JPS6328668Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はたとえばバン型車両において必要に
際し組立てられ、不要時には取外しされる車両用
ベツドの一端側を支持するに適した支持装置に関
するものである。

従来、バン型車両に架設されるベツドの支持手
段は、車室内に突設したブラケツトに、支持棒を
嵌着させてベツドを支持するようにされている
が、不要時にベツドを取外した際、支持手段用の
ブラケツトが車室内に残り、荷物の積載時などに
邪魔になる欠点があつた。

本考案の目的は従来のベツド支持手段の欠点を
除去しようとしたものであり、組立てるベツドの
一端側の支持が充分であり、かつ組立て及び取外
しが容易であり、かつベツドを除去した際には車
室内にベツド支持手段用のブラケツトが残らな
い、車両用ベツドの支持装置を提供することにあ
る。

次に本考案を具体化した図示の実施例により説
明する。図において、２，４はハイルーフ形のバ
ン型自動車１の前席であり、車の左右方向に所定
間隔を保有させて配設されている。３，５は前席
２，４の背当であり、ヘツドレストが装着される
ものである。６Ａ，６Ｂ及び７Ａ，７Ｂは各背当
３，５の上端部３Ａ，５Ａに設けられた、ヘツド
レスト支柱の挿着孔であり、該挿着孔６Ａ，６
Ｂ，７Ａ，７Ｂは背当３，５内部に所定深さに形
成されている。一方、８はベツド１３，１６前端
１３Ａ，１６Ａ側を載置する棒状の支持部材であ
つて、金属等の剛性材質のものであり、車室内の
左右方向幅にほぼ等しい所定長さにされていて、
支持部材８の所定位置には前記背当３，５挿着孔
６Ａ，７Ａに挿入させる挿入軸９Ａ，９Ｂが固着
されている。１０Ａ，１０Ｂは背当３，５の他方
側の挿着孔６Ｂ，７Ｂの上端の座面に当接させる
ためのゴム質のクツシヨン材であつて、支持部材
８の所定位置にビス１１，１１にて固着される。

１３，１６は剛性板体よりなる２枚のフロント
ベツドであり、車室後部に設けられた棚体１８前
端フレーム２０Ａと、前記支持部材８間に並行状
に架設されるものである。１４Ａ，１４Ａはフロ
ントベツド１３の後端１３Ｂにビス１５，１５に
て固着されたフツクで、棚体１８の前端フレーム
２０Ａに係脱自在にされている。１７Ａ，１７Ａ
はフロントベツド１６の後端１６Ｂにビス１５，
１５にて固着されたフツクで棚体１８の前端フレ
ーム２０Ａに係脱自在にされている。なおフロン
トベツド１３，１６の前端１３Ａ，１６Ａ側に
も、支持部材８に係合させるフツク（図示しな
い。）を設けてもよい。前記棚体１８は車室の前
後方向の所定長を短辺１９Ａ，１９Ｂとし、車室
左右方向幅にほぼ等しい長さを長辺２０Ａ，２０
Ｂとする長方形状に金属フレームにて形成され、
短辺１９Ａ側には保持部材２１Ａ，２１Ｂ、短辺
１９Ｂ側には保持部材２２Ａ，２２Ｂが固着され
ている。なお、長辺２０Ａのフレームは前端フレ
ームともいう。２３Ａ，２３Ｂ，２３Ｃは補強用
の中間フレームである。棚体１８における２４は
折り畳まれたストツパフレームであり、棚体１８
に荷物を載置する場合には起立される。一方、車
室後部における左右両側面上部にはＬ形状の支持
フーム２５Ａ，２５Ｂ及び２６Ａ，２６Ｂの各一
端側が枢着されていて、枢着された各支持アーム
２５Ａ，２５Ｂ及び２６Ａ，２６Ｂの他端側には
前記棚体１８の保持部材２１Ａ，２１Ｂ及び２２
Ａ，２２Ｂの各上端部が各々枢着され、棚体１８
は前席２，４の背当３，５上端部３Ａ，５Ａとほ
とんど同じ高さに水平状に保持されている。２
８，２８は支持アーム２６Ａ，２６Ｂのストツパ
である。支持アーム２５Ａ，２５Ｂ側においても
同様にストツパが取付けられている（図示しな
い）。

なお、本例の棚体１８はＬ形状の支持アーム２
５Ａ，２５Ｂ及び２６Ａ，２６Ｂを介して吊り下
げられているので、棚体１８が不使用の際は各支
持アームを回動させて車室天井側に上昇させて収
納される。

３０は前記棚体１８上に取付けるリヤベツドで
あり、剛性板体より形成され、下面には棚体１８
の中間フレーム２３Ａ，２３Ｃに係脱させる係合
部材３１Ａ，３１Ａがビス３２にて固着されてい
る。

しかして、車室内にベツドを組立てるに際して
は、まず、棚体１８上にリヤベツド３０を載置す
るとともに、係合部材３１Ａ，３１Ｂを棚体１８
の中間フレーム２３Ａ，２３Ｃに係合させて棚体
１８にリヤベツド３０を固定させる。次いで、両
前席２，４の背当３，５上部のヘツドレスト支柱
の挿着孔６Ａ，７Ａに、支持部材８の挿入軸９
Ａ，９Ｂを挿入し、背当３，５上端部３Ａ，５Ａ
に支持部材８を固定させる。支持部材８は挿着孔
６Ａ，７Ａに挿入した挿入軸９Ａ，９Ｂにより左
右および前後方向が規制されて不動状に固定され
る。クツシヨン材１０Ａ，１０Ｂは背当３，５上
端の挿着孔６Ｂ，７Ｂ座面と支持部材８間に介装
されクツシヨン作用をなす。そして、支持部材８
と、車室後部の棚体１８間に、一方のフロントベ
ツド１３を配置し、フロントベツド１３前端１３
Ａ側を支持部材８に載置するとともに後端１３Ｂ
のフツク１４Ａ，１１４Ａを棚体１８前端フレー
ム２０Ａに係合させる。次いで同様に他方のフロ
ントベツド１６を、支持部材８と棚体１８間に配
置し、各フツク１７Ａ，１７Ａを棚体１８前端フ
レーム２０Ａに係合させ、前端１６Ａ側を支持部
材８に載置させる。かくして、車室内には二枚の
フロントベツド１３，１６とリヤベツド３０とが
配列された水平状のベツドを形成することができ
る。

なお、形成されたベツドを取り外す場合は前記
した組立て手順の逆順序にて簡単に除去すること
ができる。そして支持部材８を除去した背当３，
５の挿着孔６Ａ，６Ｂ及び７Ａ，７Ｂにはヘツド
レストＨ，Ｈの支柱Ｈ１，Ｈ１（第２図の２点鎖
線部分参照）を各々挿入し、ヘツドレストＨ，Ｈ
を装着すれば通常の安全座席として使用される。

本例では各フロントベツド１３，１６の後端は
荷物用の棚体１８に係合させるようになしたが、
フロントベツド１３，１８の後端は棚体１８に限
らず、適宜他の部材（図示せず。）に係合させて
もよいし、あるいはフロントベツド前端側と同様
に後部座席の背当に棒状の支持部材を固定し、こ
れに係合せるようになしてもよい（図示せず）。

以上説明したように本考案は、車両内に水平状
に組立てるベツドの一端側を支持する支持装置で
あつて、車両内の左右方向に配置されかつ背当上
端にヘツドレスト支柱の挿着孔を２個ずつ有する
両座席と、前記両座席の背当上端に配置されてベ
ツドの一端側を支持する支持部材とよりなり、前
記支持部材には前記両座席の両背当の各一方の挿
着孔に取外し可能に挿入して左右および前後方向
を規制する両挿入軸と、前記両背当の各他方の挿
着孔の座面に当接する両クツシヨン材が取付けら
れてなる支持装置であるため、本考案の所期の諸
目的を確実に達成することができる。すなわち、
本考案においては支持部材の両挿入軸を両座席の
各背当上端の各一方のヘツドレスト支柱挿入孔に
挿入し、かつ両クツシヨン材を各背当上端の各他
方のヘツドレスト支柱挿着孔座面に位置させて支
持部材を両座席の背当上端に固定し、固定した支
持部材上にベツドの一端側を載せることができ
る。支持部材は両挿入軸が各背当の挿着孔に挿入
されかつクツシヨン材が挿着孔座面に配置されて
いることより、支持部材上に載置したベツド一端
側の支持は充分であり、かつクツシヨン材により
背当の上端を傷つけることなく支持できる。本考
案の支持部材は分離した二つの座席の背当におけ
る挿着孔に各々挿入軸を挿入させるため、分離し
た座席において支持部材の支持性が良好である。
そして、本考案は座席背当のヘツドレストの挿着
孔を使用してベツド一端側を支持するようにした
ので、従来のように支持手段用のブラケツトを車
室に固着する必要がなく、ベツドを組立てない平
常時においては何ら支障物がなく、外観上も好ま
しいものである。また本考案は支持部材の着脱が
簡単であるので、ベツドの組立て、及び取外しの
際に都合がよい。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
ハイルーフ形のバン型自動車内に組立てるベツド
の各部材を示す分解斜視図、第２図は背当に支持
部材を取付けた状態の説明図、第３図はベツドを
組立てた状態の実施態様図である。 １……バン型自動車、２，４……前席、３，５
……背当、３Ａ，５Ａ……上端部、６Ａ，７Ａ…
…挿着孔、８……支持部材、９Ａ，９Ｂ……挿入
軸、１３，１６……フロントベツド、１３Ａ，１
６Ａ……前端、１４Ａ，１７Ａ……フツク、１８
……棚体、２０Ａ……前端フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両内に水平状に組立てるベツドの一端側を支
   持する支持装置であつて、車両内の左右方向に配
   置されかつ背当上端にヘツドレスト支柱の挿着孔
   を２個ずつ有する両座席と、前記両座席の背当上
   端に配置されてベツドの一端側を支持する支持部
   材とよりなり、前記支持部材には前記両座席の両
   背当の各一方の挿着孔に取外し可能に挿入して左
   右および前後方向を規制する両挿入軸と、前記両
   背当の各他方の挿着孔の座面に当接する両クツシ
   ヨン材が取付けられてなることを特徴とした車両
   用ベツドの支持装置。