JPS6032793B2 - 炉頂装入装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は主にシャフト炉等に採用される炉頂装置に係り
、特にシャフト炉を用いて鉄鉱石の還元を行なう場合に
おいて、原料鉄鉱石の投入に伴ない炉内から漏洩する還
元ガスを確実にシールするとともに、炉内に鉄鉱石を自
在に分配しつつ投入することができるようにした装置に
関するものである。

近年、高炉法に替わる製鉄法として直接還元製鉄法が注
目されている。

直接還元製鉄法とは高炉法によらない製鉄法の総称であ
り、シャフト炉、キルン、流動炉等々種々の装置を使用
したものが知られている。シャフト炉法とは、シャフト
炉の炉頂にフィードホツパーを設け、このフィードホツ
パーから炉内へべレットや塊鉱石（ＬｕｍｐＯｒｅ）等
を袋入し、炉内中央部より還元ガスを吹込み、炉内で還
元して得られた製品（スポンジ鉄）を炉下部より得る方
法である。

シャフト炉法では高炉法で要求されるような強粘結炭を
必要とせず、石油産出国で得られる安価な天然ガスを改
善することにより純度の高い還元ガスを得ることができ
、また殆んどのプロセスがクローズシステムであるため
公害対策の面からも高炉法より優れている。又、その操
業上の点からもその容易性から低開発国で充分使用でき
るものである。従来、このシャフト炉法に使用される炉
頂菱入装置としては、第１図に示す如くシャフト炉ａの
炉頂上方に原料貯留ホッパｂを設けるとともにこの原料
貯留ポツパｂの底部から下方へ延びる原料投入管ｃを炉
体頂部を貫通させて炉内へ適宜長さ挿入した構造のもの
が一般に使用されており、これら原料投入管ｃ，ｃの下
端には原料分配器ｄ，ｄが取付けられている。原料分配
器ｄとは、その頂部を上方へ向けて支持された錐体状の
都材であり、その周囲に形成された煩斜面を利用して炉
内へ投入される原料を分配するように構成されたのであ
る。尚、ｅは排気管である。しかしながら、以上の如き
炉頂装入装置には次のような問題点があった。

１ 原料投入時に、原料投入管ｃを通って炉外へ漏洩し
ようとする炉内ガスをシールすることに困難がある。

２ 原料投入管ｃ内へ高熱の炉内ガスが侵入すると、原
料投入管ｃ内において原料が嘘結して塊状となり、投入
管ｃ内が詰ってしまう。

３ 炉内への原料没入角度は原料投入管ｃの下端と分配
器との隙間により決定されるものであるが、この隙間は
固定されたもので一定であるから原料投入角度を任意に
変えるとはできない。

そこで、本発明者は従来のシャフト炉の炉頂装入装置に
おける以上の如き問題点に鑑み、これを有効に鱗決すべ
く本発明を創案するに至ったものである。本発明の号的
とするところは、炉内へ原料を投入するに際して炉内ガ
スの漏洩を確実に遮断することができるとともに、炉内
における原料投入軌跡を自在に変化させることができ、
更に原料投入通路内において原料が焼結するなどの問題
を可及的に防止することができる炉頂装入装置を提供す
ることにある。

以下に、本発明の好適一実施例を添付図面に従って詳細
に説明する。

図面は、本発明装置を説明するためのもので、第２図は
本発明装置の概略側断面図、第３図は本発明装置の駆動
機構の一例を示す図である。

第２図に示す如く、シャフト炉１の炉体２の頂部には排
気口３が形成されており、この排気口３には排気主管４
が連続されている。また、排気主管４は図示しない排気
ブロワ等へと連結されている。炉体２内には、その頂部
を貫通させて筒体５，５が適宜長さ垂直に挿入されてい
る。これらの筒体５，５にはそれぞれの下端５ａ，５ａ
を開放されており、これらの開放端部の直下には錐体状
の原料分配器６，６が吊金具７，７を介して懸垂支持さ
れている。筒体５，５の上部側面には排気口８，８が形
成されており、これらの排気口８，８はそれぞ排気岐管
９，９を介して炉体２の上方に支持されたりングヘッダ
１０へと連結されている。リングヘッダ１０には副排気
管１１が連結されており、この副排気管１１は図示しな
い排気ブロワ等へと連結されている。前記排気主管４と
副排気管１１との間には弁１２を介して蓮逸するように
なされている。一方、炉体２の上方の適当な高さの位置
には原料供Ｖ給ホツパ１３が、図示しない支持手段によ
って支持されている。図示原料ホッパ１３はその底部を
４つに分割されて４つの漏斗状シュート１３ａ，１３ａ
…が形成されており、各シュートの底部には原料投入口
１４ａ，１４ａ・・・が形成されている。これらの原料
投入口１４ａ，１４ａ・・・の出口側には、垂直に下方
へ延びる原料投入管１５，１５…が連結されており、ま
たこの原料投入管１５，１５・・・の下端１５ａは前記
筒体５，５の頂部を貫通してその内部へ適宜長さ挿入さ
れている。原料投入管１５，１５・・・は図示例におい
ては、太さの異なる２本の原料投入管１６，１７を互い
に酒勤自在に挿入してなり、細い方の投入管１６と太い
方の投入管１７との間の隙間は水封手段１８によってシ
ールされている。また、太い方の投入管１７と前記筒体
５との間の隙間にも、水封手段１９，１９が設けられ、
内外の気密を維持し得るようになされている。太い方の
投入管１７は昇降勤自在に支持されている。投入管１７
を昇降動させる手段としてはモータ、ラック及びピニオ
ンの組合せ機構によるもの、或いはロープによって吊り
上げるもの等々種々の機構が採用される。第３図はその
一例を示すものであり、図示の如く原料投入管１５を狭
んで相対時する臆する位置に支持台２０，２０を設ける
とともに、これらの支持台２０，２０上にシリンダ装置
２１，２１を向合せに設け、互いのピストンロツ２２，
２２間にワイヤロ−ブ２３を架け渡し、更にこのワイヤ
ロープ２３の中間点を前記太い方の投入管１７に固着し
たもので、ピストンロッド２２の伸縮に応じて投入管１
７は昇降するようになされたものである。次に、以上の
構成よりなる本発明装置の作用を詳細に説明する。

前述の如く、シャフト炉法とはシャフト炉の頂部からべ
レツトまたは魂鉱石等の製鉄原料を炉内へ菱入するとと
もに、炉の下部から上方へ向けて比とＣＯを主成分とす
る高温の還元ガスを流し、炉内を降下する間に製鉄原料
を還元しようとするものである。

シャフト炉の運転を開始するに際しては、先ず炉内に上
記製鉄原料を投入してその頂部近傍までいっぱいに満た
さねばならない。この炉内への原料投入にあたっては、
炉内全域に亘つてできる限り均一に製鉄原料を堆積させ
つつ満たすことが望ましく、このため従釆より原料投入
管を使用した炉頂袋入装置においては、原料投入管の下
端に錐体状の原料分配器が設けられ、この分配器の周側
面に形成される傾斜面によって投入管の下端より放出さ
れる原料を適宜放射状に分散させるようになされている
。原料が分散される度合及至放出される原稀の飛行軌跡
は、原料投入管と分配器との間隙の大小によって決定さ
れるが、従来この間隙は炉内へ作業員が直接降りて手動
操作しない限り変えることがきず、従って炉内が空の状
態から原料投入を開始するに際しては、炉内へ投入され
る原料の飛行軌跡を最適値に設定するため、いちいち作
業員が炉内に入って分配器を調整さねばならないという
不都合があった。しかしながら、本発明装置によれば炉
内へ投入される原料の飛行軌跡を遠隔操作によって自在
に変えることができ、いちいち分配器の調整のために作
業員が炉内へ入ることは全く必要としない。

即ち、原料供給ホッパ１３内に製鉄原料Ｍを満たすと、
このホッパ１３内に満たされた原料Ｍは原料投入口１４
ａ，原料投入管１６，１７を経て自重により降下しつつ
炉体２内へ挿入された筒体５内へと導入され、更に分配
器７の周側面に案内されつつ炉内へ適宜分配投入される
のであるが、その際にシリンダ装置２１を適宜駆動させ
てピストンロッド２２を伸縮させれば、原料投入管１７
は距離ｈの範囲で筒体５内を昇降することになり、この
結果原料投入管１７の下端と分配器６との間の隙間Ｓが
変化することにより、炉内へ投入されて落下する原料の
軌跡が変化するのである。従って、例えば原料を広範囲
に分散させつつ炉内へ投入したい場合には、原料投入管
１７を降下させて上記隙間Ｓの幅を狭くすればよく、そ
の反対に原料投入管１７を引き上げてその下端と原料分
配器６との隙間Ｓを拡大すれば、原料投入管１７の直下
近傍を中心に原料を投入することが可能となるのである
。このようにして、炉内へ原料を均等に堆積させつつ満
たし、原料投入管１７の下端まで炉内原料レベルが達し
たならば、次いで原料投入管１７を第２図中左側の例の
如く引き上げ、筒体５内に厚さｄからなる原料層Ａを形
成させる。ここで、前述の如くシャフト炉１内において
は、炉内を下部から上方へ向けて高温の還元ガスが流れ
ており、この還元ガスはその大部分排気主管４から炉内
へ排気されるのであるが、従来の炉頂袋入装置において
は炉の運転中この還元ガスの一部が原料投入管内を逆流
して漏洩するという問題があつた。しかしながら、本発
明装置においては、筒体５内の原料層Ａの隙間を上昇し
た還元ガスは原料投入管１７の下端において、矢印イに
示す如く原料投入管１７内へは侵入せずに迂回し、排気
口８，排気岐管９，リングヘツダ１０及び副排気管１１
を経て炉外へ排出される。このため、従来装置とは異な
り還元ガスが原料投入管１７，１６を通って上昇しホツ
バ１３から漏洩するなどの問題は解決される。また、従
来の炉頂菱入装置においては原料投入管内へ高温の還元
ガスが浸入することにより、原料投入管内において原料
が競結されて塊状になり、これにより原料投入管内が詰
ってしまうなどの問題があったが、本発明装置において
は原料投入管１７内へは決して高温ガスは浸入しないた
め、原料投入管１７内において原料が麹結されるなどの
虞れは全くなく、更に筒体５内における原料層Ａについ
ては、筒体５が原料投入管１７に比例して太いため、仮
に競結原料が塊状になったとしても、筒体５内が詰るな
どの虜れは全くない。尚、以上の実施例において、筒体
５の直径を下方へ向うに従って徐々に拡大してスカート
状に形成すれば、液体５内における原料鱗緒の虞れを更
に防止することができる。また、以上の実施例において
、バルブ１２を開けば筒体５内の還元ガスを排気主管４
へと吸引させることもできる。また、以上の実施例は本
発明装置をシャフト炉タイプ還元鉄製造装置に採用した
例を示したが、本発明装置はシャフト炉タイプ還元鉄製
造装置に限らず他の炉体（例えば、競縞炉等）にも広く
採用することができるものである。以上で明らかなよう
に、本発明によれば炉内へ原料を投入するに際して炉内
ガスの漏洩を確実に遮断することができるとともに、炉
内における原料投入軌跡を自在に変化させることができ
、更に原料投入通路内において原料が隣結するなどの問
題を可及的に防止することができる等の優れた諸特長を
発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明を説明するためのもので、第１図は従来装
置の概略説明図、第２図は本発明装置の概略側断面図、
第３図は本発明装置の駆動機構の一例を示す図である。 尚、図面中２は炉体、５は筒体、６は分配器、８は排気
口、１３はホッパ、１５，１６，１７は原料投入管であ
る。第１図 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 炉体の上方の適宜高さにホツパを設け、上記炉体内
   には、炉体頂部を貫通させて下端の開放された筒体を適
   宜長さ垂直に挿入し、この筒体の下端に錐体状分配器を
   設け、上記ホツパからの原料投入管を上記筒体の上端を
   貫通させてその内部に適宜長さ挿入するともに、この原
   料投入管を上記筒体内において昇降可能に支持し、更に
   上記筒体の上部に、この筒体内のガスを排気するための
   排気口を設けて成ることを特徴とする炉頂装入装置。