JPS624131B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、たとえば内視鏡と併用して体内に直
接挿入して使用し得る体腔内挿入用超音波診断用
の超音波探触子に関する。

近時、超音波を医学領域へ応用し、診断するこ
とが普及されつつある。この超音波パルスを用い
る診断装置の原理は、超音波ビームをごく短時間
だけ断続的に体内に放射させると、超音波が人体
組織の中に伝播する途中で組織や臓器は種類によ
つて音響的性質が多少異なつているので異なつた
組織の境界から一部分が反射して返つてくる。

この超音波パルスが体内を伝播する途中で次々
に発生する反射エコーを検出し、ブラウン管など
で表示させ、体内組織の音響的性質の分布をみる
と、健全な組織と腫瘍組織などとの音響的性質は
異なり、ブラウン管上に表示されたパターンから
組織内に存在する異常の有無およびその位置を知
ることができる。

そこで、従来においては超音波探触子の振動子
を生体の外面に接触し、体内からの超音波エコー
を利用して診断するようにしているが、たとえ
ば、膵臓、肝臓、子宮等の探部内臓であると上記
振動子との距離が遠く、中間に介在する臓器、空
気層等の影響で解像力が著しく低下する。特に膵
臓等においては背骨が妨げとなり、最終的な分解
能は必らずしも微細な病変の診断に向かないとい
う不都合がある。

そこで、上記欠点を改善すべく振動子を内視鏡
と併用しながら直接体内の目的の部位に誘導して
診断することが試みられたが、内視鏡の視野の妨
げや挿入の妨げとなるため小形の振動子を使用し
なければならず臓器の断面を高解像で得ることが
できず、極めて実用化が困難であるとされてい
た。

本発明は、上記事情にもとづきなされたもの
で、その目的とするところは、大形の振動子を内
視鏡の視野を妨げることなく使用することがで
き、高解像の超音波診断が行なえるようにした体
腔内挿入用超音波探触子を提供しようとするもの
である。

以下、本発明の一実施例を第１図ないし第３図
にもとづいて説明する。第１図は超音波探触子１
を示し、この超音波探触子１は振動子２と、この
振動子２の一端面かつ偏芯した状態で一端部を固
着した細径の操作軸３と、この操作軸３内を挿通
され上記振動子２と接続する信号ケーブル４…と
から構成されている。また、上記信号ケーブル４
…の他端はパルス発生回路５および増幅検波回路
６に接続されている。そして、この検波回路６は
ブラウン管などの表示装置７に接続されている。

また、上記振動子２は厚肉円板状を呈し、操作
軸３の取付けてない他端面が超音波の発信と超音
波エコーを受信する超音波発受信面８となつてい
る。

しかして、このように構成された超音波探触子
１を内視鏡の一種であるところの腹腔鏡９を併用
して使用する場合には、第２図に示すように案内
トラカール１０を介して超音波探触子１を直接体
内に挿入する。ついで、第３図に示すように偏芯
を利用して腹腔鏡９の視野１１の妨げにならない
ように振動子２を操作軸３を回動させることによ
りほゞ180度回動偏位させ、しかるのち案内トラ
カール１０内に腹腔鏡９を挿入して観察しながら
目的の部位に誘導する。ついで、対象臓器１２に
振動子２の超音波発受信面８を密接する。このと
き、操作軸３を金属の如き硬質の材料で作成する
と振動子２の押圧の際など腰が強く操作し易い。
この状態で、パルス発生回路５によつて振動子２
の超音波発受信面８から超音波パルスを発振する
と、超音波は人体組織の中を伝播する。そして、
組織の境界、組織の異常部分から反射する反射エ
コーを増幅検波回路６を介して表示装置７に断層
像として表示される。したがつて、表示装置７に
表示された断層像によつて対象臓器１２に存在す
る異常の有無およびその位置を知ることができ
る。

このようにして診断したのちは、腹腔鏡９を引
き抜いた後に操作軸２を回動させることにより振
動子２を案内トラカール１０の前端開口部に対向
させて第２図の２点鎖線で示すように案内トラカ
ール１０内に収容して引き抜くことになる。

なお、上述の一実施例において、本発明の超音
波探触子１を腹腔鏡９と併用して使用する場合に
ついて説明したが、第４図に示すようにチヤンネ
ル付直視形内視鏡１３のチヤンネル１４を利用し
て操作するようにしてもよい。すなわち、体腔内
に挿入する場合には振動子２を２点鎖線で示すよ
うに内視鏡１３の前端面に対向させ、体腔内に入
つた後は振動子２が視野１１の妨げにならないよ
うに実線位置に偏芯させて前述の一実施例と同様
の操作を行なうようにしてもよい。なお、軟性内
視鏡に用いる場合、操作軸３は公知の軟質構成を
とることにより、軟性内視鏡の操作が自由に行な
える。

また、振動子２は操作軸３の軸心方向に対応す
る端面側に超音波発受信面８を有した形状とした
が、第５図に示すように操作軸３の軸心方向と直
交する方向の周面に形成し、第６図に示すように
側視形内視鏡１５と併用し得るようにしてもよ
い。

その他、本発明は本発明の要旨を変えない範囲
で種々変形実施可能なことは勿論である。

なお、上述の他の実施例（第４図〜第６図）の
説明において、前述の一実施例と同一部分は同一
の符号を付して説明を省略する。

本発明は以上説明したように、振動子と、この
振動子の一端面側かつ偏芯した状態で一端部を固
着した細径の操作軸と、この操作軸内を挿通され
上記振動子と接続する信号ケーブルとを具備して
なることを特徴とする超音波探触子にある。した
がつて、診断精度の良い大形の振動子を用いても
挿入後偏芯を利用して偏位させることにより内視
鏡等の視野の妨げになることがなく、確実に体内
の目的の部位に誘導でき、高解像の臓器の断面像
が得られる。また、内視鏡と案内トラカールとの
隙間、あるいは内視鏡のチヤンネルの径は振動子
そのものを通さず、細径の操作軸を通すことがで
きれば良いので、体内に挿入する内視鏡あるいは
案内トラカールの径が太くなつて患者に苦痛を与
えるようなことがないといつた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の超音波探触子の一実施例を一
部断面して示す側面図、第２図は同実施例の案内
トラカールを用いて挿入した状態を示す側面図、
第３図は同じく内視鏡を併用した使用状態を示す
側面図、第４図は本発明の一実施例をチヤンネル
付内視鏡と併用した使用状態を示す側面図、第５
図は本発明の他の実施例を示す側面図、第６図は
同実施例の使用状態を示す側面図である。 １……超音波探触子、２……振動子、３……操
作軸、４……信号ケーブル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 体腔内に挿入される内視鏡本体と、この内視
   鏡本体と併せて上記体腔内に挿入されて使用され
   体腔内の目的部位に接触させる振動子を有した超
   音波探触子とからなる体腔内挿入用超音波診断装
   置において、上記超音波探触子はその振動子の外
   径より細く上記振動子に接続される信号ケーブル
   を内装した操作軸を具備するとともに、その操作
   軸の先端に上記振動子を偏芯して取着してなり、
   上記操作軸により体腔内の内視鏡の前面側と内視
   鏡の視野を避ける位置側とに上記振動子を選択的
   に回動操作ができるようにしたことを特徴とする
   体腔内挿入用超音波診断装置。