JPS6033710B2 - モ−メント補正装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、エンジン出力をプロペラ軸へ伝達する動力伝
達中間麹と、船尾に取付けられ、かじ取り装置の動きに
応動して前記動力伝達中間部の周りに回転可能な回動ハ
ウジングおよび回動しない非回動ハウジングを有し、前
記動力伝達中間軸が内部で支持されたプロペラハウジン
グと、船尾から後方に前記プロペラハウジングを懐け、
かつプロペラハウジングを垂直面内にトリム調整できる
押圧装置とを有する船の推進装置に用いられるモーメン
ト補正装置に関する。

この形式のプロペラハウジングは、それが作動位置にあ
るとき‘こ下方に延在する動力伝達用中間騒動轍を有す
る。

ハウジングは、この軸のまわりに回転できる部分と、こ
の駆動軸に対して回転しない部分とを有する。傾け兼ト
リミング装置の一部を構成している圧力装置が、船尾と
プロペラハウジングの間に装置されている。この形式、
例えば、スウェーデン特許第２２０８８１号（英国特許
第１１６１１０５号）に記載されている形式のプロペラ
ハウジングでは、その回転部分、従ってプロペラ軸を曲
げようとするモーメントが生じる。このモーメントのの
根本的な発生理由は２つある。１つは「中間軸から歯車
を経てプロペラ軸に伝達される駆動力によって発生する
モーメントである。

もう１つのモーメントは、船が前進する際船体により押
除けられる水流の船尾から後方水面へと上向きの水流を
生じこの上向きの水流内でプロペラが回転して船に前進
方向の推力を与えることにより生じる。この水流は、プ
ロペラ軸を通る垂直平面においてプロペラ軸に対してか
なりの角をなす。これら両モーメントは、舵柄（かじ取
り装置）に逆力を加えることによって補正しなければな
らないが、これはかじ取り装置を操作する操舵者を非常
に疲労させることにつながる。スウェーデン特許第２１
１９７０号（英国特許第１０４４９３１号）は、最初に
述べたモーメントを補正する装置を記載している。

この装置では、プロペラ軸と中間軸との交差点が、本質
的にプロペラ軸上に装着されていて前記歯車装置の一部
となる冠歯車のピッチサークルと同じ平面に在る。スウ
ェーデン特許第１９９９６９号（米国特許第３１７１３
８２号）は、前述モーメントの両方を補正する装置を記
載している。

この装置では「プロペラハウジング上に水平された水平
カム板が、船尾機材上に装着されたは）、垂直な支持肩
部と協働し、カム板と支持肩部の接点が、プロペラ軸の
片側に設置されている。先に述べたように、最初に述べ
た装置は、両方のモーメントを補正しない。

従って、この装置は欠点の全てを除去することはできな
い。後で述べた装置は、両モーメントを補正するけれど
も、当該形式の小さい動力ユニットでしか用い得ない。
また、後者の装置では船をトリムすることが難かしい。
本発明による装置はＬ前述の欠点を持つことなく両モー
メントを補正する。

本発明の目的は、前述形式のプロペラユニットにすえ付
けたときに、プロペラユニットの寸法を制限することな
くプロペラハウジングの回転部分にかかる望ましくない
トルクを補正する装置を提供することにある。

本発明の別の目的は、前述の補正をなすと共にプロペラ
ユニットの液圧式傾けおよびトリミングを可能とする装
置を提供することにある。

本発明の更に別の目的は、補正かじとりモーメントの大
きさを簡単に調節できる装置を提供することにある。

これ等の目的は本発明によるモーメント補正装置により
解決している。

この場合、単一の押圧装置によりプロペラユニットの懐
けおよびトリミング〜又プロペラ圧力により発生する回
動ハウジングのモーメント補正を実施出来る様に構成さ
れている。

即ち、特に中間部村を非回動ハウジングに船の前後方向
に移動可能に配設していることにより、回動ハウジング
に設けたカムに対する中間部材の姿勢を常に適正に保持
可能としていているので、カムと中間部村の相互作用を
常に一定に保証している一方、中間部材に対して押圧装
置の一端をピボット連結していることにより、押圧装置
の運動行程が長くなっても圧力手段に負荷する曲げモー
メントを小さくできるからプロペラユニットの傾け動作
も可能としている。更に、回敷ハウジングに対するカム
の取付角度を調整する調整装置を設けることにより、船
に使用される駆動装置の出力の大きさに対応して、中間
部材とカムの接触点を船の長手中心線から側方に移動し
た位置に変位させて、回動ハウジングに働く駆動装置を
木所望のトルクを打消す補償トルクを調節して回動ハウ
ジングに付与し「かじ取モーメントを補正可能とし、従
ってかじ取り装置の操作力を所望の如くすることを可能
としている。この様に「本発明による装置は単一の圧力
装置により船外機に要求される三つの技術的事項、即ち
、プロペラユニットの傾け及びトリム調整並びにモーメ
ント補正を実施できる他、駆動装置の出力に対応したモ
ーメント補正も実施できるという利点を有するものであ
る。本発明の装置を、その一実施例について以下に一層
詳しく述べる。

しかしながら、この実施例は、ほんの一例であって発明
の範囲を限定するつもりはない。この実施例では、駆動
装置は、先に最初に述べたモーメントを補正する装置す
なわち、スウェーデン特許第２１１９７び号（英国特許
第１０４４９３１号）による装置をも備えている。前記
特許の装置を備えた駆動駆直には別のモーメントも生じ
得る。本発明は、この別のモーメントを補正すると共に
プロペラによって生じるモーメントを補正することを意
図する。第ｌａ，ｌｂ図は全体的に参照符号１によって
示すプロペラユニットを図示しており、このプロペラユ
ニットは、船の船尾横村２から吊り下げられたプロペラ
ハウジング３を有し、ハウジング３は、水平支持軸４の
まわりに傾斜運動できるように配置されている。

船のエンジン（図示せず）は、回転軸５に直結され、こ
の回転軸は、歯車装置６の一部を構成する大歯車７と協
働する。歯車の一部を構成する要素については、第３図
を参照しながら後に述べることになる。エンジンの動力
は、軸５から歯車装置６を経て大歯車８に伝えられるこ
の大歯車は、下方に延びる動力伝達中間軸９上に固着さ
れている。エンジン動力は、この中間軸９から歯車装置
１０を経てプロペラ軸１１およびこのプロペラ軸に装着
されたプロペラ（図示せず）に伝えられる。プロペラハ
ウジング３は、中間軸９のまわりに回転することのでき
る下方部分（回動ハウジング）１２と、この髄のまわ晩
こは回転できない上方部分（非回動ハウジング）１３と
を有する。

船の船尾２とプ。べラハウジングとの間には、液圧式の
傾け兼トリミング装置１４が装置されている。図に示す
ように、傾け兼トリミング装置は、液圧ピストンおびシ
リングユニットの形態を持ち得る。この装置１４は、プ
ロペラハウジングを押す押圧装置を包含し、この押圧装
置は、実施例では、ピストン棒１５である。逆に液圧シ
リンダ２１を押圧装置として用いてもよく、この場合ピ
ストン棒１５を船尾に支持させる。プロペラハウジング
３に面するピストン棒１５の端部１６は、中間部材とし
てのピストン状体１７を支持しており、これはプロペラ
ハウジングの非回動ハウジング１３内に配置された軸受
１８内で限られた鯛線方向運動をするように配置されて
いる。

ピストン状体１７は、プロペラハウジングの回動ハウジ
ング１２に配置されたカム１９を押圧する。端部１６で
、ピストン樺１５は、ピボット連結部２２によってピス
トン状体１７に枢着されている。軸受１８は、シリンダ
の形態を有し、プロペラハウジングの非回動ハウジング
１３内に配置されている。ローラ２３が、中間軸９に面
するピストン状体１７の部分に配置されたピン２４のま
わりに回転自在に藤支されている。ピストン状体１７は
、このローラを介してカム１９と間接的に係合する。

カム１９は、カムスリーブ２５に固着されており、この
カムスリーブは、ガイドスリーブ２６を同ぴこ囲んでお
り、このガイドスリーブは、プロペラハウジングの回転
ハウジング１２の案内装置となる。

スリーブ２５，２６はスブラインによつて相互に連結さ
れており、このスプラィンは、普通のように藤線方向に
延びるランド２７とこれと対応して係合する溝２８とを
包含している。ガイドスリーブ２６は、プ。べラハウジ
ングの非回動ハウジング１３内で軸受２９，３０上に回
転自在に装着されている。このガイドスリーフは、特殊
なねじ装置によって錠止することによって回動ハウジン
グ１２に対しては通常回転できない。この配置は、第２
図を参照して以下に述べる。船のかじ取り装置３１は、
案内軸３２および歯車装置３３を介してカムスリーブ２
５と連結されている。

第２図は、第１図のロー０線に沿った断面図である。

この図は、プロペラハウジングの回動ハウジング１２お
よびこの中央に軸支されたガイドスリーブ２６を示して
いる。回動ハウジング１２内に設置されたねじ孔３７内
に螺合された２つの固定ねじ３４は、延長部３５を有す
る。これらの延長部３５は、ガイドスリーブ２６の軸心
の両側に配置されたくぼみ３６内に突出する。くぼみ３
６は、一方のねじ３４がねじ戻され、他方のねじ３４が
一方のねじ３４のねじ戻し量だけねじ込められた場合に
、図示位置に関してガイドスリーブ２６を回動ハウジン
グ１２に対して相対回転させることができる。ねじ３４
は、ねじ孔３７の延長部にある空所３８内に挿入された
プラグ３９によって保護されている。上述の一方のねじ
３４のねじ戻し及び他方のねじのねじ込みはプラグ３９
を取外して、汎用のねじまわし１こよって実施する。こ
のような調整装置により、回動ハウジング１２に対する
カム２０の取付角度位置を調整できる。第３図は、第１
図のｍ−ｍ線に沿った断面図であり、支持軸４、回転軸
５および中間軸９の上部を通る断面を示す。プロペラユ
ニットおよび歯車装置６を取付けるための図示構造は、
公知であるからここで更に説明を要しないであろう。第
４ａ，４ｂ図は、第１図のＷ−Ｎ線に沿った断面図であ
り、カム１９を持つカムスリーブ２５と、互に係合する
ようにピストン棒１５と連結されたロ−ラ２３とを示し
ている。

第４ａ図において、カムの対称線４０は、船の縦線ＣＬ
と一致し、一方第４ｂ図では、カムは、船の縦線ＣＬ‘
こ関して角Ｖにわたって回転したところを示されている
。第４ａ図は、カム１９の支持面２０と係合しているロ
ーラ２３を示しており、この支持面の中点は、線分ん，
０上にある。第４ｂ図において、支持面２０は、変位さ
れていて、接触点Ｂへ、線分Ａ，，○お片側にある。

すなわち、船の長手方向の中心線から側方へ外れている
。第４ａ，４ｂ図から判るように、カムは、角Ｖが増大
するにつれてローラ２３がカムスリーブ２５の中心○か
ら離れているような形態になつている。本発明による装
置の作動は、次の通りである。

通常のかじ取り作用では、かじ取り装置３１は、いずれ
かの側に働かされ、ガイド軸３２がそれに応じた程度に
回転させられる。この回転は、歯車装置３３を経てカム
スリーブ２５に伝えられ、このカムスリーブは、スプラ
イン結合２７，２８を介して、回転動をガイドスリーブ
２６およびプロペラユニットの回動ハウジング１２に伝
える。従ってプロペラ軸１１およびヒール片４１の両方
が相当する程度の回転を受ける。カムスリーブ２５が第
４ａ図に示す位置にあるときには、プロペラ圧力は、か
じ取り装置３１に伝えられるモーメントを生ぜしめ、こ
のかじ取り装置３１を扱っている人は、このモーメント
に対して一定に反力を与えて船を意図したコースに維持
する必要がある。

しかしながら、前述のようにカムスリーブ２５は、その
中心○まわりに回転することによって調節され得る。こ
の調節は、次のようにしてなされる。前述のように、第
２図に示す固定ねじ３４は、プロペラハウジングの回動
ハウジング１２に対してガイドスリーブ２６を相対回転
して回定することが可能である。

ガイドスリーブが回転させられると、回転運動は、スプ
ラィン結合２７，２８を介してカムスリーブ２５に伝え
られ、その際カム１９も同時に回転させられる。簡略に
するためにカムスリーブ２５が第４ｂ図に示す位置にあ
るものと仮定する。それ故プロペラ圧力は、中間部材の
船尾側面上に位置する支承面の接触点であるＢ点に作用
することになり、力は、船の縦線と平行な大河に一定に
作用することになる。従って、Ｂ点から線分Ａ，，０ま
での直角方向距離に相当するモーメントアームが生じる
ので、プ。べラ圧力に抗するモーメントが生じる。カム
スリーブ２５に対して適当な調整をなすことによって、
このモーメントの大きさを、プロペラ圧力によって生じ
るトルクに等しくすることができ、これら２つのモーメ
ントは、互に対向するので、かじ取り装置に作用する力
に反抗する仕事をなくすことができる。前述の調整装置
が船の懐け兼トリミング装置１４と組合せられていると
いう事実にもかかわらず、ユニットの傾けおよびトリミ
ングは、カムスリーブ２５上でのセッティングに無関係
に実施され得る。

本発明を好ましい実施例について述べてきたけれども、
発明の概念を逸脱することなく構成要素の数およびデザ
インに関して変更し得ることは了解されたい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による装置を組み込んだプロペラユニ
ットの上方部分の縦断面図、第ｌｂ図は、第１図と同様
の図でプロペラユニットの下方部分を示す図、第２図は
、第ｌｂ図のローロ線に沿った横断面図、第３図は、第
ｌａ図の町一Ｍ線に沿った断面図、第４ａ，４ｂ図は、
第ｌａ図のＷ−Ｎ線に沿った横断面図である。 １・・・・・・プロペラユニット、２…・・・船尾機材
、３・…・・プロペラハウジング、９・・・・・・中間
軸、１２・・・…回動ハウジング、１３・・・…非回動
ハウジング、１７・・・・・・中間部材、１５・…・・
押圧装置、１９・・・・・・力ム、２３……ローラ、２
５……力ムスリーブ、２６・・・・・・ガイドスリーブ
、３５・・…・固定ねじ、３６……くぼみ。 ＦＩＧ．ｌｏ ＦＩＧ．ｌｂ ＦＩＧ．２ ＦＩＧ．３ ＦＩＧ・ム。 ＦＩＧ‐ムｂ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ エンジン出力をプロペラ軸へ伝達する動力伝達中間
   軸と、船尾に取付けられ、かじ取り装置の動きに応動し
   て前記動力伝達中間軸の周りに回転可能な回動ハウジン
   グおよび回動しない非回動ハウジングを有し、前記動力
   伝達中間軸が内部で支持されたプロペラハウジングと、
   船尾から後方に前記プロペラハウジングを傾け、かつプ
   ロペラハウジングを垂直面内にトリム調整できる押圧装
   置とを有する船の推進装置に用いられるモーメント補正
   装置において、（Ａ） 前記押圧装置の船尾側端部に一
   端がピボツト連結され、少なくとも前記押圧装置の動き
   に応動して船の前後方向に移動可能に前記回動ハウジン
   グ内に配設され、かつ前記押圧装置と前記回動ハウジン
   グとの間に配設された中間部材と、（Ｂ） 前記かじ取
   り装置の動きに応動して、前記回動ハウジングと共に前
   記動力伝達中間軸の周りに回動し、前記押圧装置および
   前記中間部材と協働して、前記船の長手方向の中心線か
   ら側方へ外れた、前記中間部材の船尾側面上に位置する
   支承面の接触点で前記中間部材と接触しながらプロペラ
   力を受容するカムと、（Ｃ） 前記回動ハウジングに対
   する前記カムの取付角度を調整して、前記船の長手方向
   の中心線から側方へ外れた前記中間部材との前記接触点
   を前記中心線に近づけ又は遠ざけるように調整する調整
   装置とを有し、船の走行時に前記回動ハウジングに働く
   不所望のトルクを打ち消す補償トルクを前記カムを介し
   て回動ハウジングに付与し、かつ、前記調整装置により
   前記接触点の位置を変えることにより前記補償トルクの
   大きさを調整することを特徴としたモーメント補正装置
   。