JPS6313256B2 - - Google Patents
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- JPS6313256B2 JPS6313256B2 JP26362284A JP26362284A JPS6313256B2 JP S6313256 B2 JPS6313256 B2 JP S6313256B2 JP 26362284 A JP26362284 A JP 26362284A JP 26362284 A JP26362284 A JP 26362284A JP S6313256 B2 JPS6313256 B2 JP S6313256B2
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- Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は合金磁性薄膜を有する磁気記録媒体に
係り、特にこの合金磁性薄膜が白金を含有する種
類のものである磁気記録媒体に関する。 [従来の技術] 記録密度の高い合金磁性薄膜を有する磁気記録
媒体の研究開発が近年大いに推進されているが、
その一つとしてコバルト(Co)−白金(Pt)合金
の磁性薄膜を用いたものがある。Co−Pt合金は
耐食性の高いことが古くから知られており、これ
を用いた磁性薄膜も高い耐食性を有していること
が公知である。 ところで、このCo−Pt合金磁性薄膜は、第1
図に示すように、その保磁力HcがPt含有量が20
原子%で極大となる特性を有しているが、(なお、
このことは、例えば、日本応用磁気学会誌vo17、
No.2、1983などにも記載されているように良く
知られているところである。)Ptを約20原子%含
有させる場合は、Hcが高すぎてオーバーライト
特性が悪くなる。即ち、磁性薄膜に要求される
Hcの範囲は、通常、500〜1000〔Oe〕であり、そ
のため、Co−Pt合金磁性薄膜を有する従来の磁
気記録媒体においては、通常、Pt含有率を10原
子%前後とし、Hcが極大値よりも下つた領域で
使用している。 [発明が解決しようとする問題点] このPt含有率が10原子%前後の部分は、第1
図に示すように、Pt含有率の変化に対するHcの
変化が大きく、従つて製造工程におけるPt配合
量の微小な変化によつても製品特性が相当に変化
し、製品歩留りが低下するという問題があつた。 また、従来のCo−Pt合金磁性薄膜においては、
その保磁力Hcは膜厚依存性を有しており、膜厚
が変ると保磁力Hcも著しく変動する。そのため、
磁気記録媒体製造時の条件が種々の要因により変
動したときの製品特性(Hc)のばらつきが大き
く、やはり歩留が低下するという問題があつた。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは、Co−Pt系磁性合金薄膜につい
て様々な観点から検討を加え、多数の実験を重ね
た結果、窒素(N)含有雰囲気でPtを含むCo基
合金をターゲツトとしたスパツタリングにより基
板上にNを含むCo−Pt系薄膜を形成し、次いで
これを熱処理することにより窒素含有量を0.5〜
5原子%とした磁気記録媒体は、Hcが適度に高
く、かつHcの膜厚依存性の少ない極めて優れた
特性を有することを見い出し、本発明を完成する
に至つた。 即ち、本発明は 基板上に形成された合金磁性薄膜を有する磁気
記録媒体において、該合金は白金を2〜12原子
%、窒素を0.5〜5原子%含むコバルト基合金で
あることを特徴とする磁気記録媒体、 である。 以下、本発明の構成について更に詳細に説明す
る。 本発明において用いられる磁性薄膜は、Ptを
2〜12原子%、Nを0.5〜5原子%含むCo基合金
である。Ptを2〜12原子%とした理由は、2原
子%未満では耐食性が低下するようになり、12原
子%を超える場合はHcが高くなりすぎ、オーバ
ーライト特性が悪化するからである。特に好まし
いPt含有量は3〜11原子%、とりわけ4〜10原
子%である。 またNを0.5〜5原子%とした理由は、0.5原子
%以下では特にPt含有率が8原子%を下回ると
きにHcが低くなりすぎ要求特性の下限を下回り
やすくなり、一方5原子%を超えるようになると
角形比Sが低下するようになるからである。(通
常磁気記録媒体の角形比Sは0.7以上であること
が要求されている。)特に好ましいNは1〜4原
子%である。なお、本発明者らの研究によれば、
このN含有量が0.5原子%以上である場合には、
Hcの膜厚依存性が小さくなることが見い出され
た。 本発明において、Pt及びN以外の組成として
は、 (イ) Coのみ、 (ロ) Coの一部をNi及び/又はFeで置換したも
の、 であつてもよい。(ロ)の場合、Coの一部をNi、Fe
で置換すると、Hcが若干変化し、媒体の要求特
性に応じたHcの調整を容易にできるという効果
が奏される。なお、Coの一部をNi及び/又はFe
で置換する場合、この置換比率はCoの25原子%
以下とするのが好ましい。置換比率が25原子%を
超えると、Niの場合、飽和磁束密度Bsが低下し、
また結晶系がhcpからfccに変り、膜面内の角形比
Sが低下するようになる。またFeの場合、Coの
置換比率が25原子%を超えると薄膜の耐食性を低
下させるようになる。 本発明の磁気記録媒体は例えば次のようにして
製造することができる。即ち、N2を含むArガス
雰囲気中でスパツタリング等の真空蒸着法によつ
てPt、Co、N(及び所望により、更にNi及び/又
はFe)を含む合金薄膜を基板上に形成し、然る
後熱処理し、Nを放出させてN含有率を0.5〜5
原子%とするものである。 この製造方法において、基板上にまず形成する
薄膜中のNの含有率は40原子%以上例えば40〜50
原子%とするのが好ましい。このようにスパツタ
リング時に多量のNを薄膜に含有させると、アモ
ルフアス状又は粒径50Å程度の微結晶体より成る
薄膜が形成され、この薄膜は後工程の熱処理で結
晶化又は粒径100〜400Å程度に粒成長し適度な
Hcを有しかつ高角形比の磁気記録媒体を形成す
るようになる。 この熱処理の温度としては300〜800℃程度が好
ましい。熱処理の温度が300℃を下回る場合には、
脱Nの速度が小さくなり、薄膜の結晶化も不充分
となりやすい。また熱処理温度が800℃を超える
場合には、脱Nが過度に進行し、かつ結晶粒径が
大きくなり保磁力Hcが低下する。特に好ましい
熱処理条件は320〜600℃×1hr〜3hr程度であり、
このようにすることにより磁気特性の優れたもの
を安価に製造することが可能となる。 なお、本発明において用いられる基板として
は、非磁性基板であるならば従来から用いられて
いる各種のものが採用でき、合金系基板(例えば
アルミニウムに数%以下程度のMgを添加した合
金やチタン合金の基板)、各種のセラミツク基板
などが用いられる。なお基板と磁性薄膜との間に
Ni−PやCr、あるいは酸化アルミニウム等から
成る硬質な下地層の他、磁性薄膜の付着強度を増
大させる各種の中間層などを設けてもよい。また
磁性薄膜上に炭素、ポリ珪酸等の保護膜を設けて
もよい。さらに、この保護膜上に潤滑剤を塗布し
ても良い。 [作用] Pt含有量が2〜12原子%のCo−Pt系合金磁性
薄膜において、Nを0.5〜5原子%含有させるこ
とにより、適度なHcを有する薄膜が得られる。
この薄膜は、また、角形比が高いと共に、Ptを
含むもので耐食性にも優れる。 更に、Nを0.5原子%以上含む本発明の磁気記
録媒体に係る薄膜は、Hcの膜厚依存性も小さく
なる。 [実施例] 以下、本発明を具体的実施例によつて詳細に説
明する。なお以下に述べる実施例はr.f.マグネト
ロンスパツタ装置によつたが、イオン工学的に同
様のことが言えるイオンビームスパツタリング等
によつて本発明の効果を得ることが可能であるこ
とは勿論である。 実施例 1 マグネシウムを4%含むアルミニウム合金基板
(大きさ:直径130mm、内径40mm、厚さ1.9mm)、の
表面に厚さ10μmの酸化アルミニウム質の下地層
を形成し、かつその表面を研磨し平坦にした。 次に、r.f.平板マグネトロンスパツタ装置を用
い、下記条件にて下地層上にNを含むCo−Pt薄
膜を形成した。 初期排気 1〜2×10-6Torr 全雰囲気圧(Ar+N2) 15〜30mTorr 雰囲気中N2ガス濃度(全圧に対するN2分圧の
%) 35〜75% 投入電力 1kw ターゲツト組成(日標とする薄膜の組成に一致さ
せる。例えば、Co/Pt=98/2(原子%比)の薄
膜を形成する場合には、Co98原子%、Pt2原子%
のターゲツトを用いる。) Co−Pt 極間隔 108mm 膜圧(スパツタ時) 500Å 薄膜形成速度 100〜300Å/min 基板温度 200℃ この膜形成処理後、真空中にて320〜400℃×1
〜11hrの熱処理を行ない、膜を結晶化させると共
に、窒素を放出させた。その後、カーボン保護膜
を500Å厚さとなるようにスパツタリングして形
成し、磁気記録媒体とした。 この磁気記録媒体の磁気特性を第2図〜第3図
に示す。 比較例 1 スパツタリング時の雰囲気のN2ガス濃度及び
熱処理条件等を第1表のものとし、N含有率8原
子%の薄膜を形成した。その他の条件は実施例1
と同様である。その特性の測定結果を第2図〜第
3図に示す。 比較例 2 スパツタリング時の雰囲気をAr100%としたこ
と以外は実施例1と同様にし、N含有率0の薄膜
を作成した。その特性の測定結果を第2図〜第4
図に示す。 第2図より、Nを0.5〜5原子%含ませると、
Pt2〜12原子%の範囲でHcが500〜1000〔Oe〕の
範囲となり、適度な値となることが認められる。 またN含有率が0であるものは、Pt含有率の
変化に対するHcの変化が極めて大であることが
明らかである。またN含有率が8原子%の場合に
はHcが1000〔Oe〕を超えることも認められる。 第3図より、N含有率が約2原子%前後で角形
比Sが最も高くなり、N含有率0.5〜5原子%の
範囲では角形比が0.7以上で充分実用できること
が認められる。なおN含有率が8原子%ではPt
が0〜10原子%の範囲で角形比Sが0.7を下回り、
実用上の要求下限値を下回ることが認められる。 実施例 2 実施例1の、ターゲツト材をCo95原子%、Pt5
原子%とした場合において、スパツタリング時間
を変えて膜厚の異なる薄膜を形成した。 そのときの条件及び測定結果を第2表及び第4
図に示す。 第4図より、N含有率の増大に伴つて膜厚変動
に対するHcの変動率が小さくなり、Hcの膜厚依
存性が小さくなることが明らかである。 実施例 3 ターゲツトをCo−Ni−Pt系とし、第3表に示
すスパツタリング条件及び熱処理条件としたこと
以外は実施例1と同様にして磁性薄膜を形成し
た。なお、ターゲツトのCo:Ni:Ptの含有比は、
磁性薄膜の目標とするCo:Ni:Ptの含有比に一
致する。 その特性の測定結果を第5図に示す。 比較例 3 スパツタリング時の雰囲気をAr100%としたこ
と以外は実施例3と同様にし、N含有量0の薄膜
を形成した。その特性の測定結果を第5図に示
す。 第5図より、Co−Ni−Pt系の薄膜においても、
N含有率を0.5〜5原子%とすることにより、500
〜1000〔Oe〕のHcを有する磁性薄膜が形成され
ることが認められる。 実施例 4 実施例1の手順に従い、次の条件で、直径130
mmのデイスク形の磁気記録媒体を作製した。 ターゲツト Co−Pt(Pt5原子%) スパツタ雰囲気中 N2ガス濃度50% 熱処理条件 340℃×3hr (上記以外の条件は実施例1と同じ) このようにして得られた磁気記録媒体の磁性薄
膜は、Pt5原子%、N2原子%含み、次の磁気特性
を有することが認められた。 Bs:12Kガウス Hc:750Oe S:0.82 また、この磁気記録媒体の電磁変換特性を次の
ようにして測定した。 使用ヘツド:Mn−Znフエライトミニウインチエ
スタ(トラツク幅16μm、ギヤツプ長1.1μm、
ギヤツプ深さ20μm、巻数14T×2) フライイングハイト:0.34μm 1F:1.25MHz 2F:2.5MHz デイスク回転数:3600rpm 測定箇所:デイスクの中心からR=30mmの部分で
測定 この再生出力特性は次の通りであつた。 再生出力E2F=2.5MHz:0.4mV 分解能(R=30mm):85% オーバーライト:−35dB 以上のことから、この磁気記録媒体は高密度記
録媒体としての特性を備えていることが判明し
た。
係り、特にこの合金磁性薄膜が白金を含有する種
類のものである磁気記録媒体に関する。 [従来の技術] 記録密度の高い合金磁性薄膜を有する磁気記録
媒体の研究開発が近年大いに推進されているが、
その一つとしてコバルト(Co)−白金(Pt)合金
の磁性薄膜を用いたものがある。Co−Pt合金は
耐食性の高いことが古くから知られており、これ
を用いた磁性薄膜も高い耐食性を有していること
が公知である。 ところで、このCo−Pt合金磁性薄膜は、第1
図に示すように、その保磁力HcがPt含有量が20
原子%で極大となる特性を有しているが、(なお、
このことは、例えば、日本応用磁気学会誌vo17、
No.2、1983などにも記載されているように良く
知られているところである。)Ptを約20原子%含
有させる場合は、Hcが高すぎてオーバーライト
特性が悪くなる。即ち、磁性薄膜に要求される
Hcの範囲は、通常、500〜1000〔Oe〕であり、そ
のため、Co−Pt合金磁性薄膜を有する従来の磁
気記録媒体においては、通常、Pt含有率を10原
子%前後とし、Hcが極大値よりも下つた領域で
使用している。 [発明が解決しようとする問題点] このPt含有率が10原子%前後の部分は、第1
図に示すように、Pt含有率の変化に対するHcの
変化が大きく、従つて製造工程におけるPt配合
量の微小な変化によつても製品特性が相当に変化
し、製品歩留りが低下するという問題があつた。 また、従来のCo−Pt合金磁性薄膜においては、
その保磁力Hcは膜厚依存性を有しており、膜厚
が変ると保磁力Hcも著しく変動する。そのため、
磁気記録媒体製造時の条件が種々の要因により変
動したときの製品特性(Hc)のばらつきが大き
く、やはり歩留が低下するという問題があつた。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは、Co−Pt系磁性合金薄膜につい
て様々な観点から検討を加え、多数の実験を重ね
た結果、窒素(N)含有雰囲気でPtを含むCo基
合金をターゲツトとしたスパツタリングにより基
板上にNを含むCo−Pt系薄膜を形成し、次いで
これを熱処理することにより窒素含有量を0.5〜
5原子%とした磁気記録媒体は、Hcが適度に高
く、かつHcの膜厚依存性の少ない極めて優れた
特性を有することを見い出し、本発明を完成する
に至つた。 即ち、本発明は 基板上に形成された合金磁性薄膜を有する磁気
記録媒体において、該合金は白金を2〜12原子
%、窒素を0.5〜5原子%含むコバルト基合金で
あることを特徴とする磁気記録媒体、 である。 以下、本発明の構成について更に詳細に説明す
る。 本発明において用いられる磁性薄膜は、Ptを
2〜12原子%、Nを0.5〜5原子%含むCo基合金
である。Ptを2〜12原子%とした理由は、2原
子%未満では耐食性が低下するようになり、12原
子%を超える場合はHcが高くなりすぎ、オーバ
ーライト特性が悪化するからである。特に好まし
いPt含有量は3〜11原子%、とりわけ4〜10原
子%である。 またNを0.5〜5原子%とした理由は、0.5原子
%以下では特にPt含有率が8原子%を下回ると
きにHcが低くなりすぎ要求特性の下限を下回り
やすくなり、一方5原子%を超えるようになると
角形比Sが低下するようになるからである。(通
常磁気記録媒体の角形比Sは0.7以上であること
が要求されている。)特に好ましいNは1〜4原
子%である。なお、本発明者らの研究によれば、
このN含有量が0.5原子%以上である場合には、
Hcの膜厚依存性が小さくなることが見い出され
た。 本発明において、Pt及びN以外の組成として
は、 (イ) Coのみ、 (ロ) Coの一部をNi及び/又はFeで置換したも
の、 であつてもよい。(ロ)の場合、Coの一部をNi、Fe
で置換すると、Hcが若干変化し、媒体の要求特
性に応じたHcの調整を容易にできるという効果
が奏される。なお、Coの一部をNi及び/又はFe
で置換する場合、この置換比率はCoの25原子%
以下とするのが好ましい。置換比率が25原子%を
超えると、Niの場合、飽和磁束密度Bsが低下し、
また結晶系がhcpからfccに変り、膜面内の角形比
Sが低下するようになる。またFeの場合、Coの
置換比率が25原子%を超えると薄膜の耐食性を低
下させるようになる。 本発明の磁気記録媒体は例えば次のようにして
製造することができる。即ち、N2を含むArガス
雰囲気中でスパツタリング等の真空蒸着法によつ
てPt、Co、N(及び所望により、更にNi及び/又
はFe)を含む合金薄膜を基板上に形成し、然る
後熱処理し、Nを放出させてN含有率を0.5〜5
原子%とするものである。 この製造方法において、基板上にまず形成する
薄膜中のNの含有率は40原子%以上例えば40〜50
原子%とするのが好ましい。このようにスパツタ
リング時に多量のNを薄膜に含有させると、アモ
ルフアス状又は粒径50Å程度の微結晶体より成る
薄膜が形成され、この薄膜は後工程の熱処理で結
晶化又は粒径100〜400Å程度に粒成長し適度な
Hcを有しかつ高角形比の磁気記録媒体を形成す
るようになる。 この熱処理の温度としては300〜800℃程度が好
ましい。熱処理の温度が300℃を下回る場合には、
脱Nの速度が小さくなり、薄膜の結晶化も不充分
となりやすい。また熱処理温度が800℃を超える
場合には、脱Nが過度に進行し、かつ結晶粒径が
大きくなり保磁力Hcが低下する。特に好ましい
熱処理条件は320〜600℃×1hr〜3hr程度であり、
このようにすることにより磁気特性の優れたもの
を安価に製造することが可能となる。 なお、本発明において用いられる基板として
は、非磁性基板であるならば従来から用いられて
いる各種のものが採用でき、合金系基板(例えば
アルミニウムに数%以下程度のMgを添加した合
金やチタン合金の基板)、各種のセラミツク基板
などが用いられる。なお基板と磁性薄膜との間に
Ni−PやCr、あるいは酸化アルミニウム等から
成る硬質な下地層の他、磁性薄膜の付着強度を増
大させる各種の中間層などを設けてもよい。また
磁性薄膜上に炭素、ポリ珪酸等の保護膜を設けて
もよい。さらに、この保護膜上に潤滑剤を塗布し
ても良い。 [作用] Pt含有量が2〜12原子%のCo−Pt系合金磁性
薄膜において、Nを0.5〜5原子%含有させるこ
とにより、適度なHcを有する薄膜が得られる。
この薄膜は、また、角形比が高いと共に、Ptを
含むもので耐食性にも優れる。 更に、Nを0.5原子%以上含む本発明の磁気記
録媒体に係る薄膜は、Hcの膜厚依存性も小さく
なる。 [実施例] 以下、本発明を具体的実施例によつて詳細に説
明する。なお以下に述べる実施例はr.f.マグネト
ロンスパツタ装置によつたが、イオン工学的に同
様のことが言えるイオンビームスパツタリング等
によつて本発明の効果を得ることが可能であるこ
とは勿論である。 実施例 1 マグネシウムを4%含むアルミニウム合金基板
(大きさ:直径130mm、内径40mm、厚さ1.9mm)、の
表面に厚さ10μmの酸化アルミニウム質の下地層
を形成し、かつその表面を研磨し平坦にした。 次に、r.f.平板マグネトロンスパツタ装置を用
い、下記条件にて下地層上にNを含むCo−Pt薄
膜を形成した。 初期排気 1〜2×10-6Torr 全雰囲気圧(Ar+N2) 15〜30mTorr 雰囲気中N2ガス濃度(全圧に対するN2分圧の
%) 35〜75% 投入電力 1kw ターゲツト組成(日標とする薄膜の組成に一致さ
せる。例えば、Co/Pt=98/2(原子%比)の薄
膜を形成する場合には、Co98原子%、Pt2原子%
のターゲツトを用いる。) Co−Pt 極間隔 108mm 膜圧(スパツタ時) 500Å 薄膜形成速度 100〜300Å/min 基板温度 200℃ この膜形成処理後、真空中にて320〜400℃×1
〜11hrの熱処理を行ない、膜を結晶化させると共
に、窒素を放出させた。その後、カーボン保護膜
を500Å厚さとなるようにスパツタリングして形
成し、磁気記録媒体とした。 この磁気記録媒体の磁気特性を第2図〜第3図
に示す。 比較例 1 スパツタリング時の雰囲気のN2ガス濃度及び
熱処理条件等を第1表のものとし、N含有率8原
子%の薄膜を形成した。その他の条件は実施例1
と同様である。その特性の測定結果を第2図〜第
3図に示す。 比較例 2 スパツタリング時の雰囲気をAr100%としたこ
と以外は実施例1と同様にし、N含有率0の薄膜
を作成した。その特性の測定結果を第2図〜第4
図に示す。 第2図より、Nを0.5〜5原子%含ませると、
Pt2〜12原子%の範囲でHcが500〜1000〔Oe〕の
範囲となり、適度な値となることが認められる。 またN含有率が0であるものは、Pt含有率の
変化に対するHcの変化が極めて大であることが
明らかである。またN含有率が8原子%の場合に
はHcが1000〔Oe〕を超えることも認められる。 第3図より、N含有率が約2原子%前後で角形
比Sが最も高くなり、N含有率0.5〜5原子%の
範囲では角形比が0.7以上で充分実用できること
が認められる。なおN含有率が8原子%ではPt
が0〜10原子%の範囲で角形比Sが0.7を下回り、
実用上の要求下限値を下回ることが認められる。 実施例 2 実施例1の、ターゲツト材をCo95原子%、Pt5
原子%とした場合において、スパツタリング時間
を変えて膜厚の異なる薄膜を形成した。 そのときの条件及び測定結果を第2表及び第4
図に示す。 第4図より、N含有率の増大に伴つて膜厚変動
に対するHcの変動率が小さくなり、Hcの膜厚依
存性が小さくなることが明らかである。 実施例 3 ターゲツトをCo−Ni−Pt系とし、第3表に示
すスパツタリング条件及び熱処理条件としたこと
以外は実施例1と同様にして磁性薄膜を形成し
た。なお、ターゲツトのCo:Ni:Ptの含有比は、
磁性薄膜の目標とするCo:Ni:Ptの含有比に一
致する。 その特性の測定結果を第5図に示す。 比較例 3 スパツタリング時の雰囲気をAr100%としたこ
と以外は実施例3と同様にし、N含有量0の薄膜
を形成した。その特性の測定結果を第5図に示
す。 第5図より、Co−Ni−Pt系の薄膜においても、
N含有率を0.5〜5原子%とすることにより、500
〜1000〔Oe〕のHcを有する磁性薄膜が形成され
ることが認められる。 実施例 4 実施例1の手順に従い、次の条件で、直径130
mmのデイスク形の磁気記録媒体を作製した。 ターゲツト Co−Pt(Pt5原子%) スパツタ雰囲気中 N2ガス濃度50% 熱処理条件 340℃×3hr (上記以外の条件は実施例1と同じ) このようにして得られた磁気記録媒体の磁性薄
膜は、Pt5原子%、N2原子%含み、次の磁気特性
を有することが認められた。 Bs:12Kガウス Hc:750Oe S:0.82 また、この磁気記録媒体の電磁変換特性を次の
ようにして測定した。 使用ヘツド:Mn−Znフエライトミニウインチエ
スタ(トラツク幅16μm、ギヤツプ長1.1μm、
ギヤツプ深さ20μm、巻数14T×2) フライイングハイト:0.34μm 1F:1.25MHz 2F:2.5MHz デイスク回転数:3600rpm 測定箇所:デイスクの中心からR=30mmの部分で
測定 この再生出力特性は次の通りであつた。 再生出力E2F=2.5MHz:0.4mV 分解能(R=30mm):85% オーバーライト:−35dB 以上のことから、この磁気記録媒体は高密度記
録媒体としての特性を備えていることが判明し
た。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
[効果]
以上詳述した通り、本発明によれば500〜1000
〔Oe〕程度の適度な大きさのHcを有し、かつ、
Pt含有率や磁性膜厚等の変動などがあつても特
性のばらつきの小さい、そして角形比Sの高い高
密度記録媒体としての特性を具備した実用性の高
い記録媒体が提供される。
〔Oe〕程度の適度な大きさのHcを有し、かつ、
Pt含有率や磁性膜厚等の変動などがあつても特
性のばらつきの小さい、そして角形比Sの高い高
密度記録媒体としての特性を具備した実用性の高
い記録媒体が提供される。
第1図はPt含有率とHcとの関係を示す概略的
なグラフ、第2図ないし第5図の各図は実施例に
おける測定結果を示すグラフである。
なグラフ、第2図ないし第5図の各図は実施例に
おける測定結果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 基板上に形成された合金磁性薄膜を有する磁
気記録媒体において、該合金は白金を2〜12原子
%、窒素を0.5〜5原子%含むコバルト基合金で
あることを特徴とする磁気記録媒体。 2 該合金磁性薄膜は、基板上にスパツタリング
されかつ熱処理されて形成されたものであること
を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の磁気
記録媒体。 3 前記合金磁性薄膜は、白金を2〜12原子%、
窒素を0.5〜5原子%、残部コバルトであること
を特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項に
記載の磁気記録媒体。 4 前記合金磁性薄膜は、白金を2〜12原子%、
窒素を0.5〜5原子%を含み、残部がコバルトと
ニツケル及び/又は鉄とから成り、ニツケル及
び/又は鉄の含有量は、コバルトの25原子%以下
を置換した量であることを特徴とする特許請求の
範囲第1項又は第2項に記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26362284A JPS61142523A (ja) | 1984-12-13 | 1984-12-13 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26362284A JPS61142523A (ja) | 1984-12-13 | 1984-12-13 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61142523A JPS61142523A (ja) | 1986-06-30 |
JPS6313256B2 true JPS6313256B2 (ja) | 1988-03-24 |
Family
ID=17392085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26362284A Granted JPS61142523A (ja) | 1984-12-13 | 1984-12-13 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61142523A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61250827A (ja) * | 1985-04-29 | 1986-11-07 | Sony Corp | 磁気記録媒体 |
JP2796092B2 (ja) * | 1987-11-19 | 1998-09-10 | コーマグ,インコーポレイテッド | 記録媒体膜製造方法 |
USRE38544E1 (en) * | 1994-01-28 | 2004-07-06 | Komag, Inc. | Thin film magnetic alloy having low noise, high coercivity and high squareness |
JPH0850715A (ja) * | 1994-01-28 | 1996-02-20 | Komag Inc | 低ノイズ,高い保磁力および優れた方形度を有する磁気記録媒体および磁気記録媒体形成方法 |
-
1984
- 1984-12-13 JP JP26362284A patent/JPS61142523A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61142523A (ja) | 1986-06-30 |
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