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JPS6258428B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6258428B2
JPS6258428B2 JP57063868A JP6386882A JPS6258428B2 JP S6258428 B2 JPS6258428 B2 JP S6258428B2 JP 57063868 A JP57063868 A JP 57063868A JP 6386882 A JP6386882 A JP 6386882A JP S6258428 B2 JPS6258428 B2 JP S6258428B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
throttle opening
gear ratio
lock
speed
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP57063868A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58180866A (ja
Inventor
Yoshihisa Anho
Haruyoshi Hisamura
Hiroyuki Hirano
Yoshikazu Tanaka
Shigeaki Yamamuro
Yoshiro Morimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP57063868A priority Critical patent/JPS58180866A/ja
Priority to EP83103770A priority patent/EP0093312B1/en
Priority to DE8383103770T priority patent/DE3375993D1/de
Priority to US06/486,550 priority patent/US4590561A/en
Publication of JPS58180866A publication Critical patent/JPS58180866A/ja
Publication of JPS6258428B2 publication Critical patent/JPS6258428B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、Vベルト式無段変速機の変速制御方
法に関するものである。
従来のVベルト式無段変速機の変速制御方法で
は例えば特開昭56−46153号に開示されているよ
うに、駆動プーリの回転速度とエンジンのスロツ
トル開度(又はエンジン吸気管負圧)とを検出
し、これによつて判定されるエンジンの実際の運
転状態と、あらかじめ設定してあつた変速パター
ンに基づくエンジンの理想の運転状態とを比較
し、両者の偏差が小さくなるように変速比を制御
していた。
しかしながら、上記のような従来のVベルト式
無段変速機の変速制御方法にあつては、急加速を
必要とするアクセルペダル踏込量急増大時におい
ても通常の変速パターンに基づいて変速制御され
るようにしてあつたため、追い越し時等の急加速
を必要とする場合に所望の急加速が得られないと
いう問題点があつた。
本発明は、従来のVベルト式無段変速機の変速
制御方法における上記のような問題点に着目して
なされたものであり、アクセルペダル踏込量急増
大動作を検出するようにし、検出された場合には
通常の場合よりも変速比が大きくなるように制御
することにより、上記問題点を解消することを目
的としている。
以下、本発明をその実施例を示す添付図面に基
づいて説明する。
本発明を適用する無段変速機の動力伝達機構を
第1及び2図に示す。エンジンのクランクシヤフ
ト(図示していない)と一体に回転するエンジン
出力軸2に、ポンプインペラー4、タービンラン
ナ6、ステータ8及びロツクアツプクラツチ10
から成るトルクコンバータ12が取り付けられて
いる。ロツクアツプクラツチ10はタービンラン
ナ6に連結されると共に軸方向に移動可能であつ
て、ポンプインペラー4と一体の部材4aとの間
にロツクアツプクラツチ油室14を形成してお
り、このロツクアツプクラツチ油室14の油圧が
トルクコンバータ12内の油圧よりも低くなる
と、ロツクアツプクラツチ10は部材4aに押し
付けられてこれと一緒に回転するようにしてあ
る。タービンランナ6は軸受16及び18によつ
てケース20に回転自在に支持された駆動軸22
の一端とスプライン結合されている。駆動軸22
の軸受16及び18間の部分には駆動プーリ24
が設けられている。駆動プーリ24は、駆動軸2
2に固着された固定円すい板26と、固定円すい
板26に対向配置されてV字状プーリみぞを形成
すると共に駆動プーリシリンダ室28(第3図)
に作用する油圧によつて駆動軸22の軸方向に移
動可能である可動円すい板30とから成つてい
る。なお、V字状プーリみぞの最大幅を制限する
環状部材22aが駆動軸22上に可動円すい板3
0と係合可能に固着してある(第3図)。駆動プ
ーリ24はVベルト32によつて従動プーリ34
と伝動可能に結合されているが、この従動プーリ
34は、ケース20に軸受36及び38によつて
回転自在に支持された従動軸40上に設けられて
いる。従動プーリ34は、従動軸40に固着され
た固定円すい板42と、固定円すい板42に対向
配置されてV字状プーリみぞを形成すると共に従
動プーリシリンダ室44(第3図)に作用する油
圧によつて従動軸40の軸方向に移動可能である
可動円すい板46とから成つている。駆動プーリ
24の場合と同様に、従動軸40上に固着した環
状部材40aにより可動円すい板46の動きは制
限されて最大のV字状プーリみぞ幅以上にはなら
ないようにしてある。固定円すい板42には前進
用多板クラツチ48を介して従動軸40上に回転
自在に支承された前進用駆動ギア50が連結可能
にされており、この前進用駆動ギア50はリング
ギア52とかみ合つている。従動軸40には後退
用駆動ギア54が固着されており、この後退用駆
動ギア54はアイドラギア56とかみ合つてい
る。アイドラギア56は後退用多板クラツチ58
を介してアイドラ軸60と連結可能にされてお
り、アイドラ軸60には、リングギア52とかみ
合う別のアイドラギア62が固着されている(な
お、第1図においては、図示を分かりやすくする
ためにアイドラギア62、アイドラ軸60及び後
退用駆動ギア54は正規の位置からずらしてある
ので、アイドラギア62とリングギア52とはか
み合つてないように見えるが、実際には第2図に
示すようにかみ合つている)。リングギア52に
は1対のピニオンギア64及び66が取り付けら
れ、このピニオンギア64及び66とかみ合つて
差動装置67を構成する1対のサイドギア68及
び70にそれぞれ出力軸72及び74が連結され
ており、軸受76及び78によつてそれぞれ支持
された出力軸72及び74は互いに反対方向にケ
ース20から外部へ伸長している。この出力軸7
2及び74は図示していないロードホイールに連
結されることになる。なお、軸受18の右側に
は、後述の制御装置の油圧源である内接歯車式の
オイルポンプ80が設けられているが、このオイ
ルポンプ80は中空の駆動軸22を貫通するオイ
ルポンプ駆動軸82を介してエンジン出力軸2に
よつて駆動されるようにしてある。
このようにロツクアツプ装置付きトルクコンバ
ータ、Vベルト式無段変速機構及び差動装置を組
み合わせて成る無段変速機にエンジン出力軸2か
ら入力された回転力は、トルクコンバータ12、
駆動軸22、駆動プーリ24、Vベルト32、従
動プーリ34、従動軸40へと伝達されていき、
次いで、前進用多板クラツチ48が締結され且つ
後退用多板クラツチ58が解放されている場合に
は、前進用駆動ギア50、リングギア52、差動
装置67を介して出力軸72及び74が前進方向
に回転され、逆に、後退用多板クラツチ58が締
結され且つ前進用多板クラツチ48が解放されて
いる場合には、後退用駆動ギア54、アイドラギ
ア56、アイドラ軸60、アイドラギア62、リ
ングギア52、差動装置67を介して出力軸72
及び74が後退方向に回転される。この動力伝達
の際に、駆動プーリ24の可動円すい板30及び
従動プーリ34の可動円すい板46を軸方向に移
動させてVベルト32との接触位置半径を変える
ことにより、駆動プーリ24と従動プーリ34と
の回転比を変えることができる。例えば、駆動プ
ーリ24のV字状プーリみぞの幅を拡大すると共
に従動プーリ34のV字状プーリみぞの幅を縮小
すれば、駆動プーリ24側のVベルト接触位置半
径は小さくなり、従動プーリ34側のVベルト接
触位置半径は大きくなり、結局大きな変速比が得
られることになる。可動円すい板30及び46を
逆方向に移動させれば、上記と全く逆に変速比は
小さくなる。また、動力伝達に際してトルクコン
バータ12は、運転状況に応じてトルク増大作用
を行なう場合と流体継手として作用する場合とが
あるが、これに加えてこのトルクコンバータ12
にはロツクアツプ装置としてタービンランナ6に
取り付けられたロツクアツプクラツチ10が設け
てあるのでロツクアツプクラツチ油室14の油圧
をドレーンさせてロツクアツプクラツチ10をポ
ンプインペラー4と一体の部材4aに押圧するこ
とにより、エンジン出力軸と駆動軸22とを機械
的に直結した状態とすることができる。
次に、この無段変速機の油圧制御装置について
説明する。油圧制御装置は第3図に示すように、
オイルポンプ80、ライン圧調圧弁102、マニ
アル弁104、変速制御弁106、ロツクアツプ
弁108、ロツクアツプソレノイド200、変速
モータ110、変速基準スイツチ240、変速操
作機構112等から成つている。
オイルポンプ80は、前述のようにエンジン出
力軸2によつて駆動されて、タンク114内の油
を油路116に吐出する。油路116は、ライン
圧調圧弁102のポート118d、118f及び
118gに導かれて、後述のようにライン圧とし
て所定圧力に調圧される。また、油路116は、
マニアル弁104のポート120b及び変速制御
弁106のポート122cにも連通している。
マニアル弁104は、5つのポート120a、
120b、120c、120d及び120eを有
する弁穴120と、この弁穴120に対応した2
つのランド124a及び124bを有するスプー
ル124とから成つており、運転席のシフトレバ
ー(図示していない)によつて動作されるスプー
ル124はP,R,N,D及びLレンジの5つの
停止位置(シフトポジシヨン)を有している。ポ
ート120aは、油路126によつてポート12
0dと連通すると共に油路128によつて後退用
多板クラツチ58のシリンダ室58aと連通して
いる。またポート120cは油路130によつて
ポート120eと連通すると共に前進用多板クラ
ツチ48のシリンダ室48aに連通している。ポ
ート120bは前述のように油路116のライン
圧と連通している。スプール124がPの位置で
は、ライン圧が加圧されたポート120bはラン
ド124bによつて閉鎖され、後退用多板クラツ
チ58のシリンダ室58a及び前進用多板クラツ
チ48のシリンダ室48aは油路126とポート
120d及び120eを介して共にドレーンされ
る。スプール124がR位置にあると、ポート1
20bとポート120aとがランド124a及び
124b間において連通して、後退用多板クラツ
チ58のシリンダ室58aにライン圧が供給さ
れ、他方、前進用多板クラツチ48のシリンダ室
48aはポート120eを経てドレーンされる。
スプール124がN位置にくると、ポート120
bはランド124a及び124bによつてはさま
れて他のポートに連通することができず、一方、
ポート120a、120eは共にドレーンされる
から、P位置の場合と同様に後退用多板クラツチ
58のシリンダ室58a及び前進用多板クラツチ
48のシリンダ室48aは共にドレーンされる。
スプール124のD及びL位置においては、ポー
ト120bとポート120cとがランド124a
及び124b間において連通して、前進用多板ク
ラツチ48のシリンダ室48aにライン圧が供給
され、他方、後退用多板クラツチ58のシリンダ
室58aはポート120aを経てドレーンされ
る。これによつて、結局、スプール124がP又
はN位置にあるときには、前進用多板クラツチ4
8及び後退用多板クラツチ58は共に解放されて
動力の伝達がしや断され出力軸72及び74は駆
動されず、スプール124がR位置では後退用多
板クラツチ58が締結されて出力軸72及び74
は前述のように後退方向に駆動され、またスプー
ル124がD又はL位置にあるときには前進用多
板クラツチ48が締結されて出力軸72及び74
は前進方向に駆動されることになる。なお、D位
置とL位置との間には上述のように油圧回路上は
何の相違もないが、両位置は電気的に検出されて
異なつた変速パターンに応じて変速するように後
述の変速モータ110の作動が制御される。
ライン圧調圧弁102は、8つのポート118
a,118b,118c,118d、118e、
118f、118g及び118hを有する弁穴1
18と、この弁穴118に対応して4つのランド
132a、132b、132c及び132dを有
するスプール132と、スプール132の左端に
配置されたスプリング133と、ピン135によ
つて弁穴118内に固定されたスプリングシート
134とから成つている。なお、スプール132
の右端のランド132dは他の中間部のランド1
32a,132b及び132cよりも小径にして
ある。弁穴118の入口部には負圧ダイヤフラム
143が設けられている。負圧ダイヤフラム14
3はケース136を構成する2つの部材136a
及び136b間に膜137をはさみ付けることに
より構成されている。ケース136内は膜137
によつて2つの室139a及び139bに分割さ
れている。膜137には金具137aによつてス
プリングシート137bが取り付けられており、
室139a内には膜137を図中で右方向に押す
スプリング140が設けられている。室139a
にはポート142からエンジン吸気管負圧が導入
され、一方室139bはポート138によつて大
気に開放されている。負圧ダイヤフラム143の
膜137とスプール132との間には、スプリン
グシート134を貫通するロツド141が設けら
れており、これによつてスプール132に右向き
の押付力を作用するようにしてある。この押付力
は、エンジン吸気管負圧が小さいほど大きくな
る。すなわち、エンジン吸気管負圧が小さい(大
気圧に近い)場合には、室139a及び139b
間の差圧が小さく、差圧が膜137に与える左向
きの力が小さいので、スプリング140による大
きな右向きの力がロツド141を介してスプール
132に与えられる。逆に、エンジン吸気管負圧
が大きい場合には、室139a及び139b間の
差圧が膜137に与える左向きの力が大きくな
り、スプリング140の右向きの力が減じられる
ので、スプール132に作用する力は小さくな
る。ライン圧調圧弁102のポート118d、1
18f及び118gには、前述のように油路11
6からオイルポンプ80の吐出圧が供給されてい
るが、ポート118gの入口にはオリフイス14
9が設けてある。ポート118a、118c及び
118hは常にドレーンされており、ポート11
8eは油路144によつてトルクコンバータ・イ
ンレツトポート146及びロツクアツプ弁108
のポート150c及び150dに接続され、また
ポート118bは油路148によつてロツクアツ
プ弁108のポート150b及びロツクアツプク
ラツチ油室14に連通している。なお、油路14
4には、トルクコンバータ12内に過大な圧力が
作用しないようにオリフイス145が設けてあ
る。結局このライン圧調圧弁102のスプール1
32には、スプリング133による力、ロツド1
41を介して伝えられる負圧ダイヤフラム143
により力及びポート118bの油圧がランド13
2aの左端面に作用する力という3つの右方向の
力と、ランド132c及び132d間の面積差に
作用するポート118gの油圧(ライン圧)によ
る力という左方向の力とが作用するが、スプール
132はポート118f及び118dからポート
118e及び118cへの油の洩れ量を調節して
(まずポート118fから118eへ洩れ、これ
だけで調節できない場合にポート118dからポ
ート118cへドレーンされるようにしてあ
る)、常に左右方向の力が平衡するようにライン
圧を制御する。従つてライン圧は、エンジン吸気
管負圧が低いほど高くなり、またポート118b
の油圧(この油圧はロツクアツプクラツチ油室1
4の油圧と同じ油圧である)が高いほど(この場
合、後述のようにトルクコンバータ12は非ロツ
クアツプ状態にある)高くなる。このようにライ
ン圧を調節するのは、エンジン吸気管負圧が小さ
いほどエンジン出力トルクが大きいので油圧を上
げてプーリのVベルト押圧力を増大させて摩擦に
より動力伝達トルクを大きくするためであり、ま
たロツクアツプ前の状態ではトルクコンバータ1
2のトルク増大作用があるためこれに応じて油圧
を上げて伝達トルクを大きくするためである。
変速制御弁106は、5つのポート122a、
122b、122c、122d及び122eを有
する弁穴122と、この弁穴122に対応した4
つのランド152a、152b、152c及び1
52dを有するスプール152とから成つてい
る。中央のポート122cは前述のように油路1
16と連通してライン圧が供給されており、その
左右のランド122b及び122dはそれぞれ油
路154及び156を介して駆動プーリ24の駆
動プーリシリンダ室28及び従動プーリ34の従
動プーリシリンダ室44と連通している。両端の
ポート122a及び122eは共にドレーンされ
ている。スプール152の左端は後述の変速操作
機構112のレバー160のほぼ中央部に連結さ
れている。ランド152b及び152cの軸方向
長さはポート122b及び122dの幅よりも多
少小さくしてあり、またランド152b及び15
2c間の距離はポート122b及び122d間の
距離にほぼ等しくしてある。従つて、ランド15
2b及び152c間の油室にポート122cから
供給されるライン圧はランド152bとポート1
22bのすきまを通つて油路154に流れ込む
が、その一部はランド152bとポート122b
との他方のすきまからドレーンされるので、油路
154の圧力は上記両すきまの面積の比率によつ
て決定される圧力となる。同様に油路156の圧
力もランド152cとポート122dとの両側の
すきまの面積の比率によつて決定される圧力とな
る。従つて、スプール152が中央位置にあると
きには、ランド152bとポート122bとの関
係及びランド152cとポート122dとの関係
は同じ状態となるので、油路154と油路156
とは同じ圧力になる。スプール152が左方向に
移動するに従つてポート122bのライン圧側の
すきまが大きくなりドレーン側のすきまが小さく
なるので油路154の圧力は次第に高くなつてい
き、逆にポート122dのライン圧側のすきまは
小さくなりドレーン側のすきまは大きくなつて油
路156の圧力は次第に低くなつていく。従つ
て、駆動プーリ24の駆動プーリシリンダ室28
の圧力は高くなりV字状プーリみぞの幅が小さく
なり、他方、従動プーリ34の従動プーリシリン
ダ室44の圧力は低くなつてV字状プーリみぞの
幅が大きくなるので、駆動プーリ24のVベルト
接触半径が大きくなると共に従動プーリ34のV
ベルト接触半径が小さくなるので変速比は小さく
なる。逆にスプール152を右方向に移動させる
と、上記と全く逆の作用により、変速比は大きく
なる。
変速操作機構112のレバー160は前述のよ
うにそのほぼ中央部おいて変速制御弁106のス
プール152とピン結合されているが、その一端
は駆動プーリ24の可動円すい板30の外周に設
けた環状みぞ30aに係合され、また他端はスリ
ーブ162にピン結合されている。スリーブ16
2は内ねじを有しており、変速モータ110によ
つてギア164及び166を介して回転駆動され
る軸168上のねじと係合させられている。この
ような変速操作機構112において、変速モータ
110を回転することによりギア164及び16
6を介して軸168を1方向に回転させてスリー
ブ162を例えば左方向に移動させると、レバー
160は駆動プーリ24の可動円すい板30の環
状みぞ30aとの係合部を支点として時計方向に
回転し、レバー160に連結された変速制御弁1
06のスプール152を左方向に動かす。これに
よつて、前述のように、駆動プーリ24の可動円
すい板30は右方向に移動して駆動プーリ24の
V字状プーリみぞ間隔は小さくなり、同時に従動
プーリ34のV字状プーリみぞ間隔は大きくな
り、変速比は小さくなる。レバー160の一端は
可動円すい板30の環状みぞ30aに係合されて
いるので、可動円すい板30が右方向に移動する
と今度はレバー160の他端側のスリーブ162
との係合部を支点としてレバー160は時計方向
に回転する。このためスプール152は右方向に
押しもどされて、駆動プーリ24及び従動プーリ
34を変速比が大きい状態にしようとする。この
ような動作によつてスプール152、駆動プーリ
24及び従動プーリ34は、変速モータ110の
回転位置に対応して所定の変速比の状態で安定す
る。変速モータ110を逆方向に回転した場合も
同様である(なお、スリーブ162が図中で最も
右側に移動した場合には、変速基準スイツチ24
0が作動するが、これについては後述する)。従
つて、変速モータ110を所定の変速パターンに
従つて作動させると、変速比はこれに追従して変
化することになり、変速モータ110を制御する
ことによつて無段変速機の変速を制御することが
できる。
変速モータ(以下の実施例の説明においては
「ステツプモータ」という用語を使用する)11
0は、変速制御装置300から送られてくるパル
ス数信号に対応して回転位置が決定されるが、ス
テツプモータ110及び変速制御装置300につ
いては後述する。
ロツクアツプ弁108は、4つのポート150
a、150b、150c及び150dを有する弁
穴150と、この弁穴150に対応した2つのラ
ンド170a及び170bを有するスプール17
0と、スプール170を右方向に押圧するスプリ
ング172と、ポート150dに連通する油路に
設けたロツクアツプソレノイド200とから成つ
ている。ポート150aはドレーンされており、
またポート150bは油路148によつてライン
圧調圧弁102のポート118b及びトルクコン
バータ12内のロツクアツプクラツチ油室14と
連通されている。ポート150c及び150dは
油路144に接続されているが、油路144のポ
ート150dに近接した部分にはオリフイス20
1が設けられており、ポート150dとオリフイ
ス201との間の部分には分岐油路207が設け
られている。分岐油路207はオリフイス203
を介して開口されており、その開口部はロツクア
ツプソレノイド200のオン及びオフに応じて閉
鎖及び開放されるようにしてある。オリフイス2
03の断面積はオリフイス201の断面積よりも
大きくしてある。ロツクアツプソレノイド200
がオンのときには、分岐油路207の開口が閉鎖
されるため、ポート150dにはトルクコンバー
タ・インレツトポート146に供給されている油
圧と共通の油圧が油路144から供給され、スプ
ール170はスプリング172の力に抗して左側
に押された状態とされる。この状態では、ポート
150cはランド170bによつて封鎖されてお
り、またポート150bはポート150aへとド
レーンされている。従つて、ポート150bと油
路148を介して接続されたロツクアツプクラツ
チ油室14はドレーンされ、ロツクアツプクラツ
チ10はトルクコンバータ12内の圧力によつて
締結状態とされ、トルクコンバータとしての機能
を有しないロツクアツプ状態とされている。逆に
ロツクアツプソレノイド200をオフにすると、
分岐油路207の開口が開放されるため、ポート
150dの油圧が低下して(なお、油圧が低下す
るのはオリフイス201とポート150dとの間
の油路のみであつて、油路144の他の部分の油
圧は、オリフイス201があるので低下しな
い)、スプール170を左方向に押す力がなくな
り、スプリング172による右方向の力によつて
スプール170は右方向に移動してポート150
bとポート150cとが連通する。このため、油
路148と油路144とが接続され、ロツクアツ
プクラツチ油室14にトルクコンバータ・インレ
ツトポート146の油圧と同じ油圧が供給される
ので、ロツクアツプクラツチ10の両面の油圧が
等しくなり、ロツクアツプクラツチ10は解放さ
れる。なお、ポート150cの入口及びポート1
50aのドレーン油路にはそれぞれオリフイス1
74及び178が設けてある。オリフイス178
はロツクアツプクラツチ油室14の油圧が急激に
ドレーンされないようにして、ロツクアツプ時の
シヨツクを軽減するためのものであり、油路14
4のオリフイス174は逆にロツクアツプ油室1
4に油圧が徐々に供給されるようにしてロツクア
ツプ解除時のシヨツクを軽減するためのものであ
る。
トルクコンバータ・アウトレツトポート180
は油路182に連通されているが、油路182に
ボール184とスプリング186とから成るレリ
ーフ弁188が設けてあり、これによつてトルク
コンバータ12内を一定圧力に保持する。レリー
フ弁188の下流の油は油路190によつて図示
していないオイルクーラ及び潤滑回路に導びかれ
て最終的にはドレーンされ、また余分の油は別の
レリーフ弁192からドレーンされ、ドレーンさ
れた油は最終的にはタンク114にもどされる。
次に、ステツプモータ110及びロツクアツプ
ソレノイド200の作動を制御する変速制御装置
300について説明する。
変速制御装置300には、第4図に示すよう
に、エンジン回転速度センサー301、車速セン
サー302、スロツトル開度センサー(又は吸気
管負圧センサー)303、シフトポジシヨンスイ
ツチ304、変速基準スイツチ240、エンジン
冷却水温センサー306、及びブレーキセンサー
307からの電気信号が入力される。エンジン回
転速度センサー301はエンジンのイグニツシヨ
ン点火パルスからエンジン回転速度を検出し、ま
た車速センサー302は無段変速機の出力軸の回
転から車速を検出する。スロツトル開度センサー
(又は吸気管負圧センサー)303はエンジンの
スロツトル開度を電圧信号として検出する(吸気
管負圧センサーの場合は吸気管負圧を電圧信号と
して検出する)。シフトポジシヨンスイツチ30
4は、前述のマニアルバルブ104がP,R,
N,D,Lのどの位置にあるかを検出する。変速
基準スイツチ240は、前述の変速操作機構11
2のスリーブ162が変速比の最も大きい位置に
きたときにオンとなるスイツチである。エンジン
冷却水温センサー306は、エンジン冷却水の温
度が一定値以下のときに信号を発生する。ブレー
キセンサー307は、車両のブレーキが使用され
ているかどうかを検出する。エンジン回転速度セ
ンサー301及び車速センサー302からの信号
はそれぞれ波形整形器308及び309を通して
入力インターフエース311に送られ、またアク
セルペダル踏込量を検出する手段としてのスロツ
トル開度センサー(又は吸気管負圧センサー)3
03からの電圧信号はAD変換機310によつて
デジタル信号に変換されて入力インターフエース
311に送られる。変速制御装置300は、入力
インターフエース311、CPU(中央処理装
置)313、基準パルス発生器312、ROM
(リードオンメモリ)314、RAM(ランダムア
クセスメモリ)315、及び出力インターフエー
ス316を有しており、これらはアドレスバス3
19及びデータバス320によつて連絡されてい
る。基準パルス発生器312は、CPU313を
作動させる基準パルスを発生させる。ROM31
4には、ステツプモータ110及びロツクアツプ
ソレノイド200を制御するためのプログラム、
及び制御に必要なデータを格納してある。RAM
315には、各センサー及びスイツチからの情
報、制御に必要なパラメータ等を一時的に格納す
る。変速制御装置300からの出力信号は、それ
ぞれ増幅器317及び318を介してステツプモ
ータ110及びロツクアツプソレノイド200に
出力される。
次に、この変速制御装置300によつて行なわ
れるステツプモータ110及びロツクアツプソレ
ノイド200の具体的な制御の内容について説明
する。
制御は大きく分けて、ロツクアツプソレノイド
制御ルーチン500と、ステツプモータ制御ルー
チン700とから成つている。
まず、ロツクアツプソレノイド200の制御に
ついて説明する。ロツクアツプソレノイド制御ル
ーチン500を第5図に示す。このロツクアツプ
ソレノイド制御ルーチン500は一定時間毎に行
なわれる(すなわち、短時間内に以下のルーチン
が繰り返し実行される)。まず、スロツトル開度
センサー303からスロツトル開度THの読み込
みを行ない(ステツプ501)、車速センサー3
02から車速Vの読み込みを行ない(同50
3)、次いでシフトポジシヨンスイツチ304か
らシフトポジシヨンを読み込む(同505)。次
いで、シフトポジシヨンがP,N,Rのいずれか
の位置にあるかどうかの判別を行ない(同50
7)、P,N,Rのいずれかの位置にある場合に
はロツクアツプソレノイド200を非駆動(オ
フ)状態にして(同567)、その信号をRAM3
15に格納にして(同569)、1回のルーチン
を終了しリターンする。すなわち、P,N及びR
レンジにおいては、トルクコンバータ12は常に
非ロツクアツプ状態とされる。ステツプ507に
おけるシフトポジシヨンの判別の結果がD及びL
のいずれかの場合には、前回のルーチンにおける
ロツクアツプソレノイドの作動状態データ(駆動
又は非駆動)をRAM315の該当番地から読み
出し(同509)、前回ルーチンにおいてロツク
アツプソレノイド200が駆動(オン)されてい
たかどうかを判別する(同511)。前回ルーチ
ンにおいてロツクアツプソレノイド200が非駆
動(オフ)とされていた場合には、ロツクアツプ
ソレノイド200を駆動すべき車速(ロツクアツ
プオン車速VON)に関する制御データを検索する
(同520)。このデータ検索ルーチン520の詳
細を6及び7図に示す。ロツクアツプオン車速V
ONが、第6図に示すように、各スロツトル開度に
対応してROM314に格納されている。データ
検索ルーチン520では、まず、比較基準スロツ
トル開度TH*を0(すなわち、アイドル状態)
と設定し(同521)、これに対応するROM31
4のアドレスiを標数i1に設定する(同52
2)。次に、実スロツトル開度THと比較基準ス
ロツトル開度TH*とを比較する(同523)。
実スロツトル開度THが比較基準スロツトル開度
TH*よりも小さい場合又は等しい場合には、実
スロツトル開度THに対応したロツクアツプオン
車速データVONが格納されているROM314の
アドレスが標数i1で与えられ、標数i1のアドレス
のロツクアツプオン車速データVON1の値が読み
出される(同526)。逆に、実スロツトル開度
THが比較基準スロツトル開度TH*よりも大き
い場合には、比較基準スロツトルTH*に所定の
増分△TH*を加算し(同524)、標数iも所
定の増分△iだけ加算する(同525)。その
後、再びステツプ523に戻り、実スロツトル開
度THと比較基準スロツトル開度TH*とを比較
する。この一連の処理(同523、524及び5
25)を何回か繰り返すことにより、実スロツト
ル開度THに対応したロツクアツプオン車速デー
タVONが格納されているROM314のアドレス
の標数iが得られる。こうしてアドレスiに対応
するロツクアツプオン車速データVONを読み出し
て、リターンする。
次に、上記のようにして読み出されたロツクア
ツプオン車速VONと実車速Vとを比較し(同
561)、実車速Vの方がロツクアツプオン車速デー
タVONよりも大きい場合には、ロツクアツプソレ
ノイド200を駆動し(同563)、逆の場合に
はロツクアツプソレノイド200を非駆動にし
(同567)、その作動状態データ(駆動又は非駆
動)をRAM315に格納し(同569)、リター
ンされる。
ステツプ511において、前回のルーチンでロ
ツクアツプソレノイド200が駆動されていた場
合には、ロツクアツプを解除すべき車速(ロツク
アツプオフ車速)データVOFFを検索するルーチ
ン(同540)を行なう。このデータ検索ルーチ
ン540は、ロツクアツプオン車速データVON
検索するデータ検索ルーチン520と基本的に同
様である(入力されているデータが下記のように
異なるだけである)ので説明を省略する。
なお、ロツクアツプオン車速データVONとロツ
クアツプオフ車速データVOFFとは、第8図に示
すような関係としてある。すなわち、VON>VOF
としてヒステリシスを与えてある。これによつ
てロツクアツプソレノイド200のハンチングの
発生を防止してある。
次いで、上記のようにしてステツプ540にお
いて検索されたロツクアツプオフ車速データVOF
と実車速Vとを比較して(同565)、実車速V
が大きい場合には、ロツクアツプソレノイド20
0を駆動し(同563)、逆の場合には、ロツク
アツプソレノイド200を非駆動状態にし(同5
67)、その作動状態データをRAM315に格納
して処理を終りリターンする。
結局、D及びLレンジにおいては、ロツクアツ
プオン車速VON以上の車速においてトルクコンバ
ータ12はロツクアツプ状態とされ、ロツクアツ
プオフ車速VOFF以下の車速において非ロツクア
ツプ状態とされることになる。
次に、ステツプモータ110の制御ルーチン7
00について説明する。ステツプモータ制御ルー
チン700を第9図a図及び第9b図に示す。こ
のステツプモータ制御ルーチン700は一定時間
毎に行なわれる(すなわち、短時間内に以下のル
ーチンが繰り返し実行される)。まず、上述のロ
ツクアツプソレノイド制御ルーチン500のステ
ツプ569において格納されたロツクアツプソレ
ノイド作動状態データが取り出され(同69
8)、その状態が判定され(同699)、ロツクア
ツプソレノイド200が駆動されている場合には
ステツプ701以下のルーチンが開始され、逆に
ロツクアツプソレノイド200が非駆動の場合に
は後述のステツプ713以下のステツプが開始さ
れる(この場合、後述のように変速比が最も大き
くなるように制御が行なわれる。すなわち、非ロ
ツクアツプ状態では常に最大変速比となるように
制御される)。
ロツクアツプソレノイド200が駆動されてい
る場合、まずスロツトル開度センサ303からス
ロツトル開度THを読み込み(同701)、車速
センサー302から車速Vを読み込み(同70
3)、シフトポジシヨンスイツチ304からシフ
トポジシヨンを読み込む(同705)。次いで、
シフトポジシヨンがD位置にあるかどうかを判断
し(同707)、D位置にある場合には、ステツ
プ897〜912を実行し、その後でDレンジ変
速パターンの検索ルーチン(同720)を実行す
る。
ステツプ897〜912はスロツトル開度急増
大時に変速比を大きくする制御を行なう部分であ
る。まず、ステツプ897で実車速Vが所定値F
(例えば、10Km/h)以上であるかどうかが判断
され、実車速Vが所定値F未満の場合には後述す
るタイマ値Taを0に清算し(同898)、また後
述するタイマ値Tbも0に清算し(同899)、前
回ルーチンのスロツトル開度TH0を最大値
THmaxに設定する(同900)。次いで、ステツ
プ720のDレンジ変速パターン検索ルーチンが
実行されるが、スロツトル開度TH又は実車速V
に何らの修正も加えられていないので、後述の通
常どおりの変速パターンが検索される。
ステツプ897で実車速Vが所定値F以上の場
合は、タイマ値Taがスロツトル開度読み込みの
基準時間ta(例えば、1秒)よりも大きいかどう
かを判断する(同901)。タイマ値Taは初期設
定において0に設定されているので、最初のルー
チンでは必ずTa<taとなり、ステツプ902で
タイマ値Taに微小時間△Taが加算され、次いで
修正タイマTbが作動しているか(Tb≠0)、作
動していないか(Tb=0)が判断される(同9
03)。初期設定で修正タイマTbは0に設定され
ているので、最初のルーチンではステツプ720
に進む(Tb≠0の場合については後述する)。こ
の一連のステツプ(901→902→903→7
20)はタイマ値Taが基準時間taに達するまで
繰り返される(この間は通常のDレンジ変速パタ
ーンの検索が行なわれる)。タイマ値Taが基準時
間taに達すると、ステツプ901の次にステツプ
904が実行され、タイマ値Taが0に清算され
る(すなわち、次回のルーチンではステツプ90
1からステツプ902に進むことになり、ta時間
毎にステツプ904以下のステツプが実行され
る)。次いで、前回のスロツトル開度TH0(これ
はRAM315に格納してあつた)と現在のルー
チンのステツプ701で読み込まれたスロツトル
開度THとの差△THを求め(同905)、今回の
ルーチンのスロツトル開度THを次回ルーチンの
ためにTH0に設定し直しておく(同906)。次
いで、差△THに極微小量Gを加えた値の正、負
を判断する(同907)。△TH+G<0の場
合、すなわち単位時間あたりのスロツトル開度の
変化を示す△THに小さな値Gを加えた値が負の
場合(このことは、スロツトル開度が減少されつ
つあることを意味する)、修正タイマ値Tbを0に
清算し、ステツプ720に進む。すなわち、通常
どおりの変速パターンの検索が行なわれる。逆に
△TH+G≧0の場合、すなわち単位時間あたり
のスロツトル開度の変化を示す△THに小さな値
Gを加えた値が正又は0の場合(このことは、ス
ロツトル開度を増大しているか又は一定に保持し
ていることを意味する。なおGは振動等によつて
スロツトル開度がわずかに閉じられた場合にも△
TH+Gの値を正又は0にするために加算されて
いる。)、修正タイマTbの作動状態を判断する
(同908)。修正タイマ値Tbが0の場合(初期
設定で0にしてある)、△THが所定値Aよりも
大きいかどうかが判断され(すなわち、スロツト
ル開度の変化が急激であるか緩やかであるかが判
断され)(同909)、△TH<Aの場合(すなわ
ち、緩やかな場合)にはステツプ720に進み、
通常どおりの変速パターンの検索が行なわれる。
△TH≧Aの場合(すなわち、スロツトル開度の
増大が急激な場合)、修正タイマ値Tbが基準時間
tb(例えば、2〜3秒)よりも小さいかどうかが
判断され(同910)、Tb<tbの場合、修正タイ
マ値Tbに微小時間△Tbを加算し(同911)、
スロツトル開度THにk・△TH(kは定数)を
加算する(同912)。次いで、ステツプ720
において、k・△THが加算されたスロツトル開
度信号に基づいて変速パターンの検索が行なわれ
る。後述のように、変速パターンは同一車速では
スロツトル開度THが大きいほど変速比が大きく
なるようにしてあるので、スロツトル開度を急激
に拡大した場合には、そうでない場合よりも変速
比が大きくなる。なお、次回以後のルーチンで
は、修正タイマ値Tbが0ではないので、ステツ
プ908からステツプ910にスキツプする(す
なわち、前回ルーチンの判断△TH≧Aのままに
維持される)。このルーチンの繰り返しによつて
修正タイマ値Tbが基準時間tbに達すると、ステ
ツプ910からステツプ913に進み、修正タイ
マ値Tbが0に清算される。すなわち、tb時間毎
にスロツトル開度変化速度が所定値A以上である
かどうかが判断される。
なお、前述のステツプ903においてTb≠0
の場合(すなわち、修正タイマTbが作動してい
るとき)には、前述の値△TH+Gの正、負が判
断され(同914)、△TH+G≧0の場合には
ステツプ910に進む(すなわち、スロツトル開
度の修正が行なわれる)。一方、△TH+G<0
の場合には、修正タイマ値Tbを0にし(同89
7)、ステツプ720に進む(すなわち、スロツ
トル開度THを修正中のtb時間内においてもスロ
ツトル開度を減少させた場合にはスロツトル開度
の修正が中止される)。
次に、ステツプ897〜912間における基準
時間taと修正基準時間tbとの関係を第22図に基
づいて説明する。
タイマ値Taは、基準時間taごとに0に清算さ
れ(すなわち、ステツプ901→902の流れ
が、ステツプ901→904の流れに切換わ
る)、そのたび毎に基準時間ta間におけるスロツ
トル開度の変化が検出される。修正基準時間tbは
基準時間taの自然数倍に設定してある。これによ
つてスロツトル開度THを修正している時間中に
スロツトル開度が小さくなつた場合にはスロツト
ル開度の修正が解除される(前述のステツプ90
3→914→897)。
Dレンジ変速パターン検索ルーチン720は第
10図に示すように実行される。また、Dレンジ
変速パターン用のステツプモータパルス数データ
Dは第11図に示すようにROM314に格納さ
れている。すなわち、ROM314の横方向には
車速が、また縦方向にはスロツトル開度が、それ
ぞれ配置されている(右方向にいくに従つて車速
が高くなり、下方向にいくに従つてスロツトル開
度が大きくなるようにしてある)。Dレンジ変速
パターン検索ルーチン720では、まず、比較基
準スロツトル開度TH′を0(すなわち、アイドル
状態)とし(同721)、スロツトル開度が0に
なつている場合のパルス数データが格納されてい
るROM314のアドレスj1を標数jに設定する
(同722)。次いで、実際のスロツトル開度TH
と比較基準スロツトル開度TH′とを比較して(同
723)、実スロツトル開度THの方が大きい場
合には、比較基準スロツトル開度TH′に所定の増
分△TH′を加算し(同724)、標数jにも所定
の増分△jを加算する(同725)。この後、再
び実スロツトル開度THと比較基準スロツトル開
度TH′とを比較し(同723)、実スロツトル開
度THの方が大きい場合には前述のステツプ72
4及び725を行なつた後、再度ステツプ723
を実行する。このような一連の処理(ステツプ7
23,724及び725)を行なつて、実スロツ
トル開度THが比較基準スロツトル開度TH′より
も小さくなつた時点において実際のスロツトル開
度THに照応する標数jが得られる。次いで、車
速Vについても上記と同様の処理(ステツプ72
6,727,728,729及び730)を行な
う。これによつて、実際の車速Vに対応した標数
kが得られる。次に、こうして得られた標数j及
びkを加算し(同731)、実際のスロツトル開
度TH及び車速Vに対応するアドレスを得て、第
11図に示すROM314の該当アドレスからス
テツプモータのパルス数データNDを読み取る
(同732)。こうして読み取られたパルス数ND
は、現在のスロツトル開度TH及び車速Vにおい
て設定すべき目標のパルス数を示している。この
パルス数NDを読み取つて、Dレンジ変速パター
ン検索ルーチン720を終了しリターンする。
第9図に示すステツプ707において、Dレン
ジでない場合には、Lレンジにあるかどうかを判
断し(同709)、Lレンジにある場合には、L
レンジ変速パターン検索ルーチンを検索する(同
740)。Lレンジ変速パターン検索ルーチン7
40は、Dレンジ変速パターン検索ルーチン72
0と基本的に同様の構成であり、ROM314に
格納されているステツプモータのパルス数データ
LがDレンジの場合のパルス数データNDと異な
るだけである(パルス数データNDとNLとの相違
については後述する)。従つて、詳細については
説明を省略する。
ステツプ709においてLレンジでない場合
に、Rレンジにあるかどうかを判断し(同71
1)、Rレンジにある場合にはRレンジ変速パタ
ーンの検索ルーチン760を実行する。このRレ
ンジ変速パターン検索ルーチン760もDレンジ
変速パターン検索ルーチン720と同様であり、
パルス数データNRが異なるだけあるので、詳細
については説明を省略する。
以上のように、ステツプ720,740又は7
60において、シフトポジシヨンに応じて、それ
ぞれ目標のステツプモータパルス数データND
L又はNRを検索し終ると、変速基準スイツチ2
40の信号を読み込み(同778)、変速基準ス
イツチ240がオン状態であるかオフ状態である
かを判断する(同779)。変速基準スイツチ2
40がオフ状態である場合には、RAM315に
格納されている現在のステツプモータのパルス数
Aを読み出す(同781)。このパルス数NA
は、ステツプモータ110を駆動するための信号
として変速制御装置300により発生されたパル
ス数であり、電気的雑音等がない場合にはこのパ
ルス数NAとステツプモータ110の実際の回転
位置とは常に1対1に対応している。ステツプ7
79において変速基準スイツチ240がオン状態
にある場合には、ステツプモータ110の現在の
パルス数NAを0に設定する(同780)。変速基
準スイツチ240は、変速操作機構112のスリ
ーブ162が最大変速比位置にあるときにオン状
態になるように設定されている。すなわち、変速
基準スイツチ240がオンのときには、ステツプ
モータ110の実際の回転位置が最大変速比位置
にあることになる。従つて、変速基準スイツチ2
40がオンのときにパルス数NAを0にすること
により、ステツプモータ110が最大変速比位置
にあるときにはこれに対応してパルス数NAは必
ず0になることになる。このように最大変速比位
置においてパルス数NAを0に修正することによ
り、電気的雑音等のためにステツプモータ110
の実際の回転位置とパルス数NAとに相違を生じ
た場合にこれらを互いに一致させることができ
る。従つて、電気的雑音が累積してステツプモー
タ110の実際の回転位置とパルス数NAとが対
応しなくなるという不具合は生じない。次いで、
ステツプ783において、検索した目標パルス数
D,NL又はNRと、実パルス数NAとの大小を比
較する。
実パルス数NAと目標パルス数ND、NL又はNR
とが等しい場合には、目標パルス数ND、NL又は
R(=パルス数NA)が0であるかどうかを判断
する(同785)。目標パルス数ND、NL又はNR
が0でない場合、すなわち最も変速比が大きい状
態にはない場合、前回ルーチンと同様のステツプ
モータ駆動信号(これについては後述する)を出
力し(同811)、リターンする。目標パルス数
D、NL又はNRが0である場合には変速基準ス
イツチ240のデータを読み込み(同713)、
そのオン・オフに応じて処理を行なう(同71
5)。変速基準スイツチ240がオンの場合に
は、実パルス数NAを0にし(同717)、また後
述するステツプモータ用タイマ値Tを0にし(同
718)、パルス数0に対応する前回ルーチンと
同様のステツプモータ駆動信号を出力する(同8
11)。ステツプ715において変速基準スイツ
チ240がオフの場合には、後述するステツプ8
01以下のステツプが実行される。
次に、ステツプ783において実パルス数NA
が目標パルス数ND、NL又はNRよりも小さい場
合には、ステツプモータ110を、パルス数大の
方向へ駆動する必要がある。まず、前回ルーチン
におけるタイマ値Tが負又は0になつているかど
うかを判断し(同787)、タイマ値Tが正の場
合には、タイマ値Tから所定の減算値△Tを減算
してこれを新たなタイマ値Tとして設定し(同7
89)、前回ルーチンと同様のステツプモータ駆
動信号を出力して(同811)リターンする。こ
のステツプ789はタイマ値Tが0又は負になる
まで繰り返し実行される。タイマ値Tが0又は負
になつた場合、すなわち一定時間が経過した場
合、後述のようにステツプモータ110の駆動信
号をアツプシフト方向へ1段階移動し、(同79
1)、タイマ値Tを所定の正の値T1に設定し(同
793)、現在のステツプモータのパルス数NAを
1だけ加算したものとし(同795)、アツプシ
フト方向に1段階移動されたステツプモータ駆動
信号を出力して(同811)リターンする。これ
によつてステツプモータ110はアツプシフト方
向に1単位だけ回転される。
ステツプ783において現在のステツプモータ
パルス数NAが目標パルス数ND、NL又はNRより
も大きい場合には、タイマ値Tが0又は負である
かどうかを判断し(同801)、タイマ値Tが正
の場合には所定の減算値△Tを減じてタイマ値T
とし(同803)、前回ルーチンと同様のステツ
プモータ駆動信号を出力し(同811)、リター
ンする。これを繰り返すことにより、タイマ値T
から減算値△Tが繰り返し減じられるので、ある
時間を経過するとタイマ値Tが0又は負になる。
タイマ値Tが0又は負になつた場合、ステツプモ
ータ駆動信号をダウンシフト方向へ1段階移動さ
せる(同805)、また、タイマ値Tには所定の
正の値T1を設定し(同807)、現在のステツプ
モータパルス数NAを1だけ減じて(同809)、
ダウンシフト方向へ1段階移動されたステツプモ
ータ駆動信号を出力し(同811)、リターンす
る。これによつてステツプモータ110はダウン
シフト方向へ1単位だけ回転される。
ここでステツプモータの駆動信号について説明
をしておく。ステツプモータの駆動信号を第12
図に示す。ステツプモータ110に配線されてい
る4つの出力線317a,317b,317c及
び317d(第4図参照)には、A〜Dの4通り
の信号の組合せがあり、A→B→C→D→Aのよ
うに駆動信号を与えるとステツプモータ110は
アツプシフト方向に回転し、逆に、D→C→B→
A→Dのように駆動信号を与えると、ステツプモ
ータ110はダウンシフト方向に回転する。従つ
て、4つの駆動信号を第13図のように配置する
と、第12図でA→B→C→Dの駆動(アツプシ
フト)をすることは、第13図で信号を左方向へ
移動することと同様になる。この場合、bit3の
信号はbit0へ移される。逆に、第12図でD→
C→B→Aの駆動(ダウンシフト)を行なうこと
は、第13図では信号を右方向へ移動することに
相当する。この場合、bit0の信号はbit3へ移動
される。
アツプシフトの時の出力線317a,317
b,317c及び317dにおける信号の状態を
第14図に示す。ここで、A,B,C及びDの各
状態にある時間は、ステツプ793又は807で
指定したタイマ値T1になつている。
上述のように、ステツプモータ駆動信号は、実
パルス数(すなわち、実変速比)が目標パルス数
(すなわち、目標変速比)よりも小さい場合は、
左方向に移動させられる(同791)ことによ
り、ステツプモータ110をアツプシフト方向へ
回転させる信号として機能する。逆に、実変速比
が目標変速比よりも大きい場合には、ステツプモ
ータ駆動信号は右方向に移動させられる(同80
5)ことにより、ステツプモータ110をダウン
シフト方向へ回転させる信号として機能する。ま
た、実変速比が目標変速比に一致している場合に
は、左、右いずれかの方向にも移動させないで、
前回のままの状態の駆動信号が出力される。この
場合にはステツプモータ110は回転せず、変速
が行なわれないので変速比は一定に保持される。
前述のステツプ711(第9図)においてRレ
ンジでない場合、すなわちP又はNレンジにある
場合には、ステツプ713以下のステツプが実行
される。すなわち、変速基準スイツチ240の作
動状態を読み込み(同713)、変速基準スイツ
チ240がオンであるかオフであるかを判別し
(同715)、変速基準スイツチがオン状態の場合
には、実際のステツプモータのパルス数を示す実
パルス数NAを0にし(同717)またステツプ
モータ用タイマ値Tを0にする(同718)。次
いで、前回ルーチンと同じ状態のステツプモータ
駆動信号を出号を出力し(同811)、リターン
する。ステツプ715において変速基準スイツチ
240がオフ状態にある場合には、前述のステツ
プ801以下のステツプが実行される。すなわ
ち、ステツプモータ110がダウンシフト方向に
回転される。従つて、P及びNレンジでは、最も
変速比の大きい状態となつている。
次に、Dレンジにおいてエンジンの最小燃料消
費率曲線に沿つて無段変速機の変速比を制御する
方法について説明する。
エンジンの性能曲線の1例を第15図に示す。
第15図においては横軸にエンジン回転速度及び
たて軸にエンジントルクをとり、各スロツトル開
度における両者の関係及び等燃費曲線FC1〜FC
8(この順に燃料消費率が小さい)が示してあ
る。図中の曲線Gは最小燃料消費率曲線であり、
この曲線Gに沿つてエンジンを作動させれば最も
効率の良い運転状態が得られる。第15図におい
て横軸にエンジン回転数、縦軸にエンジントルク
をとり、各スロツトル開度における両者の関係、
及び等燃費曲線FC1〜FC8(この順に燃料消費
率が小さい)が示してある。常にこのエンジンの
最小燃料消費率曲線Gに沿つてエンジンが運転さ
れるように無段変速機を制御するために、ステツ
プモータ110のパルス数NDを次のように決定
する。まず、最小燃料消費率曲線Gをスロツトル
開度とエンジン回転速度との関数として示すと第
16図に示すようになる。すなわち、スロツトル
開度に対して一義的にエンジン回転速度が定ま
る。例えば、スロツトル開度40゜の場合にはエン
ジン回転速度は3000rpmである。なお、第16図
において低スロツトル開度(約20度以下)の最低
エンジン回転速度が1000rpmになつているのは、
ロツクアツプクラツチを締結した場合にこれ以下
のエンジン回転速度では無段変速機の駆動系統が
エンジンの振動との共振を発生するからである。
エンジン回転速度N及び車速Vの場合に、変速比
Sは、 S=(N/V)・k で与えられる。ただし、kは最終減速比、タイヤ
半径等によつて定まる定数である。ここで、第1
6図におけるエンジン回転速度を車速に変換して
図示すると、第17図のようになる。同一エンジ
ン回転速度であつても変速比が異なれば車速が異
なるため、第17図の線図においては車速は一定
の幅を有している。すなわち、最も変速比が大き
い場合(変速比a)が線laによつて示してあり、
最も変速比が小さい場合(変速比c)が線lcによ
つて示してある(なお、中間の変速比bの場合を
線lbで示してある)。例えば、スロツトル開度が
40゜の場合には、約25Km/hから約77Km/hの間
の車速で走行することができる。なお、laよりも
低速側の領域にある場合には線laに沿つて制御が
行なわれ、また線lcよりも高速側の領域にある場
合には線lcに沿つて制御が行なわれる。一方、変
速操作機構112のスリーブ162の位置と変速
比との間には一定の関係がある。すなわち、ステ
ツプモータ110に与えられるパルス数(すなわ
ち、ステツプモータ110の回転位置)と変速比
との間には、第18図に示すような関係がある。
従つて、第17図における変速比(a,b,c
等)を第18図に基づいてパルス数に変換するこ
とができる。こうしてパルス数に変換した線図を
第19図に示す。なお、第19図に、前述の第8
図のロツクアツプクラツチオン及びオフ線も同時
に記入すると、図示のように、ロツクアツプクラ
ツチオン及びオフ線は最大変速比aの制御線より
も低車速側にある。
第19図に示す変速パターンに従つて無段変速
機の制御を行なうと次のようになる。発進時に
は、車速が低いため無段変速機は最大変速比位置
に制御されており、トルクコンバータ12は非ロ
ツクアツプ状態にある。従つて、発進に必要な強
力な駆動力が得られる。車速がロツクアツプオン
線を越えると、トルクコンバータ12のロツクア
ツプクラツチ10が締結され、トルクコンバータ
12はロツクアツプ状態となる。更に車速が上昇
して線laを越えると、変速比はエンジンの最小燃
料消費率曲線に沿つてa〜c間において無段階に
変化する。例えば線ia及びc間の領域において一
定車速・一定スロツトル開度で走行している状態
からスロツトル開度を大きくした場合、スロツト
ル開度が変わるから制御すべき目標エンジン回転
速度も変化するが、目標エンジン回転速度に対応
するステツプモータの目標パルス数は実際のエン
ジン回転速度には関係なく、第16図に示す関係
に基づいて決定される。ステツプモータ110は
与えられた目標パルス数に応じてただちに目標位
置まで回転し、所定の変速比が実現され、実エン
ジン回転速度が目標エンジン回転速度に一致す
る。前述のように、ステツプモータのパルス数は
エンジンの最小燃料消費率曲線Gから導き出され
たものであるから、エンジンは常にこの曲線Gに
沿つて制御される。このように、ステツプモータ
のパルス数に対して変速比が一義的に決定される
ので、パルス数を制御することにより変速比を制
御することができる。
なお、以上説明した実施例では、アクセルペダ
ル踏込量に対応する信号としてエンジンのスロツ
トル開度を基準として制御を行なつたが、エンジ
ンの吸気管負圧又は燃料噴射量を用いても(それ
ぞれ最小燃料消費率曲線Gは第20図及び第21
図に示すような曲線となる)同様にアクセルペダ
ル踏込量に対応した制御を行なうことができるこ
とは明らかである。
上記はDレンジにおける変速パターンの説明で
あるが、L及びRレンジについてはDレンジとは
異なる変速パターンをデータとして入力しておけ
ばよい。例えば、Lレンジにおいて、同一スロツ
トル開度に対してDレンジの変速バターンよりも
変速比が大きくなる変速パターンとし、加速性能
を向上すると共にスロツトル開度0の状態におい
て好適なエンジンブレーキ性能が得られるように
する。また、RレンジではLレンジよりも更に変
速比大側の変速パターンにする。このような変速
パターンは所定のデータを入力することにより簡
単に得ることができる。また、制御の基本的作動
はDレンジの場合と同様である。従つて、L及び
Rレンジにおける作用の説明は省略する。
次に、第4図に示したエンジン冷却水温センサ
ー306及びブレーキセンサー307について簡
単に説明しておく。
エンジン冷却水温センサー306は、エンジン
冷却水の温度が所定値(例えば、60℃)以下にお
いてオンとなる。エンジン冷却水温センサー30
6がオンの場合には、その信号に基づいてDレン
ジにおける変速パターンを変速比大側の変速パタ
ーーンに切換える。これによつて、エンジン始動
直後におけるエンジン不調、動力不足等を解消す
ることができる。
ブレーキセンサー307は、フートブレーキを
作動させたときにオンとなり、これは例えば、次
のような制御に使用する。すなわち、ブレーキセ
ンサー307がオンであり、かつスロツトル開度
が0の場合に、Dレンジの変速パターンを変速比
大側の変速パターンに切換えるようにする。これ
によつて、Dレンジ走行中にブレーキを踏めば、
強力なエンジンブレーキを得ることができる。
次に第23図に示す第2の実施例について説明
する。
この実施例は第9図に示した第1の実施例のス
テツプ910→720間を第23図に示すように
置き換えたものであり、車速信号を修正すること
により、第1実施例と同様の作用・効果を得るよ
うにしてある。
ステツプ910までは第1の実施例と同様であ
るので説明を省略する。ステツプ910で修正タ
イマ値Tbが修正基準時間tbに達しているかどう
かが判断され、Tb<tbの場合にはタイマ値Tbに
△Tbを加算し911、ステツプ905で算出済
みの△TEに係数lを乗じたl・△THを車速V
から減じる(同915)。次いで、この修正後の
車速Vが正であるかどうかを判断し(同91
6)、車速Vが負の場合にのみ車速Vを0とし
(同917)、次のステツプ720で修正済みの車
速Vに基づいてDレンジ変速パターンの検索を行
なう。ステツプ910で修正タイマ値Tbが修正
基準時間tbに達すると修正タイマ値Tbは0に清
算される(同913)。
変速パターンは、同一スロツトル開度では車速
が小さいほど大きな変速比が得られるように設定
されているため、小さな値に修正された車速に基
づいて検索が行なわれる。従つて、スロツトル開
度急増大時には、通常の場合よりも大きな変速比
を得ることができる。
なお、上記実施例では、スロツトル開度増大速
度に1次比例させて車速信号を修正したが、2次
関数その他の関係となるように修正しても差し支
えない。また、所定スロツトル開度増大速度以上
の場合に常に一定量だけ車速信号を修正するよう
にしてもよい。
次に、第24図に示す第3の実施例について説
明する。
この実施例は第9図に示した第1の実施例のス
テツプ707→778間を第24図に示すように
置き換えたものであり、ステツプモータパルス数
信号を直接修正することにより第1の実施例と同
様の作用・効果を得るようにしてある。
ステツプ707においてDレンジの場合、まず
Dレンジ変速パターンの検索を行ない(同72
0)、以下ステツプ897→910は第9図と同
様の処理を行ない、ステツプ910で修正タイマ
値Tbが修正基準時間tbに達しているかどうかを
判断する。Tb<tbの場合には修正タイマ値Tbに
△Tbを加算し(同911)、ステツプ905で算
出済みの△THに係数mを乗じたm・△THをパ
ルス数NDから減じる(同919)。次いで、この
修正後のパルス数NDが正であるかどうかを判断
し(同920)、パルス数NDが負の場合にのみパ
ルス数NDを0とし(同921)、次のステツプ7
78に進む。ステツプ910で修正タイマ値Tb
が修正基準時間tbに達するとタイマ値Tbは0に
清算される(同913)。
この実施例においても、スロツトル開度を急速
に増大した場合にパルス数データが通常の場合よ
りも小さくなるので、変速比が通常の場合よりも
大きくなり、前述の実施例と同様の作用・効果が
得られる。
次に第25図に示す第4の実施例について説明
する。
この実施例を第9図に示した実施例のステツプ
707→778間を第25図に示すように置き換
えたものであり、スロツトル開度を急速に増大し
た場合に修正変速パターンを検索することによ
り、第1の実施例と同様の作用・効果を得るよう
にしてある。
ステツプ707→910間の処理は第9図の場
合と同様である。ステツプ910で修正タイマ値
Tbが基準時間tbに達しているかどうかが判断さ
れ、Tb≧tbの場合には修正タイマ値Tbを0に清
算し(同913)、通常のDレンジ変速パターン
の検索を行なう(同720)。一方、ステツプ9
10でTb<tbの場合には修正タイマ値Tbに△Tb
を加算し(同911)、修正変速パターンD′の検
索を行なう(同930)。次いで、ステツプ77
8以下のステツプを実行する。修正変速パターン
D′としては、Dレンジ変速パターンよりも変速
比が大きくなるパターンを設定しておく。この実
施例においてもスロツトル開度を急速に増大した
場合に変速比が大きくなり、前述の実施例と同様
の作用・効果が得られることは明らかである。
以上説明したきたように、本発明によると、そ
れぞれシリンダ室を内蔵した駆動プーリ及び従動
プーリのV字状みぞ間隔を、各シリンダ室に供給
する油圧を制御する変速制御弁により制御して変
速比を連続的に可変としたVベルト式無段変速機
の変速制御方法において、アクセルペダル踏込量
の変化速度が所定値以上の場合には、上記変化速
度が所定値より小さい場合の変速比に対して、所
定時間ごとに上記変化速度に応じた量だけ無段階
に変速比を大側にする修正を加えるようにしたの
で、急加速を必要とする場合に所望どおりの加速
を得ることができるようになり、操作性、運転フ
イーリングが向上し、追い越し時等の安全性も向
上する。
【図面の簡単な説明】
第1図はVベルト式無段変速機の部分断面正面
図、第2図は第1図に示すVベルト式無段変速機
の各軸の位置を示す図、第3図は油圧制御装置全
体を示す図、第4図は変速制御装置を示す図、第
5図はロツクアツプソレノイド制御ルーチンを示
す図、第6図はロツクアツプオン車速データの格
納配置を示す図、第7図はロツクアツプオン車速
検索ルーチンを示す図、第8図はロツクアツプ制
御パターンを示す図、第9a及び9b図はステツ
プモータ制御ルーチンを示す図、第10図はDレ
ンジ変速パターン検索ルーチンを示す図、第11
図はパルス数データの格納配置を示す図、第12
図は各出力線の信号の組み合わせを示す図、第1
3図は各出力線の配列を示す図、第14図はアツ
プシフトの場合の各出力線の信号を示す図、第1
5図はエンジン性能曲線を示す図、第16図は、
スロツトル開度とエンジン回転速度との関係を示
す図、第17図はスロツトル開度と速度との関係
を示す図、第18図は変速比とステツプモータパ
ルス数との関係を示す図、第19図はスロツトル
開度と車速との関係を示す図、第20図は吸気管
負圧を基準として最小燃料消費率曲線を示す図、
第21図は燃料噴射量を基準として最小燃料消費
率曲線を示す図、第22図は基準時間と修正基準
時間との関係を示す図、第23図は本発明の第2
の実施例の変速制御ルーチンの一部を示す図、第
24図は本発明の第3の実施例の変速制御ルーチ
ンの一部を示す図、第25図は本発明の第4の実
施例の変速制御ルーチンの一部を示す図である。 2…エンジン出力軸、4…ポンプインペラー、
4a…部材、6…タービンランナ、8…ステー
タ、10…ロツクアツプクラツチ、12…トルク
コンバータ、14…ロツクアツプクラツチ油室、
16…軸受、20…ケース、22…駆動軸、24
…駆動プーリ、26…固定円すい板、28…駆動
プーリシリンダ室、30…可動円すい板、32…
Vベルト、34…従動プーリ、36…軸受、38
…軸受、40…従動軸、42…固定円すい板、4
4…従動プーリシリンダ室、46…可動円すい
板、48…前進用多板クラツチ、48a…シリン
ダ室、50…前進用駆動ギア、52…リングギ
ア、54…後退用駆動ギア、56…アイドラギ
ア、58…後退用多板クラツチ、58a…シリン
ダ室、60…アイドラ軸、62…アイドラギア、
64…ピニオンギア、67…差動装置、68…サ
イドギア、70…サイドギア、72…出力軸、7
4…出力軸、76…軸受、78…軸受、80…オ
イルポンプ、82…オイルポンプ駆動軸、102
…ライン圧調圧弁、104…マニアル弁、106
…変速制御弁、108…ロツクアツプ弁、110
…変速モータ(ステツプモータ)、112…変速
操作機構、114…タンク、116…油路、11
8…弁穴、118a〜118h…ポート、120
…弁穴、120a〜120e…ポート、122…
弁穴、120a〜122e…ポート、124…ス
プール、124a,124b…ランド、126…
油路、128…油路、130…油路、132…ス
プール、132a〜132d…ランド、133…
スプリング、134…スプリングシート、135
…ピン、136…ケース、137…膜、137a
…金具、137b…スプリングシート、138…
ポート、139a,139b…室、140…スプ
リング、141…ロツド、142…ポート、14
3…負圧ダイヤフラム、144…油路、145…
オリフイス、146…トルクコンバータ・インレ
ツトポート、147…油路、148…油路、14
9…オリフイス、150…弁穴、150a〜15
0d…ポート、152…スプール、152a〜1
52e…ランド、154…油路、156…油路、
160…レバー、162…スリーブ、164…ギ
ア、166…ギア、168…軸、170…スプー
ル、170a〜b…ランド、172…スプリン
グ、174…オリフイス、176…オリフイス、
178…オリフイス、180…トルクコンバー
タ・アウトレツトポート、182…油路、184
…ボール、186…スプリング、188…レリー
フ弁、190…油路、192…レリーフ弁、20
0…ロツクアツプソレノイド、201…オリフイ
ス、203…オリフイス、207…分岐油路、2
40…変速基準スイツチ、300…変速制御装
置、301…エンジン回転速度センサー、302
…車速センサー、303…スロツトル開度センサ
ー(吸気管負圧センサー)、304…シフトポジ
シヨンスイツチ、306…エンジン冷却水温セン
サー、307…ブレーキセンサー、308,30
9…波形整形器、310…AD変換器、311…
入力インターフエース、312…基準パルス発生
器、313…CPU(中央処理装置)、314…
ROM(リードオンリメモリ)、315…RAM
(ランダムアクセスメモリ)、316…出力インタ
ーフエース、317,318…増幅器、319…
アドレスバス、320…データバス、500…ロ
ツクアツプソレノイド制御ルーチン、520…ロ
ツクアツプオン車速データ検索ルーチン、540
…ロツクアツプオフ車速データ検索ルーチン、7
00…変速モータ制御ルーチン、720…Dレン
ジ変速パターン検索ルーチン、740…Lレンジ
変速パターン検索ルーチン、760…Rレンジ変
速パターン検索ルーチン。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 それぞれシリンダ室を内蔵した駆動プーリ及
    び従動プーリのV字状みぞ間隔を、各シリンダ室
    に供給する油圧を制御する変速制御弁により制御
    して変速比を連続的に可変としたVベルト式無段
    変速機の変速制御方法において、 アクセルペダル踏込量の変化速度が所定値以上
    の場合には、上記変化速度が所定値より小さい場
    合の変速比に対して、所定時間ごとに上記変化速
    度に応じた量だけ無段階に変速比を大側にする修
    正を加えることを特徴とするVベルト式無段変速
    機の変速制御方法。 2 変速制御弁を制御する変速比指令信号のデー
    タは、エンジンのスロツトル開度、吸入管負圧及
    び燃料供給量のうちのいずれか1つに対応した信
    号と、車速信号とに対応させてメモリ内に格納さ
    れており、アクセルペダル踏込量を急速に増大し
    た場合の変速比の修正は、変速比指令信号のデー
    タから検索された変速比指令信号を修正すること
    により行なわれる特許請求の範囲第1項に記載の
    Vベルト式無段変速機の変速制御方法。
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