JPS648145B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、SRC大梁に対するプレキヤスト
コンクリート製横架材の架設方法をこれに使用す
るプレキヤストコンクリート製の横架材に関す
る。

従来、場所打ちコンクリートにて一体的に取付
ける場合に於けるSRC大梁に対しての小梁、ス
ラブなどのプレキヤストコンクリート製横架材の
架設は、当該横架材に組立鉄筋補強、リブ付形、
PC鋼線埋設等の無支保工加工が施こされている
場合にあつても、第１図に示す如く、横架材１に
は、その端部に支保工２を配して支持しておい
て、SRC大梁筋３に取合わせしなければならな
い（ａ図）。これは、横架材１自体には無支保工
にての能力が付加されていても、その端部を該
SRC大梁筋３の型粋に載荷させて支持させる訳
にはいかないからであつて、場所打ちコンクリー
ト４の打設養生後、該支保工２は取りはずされる
（ｂ図）。

尚、横架材１の該SRC大梁筋３の鉄骨３ａへ
の直接載荷はスターラツプ３ｂの存在により不可
能である。

また、横架材１の下面は、可能なかぎり梁成の
ふところ中におさめるようにしなければ、スラブ
厚が階高に影響するので、横架材１の鉄骨３ａの
フランジ上への直接載荷は通常なされない。

しかして、折角無支保工で架設できる横架材１
は、その能力を発揮し得ずして、支保工支持を介
さざるを得ないという不合理を有する。

本発明は、叙上の事情に鑑みなされたもので、
その要旨とするところは、小梁やスラブなどのプ
レキヤストコンクリート製の横架材を無支保工で
場所打ちコンクリートにてSRC大梁に対して一
体的に取付けるに際して、これを一切支保工で支
持することなく、SRC大梁の鉄骨で支持できる
ようスターラツプ間に差し込み可能な挿通用の支
持金物を該横架材にあらかじめ埋込んでおき、こ
れを用いて横架材を架設々置し、次に、この状態
で場所打ちコンクリートを折込み、横架材と場所
打ちコンクリートを一体的な構造とすることによ
つて、無支保工で床工事が可能となり、施工の合
理化が計れるとした点にある。

以下、これの詳細を図にもとづいて説明する。

すなわち、第２図ａに示す如く、横架材１の両
端所定位置に埋込んだスターラツプ筋間挿通用の
支持金物５によりSRC大梁筋３のスターラツプ
３ｂに影響されることなく横架材１を鉄骨３ａ上
に載荷させることができる。

当該支持金物５としては、山形鋼又は溝形鋼な
どを用い、その形状と必要数量は支持することと
なる荷重に応じて設定される。

横架材１設置後、場所打ちコンクリート４を打
設して大梁と一体となるスラブ構造とする（ｂ
図）かかる横架材１をスラブに実施した場合に於
ける基本形状を示すと第３図の如くである。

つまり、図中６はプレキヤストコンクリート製
捨型枠スラブを示し、これは、定間隔にPC鋼線
埋設（図示せず）のリブ７，…が付形され、支持
金物５は、当該リブ７の軸線延長上に方向性を有
して配設されてなる。

しかして、叙上構成に於ける支持金物５には、
横架材１の自重、その後に打増す場所打ちコンク
リート重量、施工時の作業荷重の作用などによつ
て、大きな応力が作用し、かつ、支持金物５の周
辺のコンクリートにも局部的に大きな応力が作用
するので、これらの荷重を安全に支持するために
は、支持金物５の近傍に適切な補強用鉄筋を配置
する必要がある。

第４図は、第２，３図に示すような工法を実施
するために考案した支持金物５の単純で、かつ、
有効な補強手段を示す。

すなわち、ａは、支持金物５の周りにスパイラ
ル状に鉄筋８を巻き、コンクリート９を拘速する
ことにより、支持金物５近傍の応力集中に対処す
る。ｂは、支持金物５を股いで、Ω形状の補強筋
１０を配置し、支持金物５より斜め方向に生ずる
ひびわれ１１の防止を計る。ｃは、支持金物５に
作用する荷重の大きさに応じ、ａとｂとを組合せ
て補強した態様を夫々示し、これによつて、安全
で、かつ、経済的な支持金物に構成することが出
来る。

しかして、叙上の如く構成されてなる本発明に
あつては、以下列記の如き諸効果が奏されること
となる。

(1) SRC大梁筋の鉄筋組立後に、横架材を鉄骨
に対し、直接載荷にて設置し得、支保工を一切
要することなくして、場所打ちコンクリートを
打設し、横架材とSRC大梁とを一体的構造と
することが出来る。

(2) この手段の実施に必要な横架材の支持金物に
作用する施工時荷重に対して、所定の補強手段
を採用することによつて、単純で、かつ、安全
性の十分な、したがつて、経済性の優れた支持
部分の設計が可能となる。

(3) この手段に於ける横架材として床スラブの型
枠を用いるならば、スラブ型枠の合理化と、ス
ラブの両端に固定度を与えることにより、振
動、たわみ性状の優れたスラブとすることが出
来る。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来施工法の手順図、第２図
ａ，ｂは本発明施工要領の手順説明図、第３図
ａ，ｂは本発明をスラブ型枠にて実施した態様を
示す平面図、正面図、第４図ａ，ｂ，ｃは本発明
に於ける支持金物補強の説明図である。 １……横架材、２……支保工、３……SRC大
梁筋、４……場所打ちコンクリート、５……支持
金物、３ａ……SRC大梁、３ｂ……スターラツ
プ、８……スパイラル鉄筋、１０……補強筋。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 両端部に補強処理を施こしてスターラツプ筋
   間挿通用の支持金物を突出させたプレキヤストコ
   ンクリート製の横架材を、SRC大梁の鉄骨に該
   支持金物を介して肩乗せ架設させ、無支保工で場
   所打ちコンクリートを打設して大梁と一体化する
   としたことを特徴とするSRC大梁に対するプレ
   キヤストコンクリート製横架材の架設方法。 ２ 両端部にスターラツプ筋間挿通用の支持金物
   を補強処理したうえで突出させてなることを特徴
   とするプレキヤストコンクリート製の横架材。 ３ 山型鋼若しくは溝型鋼をスターラツプ筋間挿
   通用の支持金物とし、該支持金物の周囲をスパイ
   ラル鉄筋にて補強し、両端部に該支持金物を突出
   させてなる特許請求の範囲第２項に記載のプレキ
   ヤストコンクリート製の横架材。 ４ 山型鋼もしくは溝型鋼をスターラツプ筋間挿
   通用の支持金物とし、該支持金物の周囲をΩ型筋
   にて補強し、両端部に該支持金物を突出させた特
   許請求の範囲第２項に記載のプレキヤストコンク
   リート製の横架材。 ５ 山型鋼若しくは溝型鋼をスターラツプ筋間挿
   通用の支持金物とし、該支持金物の周囲をスパイ
   ラル筋とΩ型筋にて補強し、両端部に該支持金物
   を突出させた特許請求の範囲第２項に記載のプレ
   キヤストコンクリート製の横架材。