【発明の詳細な説明】[Detailed description of the invention]
本発明はスケール防止剤に関するものである。
更に詳しくは、水冷式の工業的熱交換器等の冷却
水系、あるいはボイラーや蒸発脱塩装置等の加熱
蒸発系の伝熱面や配管内に金属塩の沈着によつて
発生するスケールの防止剤に関するものである。
水冷式の工業的熱交換器等の冷却水系に供給さ
れる水、ボイラーや蒸発脱塩装置で使用される工
業用水、海水、天然塩水等あるいは製鉄所等で生
ずる集塵水等は、カルシウム、マグネシウム、亜
鉛、鉄等の比較的難溶性の金属塩を形成しやすい
イオンを溶解して含有している。
冷却水系においては、近年、用水の節減及び有
効利用の面から、冷却塔を通過する際に循環水の
一部を蒸発させ一部を補給しているが、長期に亘
り繰り返し循環使用されるため、この際補給水中
に溶存している上記の如き比較的難溶性の金属塩
を形成しやすいイオンが循環水中で濃縮され、熱
交換器の伝熱面等に金属塩となつて析出付着して
スケールとなる。また、ボイラーや蒸発脱塩装置
等においては、水の蒸発に伴なう塩の濃縮や加熱
の結果、上記の如き比較的難溶性の金属塩や加熱
による反応生成物が伝熱面等に析出付着してスケ
ールとなる。更に、製鉄所等で生ずる集塵水は、
懸濁物質等を沈殿除去後再び集塵水として再利用
されるのであるが、上記の如き比較的難溶性の金
属塩を完全に除去することが困難なため、集塵
機、送水ポンプ、配管等にスケールとして析出付
着する。
このようなスケールの付着は、伝熱面での熱移
動の阻害、冷却水系の圧損失の増大、それらに伴
う冷却効率の低下、防蝕剤の効果の減退、局部的
な腐蝕等を引き起こし、更には水循環系の閉塞や
腐蝕による欠漏事故等により予定外の操業休止を
しなければならない程の重大な障害を引き起こす
に至る。
従来、このようなスケールの析出付着を防止す
る目的で種々のスケール防止剤が使用されてい
る。このようなスケール防止剤としてはリグニン
スルホン酸ソーダ等のリグニン系誘導体:ポリ
(メタ)アクリル酸ソーダ:あるいは無機ポリリ
ン酸塩、ホスホン酸塩、有機リン酸エステル等の
リン系化合物等が用いられている。
しかし、リグニン系誘導体は天然物であるため
一定の品質のものが得難く、またポリ(メタ)ア
クリル酸ソーダはその効果が充分満足されるもの
ではない。一方、リン系化合物はスケール防止剤
としてだけでなく防蝕剤としての作用も有し、単
独で使用されたり亜鉛塩やニツケル塩等の多価金
属塩と併用されている。しかし、リン系化合物は
循環水中で容易に加水分解し、防蝕効果が低下す
るとともに、循環水中に溶解しているカルシウム
イオンやマグネシウムイオン等と反応して難溶性
の塩を生成し、析出付着してスケール化する。ま
たリン系化合物が亜鉛塩やニツケル塩等の多価金
属塩と併用されている場合、PHが高いアルカリ性
の循環水中では多価金属イオンが水酸化物、リン
酸塩、ホスホン酸塩等として析出沈澱することに
より多価金属イオン濃度が低下して充分な防蝕効
果を発揮し得なくなるばかりではなく、スケール
付着の弊害も生ずる。
本発明者等は、上記の如き従来のスケール防止
剤の有する種々の問題を解決するために鋭意検討
した結果、本発明に到達したものである。
従つて本発明の目的は、スケール防止効果に優
れ、公知の種々の防蝕剤等の水処理剤との併用に
おいてもその優れた性能を充分発揮しうるスケー
ル防止剤を提供するものである。
即ち本発明は、(メタ)アクリル酸及び/また
はその塩()とスルホエチル(メタ)アクリレ
ート及び/またはその塩()とを主成分として
導びかれ、且つ該単量体()と該単量体()
とのモル比が85:15〜15:85の範囲で構成される
共重合体(A)からなるスケール防止剤に関するもの
である。
本発明で用いられる(メタ)アクリル酸及び/
またはその塩()とは、アクリル酸、メタアク
リル酸並びにこれらの酸の金属塩、アンモニウム
塩及び有機アミン塩を挙げることができる。そし
て、これらの1種又は2種以上を用いることがで
きる。
また、スルホエチル(メタ)アクリレート及
び/またはその塩()とは、アクリル酸、メタ
アクリル酸のスルホエチルエステル並びにこれら
の酸の金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩
を挙げることができる。そして、これらの1種又
は2種以上を用いることができる。
更に、上記共重合体(A)を製造する際に、その性
能を著しく低下させない範囲内において第3成分
を共重合しても何らさしつかえない。そして、そ
の割合は全体の40モル%以下であることが好まし
い。即ち、第3成分としては具体的には(メタ)
アクリル酸とアルコールからえられるエステル、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリルアミド、酢酸ビニル等を挙げること
ができる。
共重合体(A)は、単量体()及び()を主成
分として導かれ、且つ該単量体()と該単量体
()とが85:15〜15:85となるモル比より構成
され、この比率の範囲をはずれると優れた性能の
スケール防止剤がえられない。
共重合体(A)を製造するには、重合開始剤を用い
て前記単量体成分を共重合させればよい。共重合
は溶媒中での重合や塊状重合等種々の方法により
行なうことができるが、溶媒中で重合することが
反応の制御の容易さの点からより好ましい。
溶媒中での重合は、回分式でも連続式でも行な
うことができる。その際、使用される溶媒として
は各種の溶媒が選択できうるが、前記単量体
()及び()の溶媒への溶解性を考慮する
と、水や低級アルコールが取扱い易く好ましい。
そして、水を溶媒とした場合がその溶解性や取扱
い易さ等の点から特に好ましい。
水媒体中で重合を行なう時は、重合開始剤とし
てアンモニウム又はアルカリ金属の過硫酸塩ある
いは過酸化水素等の水溶性の重合開始剤が使用さ
れる。この際、亜硫酸水素ナトリウム等の促進剤
を併用することもできる。又、低級アルコールや
その他の溶媒を用いる場合には、ベンゾイルパー
オキシドやラウロイルパーオキシド等のパーオキ
シド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロ
パーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等の
脂肪族アゾ化合物等が重合開始剤として用いられ
る。この際、アミン化合物等の促進剤を併用する
こともできる。更に、水一低級アルコール混合溶
媒を用いる場合には、上記の種々の重合開始剤あ
るいは重合開始剤と促進剤の組合せの中から適宜
選択して用いることができる。重合温度は、用い
られる溶媒や重合開始剤により適宜定められる
が、通常0〜120℃の範囲内で行なわれる。
このようにしてえられた共重合体(A)は、そのま
までも本発明のスケール防止剤として用いられる
が、必要に応じて更にアルカリ性物質で中和して
もよい。このようなアルカリ性物質としては、一
価金属又は二価金属の水酸化物、塩化物又は炭酸
塩;アンモニア;有機アミン等が好ましいものと
して挙げられる。
本発明のスケール防止剤は単独で用いても充分
効果があるが、必要により他のスケール防止剤た
とえばリグニンスルホン酸ソーダ等のリグニン系
誘導体、無機ポリリン酸塩等のリン系化合物、
EDTA等のキレート剤等と併用することもでき
る。更に、防蝕剤やスライム防除剤等の通常の水
処理剤との併用も可能である。
本発明のスケール防止剤は、従来のスケール防
止剤と同様の方法で用いることができる。たとえ
ば循環水に直接連続的あるいは間歇的に加えて使
用することができる。またその添加量は、用途・
目的などにより一概に決められるものではない
が、一般には循環水に対して1〜100ppmで充分
効果がある。
後述の実施例において具体的に例示するが(メ
タ)アクリル酸及び/またはその塩()やスル
ホエチル(メタ)アクリレート及び/またはその
塩()の、()成分または()成分それぞ
れの単独重合体では、ある特定のスケールの抑制
及び防止に効果は認められるものの、多種類の金
属塩を溶解している水系でのスケール防止剤とし
ては満足できる効果を示さないか、全くその効果
を示さない。しかしながら、本発明のスケール防
止剤を構成する共重合体(A)は、単量体()及び
()を主成分としてある特定の範囲内で共重合
して得られたものであるがそのスケール防止効果
はそれぞれ単独重合体から、は想像出来ない程優
れたものであることは驚くべきことである。
本発明のスケール防止剤を使用すれば、上述し
た如くカルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄等の
比較的難溶性の金属塩を含有している場合やPH値
が高い場合でもスケールの発生が防止され、また
防蝕剤やスライム防除剤等の水処理剤と併用され
た場合にも優れたスケール防止作用を維持する。
以下、参考例及び実施例により本発明を説明す
るが、本発明はこれらの例によつて限定されるも
のではない。また、例中特にことわりのない限り
部は全て重量部を、%は全て重量%を表わすもの
とする。
尚、参考例中の粘度はすべて精機工業研究所製
ビスメトロン粘度計を用い、25℃、60rpmの条件
で測定した。また分子量は高速液体クロマトグラ
フイー(ウオーターズ社製、242型)を使用して
測定した。
参考例 1
温度計、撹拌機、滴下ロート、ガス導入管及び
還流冷却器を備えたガラス製反応容器に水323.2
部を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、
95℃に加熱した。その後、37%アクリル酸ナトリ
ウム水溶液194.6部、スルホエチルメタアクリレ
ートのナトリウム塩88部及び水117.4部からなる
モノマー混合溶液と、5%過硫酸アンモニウム水
溶液64部とをそれぞれ120分で添加し、添加終了
後、更に12.8部の5%過硫酸アンモニウム水溶液
を20分で添加した。モノマーの添加完結後、120
分間95℃に温度を保持して重合反応を完了し、共
重合体(1)の水溶液を得た。この共重合体(1)の40%
水溶液のPHは7.0、粘度は282cpsであつた。ま
た、分子量は3000であつた。
参考例 2
参考例1と同じ反応容器に水339.2部を仕込
み、撹拌下に反応容器内に窒素置換し、沸点まで
加熱した。その後、40%メタアクリル酸ナトリウ
ム水溶液60部及び40%スルホエチルメタアクリレ
ートのナトリウム塩水溶液340部からなるモノマ
ー混合溶液と5%過硫酸アンモニウム水溶液50.7
部とをそれぞれ120分で添加し、添加終了後、更
に10.1部の5%過硫酸アンモニウム水溶液を20分
で添加した。モノマーの添加完結後、120分間沸
点に温度を保持して重合反応を完了し、共重合体
(2)の水溶液を得た。この共重合体(2)の40%水溶液
のPHは7.1、粘度は477cpsであつた。また、分子
量は5300であつた。
参考例 3
参考例1と同じ反応容器にイソプロピルアルコ
ール(以下、IPAと略す。)と水との共沸組成物
(IPA/水=87.4/12.6(重量比))395.2部を仕込
み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、沸点まで
加熱した。その後、アクリル酸72部、メタアクリ
ル酸32部、スルホエチルメタアクリレート56部、
ベンゾイルパーオキシド4.8部及びIPA−水共沸
組成物240部の混合物を120分で添加した。添加終
了後、120分間沸点に温度を保持して重合反応を
完了させた。その後、40%カセイソーダ水溶液
161.0部にて中和を行い、水を加えIPAを留去し
て共重合体(3)の水溶液を得た。この共重合体(3)の
40%水溶液のPHは7.5、粘度は420cpsであつた。
また、分子量は4800であつた。
参考例 4
参考例1と同じ反応容器に水186.7部を仕込
み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、95℃に加
熱した。その後、37%アクリル酸ナトリウム水溶
液151.4部、スルホエチルメタアクリレートのナ
トリウム塩88.0部、アクリルアミド16.0部及び水
242.7部からなるモノマー混合溶液と5%過硫酸
アンモニウム水溶液96.0部とをそれぞれ120分で
添加し、添加終了後、更に19.2部の5%過硫酸ア
ンモニウム水溶液を20分で添加した。モノマーの
添加完結後、120分間95℃に温度を保持して重合
反応を完了し、共重合体(4)の水溶液を得た。この
共重合体(4)の40%水溶液のPHは7.5、粘度は
524cpsであつた。また、分子量は6000であつ
た。
参考例 5
参考例1と同じ反応容器に水284.8部を仕込
み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、95℃に加
熱した。その後、スルホエチルメタアクリレート
のナトリウム塩160部及び水240部からなるモノマ
ー水溶液と5%過硫酸アンモニウム水溶液96部と
をそれぞれ120分で添加し、添加終了後、更に
19.2部の5%過硫酸アンモニウム水溶液を20分で
添加した。モノマーの添加完結後、120分間95℃
に温度を保持して重合反応を完了し、重合体(5)の
水溶液を得た。この重合体(5)の40%水溶液のPHは
8.5、粘度は415cpsであつた。また、分子量は
4200であつた。
実施例 1
ビーカーに脱イオン水750ml、塩化カルシウム
の0.58%水溶液50ml、スケール防止剤として参考
例1で得た共重合体(1)を200ppm含有する水溶液
50ml、及び炭酸水素ナトリウムの0.44%水溶液50
mlを撹拌下に混合し、次に0.01Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液でPH8.5に調整した後、脱イオン水を
加えて全量を1000gとし、炭酸カルシウムの25℃
における5倍過飽和水溶液を調製した。この5倍
過飽和水溶液を4等分してそれぞれガラスビンに
入れ、密栓して60℃に静置した。これを5時間
後、10時間後、20時間後及び40時間後にそれぞれ
とりだし、25℃に冷却した後、試験液を東洋ロ紙
製定量用ロ紙No.5Cでロ過し、原子吸光分析
(422.7nm)により試験液中に残存するカルシウ
ムイオン濃度を測定し、析出した炭酸カルシウム
量を算出した。結果を第1表に示した。
実施例 2〜4
実施例1において、スケール防止剤として参考
例2〜4で得た共重合体(2)〜(4)をそれぞれ用いる
他は実施例1と同様にしてスケール防止能を試験
した。結果を第1表に示した。
比較例 1
実施例1において、スケール防止剤として市販
のポリアクリル酸ソーダ(分子量5000)を用いる
他は実施例1と同様にして、析出した炭酸カルシ
ウム量を調べた。結果を第1表に示した。
比較例 2
実施例1において、スケール防止剤として参考
例5で得た重合体(5)を用い、他は実施例1と同様
にして、析出した炭酸カルシウム量を調べた。結
果を第1表に示した。
比較例 3
実施例1において、スケール防止剤を用いない
場合について析出した炭酸カルシウム量を調べ
た。結果を第1表に示した。
The present invention relates to scale inhibitors.
More specifically, it is an inhibitor of scale that occurs due to the deposition of metal salts on the heat transfer surfaces and pipes of cooling water systems such as water-cooled industrial heat exchangers, or heating evaporation systems such as boilers and evaporative desalination equipment. It is related to. Water supplied to cooling water systems such as water-cooled industrial heat exchangers, industrial water used in boilers and evaporative desalination equipment, seawater, natural salt water, etc., and dust collection water generated at steel plants, etc., contain calcium, Contains dissolved ions that tend to form relatively insoluble metal salts, such as magnesium, zinc, and iron. In the cooling water system, in recent years, in order to save and use water effectively, some of the circulating water has been evaporated and replenished as it passes through the cooling tower, but this is because the circulating water is used repeatedly over a long period of time. At this time, the ions dissolved in the make-up water that tend to form the relatively poorly soluble metal salts mentioned above are concentrated in the circulating water and deposited as metal salts on the heat transfer surface of the heat exchanger. It becomes a scale. In addition, in boilers, evaporative desalination equipment, etc., as a result of salt concentration and heating associated with water evaporation, relatively insoluble metal salts such as those mentioned above and reaction products due to heating are deposited on heat transfer surfaces, etc. It adheres and becomes scale. Furthermore, collected dust water generated at steel works, etc.
After removing suspended solids, the water is reused as dust collection water, but since it is difficult to completely remove the relatively insoluble metal salts mentioned above, it is difficult to completely remove the relatively insoluble metal salts mentioned above. Precipitates and adheres as scale. Such scale adhesion inhibits heat transfer on heat transfer surfaces, increases pressure loss in the cooling water system, reduces cooling efficiency, reduces the effectiveness of corrosion inhibitors, and causes localized corrosion. This can lead to serious problems such as blockages in the water circulation system and leakage accidents due to corrosion, which require unscheduled suspension of operations. Conventionally, various scale inhibitors have been used for the purpose of preventing such scale precipitation and adhesion. As such scale inhibitors, lignin derivatives such as sodium lignin sulfonate, sodium poly(meth)acrylate, or phosphorus compounds such as inorganic polyphosphates, phosphonates, and organic phosphate esters are used. There is. However, since the lignin derivative is a natural product, it is difficult to obtain one of a constant quality, and the effects of sodium poly(meth)acrylate are not fully satisfactory. On the other hand, phosphorus compounds act not only as scale inhibitors but also as corrosion inhibitors, and are used alone or in combination with polyvalent metal salts such as zinc salts and nickel salts. However, phosphorus compounds easily hydrolyze in circulating water, reducing their anti-corrosion effect, and reacting with calcium ions, magnesium ions, etc. dissolved in circulating water to produce poorly soluble salts that precipitate and adhere. and scale it. In addition, when phosphorus compounds are used together with polyvalent metal salts such as zinc salts and nickel salts, polyvalent metal ions precipitate as hydroxides, phosphates, phosphonates, etc. in alkaline circulating water with a high pH. Precipitation not only reduces the concentration of polyvalent metal ions, making it impossible to exhibit sufficient corrosion protection, but also causes problems such as scale adhesion. The present inventors have arrived at the present invention as a result of intensive studies to solve the various problems of conventional scale inhibitors as described above. Therefore, an object of the present invention is to provide a scale inhibitor that has excellent scale prevention effects and can fully exhibit its excellent performance even when used in combination with various known corrosion inhibitors and other water treatment agents. That is, the present invention is derived from (meth)acrylic acid and/or its salt () and sulfoethyl (meth)acrylate and/or its salt () as main components, and the monomer () and the monomer body()
The present invention relates to a scale inhibitor comprising a copolymer (A) having a molar ratio of 85:15 to 15:85. (meth)acrylic acid and/or used in the present invention
Examples of salts thereof include acrylic acid, methacrylic acid, and metal salts, ammonium salts, and organic amine salts of these acids. One or more of these can be used. Furthermore, examples of sulfoethyl (meth)acrylate and/or its salts include sulfoethyl esters of acrylic acid and methacrylic acid, and metal salts, ammonium salts, and organic amine salts of these acids. One or more of these can be used. Furthermore, when producing the above-mentioned copolymer (A), there is no problem in copolymerizing a third component within a range that does not significantly reduce its performance. The proportion thereof is preferably 40 mol% or less of the total. That is, the third component is (meta)
Esters obtained from acrylic acid and alcohol,
Examples include hydroxyethyl (meth)acrylate, (meth)acrylamide, and vinyl acetate. Copolymer (A) is derived from monomers () and () as main components, and the molar ratio of monomer () and monomer () is 85:15 to 15:85. If the ratio is outside this range, a scale inhibitor with excellent performance cannot be obtained. In order to produce the copolymer (A), the monomer components may be copolymerized using a polymerization initiator. Copolymerization can be carried out by various methods such as polymerization in a solvent or bulk polymerization, but polymerization in a solvent is more preferable from the viewpoint of ease of controlling the reaction. Polymerization in a solvent can be carried out either batchwise or continuously. In this case, various solvents can be selected as the solvent to be used, but in view of the solubility of the monomers () and () in the solvent, water and lower alcohols are preferred because they are easy to handle.
It is particularly preferable to use water as a solvent in terms of solubility and ease of handling. When polymerization is carried out in an aqueous medium, a water-soluble polymerization initiator such as ammonium or alkali metal persulfate or hydrogen peroxide is used as the polymerization initiator. At this time, an accelerator such as sodium hydrogen sulfite can also be used in combination. In addition, when lower alcohols or other solvents are used, peroxides such as benzoyl peroxide and lauroyl peroxide; hydroperoxides such as cumene hydroperoxide; and aliphatic azo compounds such as azobisisobutyronitrile are polymerized. Used as an initiator. At this time, a promoter such as an amine compound can also be used in combination. Furthermore, when a water-lower alcohol mixed solvent is used, it can be appropriately selected from among the various polymerization initiators or combinations of polymerization initiators and accelerators mentioned above. The polymerization temperature is appropriately determined depending on the solvent and polymerization initiator used, but it is usually carried out within the range of 0 to 120°C. The copolymer (A) thus obtained can be used as it is as a scale inhibitor in the present invention, but it may be further neutralized with an alkaline substance if necessary. Preferred examples of such alkaline substances include hydroxides, chlorides, or carbonates of monovalent metals or divalent metals; ammonia; and organic amines. The scale inhibitor of the present invention is sufficiently effective when used alone, but if necessary, other scale inhibitors such as lignin derivatives such as sodium lignin sulfonate, phosphorus compounds such as inorganic polyphosphates, etc.
It can also be used in combination with a chelating agent such as EDTA. Furthermore, it can also be used in combination with ordinary water treatment agents such as anti-corrosion agents and slime control agents. The scale inhibitors of the present invention can be used in the same manner as conventional scale inhibitors. For example, it can be added directly to circulating water, either continuously or intermittently. Also, the amount added depends on the application and
Although it cannot be determined unconditionally depending on the purpose, etc., in general, 1 to 100 ppm of circulating water is sufficiently effective. As specifically exemplified in the Examples below, (meth)acrylic acid and/or its salt (), sulfoethyl (meth)acrylate and/or its salt (), () component or a homopolymer of each of the () components However, although it is recognized that it is effective in inhibiting and preventing certain scales, it does not show a satisfactory effect as a scale inhibitor in an aqueous system in which many kinds of metal salts are dissolved, or it does not show any effect at all. However, although the copolymer (A) constituting the scale inhibitor of the present invention is obtained by copolymerizing monomers () and () as main components within a certain range, the scale It is surprising that the preventive effects are so excellent that it would be hard to imagine that they would be obtained from a homopolymer. By using the scale inhibitor of the present invention, scale formation can be prevented even when relatively insoluble metal salts such as calcium, magnesium, zinc, iron, etc. are contained or when the PH value is high, as described above. It also maintains excellent scale prevention effect when used in combination with water treatment agents such as corrosion inhibitors and slime control agents. The present invention will be described below with reference to Reference Examples and Examples, but the present invention is not limited to these Examples. Further, in the examples, unless otherwise specified, all parts are by weight, and all percentages are by weight. All viscosities in the reference examples were measured using a Bismethron viscometer manufactured by Precision Industrial Research Institute at 25° C. and 60 rpm. Moreover, the molecular weight was measured using high performance liquid chromatography (manufactured by Waters, Model 242). Reference example 1 323.2 ml of water was placed in a glass reaction vessel equipped with a thermometer, stirrer, dropping funnel, gas inlet pipe, and reflux condenser.
The inside of the reaction vessel was replaced with nitrogen while stirring.
Heated to 95°C. Thereafter, a monomer mixed solution consisting of 194.6 parts of a 37% sodium acrylate aqueous solution, 88 parts of sodium salt of sulfoethyl methacrylate, and 117.4 parts of water, and 64 parts of a 5% ammonium persulfate aqueous solution were each added over 120 minutes. Then, 12.8 parts of a 5% aqueous ammonium persulfate solution was added over 20 minutes. After completion of monomer addition, 120
The temperature was maintained at 95° C. for minutes to complete the polymerization reaction, and an aqueous solution of copolymer (1) was obtained. 40% of this copolymer (1)
The pH of the aqueous solution was 7.0 and the viscosity was 282 cps. Moreover, the molecular weight was 3000. Reference Example 2 339.2 parts of water was charged into the same reaction vessel as in Reference Example 1, and while stirring, the inside of the reaction vessel was purged with nitrogen and heated to the boiling point. Thereafter, a monomer mixed solution consisting of 60 parts of a 40% aqueous sodium methacrylate solution and 340 parts of a 40% aqueous sodium salt solution of sulfoethyl methacrylate and 50.7 parts of a 5% aqueous ammonium persulfate solution were added.
After addition, 10.1 parts of a 5% ammonium persulfate aqueous solution was added over 20 minutes. After the monomer addition is completed, the temperature is maintained at the boiling point for 120 minutes to complete the polymerization reaction, and the copolymer is
An aqueous solution of (2) was obtained. A 40% aqueous solution of this copolymer (2) had a pH of 7.1 and a viscosity of 477 cps. Moreover, the molecular weight was 5300. Reference Example 3 In the same reaction vessel as in Reference Example 1, 395.2 parts of an azeotropic composition of isopropyl alcohol (hereinafter abbreviated as IPA) and water (IPA/water = 87.4/12.6 (weight ratio)) was charged, and the mixture was stirred. The inside of the reaction vessel was purged with nitrogen and heated to the boiling point. After that, 72 parts of acrylic acid, 32 parts of methacrylic acid, 56 parts of sulfoethyl methacrylate,
A mixture of 4.8 parts of benzoyl peroxide and 240 parts of IPA-water azeotrope was added over 120 minutes. After the addition was complete, the temperature was maintained at the boiling point for 120 minutes to complete the polymerization reaction. Then, 40% caustic soda aqueous solution
Neutralization was performed at 161.0 parts, water was added, and IPA was distilled off to obtain an aqueous solution of copolymer (3). This copolymer (3)
The 40% aqueous solution had a pH of 7.5 and a viscosity of 420 cps.
Moreover, the molecular weight was 4800. Reference Example 4 186.7 parts of water was charged into the same reaction vessel as in Reference Example 1, and the inside of the reaction vessel was purged with nitrogen while stirring, and heated to 95°C. Then, 151.4 parts of 37% sodium acrylate aqueous solution, 88.0 parts of sodium salt of sulfoethyl methacrylate, 16.0 parts of acrylamide and water were added.
A monomer mixed solution consisting of 242.7 parts and 96.0 parts of a 5% ammonium persulfate aqueous solution were each added over 120 minutes, and after the addition was completed, an additional 19.2 parts of a 5% ammonium persulfate aqueous solution was added over 20 minutes. After the addition of the monomers was completed, the temperature was maintained at 95° C. for 120 minutes to complete the polymerization reaction, and an aqueous solution of copolymer (4) was obtained. A 40% aqueous solution of this copolymer (4) has a pH of 7.5 and a viscosity of
It was 524cps. Moreover, the molecular weight was 6000. Reference Example 5 284.8 parts of water was charged into the same reaction vessel as in Reference Example 1, and the interior of the reaction vessel was replaced with nitrogen while stirring, and heated to 95°C. Thereafter, a monomer aqueous solution consisting of 160 parts of sodium salt of sulfoethyl methacrylate and 240 parts of water and 96 parts of a 5% ammonium persulfate aqueous solution were each added over 120 minutes, and after the addition was completed, further
19.2 parts of 5% ammonium persulfate aqueous solution was added over 20 minutes. After completion of monomer addition, 95°C for 120 minutes
The polymerization reaction was completed by maintaining the temperature at , and an aqueous solution of polymer (5) was obtained. The pH of a 40% aqueous solution of this polymer (5) is
8.5, and the viscosity was 415 cps. Also, the molecular weight is
It was 4200. Example 1 In a beaker, 750 ml of deionized water, 50 ml of a 0.58% aqueous solution of calcium chloride, and an aqueous solution containing 200 ppm of the copolymer (1) obtained in Reference Example 1 as a scale inhibitor.
50 ml, and 0.44% aqueous solution of sodium bicarbonate 50
ml under stirring, then adjust the pH to 8.5 with 0.01N aqueous sodium hydroxide solution, add deionized water to make a total volume of 1000g, and store calcium carbonate at 25°C.
A 5 times supersaturated aqueous solution was prepared. This 5-times supersaturated aqueous solution was divided into four equal parts, each placed in a glass bottle, sealed tightly and allowed to stand at 60°C. After 5 hours, 10 hours, 20 hours, and 40 hours, the test liquid was taken out and cooled to 25°C, and the test solution was filtered through Toyoro paper quantitative paper No. 5C, and atomic absorption spectrometry ( 422.7 nm) to measure the concentration of calcium ions remaining in the test solution, and calculate the amount of precipitated calcium carbonate. The results are shown in Table 1. Examples 2 to 4 In Example 1, scale prevention ability was tested in the same manner as in Example 1, except that copolymers (2) to (4) obtained in Reference Examples 2 to 4 were used as scale inhibitors, respectively. . The results are shown in Table 1. Comparative Example 1 The amount of precipitated calcium carbonate was investigated in the same manner as in Example 1, except that commercially available sodium polyacrylate (molecular weight 5000) was used as a scale inhibitor. The results are shown in Table 1. Comparative Example 2 In Example 1, the amount of precipitated calcium carbonate was investigated in the same manner as in Example 1 except that the polymer (5) obtained in Reference Example 5 was used as a scale inhibitor. The results are shown in Table 1. Comparative Example 3 In Example 1, the amount of precipitated calcium carbonate was investigated in the case where no scale inhibitor was used. The results are shown in Table 1.
【表】【table】
【表】
第1表に示した結果から明らかな通り、本発明
のスケール防止剤は優れたスケール防止効果を有
している。
実施例 5
1のビーカーに海水700mlを入れ、これに参
考例1で得た共重合体(1)を5.0ppmになるように
添加し、この海水中に熱源としてパイプヒーター
(100V、500W)を浸漬して撹拌下に蒸発濃縮を
行なつた。蒸発濃縮とともに、共重合体(1)が
5.0ppmとなるように添加した海水を順次補充し
た。そして濃縮倍率が4倍になつた時点でのパイ
プヒーターに付着したスケール量を求めた。結果
を第2表に示した。
実施例 6〜8
実施例5において、共重合体(1)のかわりに参考
例2〜4で得た共重合体(2)〜(4)をそれぞれ用いる
他は実施例5と同様にして試験した。結果を第2
表に示した。
比較例 4
実施例5において、共重合体(1)のかわりに市販
のポリアクリル酸ソーダ(分子量5000)を用いる
他は実施例5と同様にして試験した。結果を第2
表に示した。
比較例 5
実施例5において、共重合体(1)のかわりに参考
例5で得た重合体(5)を用いる他は実施例5と同様
にして試験した。結果を第2表に示した。
比較例 6
実施例5において、共重合体(1)を用いない場合
について試験した。結果を第2表に示した。[Table] As is clear from the results shown in Table 1, the scale inhibitor of the present invention has an excellent scale inhibiting effect. Example 5 Put 700ml of seawater into the beaker of 1, add the copolymer (1) obtained in Reference Example 1 to 5.0ppm, and add a pipe heater (100V, 500W) as a heat source to this seawater. The mixture was immersed and evaporated while stirring. Along with evaporation and concentration, copolymer (1)
Seawater added to the solution was sequentially replenished to a concentration of 5.0 ppm. Then, the amount of scale attached to the pipe heater at the time when the concentration ratio increased to 4 times was determined. The results are shown in Table 2. Examples 6 to 8 Tests were carried out in the same manner as in Example 5, except that copolymers (2) to (4) obtained in Reference Examples 2 to 4 were used instead of copolymer (1), respectively. did. Second result
Shown in the table. Comparative Example 4 A test was carried out in the same manner as in Example 5, except that commercially available sodium polyacrylate (molecular weight 5000) was used instead of copolymer (1). Second result
Shown in the table. Comparative Example 5 A test was carried out in the same manner as in Example 5, except that the polymer (5) obtained in Reference Example 5 was used instead of the copolymer (1). The results are shown in Table 2. Comparative Example 6 In Example 5, a test was conducted in which the copolymer (1) was not used. The results are shown in Table 2.
【表】
第2表に示した結果から明らかな通り、本発明
のスケール防止剤は優れたスケール防止効果を有
している。[Table] As is clear from the results shown in Table 2, the scale inhibitor of the present invention has an excellent scale inhibiting effect.