JPS6220295B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は針床にわたり移動自在のキヤリツジ
と、針の引込位置の前面においてキヤリツジの移
動方向に延在するようホルダに取付け、遊端を有
する保持ワイヤとを具えた横編機に関するもので
ある。

例えば取出ローラのような取出装置により十分
な作用を行うことができない場合に糸の編成をす
べきとき、保持ワイヤを使用して針が引込んでい
る間に編み目を下方に保持する。針の引込みは編
成中、即ち編み目またはループ形成中および編み
目を送る際に生ずる。

保持装置を有する既知の横編機において、保持
ワイヤのためのホルダをキヤリツジに取付け、針
の引込装置の前面においてキヤリツジの移動の方
向に常に存在するように配置している。従つて保
持ワイヤは針床のくし歯間であつて針の下方に位
置し、針が引込んだときに交差する。いずれの場
合にせよワイヤの遊端は自由でなければならな
い。従つてこのことは各ワイヤがキヤリツジの移
動の一方の方向においてしか作用位置をとること
ができないことを意味する。既知の横編機におい
てはキヤリツジに回動自在に配置したホルダを使
用したものがあり、この場合保持ワイヤは左側お
よび右側に突出することができ、キヤリツジの移
動の方向に基づいて左右に回動して針の下方の所
定位置に移動することができる。他の既知の保持
装置においてはキヤリツジの移動の各方向のため
にそれぞれ１個の保持ワイヤを設け、キヤリツジ
に保持ワイヤを回動自在に取付けることによつて
自動的に作用位置または非作用位置に回動するこ
とができるようにしたものがある。

他の既知の保持装置においては、保持ワイヤを
ホルダから突出させ、このホルダをキヤリツジに
取付け、キヤリツジの移動の逆転位置においてホ
ルダによつて移動を生じ適正な側面に突出し、ワ
イヤの遊端が所定位置をとるようにしている。し
かしこれらすべての保持装置はキヤリツジに取付
けているため、常に作用位置をとることになる。

本発明の目的は、構造簡単で、所要に応じキヤ
リツジによつて選択的に作用位置をとることがで
き、必要であればキヤリツジとともに移動するこ
ともできる上述の種類の横編機を得るにある。

この目的を達成するため保持ワイヤのためのホ
ルダをスライダに取付け、このスライダを針床に
沿つて糸案内レール上に摺動自在に配置し、また
スライダをキヤリツジに移動自在に取付けた連結
手段によつて選択的にキヤリツジに連結するよう
構成したことを特徴とする。

本発明横編機の保持装置は制御装置により制御
するが、場合に応じてキヤリツジと連結したり、
またはキヤリツジの逆転領域において横編機の作
業幅の外側で分離したりする。

好適には、保持ワイヤのためのホルダを針床く
し歯の方向に向つて垂直方向に移動自在にし、キ
ヤリツジの移動の方向に基づいて、次のキヤリツ
ジ移動用の保持ワイヤを作用位置に送ることがで
きるようにする。

或る選択した編物、例えばプルオーバーの編物
は、境界部と模様が付いた本体部とよりなる。こ
の場合保持装置は模様付本体部にだけ必要であ
り、境界部の編成中には阻止することが必要にな
る。本発明横編機においては、所要に応じて作業
幅の外側であつてキヤリツジの逆転領域内で保持
装置を分離することができ、また必要に応じて作
用に戻すことができる。このような保持装置の選
択的な連結は本体部の編成中にも重要なことであ
る。即ち保持装置を数回必要としたり、全然必要
としなかつたりするためである。既知の保持装置
の保持ワイヤのためのホルダはキヤリツジに取付
けていたため、保持装置の選択的な導入が不可能
であつた。

好適には、連結ピンを上昇させる持上カムを、
キヤリツジの移動方向が逆転する領域において編
機のフレームに設ける。更にキヤリツジの各移動
方向に対して１個の連結ピンを設けるとよい。

連結ピンを連結フインガまたは取出フインガに
より構成し、編機フレームの持上カムの一部を構
成する弾性傾斜翼片をこのフインガの移動により
開放するよう構成し、作用状態に切換わつている
特定の連結ピンが阻止されないようにする。

更に保持ワイヤのためのホルダを垂直方向に移
動させる割出カムを持上カムの領域において編機
フレームに取付け、ワイヤを作用位置または非作
用位置に移動するよう構成する。編機の左側およ
び右側のこれら割出カムによつて作用位置にある
保持ワイヤを非作用位置にし、次のキヤリツジ移
動のための保持ワイヤを作用位置にすることがで
きる。

次に図面につき本発明の実施例を説明する。

横編機の保持装置に、スライダ２を設け、この
スライダ２を針床の縦方向軸線に平行な糸案内レ
ール１に沿つて摺動させる。右から左への作業の
ための保持ワイヤ４を保持するホルダ３、ならび
に左から右への作業のための保持ワイヤ６を保持
するホルダ５をスライダ２に取付け、針床のくし
歯（図示せず）に向う垂直方向に往復動すること
ができるようにする。図示の作用位置において、
左から右への作業のための保持ワイヤ６は作用位
置をとるとともに、保持ワイヤ４は作用位置から
外れる。横編機のキヤリツジ（図示せず）に移動
自在連結ピン７，８を設け、これらピンに連結フ
インガ９，１０を設け、これらフインガをスライ
ダ２の対応凹所１１，１２に配置する。

キヤリツジが逆転する２個の領域において、左
側持上カム１３と右側持上カム１４とを編機のフ
レームに設ける。これら持上カムにより保持装置
のスライダ２の連結の回転が確実になる。

更にキヤリツジが逆転する２個の領域におい
て、編機フレームに左側割出カム１５と、右側割
出カム１６とを設ける。各ホルダ３，５に配置し
た連結フインガ１７，１８により割出カム１５，
１６の作用でホルダ３，５ならびに保持ワイヤ
４，６を垂直方向に移動することができる。

キヤリツジ（図示せず）に移動自在に取付けた
２個の連結ピン７，８は選択的にスライダ２およ
び保持装置を取上げ、キヤリツジの移動の２方向
に移動する。例えば、キヤリツジが右側に移動す
るとき左側連結ピン７が掛合する。このことによ
りスライダ２が右側に移動する。このとき右側連
結ピン８は凹所１２内に存在するが、いかなる作
用もしない。

保持装置が右側の持上カム１４の領域に達した
とき、右側連結ピン８が持上げられる。右側持上
カム１４の表面に沿つて移動し、右側持上カム１
４の右側側面１９に達したとき再び凹所１２にす
べり込む。

この段階において、左側連結ピン７は、右側持
上カム１４の左側の弾性傾斜翼片２０を上昇する
とき分離する。このとき右側連結ピン８は左側連
結ピン７の作業を引き継ぎ、保持装置を右側キヤ
リツジの逆転に伴つて案内し、保持装置を左側に
駆動する。このとき左側連結ピン７は凹所１１内
に存在するが、作業サイクルのこの部分ではいか
なる作用もしない。

キヤリツジが左側に移動する間に右側連結ピン
８は分離せず、右側連結ピン８の連結フインガ１
０はは右側持上カム１４に形成した溝２１内を摺
動する。右側持上カム１４の左側の弾性翼片２０
は、連結フインガ１０が溝２１を通過するとき開
放し、従つて連結ピン８は障害物なしに左側に移
動することができる。キヤリツジの逆転を生ずる
左側位置において、同様の順次の現象を生ずる。

割出カム１５，１６を編機の左側および右側に
取付け、キヤリツジの逆転位置において、保持ワ
イヤの切換作用を生じ、例えば作用状態にある保
持ワイヤ６を非作用位置に、また非作用位置にあ
つた保持ワイヤ４を作用位置に切換えたり、また
はこれとは逆の切換えを行つたりする。

第２図に右側連結ピン８の連結フインガ１０が
右側持上カム１４の溝２１に突入している状態を
示す。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による保持装置の好適な実施例
の持上カムおよび割出カムと関連させた状態を示
す側面図、第２図は一方の持上カムの領域におけ
る一方の連結ピンの状態を示す断面図である。 １……糸案内レール、２……スライダ、３，５
……保持ワイヤのホルダ、４，６……保持ワイ
ヤ、７，８……連結ピン、９，１０，１７，１８
……連結フインガ、１１，１２……凹所、１３，
１４……持上カム、１５，１６……割出カム、１
９……側面、２０……弾性傾斜翼片、２１……
溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 針床にわたり移動自在のキヤリツジと、針の
   引込位置の前面においてキヤリツジの移動方向に
   延在するようホルダに取付け、遊端を有する保持
   ワイヤとを具え、前記保持ワイヤのためのホルダ
   を、針床のくし歯に向つて垂直方向に移動自在に
   した横編機において、保持ワイヤ４，６のための
   ホルダ３，５をスライダ２に取付け、このスライ
   ダ２を針床に沿つて糸案内レール１上に摺動自在
   に配置し、またスライダ２をキヤリツジに移動自
   在に取付けた連結手段７，８によつて選択的にキ
   ヤリツジに連結するよう構成したことを特徴とす
   る横編機。 ２ 連結手段７，８を持上げるための持上カム手
   段１３，１４を、キヤリツジが逆転する領域にお
   ける編機フレームに設けたことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項に記載の横編機。 ３ 各連結手段７，８を、キヤリツジの移動の各
   方向のためにそれぞれ設けたことを特徴とする特
   許請求の範囲第１または２項に記載の横編機。 ４ 各連結手段７，８をフインガ付きのピン９，
   １０により構成し、このフインガにより編機のフ
   レームに設けた持上カム１３，１４の弾性傾斜翼
   片２０を開放するよう構成したことを特徴とする
   特許請求の範囲第１ないし３項のうちのいずれか
   １項に記載の横編機。 ５ 保持ワイヤ４，６を作用位置または非作用位
   置に送るためのホルダ３，５の垂直移動を行わせ
   る割出カム手段１５，１６を持上カム手段１３，
   １４の領域における編機のフレームに設けたこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１乃至４項のうち
   のいずれか一項に記載の横編機。 ６ キヤリツジの各移動方向のために保持ワイヤ
   ４，６を有する３個の垂直移動可能ホルダ３，５
   を設けたことを特徴とする特許請求の範囲第１乃
   至５項のうちのいずれか１項に記載の横編機。