JPS6322420Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は加熱ヒータを使つて食品を加熱調理
する調理器の改善に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

加熱ヒータを使つて食品を調理する調理器の代
表的なものにオーブンレンジがある。このオーブ
ンレンジは一般に第１図ないし第３図に示すよう
に、本体ａ内に調理室ｂを設け、この調理室ｂ内
の上・下部に加熱ヒータｃ，ｃを設けたものが採
用される。なお、ｄはマグネトロンを示す。そし
て、食品ｅ…を上部の加熱ヒータｃを使つて調理
するときには、食品ｅ…を載せた天板ｆを調理室
ｂ内にセツトして上部側の加熱ヒータｃを機能さ
せることによりヒータ熱で食品ｅ…を隔室ｈを通
じて加熱することができるようになつている。

ところで、この種の調理器においては、食品か
ら発生する蒸気等による庫内の曇り、扉体ｇの覗
窓の曇り、庫内壁面の露付きを解消、食品の臭い
や煙などを排気、さらには調理制御を行なう目的
のため通気口、ならびに排気口が必らず設けられ
ている。通常、通気口、排気口は第１図ないし第
３図に示すように、調理室ａを構成する一方の側
部壁に開口側に位置して食品ｅ…に対し臨むよう
に小孔群からなる通気口ｉを設け、また調理室ａ
の上部壁の背部側に小孔群からなる排気口ｊを設
ける構造が採用され、これら通気口ｉ、排気口ｊ
を介して庫内と外気とを連通させている。

ところが、このような通気口ｉ、排気口ｊの構
造は庫内に自然な空気流（自然対流）を発生させ
るものであるが、排気口ｊが上部壁に設けられて
いるので、庫内の熱気が逃げやすい。しかるに、
調理室ａの中央ａで強く作用する加熱ヒータｃの
熱が上部壁に設けた排気口ｊからそのまま外部に
逃げ、それに伴ない通気口ｉを通じ食品ｅ…に向
けて外気（冷気）が進入してくる問題がある。こ
のため、排気口ｊ、通気口ｉに面する食品ｅ…の
部分には十分に加熱ヒータｃの熱があたらなく、
食品ｅ…ではどうしても排気口ｊ、通気口ｉに面
した部分とそれ以外の部分とでは大きな温度差を
伴ない、大きな焼きむらを生じ、ひいては調理時
間の長期化をきたしてしまう不具合がある。使用
によればシユー皮を加熱調理したときでは排気口
ｊ、通気口ｉに面した部分ではふくらみが足りな
くなる不具合を伴なうものであつた。

〔考案の目的〕

この考案は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、通気口、排気口の
目的を損なうことなく、食品の焼むらを解消する
ことができる調理器を提供しようとするものであ
る。

〔考案の概要〕

この考案は、調理室の一方の側部壁の上部開口
側に加熱ヒータに面して通気口を設け、この通気
口と対角となる調理室の側部壁およびそれと連な
る背部壁にそれら側部壁と背部壁との間に形成さ
れた壁陵側に位置してそれぞれ排気口を設けるこ
とで、排気口から調理室内の熱を逃げにくくする
とともに、その熱気の排気に伴つて通気口から進
入してくる外気（冷気）を加熱ヒータの加熱で熱
気に代えて、食品にむらなく熱を与え、通気口、
排気口の所期の目的を得るとともに、食品の焼む
らを解消しようとするものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案を第４図ないし第６図に示す一
実施例にもとづいて説明する。図中１は調理器と
してのオーブンレンジの本体で、この本体１内の
左側部には調理室２が設けられている。そして、
この調理室２ならびに調理室２の背部に連設され
た区画壁３を区画部として、本体１内の右側部に
機械室４を形成している。そして、この機械室４
内にマグネトロン５および後述する通気口６が設
けられる。したがつて、マグネトロン５によつて
レンジ調理を行なうことができるようになつてい
る。また調理室２内には上部ならびに下部の中央
に位置して加熱ヒータ７ａ，７ｂが上部壁および
下部壁沿いに設けられていて、調理室２内の中段
に食品８…を載せた天板９をセツトして上部側の
加熱ヒータ７ａあるいは下部側の加熱ヒータ７ｂ
を機能させることにより隔室を通じヒータ熱によ
る調理を行なうことができるようになつている。
さらに調理室２には左側部壁２ａ、背部壁２ｂに
位置してそれぞれ小孔群から構成される排気口１
０，１０が設けられている。これら排気口１０，
１０は、左側部壁２ａ、背部壁２ｂの上段ならび
それら壁の壁陵２ｃに位置してたとえば並行に設
けられ、天板９をセツトしたとき調理室２の上部
側に形成される隔室に臨むようになつている。ま
た各排気口１０，１０は庫内全体の熱が一様の速
さで流れるように、壁陵２ｃに対しある距離ｘを
おいて隣接関係を保ちながら離れて設けられる。
そして、これら排気口１０，１０は調理室２の背
部側に設けたダクト１１、ならびに本体１の背部
壁に設けた吐出口１２を介して本体１の外部（外
気）、さらには調理室２内を介して上記通気口６
に連通している。ここで、通気口６について説明
すれば、この通気口６は小孔群から構成されてい
て、上記排気口１０，１０と対角関係となる調理
室２の右側壁２ｄの開口側に最も近い部位に位置
して配置される。そして、この通気口６は上部側
に位置する加熱ヒータ７ａに面するように右側壁
２ｄの上段に設けられていて、上記排気口１０，
１０に対し水平方向で最も遠くに隔てる関係とな
つている。そして、このように構成された通気口
６は機械室４内に設けたダクト１３を通じて機械
室４の背部および右側部に設けた吸気口１４に連
通していて、吸気口１４から外気を庫内へ取り入
れることができるようになつている。

なお、図面おいて、１５はレンジ使用時に機能
するマグネトロン冷却用のフアン、１６は調理室
２の開口を開閉する横開き式の扉体である。

しかして、このように構成されたオーブンレン
ジを用いて食品８…を加熱（オーブン）調理する
ときには、まず食品８…を天板９上に載せる。そ
して、この天板９を調理室２内の中段にセツトし
て扉体１２を閉め、こののち本体１に設けた操作
部１７を操作して上部側の加熱ヒータ７ａを機能
させる。これにより食品８…は加熱ヒータ７ａで
加熱調理される。そして、隔室内の熱せられた空
気は食品８…から発した臭い、煙などをしたがえ
て排気側に導かれ（自然対流による）、またこの
排気に伴ない外気が通気口６から庫内に進入して
所期の目的を得るが、この際、従来では食品８…
全体にむらなく熱を当てることができなかつた。
しかしながら、ここの考案によると、排気口１
０，１０を左側部壁２ａ、背部壁２ｂに設けて、
調理室２内の熱気を逃げにくくしている。しか
も、この熱気に伴つて通気口６から庫内に進入し
てくる外気（冷気）は加熱ヒータ７ａで加熱され
て熱気となつていく。しかして、排気口１０，１
０側ならびに通気口６側での熱量差は解消される
とともに、庫内全体の熱気（温度）は均一分布化
し、食品８…の全体にむらなく熱気を当てること
ができるようになる。

したがつて、通気口６を加熱ヒータ７ａに面し
て設け、排気口１０，１０を上記通気口６から遠
くに隔てた側部壁２ａ、背部壁２ｂの壁陵２ｃに
位置して設けたことで食品８…全体をむらなく効
率よく加熱することができ、焼むらを解消するこ
とができる。しかも、排気口１０，１０を壁陵２
ｃに位置して設けてことにより、加熱ヒータ７ａ
の熱が外部へ不用意にうばわれることがないか
ら、熱を効率よく加熱に供することができるよう
になり、調理時間の短縮化を図ることができる。
加えて、各排気口１０，１０は壁陵２ｃに対して
離れて設けたことで、庫内全体の熱の流れとして
は、集中的して焦げを生じる要因となる熱気の流
れの速さの差による熱の集中停滞を伴なうことの
ない一様な流れが得られ、効果的な庫内全体にお
ける熱気の動きを得ることができるものである。

なお、上述した一実施例ではこの考案をオーブ
ンレンジに適用したが、その他の上部に加熱ヒー
タを備える調理室を有した調理器でも適用できる
ことはいうまでもない。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案によれば、庫内の
熱気が排気口から逃げにくくなるとともに、その
熱気の排気に伴つて進入してくる外気（冷気）は
加熱ヒータで加熱されるから、庫内全体の熱を均
一化にすることができるようになり、熱気をむら
なく食品に当てて通気口、排気口の本来の目的を
損なうことなく焼むらのない食品の加熱調理を行
なうことができるとともに調理時間の短縮化を図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来の調理器を示す平断
面図、正断面、側断面図、第４図ないし第６図は
この考案の一実施例を示し、第４図は調理器の正
面図、第５図は調理器の平断面図、第６図は調理
器の正断面図である。 ２……調理室、６……通気口、７ａ……加熱ヒ
ータ、８……食品、１０……排気口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面が開口した調理室内の上部に上部壁沿いに
   加熱ヒータを設けて構成される調理器において、
   上記調理室の一方の側部壁の上部開口側に上記加
   熱ヒータに面して通気口を設け、この通気口と対
   角となる上記調理室の側部壁およびそれと連なる
   背部壁にそれら側部壁と背部壁との間に形成され
   た壁陵側に位置してそれぞれ排気口を設けたこと
   を特徴とする調理器。