JPS6112251Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用ドアにおけるドアウエザース
トリツプの取付構造に関する。

一般に、自動車用ドアは、第１図に示すよう
に、ドアサツシユ１の外周からドア本体２の外周
に跨つてドアウエザーストリツプ３を装着し、ド
ア閉時に上記ドアウエザーストリツプ３を図示外
の車体開口縁に密接させて車室内、外をシールす
るように形成されている。このドアウエザースト
リツプ３の取付けに際しては、通常第２図乃至第
５図に示すように、ドアサツシユ１の外周に配置
する部分はドアサツシユ１の外周に形成した取付
溝４内にドアウエザーストリツプ３のベース部３
ａを嵌め込んで固定し、又、ドア本体２外周に配
置する部分は上記ベース部３ａに取付けたクリツ
プ５をドアパネル６、具体的にはドアインナパネ
ル６ａに形成した取付孔７に貫通係着して固定す
るようにしている。

ところで、ドアウエザーストリツプ３は大略以
上のようにしてドアに装着するのであるが、この
ドアウエザーストリツプ３のドア本体２側の装着
位置は、ドア本体２内に浸入する雨水、洗車水等
の水抜き部の形成やドアヒンジ、ドアロツク装置
（何れも図示省略）等の取付けの兼ね合いで第２
図に示すようにドアサツシユ１の延長上より車室
側にオフセツトして、ドア本体２外周の車室側の
周縁部に設定するようにしている。このため、ド
アウエスト近傍では、第２図に示すように、ドア
ウエザーストリツプ３の配設位置がドアサツシユ
１の延長上から車室側に交化する部分Ｐが生ず
る。このドアウエザーストリツプ３の配設位置変
化部分の固定に際しては、ドアウエザーストリツ
プ３がドアサツシユ１の延長部８とオフセツトす
る部分では前述のクリツプ５固定が可能である
が、ドアインナパネル６ａの内、外面でのドアサ
ツシユ延長部８とドアウエザーストリツプ３とが
背合せ状になる部分では、上記クリツプ５先端が
ドアサツシユ延長部８と干渉するためクリツプ５
止めが不可能となつてしまう。仮りに、ドアサツ
シユ延長部８並びにドアサツシユ１に嵌装したグ
ラスランラバー９にクリツプ挿通用の孔を開設し
て、第４図の鎖線で示すようにクリツプ５止めを
可能にしても、クリツプ５先端がドアガラス１０
と干渉してドアガラス１０の昇降に支障を来たす
虞れは解消し得ない。そこで、一般には上記ドア
ウエザーストリツプ３の配設位置変化部分の固定
に関しては、第４図に示すように、適宜に接着剤
１１で接着固定するようにしているが、この接着
剤１１によつてドアウエザーストリツプ３を固定
する場合、接着剤１１が完全に硬化するまではド
アを閉止することができないという不具合があ
る。即ち、ドアウエザーストリツプ３が完全に接
着されていない状態でドアを閉止した場合には、
ドアウエザーストリツプ３の撓みや車体開口縁に
密接した時の反力によつてドアウエザーストリツ
プ３が剥離して、取付不良を生じてしまうもので
あり、従つて、車体組立ラインでこのように長時
間ドアを開けておくことは作業スペース上不利と
なるばかりでなく、他の機能部品取付けに際して
ドアが邪魔となつて組付作業性を損うという不具
合がある。

このような従来のドアウエザーストリツプの取
付構造における不具合を解決する手段として、本
出願人は、先に、ドアウエザーストリツプの配設
位置が変化する部分の固定に関して、接着剤を用
いることなく、しかもドアサツシユ、ドアガラス
等との干渉を回避し得るクリツプ部材を用いた取
付構造を提案している。即ち、この取付構造によ
れば、第６図及び第７図に示すように、クリツプ
部材Ｃは、一側にドアウエザーストリツプ３のベ
ース部３ａ側縁を押え付けるリテーナ部１２を備
え、他側にドアインナパネル６ａのドアサツシユ
延長部８とオフセツトした位置に形成した取付孔
１３に貫通係着するクリツプ部１４を一体に備え
てものであり、上記クリツプ部１４を取付孔１３
に叩き込んでベース部３ａ側縁をリテーナ部１２
で強固に挾着するようにしてその作業性の向上並
びにドアウエザーストリツプの取付信頼性の向上
を図つたものである（実願昭54−116258号）。し
かし、この取付構造にあつても、上記リテーナ部
１２でドアウエザーストリツプ３のベース部３ａ
側縁を直接保持できる範囲が限られているため、
ドアウエザーストリツプ３の取付信頼性にも限度
があり、又、ドアウエザーストリツプ３のベース
部３ａ側縁を広範囲に亘つて保持するにはクリツ
プ部材C′自体を大型化しなければならず、その
分コストが嵩むという不具合がある。更に、上記
クリツプ部材C′の保持がドアウエザーストリツ
プ３の配設位置が変化する部分Ｐに亘るときに
は、クリツプ部材C′のリテーナ部１２の形状を
ドアウエザーストリツプ３の曲り具合に応じて適
宜形成する必要が生じ、クリツプ部材C′の成形
が面倒になり、汎用性に欠けるという問題があ
る。

本考案は以上の観点に立つて為されたものであ
つて、その目的とするところは、上記クリツプ部
材のリテーナ部両端に弾性変形可能な脚部を設け
ることにより、ドアウエザーストリツプの配設位
置が変化する部分の固定に際して、ドアウエザー
ストリツプのベース部側縁を広範囲に亘つて保持
可能にし、且つ上記脚部をもつてドアウエザース
トリツプの曲り部分におけるベース部側縁をも確
実に保持し得るようにしてドアウエザーストリツ
プの取付信頼性を更に向上させたドアウエザース
トリツプの取付構造を提供することにある。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて本考案
を詳細に説明する。

第８図乃至第１０図に示す実施例に於いて、ド
アウエザーストリツプ３の配設位置がドアサツシ
ユ１延長上からドア本体２外周の車室側周縁に変
化する部位であつて且つドアインナパネル６ａの
内、外面でドアサツシユ延長部８と重合する部分
は、該ドアサツシユ延長部８とオフセツトした位
置でドアインナパネル６ａに貫通固定したクリツ
プ部材Ｃで保持されている。

この実施例に於いて、クリツプ部材Ｃは、第９
図に示すように、一側にドアウエザーストリツプ
３のベース部３ａ側縁を押えつけるリテーナ部１
２を備え、他側にドアインナパネル６ａのドアサ
ツシユ延長部８とオフセツトした位置に開設した
取付孔１３に貫通係着するクリツプ部１４を備え
て略Ｔ字状に一体成形されたものであり、上記リ
テーナ部１２は、基部１５と、この基部１５の両
端を支点としてドアウエザーストリツプ３の長手
方向に沿つて弾性変形可能に伸びた脚部１６とか
ら成るものであつて、この脚部１６は上記基部１
５に対して上下方向（矢印Ｘ方向）及びドア本体
２の外周面に沿う左右方向（矢印Ｙ方向）に撓み
変形可能になつている。このクリツプ部材Ｃを用
いてドアウエザーストリツプ３のベース部３ａ側
縁を保持するには、クリツプ部１４を取付孔１３
内に叩き込んでベース部３ａ側縁をリテーナ部１
２で強固に挾着するようにすればよく、このと
き、リテーナ部１２の脚部１６はドアウエザース
トリツプ３の長手方向に沿つて延設されているの
で、ドアウエザーストリツプ３のベース部３ａ側
縁はクリツプ部材Ｃにより広範囲に亘つて保持さ
れることになるばかりか、上記脚部１６は弾性変
形可能に形成されているので、ドアウエザースト
リツプ３の上下方向の曲がりのみならず、ドアウ
エザーストリツプ３の配設位置が変化する部分
Ｐ、即ち、ドアウエザーストリツプ３がドア本体
２の外周面に沿う左右方向に曲がつた部分につい
ても、上記脚部１６はドアウエザーストリツプ３
の曲がり具合に追従して弾性変形し、該ドアウエ
ザーストリツプ３の曲がり部分のベース部３ａ側
縁についての保持も可能になる。尚、クリツプ部
材Ｃの大きさによつてはクリツプ部１４がドアサ
ツシユ１の側部に張出成形した補強部１ａと干渉
するような場合を生ずることもあるが、この場
合、ドアガラス１０の昇降ガイドには寄与しない
補強部１ａに第１０図に示すようなクリツプ部１
４の逃げ部１ｂを切欠形成すればよい。一方、ド
ア本体２側に配置されるドアウエザーストリツプ
３の他の部分の固定に関しては、従来と同様、例
えば、第５図に示すように、ドアウエザーストリ
ツプ３のベース部３ａ中央部に取付けたクリツプ
５によつてドアインナパネル６ａに取付けられ
る。

以上説明してきたように、本考案に係るドアウ
エザーストリツプの取付構造によれば、ドア本体
外周部に配置するドアウエザーストリツプのドア
サツシユ延長部と重合する部分を、該ドアサツシ
ユとオフセツトした位置でドアパネルに固定され
るクリツプ部材により保持固定したので、ドアサ
ツシユとの干渉の問題もなく、また、従来の接着
タイプのものに比べて取付作業性が向上し、更に
該クリツプ部材による固定完了後はドアを閉止す
ることができ、車体組立ラインにおける作業スペ
ースが損われる虞れはない。又、上記クリツプ部
材のリテーナ部は、ドアウエザーストリツプの長
手方向に沿つて基部の両端から基部を支点として
弾性変形可能な脚部を備えているので、ドアウエ
ザーストリツプのベース部側縁をクリツプ部材自
体を大型化させることなく広範囲に亘つて保持す
ることができ、しかもドアウエザーストリツプの
配設位置が変化する曲がつた部分についても、上
記脚部がドアウエザーストリツプの曲がり具合に
追従して弾性変形してドアウエザーストリツプの
ベース部側縁を確実に保持することができ、ドア
ウエザーストリツプの取付信頼性が向上すると共
に汎用性に富むという実用上大なる効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車用ドアの外観斜視図、第２図は
従来のドアウエザーストリツプの取付構造の一例
を示す第１図中Ａ部拡大斜視図、第３図は第２図
中−線断面図、第４図は第２図中−線断
面図、第５図は第２図中−線断面図、第６図
は従来のドアウエザーストリツプの取付構造の他
の例を示す要部拡大斜視図、第７図は第６図中
−線断面図、第８図は本考案に係るドアウエザ
ーストリツプの取付構造の一実施例を示す要部拡
大斜視図、第９図はクリツプ部材の詳細を示す斜
視図、第１０図は第８図中−線断面図であ
る。 Ｃ，C′……クリツプ部材、１……ドアサツシ
ユ、２……ドア本体、３……ドアウエザーストリ
ツプ、３ａ……ベース部、６……ドアパネル、８
……ドアサツシユ延長部、１２……リテーナ部、
１３……取付孔、１４……クリツプ部、１５……
基部、１６……脚部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアサツシユ１外周とドア本体２外周とに跨つ
   てドアウエザーストリツプ３を装着し、ドア閉時
   に前記ドアウエザーストリツプ３を車体開口縁に
   密接させて車室内、外をシールするようにした自
   動車用ドアに於いて、前記ドアウエザーストリツ
   プ３におけるドア本体２外周に配置する部分で、
   且つ少なくともドアサツシユ延長部８と重合する
   部分のベース部３ａ側縁を、ドアウエザーストリ
   ツプ３の長手方向に沿つて基部１５の両端から伸
   びるとともに当該基部を支点としてドア本体２の
   外周面に沿う方向に弾性変形可能な脚部１６を備
   えてなるリテーナ部１２と上記基部１５に一体形
   成されドアパネル６の取付孔１３に貫通係着する
   クリツプ部１４とを有するクリツプ部材Ｃにより
   保持するようにしたことを特徴とするドアウエザ
   ーストリツプの取付構造。