JPS6011088Y2 - ランス嵌插孔シ−ル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、転炉上部の排ガス捕集フードに形成されたラ
ンス挿入孔を蓋被するランスコーンのランス嵌挿孔シー
ル装置に関する。

一般に、ランスコーンのランス嵌挿孔と内嵌したランス
との間には炉操業時ランスが上下動しうるよう間隙が形
成されている。

しかし、炉操業時には炉内で発生した排ガスがランス嵌
挿孔間隙より漏出したり大気が上部フード内に吸入され
ることのないよう封止する必要がある。

そこで、従来においてはランスコーンのランス嵌挿孔を
、周壁と、該周壁に段設するリング金物とで構威し、炉
操業時ランス嵌挿孔の内面においてランスに向けて窒素
ガス等の不活性ガスを常時噴出させ、ランス嵌挿孔間隙
をシールするようにしている。

このため、従来装置では多量の不活性ガスを必要とし、
しかも回収する排ガスに不活性ガスが多量に混入し、回
収された排ガスが発熱量の低いものになる。

又、炉操業中突沸現象等が発生した場合多量の排ガスが
ランス嵌挿孔間隙より吹き出て作業還境が汚染されたり
、排ガス回収量が減少する等幾多の欠点があった。

本考案は上記の欠点を除去するためになされたもので、
炉操業時、ランスを所定位置にセットした状態ではラン
ス嵌挿孔間隙を完全にシールして不活性ガス消費量の大
巾な節約と回収ガスの不純化抑制及び回収ガス量の向上
を図り、ランスの上下位置変更時にはランスがスムーズ
に上下動できるランス嵌挿孔シール装置を提供しようと
するものである。

以下、その実施例を図面について説明すると、図中１は
ランス、２はランス１を嵌装するランスコーンで、該ラ
ンスコーン２は転炉上部の排ガス捕集フード３に載置さ
れ、そのランス挿入孔４を蓋被する構造とされている。

ランスコーン２に形成されているランス嵌挿孔５は周壁
６にその内径がランス１の外径よりも大きく形成された
リング金物７を段状に固設すると共に、周壁６の中間部
下方にはランス１に向は不活性ガスを噴出させるガス噴
出孔８を穿設して戊る。

９は上方のリング金物７間に位置腰その外周を前記周壁
６に接着固定した中空状弾性リングシ−ルで、該シール
９は内部を気体あるいは液体で加圧した時膨張してラン
ス１とリング金物７との間隙を完全に閉塞するようにな
っている。

１０は弾性リングシール９に連通された管路て弾性リン
グシール９内の流体を加圧下で流動させるようにしてい
る。

１１は捕集フード３に設けられた中空状弾性リングシー
ルである。

尚、第１図１点鎖線の如く、下方のリング金物７間を水
路１２としておくと弾性リングシール９の熱的劣化を防
止されより好適となる。

又、使用中のランスを予備のランスと交換する場合等に
おいて、ランスコーンをランスに迅速に着脱できるよう
直径方向に２分割あるいは３分割しボルトで結合１体化
するようにしたランスコーン（第２図参照）の場合には
コーンブロック２′の内外周に巻回されかつブロック周
壁６′に接着された中空状弾性シール９′とし、他ブロ
ツク側弾性シールとの接当部端面Ａを何形しておくと、
加圧膨張させた時完全なシールが可能となる。

本考案はこのように構成されているので、炉操業時ラン
スを上動あるいは下動させる場合には、まず、ガス噴出
孔８より不活性ガス（Ｎ２等）を噴出させておき、次い
で弾性リングシール内圧力を除去し弾性リングシール９
を縮小させる。

弾性リングシール９は外周部が周壁６に接着されている
ので内周部が拡径してリング金物７内に収納されランス
上下動の際損傷を受けず、又、ランス１の上下動を阻害
しない。

弾性リングシール９の縮小によってランス１とリング金
物７との間には間隙を生じるが、弾性リングシール９の
減圧操作と並行して不活性ガスの噴出し操作を行うこと
により、リング金物７のラビリンス効果で排ガスの漏出
は阻止され、作業環境の汚染を生じない。

ランス１を所定位置にセットした後は、弾性リングシー
ル９を加圧膨張させ、ランス１、リング金物７間の間隙
を完全に閉塞する。

次いで図外のバルブ操作で不活性ガスの噴出を止める。

弾性リングシール９は排ガス熱にさらされることになる
が、内部には冷開が流通されているのでシール性維持は
長期間可能である。

従って、本考案では、ランスを所定位置にセットした状
態でのランス嵌挿孔の完全シール化が可能であり、転炉
操業によって生じる排ガス中への不活性ガスの混入は極
めて少ないものとなり、回収される排ガスの熱量低下を
抑制することができる。

又、炉操業で突沸現象等があった場合にも排ガスの吹出
しが起らず作業環境は良好となる。

そして、不活性ガスはランスを上・下動させる時だけ噴
出させればよいのでその消費量は極めて少ないものとな
る等多大の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の断面図で右半分はランスを上
下動させる時のランスコーンの断面状態を示し、左半分
はランス所定位置セット後のランスコーンの断面状態を
示す。 第２図は２分割式ランスコーンの１部切欠き平面図で右
半分は中空状弾性シールを加圧膨張させた状態を示し、
左半分は同シールを減圧縮小中させた状態を示す。 １・・・・・・ランス、２・・・・・・ランスコーン、
５・・・・・・ランス嵌挿孔、６・・・・・・周壁、７
・・・・・・リング金物、８・・・・・・ガス噴出孔、
９・・・・・・中空状弾性リングシール、１０・・・・
・・管路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ランスを挿通するランスコーンのランス嵌挿孔を周壁と
   該周壁に段設するリング金物とで構成し、ランス嵌挿孔
   下部にガス噴出孔を形成したランスコーンにおいて、ラ
   ンス嵌挿孔上部に、周部を前記周壁に接着すると共に内
   部に冷開を加圧流通させる管路が連結された中空状弾性
   シールを設けたことを特徴とするランス嵌挿孔シール装
   置。