JPS628111Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリードスイツチと環状永久磁石及び環
状感温磁性体とからなる温度スイツチに関し、特
に容器（例えば自動車の車体）に接地されている
もので、容器自体の温度や容器内の絶縁性流体
（例えばトルクコンバータのオイル）の温度の検
出に適する温度スイツチに係る。

第１図はリードスイツチと環状永久磁石及び環
状感温磁性体とからなる温度スイツチの従来例と
して所定の温度でリードスイツチを開離できる所
謂常閉型温度スイツチを示す。

図において磁極の向きを軸方向かつ同一方向に
した環状永久磁石１，２の間に動作温度に対応す
るキユリー点をもつ環状感温磁性体３を介在させ
て筒状体を構成しこの筒状体内にリードスイツチ
を挿着して成る。

この温度スイツチ本体を液温検知に用いる場
合、従来は第２図に示すように、真鍮等の有底筒
状ケース５に収納し、内部に熱伝導性の良い樹脂
６を充填し、絶縁性蓋体７を貫通して外部接続端
子８に設続されているリードスイツチ４の一方の
リード４ａとケース５とを電気的に絶縁するとと
もに温度スイツチ本体を固定し、さらに蓋体７の
上部に接着剤９を盛り上げてケース５内に液体が
浸入することを防ぐ構造とし、外部接続端子８は
負荷を介して電源に接続し、リードスイツチ４の
他方のリード４ｂはケース５に底部に半田付、ろ
う付等により接続して接地されていた。ねじ切り
５１は被検出部へ取付けるためのものである。

このような密封型温度スイツチは被検出液体が
導電性（例えば水）または絶縁性（例えばトルコ
ン用油）の如何にかかわらず液温検知用ととして
使われていたが、ケース５が真鍮である場合ダイ
カスト化が難かしく複雑な形状であるので多くの
加工工数を要し高価であり、また高価な樹脂を多
量に必要とするうえに、ケースを経て内部の温度
スイツチ本体に伝熱されるため応答性が悪く、ね
じ部上部が外気に曝されるためにさらに応答が遅
れを生じるという問題があり雰囲気温度の検出に
適した温度スイツチとは言えない。

本考案の目的は、被温度検出体が接地されてい
る場合や、容器が接地されしかも被温度検出液体
が電気的に絶縁性である場合や水をかぶる心配の
ない場所での雰囲気温度の検出などに適する簡単
な構造で、高い信頼性をもつ温度スイツチを提供
することにある。

本考案はリードスイツチの外周に永久磁石及び
感温磁性体を固着して成る温度スイツチ本体と、
この温度スイツチ本体を挿入固定する円筒部と設
置用の取付しろ部を有する吸熱体とからなる温度
スイツチにおいて、受熱板即ち吸熱板の円筒部の
一端にその軸心に向つて延びる舌片が一体的に設
けられており、リードスイツチの一方のリードに
は被覆絶縁した引出し線が接続されて、さらにこ
の接続部を被いながら固定管がリードスイツチの
端部にはめられ、リードスイツチの他方のリード
には中間に屈曲部が形成され、さらに端部が直角
に折曲げられており、吸熱板の円筒部に温度スイ
ツチ本体及び固定管が挿置固定されるとともに舌
片とリードの直角折曲部とが接続されていること
を特徴とする温度スイツチに関する。

以下本考案の一実施例を図面について説明す
る。

第３図は本考案の一実施例の正面透視図であ
り、第４図はその分解斜視図である。

受熱板１０は真鍮の厚さ0.4乃至0.6mm程度のＴ
字形の板材で水平部分がスリツト１０２をもつ円
筒部１０１に成形され、直立部分は取付しろ部１
０３であり中央に取付穴１０４が設けられてい
る。円筒部１０１の一方の端縁上部には円筒部１
０１のほぼ軸線に達する長さの舌片１０５が一体
的に垂設されている。

温度スイツチ本体のリードスイツチ４のリード
４ａには例えばテフロン被覆をした引出し線１１
の一端が半田付により接続され、この引出し線１
１に絶縁性の円筒状の固定管１２を貫通させ第４
図に鎖線で示すようにその開口端が磁石２の端面
に当接され半田接続部とリードスイツチ４の端部
とが蔽われている。リードスイツチ４の他方のリ
ード４ｂは中間でＶ字状に、且つその端部は直角
にほぼ同じ側に折曲げられ屈曲部１３と直角折曲
部１４とが形成されている。

温度スイツチは、引出し線１１、固定管１２付
の温度スイツチ本体を先ず作り、これを第４図に
矢印で示すように受熱板１０の円筒部１０１にリ
ード４ｂの直角折曲部をスリツト１０２の方向に
向けながら挿入し、直角折曲部１４が舌片１０５
の外面に当接するように回転して半田付により接
合した後、円筒部１０１のスリツト１０２から円
筒部１０１内部に接着剤を注入して温度スイツチ
本体と固定管を円筒部１０１に固定して組立てら
れる。

前述したような真鍮製受熱板及びテフロン被覆
引出し線を用いた温度スイツチはトルコン油中で
の受熱板の酸化や腐触及び絶縁被覆の劣化の発生
がなく小さな負荷（例えば5V−5mA）用に最適
である。単に水を被つたり、ふりかかる心配のな
い場所での雰囲気温度の検出の場合は安価なアル
ミ製受熱板及び塩ビ被覆引出し線を用いリード４
ｂを舌片１０５にかしめて接合すればよい。

リード４ｂの屈曲部は組み立て作業時リード４
ｂの端部に加えられた外力を吸収し、組み立て後
受熱板１０と温度スイツチ本体との熱膨張の差に
よる応力を吸収してガラス封着部を保護するため
に設けられたものであり、直角折曲部１４は舌片
１０５との接合のために形成され、その折り曲げ
長さは円筒部１０１の半径より短くされている。
また舌片１０５は円筒部１０１の中心まで届かな
い長さとする。

本考案による温度スイツチは前述したような構
成であるから温度スイツチ本体が被検出液体、雰
囲気に直接に触れしかも受熱板による集熱がある
ため応答性が良好であり、受熱板の加工も切削加
工がなく板材の切断と折り曲げですみ、量産性も
よく安価である。また取り付けにおいても従来の
ねじ込みに比べ取り付け穴をねじ止めすれば良く
簡単である。

以上に述べたように本考案によれば安価で、応
答性が良く、信頼性の高い温度スイツチを得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知の常閉型温度スイツチの正面断面
図、第２図は従来の液温検知用温度スイツチの一
例の断面図、第３図は本考案による温度スイツチ
の正面透視図、第４図は同じく分解組立て斜視図
である。 １，２：永久磁石、３：感温磁性体、４：リー
ドスイツチ、４ａ，４ｂ：リード、５：ケース、
６：埋込樹脂、７：蓋体、８：外部接続端子、
９：接着剤、１０：受熱板、１０１：円筒部、１
０２：スリツト、１０３：取付しろ部、１０５：
舌片、１１：被覆絶縁リード線、１２：固定管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 永久磁石と感温磁性体とをリードスイツチの外
   周に固着して構成される温度スイツチ本体と、こ
   の温度スイツチ本体を挿入固定する取付しろ部を
   有する円筒状の受熱板とからなる温度スイツチに
   おいて、上記受熱板を構成する円筒部の一端には
   該円筒部の軸心に向つて延びる舌片が一体的に設
   けられており、上記リードスイツチの一方のリー
   ドに被覆絶縁した引出し線が接続されて、その接
   続部を被覆して固定管がリードスイツチの端部に
   はめられ、他方のリードには中間に屈曲部が形成
   され、上記受熱板の円筒部に上記温度スイツチ本
   体と固定管とが挿入固定されるとともに上記円筒
   部の舌片と上記他方のリードの端部とが接続され
   てなる温度スイツチ。