、第２の面１
４ｂに設けた反射ミラー１６でも全反射し、干渉
膜フイルタ１５ａに達する。この干渉膜フイルタ
１５ａでは、特定の波長を持つ光のみが通過し、
コリメータ１３ｂに結合される。又、他の波長を
持つ光は干渉膜フイルタ１５ａ、反射ミラー１６
で再び反射し、次の干渉膜フイルタ１５ｂへ達
し、以下、同様の作用が行なわれ、分波作用が行
なわれるのである。なお、光の進路はこの逆でも
同様で、その場合は分波器として作用することは
明白である。

（発明の効果） 以上、詳細に説明したように本発明によれば、
片面に干渉膜フイルタを、これと対向する他面に
反射ミラーを配したガラス体を用い、更に、共通
ポートからの光ビームをガラス体の内部側面で全
反射させる構成としたことによつて、 (1) 共通ポートも含めて全ポートが同側に、しか
も平行に配置出来ることとなり、小形になり、
取り付け実装性に自由度が増大する。換言する
と、取り付けに際しての無駄な空間がなくなる
のである。

(2) 構成が極めて簡単で、しかも個々の部品につ
いて高い寸法精度が不要である。

(3) 光ビームがガラス体平面に対して垂直に入、
出射しない為に反射光の影響を受けない。すな
わち、無反射型の光合分波器が実現出来る。

等の優れた効果が期待出来るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の光合分波器の一構成例を示す図
であり、第２図は本発明に係る光合分波器の一実
施例を示す図である。 １はガラス体、２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ，２ｅ
は干渉膜フイルタ、３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ，３
ｅはロツドレンズ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ，４
ｅは光フアイバ、５は反射膜、６は平行ガラス
体、１１はボールレンズ、１２は光フアイバ、１
３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄ，１３ｅはコリメ
ータ、１４はガラス体、１５ａ，１５ｂ，１５
ｃ，１５ｄは干渉膜フイルタ、１６は反射ミラー
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１のポートと第２のポートとが互に平行し
   て列状に配置され、平行ビームが入出力するポー
   ト部と、 異なる波長通過域を各々有する複数の干渉膜フ
   イルタが前記複数の第２のポートに対応して配置
   された第１の面と、第１の面と平行に対向し、平
   行ビームを全反射する第２の面と、第１の面と第
   ２の面とに直交し、光学研磨された第３の面とを
   有したガラス体とを有し、 前記ガラス体は、前記平行ビームに対し所定角
   をなし、前記平行ビームが空気を介して入出力さ
   れるものであり、 前記ポート部の一端のポートの平行ビームは、
   第３の面及び第２の面で反射することを特徴とし
   た光合分波器。 ２ 前記ポートが、ボールレンズを用いたコリメ
   ータとしたことを、特徴とした特許請求の範囲第
   １項記載の光合分波器。